JPH0745289Y2 - 住宅用壁パネル連結・固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は複数の住宅用壁パネルの連結・固定装置に関
するものである。

［従来の技術］ プレハブ住宅等の壁パネルの製作は、合板製等の面積の
小さな単一壁パネルを複数枚連結・固定し、面積の大き
な住宅用壁パネルとして主に工場の一つのラインで適宜
連続生産されている。この複数の単一壁パネルを連結・
固定する方法としては、例えばラインの基台上に接合す
べき複数の壁パネルを並列に載置し、その周縁部を剛性
の枠体を使用してボルト締め等による締め付けで壁パネ
ル同士を接合させ、壁パネル同士の目地合わせを行い、
目地合わせ部分を固定具により連結・固定する方法を行
っている。

前記壁パネルの目地合わせ、連結・固定を行う方法とし
ては、ライン上に複数の作業者を配置し、これら作業者
により壁パネルを製作する方法がある。

また、他の方法としては、接触面が硬質ゴム等で形成さ
れる複数のローラー等の固形物をライン上に設置し、前
記目地部付近でローラー作動して、目地部と平行にパネ
ル面を上部より加圧し目地合わせを行い、目地合わせ部
分を固定具により連結・固定し、壁パネルを製作する方
法がある。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、人的労力における壁パネルの連結・固定
方法では、経験豊富な複数の作業員によって目地合わせ
工程、連結・固定工程を行わなければならず、作業力の
増大、更に作業効率が悪くなるという問題点がある。

また、ローラー等による壁パネルの連結・固定方法で
は、目地部と平行に圧力を加えても均一な圧力が加わり
ずらく、面一な壁パネルを製作することが困難であり、
品質向上の問題点がある。

本考案は、前記事情に鑑みて提案されたもので作業の省
力化と、作業の効率が良好になり、且つ高品質な壁パネ
ルを製作することが可能な連結・固定装置を提供するこ
とを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この考案に係わる連結・固定装置は、基台上に接合すべ
き複数の壁パネルを並列に載置し、これら複数の壁パネ
ルの周縁部を枠体を使用して締め付け壁パネル同士を接
合させ、一方の壁パネルの接続端部と他方の壁パネルの
接続端部とを連結・固定する装置であって、上記両接続
端部の段差を検知するセンサーを用い、このセンサーか
らの出力に基づいて上記両接続端部を加圧力により略面
一状態に揃える加圧機と、略面一状態に保持された両接
続端部を自動釘打機などの固定具により連結・固定する
固定装置とを備えたことを特徴とするものである。

［作用］ この考案の連結・固定装置によれば、一方の壁パネルの
接続端部と他方の壁パネルの接続端部との段差をセンサ
ーにより検知しその出力信号によって圧力機を移動さ
せ、上記両接続端部の面一精度を向上させることが可能
であり、又その状態を保持したまま自動的に釘打ち機等
の固定装置により連結・固定させることができる。これ
により、壁パネルの連結・固定工程における作業時間が
短縮されるとともに、高品質な壁パネルを製作すること
が出来る。

［実施例］ 第１図ないし第５図は本考案の一実施例を示す図であ
る。

第２図において、符号１はベルトコンベアであり、この
ベルトコンベア１は、複数の壁パネル2a、2b、2c、2dを
載置して矢印ａ方向に間欠的に移動するものである。ベ
ルトコンベア１上には基台３が載置されており、その上
には複数の壁パネル2a、2b、2c、2dが並列に載置されて
いる。さらに並列に載置された壁パネル2a、2b、2c2dの
周縁部は、枠体4a,4b、4c、4dを使用して図示しないボ
ルト等により締め付けており、壁パネル同士の型締めを
行っている。なお、符号4e、4fは枠体4a、4bに固設され
た枠体補助材である。

第２図は、以上のように接合された壁パネル2a、2b、2
c、2dを、ベルトコンベア１により矢印ａ方向に移動さ
せ、支持体５の下に持来させた状態を示している。

支持体５は、第１図に示すように門形状に形成されたも
ので、ベルトコンベア１の両側方向に設置された脚部5
a,5aと、これら脚部5a,5aの上端部間に位置し、加圧機
６と自動釘打機７とを支持する胴部5bとから形成されて
いる。

加圧機６は、胴部5bに懸架された状態で複数個設置され
ており、第３図に示されるように、胴部5bに固定されて
いる保持体８と、保持体８に遊嵌された壁パネル面と垂
直方向（上下方向）に移動可能な可動ガイド９と、可動
ガイド９に遊嵌された壁パネル面と垂直方向（上下方
向）に移動可能な押圧ロッド10とを備えている。可動ガ
イド９は保持体８を案内とし、空気圧を駆動力として上
下方向に高速移動することができる。押圧ロッド10は可
動ガイド９を案内とし、油圧を駆動力として高圧力を壁
パネルに与えることができる。押圧ロッド10の略端部付
近には、壁パネル接続端部の垂直方向の段差を検知し、
さらに接続端部の材質を検知するセンサー11、12が固設
されており、これらセンサー11、12の出力は制御装置13
に入力されるようになっている。制御装置13は、センサ
ー11、12の出力に基づいて可動ガイド９、押圧ロッド10
の移動を制御するとともに、センサー11、12の出力に基
づいてベルトコンベア１の間欠的な移動を制御するもの
である。

自動釘打機７は、胴部5aに懸架された状態で複数個設置
されており、第５図に示されるように、壁パネル面に対
し多少傾いた方向で胴部5bに固定されている保持体14
と、保持体14に遊嵌された壁パネルに移動可能なシリン
ダー15と、シリンダー15の最端部に固設されている釘打
装置16とを備えている。シリンダー15は保持体14を案内
とし、空気圧を駆動力として高速移動することができ
る。釘打機16は、壁パネル付近まで移動し釘17（固定
具）を発射させることができる。制御装置13は、上記の
ようにベルトコンベア１と加圧機６とを制御すると共
に、センサー11、12の出力に基づいてシリンダー15の移
動を制御するものである。

上記の構成からなる壁パネル連結・固定装置を用いて壁
パネルを製作するには、ベルトコンベア１上に基台３を
載置し、この基台３上に複数の壁パネル2a、2b、2c、2d
を並列に載置し、さらに並列に載置された壁パネルの周
縁部に枠体4a、4b、4c、4dで図示しないボルト等により
締め付けて壁パネル同士を型締めさせる。

次に、装置を始動させると、ベルトコンベア１に載置さ
れた壁パネルは矢印ａ方向に移動する。そして、壁パネ
ルの接続端部が支持体５の下に持来したとき、センサー
11、12は壁パネルの接続端部の変位出力を制御装置13に
送り、制御装置13はベルトコンベア１を一時停止させ
る。ここで、第３図に示されるように、基台３上に載置
されている壁パネル2a、2bの接続端部に段差が生じてい
る場合には、まず、制御装置13の出力信号により押圧ロ
ッド10を遊嵌した可動ガイド９が壁パネル2a、2bの端部
付近まで高速移動し、センサー11、12が壁パネル2a、2b
の端部の所定位置上方に持来する。ここで、センサー1
1,12は、壁パネル2a、2bまでの距離c,dを検出する。次
の、センサー11、12は距離ｃ、ｄの距離差が定められた
範囲内になるまで出力信号を制御装置13に送り、制御装
置13は押圧ロッド10を移動させて壁パネルに圧力を加え
る。以上により、第４図に示されるように壁パネルの接
続端部は略面一に圧力保持された状態になる。

次に、制御装置13の出力信号によりシリンダー15が高速
移動し釘打機16が壁パネル面に近接した位置に移動す
る。そして釘打機16が壁パネル面に対し多少傾いた方向
から釘17を発射し、しかして壁パネル2a、2bが釘17によ
り固定される。以上の動作が完了した後に、制御装置13
の出力によってベルトコンベア１が作動し、次の壁パネ
ル接続端部が支持体５の下に持来するまで移動する。

上記の動作において、壁パネルと枠体との接合部分（壁
パネル2aと枠体4dとの接合部分、または壁パネル2dと枠
体4cとの接合部分）が支持体５の下に持来した場合、セ
ンサー11、12はこの接合部分の異なる材質を検知し、そ
の出力信号を制御装置13に送る。この場合、自動釘打機
７は作動せず、ベルトコンベア１が作動して次の壁パネ
ル接続端部が支持体５の下に持来するまで移動する。

したがって、同一の材質を有する壁パネル同士の接続端
部が、支持体５の下に持来しら場合のみ、シリンダー15
が移動し、さらに釘打機16が釘17を発射し壁パネル接続
端部を固定する。

このように上記実施例においては、壁パネル2a、2b、2
c、2dの接続端部位置を検出し、次に壁パネル同士の段
差を検出し、さらに壁パネルの面一を保持し、連結・固
定作業を行うという一連の動作を自動的に行うため、省
力化と作業の効率化を図ることができる。

また、可動ガイド９の駆動力として空気圧を使用してい
るため、この可動ガイド９と可動ガイド９に遊嵌された
押圧ロッド10とを同時に壁パネル端部付近に高速移動す
ることができ、さらに押圧ロッド10の駆動力として油圧
を使用しているため、この押圧ロッド10は壁パネルに高
い圧力を加えることができる。

［考案の効果］ この考案による装置によれば、壁パネルの面一保持、連
結・固定作業を自動的に一連の動作で行うため、省力化
と作業の効率化を図ることができる。又、センサーを有
効利用して高度な面一状態を自動的に保持することがで
き、品質向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案の一実施例を示す図であっ
て、第１図は本考案の装置の概略構成を示す図、第２図
は壁パネル製作ラインの斜視図、第３図ないし第４図は
加圧機の構成図、第５図は釘打機の構成図である。 １……ベルトコンベア、2a,2b,2c,2d……壁パネル、３
……基台、4a,4b,4c,4d……枠体、4e,4f……枠体補強
材、５……支持体、６……加圧機、７……自動釘打機、
８……保持体、９……可動ガイド、10……押圧ロッド、
11、12……センサー、13……制御装置、14……保持体、
15……シリンダー、16……釘打機、17……固定具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基台上に接合すべき複数の壁パネルを並列
   に載置し、これら複数の壁パネルの周縁部を枠体により
   締め付けて壁パネル同士を接合させ、一方の壁パネルの
   接続端部と他方の壁パネルの接続端部とを連結・固定す
   る装置であって、上記両接続端部の段差を検知するセン
   サーと、このセンサーからの出力に基づいて上記両接続
   端部を加圧力により略面一状態に揃える加圧機と、略面
   一状態に保持された両接続端部を固定具により連結・固
   定する固定装置とを備えたことを特徴とする住宅用壁パ
   ネルの連結・固定装置。