JPH0742696A - 無漏洩ポンプの軸受装置 - Google Patents

無漏洩ポンプの軸受装置

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JPH0742696A
JPH0742696A JP18996593A JP18996593A JPH0742696A JP H0742696 A JPH0742696 A JP H0742696A JP 18996593 A JP18996593 A JP 18996593A JP 18996593 A JP18996593 A JP 18996593A JP H0742696 A JPH0742696 A JP H0742696A
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JP
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bearing
groove
pump
impeller
shaft
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JP18996593A
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English (en)
Inventor
Tomoki Tatewana
知己 立和名
Kazutomo Inori
和智 祷
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無漏洩ポンプの軸受装置に関し、特に圧送流
体中の固形物の堆積や部品の欠損による圧送不能を長期
間にわたって防止できるようにした無漏洩ポンプの軸受
装置を提供することを目的とする。 【構成】 無漏洩ポンプのポンプ室内に回転不能に設け
られたシャフト8とインペラとの間に設けられる水中軸
受10と固定軸受11とを備え、圧送流体の一部分で水中軸
受10および固定軸受11を潤滑する無漏洩ポンプの軸受装
置において、上記固定軸受10が水中軸受11に対向する面
に形成された1mm以上の深さを有する溝14を備え、上記
水中軸受10が固定軸受11に対向する面に形成された深さ
0.3mm 〜1mmの溝14を備える構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無漏洩ポンプの軸受装
置に関し、特に圧送流体中の固形物の堆積や部品の欠損
による圧送不能を長期間にわたって防止できるようにし
た無漏洩ポンプの軸受装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の腐食性流体を取り扱う化学
工業、あるいは、漏液の引火の危険性がある石油化学工
業などにおいては、漏液の恐れがない無漏洩ポンプが使
用されている。無漏洩ポンプは、マグネットポンプとも
呼ばれ、基本的には、例えば実公昭62-37992号公報に開
示されているように、一端が閉じられた筒状の隔層(以
下、キャンという)とその開口端面を覆うエンドカバー
(以下、ハウジングという)とによってポンプ室を区画
し、ポンプ室内にインペラを回転可能に収納するととも
に、このインペラの外周部に従動磁石を設け、キャンの
外周囲に設けた駆動磁石を回転させて、駆動磁石と従動
磁石との間に作用する磁気吸着力によってインペラを回
転させるように構成されている。
【0003】インペラは、ハウジングおよびキャンに軸
受装置を介して回転自在に支持されたシャフトに固定さ
れる場合と、ハウジングに固定されたシャフトに軸受装
置を介して回転可能に支持される場合とがあり、上記軸
受装置は圧送液の一部分を供給して潤滑されるようにし
ている。この軸受装置は、シャフトに回転可能に外嵌さ
れ、インペラに回転不能に支持された水中軸受と、この
水中軸受の端面を受け止めるために、ハウジングの一部
分からなる固定部分、または、水中軸受とポンプ室の端
面との間に挿入され、シャフトに固定された固定軸受と
を備えている。
【0004】インペラを縦軸心回りに回転させる立形構
造の無漏洩ポンプでは、インペラの回転によってジャイ
ロモーメントの効果が生じ、インペラが自立することに
より軸受装置のラジアル荷重は軽減される。また、軸受
装置のスラスト荷重、すなわち、シャフトの軸方向に作
用する荷重は、水中軸受を上記固定部分、または、固定
軸受で受け止めることにより支えられる。
【0005】この軸受装置を潤滑するために、例えば吐
出側の高圧液を軸受装置に還流する溝をケーシング内部
に設けたり、シャフトの内部にキャンとインペラとの間
の空間と軸受部とを連通させる還流路を形成したりして
いる。さらに、インペラにウラバネを設けて、吐出側の
流体の一部分をウラバネでさらに加圧し、軸受装置を通
って吐出側に排出させる構成も提案されている。
【0006】この場合、軸受装置への流体の還流を円滑
にするため、部材と部材とが摺接する水中軸受の内周面
や、固定軸受の端面には流体の流通を容易にする溝が形
成される。たとえば、水中軸受の内周面には、深さ数mm
程度の軸心方向に延びる溝や螺旋状の溝が形成される。
また、たとえば固定軸受の端面には1mm以下の径方向に
延びる水平の溝が形成される。水中軸受の固定軸受に対
向する面は、Ra 0.2μm程度の鏡面仕上げされたり
0.3mm以下の浅い水平の溝が形成されたりしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これら従来の無漏洩ポ
ンプの軸受装置では、石膏、消石灰等の比重が小さく、
沈降速度が比較的遅い固形物を含むスラリーに対しては
固形物30Wt%程度まで圧送することができるが、例えば
硅砂スラリー、金属性スラリーなど、比重が比較的大き
く、沈降速度が比較的速い固形物を含むスラリーを圧送
する場合に、例えば連続運転30分という短時間内に軸受
装置の潤滑用溝に固形物が堆積し、軸受装置の潤滑状態
が悪化し、例えば連続運転3時間を経過した程度で水中
軸受や固定軸受に1mm程度の摩耗が生じる。この軸受の
摩耗はインペラを回転させるに要する動力を駆動磁石と
従動磁石との間の磁気吸着力以上に増大させ、圧送がで
きなくなるという結果を招くことがある。
【0008】また、潤滑装置の水中軸受に螺旋状の溝を
形成したものでは、石、砂、金属等の不溶解の固形物を
含むスラリーを圧送させると、螺旋溝の始点や終点のエ
ッジ部が欠け、その破片が水中軸受とシャフトの間に噛
み込んで、潤滑液の流動を妨げたり、水中軸受を破損さ
せたり、インペラを停止させたりすることがある。本発
明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、特に圧
送流体中の固形物の堆積や、部材の欠損による圧送不能
の発生を長期間にわたって防止できるようにした無漏洩
ポンプの軸受装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の無漏洩ポ
ンプの軸受装置は、無漏洩ポンプのポンプ室内に回転不
能に設けられたシャフトに回転可能に外嵌され、インペ
ラに回転不能に内嵌された水中軸受と、水中軸受とポン
プ室の端面との間に挿入され、上記シャフトに固定され
る固定軸受とを備え、インペラに設けたウラバネにより
吸入側から吸引される流体の一部分を水中軸受および固
定軸受の摺接部を介して吐出側に排出させる無漏洩ポン
プの軸受装置において、上記の目的を達成するため、次
のような手段を講じている。
【0010】すなわち、上記固定軸受が水中軸受に対向
する面に形成された1mm以上の深さを有する溝を備え、
上記水中軸受が固定軸受に対向する面に形成された深さ
0.3〜1mmの溝を備えることを特徴とする。また、本発
明の第2の無漏洩ポンプの軸受装置は、無漏洩ポンプの
ポンプ室内に回転不能に設けられたシャフトに回転可能
に外嵌され、インペラに回転不能に内嵌された水中軸受
と、水中軸受とポンプ室の端面との間に挿入され、上記
シャフトに固定される固定軸受とを備え、インペラに設
けたウラバネにより吸入側から吸引される流体の一部分
を水中軸受および固定軸受の摺接部を介して吐出側に排
出させる無漏洩ポンプの軸受装置において、上記の目的
を達成するため、次のような手段を講じている。
【0011】すなわち、上記固定軸受が水中軸受に対向
する面に沈降した固形物を自重落下によりその面から排
出させる溝を備える。本発明の第3の無漏洩ポンプの軸
受装置は、無漏洩ポンプのポンプ室内に回転不能に設け
られたシャフトに、このシャフトに回転可能に外嵌さ
れ、インペラに回転不能に支持された水中軸受を備え、
この水中軸受の内周面に螺旋状の溝を形成した、無漏洩
ポンプの軸受装置において、上記の目的を達成するた
め、上記溝の端部に形成されるエッジ部を切除したこと
を特徴とする。
【0012】
【作用】本発明の第1の無漏洩ポンプの軸受装置におい
ては、水中軸受の固定軸受に対向する面に 0.3mmよりも
深い溝を形成すると、軸受装置に流入する流体の流路が
広くなるので、この溝や軸受装置内の隙間(以下、軸受
隙間という)にスラリーの固形物が詰まり難くなる。
【0013】しかしながら、水中軸受に溝を形成する
と、水中軸受の回転に伴って軸受装置から吐出側に流体
を排出しようとする遠心力が生じ、水中軸受の固定軸受
に対向する面に1mmよりも深い溝を形成すると、軸受装
置内の流体が一方ではウラバネの吸引力によって吐出側
に排出され、他方では、上記の遠心力によって吐出側に
排出され、軸受装置が無潤滑状態になるので好ましくな
い。
【0014】本発明の第2の無漏洩ポンプの軸受装置に
おいては、固定軸受の溝内で沈降するスラリーの固形物
が自重で溝内を落下して固定軸受の水中軸受に対向する
面から排出される。本発明の第3の無漏洩ポンプの軸受
装置においては、螺旋状の溝の端部に形成されるエッジ
部を切除しているので、エッジ部がスラリーに含まれた
固形物との衝突によって欠け難くなる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。図1は、本発明の一実施例の要部の縦断
側面図であり、図2は本発明の一実施例が適用された無
漏洩ポンプの縦断側面図である。この無漏洩ポンプは、
一端が閉じられた筒状のキャン1とその開口端面を覆う
ハウジング2とによって区画されたポンプ室3を有し、
ポンプ室3内にインペラ4を回転可能に収納している。
このインペラ4の外周部には従動磁石5が埋設され、キ
ャン1の外周囲に設けた駆動磁石6を回転させて、駆動
磁石6と従動磁石5との間に作用する磁気吸着力によっ
てインペラ4を回転させるように構成されている。
【0016】インペラ4をポンプ室3内に回転可能に収
納する構造としては、キャン1またはハウジング2もし
くはこれらの両方に軸受装置を介して回転自在に支持さ
せたシャフトにインペラ4を固定する構造を採用しても
よいが、ここでは構成を簡単にするため、ハウジング2
のボス部7およびキャン1に回転不能に支持されたシャ
フト8に軸受装置9を介してインペラ4を回転可能に支
持させている。
【0017】上記軸受装置9は、水中軸受10と、固定軸
受11とを備え、水中軸受10はインペラ4の下部に内嵌さ
れるとともにシャフト8の下部に外嵌され、キー12によ
ってインペラ4に対する回転を禁じられている。また、
固定軸受11は水中軸受10とポンプ室3の底面との間に挿
入され、シャフト8の下端部に外嵌する状態に挿入され
シャフト8のハウジング2に対する回転を禁止するキー
13によってシャフト8およびハウジング2に対する回転
を禁止されている。
【0018】したがって、固定軸受11の上面と、水中軸
受10の下面とが互いに摺接し、また、水中軸受10の内周
面とシャフト8の外周面とが互いに摺接することにな
る。図1に示すように、固定軸受11の上面にはポンプ室
3の吸入側に連通する水平な溝14が形成される。この溝
14の深さd1は1mm以上であることが好ましい。深さが
1mmを下回る場合には、流路抵抗が大きくなり、溝14内
にスラリーの固形物が堆積しやすくなるので好ましくな
い。
【0019】また、この溝14の幅は特に限定されないが
1mm以上であることが好ましく、比重2以上の固形物を
含むスラリーの圧送をするためには3mm以上であること
が好ましい。溝14の幅が1mmを下回る場合には流路抵抗
が大きくなり、溝14内にスラリーの固形物が堆積しやす
くなるので好ましくない。なお、この溝14の条数は特に
限定されず、例えば1〜8条の溝14が設けられる。複数
の溝14が形成される場合には、周方向に均等な間隔を置
いて形成することが好ましい。
【0020】上記水中軸受10の下面にもポンプ室3の吸
入側に連通される溝15が形成される。この溝15の深さd
2は、0.3mm ないし1mmにすることが好ましく、0.3mm
よりも浅い場合には、流路抵抗が大きくなり、スラリー
の固形物がこの溝15や軸受隙間に堆積しやすくなるので
好ましくなく、1mm以上に深くすると、流路抵抗は小さ
くなるが、水中軸受10の回転に伴って軸受装置9内の流
体を吸入側に排出する遠心力が過大になるので好ましく
ない。
【0021】また、この溝15の幅は特に限定されない
が、1mm以上とすることが好ましく、比重2以上の固形
物を含むスラリーの圧送をするためには3mm以上である
ことが好ましい。溝15の幅が1mmを下回る場合には流路
抵抗が大きくなり、溝15内にスラリーの固形物が堆積し
やすくなるので好ましくない。図2に示すように、上記
インペラ4の外周下部にはウラバネ16が形成され、イン
ペラ4の回転に伴ってポンプ室3の吸入側から、シャフ
ト8の中空部17、インペラ4とシャフト8および水中軸
受10との間に形成された流路18を経て、さらにインペラ
4とキャン1との間に形成された流路19を経て流体を吸
入し、吐出側に排出するようにしている。
【0022】上記水中軸受10の内周部には、軸心方向の
全長にわたって延びる流路20が形成され、ポンプ室3の
吸入側から固定軸受11の溝14および水中軸受10の溝15を
経てこの流路20に流体が吸入され、さらに流路18、19を
経てウラバネ16に吸入される。この流路20に作用するウ
ラバネ16の吸引力と水中軸受10の回転によって溝15内の
流体を排出しようとする遠心力とが釣り合うと、流路20
および溝15内に流体はその吸引力と遠心力によって吐出
側と吸入側とに排出され、軸受装置9は無潤滑状態にな
るが、溝15の深さを1mm以下にして、ウラバネ16の吸引
力が遠心力を上回るように遠心力を抑えているので、軸
受隙間が無潤滑状態になるおそれはなくなる。
【0023】そして、溝15の深さを 0.3mm以上にするこ
とにより、溝15の流路抵抗を減少させ、流体が軸受装置
9内を流れやすくしてあるので、溝15や軸受隙間でスラ
リーに含まれた固形物が沈澱して堆積し難くなり、長期
間にわたって軸受装置9の摩耗が防止され、圧送不能や
ポンプの破損が防止される。例えば溝15の深さが 0.1mm
の従来品によれば、粒径5μmの白金を20Wt%含むスラ
リー液を圧送したところ、連続運転時間30分が経過すれ
ば溝15がスラリーで詰まってしまい、3時間経過後には
軸受装置9が約1mm摩耗して、インペラ4を駆動するに
要する動力が駆動磁石6と従動磁石5との間の磁気吸着
力を上回って圧送不能となった。
【0024】これに対して、本実施例によれば、同じ条
件で3000時間連続運転しても溝15へのスラリーの堆積と
軸受装置9の摩耗はほとんど見られず、長時間にわたっ
て安定した圧送ができた。図3は本発明の他の実施例に
係る無漏洩ポンプの潤滑装置に用いる固定軸受の平面図
であり、図4はその断面図である。この固定軸受21は、
水中軸受に対向する上面の内周部22を約1mm程度段落ち
状に凹入させて、潤滑剤としての圧送流体を溜められる
ようにしている。
【0025】また、この固定軸受21の上面には周方向に
120 °置きに水中軸受に対向する面に沈降した固形物を
自重落下によりその面から排出させる3条の溝23が形成
される。水中軸受に対向する面に沈降した固形物を自重
落下によりその面から排出させる溝として、固定軸受21
の外周面から中心方向に凹入し、その軸心方向に走る溝
を形成することも可能であるが、この実施例では、固定
軸受21の強度が局部的に変化する割合を小さくするた
め、径方向外側に向かって次第に深くなる3条の溝23が
形成されている。
【0026】各溝23の底面の傾斜角度は水平に対して15
°〜60°以上とすることが好ましい。各溝23の底面の傾
斜を水平に対して15°よりも小さくすることは、溝23の
底面に沈降した固形物が底面に堆積しやすくなるので好
ましくない。また、各溝23の底面の傾斜を水平に対して
60°よりも大きくすることは、溝23の加工が面倒になる
上、固形物を排出する効果がそれ以上増長されないので
意味がない。
【0027】また、各溝23の深さは内周部22に沈降した
固形物を内周部から排出しやすくするため、最浅部で内
周部22の深さ以上にすることが好ましい。また、その幅
は1mm以上が好ましく、比重2以上の固形物を含むスラ
リーに対しては3mm以上とすることが好ましい。各溝23
の幅を1mmよりも狭くすることは、各溝23の流路抵抗が
大きくなり、溝23内にスラリーの固形物が堆積しやすく
なるので好ましくない。
【0028】この実施例が適用される無漏洩ポンプのそ
の他の構成は上記の一実施例と同様であるのでその説明
は省略する。この実施例においては、固定軸受21の上面
に沈降した固形物が溝23の底面に案内されて、自重で固
定軸受21の上面から排出される。したがって、沈降しや
すい比重の大きい固形物を含むスラリーに対しても、長
期間にわたって固定軸受21への固形物の堆積を防止し
て、長期間にわたって軸受の以上摩耗や圧送不能が発生
することを防止できる。
【0029】実際に、上面に底面が水平な溝を有する固
定軸受を用いる従来の無漏洩ポンプと、本実施例の固定
軸受21を備える無漏洩ポンプとについて、比重4の硼砂
を10Wt%含むスラリーを用いて比較試験を行ったとこ
ろ、従来例では、連続運転開始後4時間で固定軸受と水
中軸受との間が固形物で閉塞され、異常摩耗しているこ
とが観察されたのに対して、本実施例の場合には、連続
運転開始後 500時間経過後でも溝23や固定軸受21と水中
軸受との間には固形物の堆積は全く見られず、良好な運
転状態を保持できることが確認された。
【0030】図5に示す無漏洩ポンプでは、キャン31と
ハウジング32との間に形成されるポンプ室33に収納され
るインペラ34は、吸入管を兼ねるシャフト38に軸受装置
39を介して回転可能に支持され、インペラ34に埋設した
従動磁石35をキャン31の外周囲で回転する駆動磁石36で
磁気吸着させることにより、インペラ34を回転させるよ
うに構成されている。
【0031】上記軸受装置39は、インペラ34に回転不能
に内嵌され、シャフト38に回転可能に外嵌される水中軸
受40を備え、この水中軸受40をキャン31の端壁45に受け
止めさせている。図8に示すように、従来のこの種の水
中軸受101 は、内周面に螺旋状の溝102を有し、この溝1
02 内を流通する圧送流体によって潤滑されるようにし
ている。この螺旋溝102 のエッジ部103 は、鋭角に形成
され、非常に折れやすくなっている。
【0032】これに対して、この実施例の水中軸受40で
は図6に示すように、内周面に形成した螺旋溝41の両端
のエッジ部42を先端から5〜10mm程度切除して、90°よ
りも鋭い鋭角がなくなるようにしている。これにより、
エッジ部42にスラリーに含まれた固形物が衝突してエッ
ジ部42が欠損することが防止され、水中軸受40の破片が
水中軸受40とシャフト38との間に噛み込んで、潤滑液の
流動を妨げたり、水中軸受40を破損させたり、シャフト
38を傷つけたりすることが防止され、潤滑不良や水中軸
受40あるいはシャフト38の損傷によってインペラ34の駆
動に要する力が駆動磁石36の磁気吸着力を上回ることを
長期間にわたって防止することができる。
【0033】なお、この実施例では、図7の断面図に示
すように、螺旋溝41の溝肩部43には半径Rが2mm以上の
R面取りを施して、流体が円滑にシャフト38の表面に供
給されるようにするとともに、溝底隅部44には半径Rが
2mm以上の隅肉を設けて、溝底隅部44に固形物が堆積し
難くなるようにしている。
【0034】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の第1の
無漏洩ポンプの軸受装置によれば、水中軸受の固定軸受
に対向する面に形成される溝の深さを0.3 〜1mmにする
ので、軸受装置内の流路抵抗を小さくして軸受装置内で
の流体の流れを円滑にして軸受装置内に固形物が溜まり
難くするとともに、水中軸受の回転に伴って生じる遠心
力によって軸受装置内の流体がポンプ室の吸入側に排出
されることを防止できるので、軸受装置内に固形物が堆
積することを長期間にわたって防止でき、その結果、軸
受装置の異常摩耗やこれに起因する圧送不能を長期間に
わたって防止することができる。
【0035】また、本発明の第2の無漏洩ポンプの軸受
装置によれば、固定軸受の水中軸受に対向する面に沈降
した固形物を自重によって排出させる溝を設けることに
より、固定軸受の水中軸受に対向する面に固形物が堆積
することを長期間にわたって防止することができ、固形
物の堆積による軸受装置の異常摩耗、この異常摩耗に起
因する圧送不能を長期間にわたって防止できる。
【0036】さらに、本発明の第の無漏洩ポンプの軸受
装置によれば、水中軸受に形成した螺旋状の溝のエッジ
部を切除して90°よりも鋭い鋭角がなくなるようにし、
これにより、スラリーに含まれた固形物によってエッジ
部が破損することを長期間にわたって防止することがで
き、軸受装置の破片によって生じる潤滑不良、異常摩
耗、圧送不能などを長期間にわたって防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部の縦断側面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る根漏洩ポンプの縦断側
面図である。
【図3】本発明の他の実施例の固定軸受の平面図であ
る。
【図4】本発明の他の実施例の固定軸受の縦断側面図で
ある。
【図5】本発明のまた他の実施例の縦断側面図である。
【図6】その水中軸受の縦断側面図である。
【図7】その溝の断面図である。
【図8】従来の水中軸受の縦断側面図である。
【符合の説明】
3…ポンプ室 4…インペラ 8…シャフト 10…水中軸受 11…固定軸受 14, 15…溝 16…ウラバネ 21…固定軸受 22…内周部 23…溝 33…ポンプ室 34…インペラ 38…シャフト 40…水中軸受 41…溝 42…エッジ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無漏洩ポンプのポンプ室内に回転不能に
    設けられたシャフトに回転可能に外嵌され、インペラに
    内嵌された水中軸受と、水中軸受とポンプ室の端面との
    間に挿入され、上記シャフトに固定される固定軸受とを
    備え、インペラに設けたウラバネにより吸入側から吸引
    される流体の一部分を水中軸受および固定軸受の摺接部
    を介して吐出側に排出させる無漏洩ポンプの軸受装置に
    おいて、上記固定軸受が水中軸受に対向する面に形成さ
    れた1mm以上の深さを有する溝を備え、上記水中軸受が
    固定軸受に対向する面に形成された深さ 0.3〜1mmの溝
    を備えることを特徴とする無漏洩ポンプの軸受装置。
  2. 【請求項2】 無漏洩ポンプのポンプ室内に回転不能に
    設けられたシャフトに回転可能に外嵌され、インペラに
    内嵌された水中軸受と、水中軸受とポンプ室の端面との
    間に挿入され、上記シャフトに固定される固定軸受とを
    備え、インペラに設けたウラバネにより吸入側から吸引
    される流体の一部分を水中軸受および固定軸受の摺接部
    を介して吐出側に排出させる無漏洩ポンプの軸受装置に
    おいて、上記固定軸受が水中軸受に対向する面に沈降し
    た固形物を自重落下によりその面から排出させる溝を備
    えることを特徴とする無漏洩ポンプの軸受装置。
  3. 【請求項3】 無漏洩ポンプのポンプ室内に回転不能に
    設けられたシャフトに、このシャフトに回転可能に外嵌
    され、インペラに支持された水中軸受を備え、この水中
    軸受の内周面に螺旋状の溝を形成した、無漏洩ポンプの
    軸受装置において、上記溝の端部に形成されるエッジ部
    を切除したことを特徴とする無漏洩ポンプの軸受装置。
JP18996593A 1993-07-30 1993-07-30 無漏洩ポンプの軸受装置 Pending JPH0742696A (ja)

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JP18996593A JPH0742696A (ja) 1993-07-30 1993-07-30 無漏洩ポンプの軸受装置

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2016104535A1 (ja) * 2014-12-22 2017-09-28 イーグル工業株式会社 すべり軸受及びポンプ

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JPWO2016104535A1 (ja) * 2014-12-22 2017-09-28 イーグル工業株式会社 すべり軸受及びポンプ

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