JPH0743540Y2 - 内燃機関のピストン装置 - Google Patents

内燃機関のピストン装置

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JPH0743540Y2
JPH0743540Y2 JP11349889U JP11349889U JPH0743540Y2 JP H0743540 Y2 JPH0743540 Y2 JP H0743540Y2 JP 11349889 U JP11349889 U JP 11349889U JP 11349889 U JP11349889 U JP 11349889U JP H0743540 Y2 JPH0743540 Y2 JP H0743540Y2
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ring
piston
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internal combustion
temperature
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栄次郎 倉持
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Isuzu Motors Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、内燃機関のピストン装置に関し、更に詳細に
はピストンリングとリング溝との隙間に侵入したカーボ
ンが付着・堆積することを防止した内燃機関のピストン
装置に関するものである。
〔従来の技術〕 内燃機関のピストンとシリンダライナとの間から燃焼ガ
スが吹き抜ける(ブローバイ)ことを防止したり、ピス
トンとシリンダライナとの間の摺動を潤滑するオイルが
燃焼室に侵入することを防止するためためにピストンリ
ングが使用されていることは周知である。
即ち、内燃機関のピストン1は、第5図に示すようにシ
リンダライナ2に摺動自在に嵌入されており、このピス
トン2にはリング溝4を数条設け、このリング溝4にピ
ストンリング6を嵌装し、すべり面8をシリンダライナ
2内面に接触させている。なお図の9はシリンダブロッ
クである。
ところで、図示しない内燃機関の燃焼で生じたカーボン
が、高負荷運転の場合には特に、リング溝4内に侵入
し、長時間の間にリング溝4の溝底部に付着した堆積す
る。この堆積したカーボン10は、長時間の間に堆積物の
表面にピストンリング6の背面のスジ状の加工跡が着く
ほど固く堆積するようになる。その結果、ピストンリン
グ6は、カーボン10によってリング溝4内で変形する余
地が無くなり、ピストン1の挙動やシリンダライナ2の
変形などに追随することができず、そのためすべり面8
がシリンダライナ2を強く圧迫して摩耗し、内燃機関の
寿命を決定するオイル消費に大きな影響を与えるように
なるという問題がある。
したがって、従来のピストンは、トップランドの長さH
を長くしてリング溝4の温度を低く抑えてカーボンが固
く付着することを防止することにより、ピストンリング
がシリンダライナを押す面圧が異常に高くなることを防
止している。そのため燃焼室のデッドボリュームが大き
くなり内燃機関の性能を低下させるという問題がある。
そこで、内燃機関の運転中に、ピストンの作動に伴いピ
ストンリングがリング溝内を上下方向及び周方向に動く
ことに着目して、ピストンリングの内周面に多数の凹凸
を設け、これによってリング溝に付着・堆積したカーボ
ンを削り取るようにした実開昭59−110357号公報に記載
の先行技術がある。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、前記公報に記載の先行技術は、単に円弧状な
どの凹凸により付着・堆積するカーボンを除去するもの
であるので、付着・堆積を防止する効果が十分でなく、
また一旦付着・堆積したカーボンを取り除く効果が著し
く減退するという欠点があり、なお改善する必要があ
る。
他のピストンリングに関する先行技術として、リング溝
内に温度が上昇すると拡張して油かきリングなどのピス
トンリングをシリンダライナに押し付ける形状記憶合金
で成形した拡張リングを装着した実開昭60−122554号公
報の先行技術がある。この公報の先行技術は、内燃機関
が作動してピストンの温度が上昇するとピストンリング
がシリンダライナを押す面圧を大きくしてピストンリン
グの効果を高め、低温時には縮小して前記面圧を低下さ
せることにより摩擦抵抗を低減させて始動性の向上を図
ったものである。
このように温度により形状を変化させる部材は、形状が
変化する部分に在るカーボンを排除ないし除去すること
ができる。しかしながら、前記拡張リングのように温度
により形状が変化する部材をリング溝内に嵌入すると、
ピストンリングとシリンダライナとの干渉を防止するこ
とが極めて困難であるという問題がある。
本考案は、以上の問題に着目して成されたものであり、
形状記憶合金が温度により形状を変化させる性質を利用
してリング溝内に侵入したカーボンがリング溝内に付着
・堆積することを防止することができ、しかも前記形状
変化によってピストンリングとシリンダとの間に干渉が
起こる危険がない内燃機関のピストン装置を提供するこ
とを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
以上の目的を達成するための本考案の内燃機関のピスト
ン装置の構成は、ピストンリングと、このピストンリン
グを嵌装するリング溝の溝底との間に、形状記憶合金か
ら成るリング部材を嵌入し、このリング部材は、このリ
ング部材の温度が前記形状記憶合金のM変態温度、即ち
形状が変化する温度を越えると、リング部材の長手方向
に伸長する変形特性を記憶した成形部と、前記と逆に収
縮する変形特性を記憶した成形部とを交互に配列したも
のである。
前記のようにM変態温度以上の温度で前記リング部材の
長手方向に伸縮させる形状は、特に限定はなく、曲げ、
ねじれなどによりリング部材の長手方向に伸縮する形状
変化を生じさせて、ピストンリングとシリンダとの干渉
を起こさせないものであればよい。前記形状の例とし
て、例えばスパイラル状、ジグザク状、波型などが挙げ
られる。
前記M変態温度は、当該内燃機関が使用される環境温度
より高い温度であり、且つ運転中に得られる温度より低
い温度ならば特に限定はない。
〔作用〕
前記形状記憶合金から成る成形部は、形状記憶合金の母
相とM相とで伸縮が反対となる成形部を組み合わせたた
めに、温度変化でリング部材の長さか実質的に変化しな
いように形成することができる。したがって、前記成形
部が変形する際に、リング溝内に付着するカーボンを削
り取り、リング部材自体に付着したカーボンを脱落させ
る。しかも温度による変形でピストンリングとシリンダ
との干渉を防止できる。
〔実施例〕
以下添付の図面を対照して一実施例により本個運を具体
的に説明する。
第1図は、本実施例の内燃機関のピストン装置の要部断
面図であり、第2図は第1図に使用したリング部材1の
平面図である。図において、リング部材12は、形状記憶
合金を細い線状としたものを、間隔を密に円形のスパイ
ラル状に巻いた成形部14と疎に巻いた成形部16とを交互
に形成したものである。
前記形状記憶合金は、例えばNi−Ti合金などの従来から
使用されるものを使用することができる。そしてリング
部材のM変態温度が、例えば通常達することのできる気
温以上の温度の形状記憶合金を使用し、第2図に示すよ
うに、前記M変態温度以上の母相状態では前記スパイラ
ルの間隔が成形部14は蜜(ピッチP1)に、また成形部16
では疎(ピッチP2)であり、互いに同じ径を有する形状
であり、室温以下のM相(マルテンサイト)では前記と
逆に、成形部14が疎(ピッチP2)で成形部16が蜜(ピッ
チP1)で、しかも径Aが変化しない形状に変化するよう
に形成した。
即ち、リング部材12は、成形部14と成形部16との素線長
さは同じでも、室温以上の母相では、第3図の上段に示
すように蜜に巻いた成形部14は短く、また疎に巻いた成
形部16は長く形成されている。このリング部材12をM変
態温度以下とすると、成形部14は伸長し、成形部16が収
縮する。そこで、例えば前記長さの変化が成形部14と成
形部16とで同じになるように形成しておけば、両者の長
さ(第3図のA〜Cの長さ)が変化しないようにするこ
とができ、リング部材12の全長は変化しない。
本実施例の内燃機関のピストン装置は、第2図及び第3
図で説明したリング部材12を、第1図に示すようにリン
グ溝4の底面に設けたリング状の溝18に嵌装し、その外
側に従来どおりピストンリング6を嵌装したものであ
る。
次に、本実施例の動作を第3図によって説明する。図示
しない内燃機関の始動時にはピストン1の温度は室温以
下であるので、リング部材12は第3図下段の状態をして
いる。次いで、内燃機関が始動するとピストン1の温度
が室温以上となるので、リング部材12は第3図上段の状
態に変化する。この形状変化でリング溝4、溝18及びリ
ング部材12並びにその周囲に付着していたカーボンがあ
れば削り取られたり、付着したカーボンが脱落したりす
る。そしてブローバイガスなどと共にリング溝12から除
去される。
また内燃機関が停止すると、前記と逆の形状変化で、溝
4,18内に侵入したカーボンが各部材4,12,18表面に付着
することを妨げる。したがって、内燃機関の次回運転時
にリング溝12から除去することができる。
第4図は別の実施例を示す部分側面図である。図はリン
グ溝4を設けたピストン1の側面図であり、ピストンリ
ング6を取り除いた状態を示している。図においてリン
グ部材12は、リボン状板を波型に成形したものであり、
実線で示した形状は母相の形状を示しており、点線で示
した形状はM相の形状を示したものである。即ち母相の
曲線部分a,cはM相に変化する際に直線状に伸び、母相
の直線状部分b,dはM相に変化する際にそれぞれ反対方
向に曲がって曲線となることにより収縮して全体の長さ
Lを一定に保つようにしたものである。即ち、前記部分
a,cがM変態温度以上で収縮する成形部を構成し、前記
部分b,dがM変態温度以上で伸長する成形部を構成して
いる。
この実施例のリング部部材12は、前記変形の際にリング
溝4内に付着するカーボンを削り取り、しかもリング部
材12に付着するカーボンを自ら変形することにより脱落
させることができる。このように本考案のリング部材は
各種変形させて実施することができる。
〔考案の効果〕
以上説明したように本考案の内燃機関のピストン装置を
構成したので、内燃機関の燃焼室で生じたカーボンがリ
ング溝に侵入しても、このカーボンがリング溝内に付着
・堆積する危険が無くなり、ピストンリングの機能を長
期間にわたり発揮させることができる。したがってピス
トンのトップランドの長さを短くしても、ピストンリン
グの性能を低下させる危険がなく、燃焼室のデッドボリ
ュームを減少させて内燃機関の性能を向上させることが
でき、信頼性の高い内燃機関を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は一実施例による本考案の内燃機関のピストン装
置の要部断面図、第2図は第1図に使用したリング部材
の平面図、第3図は第2図のリング部材を展開して示し
動作を説明した部分拡大図、第4図は別の実施例を示す
部分側面図、第5図は従来の内燃機関のピストンをシリ
ンダライナに嵌入した状態を示す要部断面図である。 1……ピストン、2……シリンダライナ、4……リング
溝、6……ピストンリング、12……リング部材、14……
(母相で収縮する)部分、16……(母相で伸長する)部
分。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンリングと、このピストンリングを
    嵌装するリング溝の溝底との間に、形状記憶合金から成
    るリング部材を嵌入し、このリング部材は、このリング
    部材の温度が前記形状記憶合金のM変態温度を越える
    と、リング部材の長手方向に伸長する変形特性を記憶し
    た成形部と、前記と逆に収縮する変形特性を記憶した成
    形部とを交互に配列した内燃機関のピストン装置。
JP11349889U 1989-09-29 1989-09-29 内燃機関のピストン装置 Expired - Lifetime JPH0743540Y2 (ja)

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JPH0352466U JPH0352466U (ja) 1991-05-21
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