JPH0749049A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JPH0749049A
JPH0749049A JP19499093A JP19499093A JPH0749049A JP H0749049 A JPH0749049 A JP H0749049A JP 19499093 A JP19499093 A JP 19499093A JP 19499093 A JP19499093 A JP 19499093A JP H0749049 A JPH0749049 A JP H0749049A
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Japan
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amount
operating
control
internal combustion
combustion engine
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Application number
JP19499093A
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English (en)
Inventor
Katsuhiko Kawai
勝彦 川合
Hiroshi Ikeda
広 池田
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オブザーバの構築を不要とすることはもとよ
り、内燃機関を多入力−多出力の線形離散系モデルとし
て近似して、その挙動を目標値に近づけるべく多変数制
御することのできる内燃機関の制御装置を提供する。 【構成】 内燃機関の制御入力並びに制御出力にあたる
それぞれ複数の操作量並びに制御量の現在及び過去の値
を内燃機関の動的なモデルの内部状態を代表する状態変
数量として使用する。一方、上記制御出力にあたる複数
の制御量についてはそれぞれその目標値との偏差を累積
する。そして、これら偏差の累積値をもとにその都度使
用する状態変数量を積分補正しつつ、予め求めた当該モ
デルの最適フィードバックゲインによってその状態フィ
ードバック系を高速に収束させ得る値として、内燃機関
の上記複数の操作量の各々を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、制御対象とする内燃
機関を多入力−多出力の線形離散系モデルとして近似し
て、その挙動を目標値に近づけるべく多変数制御する内
燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような内燃機関の制御装置若
しくは制御方法としては例えば、特公昭63−2517
5号公報に記載されているものが知られている。すなわ
ちこの制御装置若しくは制御方法では、内燃機関の内部
状態を考慮して同機関を動的なシステムとして捕え、そ
の内部状態を規定する状態変数によって機関の動的挙動
を推定しつつ、機関の入力変数を決定する、いわゆる現
代制御理論に基づく状態変数制御の手法を用いて、アイ
ドル回転速度と空燃比とを同時に制御するようにしてい
る。
【0003】また、上記公報に記載の技術も含め、こう
した状態変数制御にあっては通常、その制御対象とする
内燃機関の内部状態を推定する手段として、内燃機関の
操作量(制御入力情報)及び内燃機関の制御量(制御出
力情報)から同機関のその都度の状態変数量を推定する
オブザーバと称される状態観測器が用いられることもよ
く知られている。
【0004】ただし、このようなオブザーバの設計手法
としてこれまでも種々の提案がなされているとはいえ、
一般にこのようなオブザーバを構築するためには、膨大
なシミュレーションを行なってその中から妥当なパラメ
ータ等を選択せねばならず、多大な時間と手間を必要と
する。またオブザーバは、制御対象の動的なモデルに対
応して構築されるため、例えばアイドル回転速度を制御
出力とする場合には、該アイドル回転速度を制御する系
の動的なモデルを構築する際の精度に依存した確からし
さでしか状態変数量を観測することができない。したが
って、上記オブザーバによる状態変数量の観測精度を高
くしようとすれば、制御対象のモデル化にも自ずと高い
精度が望まれることとなり、ひいては ・モデルが著しく複雑化する、またこのため ・実際の制御における演算等の負荷も大幅に増大する など、現実の制御には供し得ないものとなってしまう。
【0005】そこで従来は、状態変数制御におけるこう
した不都合を解消すべく、例えば特開平4−36225
3号公報に記載されているような、オブザーバを用いず
に、内燃機関の空気量及び点火時期を同時に且つ干渉せ
ずに制御して、アイドル回転数を目標回転数に制御する
装置なども提案されるに至っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平4−362
253号公報に記載されている装置によれば、内燃機関
の回転数、アイドル空気の操作量、及び点火時期操作
量、といった特定の制御量及び操作量を、同内燃機関の
動的なモデルの内部状態を代表する状態変数量として出
力する手段を設けたことによって、確かにオブザーバの
構築は不要となり、また制御対象のモデル化に際しての
複雑化も緩和されるようになる。しかしこれは、操作量
(制御入力)を上記空気量及び点火時期とし、制御量
(制御出力)を上記内燃機関の回転数とした、いわば2
入力−1出力系に限定された手法でしかなく、一般の多
入力−多出力系に適用し得る制御手法ではなかった。
【0007】この発明は、こうした実情に鑑みてなされ
たものであり、オブザーバの構築を不要とすることはも
とより、上記内燃機関を多入力−多出力の線形離散系モ
デルとして近似して、その挙動を目標値に近づけるべく
多変数制御することのできる内燃機関の制御装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】こうした目的を達成する
ため、この発明では、図5にクレーム対応図を示すよう
に、内燃機関の運転状態を操作する複数のアクチュエー
タ(アクチュエータ操作部)M1と、内燃機関の運転状
態における各種制御量を各別に検出する複数の運転状態
検出手段M2と、前記各アクチュエータM1の現在及び
過去の操作量、並びに前記各運転状態検出手段M2によ
る現在及び過去の制御量検出値を、内燃機関の動的なモ
デルの内部状態を代表する状態変数量として出力する状
態変数量出力手段M3と、前記各運転状態検出手段M2
による制御量検出値とそれぞれその目標値との偏差を累
積する偏差累積手段M4と、前記内燃機関の動的なモデ
ルについて予め定められた最適フィードバックゲイン、
及び前記状態変数量出力手段から出力される状態変数
量、及び前記偏差累積手段による偏差累積値に基づいて
前記複数のアクチュエータそれぞれの操作量を算出する
操作量算出手段M5と、をそれぞれ具える構成とする。
【0009】
【作用】上記複数のアクチュエータM1によって操作さ
れる操作量としては、例えば燃料供給量(燃料量)、空
気供給量(空気量)、点火時期、等々があり、また上記
複数の運転状態検出手段M2によって検出される制御量
としては、例えば回転数やエミッション(排気ガスから
の空燃比)などがある。
【0010】また、内燃機関(エンジン)を多入力−多
出力の線形離散系モデルとして近似する上において、こ
れら各操作量並びに各制御量は、適宜の伝達関数の介在
のもとに有機的に作用し合い、それら各操作量並びに各
制御量そのものが、同モデル化した内燃機関の内部状態
を代表する状態変数量として使用することのできる量と
なる。
【0011】上記状態変数量出力手段M3は、こうした
操作量並びに制御量について、その現在及び過去の量を
上記状態変数量として出力する部分である。このため、
上記操作量算出手段M5において、偏差累積手段M4に
よる各累積値をもとにこれら出力される状態変数量を積
分補正しつつ、上記最適フィードバックゲインを用いて
当該モデルについての状態フィードバック系を高速に収
束させることのできる上記各アクチュエータM1の操作
量を算出するようにすれば、オブザーバの構築を必要と
せずとも、多数の出力(制御量)についての互いに干渉
することのない同時制御が可能となる。
【0012】
【実施例】はじめに、この発明の原理について説明す
る。 (1)一般式でのモデリング いま、k入力、l出力の自己回帰移動平均モデルを考え
ると、これは
【0013】
【数1】
【0014】の形式で、
【0015】
【数2】
【0016】
【数3】
【0017】
【数4】
【0018】
【数5】
【0019】となる。ここで、一般のk入力,l出力で
議論を進めると非常の複雑になるため、以下では便宜
上、k=3,l=2、またn=2,m=3,B1=B2=
0とする3入力−2出力系を前提として、一般式でのモ
デリングを進める。このとき、このモデルは
【0020】
【数6】
【0021】となる。そこでこれを展開すると、
【0022】
【数7】
【0023】
【数8】
【0024】となり、更にこれから時刻を1つ進めれ
ば、
【0025】
【数9】
【0026】
【数10】
【0027】として、3入力−2出力系モデルでの一般
式が得られるようになる。 (2)状態変数量X表示の方法 上記(9)式及び(10)式を既知信号にて状態量表現
すると、次の(11)式のようになる。
【0028】
【数11】
【0029】ここに、
【0030】
【数12】
【0031】また或いは
【0032】
【数13】
【0033】であり、全て既知の状態量をもってこれを
表現できることがわかる。 (3)レギュレータの設計 上記のように、(11)式において用いられる状態量は
全て既知であるため、この(11)式に対してこれを積
分補正する積分付き最適レギュレータを設計するように
すれば、オブザーバを構築せずとも、複数の制御出力を
それぞれ目標値に追従させることのできる制御系を実現
することができる。
【0034】以下、このような原理をもとに構成される
内燃機関の制御装置について、その一実施例を示す。図
1に、この発明にかかる制御装置の一実施例として、内
燃機関(エンジン)及びその電子制御装置の概略構成を
示す。
【0035】まず、図1を参照して、この実施例におい
て制御対象とするエンジン及びその電子制御装置の構成
を説明する。エンジン10としては、同図1に示される
ような、4気筒4サイクルの火花点式のものを想定して
いる。その吸入空気は、上流より、エアクリーナ21、
エアフローメータ22、吸気管23、サージタンク2
4、吸気分岐管25を介して各気筒に吸入される。一
方、燃料は、図示しない燃料タンクより圧送されて吸気
分岐管25に設けられた燃料噴射弁26a、26b、2
6c、及び26dから噴射供給されるよう構成されてい
る。
【0036】また、エンジン10には、点火回路27か
ら供給される高電圧の電気信号を各気筒の点火プラグ2
8a、28b、28c、及び28dに分配するディスト
レビュータ29、このディストリビュータ29内に設け
られてエンジン10の回転数Neを検出する回転数セン
サ30、スロットルバルブ31の開度を検出するスロッ
トルセンサ32、エンジン10の冷却水温を検出する暖
機センサ33、同じくその吸気温度を検出する吸気温セ
ンサ34、そして排気管内の三元触媒の上流における排
気ガス中の現実の未燃焼酸素濃度を検出し、これを空燃
比検出信号A/Fとして出力する空燃比センサ35がそ
れぞれ配設されている。因みに、上記空燃比センサ35
から出力される空燃比検出信号A/Fはかかる場合、エ
ンジン10に供給される混合気の現実の空燃比に対して
リニアな値をとる。また、上記回転数センサ30は、エ
ンジン10のクランク軸と同期して回転するリングギヤ
に対向して設けられるもので、エンジン10の2回転
(720℃)毎に24発のパルス信号を出力するものと
する。また、上記スロットルセンサ32は、スロットル
バルブ31の開度に応じたアナログ信号と共に、スロッ
トルバルブ31がほぼ全閉であることを検出するアイド
ルスイッチからのオン−オフ信号も併せ出力するものと
する。
【0037】他方、エンジン10の吸気系には、スロッ
トルバルブ31を迂回し、エンジン10のアイドル時に
おける吸入空気量を制御するバイパス通路40が設けら
れている。バイパス通路40は、空気導管42、43と
空気制御弁(以下、ISCバルブと呼ぶ)44とから構
成されている。このISCバルブ44は、基本的には比
例電磁式(リニアソレノイド)制御弁であり、ハウジン
グ45の中に移動可能に設定したプランジャ46の位置
によって、上記空気導管42と43との間の空気通路面
積を可変制御する。また同ISCバルブ44は通常、プ
ランジャ46が圧縮コイルばね47によって上記空気通
路面積が零となる状態に設定されているが、励磁コイル
48に励磁電流を流すことによって、プランジャ46が
駆動されて空気通路を開くように構成されている。すな
わち、励磁コイル48に対する励磁電流を連続的に変化
させることによってバイパス空気流量が制御されるよう
になる。この場合、励磁コイル48に対する励磁電流
は、励磁コイル48に印加するパルス幅のデューティ比
を制御するいわゆるパルス幅変調(PWM)によって制
御される。
【0038】また、このISCバルブ44は、上記燃料
噴射弁26a乃至26dや点火回路27と同様、電子制
御装置20によって駆動制御されるもので、上述した比
例電磁式の弁の他に、ダイヤフラム制御式の弁、或いは
ステップモータ制御による弁なども適宜用いられる。
【0039】電子制御装置20は、周知のセントラル・
プロセッシング・ユニット(CPU)51、リード・オ
ンリー・メモリ(ROM)52、ランダム・アクセス・
メモリ(RAM)53、バックアップRAM54等を中
心とした算術論理演算回路として構成される。該算術論
理演算回路は、上記各センサからの入力を行なう入力ポ
ート56や各アクチュエータへ制御信号を出力する出力
ポート58等とバスを介して相互に接続されている。そ
して該電子制御装置20では、入力ポート56を介し
て、上述した吸入空気量、吸気温度、スロットル開度、
冷却水温、回転数Ne、空燃比A/F、等々のセンサ信
号を入力し、これらセンサ信号に基づいて燃料噴射量T
AU、点火時期、ISCバルブ開度Q、等々を算出し、
出力ポート58を介して燃料噴射弁26a乃至26d、
点火回路27、ISCバルブ44の各々に制御信号を出
力する。
【0040】さて、この実施例の制御装置では一例とし
て、アイドル空気量及び燃料噴射量を操作量(制御入
力)とし、回転数(アイドル回転数)及び空燃比を制御
量(制御出力)とする図2に示されるような2入力−2
出力系のモデルとして上記エンジン10をモデル化し、
これらアイドル回転数制御及び空燃比制御を同時に実行
するものとして、以下にその制御態様の詳細を説明す
る。
【0041】なお、この図2において、電子制御装置2
0を構成する状態変数量出力部201は、アクチュエー
タとしての上記ISCバルブ44及び燃料噴射弁26に
よる現在及び過去の操作量、並びに運転状態検出手段と
しての上記回転数センサ30及び空燃比センサ35によ
る現在及び過去の制御量検出値をエンジン10の動的な
モデルの内部状態を代表する状態変数量として出力する
部分である。同じく、回転数偏差累積部202は、上記
回転数センサ30による制御量検出値Ne(i)とその
目標値NT(i)との偏差を累積する部分であり、空燃
比偏差累積部203は、上記空燃比センサ35による制
御量検出値A/F(i)とその目標値A/FT(i)と
の偏差を累積する部分である。また、空気系及び燃料系
操作量算出部(操作量算出部)204は、エンジン10
の動的なモデルについて予め定められた最適フィードバ
ックゲイン、及び上記状態変数量出力部201から出力
される状態変数量、及び上記偏差累積部202、203
による偏差累積値に基づいて、アクチュエータとしての
上記ISCバルブ44及び燃料噴射弁26それぞれの操
作量Q(i)及びTAU(i)を算出する部分である。
【0042】そして、同電子制御装置20を構成するこ
れら各部は、アイドル回転数制御及び空燃比制御を同時
実行すべく、先の原理に基づき、予め次の手法で設計さ
れている。 (1)制御対象のモデリング(同定) この実施例の装置では、エンジン10のアイドル回転数
を制御するシステムのモデルを
【0043】
【数14】
【0044】として近似する。ここに、 Ne :内燃機関の回転数 A/F:空燃比 Q :ISCバルブの操作値 TAU:燃料噴射弁の操作値 Gij :伝達関数(離散系) とする。
【0045】そしてこの実施例では、上記(14)式の
伝達関数を次のように仮定する。
【0046】
【数15】
【0047】ここで、a1 、a2 、及びb1 〜b4 は、
それぞれ該モデルのモデル定数であり、またzは、周知
のz変換子である。したがってこのとき、回転数Neの
要素については
【0048】
【数16】
【0049】となり、同様に空燃比A/Fの要素につい
ては
【0050】
【数17】
【0051】となる。更にこれら(16)式及び(1
7)式を時間表示すると、それぞれ
【0052】
【数18】
【0053】
【数19】
【0054】として、ここでの2入力−2出力系のモデ
ルが得られるようになる。 (2)状態変数量X表示の方法 上記(18)式、(19)式を既知信号によって状態量
表現すると次式のようになる。
【0055】
【数20】
【0056】
【数21】
【0057】ここに、
【0058】
【数22】
【0059】であり、
【0060】
【数23】
【0061】を用いることができる。すなわち先の原理
で述べたように、全て既知の状態量をもってこれを表現
することができる。 (3)レギュレータの設計 一般の最適レギュレータは、出力を目標値に収束させる
働きは持っていない。そこでこの実施例では、前述のよ
うに NT(i) :目標回転数 A/FT(i):目標空燃比 と定めて、目標回転数と実回転数、並びに目標空燃比と
実空燃比、の各誤差
【0062】
【数24】
【0063】を導入した拡大系のレギュレータを形成す
る。そして、
【0064】
【数25】
【0065】とすることを狙う。すなわち、 ・誤差e1 (i)=NT(i)−Ne(i)を0に収束
させ、且つ ・誤差e2 (i)=A/FT(i)−A/F(i)も0
に収束させる ようにシステムを設計して、2入力−2出力を達成す
る。ただし、
【0066】
【数26】
【0067】のように、上記各目標値は変化しないもの
と仮定する。次に、こうした拡大系を形成するために、
【0068】
【数27】
【0069】にqを時間推移作用素として下記のように
作用させると、
【0070】
【数28】
【0071】となる。よって、
【0072】
【数29】
【0073】となる。また同様に、
【0074】
【数30】
【0075】にqを時間推移作用素として下記のように
作用させると、
【0076】
【数31】
【0077】となる。よって、
【0078】
【数32】
【0079】となる。したがって、該拡大系の状態方程
式として次の式が与えられるようになる。
【0080】
【数33】
【0081】
【数34】
【0082】(4)最適レギュレータの設計 上記(33)式及び(34)式について状態フィードバ
ックを行うと次のようになる。
【0083】
【数35】
【0084】よって、
【0085】
【数36】
【0086】となる。ここで、
【0087】
【数37】
【0088】とおくと、
【0089】
【数38】
【0090】となり、同様に、
【0091】
【数39】
【0092】とおくと、
【0093】
【数40】
【0094】となる。以上、整理すると、空気系では、
【0095】
【数41】
【0096】となる。ここで、偏差の累積である積分補
正分QI(i)、及びTAUI(i)はそれぞれ次のよ
うである。
【0097】
【数42】
【0098】
【数43】
【0099】また、上記状態フィードバックを燃料系に
ついて行えば、上記(35)式〜(40)式に準じて、
次式(44)式が得られるようになる。
【0100】
【数44】
【0101】そしてここでも、偏差の累積である積分補
正分QI’(i)、及びTAUI’(i)はそれぞれ次
のようである。
【0102】
【数45】
【0103】
【数46】
【0104】そして最後に、これら(41)式〜(4
3)式、及び(44)式〜(46)式から最適レギュレ
ータを得るために、次の評価関数
【0105】
【数47】
【0106】を用い、このJの値が最小となるように、
最適フィードバックゲイン
【0107】
【数48】
【0108】を決める。なお因みに、上記(47)式の
評価関数において、q1 、q2 、r1 、r2 はそれぞれ
重み係数であり、q1 及びq2 を大きくとることは、目
標値を重視して、それに近づけるべく比較的大きなアク
チュエータ操作を行うことを意味し、逆にr1及びr2を
大きくとることは、該操作量の動きを制限することを意
味する。
【0109】また、上述の最適フィードバックゲインK
=[K1 〜K8 ,K1 ’〜K8 ’]は、前記モデル定数
a1 、a2 、b1 、b2 、b3 、及びb4 に依存してい
る。そのため、実際のアイドル回転数及び空燃比を制御
する系の変動(パラメータ変動)に対するシステムの安
定性(ロバスト性)を保証しようとすると、それらモデ
ル定数a1 、a2 、b1 、b2 、b3 、及びb4 の変動
分を見込んだ上での最適フィードバックゲインKを設計
する必要がある。
【0110】そこで、該最適レギュレータ設計の際のシ
ミュレーションは、上記モデル定数a1 、a2 、b1 、
b2 、b3 、及びb4 の現実に生じ得る変動を加味して
行い、安定性を十分に満足し得る最適フィードバックゲ
インKを定めるものとする。この変動要因としては、I
SCバルブ44のへたりやバイパス通路の目詰まり、或
いはインジェクタの劣化等々、経時的な変化の他、負荷
変動によるものなどが考えられる。
【0111】なお、この最適フィードバックゲインK
は、例えば ・小さな負荷変動状態に対応する最適フィードバックゲ
イン ・大きな負荷変動状態に対応する最適フィードバックゲ
イン などといったように、予め複数種類の最適フィードバッ
クゲインを用意しておき、それらを負荷の変動状態に応
じて切り替え使用するようにしてもよい。
【0112】以上、(1)制御対象のモデリング、
(2)状態変数量表示の方法、(3)レギュレータの設
計、(4)最適レギュレータの設計(最適フィードバッ
クゲインの決定)について説明したが、この実施例の制
御装置では既に、これら要素についての決定は済まされ
ており、電子制御装置20の内部ではその結果、すなわ
ち上記(41)式〜(43)式、及び(44)式〜(4
6)式のみを用いて実際の制御を行なうこととなる。
【0113】図3は、上記(41)式〜(43)式、及
び(44)式〜(46)式をもとに、図2を書き直した
もので、上述したモデリングや設計の結果、先の状態変
数量出力部201、回転数偏差累積部202、空燃比偏
差累積部203、空気系及び燃料系操作量算出部204
はそれぞれ、実質的に、同図3に示される構成を有する
ようになる。
【0114】なおこの図3においては、操作量Q(i−
1)やTAU(i−1)をQ(i)やTAU(i)から
導くためにZの(−1)乗変換を用いて図示したが、こ
れは実際には、過去の操作量Q(i−1)やTAU(i
−1)をRAM53に一旦記憶しておき、次の時点でこ
れらを読み出して用いることに相当する。
【0115】そこで、該電子制御装置20がアイドル回
転数及び空燃比を同時制御する上で実際に行なう処理に
ついて以下に説明する。図4は、この実施例の制御装置
において、電子制御装置20がこうしたアイドル回転数
及び空燃比を同時制御する上で実行するISCバルブ並
びに燃料噴射弁の操作ルーチンを示すフロチャートであ
る。
【0116】電子制御装置20は、電源が投入されるこ
とによって図4に示されるルーチンを実行する。起動直
後にはまず、いわゆる初期化の処理を行う(ステップ1
00)。ここで、初期化の処理とは例えば、RAM53
の所定のエリアにおいて、サンプリング回数を示す変数
iを零に、空気系及び燃料系の操作量の初期値をQ(−
1)=Q0 、TAU(−1)=TAU0 、QI(0)=
QI0 、TAUI(0)=TAUI0 、QI’(0)=
QI’0 、TAUI’(0)=TAUI’0 に、各々セ
ットする処理をいう。
【0117】続いて電子制御装置20は、入力ポート5
6を介して、回転数センサ30から出力される実際のア
イドル回転数Ne(i)、及び空燃比センサ35から出
力される実際の空燃比A/F(i)を読み込み(ステッ
プ110)、先の(41)式に基づいてISCバルブ4
4の操作量Q(i)を、また同(44)式に基づいて燃
料噴射弁26の操作量TAU(i)を、それぞれ最適フ
ィードバックゲインK及びK’と状態変数量Xとから求
める処理を行う(ステップ120)。なお、初期化後の
1回目のステップ120の処理では、Ne(i)=Ne
(i−1)、A/F(i)=A/F(i−1)として処
理を行うものとする。
【0118】電子制御装置20では、こうして操作量を
求めると、該求めた操作量Q(i)及びTAU(i)を
用いて、ISCバルブ44及び燃料噴射弁26を出力ポ
ート58を介してそれぞれ操作し(ステップ130)、
更にこの操作量Q(i)及びTAU(i)、またそのと
き得られている実際のアイドル回転数Ne(i)及び実
際の空燃比A/F(i)を、次回の処理に備え、それぞ
れQ(i−1)、TAU(i−1)、Ne(i−1)、
A/F(i−1)として、RAM53の所定エリアに記
憶・更新する処理を行う(ステップ140)。
【0119】電子制御部20は次いで、先の(42)式
及び(45)式に基づき目標回転数NT(i)と実アイ
ドル回転数Ne(i)との偏差を求めてこれを累積し、
また同様に、先の(43)式及び(46)式に基づき目
標空燃比A/FT(i)と実空燃比A/F(i)との偏
差を求めてこれらを累積する処理を行う(ステップ15
0)。そしてその後、上記変数iの値を1だけインクリ
メントして(ステップ160)からステップ110へ戻
り、上述したステップ110〜ステップ160の処理を
繰り返し実行する。
【0120】このように、この実施例の制御装置によれ
ば、エンジン10のアイドル回転数及び空燃比を制御す
る系の内部状態を代表する状態変数量X(i)を、アイ
ドル回転数及び空燃比を制御する系の現在並びに過去の
入出力Ne(i)、Ne(i−1)、A/F(i)、A
/F(i−1)、Q(i−1)、TAU(i−1)、更
には目標回転数と実際の回転数との偏差の累積値、目標
空燃比と実際の空燃比との偏差の累積値そのままの値を
用いて構成するとともに、この状態変数量X(i)を構
成する各値に上記最適フィードバックゲインK及びK’
を掛け合わせた各値を加算することで、その都度のIS
Cバルブ44の操作量Q(i)、及び燃料噴射弁26の
操作量TAU(i)を定めるようにしたことから、オブ
ザーバ等を必要としない簡易な構成をもって、極めて精
度よく且つ安定に、エンジン10のアイドル回転数及び
空燃比を制御することができるようになる。
【0121】なお、この実施例の制御装置では、上述の
ように、アイドル空気量及び燃料噴射量を操作量(制御
入力)とし、回転数(アイドル回転数)及び空燃比を制
御量(制御出力)とする2入力−2出力系のモデルとし
てエンジン10をモデル化し、これらアイドル回転数制
御及び空燃比制御を同時に実行する場合について述べた
が、この発明にかかる制御装置において対象とするモデ
ルがこのようなモデルに限られないことは先の原理から
も明かである。すなわち、操作量として更に点火時期や
排気環流量等の要素が加わるような場合、また或いは、
制御量としても他の任意の要素が加わるような場合であ
っても、先の原理に基づき、上記の実施例に準じたかた
ちで、現代制御理論によるそれらの同時且つ互いに干渉
することのない安定した制御が可能となる。そしてその
場合であっっても、オブザーバの構築等は一切必要とさ
れない。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、制御対象とする内燃機関の複数の操作量(制御入
力)並びに複数の制御量(制御出力)そのものを、同モ
デル化した内燃機関の内部状態を代表する状態変数量と
して使用するようにしたことから、オブザーバの構築等
を必要としない簡単な構成をもって、それら複数の操作
量(制御入力)の各々を同時に且つ互いに干渉すること
なく操作することができるとともに、それら複数の制御
量(制御出力)についてもその対象とする全ての要素を
各々所望とする値に近づけることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる内燃機関の制御装置の一実施
例構成を示すブロック図である。
【図2】同実施例の装置の主に電子制御装置部分につい
て、その機能、並びに機能間の接続関係を示すブロック
図である。
【図3】図2に示され電子制御装置の状態変数量出力
部、回転数偏差累積部、空燃比偏差累積部、及び操作量
算出部の各々について更にその具体構成例を示すブロッ
ク図である。
【図4】図2或いは図3に示される電子制御装置による
制御手順を示すフローチャートである。
【図5】クレーム対応図である。
【符号の説明】
10…エンジン、20…電子制御装置、21…エアクリ
ーナ、22…エアフローメータ、23…吸気管、24…
サージタンク、25…吸気分岐管、26(26a、26
b、26c、26d)…燃料噴射弁、27…点火回路、
28(28a、28b、28c、28d)…点火プラ
グ、29…ディストリビュータ、30…回転数センサ、
31…スロットルバルブ、32…スロットルセンサ、3
3…暖機センサ、34…吸気温センサ、35…空燃比セ
ンサ、40…バイパス通路、42、43…空気導管、4
4…ISCバルブ、45…ハウジング、46…プランジ
ャ、47…圧縮コイルばね、48…励磁コイル、51…
CPU、52…ROM、53…RAM、54…バックア
ップRAM、56…入力ポート、58…出力ポート、2
01…状態変数量出力部、202…回転数偏差累積部、
203…空燃比偏差累積部、204…空気系及び燃料系
操作量算出部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 45/00 370 B F02P 5/15

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の運転状態を操作する複数のアク
    チュエータと、 内燃機関の運転状態における各種制御量を各別に検出す
    る複数の運転状態検出手段と、 前記各アクチュエータの現在及び過去の操作量、並びに
    前記各運転状態検出手段による現在及び過去の制御量検
    出値を、内燃機関の動的なモデルの内部状態を代表する
    状態変数量として出力する状態変数量出力手段と、 前記各運転状態検出手段による制御量検出値とそれぞれ
    その目標値との偏差を累積する偏差累積手段と、 前記内燃機関の動的なモデルについて予め定められた最
    適フィードバックゲイン、及び前記状態変数量出力手段
    から出力される状態変数量、及び前記偏差累積手段によ
    る偏差累積値に基づいて前記複数のアクチュエータそれ
    ぞれの操作量を算出する操作量算出手段と、 を具えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
JP19499093A 1993-08-05 1993-08-05 内燃機関の制御装置 Pending JPH0749049A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6397830B1 (en) 1999-09-27 2002-06-04 Denso Corporation Air-fuel ratio control system and method using control model of engine
WO2006107525A1 (en) * 2005-03-30 2006-10-12 Honeywell International Inc. Coordinated multivariable control of fuel and air in engines
CN100357832C (zh) * 1997-05-30 2007-12-26 佳能株式会社 磁性调色剂、其生产方法、图象形成方法和处理盒
JP2010249057A (ja) * 2009-04-16 2010-11-04 Isuzu Motors Ltd 内燃機関の制御方法及び制御装置

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