JPH0748285A - メタンの二量化方法 - Google Patents

メタンの二量化方法

Info

Publication number
JPH0748285A
JPH0748285A JP5208529A JP20852993A JPH0748285A JP H0748285 A JPH0748285 A JP H0748285A JP 5208529 A JP5208529 A JP 5208529A JP 20852993 A JP20852993 A JP 20852993A JP H0748285 A JPH0748285 A JP H0748285A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methane
reaction
catalyst
oxygen
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5208529A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaoru Fujimoto
薫 藤元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Gas Co Ltd filed Critical Tokyo Gas Co Ltd
Priority to JP5208529A priority Critical patent/JPH0748285A/ja
Publication of JPH0748285A publication Critical patent/JPH0748285A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/584Recycling of catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】金属/金属酸化物系触媒を使用することによ
り、メタンを二量化し、エタン、エチレン等のC2 炭化
水素を製造する方法において、金属/金属酸化物系触媒
を充填、溶融した反応器内に、メタン又はメタン含有ガ
スと酸素又は酸素含有ガスとの混合ガスを連続的に供給
することを特徴とするメタンの二量化方法。 【効果】メタンを二量化するに際して、使用触媒に対す
る再生工程を別途必要とすることなく、C2 炭化水素
を、高い選択率且つ高収率で、長期にわたり連続して製
造することができる。また、原料メタン中の空気濃度を
5〜15%程度とすることにより、COX の発生を抑制
したまま、C2 炭化水素を高い収率で得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メタン又はメタン含有
ガスから、触媒として金属/金属酸化物系触媒を使用す
ることにより、エタン、エチレン等のC2 炭化水素を製
造するメタンの二量化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】メタン又はメタン含有ガスを原料とし、
メタンをエタン、エチレン、プロピレン等へ転化、カッ
プリング化することにより、炭素数2以上の炭化水素を
合成、製造する技術は、メタン又は天然ガス等のメタン
含有ガスを有効に利用する上できわめて重要であり、こ
のためその転化技術としては、これまで種々の提案がな
されている。
【0003】例えば、特開昭63−222126号公報
には、無触媒すなわち触媒を使用することなく、メタン
を分子状酸素とともに加圧下で加熱することにより、酸
化カップリング反応を行わせ、炭素数2以上の炭化水素
と一酸化炭素とを得る方法が記載されており、また、特
開昭61−165340号公報では、希土類金属を含有
する触媒を使用することにより、メタン又はメタン含有
原料から炭素数2以上の炭化水素を製造する方法が提案
されている。
【0004】このうち、前者の方法では、メタンを分子
状酸素とともに加圧下で加熱するものであるから、燃焼
反応を伴って多量の一酸化炭素を生成することになり、
このため炭素数2以上の炭化水素と一酸化炭素とを含有
する混合ガスを得る上では有効であるが、炭素数2以上
の炭化水素のみを選択的に得る方法としては直ちに適用
することができないし、また、後者の方法においては、
2 炭化水素への選択性が十分ではなく、また転化用触
媒として高価な希土類金属を使用するものであり、その
触媒活性が早期に低下し易い傾向があること等から、結
果として転化コストが高くなる等の欠点がある。
【0005】このほか、その転化に触媒を用いる方法を
紹介したものとしては、特開昭62−205036号公
報、特開昭62−238220号公報等も知られてい
る。しかし、これらに記載の技術では、塩基性酸化物に
アルカリ金属のハロゲン化物を担持させてなる触媒、ア
ルカリ金属と第一遷移系列元素とを含有する触媒、等比
較的安価な触媒を用いるものではあるが、何れもその触
媒を固体状態で用いるもので、C2 炭化水素への選択性
等、未だ必ずしも十分なものとは云えない。
【0006】これに対して、その転化用として同じく触
媒を使用する一つの方向として、複合金属酸化物系の触
媒や金属/金属酸化物系の触媒を溶融状態で使用するこ
とが研究、検討され、その成果も発表されている。すな
わち、「1989年度触媒研究発表会 講演予稿集」
(触媒学会・日本化学会共催、1989年10月13日
・14日、長崎大学教養部)では、まずメタンの二量化
反応を、次の(1)及び(2)の反応式で示される両反
応過程を分離して、別個に実施するプロセスの開発を行
っていることが紹介されている。 2CH4 + MOX → C26 + MOX-1 + H2O (1) 2MOX-1 + O2 → 2MOX (2)
【0007】これら反応式中、MOX がメタンの二量化
用の触媒に相当するものであるが、この両反応式から明
らかなとおり、上記式(1)で示される反応は、金属酸
化物からメタンによって酸素を奪い、金属酸化物を還元
する過程であり、また上記式(2)で示される反応は、
式(1)の反応で還元された金属酸化物を酸素により酸
化し、再生する過程に相当している。
【0008】そして、この触媒(MOX )は、溶融状
態、例えば金属酸化物(含;複合金属酸化物、以下同
じ)を溶融塩中に溶解又は分散した形式、金属酸化物を
溶融金属媒体中に溶解又は分散した形式等の諸態様で使
用されるもので、その触媒特性等についても報告されて
きているが、上記研究では、「ビスマスの酸化物/鉛の
酸化物/金属」系の触媒について、その組成如何による
効果、またこの系に対するアルカリ添加の効果に関して
実験され、検討されている。
【0009】これによれば、例えば、金属酸化物として
PbOとBi23とからなる複合金属酸化物を用い、こ
れを750゜Cの温度に加熱、溶融したPbとBiとの
混合溶融金属中に溶解、分散させてなる触媒に、メタン
を吹き込み、反応させた場合には、C2 炭化水素への選
択性は低い値を示すが、この選択性は、アルカリ添加に
よって改善され、アルカリの種類如何によってはその選
択性が大幅に改善される等の事実が確認されている。
【0010】
【従来技術の問題点】しかし、それら触媒を用いるその
反応は、前述のとおり、前掲反応式(1)及び(2)で
示される反応過程を分離して、すなわち、両反応の過程
を別個に行うことを前提としているものである。
【0011】すなわち、これら両反応式(1)及び
(2)中、MOX がメタンの二量化用の触媒に相当する
ものであるが、この反応は、式(1)から明らかなとお
り、金属酸化物自体からメタンによって酸素を奪い、金
属酸化物を還元する工程である。 2CH4 + MOX → C26 + MOX-1 + H2O (1) このため式(2)で示される反応により、その還元金属
酸化物を酸素により酸化し、再生する工程を必要不可欠
とするものである。 2MOX-1 + O2 → 2MOX (2)
【0012】図1は、上述、その触媒として金属/金属
酸化物系触媒を用いるメタンの二量化工程及びこの二量
化工程で還元された金属酸化物を酸素により酸化し、再
生する工程の概略を示すものである。
【0013】図示のとおり、エタン、エチレン等の二量
体へのメタンの転化率は、反応開始以降、時間の経過と
ともに低下して行くが、これは正に金属酸化物の還元に
伴う酸素供給能の低下に基づくものであり、しかも、後
述比較例からも明らかなとおり、多量のCOXの生成を
伴い、このためC2 炭化水素への選択性も低い。そし
て、反応の経過に伴い、やがて金属酸化物中からの供給
すべき酸素がなくなると、反応自体が停止してしまう。
【0014】このため、その触媒自体、長期にわたる定
常的な活性を保持することができないし、また図示のと
おり、その反応停止後、別途所定時間、空気等による再
生工程が必要不可欠である。したがって、この方法を連
続的に行うようにするには、例えば、2つの反応器を併
置し、その一つでメタンを供給して反応操作を実施する
一方、他の一つでは空気等を供給して再生操作を行い、
この操作を定期的に切り換える、いわゆる交互切換え方
式等を採る外はないものであった。
【0015】本発明者は、これら諸問題を解決すべく、
鋭意検討を加えた結果、メタンの二量化用の触媒とし
て、金属/金属酸化物系の触媒を使用する場合には、
反応操作中、これがメタンへ酸素を供給して自からは還
元されると同時に、その反応操作と同じ操作雰囲気中
で、酸素を吸収し、それ自体酸化されて再生されるとと
もに、C2 炭化水素への選択性や収率、また反応速度
についても格段に改善させ得る、という特異な特性を有
していることを見い出し、本発明に至ったものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、触媒
として金属/金属酸化物系の触媒を用いるメタンの二量
化方法において、従来技術が有していた前述の問題点を
一挙に解消しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、金属/金属酸化物系
の触媒を使用することにより、メタンを二量化し、エチ
レン、エタン等のC2炭化水素を製造する方法におい
て、金属/金属酸化物系触媒を充填し、加熱溶融した反
応器内にメタン又はメタン含有ガスと分子状酸素との混
合ガスを連続的に供給することを特徴とするメタンの二
量化方法を提供するものである。
【0018】すなわち、本発明では、前述、その金属/
金属酸化物系触媒自体が有する特異な特性を利用し、そ
の触媒にメタン又はメタン含有ガスと分子状酸素とを同
時に供給することにより、別途再生工程を必要とするこ
となく、長期にわたる連続操作を可能とし、また、C2
炭化水素への高い選択率を得、その収率を改善するとも
に、その反応速度を向上させるようにしたものである。
【0019】本発明における、その金属/金属酸化物系
触媒としては、鉛/酸化鉛系触媒、錫/酸化錫系触媒
等、その金属酸化物が、前述反応に対して触媒作用を有
し、対応する(反応操作中溶融状態にある)金属、すな
わち、対応する溶融金属に溶解又は分散し得るものであ
れば、使用することができる。
【0020】このうち、例えば、その鉛/酸化鉛系触媒
としては、PbとPbOとからなる触媒、このPb/P
bO系触媒に酸化ビスマス(Bi23)を添加してなる
Pb/PbO・Bi23系触媒、そのPb/PbO系触
媒にビスマス(Bi)を添加したPb・Bi/PbO系
触媒、Pb/PbO系触媒にBiとBi23とを添加し
たPb・Bi/PbO・Bi23系触媒、またこれら諸
系の触媒にアルカリを添加したもの、等種々のものを使
用することができる。
【0021】なお、これらのPb/PbO系触媒のうち
でも、実質上PbとPbOとだけからなる系について
は、反応温度、例えば800°C程度の温度では十分な
溶融状態とはならないが、この系でのPbOは2mol
%程度までであればPbに溶解し、また溶解分を超える
分については、溶融Pb中に分散状態として実施するこ
が可能である。
【0022】また、本発明で使用するメタン含有ガスと
しては、メタンの濃度が高いほど有利であるが、メタン
成分を含むものであればその濃度如何を問わず使用する
ことができ、天然ガス等複数種の成分を含むガスをその
まま用いることもできる。また酸素としては、純酸素ガ
スとは限らず、空気等、酸素を含み、反応に支障のない
ガスを含む混合ガス、等種々の気体を使用することがで
き、本明細書でいう、酸素又は酸素含有ガスとは、これ
らのガスをも含めて用いている。
【0023】この場合、供給メタン又はメタン含有ガス
量に対する酸素又は酸素含有ガスの量については、反応
操作実施中、使用金属/金属酸化物系触媒の酸素放出能
と酸素吸収能(すなわち再生能力)とをバランスさせ得
る量、すなわち、使用金属/金属酸化物系触媒中の金属
酸化物から奪われ、放出される酸素を補い、常時再生さ
せ得る割合で供給する必要があるが、実際上の操作にお
けるその割合は、使用触媒の酸素放出能と酸素吸収能と
の差、金属へのその酸化物の溶解度、等の如何をも考慮
して、適宜設定することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従って説明す
るが、本発明がこの実施例に限定されないことは勿論で
ある。
【0025】図2は、本実施例で用いたリアクタ−すな
わち反応装置の概略図である。図中、1は、その上方に
開口部を有する反応管本体であり、純度99.5wt%
のアルミナ(Al23)管からなるSSA−S反応管
(日本化学陶業社製)で構成され、その寸法は、外径3
0mmΦ、内径24mmΦ、長さ300mmである。
【0026】また、2は、反応管本体1中に置かれたタ
ンマン管すなわちるつぼを示し、その外径21mmΦ、
内径18mmΦ、長さ100mmであり、純度95.4
wt%のアルミナ(Al23)からなるSSA−Hタン
マン管(日本化学陶業社製)で構成されている。このる
つぼ2内には、触媒10、すなわち、その加熱操作時
に、溶融する金属に金属酸化物触媒を混合状態で容れ、
反応混合ガスをその底部からこの中に吹き込み形式で供
給する。
【0027】3は、反応管本体1用の耐熱性の材料で構
成された蓋であり、その反応管本体1の上方開口部に密
に嵌合、固定され、これによって反応管本体1を密封す
る。また4は、外径6mmΦ、内径4mmΦの反応ガス
の供給管であり、純度95.4%のアルミナ(Al
23)で構成されている。
【0028】この場合、反応ガスの供給管4は、蓋3を
貫通して、これに保持されるようにし、その供給管4の
下端部開口5はるつぼ2内の底部に臨むようになってお
り、またこの供給管4は、仕込み触媒成分に対する、後
述の前処理用ガスすなわち水素、窒素及び空気の供給用
としても使用するものである。
【0029】また、蓋3には、上記反応ガスの供給管4
のほか、それを貫通して、生成ガスの排出管6及びサ−
モカップルすなわち熱電対7が設けられている。このう
ち、排出管6は、径3mmФのSUS管からなり、その
開口は反応管本体1内の上方部に臨むようにセットさ
れ、また熱電対7は、純度99.5%のアルミナ(Al
23)からなる保護管8内に挿入、保護され、その端部
がタンマン管2内の反応域に臨むように置かれている。
【0030】9は、反応管本体1の周囲を囲んで設けら
れ、これを加熱するための電気炉であり、サ−モカップ
ル7により感知される温度如何により制御され、反応管
1、引いては、るつぼ2、その中に置かれる触媒10及
び反応ガスを所定温度に加熱し、反応用の熱を供給する
ようになっている。
【0031】次に、以上の反応装置を使用し、Pb/P
bO系触媒を用いてメタンを二量化した場合の詳細につ
いて説明する。まず、タンマン管2中に、触媒成分とし
て、鉛(Pb)を仕込んだ。この量は1.02molす
なわち211gである。一方、供給管4、排出管6及び
熱電対7を介挿した保護管8をセットした蓋3を反応管
本体1の上方開口部に嵌合、密封し、上記仕込み触媒成
分に対し、不純成分を除去する等のために必要な前処理
を行った。
【0032】この処理は、電気炉9を作動さて、反応管
1内を800°Cに維持しながら、水素を、供給管4を
通して、1気圧下、40cc/minの割合で供給し
た。この供給を30分間続けて仕込み触媒成分を十分還
元した後、同じく供給管4から窒素を供給して残留ガス
等を十分にパ−ジし、次いで同じく供給管4から空気を
供給することにより鉛を酸化し、2mol%分の鉛を酸
化鉛(PbO)とした。
【0033】《比較例》上記前処理を終了した後、引き
続きメタンの二量化処理を実施した。熱電対7により温
度を検知しながら制御した電気炉9により、反応温度を
常時800°Cに維持し、反応ガス供給管4を通して、
その下端部開口5からメタンガスのみを供給する一方、
生成ガスを排出管5から導出し、収集した。
【0034】この場合、メタン(CH4 )の供給量は、
100mmol/hすなわち1時間当り100ミリモル
とした。上記処理すなわち反応を30分間継続した後、
採取した生成ガスを分析し、生成ガス中の各成分の量的
割合を測定した。その結果を表1に示す。
【0035】表示のとおり、エチレン(C24)及びエ
タン(C26)は、それぞれ、0.030mmol/h
及び0.080mmol/h、合わせて0.110mm
ol/h生成し、これに対して、一酸化炭素の生成量は
0.19mmol/hであった。したがって、この場
合、C2 炭化水素への選択率{0.11/(0.11+
1/2×0.19)×100}は、54%弱に過ぎず、
また触媒成分(PbO)中の酸素分のうち約0.095
%が一酸化炭素の生成に消費されていることが分かる
(0.19×10-3mol/0.2mol×100=
0.095%)。
【0036】《実施例1》比較例の場合と同じく、前記
前処理を終了した後、本発明によるメタンの二量化処理
を実施した。熱電対7によりるつぼ2内温度を検知しな
がら制御した電気炉9により、反応温度を常時800°
Cに維持し、反応ガス供給管4を通して、その下端部開
口5からメタンと空気とを混合ガスとして供給する一
方、生成ガスを排出管5から導出し、収集した。
【0037】その供給量は、この実施例1の場合、メタ
ン(CH4 )を100mmol/hすなわち1時間当り
100ミリモルとし、また空気を6.7mmol/hす
なわち1時間当り6.7ミリモルとしたが、この場合、
その空気量の割合は、全供給ガス中約6.3%に相当す
る。
【0038】上記処理すなわち反応を1時間継続した
後、採取した生成ガスを分析し、生成ガス中の各成分の
量的割合を測定した。その結果を表1に示す。なお、表
1中には、生成水素量については示していないが、その
値は0.021mmol/hであり、またプロパン等の
3 以上の炭化水素の生成は認められなかった。
【0039】表示のとおり、エチレン(C24)及びエ
タン(C26)はそれぞれ0.080mmol/h及び
0.200mmol/h、合わせて0.280mmol
/h生成した。これに対して、一酸化炭素の生成量は、
0.180mmol/hであり、したがって、C2 炭化
水素への選択率{0.280/(0.280+1/2×
0.180)×100}は、約76%にも及ぶものであ
る。
【0040】また、この実施例1の場合、その反応継続
時間をさらに延長し、その処理を3時間実施したが、そ
の収率、C2 炭化水素への選択性、プロパンその他のC
3 以上の炭化水素の生成が認められない点、等に実質上
変わりはなく、したがって、本発明によれば、このよう
に収率、選択性を維持しながら、長期にわたり安定した
操作ができることは明らかである。
【0041】《実施例2》次に、空気の供給量を13.
0mmol/hとした以外は、前処理を行うことを含め
て、実施例1の場合と同じ条件、時間で実施し、採取し
た生成ガスを分析し、生成ガス中の各成分の量的割合を
測定した。その結果を表1に示す。なお、この実施例2
における、供給空気量の割合は、全供給ガス量中約1
1.5%に相当し、また生成水素量は、0.023mm
ol/hであった。
【0042】表示のとおり、エチレン(C24)及びエ
タン(C26)はそれぞれ0.115mmol/h及び
0.255mmol/h、合わせて0.370mmol
/h生成し、これに対して、一酸化炭素の生成量は0.
26mmol/hであり、したがって、この実施例2の
場合におけるC2 炭化水素への選択率は、約74%とな
る。
【0043】《実施例3》空気の供給量を27.0mm
ol/hとした以外は、前処理を行うことを含めて、実
施例1の場合と同じ条件、時間で実施し、採取した生成
ガスを分析し、生成ガス中の各成分の量的割合を測定し
た。その結果を表1に示す。なお、この実施例3におけ
る、供給空気量の割合は、全供給ガス量中約21.3%
に相当し、また生成水素量は、0.104mmol/h
であった。
【0044】表示のとおり、エチレン(C24)及びエ
タン(C26)はそれぞれ0.245mmol/h及び
0.355mmol/h、合わせて0.600mmol
/h生成し、これに対し、一酸化炭素の生成量は0.4
0mmol/hであった。したがって、この場合のC2
炭化水素への選択率は、約75%であった。
【0045】この実施例3の実施中、反応により生成し
たガスを採取し、これを五酸化二リン(P25)吸収管
を用いてその水生成量を測定し、これによりト−タルと
しての酸素バランスを測定したところ、この例の場合、
毎時約0.8%の鉛を酸化する速度で酸素の吸収が進行
していることが分かった。このように、本発明で用いる
触媒は、反応操作中、常時酸素吸収能を有し、酸素の吸
収を続けて再生されており、本発明におけるメタンの二
量化方法では、この機能を利用することにより、その反
応を長期にわたり連続的に実施することができるもので
ある。
【0046】《実施例4》空気の供給量を40.0mm
ol/hとした以外は、前処理を行うことを含めて、実
施例1の場合と同じ条件、時間で実施し、採取した生成
ガスを分析し、生成ガス中の各成分の量的割合を測定し
た。その結果を表1に示す。なお、この実施例4におけ
る、供給空気量の割合は、全供給ガス量中約28.6%
に相当し、また生成水素量は0.104mmol/hで
あった。
【0047】表示のとおり、エチレン(C24)及びエ
タン(C26)はそれぞれ0.250mmol/h及び
0.360mmol/h、合わせて0.610mmol
/h生成し、これに対し、一酸化炭素の生成量は0.5
5mmol/hであった。したがって、この場合のC2
炭化水素への選択率は、約69%弱となる。
【0048】また、以上、実施例1〜4を実施中、反応
を約30分続けた時点で生成ガスを一度採取し、この生
成ガスについても各生成成分の量的割合を測定したが、
各成分の生成割合は、各実施例とも1時間経過後の結果
とほぼ同様な値を示した。したがって、この生成反応
は、ほぼ定常状態で進行していることは明らかである。
【0049】
【表 1】
【0050】(備 考) 1、表1中、「実施例番号等」の欄中における数字は、
実施例の番号を示す。 2、メタン(CH4 )の供給量は、各実施例及び比較例
ともに、すべて100mmol/h(1時間当り100
ミリモル)とした。 3、「空気流量」、「C24生成量」、「C26生成
量」、「C2 生成量」及び「COX生成量」の単位は、
すべて「mmol/h」である。 4、「C2 選択率」は、「C2 生成量」と「COX 生成
量」との和すなわちその全量に対する「C2 の生成量」
の炭素(C)当たりの百分率(%)で示す。 5、水素(H2 )の生成量は、比較例の場合、0.00
6mmol/hであるのに対して、実施例1、2、3及
び4の場合、それぞれ、0.021、0.023、0.
104及び0.165mmol/hの値を示した。
【0051】図3は、表1の数値をグラフ化したもので
ある。図中、最左端すなわち空気量がゼロの時点での値
は、上記比較例に相当する。表1及び図3からも明らか
なとおり、本発明の場合、メタン、エタン等のC2炭化
水素が高収率で得られる。
【0052】さらに、C2 炭化水素への選択性に対す
る、空気供給量による影響としては、メタンと空気との
合計量に対する空気の割合が約5〜15%の範囲で高い
選択性を示し、この範囲では、CO、CO2 の発生を抑
制したまま、C2 炭化水素を高収率で得ることができる
ことを示している。
【0053】また、空気供給量の増加に伴い、C2 炭化
水素の生成率も増加するが、その供給空気量率が約15
%を超えるとCOX の生成率も上昇し(水素の生成率に
ついても、COX のそれに比べれば可成り下回るが、上
昇傾向を示している)、C2炭化水素への選択率は、や
や下降傾向を示すが、高い水準を示している点に変わり
はない。
【0054】さらに、図4は、表1に示したデ−タにつ
き、「C2 炭化水素」、「COX 」及び「H2 」の生成
率と「C2 炭化水素への選択率」とを、供給酸素の濃度
(供給メタン量と供給空気量から算出した供給酸素量と
の和に対する供給酸素量の割合)に対する、それら各生
成々分の生成率及びC2 炭化水素への選択率をプロット
したものである。
【0055】これによれば、当然のことながら、メタン
に対して、酸素を用いる場合にも、空気を用いた場合と
同じ傾向を示し、また酸素濃度1〜3%程度でC2 炭化
水素への高い選択性を有し、特にこの範囲では、COX
すなわちCO及びCO2 の発生を抑制したまま、C2
化水素を高収率で得ることができることが明らかであ
る。
【0056】
【発明の効果】本発明では、メタンを二量化するに際し
て、別途使用触媒に対する再生工程を必要とすることな
く、エチレン、エタン等のC2 炭化水素を、高い選択率
且つ高収率で、長期にわたり連続して製造することがで
きる。また、原料メタン中の空気濃度を5〜15%程度
とすることにより、CO、CO2 等のCOX の発生を抑
制したまま、C2 炭化水素を高い収率で得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術におけるメタン転化率の変化等を示す
図。
【図2】本発明の実施例で使用した反応装置の概略図。
【図3】Pb/PbO系触媒における供給空気の効果を
示す図。
【図4】Pb/PbO系触媒における供給酸素の効果を
示す図。
【符号の説明】
1 反応器本体 2 タンマン管(るつぼ) 3 反応管本体1用の蓋 4 反応ガスの供給管 5 供給管4の下端部開口 6 生成ガスの排出管 7 熱電対 8 熱電対6の保護管 9 電気炉 10 触媒

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒として金属/金属酸化物系の触媒を使
    用することにより、メタンを二量化し、エタン、エチレ
    ン等のC2 炭化水素を製造する方法において、金属/金
    属酸化物系触媒を充填し、溶融した反応器内に、メタン
    又はメタン含有ガスと酸素又は酸素含有ガスとの混合ガ
    スを連続的に供給することを特徴とするメタンの二量化
    方法。
  2. 【請求項2】金属/金属酸化物系触媒として鉛/酸化鉛
    系触媒を使用することを特徴とする請求項1記載のメタ
    ンの二量化方法。
JP5208529A 1993-07-31 1993-07-31 メタンの二量化方法 Pending JPH0748285A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5208529A JPH0748285A (ja) 1993-07-31 1993-07-31 メタンの二量化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5208529A JPH0748285A (ja) 1993-07-31 1993-07-31 メタンの二量化方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0748285A true JPH0748285A (ja) 1995-02-21

Family

ID=16557699

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5208529A Pending JPH0748285A (ja) 1993-07-31 1993-07-31 メタンの二量化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0748285A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5025108A (en) Process for producing olefins from natural gas
Burch et al. Homogeneous and heterogeneous contributions to the catalytic oxidative dehydrogenation of ethane
US5132481A (en) Process of methane oxidative coupling with hydrogen activation of catalyst
CA2110579A1 (en) High productivity process for the production of maleic anhydride
CN86104014A (zh) 甲烷转化的方法和催化剂
JPS62223132A (ja) メタンからのこれより高級な炭化水素の製造方法
JP2008266339A (ja) スチレンの製造方法
EP0189079B1 (en) Process for the production of hydrocarbons
CA1294632C (en) Thin bed reactors for methane conversion
JPH069591A (ja) エチレンのエポキシ化のための改良された方法
JPH08157206A (ja) ホスゲンの製造方法
JPH0687766A (ja) 不飽和炭化水素の精製方法
US4242104A (en) Cyclic process for producing methane with catalyst regeneration
JPH0748285A (ja) メタンの二量化方法
US3442632A (en) Processes of producing fuel gases by reforming liquid hydrocarbons
US2478875A (en) Preparation of hydrogen cyanide
JP4127855B2 (ja) ベンゼンのヒドロキシル化法
JPS5822129B2 (ja) エチルベンゼンの製造方法
US2513994A (en) Production of synthesis gas
US4582950A (en) Removal of acetylene and carbon monoxide from methane and ethane
JP4154877B2 (ja) スチレンの製造方法
JP3292311B2 (ja) メタノールの精製方法
JPH02212437A (ja) メタンの反応方法
Liu et al. Direct epoxidation of ethylene in a dilute reaction stream in oxidative coupling of methane
JPS5849610A (ja) 一酸化炭素を二酸化炭素に選択的に気相酸化する方法