JPH0745649Y2 - 月面におけるレゴリス輸送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は月面におけるレゴリス輸送装置、特に月面での
条件下、比較的小型で大量のレゴリスを輸送できる装置
に関する。

〔従来の技術〕

近年、宇宙開発計画の一環として月面での諸作業につい
ての開発が推進されている。月面におけるレゴリスの輸
送もその作業の一つである。しこうして、月面のレゴリ
ス輸送手段としては、地球上の輸送手段を適用すること
が考えられる。

たとえば、従来地球上での土砂運搬のためのトラック、
ベルトコンベア等を使用することである。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、従来、地球上での土砂運搬では、トラック、
ベルトコンベア等を使用して、広範囲にわたる排土作業
を行う場合、搬送用装置が大型とすることが必要とな
る。

しかし、月面上で同様な作業を遂行するとなると、機械
等は全て地球からシャトル等を利用して運ばなければな
らず、シャトル等の運搬能力という制約条件から大型の
装置を月面上へ運ぶことは困難である。

本考案は小型な装置で、大量なレゴリスの輸送が可能で
ある装置を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するためなされたものであり、
すなわち レゴリス搬送装置とレゴリス搬送装置移動装置とからな
り、 該レゴリス搬送装置は該レゴリス搬送装置移動装置の走
行とともにレゴリスを収集するロータを内蔵したレゴリ
ス収集手段、 該レゴリス収集手段により該レゴリス収集手段の中心部
に案内、装入されたレゴリスを上方へ搬送するためレゴ
リス収集手段の中心部にその下端を位置させて設けたレ
ゴリス垂直搬送手段、 該レゴリス垂直搬送手段の上端において排出されたレゴ
リスを遠心力により半径方向に誘導するロータとロータ
の回転外周近傍に連通する放出口を備えたレゴリス放出
手段とからなり、 前記レゴリス搬送装置を支持腕により支持し、前記レゴ
リス搬送装置移動装置上に設置したことを特徴とする月
面におけるレゴリス輸送装置、 および、前記レゴリス輸送装置においてレゴリス搬送装
置のレゴリス垂直搬送手段を上下動可能に支持した月面
におけるレゴリス輸送装置に係る。

かかる本考案について、以下、詳しく説明する。

本考案におけるレゴリス収集手段はその中心軸の回りに
回転するロータとそのロータを内蔵するケーシングから
なり、ロータの回転とレゴリス搬送装置移動装置の走行
によるレゴリス収集手段の進行によりレゴリスを切崩
し、かつ収集する。レゴリス収集手段の入口に導入され
たレゴリスはロータ壁に案内されて、レゴリス収集手段
の中心部に集合、装入される。

レゴリスの収集量、収集状況に応じて、ロータ回転数を
調節し、レゴリス収集手段の搬送能力を変更することが
できる。

次いで、レゴリス収集手段の中心部において、レゴリス
垂直搬送手段の下端が、装入されたレゴリスを受容すべ
く位置し、レゴリスをレゴリス垂直搬送手段の上端へ搬
送する。

本考案のレゴリス垂直搬送手段としてスクリューコンベ
ア、バケットコンベア等を使用することができ、レゴリ
スの処理条件に応じて、その搬送能力を変更することが
可能である。

このように搬送されたレゴリスは、レゴリス垂直搬送手
段の上端において、レゴリス放出手段の中心部に排出さ
れる。

レゴリス放出手段はロータとロータを内蔵するケーシン
グからなる。

ロータの形式は羽根車或いは管路によるもの等を使用す
ることができ、ロータの回転による遠心力の作用によ
り、レゴリスをロータ壁に沿って、誘導し、ロータの回
転外周近傍に連通する放出口を通して、外方へ放射す
る。レゴリスの放出口の位置決めするため、レゴリス放
出手段の本体をその中心に対して回転せしめる旋回機構
を備えることができる。

また、レゴリス放出手段の本体の一定位置において、さ
らに放出口の方向を調節するため、放出口に俯抑、左右
の方向調節機構を有する放出口位置決め部を備えること
ができる。

ロータ回転数はレゴリス放出距離またはレゴリス粒径に
応じて変更させることができる。

上述したレゴリス搬送装置は支持腕に支持し、レゴリス
搬送装置移動装置上に設置し、レゴリス搬送装置移動装
置の駆動により、走行せしめるものである。

レゴリス搬送装置移動装置は、例えばクローラー式移動
台車を使用することができる。

また、レゴリス搬送装置の支持の態様は上下動可能と
し、月面上のレゴリスに対するレゴリス収集手段のレベ
ルを調節するようにすることができる。

上下動可能な機構としては支持腕に連係した上下の直線
運動機構によることができ、例えばラック・ピニオン機
構によればよい。

また、上下動の機構の変位は、レゴリス搬送装置移動装
置の走行によるレゴリスの収集作業に次いで、月面の均
らし作業をするよう、レゴリス輸送装置を使用するに
は、月表面、すなわちレゴリス搬送装置移動装置下面
下、少なくともロータの巾（ロータ軸方向の巾）の長さ
の下方移動距離を有せしめる。

本考案に係る装置は電動機により、駆動されるものであ
り、動力源は動力用太陽電池パネルにより供給される。
太陽電池パネルの一部は太陽センサーを兼ね、発電効率
が常に最大となるよう太陽電池パネルを自動的に位置決
めする機構を備える。

〔作用〕

本考案は月面上で、地球上の1/6の重力状態において、
レゴリスを輸送するものであるので、レゴリスを収集、
一定高さまで垂直移動、遠心力の作用によって目的地へ
放出するものである。

したがって、搬送体が自走して被搬送物を輸送する、例
えばトラック、或は出発地から目的地まで、搬送体に被
搬送物を載置して、輸送する、例えばベルトコンベア等
の場合とは輸送原理が異なり、その作用も異なる。

〔実施例〕

図面により、本考案の実施例につき説明する。

第１図は先ず、本考案のレゴリス輸送装置が、レゴリス
搬送装置１、レゴリス搬送装置移動装置２からなること
を示す。

レゴリス収集手段３はケーシング10内にロータ６を備
え、収集口14を有する。また、レゴリス放出手段５はケ
ーシング11内にロータ９を備え、放出口７を有する。

レゴリス搬送装置１はレゴリス搬送装置移動装置２の走
行により、月面上のレゴリスをレゴリス収集手段３のロ
ータ６の回転により収集し、レゴリス収集手段３の中心
部へレゴリスを案内、装入する。レゴリス収集手段３の
中心部には、レゴリス垂直搬送手段４の下端が位置し、
レゴリス収集手段３の中心部へ装入されたレゴリスをレ
ゴリス垂直搬送手段４により、一定の高さまで、レゴリ
スを搬送し、レゴリス垂直搬送手段４の上端において、
レゴリス放出手段５の中心部へ排出する。

レゴリス放出手段５のロータ９の回転により半径方向へ
レゴリスを案内し、放出口７から外方の目的地へ向って
放射し、レゴリスを輸送する。

レゴリス搬送装置１は支持腕８により支持し、レゴリス
搬送装置移動装置２のクローラー式の移動台車12上に設
置する。

支持腕８はレゴリス搬送装置上下移動手段13を備える。
すなわち、本実施例においてはそれぞれラック・ピニオ
ン機構による一次調整機構（粗）17と二次調整機構
（精）18を備えている。

また、本レゴリス輸送装置を駆動するための動力源とし
て動力用太陽電池パネル14を備える。

次いで、第２図〜第６図により、本レゴリス輸送装置の
各部の詳細について説明する。

第２図はレゴリス搬送装置１の正面図であり、そのレゴ
リス収集手段３の断面図を第３図に示す。羽根車である
ロータ６が矢印方向に軸13の周りに回転する。

第４図はレゴリス垂直搬送手段４の断面図であり、第4a
図はスクリューコンベア19による場合であり、第4b図は
バケットコンベア20による場合である。

本考案は無重力に近い月面上で、レゴリスを輸送するも
のであるので、レゴリス垂直搬送手段４としてスクリュ
ーコンベアを縦型に有効に用いうる。

第５図はレゴリス放出手段の平面図（第５図ａ）、断面
図（第５図ｂ、第５図ｃ）を示す。第５図ｂはレゴリス
放出手段５の羽根車のロータ９の場合、第５図ｃはレゴ
リスの通路が管路であるロータ９の場合である。ロータ
は矢印方向に回転し、レゴリスを放出口７から放射す
る。第６図はレゴリス放出手段の詳細を示すものであ
り、ケーシング11中の管状のロータ９の回転により、レ
ゴリスを放出口７より、放出する。15はロータ駆動部、
16はスクリューコンベア駆動部である。20はレゴリス放
出手段本体旋回機構部である。

21は放出口位置決め部である。

〔考案の効果〕

本考案はレゴリスの収集、運搬、放出を自走式の一台の
装置により、効率的に行うことができる。

しかも、月面上では重力が地球上の1/6であり、また空
気が存在しないため、充分な遠心力により、初速度を高
める事により遠くの目的地へレゴリスを大量に輸送する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のレゴリス輸送装置の実施例の全体を示
す斜視図である。 第２図は本考案におけるレゴリス搬送装置の正面図であ
る。 第３図は第２図のレゴリス収集手段のA-A断面図であ
る。 第４図ａは第２図のレゴリス垂直搬送手段のB-B拡大断
面図、第４図ｂはその他の例を示す拡大断面図である。 第５図ａは第２図のレゴリス放出手段５の平面図、第５
図ｂ、第５図ｃはC-C断面図である。 第６図はレゴリス放出手段の内部の拡大一部断面図であ
る。 １……レゴリス搬送装置、２……レゴリス搬送装置移動
装置、３……レゴリス収集手段、４……レゴリス垂直搬
送手段、５……レゴリス放出手段、６……ロータ、７…
…放出口、８……支持腕、９……ロータ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】レゴリス搬送装置１とレゴリス搬送装置移
   動装置２とからなり、 該レゴリス搬送装置１は該レゴリス搬送装置移動装置２
   の走行とともにレゴリスを収集するロータ６を内蔵した
   レゴリス収集手段３、 該レゴリス収集手段３により該レゴリス収集手段３の中
   心部に案内、装入されたレゴリスを上方へ搬送するため
   レゴリス収集手段３の中心部にその下端を位置させて設
   けたレゴリス垂直搬送手段４、 該レゴリス垂直搬送手段４の上端において排出されたレ
   ゴリスを遠心力により半径方向に誘導するロータ９とロ
   ータの回転外周近傍に連通する放出口７を備えたレゴリ
   ス放出手段５とからなり、 前記レゴリス搬送装置１を支持腕８により支持し、前記
   レゴリス搬送装置移動装置２上に設置したことを特徴と
   する月面におけるレゴリス輸送装置。
2. 【請求項２】レゴリス搬送装置１のレゴリス垂直搬送手
   段４を上下動可能に支持した請求項１記載の月面におけ
   るレゴリス輸送装置。