JPH0748285A - メタンの二量化方法 - Google Patents

メタンの二量化方法

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JPH0748285A
JPH0748285A JP5208529A JP20852993A JPH0748285A JP H0748285 A JPH0748285 A JP H0748285A JP 5208529 A JP5208529 A JP 5208529A JP 20852993 A JP20852993 A JP 20852993A JP H0748285 A JPH0748285 A JP H0748285A
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JP
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methane
reaction
catalyst
oxygen
metal
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JP5208529A
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Kaoru Fujimoto
薫 藤元
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Tokyo Gas Co Ltd
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Tokyo Gas Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】金属/金属酸化物系触媒を使用することによ
り、メタンを二量化し、エタン、エチレン等のC2 炭化
水素を製造する方法において、金属/金属酸化物系触媒
を充填、溶融した反応器内に、メタン又はメタン含有ガ
スと酸素又は酸素含有ガスとの混合ガスを連続的に供給
することを特徴とするメタンの二量化方法。 【効果】メタンを二量化するに際して、使用触媒に対す
る再生工程を別途必要とすることなく、C2 炭化水素
を、高い選択率且つ高収率で、長期にわたり連続して製
造することができる。また、原料メタン中の空気濃度を
5〜15%程度とすることにより、COX の発生を抑制
したまま、C2 炭化水素を高い収率で得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メタン又はメタン含有
ガスから、触媒として金属/金属酸化物系触媒を使用す
ることにより、エタン、エチレン等のC2 炭化水素を製
造するメタンの二量化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】メタン又はメタン含有ガスを原料とし、
メタンをエタン、エチレン、プロピレン等へ転化、カッ
プリング化することにより、炭素数2以上の炭化水素を
合成、製造する技術は、メタン又は天然ガス等のメタン
含有ガスを有効に利用する上できわめて重要であり、こ
のためその転化技術としては、これまで種々の提案がな
されている。
【0003】例えば、特開昭63−222126号公報
には、無触媒すなわち触媒を使用することなく、メタン
を分子状酸素とともに加圧下で加熱することにより、酸
化カップリング反応を行わせ、炭素数2以上の炭化水素
と一酸化炭素とを得る方法が記載されており、また、特
開昭61−165340号公報では、希土類金属を含有
する触媒を使用することにより、メタン又はメタン含有
原料から炭素数2以上の炭化水素を製造する方法が提案
されている。
【0004】このうち、前者の方法では、メタンを分子
状酸素とともに加圧下で加熱するものであるから、燃焼
反応を伴って多量の一酸化炭素を生成することになり、
このため炭素数2以上の炭化水素と一酸化炭素とを含有
する混合ガスを得る上では有効であるが、炭素数2以上
の炭化水素のみを選択的に得る方法としては直ちに適用
することができないし、また、後者の方法においては、
2 炭化水素への選択性が十分ではなく、また転化用触
媒として高価な希土類金属を使用するものであり、その
触媒活性が早期に低下し易い傾向があること等から、結
果として転化コストが高くなる等の欠点がある。
【0005】このほか、その転化に触媒を用いる方法を
紹介したものとしては、特開昭62−205036号公
報、特開昭62−238220号公報等も知られてい
る。しかし、これらに記載の技術では、塩基性酸化物に
アルカリ金属のハロゲン化物を担持させてなる触媒、ア
ルカリ金属と第一遷移系列元素とを含有する触媒、等比
較的安価な触媒を用いるものではあるが、何れもその触
媒を固体状態で用いるもので、C2 炭化水素への選択性
等、未だ必ずしも十分なものとは云えない。
【0006】これに対して、その転化用として同じく触
媒を使用する一つの方向として、複合金属酸化物系の触
媒や金属/金属酸化物系の触媒を溶融状態で使用するこ
とが研究、検討され、その成果も発表されている。すな
わち、「1989年度触媒研究発表会 講演予稿集」
(触媒学会・日本化学会共催、1989年10月13日
・14日、長崎大学教養部)では、まずメタンの二量化
反応を、次の(1)及び(2)の反応式で示される両反
応過程を分離して、別個に実施するプロセスの開発を行
っていることが紹介されている。 2CH4 + MOX → C26 + MOX-1 + H2O (1) 2MOX-1 + O2 → 2MOX (2)
【0007】これら反応式中、MOX がメタンの二量化
用の触媒に相当するものであるが、この両反応式から明
らかなとおり、上記式(1)で示される反応は、金属酸
化物からメタンによって酸素を奪い、金属酸化物を還元
する過程であり、また上記式(2)で示される反応は、
式(1)の反応で還元された金属酸化物を酸素により酸
化し、再生する過程に相当している。
【0008】そして、この触媒(MOX )は、溶融状
態、例えば金属酸化物(含;複合金属酸化物、以下同
じ)を溶融塩中に溶解又は分散した形式、金属酸化物を
溶融金属媒体中に溶解又は分散した形式等の諸態様で使
用されるもので、その触媒特性等についても報告されて
きているが、上記研究では、「ビスマスの酸化物/鉛の
酸化物/金属」系の触媒について、その組成如何による
効果、またこの系に対するアルカリ添加の効果に関して
実験され、検討されている。
【0009】これによれば、例えば、金属酸化物として
PbOとBi23とからなる複合金属酸化物を用い、こ
れを750゜Cの温度に加熱、溶融したPbとBiとの
混合溶融金属中に溶解、分散させてなる触媒に、メタン
を吹き込み、反応させた場合には、C2 炭化水素への選
択性は低い値を示すが、この選択性は、アルカリ添加に
よって改善され、アルカリの種類如何によってはその選
択性が大幅に改善される等の事実が確認されている。
【0010】
【従来技術の問題点】しかし、それら触媒を用いるその
反応は、前述のとおり、前掲反応式(1)及び(2)で
示される反応過程を分離して、すなわち、両反応の過程
を別個に行うことを前提としているものである。
【0011】すなわち、これら両反応式(1)及び
(2)中、MOX がメタンの二量化用の触媒に相当する
ものであるが、この反応は、式(1)から明らかなとお
り、金属酸化物自体からメタンによって酸素を奪い、金
属酸化物を還元する工程である。 2CH4 + MOX → C26 + MOX-1 + H2O (1) このため式(2)で示される反応により、その還元金属
酸化物を酸素により酸化し、再生する工程を必要不可欠
とするものである。 2MOX-1 + O2 → 2MOX (2)
【0012】図1は、上述、その触媒として金属/金属
酸化物系触媒を用いるメタンの二量化工程及びこの二量
化工程で還元された金属酸化物を酸素により酸化し、再
生する工程の概略を示すものである。
【0013】図示のとおり、エタン、エチレン等の二量
体へのメタンの転化率は、反応開始以降、時間の経過と
ともに低下して行くが、これは正に金属酸化物の還元に
伴う酸素供給能の低下に基づくものであり、しかも、後
述比較例からも明らかなとおり、多量のCOXの生成を
伴い、このためC2 炭化水素への選択性も低い。そし
て、反応の経過に伴い、やがて金属酸化物中からの供給
すべき酸素がなくなると、反応自体が停止してしまう。
【0014】このため、その触媒自体、長期にわたる定
常的な活性を保持することができないし、また図示のと
おり、その反応停止後、別途所定時間、空気等による再
生工程が必要不可欠である。したがって、この方法を連
続的に行うようにするには、例えば、2つの反応器を併
置し、その一つでメタンを供給して反応操作を実施する
一方、他の一つでは空気等を供給して再生操作を行い、
この操作を定期的に切り換える、いわゆる交互切換え方
式等を採る外はないものであった。
【0015】本発明者は、これら諸問題を解決すべく、
鋭意検討を加えた結果、メタンの二量化用の触媒とし
て、金属/金属酸化物系の触媒を使用する場合には、
反応操作中、これがメタンへ酸素を供給して自からは還
元されると同時に、その反応操作と同じ操作雰囲気中
で、酸素を吸収し、それ自体酸化されて再生されるとと
もに、C2 炭化水素への選択性や収率、また反応速度
についても格段に改善させ得る、という特異な特性を有
していることを見い出し、本発明に至ったものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、触媒
として金属/金属酸化物系の触媒を用いるメタンの二量
化方法において、従来技術が有していた前述の問題点を
一挙に解消しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、金属/金属酸化物系
の触媒を使用することにより、メタンを二量化し、エチ
レン、エタン等のC2炭化水素を製造する方法におい
て、金属/金属酸化物系触媒を充填し、加熱溶融した反
応器内にメタン又はメタン含有ガスと分子状酸素との混
合ガスを連続的に供給することを特徴とするメタンの二
量化方法を提供するものである。
【0018】すなわち、本発明では、前述、その金属/
金属酸化物系触媒自体が有する特異な特性を利用し、そ
の触媒にメタン又はメタン含有ガスと分子状酸素とを同
時に供給することにより、別途再生工程を必要とするこ
となく、長期にわたる連続操作を可能とし、また、C2
炭化水素への高い選択率を得、その収率を改善するとも
に、その反応速度を向上させるようにしたものである。
【0019】本発明における、その金属/金属酸化物系
触媒としては、鉛/酸化鉛系触媒、錫/酸化錫系触媒
等、その金属酸化物が、前述反応に対して触媒作用を有
し、対応する(反応操作中溶融状態にある)金属、すな
わち、対応する溶融金属に溶解又は分散し得るものであ
れば、使用することができる。
【0020】このうち、例えば、その鉛/酸化鉛系触媒
としては、PbとPbOとからなる触媒、このPb/P
bO系触媒に酸化ビスマス(Bi23)を添加してなる
Pb/PbO・Bi23系触媒、そのPb/PbO系触
媒にビスマス(Bi)を添加したPb・Bi/PbO系
触媒、Pb/PbO系触媒にBiとBi23とを添加し
たPb・Bi/PbO・Bi23系触媒、またこれら諸
系の触媒にアルカリを添加したもの、等種々のものを使
用することができる。
【0021】なお、これらのPb/PbO系触媒のうち
でも、実質上PbとPbOとだけからなる系について
は、反応温度、例えば800°C程度の温度では十分な
溶融状態とはならないが、この系でのPbOは2mol
%程度までであればPbに溶解し、また溶解分を超える
分については、溶融Pb中に分散状態として実施するこ
が可能である。
【0022】また、本発明で使用するメタン含有ガスと
しては、メタンの濃度が高いほど有利であるが、メタン
成分を含むものであればその濃度如何を問わず使用する
ことができ、天然ガス等複数種の成分を含むガスをその
まま用いることもできる。また酸素としては、純酸素ガ
スとは限らず、空気等、酸素を含み、反応に支障のない
ガスを含む混合ガス、等種々の気体を使用することがで
き、本明細書でいう、酸素又は酸素含有ガスとは、これ
らのガスをも含めて用いている。
【0023】この場合、供給メタン又はメタン含有ガス
量に対する酸素又は酸素含有ガスの量については、反応
操作実施中、使用金属/金属酸化物系触媒の酸素放出能
と酸素吸収能(すなわち再生能力)とをバランスさせ得
る量、すなわち、使用金属/金属酸化物系触媒中の金属
酸化物から奪われ、放出される酸素を補い、常時再生さ
せ得る割合で供給する必要があるが、実際上の操作にお
けるその割合は、使用触媒の酸素放出能と酸素吸収能と
の差、金属へのその酸化物の溶解度、等の如何をも考慮
して、適宜設定することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従って説明す
るが、本発明がこの実施例に限定されないことは勿論で
ある。
【0025】図2は、本実施例で用いたリアクタ−すな
わち反応装置の概略図である。図中、1は、その上方に
開口部を有する反応管本体であり、純度99.5wt%
のアルミナ(Al23)管からなるSSA−S反応管
(日本化学陶業社製)で構成され、その寸法は、外径3
0mmΦ、内径24mmΦ、長さ300mmである。
【0026】また、2は、反応管本体1中に置かれたタ
ンマン管すなわちるつぼを示し、その外径21mmΦ、
内径18mmΦ、長さ100mmであり、純度95.4
wt%のアルミナ(Al23)からなるSSA−Hタン
マン管(日本化学陶業社製)で構成されている。このる
つぼ2内には、触媒10、すなわち、その加熱操作時
に、溶融する金属に金属酸化物触媒を混合状態で容れ、
反応混合ガスをその底部からこの中に吹き込み形式で供
給する。
【0027】3は、反応管本体1用の耐熱性の材料で構
成された蓋であり、その反応管本体1の上方開口部に密
に嵌合、固定され、これによって反応管本体1を密封す
る。また4は、外径6mmΦ、内径4mmΦの反応ガス
の供給管であり、純度95.4%のアルミナ(Al
23)で構成されている。
【0028】この場合、反応ガスの供給管4は、蓋3を
貫通して、これに保持されるようにし、その供給管4の
下端部開口5はるつぼ2内の底部に臨むようになってお
り、またこの供給管4は、仕込み触媒成分に対する、後
述の前処理用ガスすなわち水素、窒素及び空気の供給用
としても使用するものである。
【0029】また、蓋3には、上記反応ガスの供給管4
のほか、それを貫通して、生成ガスの排出管6及びサ−
モカップルすなわち熱電対7が設けられている。このう
ち、排出管6は、径3mmФのSUS管からなり、その
開口は反応管本体1内の上方部に臨むようにセットさ
れ、また熱電対7は、純度99.5%のアルミナ(Al
23)からなる保護管8内に挿入、保護され、その端部
がタンマン管2内の反応域に臨むように置かれている。
【0030】9は、反応管本体1の周囲を囲んで設けら
れ、これを加熱するための電気炉であり、サ−モカップ
ル7により感知される温度如何により制御され、反応管
1、引いては、るつぼ2、その中に置かれる触媒10及
び反応ガスを所定温度に加熱し、反応用の熱を供給する
ようになっている。
【0031】次に、以上の反応装置を使用し、Pb/P
bO系触媒を用いてメタンを二量化した場合の詳細につ
いて説明する。まず、タンマン管2中に、触媒成分とし
て、鉛(Pb)を仕込んだ。この量は1.02molす
なわち211gである。一方、供給管4、排出管6及び
熱電対7を介挿した保護管8をセットした蓋3を反応管
本体1の上方開口部に嵌合、密封し、上記仕込み触媒成
分に対し、不純成分を除去する等のために必要な前処理
を行った。
【0032】この処理は、電気炉9を作動さて、反応管
1内を800°Cに維持しながら、水素を、供給管4を
通して、1気圧下、40cc/minの割合で供給し
た。この供給を30分間続けて仕込み触媒成分を十分還
元した後、同じく供給管4から窒素を供給して残留ガス
等を十分にパ−ジし、次いで同じく供給管4から空気を
供給することにより鉛を酸化し、2mol%分の鉛を酸
化鉛(PbO)とした。
【0033】《比較例》上記前処理を終了した後、引き
続きメタンの二量化処理を実施した。熱電対7により温
度を検知しながら制御した電気炉9により、反応温度を
常時800°Cに維持し、反応ガス供給管4を通して、
その下端部開口5からメタンガスのみを供給する一方、
生成ガスを排出管5から導出し、収集した。
【0034】この場合、メタン(CH4 )の供給量は、
100mmol/hすなわち1時間当り100ミリモル
とした。上記処理すなわち反応を30分間継続した後、
採取した生成ガスを分析し、生成ガス中の各成分の量的
割合を測定した。その結果を表1に示す。
【0035】表示のとおり、エチレン(C24)及びエ
タン(C26)は、それぞれ、0.030mmol/h
及び0.080mmol/h、合わせて0.110mm
ol/h生成し、これに対して、一酸化炭素の生成量は
0.19mmol/hであった。したがって、この場
合、C2 炭化水素への選択率{0.11/(0.11+
1/2×0.19)×100}は、54%弱に過ぎず、
また触媒成分(PbO)中の酸素分のうち約0.095
%が一酸化炭素の生成に消費されていることが分かる
(0.19×10-3mol/0.2mol×100=
0.095%)。
【0036】《実施例1》比較例の場合と同じく、前記
前処理を終了した後、本発明によるメタンの二量化処理
を実施した。熱電対7によりるつぼ2内温度を検知しな
がら制御した電気炉9により、反応温度を常時800°
Cに維持し、反応ガス供給管4を通して、その下端部開
口5からメタンと空気とを混合ガスとして供給する一
方、生成ガスを排出管5から導出し、収集した。
【0037】その供給量は、この実施例1の場合、メタ
ン(CH4 )を100mmol/hすなわち1時間当り
100ミリモルとし、また空気を6.7mmol/hす
なわち1時間当り6.7ミリモルとしたが、この場合、
その空気量の割合は、全供給ガス中約6.3%に相当す
る。
【0038】上記処理すなわち反応を1時間継続した
後、採取した生成ガスを分析し、生成ガス中の各成分の
量的割合を測定した。その結果を表1に示す。なお、表
1中には、生成水素量については示していないが、その
値は0.021mmol/hであり、またプロパン等の
3 以上の炭化水素の生成は認められなかった。
【0039】表示のとおり、エチレン(C24)及びエ
タン(C26)はそれぞれ0.080mmol/h及び
0.200mmol/h、合わせて0.280mmol
/h生成した。これに対して、一酸化炭素の生成量は、
0.180mmol/hであり、したがって、C2 炭化
水素への選択率{0.280/(0.280+1/2×
0.180)×100}は、約76%にも及ぶものであ
る。
【0040】また、この実施例1の場合、その反応継続
時間をさらに延長し、その処理を3時間実施したが、そ
の収率、C2 炭化水素への選択性、プロパンその他のC
3 以上の炭化水素の生成が認められない点、等に実質上
変わりはなく、したがって、本発明によれば、このよう
に収率、選択性を維持しながら、長期にわたり安定した
操作ができることは明らかである。
【0041】《実施例2》次に、空気の供給量を13.
0mmol/hとした以外は、前処理を行うことを含め
て、実施例1の場合と同じ条件、時間で実施し、採取し
た生成ガスを分析し、生成ガス中の各成分の量的割合を
測定した。その結果を表1に示す。なお、この実施例2
における、供給空気量の割合は、全供給ガス量中約1
1.5%に相当し、また生成水素量は、0.023mm
ol/hであった。
【0042】表示のとおり、エチレン(C24)及びエ
タン(C26)はそれぞれ0.115mmol/h及び
0.255mmol/h、合わせて0.370mmol
/h生成し、これに対して、一酸化炭素の生成量は0.
26mmol/hであり、したがって、この実施例2の
場合におけるC2 炭化水素への選択率は、約74%とな
る。
【0043】《実施例3》空気の供給量を27.0mm
ol/hとした以外は、前処理を行うことを含めて、実
施例1の場合と同じ条件、時間で実施し、採取した生成
ガスを分析し、生成ガス中の各成分の量的割合を測定し
た。その結果を表1に示す。なお、この実施例3におけ
る、供給空気量の割合は、全供給ガス量中約21.3%
に相当し、また生成水素量は、0.104mmol/h
であった。
【0044】表示のとおり、エチレン(C24)及びエ
タン(C26)はそれぞれ0.245mmol/h及び
0.355mmol/h、合わせて0.600mmol
/h生成し、これに対し、一酸化炭素の生成量は0.4
0mmol/hであった。したがって、この場合のC2
炭化水素への選択率は、約75%であった。
【0045】この実施例3の実施中、反応により生成し
たガスを採取し、これを五酸化二リン(P25)吸収管
を用いてその水生成量を測定し、これによりト−タルと
しての酸素バランスを測定したところ、この例の場合、
毎時約0.8%の鉛を酸化する速度で酸素の吸収が進行
していることが分かった。このように、本発明で用いる
触媒は、反応操作中、常時酸素吸収能を有し、酸素の吸
収を続けて再生されており、本発明におけるメタンの二
量化方法では、この機能を利用することにより、その反
応を長期にわたり連続的に実施することができるもので
ある。
【0046】《実施例4》空気の供給量を40.0mm
ol/hとした以外は、前処理を行うことを含めて、実
施例1の場合と同じ条件、時間で実施し、採取した生成
ガスを分析し、生成ガス中の各成分の量的割合を測定し
た。その結果を表1に示す。なお、この実施例4におけ
る、供給空気量の割合は、全供給ガス量中約28.6%
に相当し、また生成水素量は0.104mmol/hで
あった。
【0047】表示のとおり、エチレン(C24)及びエ
タン(C26)はそれぞれ0.250mmol/h及び
0.360mmol/h、合わせて0.610mmol
/h生成し、これに対し、一酸化炭素の生成量は0.5
5mmol/hであった。したがって、この場合のC2
炭化水素への選択率は、約69%弱となる。
【0048】また、以上、実施例1〜4を実施中、反応
を約30分続けた時点で生成ガスを一度採取し、この生
成ガスについても各生成成分の量的割合を測定したが、
各成分の生成割合は、各実施例とも1時間経過後の結果
とほぼ同様な値を示した。したがって、この生成反応
は、ほぼ定常状態で進行していることは明らかである。
【0049】
【表 1】
【0050】(備 考) 1、表1中、「実施例番号等」の欄中における数字は、
実施例の番号を示す。 2、メタン(CH4 )の供給量は、各実施例及び比較例
ともに、すべて100mmol/h(1時間当り100
ミリモル)とした。 3、「空気流量」、「C24生成量」、「C26生成
量」、「C2 生成量」及び「COX生成量」の単位は、
すべて「mmol/h」である。 4、「C2 選択率」は、「C2 生成量」と「COX 生成
量」との和すなわちその全量に対する「C2 の生成量」
の炭素(C)当たりの百分率(%)で示す。 5、水素(H2 )の生成量は、比較例の場合、0.00
6mmol/hであるのに対して、実施例1、2、3及
び4の場合、それぞれ、0.021、0.023、0.
104及び0.165mmol/hの値を示した。
【0051】図3は、表1の数値をグラフ化したもので
ある。図中、最左端すなわち空気量がゼロの時点での値
は、上記比較例に相当する。表1及び図3からも明らか
なとおり、本発明の場合、メタン、エタン等のC2炭化
水素が高収率で得られる。
【0052】さらに、C2 炭化水素への選択性に対す
る、空気供給量による影響としては、メタンと空気との
合計量に対する空気の割合が約5〜15%の範囲で高い
選択性を示し、この範囲では、CO、CO2 の発生を抑
制したまま、C2 炭化水素を高収率で得ることができる
ことを示している。
【0053】また、空気供給量の増加に伴い、C2 炭化
水素の生成率も増加するが、その供給空気量率が約15
%を超えるとCOX の生成率も上昇し(水素の生成率に
ついても、COX のそれに比べれば可成り下回るが、上
昇傾向を示している)、C2炭化水素への選択率は、や
や下降傾向を示すが、高い水準を示している点に変わり
はない。
【0054】さらに、図4は、表1に示したデ−タにつ
き、「C2 炭化水素」、「COX 」及び「H2 」の生成
率と「C2 炭化水素への選択率」とを、供給酸素の濃度
(供給メタン量と供給空気量から算出した供給酸素量と
の和に対する供給酸素量の割合)に対する、それら各生
成々分の生成率及びC2 炭化水素への選択率をプロット
したものである。
【0055】これによれば、当然のことながら、メタン
に対して、酸素を用いる場合にも、空気を用いた場合と
同じ傾向を示し、また酸素濃度1〜3%程度でC2 炭化
水素への高い選択性を有し、特にこの範囲では、COX
すなわちCO及びCO2 の発生を抑制したまま、C2
化水素を高収率で得ることができることが明らかであ
る。
【0056】
【発明の効果】本発明では、メタンを二量化するに際し
て、別途使用触媒に対する再生工程を必要とすることな
く、エチレン、エタン等のC2 炭化水素を、高い選択率
且つ高収率で、長期にわたり連続して製造することがで
きる。また、原料メタン中の空気濃度を5〜15%程度
とすることにより、CO、CO2 等のCOX の発生を抑
制したまま、C2 炭化水素を高い収率で得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術におけるメタン転化率の変化等を示す
図。
【図2】本発明の実施例で使用した反応装置の概略図。
【図3】Pb/PbO系触媒における供給空気の効果を
示す図。
【図4】Pb/PbO系触媒における供給酸素の効果を
示す図。
【符号の説明】
1 反応器本体 2 タンマン管(るつぼ) 3 反応管本体1用の蓋 4 反応ガスの供給管 5 供給管4の下端部開口 6 生成ガスの排出管 7 熱電対 8 熱電対6の保護管 9 電気炉 10 触媒

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒として金属/金属酸化物系の触媒を使
    用することにより、メタンを二量化し、エタン、エチレ
    ン等のC2 炭化水素を製造する方法において、金属/金
    属酸化物系触媒を充填し、溶融した反応器内に、メタン
    又はメタン含有ガスと酸素又は酸素含有ガスとの混合ガ
    スを連続的に供給することを特徴とするメタンの二量化
    方法。
  2. 【請求項2】金属/金属酸化物系触媒として鉛/酸化鉛
    系触媒を使用することを特徴とする請求項1記載のメタ
    ンの二量化方法。
JP5208529A 1993-07-31 1993-07-31 メタンの二量化方法 Pending JPH0748285A (ja)

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