JPH0742713Y2 - コルゲーターの不良段ボールシート処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、コルゲーターにおいて
発生する不良段ボールシートを段ボール屑に処理する処
理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、コルゲーターのスリツタースコア
ラーの上流又は下流に設けられ、作業者を全く必要とし
ないで、自動的に、シユレツダーに供給することができ
る不良段ボールシート処理装置として、実開平４−４０
９２９号公報に記載されたものがあつた。前記公報記載
の不良段ボールシート処理装置は、ダイバータより下方
に、フイードロールとスリツタとシユレツダーとを設け
て、ダイバータにより下方に取り出した不良段ボールシ
ートを、フイードロールによりスリツタに供給して進行
方向に細断し、細断された不良段ボールシートをシユレ
ツダーに供給するようにしていた。しかし、この処理装
置は、不良段ボールシートが、強度の大きい板紙を何層
にも積層した上に層間を糊付けした構造体であつて、も
ともと、引き裂き、破砕、切断等が困難なものであるの
で、スリツタによつて細い巾に切断したのちに供給して
も、そのまま、シユレツダー刃物に引き取られて、切断
され ずに、シユレツダー刃物に巻き付く欠点があつた。
また、この処理装置は、シユレツダー刃物が損傷し易
く、騒音が大きい上に、電力消費量が大きく、大馬力の
駆動モーターを必要とし、更に、巻き付き事故の際に
は、モーターが焼損する欠点があつた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、シユレツダ
ーによる不良段ボールシートの切断を容易にすると共
に、シユレツダー刃物の損傷、シユレツダー刃物への巻
き付き、モーターの焼損、騒音の発生などを防止し、電
力消費量の節減を図るようにしたコルゲーターの不良段
ボールシート処理装置を提供することを目的としてい
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本考案のコルゲーターの不良段ボールシート処理
装置は、図示するように、コルゲーターのロータリーカ
ツター１により巾方向に切断されて送り出されて来る不
良段ボールシートを、ダイバータ２により下方に取り出
した後に、シユレツダー３０を用いて段ボール屑にする
ようにしたコルゲーターの不良段ボールシート処理装置
において、シユレツダー３０による不良段ボールシート
の切断を容易にするため、シユレツダー３０の前に、表
周面に、半径方向に突出して不良段ボールシートを破る
ことができる突起２４を付けたローラー２２、２３を有
する不良段ボールシート損傷装置２０を設けたものであ
る。

【０００５】本考案において、ローラー２２又は２３
は、表周面２２２又は２３２に、突起２４を多数本取り
付ける。突起２４の配置は、螺旋状が好ましが、どのよ
うなに配置されてもよい。更に、突起２４の形状は、不
良段ボールシートを突き破るものであれば、任意の断面
形状を持つことができるが、突起２４の横断面形状を十
字形にすれば、不良段ボールシートを縦方向及び横方向
に破るので好ましい。

【０００６】

【実施例】図１及び図２を参照して不良段ボールシート
損傷装置２０及びシユレツダー３０を説明する。不良段
ボールシート損傷装置２０は、ケーシング２１の中に上
及び下のローラー２２及び２３を備える。上及び下のロ
ーラー２２及び２３の表周面は、それぞれ、多数の溝部
２２１及び２３１によつて、多数の小表周面２２２及び
２３２に分割されている。上のローラー２２の小表周面
２２２と下のローラー２３の小表周面２３２とは、間隔
を開けて、食い違いに配置されている。さらに、各小表
周面２２２及び２３２には、それぞれ２本の突起２４が
取り付けられて、上及び下のローラー２２及び２３の軸
線の回りに螺旋状に配置されている。突起２４は、先端
が尖つて十字形の横断面形状を持つている。上のローラ
ー２２の小表周面２２２の突起２４は、下のローラー２
３の溝部２３１の中に突き出し、下のローラー２３の小
表周面２３２の突起２４は上のローラー２２の溝部２２
１の中に突き出すようになつている。上及び下のローラ
ー２２及び２３は、シユレツダー刃物３２、３３及び３
４と共通の駆動装置（図示しない）によつて駆動され
て、矢印２２３及び２３３の方向にそれぞれ回転するよ
うになつている。２５は、上及び下のローラー２２及び
２３の前及び後に設けられ、不良段ボールシートを案内
するようにしたガイドである。シユレツダー３０は、ケ
ーシング３１の中に３本のシユレツダー刃物３２、３３
及び３４を備える。シユレツダー刃物３２、３３及び３
４は、駆動装置（図示しない）によつて駆動されて、矢
印３２１、３３１及び３４１の方向に、それぞれ、回転
するようになつている。上及び下のローラー２２及び２
３は、約１３０メートル毎分の周速度で回転されるの対
して、シユレツダー刃物３２、３３及び３４は、約２０
０メートル毎分の周速度で回転されるようになつてい
る。

【０００７】

【作用】ロータリーカツター１により巾方向に切断され
て送り出されて来る不良段ボールシート（図示しない）
は、ダイバータ２により下方に取り出された後に、第１
水平コンベア３、傾斜コンベア４及び第２水平コンベア
５（以下では、輸送装置１０と言う）により輸送され
て、不良段ボールシート損傷装置２０及びシユレツダー
３０に供給される。不良段ボールシート損傷装置２０
は、シユレツダー３０ の前に設けられている。不良段ボ
ールシート損傷装置２０のローラ２２及び２３を通過し
た不良段ボールシートは、シユレツダー３０に供給され
て段ボール屑に切断されるようになつている。シユレツ
ダー３０によつて切断されてできた段ボール屑は、カツ
ターブロワー６によつて貯蔵場所（図示しない）に送ら
れ、貯蔵される。７は、正規の段ボールが通過する生産
ラインを示す。

【０００８】不良段ボールシート損傷装置は、表周面２
２２、２３２に半径方向に突出して不良段ボールシート
を破ることができる突起２４を付けたローラー２２、２
３を有するので、不良段ボールシートを予め突き破つ
て、段ボールシートの構造体を破壊しておき、シユレツ
ダー刃物による切断を容易にしておくことができる。

【０００９】なお、この不良段ボールシートを突起２４
で突き刺し状に保持してシユレツダーに送り、不良段ボ
ールシートがそのままシユレツダー刃物３２、３３、３
４によつて引き取られて巻き付くことを防止するため
に、ローラー２２、２３の周速度を、シユレツダー刃物
３２、３３及び３４の周速度より遅くすることが好まし
い。

【００１０】

【考案の効果】本考案のコルゲーターの不良段ボールシ
ート処理装置は、シユレツダーに入る前に、表周面に半
径方向に突出して不良段ボールシートを破ることができ
る突起を付けたローラーを有する不良段ボールシート損
傷装置を備えており、ローラーの突起によつて、不良段
ボールシートは、予め、段ボールシートの構造体を引き
ちぎりや破断によつて破壊されて、シユレツダーに供給
されるので、シユレツダー刃物による切断が容易にな
り、このため、シユレツダー刃物が損傷し難くなると共
に、シユレツダー刃物への巻き付き、モーターの焼損、
騒音の発生等を防止し、電力消費量の節減をはかつた上
で、強度の大きい不良段ボールシートを効率よく段ボー
ル屑にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のコルゲーターの不良段ボールシート処
理装置の実施例における不良段ボールシート損傷装置及
びシユレツダーの構造の概略を示す断面図である。

【図２】図１の上及び下のローラーの正面図である。

【図３】本考案のコルゲーターの不良段ボールシート処
理装置の実施例の概略を示す全体図である。

【符合の説明】

１ コルゲーターのロータリーカツター ２ ダイバータ ２０ 不良段ボールシート損傷装置 ２２ 上のローラー ２２２ 上のローラーの小表周面 ２３ 下のローラー ２３１ 下のローラーの溝部 ２３２ 下のローラーの小表周面 ２４ 突起 ３０ シユレツダー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コルゲーターのロータリーカツターによ
   り巾方向に切断されて送り出されて来る不良段ボールシ
   ートを、ダイバータにより下方に取り出した後に、シユ
   レツダーを用いて段ボール屑にするようにしたコルゲー
   ターの不良段ボールシート処理装置において、前記シユ
   レツダーによる不良段ボールシートの切断を容易にする
   ため、前記シユレツダーの前に、表周面に、半径方向に
   突出して不良段ボールシートを破ることができる突起を
   付けたローラーを有する不良段ボールシート損傷装置を
   設けたことを特徴とするコルゲーターの不良段ボールシ
   ート処理装置。