JPH0749120A - 不完全燃焼検知装置 - Google Patents

不完全燃焼検知装置

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JPH0749120A
JPH0749120A JP5211117A JP21111793A JPH0749120A JP H0749120 A JPH0749120 A JP H0749120A JP 5211117 A JP5211117 A JP 5211117A JP 21111793 A JP21111793 A JP 21111793A JP H0749120 A JPH0749120 A JP H0749120A
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薫 久保田
Takayuki Nakamura
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱装置内で局所的な不完全燃焼が生ずるよ
うな場合にも、その状態を検知できるような不完全燃焼
検知装置を提供する。 【構成】 燃焼装置31と、この燃焼装置で発生する燃
焼ガスの熱量を被加熱物に伝える熱交換器11とを有す
る加熱装置用の不完全燃焼検知装置である。この装置に
は、熱交換器11入側部における燃焼室内壁開口部の温
度を検知する燃焼室開口部温度センサー81A、B、
C、Dが、複数かつ分散されて配置されている。これら
のセンサーからの複数の温度信号とパイロット火炎温度
センサー63からの温度信号との差信号は制御部83に
入力され、それらの信号の内の少なくとも1つが所定の
しきい値を越えたときに、同制御部83は不完全燃焼信
号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱交換器を有する加
熱装置(ガス湯沸器等)に用いられる不完全燃焼検知装
置に関する。特には、熱交換器の局所的な詰まりに起因
する不完全燃焼を早期に検知することのできる不完全燃
焼検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭用の開放型ガス湯沸器を例にとり従
来技術を説明する。図2は、従来の家庭用開放型ガス湯
沸器の内部構造を示す図である。この湯沸器1は、装置
全体の外側を取り囲むケース3と、装置内上部に配置さ
れている熱交換器11と、熱交換器11下部のガスバー
ナー群(メーンバーナー31等)と、水とガスの制御装
置(水流量制御装置21、ガス流量制御装置41等)
と、各部温度センサー(61、63)で検知した温度信
号の処理や各機器の制御を行う制御部71等から構成さ
れている。
【0003】このような湯沸器1は、一般家庭の室内
(台所等)に設置される。この湯沸器においては、ケー
ス3側部の給気口7から室内空気を吸い込み、バーナ部
で都市ガス等を燃焼させ、火炎の幅射熱や燃焼ガスの熱
で熱交換器11内の水を加熱し、燃焼排ガスは、ケース
3上部の排気口5から室内に排出される。そのため、ガ
スがバーナ部で不完全燃焼するおそれがある場合には、
それを検知して湯沸器を止める必要がある。
【0004】この従来の湯沸器における不完全燃焼検知
装置について説明する。この装置は、燃焼室開口部温度
センサー61及びパイロット火炎温度センサー63の2
ケの熱電対と、それらの信号線65、67と、電装ユニ
ット内の制御部71とからなる。
【0005】燃焼室開口部温度センサー61は、熱交換
器11の入側部の燃焼室内壁開口部60に1ケ所設けら
れており、燃焼室内壁開口部における雰囲気温度を検知
している。一方、パイロット火炎温度センサーは、パイ
ロットバーナ53から出ているパイロット火炎55の温
度を検知している。両センサーは、熱電対からなってい
る。両センサーで発生する熱起電力(電圧)は、信号線
65、67で取り出される。ここで、信号線65、67
は、両センサーが発生する熱起電力の極性を打ち消し合
う方向で、直列に接続されている。この装置では、両セ
ンサーの熱起電力の差を検出・処理することによって不
完全燃焼を検知している。
【0006】ここで、不完全燃焼が発生するおそれのあ
る3つのパタ−ンを説明する。 (1)フィン詰まりをおこした場合:湯沸器の熱交換器
11は、U字状に蛇行する水管13と、それに接続する
多数のフィン15とから構成されている。フィン15
は、燃焼ガス流路に平行して狭いスキマ(約3 mm )で
並んでいる。このフィン15は、一般的に鉛メッキ銅板
製であり、水管13に、火炎幅射熱や燃焼ガスの顕熱を
効率良く伝える役目をする。
【0007】このフィン15のメッキがはがれたり、フ
ィンに汚れがつくと、フィン間の燃焼ガス流路が詰まる
場合がありうる。そうなると、詰まった部分の燃焼ガス
の流れが悪くなり、その部分の下のバーナの炎(メーン
バ−ナ火炎33)近傍における空気流が妨害され、バー
ナ炎に十分空気が供給されなくなる。その結果、その部
分に不完全燃焼が生じる。
【0008】 (2)バーナの一次空気が不足になった場合 メーンバーナ31の一次空気は、同バーナ下部のガスメ
ーンノズル37の周囲の一次空気口35から、同バーナ
内に導入される。この部分がなんらかの原因で詰まる
と、そのバーナへの一次空気供給量が減り、そこで不完
全燃焼が起る。
【0009】(3)室内全体が酸欠状態となった場合:
換気の不十分な状態の台所で開放型湯沸器を使用する
と、台所室内が酸欠になるおそれがある。この酸欠状態
のまま湯沸器を使用すると、湯沸器バーナの不完全燃焼
が起る。
【0010】次に、各々の状態における、前記従来の不
完全燃焼検出装置の作動について説明する。 (1)フィン詰まり時における不完全燃焼検知装置の作
動:フィン詰まりが生ずると、燃焼ガスが熱交換器から
排気口方向へうまく導かれず、熱交換器の燃焼ガス入側
部の燃焼室内圧が上昇し、燃焼室内壁開口部の雰囲気温
度が上昇する。このため、燃焼室内壁開口部に取付けら
れている熱電対(燃焼室開口部雰囲気温度検知用)の熱
起電力が高くなる。一方、パイロット火炎の温度は、そ
の場合もほぼ一定である。
【0011】これを各温度センサーの起電力で見てみ
る。パイロット火炎温度センサー63の熱起電力は、平
常時(一例として20mV)のままである。一方、燃焼室
内壁開口部に取付けられた燃焼室開口部温度センサー6
1の熱起電力は、平常時(一例として2mV)から徐々に
上昇(一例として15mV)する。なお、同センサー61
の平常時の起電力が低いのは、燃焼ガスの動圧(マイナ
ス圧)により、燃焼室内壁開口部から室内の空気が燃焼
室内に流れ込むため、同開口部の温度が低いからであ
る。上記現象の結果、両者の差は、平常の20−2=1
8mVから20−15=5mVへと下がる。ここで、しきい
値(一列として6mV)を予め設定しておけば、この値に
なったときに、不完全燃焼を検知し、給ガス管45に設
けられているガス電磁弁43を閉にして不完全燃焼を止
めることができる。しかし、フィン詰まりが燃焼室開口
部温度センサー61から離れた熱交換器の一部にとどま
るときは、同センサ−部の温度はここまで上がらない。
つまり、従来の装置は、局所的なフィン詰まりによる不
完全燃焼まで検知するのには、一定の限界がある。
【0012】(2)室内酸欠時における不完全燃焼検知
装置の作動:室内空気中の酸素が欠乏状態(例えば酸素
濃度18%)となった場合、パイロット火炎55は、パ
イロットバーナ53の口から浮き上がる(いわゆるリフ
トアップ)という現象が起きる。そのため、高温となる
部分が上に移動し、パイロット火炎温度センサー63部
の温度が急速に低下する(一例として7mV)。すなわ
ち、パイロット火炎温度センサー63は、パイロットバ
ーナ53に対して、そのようになる位置に取れ付けられ
る必要がある。一方、燃焼室開口部温度は、この程度の
酸欠では、ほとんど変らない。そうすると、両温度セン
サーの熱起電力差は、通常時の20−2=18mVから7
−2=5mVへと下がり、前述のしきい値6mVを割るの
で、検知装置が作動する。
【0013】(3)一次空気不足時における不完全燃焼
検知装置の作動:この場合、パイロット火炎温度は、ほ
ぼ通常時と変わらず、また一次空気不足が一部のバーナ
にとどまると、燃焼室開口部温度センサー部の温度もさ
ほど影響を受けない。そのため、この装置の検知力には
限界がある。しかし、局部的な一次空気不足程度の燃焼
で、フィン詰まりには至っていない状態では、最終的に
排気中に問題となるほどの不完全燃焼ガス成分が残存す
るようなおそれはない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術は、全
体として有害となるおそれのあるようなガス湯沸器の不
完全燃焼を検知し、また、防止するのに十分な効果を発
揮するものであった。しかし、湯沸器等の不完全燃焼検
知装置は一層その性能を向上させることが好ましい。本
発明は、加熱装置内で局部的な不完全燃焼が生ずるよう
な場合にも、その不完全燃焼状態を検知できるような不
完全燃焼検知装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の不完全燃焼検知装置は、燃焼装置と、この
燃焼装置で発生する燃焼ガスの熱量を被加熱物に伝える
熱交換器とを有する加熱装置用の不完全燃焼検知装置で
あって;燃焼装置のパイロット火炎の温度を検知するパ
イロット火炎温度センサーと、熱交換器入側部の燃焼室
内壁開口部の雰囲気温度を検知するセンサーであって、
燃焼室内壁開口部に複数かつ分散されて配置されている
燃焼室開口部温度センサーと、パイロット火炎温度セン
サーの温度信号と各々の燃焼室開口部温度センサーの温
度信号とが入力され、両者の温度差信号を出力する温度
差算出器と、温度差算出器からの複数の温度差信号を入
力され、それらの温度差信号の内の少なくとも1つが所
定のしきい値を越えたときに不完全燃焼信号を出力する
制御部と、を具備することを特徴とする。
【0016】
【作用】燃焼装置においては、ガスや石油等を燃焼さ
せ、その燃焼に伴う熱エネルギーを、熱交換器内を通過
する水等に伝え加熱する。本発明の不完全燃焼検知装置
においては、燃焼ガスの温度を、熱交換器入側の複数ケ
所でとらえている。熱交換器の燃焼ガス流路に詰まりが
あると、燃焼室内の内圧が上昇する。この燃焼室内圧の
上昇による燃焼室内壁開口部からの燃焼ガスの流出を近
くの燃焼室開口部温度センサーでとらえる。一方、パイ
ロット火炎温度センサーの温度はほとんど変化しない。
そのため、燃焼室開口部温度センサーの温度がパイロッ
ト火炎温度センサーの温度に近づいていき、両温度の差
が小さくなる。これに伴い、両センサーの温度信号の差
があるしきい値を越えた時に不完全燃焼発生と判断す
る。
【0017】また、局部的な一次空気不足による不完全
燃焼が生じた場合でも、不完全燃焼ガスの当たる熱交換
器のガス流路にカーボンが付着して、燃焼ガス流路の通
りが悪くなり、上述したのと同じ作用により不完全燃焼
を検知できる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照しつつ説明する。図1は、
本発明の一実施例に係る不完全燃焼検知装置の構成を示
す図である。(A)は立面断面図、(B)は(A)のB
−B断面を示す図である。本実施例の湯沸器1は、熱交
換器11とメーンバーナ31との間の燃焼室内壁開口部
80に分散設置されている燃焼室開口部温度センサーを
4個(81A、B、C、D)有している。図1(B)に
示されているように、燃焼室開口部温度センサー81
は、燃焼室内壁12の前面、後面に左右2ケ所、計4ケ
所設けられている。一方、パイロット火炎温度センサー
63は、図1の従来技術の湯沸器同様、パイロット火炎
55部の温度を検知している。これら全てのセンサー
は、同一材質の熱電対式のセンサーであり、パイロット
火炎温度センサーと各燃焼室開口部温度センサーとは、
両者の熱起電力の極性を打ち消し合う方向で直列に接続
されている。すなわち、パイロット火炎温度センサー6
3のマイナス極は設地されており、プラス極は信号線6
7Aに接続されており、さらに、燃焼室開口部温度セン
サー81Aのプラス極へ接続されている。燃焼室開口部
温度センサー81Aのマイナス極からは、信号線82A
が出ており制御部83に至っている。
【0019】制御部83では、これらの燃焼室開口部温
度センサー81からの温度差信号が、あらかじめ与えら
れたしきい値と比較される。ここで、一部のバーナの一
次空気口35が閉塞されたとする。このバーナの火炎は
不完全燃焼となって、正常時よりも上方に延び、熱交換
器11のフィン15と接触する。その結果、このフィン
の部分には、カーボンが析出し、フィン部を閉冥してい
く。燃焼ガスの流動抵抗が増える。そのため、同部のフ
ィンの下部の内圧が上昇し、近傍の燃焼室内壁開口部の
雰囲気温度が上昇する。この温度上昇は、複数個の燃焼
室開口部温度センサーのうち、不完全燃焼部に最も近い
センサーの熱起電力上昇となって表われる。一方、パイ
ロット火炎温度センサーの温度はほとんど変化しない
(例えば20mV一定)。ここで燃焼室開口部温度センサ
ーの熱起電力が、例えば、15mV(鉄−コンスタンタン
熱電対、280℃に相当)を越え、両者の差が20−1
5=5となったときに不完全燃焼発生の旨の信号を出力
する。この不完全燃焼信号により、ガス電磁弁43を閉
とする。同時に、表示部(図示されず)にLED点灯又
は液晶等で、不完全燃焼発生を表示する。
【0020】本実施例の湯沸器のガス燃焼部(燃焼室の
燃焼ガス流路直角方向の断面)寸法は、約15×25cm
(断面積375cm2 )である。ここに4個の燃焼室内壁
温度センサーが設けられている。室内に設けられる家庭
用開放型ガス湯沸器においては、ガス燃焼部断面積50
〜15cm2 当り1ケの割合で燃焼室内壁温度センサーを
設けることが好ましい。
【0021】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の不完全燃焼検知装置は、局所的な一次空気口詰まり
や、熱交換器詰まりによる不完全燃焼を、その発生初期
に検知できる。そのため、従来の不完全燃焼防止装置よ
りも、さらに安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る不完全燃焼検知装置を
有するガス湯沸器の構成を示す図である。
【図2】従来の家庭用開放型ガス湯沸器の内部構造を示
す概略図である。
【符号の説明】
1 湯沸器 3 ケース 5 排気口 7 給気口 11 熱交換器 12 燃焼室内壁 13 水管 15 フィン 17 出湯管 19 給水管 21 水流量制御装置 23 水元バルブ 31 メーンバーナ 33 メーンバ−
ナ火炎 35 一次空気口 37 メーンノズ
ル 39 ノズル管 41 ガス流量制
御装置 43 ガス電磁弁 45 給ガス管 47 ガス元バルブ 51 着火電極 53 パイロットバーナ 55 パイロット
バーナ火炎 57 パイロットバーナガス管 60 燃焼室内壁
開口部 61 燃焼室開口部温度センサー 63 パイロット
火炎温度センサー 65 燃焼室開口部温度センサー信号線 67 パイロ
ット火炎温度信号線 71 制御部 73 操作スイッ
チ 80 燃焼室内壁開口部 81 燃焼室開口
部温度センサー 82 燃焼室開口部温度センサー信号線 83 制御部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼装置と、この燃焼装置で発生する燃
    焼ガスの熱量を被加熱物に伝える熱交換器とを有する加
    熱装置用の不完全燃焼検知装置であって;燃焼装置のパ
    イロット火炎の温度を検知するパイロット火炎温度セン
    サーと、熱交換器入側部の燃焼室内壁開口部の雰囲気温
    度を検知するセンサーであって、燃焼室内壁開口部に複
    数かつ分散されて配置されている燃焼室開口部温度セン
    サーと、 パイロット火炎温度センサーの温度信号と各々の燃焼室
    開口部温度センサーの温度信号とが入力され、両者の温
    度差信号を出力する温度差算出器と、 温度差算出器からの複数の温度差信号を入力され、それ
    らの温度差信号の内の少なくとも1つが所定のしきい値
    を越えたときに不完全燃焼信号を出力する制御部と、を
    具備することを特徴とする不完全燃焼検知装置。
  2. 【請求項2】 上記加熱装置がガス湯沸器であり、上記
    燃焼室開口部温度センサーが、ガス燃焼部断面積50〜
    150cm2 に対して1個の割合で設けられている請求項
    1記載の不完全燃焼検知装置。
  3. 【請求項3】 上記温度センサーが全て同一材質の熱電
    対であり、上記温度差算出器が各々の燃焼室開口部温度
    センサー熱電対とパイロット火炎温度センサー熱電対の
    熱起電力信号線を、両者の極性を打ち消し合う方向で直
    列に接続した回路である請求項1又は2記載の不完全燃
    焼検知装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101398810B1 (ko) * 2012-11-27 2014-05-27 한국원자력연구원 방사성 염폐기물 재활용 장치 및 방법
CN115096000A (zh) * 2022-06-30 2022-09-23 芜湖美的智能厨电制造有限公司 热水器及其控制方法和控制装置

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CN115096000A (zh) * 2022-06-30 2022-09-23 芜湖美的智能厨电制造有限公司 热水器及其控制方法和控制装置

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