JPH0744852B2 - 定在波型超音波モ−タ - Google Patents

定在波型超音波モ−タ

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JPH0744852B2
JPH0744852B2 JP61212615A JP21261586A JPH0744852B2 JP H0744852 B2 JPH0744852 B2 JP H0744852B2 JP 61212615 A JP61212615 A JP 61212615A JP 21261586 A JP21261586 A JP 21261586A JP H0744852 B2 JPH0744852 B2 JP H0744852B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、超音波モータに係わり、特に、振動子に厚み
屈曲振動の定在波を発生させて回転子に回転力を与える
ようにした定在波型超音波モータに関する。
〔従来の技術〕
従来、超音波モータとして、振動子に屈曲振動の進行波
を発生させ、これによつて回転子の駆動力を得るように
した、いわゆる進行波型のものが知られている。
その一例として、厚み方向に分極され、かつ円周方向に
交互に分極方向が反転した環状の圧電振動子を固定子に
用い、この圧電振動子に高周波電圧を印加することによ
つて厚み屈曲振動の進行波を発生させ、この進行波の水
平方向成分を回転子の駆動力とする超音波モータが知ら
れている。
しかし、この超音波モータにおいては、圧電振動子の分
極領域の配列を均一なものから乱すことにより、これが
均一ならば定在波が生ずるのを、故意に乱して進行波を
形成するものであるから、このためのエネルギーが必要
となつて効率が低いという問題があるし、また、圧電振
動子が環状であるが故に、エネルギー容量が小さく(圧
電振動子は共振体であつて、そのエネルギー容量は面積
や厚さに関係する)大きなパワーが得られないという問
題があった。
これに対して、円板状の圧電振動子を用い、これによつ
て厚み屈曲運動の進行波を生じさせるようにした進行波
型超音波モータが提案されている(たとえば、特開昭60
−174078号公報,特開昭60−183982号公報など)。
これは、2つの圧電振動子と固定子基板とが重ね合わさ
れた固定子に回転子を圧接し、これら圧電振動子によつ
て円周方向の屈曲振動の進行波を発生させ、これを固定
子基板に伝達してこれに圧接された回転子を回転させる
ものである。
各圧電振動子は円周方向に偶数個の領域に区分されてお
り、夫々の領域は厚み方向に分極されている。しかも、
隣接せる分極領域では、互いに分極方向が逆になつてい
る。かかる構成の圧電振動子に高周波電圧を印加する
と、厚み屈曲振動の進行波が発生する。
固定子においては、これら圧電振動子が、一方の圧電振
動子における分極領域の境が他方の圧電振動子における
分極領域の中央と対向するように、重ねられており、ま
た、固定子基板には、環状の突起が同心円状に設けら
れ、この突起に回転子が圧接している。これら圧電振動
子には、周波数,振幅は等しいが、位相が異なる高周波
電圧が印加される。これにより、夫々の圧電振動子に
は、周波数,振幅が等しく、位相が異なる厚み屈曲振動
の定在波が生じ、これらの合成振動が進行波となる。
圧電振動子の各分極領域は、また、半径方向についてみ
ると、中心軸と直径の80〜85%の位置とを節として厚み
振動している。したがつて、固定子基板の突起は、この
振動のほぼ腹となる位置に設けられ、大きな振幅の進行
波がこの突起に得られるようにしている。
この従来技術によると、圧電振動子は円板状をなしてい
るために、環状の圧電振動子に比べて、面積が広くな
り、エネルギー容量が大きくなつてパワーが増大する
し、また、進行波は複数の定在波の合成による一様な非
平衡状態として生じており、定在波に局部的に乱れを生
じさせる必要がなく、エネルギーの無駄な消費が低減さ
れて効率が高くなる。さらに、圧電振動子は薄くできる
ので、モータの薄型化が実現できる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、上記の円板状圧電振動子を用いた進行波型の
超音波モータは、複数個の圧電振動子で発生される定在
波を合成して進行波としているものであるから、個々の
定在波については、それらが有するエネルギーの一部し
か回転子の駆動力に利用されない。このために、たとえ
先の環状圧電振動子による進行波型の超音波モータに比
べて、進行波形成の効率を増大できてパワーが増大した
としても、充分大きなパワーが得られるわけではない。
パワーを大きくするためには、圧電振動子の面積を広く
してエネルギー容量をより大きくし、入力エネルギーを
増加することが考えられるが、この結果は超音波モータ
の大型化をまねくことになる。
本発明の目的は、定在波から直接回転子の駆動力を得る
ことによつて高効率を可能とし、小型,軽量で大きなパ
ワーを得ることができるようした定在波型超音波モータ
を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、厚み屈曲振動の
定在波を発生する円板状の振動子の一方側の同一円周上
該定在波の節となる部分に、夫々法線方向に突出した突
起を配置し、該振動子の他方側に、該圧電振動子の該突
起が配置された部分を1つおきに逆位相で厚み方向に振
動させる手段を配置し、該突起に回転子を圧接すること
により、該定在波による該突起の円周方向の傾き変化で
もつて該回転子に一定方向の回転力を与えるようにす
る。
〔作用〕
表面が平坦な振動子に厚み屈曲振動の定在波を生じさせ
ると、その表面では、定在波の腹の部分は厚み方向の最
大の往復運動し、節の部分は静止している。
すなわち、第4図において、いま、1を定在波が生じて
いないときの振動子の平坦な表面とすると、定在波が生
じたときには、この表面上の定在波の腹の部分A1,A2
矢印X,X′方向に最大振幅の周期的な往復運動を行い、
これら腹の部分A1,A2の中間の節の部分Bは静止してい
る。また、これら腹の部分A1,A2と節の部分Bとの間で
は、位置に応じた大きさで矢印X,X′方向に周期的に往
復運動するが、節の部分Bを境として、一方側と他方側
とでは運動の方向が逆になる。
1′を定在波の腹の部分A1が矢印X′方向に、腹の部分
A2が矢印X方向に夫々最大に変位したときの振動子の表
面1とし、1″を逆に定在波の腹の部分A1が矢印X方向
に、腹の部分A2が矢印X′方向に夫々に最大に変位した
振動子の表面1とすると、この表面1は、定在波の周期
で、表面1から曲面1′へと変化し、次いで表面1にも
どつた後、さらに曲面1″に変化し、さらに表面1にも
どるという変化を繰り返す。
そこで、いま、平坦な表面1上の定在波の節の部分Bに
おいて、この表面1の法線2方向に矢印で示す線分3を
とると、定在波によつて表面1が曲線1′となるように
変形していくと、法線2は矢印X方向に対して図面上反
時計方向に傾いていき、曲線1′では、+θだけ傾いた
線分3′となる(なお、2′はこのときの節の部分Bで
の法線である)。次に、曲面1′から曲面1″へと変化
していくと、線分3は3′から図面上時計方向に傾いて
いき、曲線1″では、矢印X方向に対して−θだけ傾い
た線分3″となる(なお、2″はこのときの節の部分B
での法線である)。
このような振動子の厚み屈曲振動に対して、線分3の先
端軌跡をみると、節の部分Bを中心とする円弧状の破線
4となり、この先端は破線4上を往復運動する。
すなわち、矢印X方向を上方、矢印X′方向を下方とす
ると、振動子に定在波の厚み屈曲振動を生じさせると、
この振動子の表面は上下往復運動を繰り返すが、この定
在波の節Bの部分にその法線方向に立てられた一定長の
線分3の先端は振動子の表面に垂直で腹の部分A1,A2,節
の部分Bの配列方向に平行な面内で節の部分Bを中心と
した円弧状に往復運動する。このことは、この線分3の
先端は表面1に平行で腹の部分A1,A2,節の部分Bの配列
方向、すなわち、水平方向の運動成分を有していること
になる。
本発明は、原理的には、この線分3の先端の水平方向の
運動成分を移動体に対する駆動力として利用するもので
あるが、この線分3の先端は同一軌跡4上を往復運動す
るものであるから、移動体を一定方向に駆動するために
は、この往復運動の1/2周期の一方向の水平運動成分の
みを用いる必要がある。
そこで、第5図に示すように、線分3の先端の往復運動
に同期して振動子表面1の節の部分Bを上下方向に往復
運動させ、線分3の先端の軌跡を、その往復運動の1/2
周期毎に異ならせる。すなわち、いま、移動体を矢印Y
方向に移動させたい場合には、線分3が3″から3′に
矢印Y方向に傾きを変えるとき、節の部分Bを上方(す
なわち、平面11のB′方向)に変位させて線分3の先端
を軌跡4に沿つて移動させ、次に、線分3が3′から
3″に矢印Y方向とは逆方向に傾きを変えるとき、節の
部分Bを下方(すなわち、平面12のB″方向)に変位さ
せ、線分3の先端を軌跡4に対して下方となる軌跡4′
に沿つて移動させる。この結果、線分3の先端は楕円運
動をすることになる。効率よく楕円運動させるために
は、腹の部分A1,A2と節の部分Bとの上下運動の位相を
π/2だけずらせばよい。
このように、線分3の先端を楕円運動させることによ
り、一方の駆動力を得るようにする。
また、第6図に示すように、隣り合う節の部分B1,B2
では、線分3の先端の移動方向は逆である。このため
に、そのままでは、全ての節の部分による線分の先端の
運動成分を用いると、互いに逆方向の駆動力が移動体に
同時に加わり、移動体は移動することができない。そこ
で、節の部分B1,B2の上下運動の位相をπだけずらすこ
とにより、これらに設けられた線分の先端によつて同一
方向の駆動力が得られる。
すなわち、第7図において、節の部分B1,B2の上下運動
をπだけずらすと、これらの法線方向の線分31,32の先
端が画く楕円運動はπだけずれることになる。このため
に、節の部分B2がB2′の方向に変位して線分32の先端が
軌跡22に沿つて移動して移動体に駆動力を生じさせてい
るとき、節の部分B1は逆にB1″方向に移動し、線分31
移動体から離れて線分32とは逆方向に変位している。節
の部分B1がB1′方向に移動し、線分31の先端が軌跡22の
方向と同一方向に変位して移動体に駆動力を与えている
ときには、節の部分B2はB2″方向に移動して線分32は移
動体から離れている。これによつて移動体に一方向の駆
動力が生ずる。
このような動作をさせるためには、節の部分B1は腹の部
分A1に対して+(または−)π/2の位相差で、また、節
の部分B2は同じく−(または+)π/2の位相差で上下運
動をさせればよい。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面によつて説明する。
第1図は本発明による定在波型超音波モータの一実施例
を示す側面図、第2図(A),(B)は夫々第1図の圧
電振動子を示す平面図である。また、同図において、5,
6は圧電振動子、7〜9は電極、10a〜10d,10a′〜10d′
は突起、11は軸、12は回転子、13は分極領域、14は境
界、15はベアリングである。
第1図において、固定子は2つの円板状の圧電振動子5,
6からなつている。圧電振動子5,6は電極8をはさんで重
ねられている。圧電振動子5の他方の面には、電極7が
設けられ、さらにその上に突起10a〜10d,10a′〜10d′
と軸11とが設けられており、圧電振動子6の他方の面に
は、電極9が設けられている。
圧電振動子5,6は、夫々、第2図(A),(B)に示す
ように、円周方向に偶数個の分極領域13に等分割されて
おり、夫々の分極領域13は厚み方向に分極されている。
但し、各分極領域13は1つ毎に分極方向が反転されてい
る。第2図では、この分極方向の違いを+,−で、ま
た、第1図では矢印で示している。
かかる圧電振動子5に電極7,8を介して高周波電圧V1
加えると、その円周方向に厚み屈曲振動の定在波が発生
する。この定在波は、第2図(A)において、分極領域
13の周方向中心付近で腹となり、分極領域13の境界14で
節となる。同様にして、電極8,9を介して圧電振動子6
に高周波電圧V2を印加すると、この圧電振動子6に厚み
屈曲振動の定在波が生ずる。この定在波は、第2図
(B)において、分極領域13の周方向中心付近で腹とな
り、分極領域13の境界14で節となる。
圧電振動子5,6は、一方の分極領域13の周方向中心が他
方の境界14と対向するように、配置されている。
また、突起10a〜10d,10a′〜10d′は圧電振動子5上
の、各分極領域13の最大の屈曲振動が生ずる部分を結ぶ
円周上でかつ境界14上に配置され、これら境界14の表面
の法線方向に伸延して同じ高さである。これら突起10a
〜10d,10a′〜10d′は第4図における線分3に相当して
いる。
回転子12は軸11に回転可能に取りつけられ、かつ適当な
押圧手段(図示せず)によつて突起10a〜10d,10a′〜10
d′に圧接される。また、回転子12を支えるために、ベ
アリング15が設けられている。但し、ベアリング15は必
ず設けなければならないものではない。
次に、この実施例の動作を説明する。
圧電振動子5に高周波電圧V1を印加すると、この圧電振
動子5には、分極領域13の周方向中心付近で腹となり、
境界14で節となる厚み屈曲振動の定在波が生ずる。この
結果、境界14上に設けられた1つおきの突起10a〜10dと
他の1つおきの突起10a′〜10d′の2組は、夫々第4
図,第8図で説明した線分3と同様に、同一組中では同
位相であるが、異なる組間ではπの位相差で円周方向の
傾きの往復運動を行う。さらに、圧電振動子6に高周波
電圧V1に対して同一周波数で位相が±π/4だけ異なる高
周波電圧V2が印加されると、圧電振動子6にも、分極領
域13の周方向中心付近で腹となり、境界14で節となる厚
み屈曲振動の定在波が発生し、この定在波は、圧電振動
子5に発生した定在波と同一周波数であるが、位相が±
π/4だけずれている。
そこで、圧電振動子5に生じた定在波によつて突起10a
〜10dが、第4図に示したように、一方の円周方向に傾
きを変えていく定在波の1/2の周期の期間では、圧電振
動子6に生じた定在波によつて圧電振動子5の1つおき
の境界14、すなわち突起10a〜10dが持ち上げられ、回転
子11にさらに押しつけられる。このために、突起10a〜1
0dと回転子12との摩擦力が増大し、回転子12は突起10a
〜10dが傾く方向に回転する。圧電振動子5に生ずる定
在波の次の1/2周期の期間では、突起10a〜10dは上記と
は逆方向に傾きを変えていく。このときには、圧電振動
子6に発生した定在波によつて突起10a〜10dは降下さ
れ、回転子12から離れると同時に、突起10a′〜10d′が
上昇しながら回転子12に圧接して同様に駆動力を与え
る。
以上の動作が定在波の1周期毎に繰り返され、この結
果、突起10a〜10dが上昇して一方向に傾きを変えていく
期間のみ、回転子12はこれら突起10a〜10dに大きな摩擦
力で圧接し、次に突起10a′〜10d′が上昇すると、回転
子12には突起10a′〜10d′が圧接することになり、回転
子12は一定方向に回転する。回転子12の回転方向は、高
周波電圧V1に対して高周波電圧V2の位相を+π/4,−π/
4と切換えればよい。
このように、この実施例では、定在波から直接回転子の
駆動力を得るものであつて、定在波を有効に利用するこ
とができ、先の公知例に開示された従来技術に比べて効
率がさらに増大し、パワーが大きくなる。したがつて、
小型,軽量で大パワーの超音波モータが実現可能とな
る。
第3図は本発明による定在波型超音波モータの他の実施
例を示すものであつて、同図(A)は側面図、同図
(B)は同図(A)を矢印Z方向からみた平面図であ
る。また、同図において、6a〜6dは圧電振動体,9a〜9d
は電極であり、第1図,第2図に対応する部分には同一
符号をつけている。
第1図および第2図に示した実施例では、圧電振動子5
の境界、したがつて、突起10a〜10d,10a′〜10d′を上
下往復運動させる手段として、この圧電振動子5と同一
構成の圧電振動子6を用いたが、第3図で示す実施例で
は、複数個の厚み振動を生ずる圧電移動体6a〜6dを用い
るものである。
すなわち、第3図において、圧電振動体6a〜6dは圧電振
動子5の分極領域13と同一大きさで同一形状の扇状をな
し、厚み方向に分極されている。厚電振動体6aは圧電振
動子5の電極8側で突起10aが設けられた境界14に関し
て対称となるように配置され、同様にして、圧電振動体
6b,6c,6dも、夫々、圧電振動子5の突起10b,10c,10dが
設けられた境界14に関して対称となるように配置されて
いる。この場合、圧電振動子6a〜6dがこのように配置さ
れたとき、これらの分極方向は同一となるようにする。
また、これら圧電振動体6a〜6dの電極8側とは反対側の
面には、夫々電極9a〜9dが設けられ、これらに共通に電
圧印加線が接続されている。
かかる構成は、第1図および第2図において、圧電振動
子6における突起10a〜10dの上下振動に寄与しない分極
領域13を取り除いたものに相当する。
圧電振動体6a〜6dには、電極9a〜9dおよび電極8を介し
て、同じ高周波電圧V2が同時に印加される。これによ
り、これら圧電振動体6a〜6dは同位相で厚み振動を発生
する。
そこで、圧電振動子5に高周波電圧V1を印加し、圧電振
動体6a〜6dに高周波電圧V1と同じ周波数で位相が±π/4
だけずれた高周波電圧V2を印加すると、突起10a〜10d
は、第1図および第2図に示した実施例と同様に、傾き
振動と上下振動とを起し、回転子12は一定方向に回転す
る。
なお、この実施例においては、圧電振動体6a〜6dを扇状
としたが、境界14に沿う棒状あるいは圧電振動子5の半
径よりも充分短いブロツク状など、突起10a〜10dを上下
振動させることができるならば、他の任意の形状とする
ことができる。
また、以上の夫々の実施例において、圧電振動子5を周
方向に8等分して8個の分極領域13を形成するようにし
たが、他の偶数等分して他の偶数個の分極領域13をもた
せるようにしてもよい。分極領域13の数がいずれであつ
ても、突起は分極領域13の境界14に、またはそれらの1
つおきに設けられるし、第1図,第2図の場合には、圧
電振動子6は分極領域13の数を圧電振動子5の分極領域
13の数と同じにし、もしくは第3図の場合には、圧電振
動体の数を圧電振動子5の分極領域13の数の1/2にする
ことはいうまでもない。
さらに、第1図,第3図において、電極7を厚くし、固
定子基板としての機能をもたせるようにしてもよい。
以上、本発明の実施例を説明したが、ここで、本発明が
先にあげた特開昭60−174078号公報,特開昭60−183982
号公報に開示される公知例と相違することを明確にして
おく。
これら公知例は進行波を利用したものであり、固定子の
最大振幅位置が時間とともに一定方向に移動する原理を
利用し(特開昭60−174078号公報のp.3,右上欄11〜15
行、特開昭60−183982号公報のp.4,左下欄16〜18行)、
さらに、突起を設けるように開示されている(上記いず
れの公知文献も第4図,第9図に示され、前者の文献で
は突起18、後者の文献では突起8)。この突起は進行波
の振幅を増幅するためのものである。
これに対し、本発明は定在波を利用するものであり、こ
れを乱すことなく回転子に回転力を与えるために、突起
を設けたものである。つまり、本発明における突起は、
振動振幅を増幅するためのものではなく、定在波から回
転力を得るためのものであり、必須の構成要件をなすも
のである。超音波モータに不可欠な楕円振動は、縦振動
成分とねじり振動成分とに分解できる。本発明では、縦
振動成分は屈曲振動が直接受け持ち、ねじり振動成分は
法線分によつて屈曲振動が変換されてできる。つまり、
法線分である突起は、屈曲モードをねじりモードに変換
するねじり結合子としての機能を有している。上記公知
例では、振動の腹に突起を設けているが、本発明では、
振動の腹に突起を設けてはならないのである。
本発明が上記公知例と異なることを、第8図を用いてさ
らに詳しく説明する。
同図において、圧電体で励磁される屈曲円板5は第2図
に示した圧電振動子と同じものであり、その振動の節の
法線に沿つた圧電駆動の柱10を、第1図,第2図で示し
た実施例と同様に、1つおきの2組に分け、一方の組を
屈曲円板5の屈曲運動に対して+π/4の位相で、他方の
組を−π/4の位相で夫々させると、第7図で説明したよ
うに楕円運動し、楕円運動をするこれら柱10の先端に回
転子12を圧接すると、回転子12は力強く回転する。この
ように、屈曲板1枚だけでも回転子を回転させることが
でき、公知例とは明らかに異なる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、振動子における
屈曲振動の腹,節となる部分は、該屈曲振動の振幅方向
(縦方向)に振動するだけであつて、これと垂直なねじ
り方向に移動することはないから、定在波が乱されるこ
とはなく高効率で発生され、また、回転子駆動のための
ねじり振動成分は上記節の部分の法線による変換でもつ
て作り出され、該定在波の振動エネルギーがそのままね
じり振動成分となるから、回転子に回転力を生じさせる
ねじり振動成分が高い効率で得られ、上記公知例の進行
波モータのように、円周上にリング状またはリング櫛状
の突起を配置するのではなく、振動の節となる部分にの
み突起を配置することにより、モータ効率が大幅に向上
することになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による定在波型超音波モータの一実施例
を示す側面図、第2図は第1図における圧電振動子を示
す平面図、第3図は本発明による定在波型超音波モータ
の他の実施例を示すものであつて、同図(A)はその側
面図、同図(B)は同図(A)の矢印Z方向からみた平
面図、第4図〜第8図は本発明による定在波超音波モー
タの原理説明図である。 5,6……圧電振動子、6a〜6d……圧電振動体、7,8,9,9a
〜9d……電極、10a〜10d,10a′〜10d′……突起、11…
…軸、12……回転子、13……分極領域、14……分極領域
の境界。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚み屈曲振動の定在波を発生する円板状の
    第1の振動子の一方側の同一円周上該定在波の節となる
    部分の1つおきに、夫々同一高さの突起を配置し、該第
    1の振動子の他方側に、該第1の振動子の該突起が配置
    された部分を厚み方向に振動させる手段を配置し、該突
    起に回転子を圧接したことを特徴とする定在波型超音波
    モータ。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第(1)項において、前記
    手段は厚み屈曲振動の定在波を発生する円板状の第2の
    振動子であつて、前記第1,第2の振動子を、一方におけ
    る前記定在波の腹となる部分に他方における前記定在波
    の節となる部分が対向するように、配置したことを特徴
    とする定在波型超音波モータ。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第(1)項において、前記
    手段は、前記第1の振動子の前記突起が設けられた部分
    毎に対向して配置された厚み方向に伸縮する複数個の振
    動体からなることを特徴とする定在波型超音波モータ。
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