JPH0747229B2 - 爆発圧着の方法 - Google Patents

爆発圧着の方法

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JPH0747229B2
JPH0747229B2 JP60224815A JP22481585A JPH0747229B2 JP H0747229 B2 JPH0747229 B2 JP H0747229B2 JP 60224815 A JP60224815 A JP 60224815A JP 22481585 A JP22481585 A JP 22481585A JP H0747229 B2 JPH0747229 B2 JP H0747229B2
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泰弘 氏本
弘和 入江
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、爆発圧着法によるクラツド板の改善された製
造方法、とりわけ爆発圧着法に於ける接合の難しい材質
の組合せからなるクラツド板の製造方法に関する。
(従来の技術) 爆発圧着法は、異種金属材料の相対する面と面とを、爆
薬を用いて接合する方法であつて、クラツド板やクラツ
ド管などを製造する方法として、工業的に重用されてい
る。この方法によれば、実用金属材料のほとんどの組合
せを、クラツドすることが可能である。特に、溶融溶接
法では接合しないか、接合しても良い性能の得られない
材質組合せ、例えばチタンと鋼、アルミと鋼、アルミと
銅の接合に、この爆発圧着法の特徴が生かされている。
このような爆発圧着法として、例えば、特公昭50−7545
号公報、特公昭60−5392号公報、特開昭56−66391号公
報及び特開昭59−47078号公報に母材と合せ材との間に
触媒材を用いて爆発圧着することによりクラツド板を製
造することが記載されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、上記の方法により製造されたクラツド板は、実
質的に、合せ材(上層)、媒接材(中間層)及び母材
(下層)からなるクラツド板となり、合せ材よりも中間
層である媒接材の強度に依存することになり、合せ材本
来の強度を減殺することになり、また、板厚の増加、重
量増加以外に、切断や溶接工数の増加が発生する。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記の如き状況にある、合せ材と母材と
のよい接合の得られない材質組合せの爆発圧着方法につ
いて種々検討を行つた結果、合せ材の上側表面に被覆層
を設けておき、さらに合せ材上に金属層からなる駆動板
を合せ材とほぼ平行または起爆側を合せ材に接し、他端
に間隙を有するように重ね合せ、その後、該駆動板上に
爆薬を載置したのち、該爆薬を爆発させることにより、
媒接材を用いなくともクラツド板が得られることを見出
し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、母材上に間隙を設けて合せ材を重ね合
せ、該合せ材上の爆薬層を爆発させて合せ材を母材に圧
着を行う爆発圧着法において、合せ材の上側表面に厚さ
10μmないし100μmの金属箔の被覆層を設け、かつ、
合せ材に対して単位面積当りの質量が1/2〜5である金
属板を駆動板として合せ材上にほぼ平行な間隙を設けて
重ね合せるかまたは起爆側が合せ材に接し、他端が間隙
を有するように重ね合せ、ついで、該駆動板上に爆薬層
を設けたのち、該爆薬層を爆発させて母材と合せ材とを
接合する爆発圧着の方法である。
本発明に用いる爆薬としては、硝安を主剤として、PETN
又はTNT、パーライトおよび若干の木粉を含有してお
り、爆発速度が2000〜3000M/S程度のものを使用する。
本発明に用いる合せ剤としては、従来の爆発圧着法にお
いて、単独では母剤との接合が難しいか、或いは、爆発
圧着後の接合力が弱いため、母材と相互に接合性の良い
触媒材等を挿入することにより、クラツドの強度を確保
していた、硬質チタン(JIS H 4600.TP35.TP49)や
ジルコニウムおよびこれらの合金および、アルミニウム
合金などに適用できる。
本発明に用いる母材としては、特に限定する必要はな
く、鋼または合金鋼および非鉄金属等に適用可能であ
る。
本発明に用いる駆動板としては材質は、 爆発圧着の過程で変形能が大きいとされているアルミニ
ウム板、銅板及び軟鋼板が適している。合せ材の板厚に
対する駆動板の板厚は、材質組合せにより異るが、これ
を質量比(駆動板の単位面積当り質量÷合せ材の単位面
積当り質量)で整理すると、1/2ないし5倍、好ましく
は1〜2倍がよい接合を得る。質量比が1/2より小さい
と、駆動板が合せ材に衝突しても、合せ材に十分な運動
エネルギーを与えることができずに、母材との間によい
接合が得られないものと判断される。一方、質量比が5
倍を超えると駆動板に十分な変形を与えるために、大量
の爆薬を使用しなければならないだけでなく、駆動板の
荷後作業が困難になり、さらには駆動板と爆薬の重量増
加のため、母材と合せ材との間の間隙保持を困難にする
ので、好ましくない。
本発明の方法は、第1図に示す如く、母材1上に合せ材
2を通常の爆発圧着方法に採用されている間隙5を設け
て平行に載置したのち、該合せ材2上に駆動板4を該駆
動板の板厚の1/2〜3倍の平行な間隙を設けて載置し、
ついで駆動板4上に爆薬7を均一な厚みに配置する。そ
の後、電気雷管8により爆薬7を爆発させて、合せ材2
を母材に接着する。この際、駆動板4と合せ材2との間
隙が駆動板の板厚の1/2より小さい場合、駆動板と合せ
材との間に介在する空気が下層の母材と合せ材との接合
に際して不圧着部を発生し、また、この間隙が3倍より
大きい場合、合せ材が大きな加圧硬化を受けて物性が劣
化したり、合せ材表面が損傷を受けるので好ましくな
い。また、第2図に示す様に合せ材2と駆動板4との間
隙をなだらかな傾斜した間隙としてもよい。この際の合
せ材と駆動板との間隙は、爆発圧着の進行方向に対し先
端部で板厚の1/2〜3倍とすることによりよりよい接合
が得られる。さらに、第1及び2図に示すように合せ材
2上に金属箔を接着剤(例えば酢酸ビニル系エマルジヨ
ン等の液剤或いはトランジシヨン・テープ等)により貼
りつけてもよい。使用される金属箔の材質は特定する必
要はないが、入手の容易さからアルミニウム箔が好まし
く、その厚みも10〜100μmのものが用いられる。金属
箔の厚みがあまり薄いとしわを生じたり箔に空隙を生じ
たりする。また、あまり厚いと継ぎ目に段差を生じた
り、密着性を損う。
(効 果) 本発明の方法における駆動板の効果について述べる。
爆発圧着法においては、合せ材が母材に衝突する際の、
爆発圧着の進行速度(衝突点の移動速度)と衝突角度の
間には重要な関係があり、有る衝突点の移動速度に対し
て適当な衝突角度が必要とされている。しかしながら本
発明の対象とする硬質チタン、ジルコニウム、合金アル
ミニウムは、爆発圧着時の変形能が小さいため、通常行
う爆発圧着法では所望する衝突角度が得られず、期待す
る接合性能が得られない。
本発明に記載する方法により、この種の合せ材に対して
は、変形能のよい駆動板を設いることによつて、駆動板
が合せ材の変形を補助して、接合に適した衝突角度をつ
くり出すことが可能となつた。この結果、通常行う爆発
圧着法では得られない強固な接合を得ることが出来るよ
うになつた。
この発明のもう一つは、合せ材の表面保護にある。
本発明の方法において、表面保護は、駆動板と合せ材と
のわずかな接合を防止し、かつ、合せ材表面を平滑に保
持する。通常行う爆発圧着法においては、合せ材の上側
表面に、樹脂コーテイングを施して、塗膜を設ける方法
が行われている。また、実験サイズの小寸法の爆発圧着
では、薄いゴム板や樹脂板が使用されることもある。
しかし、本発明の方法には、これらの表面保護法は適さ
ない。即ち、いづれの表面保護を行つても、これらの材
料は、爆発圧着により駆動板が衝突した際には炭化反応
を起して、合せ材表面をはげしく汚染し、かつ損傷して
しまう。さらには、樹脂コーティングのように表面保護
層が数100μm以下で薄い場合、駆動板衝突により、爆
発圧着特有の波模様を合せ材表面に発生し、研摩などの
表面処理を必要とするだけでなく、研摩により合せ材の
板厚を減ずることになる。数100μm以上の厚さのゴム
板や樹脂板を用いようとしても、これらは合せ材の寸法
以上のものを入手することができないので、ゴム板や樹
脂板の継ぎ目が起点になつて合せ材上に割れを生じ、重
ね合せると、その段差がそのまゝ合せ材上に刻印され、
研摩処理を必要とし、かつ、合せ材の板厚を減ずること
になる。又、たとえ合せ材と同等寸法の材料を入手でき
ても、空隙部が皆無となるように合せ材上に張り合せる
ことは、容易なことではない。
本発明方法は、金属箔を合せ材上に張りつけられている
ので、これらの問題点が一挙に解決し、極めてよい結果
が得られる。金属箔を用いることにより、駆動板の衝突
により発生する爆発圧着特有の波形は、金属箔との間に
発生し、合せ材表面は何ら悪影響を受けることなく、平
滑な状態を維持することが出来る。また、金属箔の金属
的性質により、炭化反応等による汚染や損傷を防止する
ことも可能になつた。
(実施例) 以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1 厚さ20μmのアルミ箔で上側表面を全面にわたつて表面
保護した厚さ3mm、幅1500mm、長さ3000mmのジルコニウ
ム板を同じ幅・長さで、厚さ16mmのSB42板上に、3mmの
間隙を保持して重ね合せた。このジルコニウム板の上
に、厚さ3mm、幅1524mm、長さ3048mmの軟鋼板(SPCC)
を間隙3mmをもたせて平行になるように重ね合せた。こ
の軟鋼板上に硝安を主剤とし、TNT10%、パーライト5
%、木粉1%を混合した爆発速度2200m/sの粉状爆薬、1
12Kgを均一に載せて、長辺側端部中央から電気雷管で起
爆した。出来上つたジルコニウムとSB42のクラツド板
は、超音波探傷法により全面にわたつて接合しているこ
とが確認された。540℃で3時間の熱処理を施した後、
各部から試験片を採取し、剪断試験を行つた結果は、い
づれも26〜30Kgf/mm2の接合強度を示した。ジルコニウ
ム表面は何ら損傷を受けることなく、平滑であつた。こ
の実施例での駆動板と合せ材の質量比は1.2倍である。
実施例2 実施例1と同じ合せ材と母材との組み合せにおいて、表
面保護用アルミ箔80μm、駆動板の厚さを5mm、駆動板
と合せ材の間隙を第2図に示すように、先端部6を5mm
あけることにより、0〜5mmに変え、実施例1と同じ爆
薬139Kgで爆発圧着し、実施例1と同じ接合性能を得
た。ジルコニウム表面には、アルミ箔の継ぎ目に相当す
る位置に、線状のわずかな凹みが認められたが、許容で
きる程度であつた。駆動板合せ材との質量比は2.0倍で
ある。
実施例3〜7 第1表に示す如き母材、合せ材、駆動板を用いる以外
は、実施例1と同様にしてクラツド板を製造した。その
結果を第1表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法の1実施態様の組立断面図、第2
図は、本発明方法の他の実施態様の組立断面図である。
図中;1は母材、2は合せ材、3は金属箔、4は駆動板、
5は母材1と合せ材2との間隙、6は合せ材2と駆動板
4との間隙、7は爆薬層、8は電気雷管を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】母材上に間隙を設けて合せ材を重ね合せ、
    該合せ材上の爆薬層を爆発させて合せ材を母材に圧着を
    行う爆発圧着法において、該合せ材の上側表面に厚さ10
    μmないし100μmの金属箔の被覆層を設け、かつ、合
    せ材に対して単位面積当りの質量が1/2ないし5倍の金
    属板を駆動板として、合せ材上にほぼ平行な間隙を設け
    て重ね合せるか又は起爆側が合せ材に接し、他端が間隙
    を有するように重ね合せ、この駆動板上の爆薬層を爆発
    させて、母材と合せ材とを接合することを特徴とする爆
    発圧着の方法
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