JPH0745230A - 電界イオン顕微鏡または電界放射顕微鏡による画像記録方法および装置 - Google Patents

電界イオン顕微鏡または電界放射顕微鏡による画像記録方法および装置

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JPH0745230A
JPH0745230A JP5190068A JP19006893A JPH0745230A JP H0745230 A JPH0745230 A JP H0745230A JP 5190068 A JP5190068 A JP 5190068A JP 19006893 A JP19006893 A JP 19006893A JP H0745230 A JPH0745230 A JP H0745230A
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stimulable phosphor
tip
image recording
gas
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Application number
JP5190068A
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English (en)
Inventor
Taizo Akimoto
泰造 秋本
Toru Tsuchiya
徹 土谷
Osamu Nishikawa
治 西川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電界イオン顕微鏡または電界放射顕微鏡によ
り得られる試料表面の原子配列の画像を、高ダイナミッ
クレンジで、高リニアリティで、かつ高解像度に記録す
る。 【構成】 先端の曲率半径が略1000Åの針状に形成され
た試料10の先端に対向し、この先端より略10cm離れた
位置に蓄積性蛍光体シート20を配する。蓄積性蛍光体シ
ート20および試料10を収容する容器40内の圧力を、真空
ポンプ50により1.0×10-8Torr程度まで低下せしめ、次
いでリークバルブを介して容器40内にHeガス30を導入
して、内部のHeガス圧を略 1.0×10-4Torrとする。高
圧電源60により、略5〜30kVの高電圧を試料10と蓄積
性蛍光体シート20との間に印加し、試料10の先端の近傍
空間に形成された強電界によって容器40内のHeガス30
をイオン化せしめ、このイオンを電界線に沿って蓄積性
蛍光体シート20に衝突させて試料表面の原子配列の画像
を蓄積性蛍光体シート20に蓄積記録せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界イオン顕微鏡また
は電界放射顕微鏡を使用した画像記録方法および装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体表面の微細構造を原子レベルで観察
するものとして、電界イオン顕微鏡(Field Ion Micros
cope:以下、FIMと略す)や電界放射顕微鏡(Field
Emi-ssion Microscope:以下、FEMと略す)が知られ
ている。
【0003】このFIMやFEMの原理を以下に説明す
る。観察しようとする試料を先端半径が1000Å程度の球
面になるように研磨して針状に形成し、 1.0×10-8Torr
程度の真空中でこの針状の先端に対向して10cm程度離れ
た位置に、スクリーンを配する。
【0004】ここでFIMの場合は、上記真空中に 1.0
×10-4Torr程度のHe等の映像ガスを充填し、試料がス
クリーンに対して正電位となるようにこの両者間に高電
圧を印加すると、試料の先端付近には強電界が成形さ
れ、その強電界により映像ガスは分極されて試料先端に
引き付けられ、ガス分子が試料表面から数Åまで接近す
るとトンネル効果により映像ガス分子から試料側に電子
が移り、映像ガス分子は正イオンとなって試料先端から
反発される。試料先端の電位分布は試料表面の原子の配
列に応じた状態になっており、上記正イオンこの電位面
に垂直に加速され、スクリーンに衝突して、そのエネル
ギに応じた光強度等の情報をスクリーン上に拡大投影す
る。イオンの反発方向は試料先端の原子スケールの電位
分布に応じたものであり、また投影される情報は試料先
端の原子の種類に応じたものである。したがってスクリ
ーン上に投影された情報の位置と強度とのパターンより
試料先端の原子の種類ごとに配列を読み取ることができ
る。
【0005】一方FEMの場合は、上記高真空状態にお
いて、試料がスクリーンに対して負電位となるようにこ
の両者間に高電圧を印加すると、トンネル効果により試
料の先端から電子が放射され、FIMにおける映像ガス
イオンと同じ軌道を通過して、スクリーンに衝突し、試
料表面の電子状態を反映した情報をスクリーン上に拡大
投影する。このとき拡大投影される画像の倍率は、FI
MとFEMとで同一である。(『電界イオン顕微鏡(原
子の直接観察法)』,西川治;科学 Vol.49 No.1(1979)
等参照)。
【0006】従来このFIMやFEMにおいては、スク
リーン上に投影された画像を、カメラ等の撮影装置によ
り銀塩フイルム上に記録していたが、通常、銀塩フイル
ムは可視光に対して極めて高い感度を示すが、フイルム
の明暗度が入射粒子数に比例せず、また線形性を有しな
いため各種の解析には好適とはいえない。また可視光に
対する感度が高いため全暗室における作業や、現像処理
等の作業が必要であるなど、取扱上の注意や手間がかか
るという問題がある。
【0007】またフイルムの非線形性の問題や、イオン
の直接照射による蛍光体層の焼損の問題がある。
【0008】さらにマイクロチャンネルプレート(以
下、MCPという)と蛍光板とを積層し、蛍光板の後方
にカメラ等の撮影装置を設けた構成の記録媒体も知られ
ており、MCPに入射したイオンは、MCPより2次電
子を放出することによって、略3桁(103 倍)程度の増
巾を行ない、この2次電子は加速されて蛍光板に衝突
し、可視光に変換される。この蛍光板面で発光する可視
光の画像を各種のカメラにより記録する。この記録媒体
は、MCPによりイオンビームから発せられる2次電子
を増巾するため、感度はよいが、所定量のイオン照射を
受けると2次電子放出能が低下して飽和し、このための
ダイナミックレンジおよびリニアリティが制限される。
また、MCPは原理的にイオンによる損傷を受け易く、
さらに増巾されて放出される2次電子が蛍光板の極部に
集中すると、蛍光体の焼損を起こし画像を形成すること
ができなくなる。
【0009】ところで本願出願人により、放射線(X
線,α線,β線,γ線,電子線,紫外線等)を照射する
とこの放射線エネルギーの一部が蓄積され、その後可視
光等の励起光を照射すると蓄積されたエネルギーに応じ
て輝尽発光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用
して、人体等の被写体の放射線画像情報を一旦シート状
の蓄積性蛍光体に記録し、この蓄積性蛍光体シートをレ
ーザー光等の励起光で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、
得られた輝尽発光光を光電的に読み取って画像信号を
得、この画像データに基づき被写体の放射線画像を写真
感光材料等の記録材料、CRT等に可視像として出力さ
せる放射線画像記録再生システムがすでに提案されてい
る(特開昭55-12429号,同56-11395号,同55-163472
号,同56-104645 号,同55-116340 号,同58-200269 号
等)。
【0010】この蓄積性蛍光体シートを用いる放射線画
像記録再生システムは、従来の銀塩写真を用いる放射線
写真システムと比較して極めて広い放射線露出域にわた
って画像を記録しうるという実用的な利点を有してい
る。すなわち、蓄積性蛍光体においては、放射線露光量
に対して蓄積後に励起によって輝尽発光する発光光の光
量が極めて広い範囲にわたって比例することが認められ
ており、従って種々の撮影条件により放射線露光量がか
なり大幅に変動しても、蓄積性蛍光体シートより放射さ
れる輝尽発光光の光量を読取ゲインを適当な値に設定し
て光電変換手段により読み取って電気信号に変換し、こ
の電気信号を用いて写真感光材料等の記録材料、CRT
等の表示装置に放射線画像を可視像として出力させるこ
とによって、放射線露光量の変動に影響されない放射線
画像を得ることができる。
【0011】またこの蓄積性蛍光体シートに、試料を透
過した電子線が担持する電子線画像を記録する電子顕微
鏡画像記録方法および装置が提案されている(特開昭61
-51738号公報等)。この電子顕微鏡画像記録方法および
装置によれば、真空中において試料を透過した電子線の
エネルギの分布によって形成される電子線画像を、蓄積
性蛍光体シートに蓄積記録せしめることによって、上述
の放射線画像記録再生システムと同様の効果を得るもの
である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
FIMは試料の原子配列を記録するうえで、イオンビー
ムに対する感度、ダイナミックレンジ、リニアリティの
点で難点があり、またイオンビームによる損傷に対する
保護が十分でないという問題がある。またFEMにおい
ては、放射される電子の画像を幅広いダイナミックレン
ジで記録することができないという問題がある。
【0013】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、イオン化された映像ガスや電界放射された低速電
子に対して感度よく、高ダイナミックレンジで、高リニ
アリティで、かつ高解像度に試料表面の原子配列を記録
し、またイオン化された映像ガスや電界放射された低速
電子による損傷の受けにくい、電界イオン顕微鏡または
電界放射顕微鏡による画像記録方法および装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の電界イオン顕微
鏡画像記録方法は、試料を針状に形成し、該針状の試料
の先端に対向せしめて、その先端より所定の距離の位置
にシート状の蓄積性蛍光体を配し、これら蓄積性蛍光体
と試料とを収容した容器内を真空化手段により、所定の
真空状態(例えば 1.0×10-8Torr以上)とし、この容器
内にガス圧が所定値(例えば略 1.0×10-4Torr)となる
ようにHe等の映像ガスを導入し、試料が蓄積性蛍光体
に対して正電位となるように、蓄積性蛍光体と試料との
間に、例えば 5.0kV程度の高電圧を印加し、この印加
電圧により正電位の試料に引き寄せられてイオン化せし
められた映像ガスを蓄積性蛍光体上に衝突せしめること
により、針状の試料の表面の原子配列を該蓄積性蛍光体
上に記録することを特徴とするものである。
【0015】ここで上記映像ガスとしては、He(ヘリ
ウム)のほかに、Ne(ネオン),Ar(アルゴン),
2 (水素)などを用いることができる。
【0016】また本発明の電界イオン顕微鏡画像記録装
置は、この方法を実施するための装置であり、針状に形
成された試料の先端に対向し、先端より所定の距離の位
置に配されたシート状の蓄積性蛍光体と、蓄積性蛍光体
および試料を収容する容器と、この容器内を所定の真空
状態とする真空化手段と、真空化されたこの容器内に所
定のガス圧で導入される映像ガスと、試料が蓄積性蛍光
体に対して正電位となるように、蓄積性蛍光体と試料と
の間に所定の電圧を印加する電圧印加手段とを備えてな
ることを特徴とするものである。
【0017】ここで上記針状の試料の先端は例えば曲率
半径が略1000Åの形状、針状の試料の先端から蓄積性蛍
光体までの距離は略10cm程度に設定することができ
る。
【0018】このように本発明の電界イオン顕微鏡画像
記録方法は、真空中で、固体の表面状態に応じた分布で
発せられ、低速加速されたイオンビームを蓄積性蛍光体
に衝突させることにより、前記分布を画像化して前記固
体の表面状態を解析することを特徴とするものである。
【0019】また本発明の電界放射顕微鏡画像記録方法
は、試料を針状に形成し、該針状の試料の先端に対向せ
しめて、その先端より所定の距離の位置にシート状の蓄
積性蛍光体を配し、これら蓄積性蛍光体と試料とを収容
した容器内を真空化手段により、所定の真空状態(例え
ば 1.0×10-8Torr以上)とし、試料が蓄積性蛍光体に対
して負電位となるように、蓄積性蛍光体と試料との間
に、例えば数百Vから 1.0kV程度の高電圧を印加し、
この印加電圧により負電位の試料から放射された電子を
蓄積性蛍光体上に衝突せしめることにより、針状の試料
の表面の原子構造を反映した電子像を該蓄積性蛍光体上
に記録することを特徴とするものである。
【0020】さらに本発明の電界放射顕微鏡画像記録装
置は、この方法を実施するための装置であり、針状に形
成された試料の先端に対向し、先端より所定の距離の位
置に配されたシート状の蓄積性蛍光体と、蓄積性蛍光体
および試料を収容する容器と、この容器内を所定の真空
状態とする真空化手段と、試料が蓄積性蛍光体に対して
負電位となるように、蓄積性蛍光体と試料との間に所定
の電圧を印加する電圧印加手段とを備えてなることを特
徴とするものである。
【0021】このように本発明の電界放射顕微鏡画像記
録方法は、真空中で、固体の表面状態に応じた分布で発
せられ、低速加速された電子を蓄積性蛍光体に衝突させ
ることにより、前記分布を画像化して前記固体の表面状
態を解析することを特徴とするものである。
【0022】
【作用】本発明の電界イオン顕微鏡画像記録方法によれ
ば、FIMの基本的な作用により、試料と蓄積性蛍光体
との間に形成された電界によって、映像ガスが分極され
て正電位の試料の先端に引き付けられ、この映像ガスが
試料表面に数Åの距離まで接近すると、トンネル効果に
より映像ガス分子の電子が試料側に移り、映像ガス分子
は正イオンとなり、試料先端の表面の原子の配列に応じ
た方向に電界線に沿って反発され、蓄積性蛍光体の表面
の所定の位置に衝突する。このとき蓄積性蛍光体には、
衝突した映像ガスの正イオンの有するエネルギの一部が
蓄積記録される。
【0023】このように蓄積性蛍光体に蓄積記録せしめ
られた試料表面の原子配列の像は潜像であるため、後段
においてこの蓄積性蛍光体にレーザ光等の励起光を照射
し、励起光により励起された、蓄積記録されたエネルギ
に応じた輝尽発光光を、信号読取手段により読み取り、
画像再生手段により可視画像として出力される。
【0024】試料表面の原子と映像ガス原子との間の電
子に対するエネルギ障壁が低いほどイオン化確率は高く
なる。したがって例えば試料が合金である場合、その試
料の表面に配列された原子は、その原子の種類ごとに上
記エネルギ障壁の高さが異なるためトンネル確率も異な
り、異なる種類の原子からは異なる数の映像ガスイオン
が蓄積性蛍光体に衝突する。このため、エネルギ障壁の
高い原子の直上でイオン化された映像ガスが衝突した蓄
積性蛍光体上の点には、より小さいエネルギが蓄積記録
され、逆にエネルギ障壁の低い原子の直上でイオン化さ
れた映像ガスが衝突した蓄積性蛍光体上の点には、より
大きいエネルギが蓄積記録される。
【0025】本発明の電界放射顕微鏡画像記録方法によ
れば、上述のFIMと同様の作用により、エネルギ障壁
の高さに反比例する数の電子が試料の先端から放射され
て蓄積性蛍光体上に記録される。
【0026】
【実施例】以下、本発明の電界イオン顕微鏡画像記録方
法を実施するための具体的な装置の実施例について図面
を用いて説明する。
【0027】図1は本発明にかかる電界イオン顕微鏡画
像記録装置の概略を示す構成図である。図示の電界イオ
ン顕微鏡画像記録装置は、先端の曲率半径が略1000Åの
針状に形成された試料10の先端に対向し、この先端より
略10cm離れた位置に配された蓄積性蛍光体シート20
と、蓄積性蛍光体シート20および試料10を収容する容器
40と、容器40内を所定の真空状態とする真空ポンプ50
と、真空化された後の容器40内に、所定のガス圧で導入
されるHeガス30と、試料10がアースに接続された蓄積
性蛍光体シート20に対して正電位となるように、試料10
に正電位側を接続される高圧電源60とを備えてなる構成
である。
【0028】ここで蓄積性蛍光体シート20は、支持体上
に輝尽性蛍光体を塗布して輝尽性蛍光体層を形成したも
のであってもよいし、自己支持性の輝尽性蛍光体により
形成されたものであってもよく、またこの蓄積性蛍光体
シート20のイオン入射面には保護層を有しないタイプの
ものが望ましい。
【0029】次に本実施例の電界イオン顕微鏡画像記録
装置の作用について説明する。
【0030】図2はFIMの作用を説明するための作用
説明図である。図1に示すように、試料10と蓄積性蛍光
体シート20とを収容する容器40内に、真空バルブを介し
て連通する真空ポンプ50によって、容器40内の空気が吸
引され、内部の圧力は 1.0×10-8Torr程度まで低下され
る。次いでリークバルブを介して容器40内にHeガス30
が導入され、内部のHeガス圧は略 1.0×10-4Torrとな
る。
【0031】このようにHeガス30が充填された容器40
内の試料10に対して、高圧電源60により略5〜30kVの
高電圧が印加され、試料10の先端の近傍空間には強電界
が形成される。この電界によって容器40内のHeガス30
は分極され、正電位の試料10の先端に引き寄せられる。
この試料10の先端に引き寄せられたHeガス30は試料40
表面から数Åの距離まで接近すると、図2に示すよう
に、トンネル効果によりHeガス30の電子が試料10側に
移り、Heガス30はHeイオン(He+ )30′となる。
【0032】試料10は正電位であるから、Heイオン3
0′は反発されて、電界線に沿った方向に飛び去る。こ
こで電界線は、試料10先端の半球面状の半径方向に放射
線状に広がっているが、さらに試料10の表面原子(図2
参照)と蓄積性蛍光体シート20上の各点とが1対1に対
応するように形成される。そのため試料10の表面原子直
上より反発されたHeイオン30′は、蓄積性蛍光体シー
ト20上に試料10の表面原子の配列状態を拡大投影する。
蓄積性蛍光体シート20は、この投影により衝突するHe
イオン30′の有するエネルギの一部を受けて、これを蓄
積記録する。
【0033】上述のように試料10表面の原子配列の像が
蓄積記録された蓄積性蛍光体シート20は、容器40より取
り出され、後段において図3に示すような画像情報読取
装置70によって記録された画像情報が読み取られる。す
なわちレーザ光源71より発せられたレーザ光Lを矢印X
方向に主走査し、矢印Y方向に副走査することによりレ
ーザ光Lを照射される。レーザ光Lの照射により蓄積性
蛍光体シート20から、蓄積記録されたエネルギ量に応じ
た強度の輝尽発光光Mが発光され、この輝尽発光光Mを
光ガイド72を介してフォトマルチプライヤ73により読み
取って信号化し、信号化された画像信号Sを画像処理装
置等を介して画像再生手段により再生することにより画
像として可視化することができる。
【0034】また試料10表面の原子とHeガス30との間
の電子に対するエネルギ障壁の高ささは、試料10表面の
原子の種類に応じたものであり、そのエネルギ障壁が低
いほど、イオン化確率は高くなる。したがって試料10が
合金である場合、その試料10の表面に配列された原子
は、その原子の種類ごとに異なる確率でHeガス30をイ
オン化し、イオン化したのちのHeイオン30′が蓄積性
蛍光体シート20に衝突する。このため、エネルギ障壁の
低い原子によって反発されたHeイオン30′が衝突した
蓄積性蛍光体シート20上の点には、より多くのエネルギ
が蓄積記録され、逆にエネルギ障壁の高い原子によって
反発されたHeイオン30′が衝突した蓄積性蛍光体シー
ト20上の点には、より少ないエネルギが蓄積記録され
る。蓄積性蛍光体シート20は、上述のように蓄積記録さ
れたエネルギ量に応じてた強度の輝尽発光光を出力する
ため、励起により、エネルギ障壁の低い原子から反発さ
れたHeイオン30′が衝突した蓄積性蛍光体シート20上
の点は明るく、エネルギ障壁の高い原子から反発された
Heイオン30′が衝突した蓄積性蛍光体シート20上の点
はそれよりも暗く発光する。蓄積性蛍光体シート20は、
従来の銀塩フイルムと比べて高ダイナミックレンジ、高
リニアリティを有するため、銀塩フイルムでは不可能で
あった上記合金を構成する異種原子の同時記録が可能と
なり、合金結晶構造を解明することもできる。
【0035】このように本実施例の電界イオン顕微鏡画
像撮影装置によれば、記録媒体として蓄積性蛍光体シー
ト20を用いることによって、イオン化された映像ガス
(Heガス)に対して感度よく、高ダイナミックレンジ
で、高リニアリティで、かつ高解像度に試料表面の原子
配列を記録することができ、またイオン化された映像ガ
スによる損傷を防止することができる。
【0036】以下、本実施例のより具体的な実験結果に
ついて説明する。
【0037】[実験例1] <撮影条件> 映像ガス;He,容器内映像ガス圧; 3.3×10-4Torr, 印加電圧(加速電圧);7.73kV,露光時間(電圧印加
時間);60sec 試料;W−26% Re(タングステン/レニウム合金) 蓄積性蛍光体シート;保護層のない高分解能タイプ(ト
リチウム対応) <読取り条件> データ許容幅;4桁,読取り画素ピッチ; 100μm, 濃度階調;log ,10 bit(1024) 以上の条件の下に、上記実施例の装置においてFIM画
像のディジタル画像化を行い、画像再生装置のディスプ
レイを観察しつつ、再生された画像のコントラストの調
整を行った結果、鮮明で分解能の高い画像を得ることが
できた。
【0038】また得られたFIM画像の明暗度は、蓄積
性蛍光体シートに入射したHeイオン数に比例している
ことにより、試料表面の各原子の直上におけるHeガス
原子から試料表面の各原子へのトンネル確率を求めるこ
とができる。
【0039】また蓄積性蛍光体シートより発せられる輝
尽発光光の強度は、 明るい画像; 20948PSL/mm2 暗い画像 ; 174PSL/mm2 であり、データ許容幅は2桁確保されていることが確認
された。
【0040】またこの合金の組成は既知であるから、再
生画像の明るい原子の個数と暗い原子の個数とをそれぞ
れ計数することにより、明るい原子がレニウム、暗い原
子がタングステンであることを同定し、さらに一方の既
知のトンネル確率と、上記輝尽発光光の強度比とから他
方のトンネル確率を算出することができた。
【0041】さらに実験の後に、蓄積性蛍光体シートに
損傷のないことも認められた。
【0042】[実験例2] <撮影条件> 映像ガス;He 容器内映像ガス圧; 1.0×10-4Torr, 印加電圧(加速電圧);7.73kV,露光時間(電圧印加
時間);60sec 試料;W,Pt−30% Ir 蓄積性蛍光体シート;保護層のない高分解能タイプ(ト
リチウム対応) <読取り条件> データ許容幅;4桁,読取り画素ピッチ; 100μm, 濃度階調;log ,10 bit(1024) 以上の条件の下に、上記実施例の装置においてFIM画
像のディジタル画像化を行い、画像再生装置のディスプ
レイを観察しつつ、再生された画像のコントラストの調
整を行った結果、鮮明で分解能の高い画像を得ることが
できた。
【0043】なお、この実験の結果、蓄積性蛍光体シー
トのNeに対する感度は、Heに対する感度の1/10
以下であることが判明した。すなわち同一試料の同一原
子による蓄積性蛍光体シートの輝尽発光光の強度は、 He; 20948PSL/mm2 Ne; 568PSL/mm2 であり、その比は、 He/Ne≒37 であった。これにより映像ガスとしては、NeよりもH
eがより好ましく、またNeを用いる場合は、加速電圧
を増大し、露光時間を延長し、または後段で行われる蓄
積性蛍光体シートからの画像情報の読取りの感度を向上
させるなどにより、感度を向上せしめる必要がある。
【0044】なお、本実施例の電界イオン顕微鏡画像記
録装置においては上記実験例の条件に限るものではな
く、その他種々の条件によっても鮮明で分解能の高い画
像を得ることができた。
【0045】また好ましい実験条件としては、上述の実
験例1や実験例2の条件に限るものではなく、例えば下
記表1に示す実験条件などを採ることもできる。
【0046】
【表1】
【0047】図4は本発明にかかる電界放射顕微鏡画像
記録装置の概略を示す構成図である。図示の電界放射顕
微鏡画像記録装置は、前記電界イオン顕微鏡画像記録装
置と同様に、先端の曲率半径が略1000Åの針状に形成さ
れた試料80の先端に対向し、この先端より略10cm離れ
た位置に配された蓄積性蛍光体シート20と、蓄積性蛍光
体シート20および試料80を収容する容器90と、容器90内
を所定の真空状態とする真空ポンプ50と、蓄積性蛍光体
シート20がアースに接続された試料80に対して正電位と
なるように、蓄積性蛍光体シート20に正電位側を接続さ
れる高圧電源60とを備えてなる構成である。
【0048】ここで蓄積性蛍光体シート20は、前記電界
イオン顕微鏡画像記録装置を構成する蓄積性蛍光体シー
トと同様に保護層を有しないタイプのものである。
【0049】次に本実施例の電界放射顕微鏡画像記録装
置の作用について説明する。
【0050】図4に示すように、試料80と蓄積性蛍光体
シート20とを収容する容器90内に、真空バルブを介して
連通する真空ポンプ50によって、容器40内の空気が吸引
され、内部の圧力は 1.0×10-8Torr程度まで低下され
る。
【0051】次いで蓄積性蛍光体シート20に対して試料
80が負電位となるように、高圧電源60により略1kVの
負の電圧が試料80に印加され、試料80の先端の近傍空間
には強電界が形成され、試料80の先端の表面原子の電子
に対するエネルギ障壁が引き下げられ、この電子が電界
電子放射によってエネルギ障壁を通り抜けて外界に放出
される。この放出される方向は上記印加電圧による電界
線に沿った方向である。この電界線は、前記実施例の電
界イオン顕微鏡画像記録装置と同一の方向に放射線状に
広がっているが、飛び去った電子は電界線に垂直な方向
の速度成分が大きいため電界イオン顕微鏡の有する分解
能ほど高くない分解能で試料80の表面状態を拡大投影す
る。蓄積性蛍光体シート20は、この投影により衝突する
電子の有するエネルギの一部を受けて、これを蓄積記録
する。
【0052】以下、前記実施例の電界イオン顕微鏡画像
記録装置と同様の作用により、蓄積性蛍光体シート20上
に蓄積記録された、試料80の先端の表面原子の電子状態
に応じた明暗の画像を、可視化することができる。
【0053】このように本実施例の電界放射顕微鏡画像
記録装置によれば、電界放射された低速電子による損傷
を受けにくく、また電界放射された低速電子に対して感
度よく、高ダイナミックレンジで、高リニアリティで、
かつ高解像度に試料表面の原子構造を反映した電子像を
記録することができる。
【0054】なお本発明の電界放射顕微鏡画像記録装置
は、上記実施例の態様に限るものではなく、印加電圧や
試料/蓄積性蛍光体シート間の距離や容器内の真空度な
どは、適宜調整することができる。
【0055】
【発明の効果】本発明の電界イオン顕微鏡または電界放
射顕微鏡による画像記録方法および装置は、記録媒体と
して蓄積性蛍光体を用いているため、He,Ne等の低
速イオンビームや放射電子を高感度に検出することがで
きる。これにより、イオン化確率が低いために加速電圧
が低下して感度の低い、低融点金属、化合物半導体等の
FIM画像やFEM画像を容易に観察することができ
る。
【0056】また蓄積性蛍光体は、銀塩フイルムと比べ
て高ダイナミックレンジ、高リニアリティを有するた
め、従来は各別に行っていた、合金等を構成する異種原
子(例えばW;タングステンとRe;レニウム)の同時
観察、同時定量が可能となる。さらに、蓄積性蛍光体に
より得られた原子画像の明暗の定量結果によって、各原
子ごとの、映像ガス原子から試料表面原子へのトンネル
確率およびイオン化確率を求めることができ、また周囲
の原子による電子状態の変化、摂動を計算するための情
報を得ることができる。さらにまた試料表面の汚染の有
無を検出することができるため、その汚染物による誤っ
たデータを収集するのを防止することができる。またこ
れとは逆に、試料表面の真空蒸着膜の構造解析に用いる
ことにより、蒸着膜の成長過程の解析を行ううえで非常
に有用である。
【0057】また蓄積性蛍光体により、解像度の高い画
像データを得ることができ、容易にデジタルデータ処理
を行うことができる。これにより、試料表面の原子像、
各結晶方位の原子像を画像化することが可能となり、ま
た画像処理によりコントラストの良い画像を得ることが
できる。
【0058】さらに蓄積性蛍光体は、イオンビームや放
射電子に対して、ほとんどダメージを受けないので繰り
返しての使用が可能であるためコストを低減することが
でき、またデータの信頼性、定量性が高い。
【0059】このように本発明の電界イオン顕微鏡また
は電界放射顕微鏡による画像記録方法および装置によれ
ば、イオン化された映像ガスや放射電子を感度よく、高
ダイナミックレンジで、高リニアリティで、かつ高解像
度に検出することができ、さらに映像ガスイオンや放射
電子による損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電界イオン顕微鏡画像記録装置
の概略を示す構成図
【図2】FIMの作用を説明するための作用説明図
【図3】画像情報読取装置の概略を示す構成図
【図4】本発明にかかる電界放射顕微鏡画像記録装置の
概略を示す構成図
【符号の説明】
10,80 試料 20 蓄積性蛍光体シート 30 Heガス 30′ Heイオン 40,90 容器 50 真空ポンプ 60 高圧電源 70 画像情報読取装置 71 レーザ光源 72 光ガイド 73 フォトマルチプライヤ L レーザ光 M 輝尽発光光 S 画像信号

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を針状に形成し、該針状の試料の先
    端に対向せしめて、該先端より所定の距離の位置にシー
    ト状の蓄積性蛍光体を配し、該蓄積性蛍光体と前記試料
    とを収容した容器内を所定の真空状態とし、該真空状態
    の容器内に、該容器内におけるガス圧が所定の値となる
    ように映像ガスを導入し、前記試料が前記蓄積性蛍光体
    に対して正電位となるように、該試料と該蓄積性蛍光体
    との間に所定の電圧を印加し、該印加電圧により前記正
    電位の試料に引き寄せられてイオン化せしめられた前記
    映像ガスを前記蓄積性蛍光体上に衝突せしめることによ
    り、前記針状の試料の表面の原子配列を該蓄積性蛍光体
    上に記録することを特徴とする電界イオン顕微鏡画像記
    録方法。
  2. 【請求項2】 試料を針状に形成し、該針状の試料の先
    端に対向せしめて、該先端より所定の距離の位置にシー
    ト状の蓄積性蛍光体を配し、該蓄積性蛍光体と前記試料
    とを収容した容器内を所定の真空状態とし、前記試料が
    前記蓄積性蛍光体に対して負電位となるように、該試料
    と該蓄積性蛍光体との間に所定の電圧を印加し、該印加
    電圧により前記負電位の試料から放射された電子を前記
    蓄積性蛍光体上に衝突せしめることにより、前記針状の
    試料の表面の原子配列を該蓄積性蛍光体上に記録するこ
    とを特徴とする電界放射顕微鏡画像記録方法。
  3. 【請求項3】 前記針状の試料の先端の曲率半径が略10
    00Å、前記所定の距離が略10cm、前記所定の真空状態
    が 1.0×10-8Torr以上であることを特徴とする請求項1
    の電界イオン顕微鏡画像記録方法または請求項2記載の
    電界放射顕微鏡画像記録方法。
  4. 【請求項4】 前記映像ガスの圧力が略 1.0×10-4Torr
    であることを特徴とする請求項1または3記載の電界イ
    オン顕微鏡画像記録方法。
  5. 【請求項5】 前記映像ガスが、He,Ne,Arまた
    はH2 であることを特徴とする請求項1、3または4記
    載の電界イオン顕微鏡画像記録方法。
  6. 【請求項6】 針状に形成された試料の先端に対向し、
    該先端より所定の距離の位置に配されたシート状の蓄積
    性蛍光体と、該蓄積性蛍光体および前記試料を収容する
    容器と、該容器内を所定の真空状態とする真空化手段
    と、該真空状態の容器内に、該容器内に所定のガス圧で
    導入される映像ガスと、前記試料が前記蓄積性蛍光体に
    対して正電位となるように、該蓄積性蛍光体と該試料と
    の間に所定の電圧を印加する電圧印加手段とを備え、 該電圧印加手段により印加された電圧により前記正電位
    の試料に引き寄せられてイオン化せしめられた前記映像
    ガスを、前記蓄積性蛍光体上に衝突せしめることによ
    り、前記針状の試料の表面の原子配列を該蓄積性蛍光体
    上に記録することを特徴とする電界イオン顕微鏡画像記
    録装置。
  7. 【請求項7】 針状に形成された試料の先端に対向し、
    該先端より所定の距離の位置に配されたシート状の蓄積
    性蛍光体と、該蓄積性蛍光体および前記試料を収容する
    容器と、該容器内を所定の真空状態とする真空化手段
    と、前記試料が前記蓄積性蛍光体に対して負電位となる
    ように、該蓄積性蛍光体と該試料との間に所定の電圧を
    印加する電圧印加手段とを備え、 該電圧印加手段により印加された電圧により前記負電位
    の試料から放射された電子を前記蓄積性蛍光体上に衝突
    せしめることにより、前記針状の試料の表面の原子配列
    を該蓄積性蛍光体上に記録することを特徴とする電界放
    射顕微鏡画像記録装置。
  8. 【請求項8】 前記針状の試料の先端の曲率半径が略10
    00Å、前記所定の距離が略10cm、前記所定の真空状態
    が 1.0×10-8Torr以上であることを特徴とする請求項6
    記載の電界イオン顕微鏡画像記録装置または請求項7記
    載の電界放射顕微鏡画像記録装置。
  9. 【請求項9】 前記映像ガスの圧力が略 1.0×10-4Torr
    であることを特徴とする請求項6または8記載の電界イ
    オン顕微鏡画像記録装置。
  10. 【請求項10】 前記映像ガスが、He,Ne,Arま
    たはH2 であることを特徴とする請求項6、8または9
    記載の電界イオン顕微鏡画像記録装置。
  11. 【請求項11】 前記蓄積性蛍光体が表面に保護層を有
    しないこと特徴とする請求項6、7、8、9または10
    記載の電界イオン顕微鏡画像記録装置。
  12. 【請求項12】 真空中で、固体の表面状態に応じた分
    布で発せられ、低速加速されたイオンビームを蓄積性蛍
    光体に衝突させることにより、前記分布を画像化して前
    記固体の表面状態を解析することを特徴とする電界イオ
    ン顕微鏡画像記録方法。
  13. 【請求項13】 真空中で、固体の表面状態に応じた分
    布で発せられ、低速加速された電子を蓄積性蛍光体に衝
    突させることにより、前記分布を画像化して前記固体の
    表面状態を解析することを特徴とする電界放射顕微鏡画
    像記録方法。
JP5190068A 1993-07-30 1993-07-30 電界イオン顕微鏡または電界放射顕微鏡による画像記録方法および装置 Pending JPH0745230A (ja)

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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7321118B2 (en) 2005-06-07 2008-01-22 Alis Corporation Scanning transmission ion microscope
US7368727B2 (en) 2003-10-16 2008-05-06 Alis Technology Corporation Atomic level ion source and method of manufacture and operation
US7414243B2 (en) * 2005-06-07 2008-08-19 Alis Corporation Transmission ion microscope
US7485873B2 (en) 2003-10-16 2009-02-03 Alis Corporation Ion sources, systems and methods
US7488952B2 (en) 2003-10-16 2009-02-10 Alis Corporation Ion sources, systems and methods
US7495232B2 (en) 2003-10-16 2009-02-24 Alis Corporation Ion sources, systems and methods
US7504639B2 (en) 2003-10-16 2009-03-17 Alis Corporation Ion sources, systems and methods
US7601953B2 (en) 2006-03-20 2009-10-13 Alis Corporation Systems and methods for a gas field ion microscope

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