JPH0748687A - 電解精製装置 - Google Patents

電解精製装置

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JPH0748687A
JPH0748687A JP19357193A JP19357193A JPH0748687A JP H0748687 A JPH0748687 A JP H0748687A JP 19357193 A JP19357193 A JP 19357193A JP 19357193 A JP19357193 A JP 19357193A JP H0748687 A JPH0748687 A JP H0748687A
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bath
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molten
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Kenji Fujiki
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies

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Abstract

(57)【要約】 【目的】部品の破損や故障等への対処あるいは析出金属
の品質管理等が容易に行なえる電解精製装置を提供する
ことを目的とする。具体的には、隔壁が破損した場合で
も破片の回収が容易に行なえるようにする。 【構成】液体収容槽31内に、溶融金属浴32および溶
融塩浴33を前者上で後者が浮遊する状態で収容し、電
解処理用金属としての陽極34と金属析出用の陰極35
とを溶融塩浴33に浸漬するとともに、その溶融塩浴を
陽極側の領域と陰極側の領域とに絶縁材製の隔壁36で
区画し、かつ電解用回路として、陽極34に対して溶融
金属浴32を陰極とする回路と、陰極35に対して溶融
金属浴32を陽極とする回路とを備えた電解精製装置に
おいて、液体収容槽31内の隔壁36を覆う位置に、そ
の隔壁36の破損時における破片落下防止用の受け網3
8を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば原子力発電所か
ら発生する使用済金属燃料を再処理して、使用済金属燃
料中に含まれる有用な金属を精製回収し、かつ不要な核
分裂生成物を分離するために適用される電解精製装置に
係り、特に溶融塩電解法により金属を電解精製する電解
精製装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、原子力発電所から発生する使用済
金属燃料を再処理して使用済金属燃料から原子燃料成分
などの有用な金属を精製して回収し、かつ不要な核分裂
生成物を分離する技術として、例えば、図11に示すプ
ルトニウム原子燃料再処理用電解槽(米国特許4596
647)が知られている。
【0003】このプルトニウム原子燃料再処理用電解槽
1は、密閉容器(ポット)2内の下部領域に溶融金属浴
3を収容するとともに、その溶融金属浴3上に溶融塩電
解物質からなる溶融塩浴4を浮遊状態で収容している。
容器2内には天井側から少なくとも1対の陽極5および
陰極6が垂下し、陽極5は、溶融塩浴4となる中間領域
と、溶融金属浴3となる下部領域との間で駆動機構7に
よって昇降可能とされ、また陰極6は中間領域へ駆動機
構8によって昇降可能とされている。陽極5は籠状容器
として構成され、この容器内には使用済金属燃料片9が
収容されている。そして、陽極5、陰極6および溶融金
属浴3には電力供給装置10が接続されている。なお、
11は密閉容器2を覆う断熱壁、12は蓋、13はヒー
タである。
【0004】このプルトニウム原子燃料再処理用電解槽
1では、例えば溶融金属浴3として溶融カドミウムが用
いられ、また、溶融塩浴14として塩化物が用いられて
いる。そして、陽極5を構成する寵状容器に収納された
使用済金属燃料片9から、その中に含まれる有用な原子
燃料成分および不要な核分裂生成物を、溶融カドミウム
に溶解するようにしている。
【0005】この場合において、使用済金属燃料片9と
しての燃料被覆管の材料成分および不要な核分裂生成物
成分のうち、溶融カドミウムに対して溶解度の低い物
質、例えば鉄、クロム、モリブデン等は、溶解せずに残
滓として残る。また、溶融カドミウムに溶解した有用な
原子燃料成分および不要な核分裂生成物のうち、塩化物
生成自由エネルギの絶対値が大きい物質(塩化物になり
易い物質)、例えばバリウム、カリウム、ナトリウム、
セリウム、ネオジウム、キュリウム、プルトニウム、ウ
ラニウム、ジルコニウム等は、酸化されて溶融カドミウ
ムから溶け出し、溶融塩浴4中で塩化物となる。
【0006】逆に、溶融カドミウムに溶解した有用な原
子燃料成分および不要な核分裂生成物のうち、塩化物生
成自由エネルギの絶対値が小さい物質(塩化物になり難
い物質)例えばロジウム、パラジウム等は、酸化されず
溶融カドミウム中に残留する。
【0007】一方、溶融塩浴4中の陰極6と、溶融カド
ミウムから溶け出して溶融塩浴4中で塩化物となってい
る有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物成分の
うち、塩化物生成自由エネルギの絶対値が小さい物質
(塩化物になり難い物質)、例えばキュリウム、プルト
ニウム、ウラニウム、ジルコニウム等は、還元されて陰
極6の表面に析出する。逆に塩化物生成自由エネルギの
絶対値が大きい物質(塩化物になり易い物質)、例えば
バリウム、カリウム、ナトリウム、セリウム、ネオジム
等は還元されず、そのまま溶融塩電浴4中に塩化物とし
て残留する。
【0008】このとき、塩化物生成自由エネルギに対応
した電位に印加することによって、陰極16の表面に析
出する物質の種類を制御することができる。
【0009】このように、有用な原子燃料成分と不要な
核分裂生成物とが混合された状態で含まれている使用済
金属燃料からプルトニウム、ウラニウム、ジルコニウム
等の有用な原料燃料成分のみを濃縮・回収できる。
【0010】しかし、このような方法によると、使用済
金属燃料片9から有用な原子燃料成分および不要な核分
裂生成物を溶融カドミウムに溶解させるため、その溶解
速度が一般に固体を液体に溶解する場合と同様に、使用
済金属燃料片9に含まれる有用な原子燃料成分および不
要な核分裂生成物の溶融カドミウム中における拡散係数
と濃度勾配との関数として決定される。そのため、溶融
カドミウムを十分に攪拌し、溶解中の使用済金属燃料片
9中の外周に近い部分の有用な原子燃料成分および不要
な核分裂生成物の濃度をできるだけ下げ、使用済金属燃
料片9の表面の濃度勾配を大きくする工夫や、操業温度
を上げて拡散係数を大きくする工夫がなされている。
【0011】しかし、操業温度は他の条件も考慮する必
要があるため、むやみに上げることができず、また濃度
差も溶解開始直後の濃度ゼロの時の濃度勾配が最大であ
る。したがって、溶解速度の向上には限界があり、それ
が操業の速度を制限する場合には何らかの工夫により攪
拌する必要がある。
【0012】そこで、一つの対策として陽極溶解法の応
用が考えられている。陽極溶解法を応用した電解精製装
置は例えば図12に示すように、溶融塩浴4中に、使用
済金属燃料片9を収容した寵状容器からなる陽極5と、
陰極6とを配置し、陽極5と溶融金属浴3との間、およ
び陰極6と溶融金属浴3との間に、それぞれ独立な電源
14a,14bおよびスイッチ15a,15b付きの回
路16a,16bを設けて、これらに選択的に通電する
ようにしたものである。なお、符号17は撹拌機であ
る。
【0013】この陽極溶解法を応用して行なわれる電解
装置では、溶融塩浴4に陽極5と陰極6とを浸漬し、ま
ず一方のスイッチ15aを閉じることによって使用済燃
料片9と溶融金属浴3との間に通電し、使用済燃料片9
に正の電位を、溶融カドミウム1に負の電位を印加す
る。このときスイッチ15bは開かれており、陰極6は
電気的に中性とされている。この場合、溶融塩浴4には
使用済金属燃料片9に含まれる有用な原子燃料成分の塩
化物をあらかじめ混合しておく。この結果、使用済金属
燃料片9に含まれる有用な原子燃料成分および不要な核
分裂生成物は電気的に酸化されて溶融塩浴4中に塩化物
として溶け出す。
【0014】そして、更にこれらの有用な原子燃料成分
および不要な核分裂生成物は、陰極となる溶融金属浴3
中に溶解分散する。この結果、前述の化学的な溶解法に
よって、使用済金属燃料片9に含まれる有用な原子燃料
成分および不要な核分裂生成物を溶融金属浴3中に溶解
する場合と同様の状態が達成される。
【0015】次に陰極6と溶融金属浴3との間に溶融金
属浴3を陽極として通電し、溶融金属浴3中に溶解して
いた有用な原子燃料成分および不要な核分裂生成物を再
び溶融塩浴4中に取り込み、有用な電子燃料成分20の
みを陰極6に析出させる。この手順で操作を繰り返し、
有用な成分を回収する。この陽極溶解法を応用した電解
精製装置の場合には、電気的に強制的に溶解させるため
に溶解速度を大きくできる利点がある。
【0016】なお、図13は図12の電解精製装置の改
良装置を示す原理図である。この装置では、溶融塩浴4
を隔壁18によって、陽極塩浴4aと陰極塩浴4bとに
分割し、スイッチ15a,15bを同時に閉じることに
より陽極溶解と陰極での析出とが同時に実施できるよう
になっており、処理速度の向上が図れる。
【0017】図14および図15は同原理に基づく実際
装置の一例を示している。この例では、溶融塩浴4をセ
ラミックス円筒からなる隔壁19で陽極塩浴4aと陰極
塩浴4bとに分割した構成となっている。この装置で
は、使用済み燃料や陰極析出物の出し入れのための移送
容器21が設けられ、また不溶解の核分裂生成物(F
P)22は電解槽底部に堆積する。
【0018】なお、23はモータ、24は排液管、25
は排液管開閉用バルブである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した電
解精製装置においては、槽内部に高温の溶融金属浴およ
び溶融塩浴が収容されているため、部品の破損や故障等
への対処、あるいは析出金属の品質管理等について多く
の困難性があり、それが能率よい運用の阻害要因となっ
ている。特に原子力発電所における使用済燃料を被処理
物とする場合には、前記の溶融金属浴や溶融塩に放射性
物質が含有されるため、取扱いが一層困難となる。
【0020】即ち、図14に示した従来装置において
は、隔壁19がセラミックス等の絶縁材料で構成されて
いるため、昇温時の熱衝撃や電極挿入時の機械的衝撃等
により破損する可能性が考えられ、万一破損した場合、
破片が溶融カドミウム中に落下し、回収が困難となる。
【0021】また、陰極に析出した有用な燃料成分は、
析出した形のままであるため均一な形状及び密度が得ら
れず、後工程での処理で成形加工を行う必要がある。
【0022】さらに、陰極は所定の析出量になると取り
出して処理を行う必要があるが、従来技術ではこの取り
出し頻度が大きく継続的な運転効率向上の阻害要因とな
っている。
【0023】さらにまた、従来では電解精製槽に付設さ
れているヒータが故障した場合、その取外しや交換等に
極めて多くの手間を必要とした。
【0024】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、部品の破損や故障等への対処あるいは析出金
属の品質管理等が容易に行なえる電解精製装置を提供す
ることを目的とする。具体的には、第1に隔壁が破損し
た場合でも破片の回収が容易に行なえるようにするこ
と、第2に、陰極への析出物を連続的に回収して運転を
断続的に高能率で行なえるようにすること、第3に、ヒ
ータ等のメンテナンス時に溶融金属浴および溶融塩浴の
安全かつ容易な取出しが行なえるようにすること、第4
にヒータの交換等も容易に行なえるようにすることであ
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、液体収容槽内に、溶融金属浴
および溶融塩浴を前者上で後者が浮遊する状態で収容
し、電解処理用金属としての陽極と金属析出用の陰極と
を前記溶融塩浴に浸漬するとともに、その溶融塩浴を前
記陽極側の領域と陰極側の領域とに絶縁材製の隔壁で区
画し、かつ電解用回路として、前記陽極に対して前記溶
融金属浴を陰極とする回路と、前記陰極に対して前記溶
融金属浴を陽極とする回路とを備えた電解精製装置にお
いて、前記液体収容槽内の前記隔壁を覆う位置に、その
隔壁の破損時における破片落下防止用の受け網を設けた
ことを特徴とする。
【0026】請求項2の発明は、液体収容槽内に、溶融
金属浴および溶融塩浴を前者上で後者が浮遊する状態で
収容し、電解処理用金属としての陽極と金属析出用の陰
極とを前記溶融塩浴に浸漬するとともに、その溶融塩浴
を前記陽極側の領域と陰極側の領域とに絶縁材製の隔壁
で区画し、かつ電解用回路として、前記陽極に対して前
記溶融金属浴を陰極とする回路と、前記陰極に対して前
記溶融金属浴を陽極とする回路とを備えた電解精製装置
において、前記陰極に析出金属の剥離機構を設けるとと
もに、この剥離機構から前記液体収容槽の外部に析出金
属を送出および貯留する析出金属回収装置を設けたこと
を特徴とする。
【0027】請求項3の発明は、液体収容槽内に、溶融
金属浴および溶融塩浴を前者上で後者が浮遊する状態で
収容し、電解処理用金属としての陽極と金属析出用の陰
極とを前記溶融塩浴に浸漬するとともに、その溶融塩浴
を前記陽極側の領域と陰極側の領域とに絶縁材製の隔壁
で区画し、かつ電解用回路として、前記陽極に対して前
記溶融金属浴を陰極とする回路と、前記陰極に対して前
記溶融金属浴を陽極とする回路とを備えた電解精製装置
において、前記液体収容槽の底部に前記溶融金属浴およ
び溶融塩浴の排液管を介して排液タンクを接続するとと
もに、前記排液管に排液自体の凝固により管路を閉止す
るフリーズバルブおよび加熱により管路を開放するヒー
タを設けたことを特徴とする。
【0028】請求項4の発明は、液体収容槽内に、溶融
金属浴および溶融塩浴を前者上で後者が浮遊する状態で
収容し、電解処理用金属としての陽極と金属析出用の陰
極とを前記溶融塩浴に浸漬するとともに、その溶融塩浴
を前記陽極側の領域と陰極側の領域とに絶縁材製の隔壁
で区画し、かつ電解用回路として、前記陽極に対して前
記溶融金属浴を陰極とする回路と、前記陰極に対して前
記溶融金属浴を陽極とする回路とを備えた電解精製装置
において、前記液体収容槽の外周側および底部側をガー
ド容器で被覆するとともに、このガード容器の外周側に
組立ておよび分解可能な前記液体収容槽加熱用のユニッ
ト型ヒータを設けたことを特徴とする。
【0029】
【作用】請求項1の発明によれば、液体収容槽内に隔壁
の破片落下防止用の受け網を設けたことにより、万一隔
壁が破損しても破片が受け網内に保持でき、回収が容易
に行なえるようになる。
【0030】請求項2の発明によれば、陰極から析出金
属を剥離機構によって剥離した後、回収装置によって槽
外に貯留するようにしたので、陰極を槽外に取出す必要
なく析出金属を連続的に能率よく回収できるようにな
る。
【0031】請求項3の発明によれば、液体収容槽から
溶融金属浴および溶融塩浴を排液タンクに排液管を介し
て排出できるようにし、その排液管にフリーズバルブお
よびヒータを設けて排液自体の凝固によって管路を開閉
できるようにしたので、容易かつ迅速に排液が行なえる
ようになる。
【0032】請求項4の発明によれば、液体収容槽をガ
ード容器で被覆し、その外周側に槽加熱用のヒータを組
立ておよび分解可能なユニット型として設けたことによ
り、槽全体を移動する必要なくヒータの交換等が行なえ
るようになる。
【0033】よって、部品の破損や故障等への対処、あ
るいは析出金属の品質管理等が容易に行なえるようにな
る。
【0034】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図9を参照
して説明する。
【0035】本実施例の電解精製装置は、原子炉の使用
済金属燃料を再処理して、有用な金属の回収を行なうた
めのもので、図1に全体構成を示している。
【0036】即ち、この電解精製装置では、上面が開口
した槽本体31aとその開口部を閉塞する蓋体31bと
からなる液体収容槽31内の下部領域に、溶融カドミウ
ムからなる溶融金属浴32が収容され、この溶融金属浴
32上に溶融塩電解物質からなる溶融塩浴33が浮遊状
態で収容されている。
【0037】液体収容槽31の内部には、蓋体31b中
央部から陽極34が、また周辺部から陰極35がそれぞ
れ吊下され、これら陽極34および陰極35は溶融塩浴
33に浸漬されている。
【0038】また、蓋体31bから絶縁材としてのセラ
ミックスで構成された隔壁36が垂下している。この隔
壁36は、陽極34を囲む一方で陰極35よりも内側に
位置する円筒状をなし、下端部が溶融塩浴33を貫通し
て溶融金属浴32まで達している。
【0039】この隔壁36によって、溶融塩浴33は陽
極34側(内周側)の塩浴(陽極塩浴)33aと、陰極
35側(外周側)の塩浴(陰極塩浴)33bとに電気的
に区画されている。
【0040】なお、図1には図示しないが、電解用回路
として、陽極34に対して溶融金属浴32を陰極とする
回路と、陰極35に対して溶融金属浴32を陽極とする
回路とが設けられている(図13参照)。
【0041】そして、本実施例においては、液体収容槽
31内の隔壁36外周側を覆う位置に、その隔壁36の
破損時における破片落下防止用の受け網38が設けられ
ている。
【0042】即ち、この受け網38は、図2および図3
に示すように、隔壁36の外周面よ大径な円筒状の金網
からなっており、隔壁36の外周側、即ち陰極塩浴34
b側を同軸的に覆う状態で、蓋体31bに隔壁36とと
もにボルト等の据付け具39によって取付けられてい
る。そして、この受け網38の下端部は、隔壁36の下
端部を介して内周側、即ち陽極塩浴34a側に一定高さ
で立上っている。これにより、万一隔壁36が破損した
時でも破片を保持できるようになっている。なお、受け
網38で隔壁36の陰極塩浴34b側を覆わないように
したのは、この受け網38が運用時に溶融金属浴3と同
電位になるので、陰極塩浴34b側に露出していると、
そこに有用燃料成分が金属として析出して回収が困難と
なるためである。経験によれば、熱衝撃や機械的荷重に
よる破損時には隔壁36が大きな破片となるので、図2
に示す構成で破片が十分に保持できる。
【0043】また、図1に示すように、液体収容槽31
の中央部に配置した陽極34は、撹拌装置付きバスケッ
ト構造とされている。即ち、陽極34は、蓋体31bの
上部に設置されたモータ40の垂直な出力軸41に陽極
バスケット34aを回転可能に吊下した構造とされてお
り、この陽極バスケット34a内に被処理物としての使
用済金属燃料片が収容されるようになっている。なお、
42は陽極バスケット34aの下方に設置された溶解残
渣受け皿である。
【0044】一方、陰極35に付随して析出金属の剥離
機構43および析出金属回収装置44が設けられてい
る。
【0045】即ち、陰極35は図1,図4および図5に
示すように、蓋体31bの上部に設置されたモータ45
に垂直な出力軸46を介して一体回転可能なロールとし
て構成されている。このロール状の陰極35を囲んで剥
離機構43が設けられている。つまり、窓孔47付きの
円筒枠状のホルダ48が、ステー49により液体収容槽
31の周壁31aに固定されており、このホルダ48の
内周面に、陰極35の外周面と摺接して析出金属(有用
燃料成分)50を掻取るブレード51が複数本固定され
るとともに、ホルダ48の下端部に、掻落とした析出金
属を堆積させる鍔状の析出金属受け部52が設けられて
いる。
【0046】この析出金属受け部52に穿設した析出金
属取出し口53に、析出金属回収装置44の回収配管5
3が接続されている。析出金属回収装置44は図1に示
すように、液体収容槽31の外方に設置した貯蔵タンク
54と、この貯蔵タンク54内を負圧にする真空ポンプ
55とを備え、前記の回収配管53を貯蔵タンク54に
接続して構成されている。なお、56,57は回収配管
53および真空ポンプ55の吸込管55aに設けた開閉
用の弁である。
【0047】また、液体収容槽31には、溶融金属浴3
2および溶融塩浴33の液面を測定するための液面レベ
ル測定装置58と、ガスバブリング装置59とが設けら
れている。
【0048】そして、電解精製時においては、モータ4
0により回転される撹拌機能付きの陽極34において、
陽極バスケット34a内の使用済金属燃料片が溶融塩浴
33内で回転による撹拌作用を受け、有用な金属燃料成
分は、従来例で説明した如く、陰極となった溶融金属浴
32に溶融した後、陽極に切換った溶融金属浴32側か
ら陰極35に導かれて析出する。
【0049】この析出金属50は図4および図5に示す
ように、剥離機構43のブレード51によって掻取ら
れ、析出金属回収装置44の回収配管53を介して、真
空ポンプ55の作用で貯蔵タンク54に自動連続的に導
かれ貯蔵される。
【0050】次に本実施例の他の構成部分を説明する。
【0051】図1および図6に示すように、液体収容槽
31の底部には排液管60を介して排液タンク61が接
続されいてる。排液管60には、排液自体の凝固により
管路を閉止するフリーズバルブ62と、逆に加熱溶融に
より管路を開放するヒータ63とが設けられている。即
ち、フリーズバルブ62は、排液管60を囲む熱交換部
62aに冷媒供給装置64から冷媒を供給することで管
路を冷却し、内部の排液を凍結凝固させるものである。
【0052】また、ヒータ43はフリーズバルブ62の
外周側に配置されており、図示しない電源回路からの通
電によって管路を加熱し、内部の排液を解凍溶融させる
ものである。
【0053】さらに、排液タンク61は排液を自重落下
により導入可能とする高さに配置される一方、これに
は、加圧配管65を介して加圧装置66が接続されてい
る。そして、この加圧装置66によって排液タンク61
内の上部を加圧した場合には、排液が排液管60を介し
て液体収容槽31側に逆流可能となっている。
【0054】このように、フリーズバルブ62、ヒータ
63および加圧装置66により、液体収容槽31内の溶
融金属浴32および溶融塩浴33の液位は調節可能とさ
れている。
【0055】さらにまた、図1,図6〜図9に示すよう
に、本実施例においては、 液体収容槽31はガード容
器67で覆われ、排液管60もガード配管68で覆わ
れ、これにより溶融カドミウムや溶融塩の漏洩を防止し
ている。また、排液管60の槽接続部には、電気抵抗に
より漏洩を検出する漏洩検出器69が設置されている。
【0056】また、本実施例の電解精製装置では、ガー
ド容器67の外周側に液体収容槽31加熱用のユニット
型ヒータ70が設けられ、これによって槽周辺から昇温
および保温が行なわれるようになっている。このユニッ
ト型ヒータ70は、図7〜図9に示すように、液体収容
槽31およびガード容器67を保持する電解槽保持装置
71と組み合わされ、点検や故障時には電解精製装置を
電解槽保持装置71に固定したままで取り外すことがで
きるようになっている。なお、72は断熱槽である。
【0057】なお、図10は、図2および図3に示す隔
壁落下防止用の受け網38を下方に延長し、その延長部
38aで陽極バスケットの精製槽内部構造全体を覆うよ
うにしたものである。このような構成によれば、隔壁が
細かく破損した場合であっても、破片を完全に回収する
ことができる。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、万一隔壁
が破損しても破片は保持され容易に回収することができ
る。また、陰極を交換しなくとも析出物を連続的に回収
できる。保守時には、溶融塩・溶融カドミウムを外部で
ドレンすることができ、また、ヒータを分割取り外しで
きるようにしたことにより、電解精製槽を移動すること
なく目的のヒータだけを交換することができる。これら
の効果により、従来技術にくらべ、連続運転が可能で保
守も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す装置全体の構成図。
【図2】前記実施例における隔壁付近の構造を示す斜視
図。
【図3】図2の要部を示す断面図。
【図4】前記実施例における陰極付近の構造を示す断面
図。
【図5】図4のA−A線断面図。
【図6】前記実施例におけるガード容器およびドレン配
管付近の構造を示す断面図。
【図7】前記実施例におけるユニットヒータ付近の構造
を示す断面図。
【図8】図7の平面図。
【図9】図8の分解図。
【図10】本発明の他の実施例を示すもので隔壁落下防
止金網付近の断面図。
【図11】従来例を示す断面図。
【図12】従来例における作用説明図。
【図13】従来例における作用説明図。
【図14】従来例における全体断面図。
【図15】図14のB−B線断面図。
【符号の説明】
31 液体収容槽 32 溶融金属浴 33 溶融塩浴 34 陽極 35 陰極 36 隔壁 38 受け網 43 剥離機構 44 析出金属回収装置 50 析出金属 60 排液管 61 排液タンク 62 フリーズバルブ 63 ヒータ 67 ガード容器 70 ユニット型ヒータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体収容槽内に、溶融金属浴および溶融
    塩浴を前者上で後者が浮遊する状態で収容し、電解処理
    用金属としての陽極と金属析出用の陰極とを前記溶融塩
    浴に浸漬するとともに、その溶融塩浴を前記陽極側の領
    域と陰極側の領域とに絶縁材製の隔壁で区画し、かつ電
    解用回路として、前記陽極に対して前記溶融金属浴を陰
    極とする回路と、前記陰極に対して前記溶融金属浴を陽
    極とする回路とを備えた電解精製装置において、前記液
    体収容槽内の前記隔壁を覆う位置に、その隔壁の破損時
    における破片落下防止用の受け網を設けたことを特徴と
    する電解精製装置。
  2. 【請求項2】 液体収容槽内に、溶融金属浴および溶融
    塩浴を前者上で後者が浮遊する状態で収容し、電解処理
    用金属としての陽極と金属析出用の陰極とを前記溶融塩
    浴に浸漬するとともに、その溶融塩浴を前記陽極側の領
    域と陰極側の領域とに絶縁材製の隔壁で区画し、かつ電
    解用回路として、前記陽極に対して前記溶融金属浴を陰
    極とする回路と、前記陰極に対して前記溶融金属浴を陽
    極とする回路とを備えた電解精製装置において、前記陰
    極に析出金属の剥離機構を設けるとともに、この剥離機
    構から前記液体収容槽の外部に析出金属を送出および貯
    留する析出金属回収装置を設けたことを特徴とする電解
    精製装置。
  3. 【請求項3】 液体収容槽内に、溶融金属浴および溶融
    塩浴を前者上で後者が浮遊する状態で収容し、電解処理
    用金属としての陽極と金属析出用の陰極とを前記溶融塩
    浴に浸漬するとともに、その溶融塩浴を前記陽極側の領
    域と陰極側の領域とに絶縁材製の隔壁で区画し、かつ電
    解用回路として、前記陽極に対して前記溶融金属浴を陰
    極とする回路と、前記陰極に対して前記溶融金属浴を陽
    極とする回路とを備えた電解精製装置において、前記液
    体収容槽の底部に前記溶融金属浴および溶融塩浴の排液
    管を介して排液タンクを接続するとともに、前記排液管
    に排液自体の凝固により管路を閉止するフリーズバルブ
    および加熱により管路を開放するヒータを設けたことを
    特徴とする電解精製装置。
  4. 【請求項4】 液体収容槽内に、溶融金属浴および溶融
    塩浴を前者上で後者が浮遊する状態で収容し、電解処理
    用金属としての陽極と金属析出用の陰極とを前記溶融塩
    浴に浸漬するとともに、その溶融塩浴を前記陽極側の領
    域と陰極側の領域とに絶縁材製の隔壁で区画し、かつ電
    解用回路として、前記陽極に対して前記溶融金属浴を陰
    極とする回路と、前記陰極に対して前記溶融金属浴を陽
    極とする回路とを備えた電解精製装置において、前記液
    体収容槽の外周側および底部側をガード容器で被覆する
    とともに、このガード容器の外周側に組立ておよび分解
    可能な前記液体収容槽加熱用のユニット型ヒータを設け
    たことを特徴とする電解精製装置。
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