JPH0741966A - ボイラー水系の腐食防止剤 - Google Patents
ボイラー水系の腐食防止剤Info
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- JPH0741966A JPH0741966A JP18640893A JP18640893A JPH0741966A JP H0741966 A JPH0741966 A JP H0741966A JP 18640893 A JP18640893 A JP 18640893A JP 18640893 A JP18640893 A JP 18640893A JP H0741966 A JPH0741966 A JP H0741966A
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- salt
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、高温域においてもヒドラジンと同
等の優れた酸素除去効果を有し、且つヒドラジンよりも
著しく高い人体に対する安全性を有するボイラー水系の
腐食防止剤を提供することを目的とする。 【構成】 本発明のボイラー水系の腐食防止剤は、カル
バジン酸及びその塩から選ばれる少なくとも1種を有効
成分とするものである。
等の優れた酸素除去効果を有し、且つヒドラジンよりも
著しく高い人体に対する安全性を有するボイラー水系の
腐食防止剤を提供することを目的とする。 【構成】 本発明のボイラー水系の腐食防止剤は、カル
バジン酸及びその塩から選ばれる少なくとも1種を有効
成分とするものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボイラー水系の腐食防
止剤に関する。
止剤に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】ボイラー水系においては、常
時水蒸気が還流する高圧及び高熱下にあるので、該水系
に溶解している酸素(溶存酸素)量が僅かであっても、
給水管などの内壁部に腐食やスケールを発生させる原因
となる。そのため通常は、溶存酸素の大部分を物理的に
除去した後、残りを脱酸素剤の添加により除去してい
る。またボイラー水のpHが酸性側であると腐食などが
促進されるので、通常ボイラー水はpH8.0程度以上
に調整されている。
時水蒸気が還流する高圧及び高熱下にあるので、該水系
に溶解している酸素(溶存酸素)量が僅かであっても、
給水管などの内壁部に腐食やスケールを発生させる原因
となる。そのため通常は、溶存酸素の大部分を物理的に
除去した後、残りを脱酸素剤の添加により除去してい
る。またボイラー水のpHが酸性側であると腐食などが
促進されるので、通常ボイラー水はpH8.0程度以上
に調整されている。
【0003】従来脱酸素剤としては、主にヒドラジンが
使用されている。ヒドラジンは、その優れた還元作用に
よって溶存酸素を除去し、且つボイラー給水管内壁部に
黒色酸化鉄(マグネタイト)保護膜を形成維持させるこ
とができ、しかも有害な残渣を全く発生させることがな
いため、広くボイラー水系の腐食防止剤として使用され
ている。
使用されている。ヒドラジンは、その優れた還元作用に
よって溶存酸素を除去し、且つボイラー給水管内壁部に
黒色酸化鉄(マグネタイト)保護膜を形成維持させるこ
とができ、しかも有害な残渣を全く発生させることがな
いため、広くボイラー水系の腐食防止剤として使用され
ている。
【0004】より詳しくはヒドラジンは、少量の酸素の
存在下において基本的には、 N2 H4 +O2 →N2 +2H2 O と反応し、更に温度や圧力の変化によっては、 2N2 H4 →2NH3 +N2 +H2 及び/又は 3N2 H4 →4NH3 +N2 と反応することもあるが、いずれの場合にも、ボイラー
水系に有害な酸やその他の有害物質を生成することはな
い。また、ヒドラジンはマグネタイト(Fe3 O4 )が
酸化して錆成分であるFe2 O3 が生成するのを妨げる
作用を示す。
存在下において基本的には、 N2 H4 +O2 →N2 +2H2 O と反応し、更に温度や圧力の変化によっては、 2N2 H4 →2NH3 +N2 +H2 及び/又は 3N2 H4 →4NH3 +N2 と反応することもあるが、いずれの場合にも、ボイラー
水系に有害な酸やその他の有害物質を生成することはな
い。また、ヒドラジンはマグネタイト(Fe3 O4 )が
酸化して錆成分であるFe2 O3 が生成するのを妨げる
作用を示す。
【0005】上記の様な優れた効果を有するヒドラジン
であるが、作業者の安全性に対する要求が高まると共
に、ヒドラジンと同等程度の優れた還元性を有し、しか
もより安全性(特に人体に対する安全性)の高い薬剤が
要望され、例えばカルボヒドラジドが提案されている
(特公昭63−63272号公報)。カルボヒドラジド
はヒドラジンよりも安全性の点ではやや優れ、常温域で
はヒドラジンと同等の効果を有するが、高温域ではヒド
ラジンよりも著しく劣っている。この様なカルボヒドラ
ジドの特性は、その大部分が高温下にあるボイラー水系
では性能が劣り、問題になる。
であるが、作業者の安全性に対する要求が高まると共
に、ヒドラジンと同等程度の優れた還元性を有し、しか
もより安全性(特に人体に対する安全性)の高い薬剤が
要望され、例えばカルボヒドラジドが提案されている
(特公昭63−63272号公報)。カルボヒドラジド
はヒドラジンよりも安全性の点ではやや優れ、常温域で
はヒドラジンと同等の効果を有するが、高温域ではヒド
ラジンよりも著しく劣っている。この様なカルボヒドラ
ジドの特性は、その大部分が高温下にあるボイラー水系
では性能が劣り、問題になる。
【0006】また、常に大量の溶存酸素を含む開放循環
冷却水系の添加剤として、ヒドラジン塩が提案されてい
る(特公平4−46640号公報)。開放循環冷却水系
においては、冷却装置で熱を受け取って温まった水を、
冷却塔にて空気と接触させてその一部を蒸発させること
により熱を放出させて冷却し、再び冷却水として使用す
る。ところで該系にて使用する冷却水は主として無機塩
類などを含む水道水や井戸水であり、しかも前記の様に
蒸発を伴うので、冷却水中の塩類は次第に濃縮されて高
濃度となり、スケールやスライムの発生など種々の障害
を引き起こす原因となっていた。この様な障害の発生を
防止するため、従来は水の補給や濃縮水の排出が行われ
ていたが、水資源の節約を目的とし、最近では高濃縮運
転が積極的に行われている。ここで特に問題となるの
が、冷却水の濃縮に伴うpHの上昇(冷却水の強アルカ
リ性化)が前記障害の発生を一層助長することである。
前記公報の技術は、開放循環冷却水系において炭酸ヒド
ラジンなどのヒドラジン塩が酸(pH調整剤)として働
くことを利用し、循環使用により濃縮されて強アルカリ
性化した冷却水に該ヒドラジン塩を加えてpHを5.0
〜7.0程度に調整し、スケールやスライムの発生を防
止するものである。即ち、該公報の技術は、ボイラー水
系とは全く異なった因子が要求される開放循環冷却水系
において、ボイラー水系では要求されない目的でヒドラ
ジン塩が使用されているに過ぎない。
冷却水系の添加剤として、ヒドラジン塩が提案されてい
る(特公平4−46640号公報)。開放循環冷却水系
においては、冷却装置で熱を受け取って温まった水を、
冷却塔にて空気と接触させてその一部を蒸発させること
により熱を放出させて冷却し、再び冷却水として使用す
る。ところで該系にて使用する冷却水は主として無機塩
類などを含む水道水や井戸水であり、しかも前記の様に
蒸発を伴うので、冷却水中の塩類は次第に濃縮されて高
濃度となり、スケールやスライムの発生など種々の障害
を引き起こす原因となっていた。この様な障害の発生を
防止するため、従来は水の補給や濃縮水の排出が行われ
ていたが、水資源の節約を目的とし、最近では高濃縮運
転が積極的に行われている。ここで特に問題となるの
が、冷却水の濃縮に伴うpHの上昇(冷却水の強アルカ
リ性化)が前記障害の発生を一層助長することである。
前記公報の技術は、開放循環冷却水系において炭酸ヒド
ラジンなどのヒドラジン塩が酸(pH調整剤)として働
くことを利用し、循環使用により濃縮されて強アルカリ
性化した冷却水に該ヒドラジン塩を加えてpHを5.0
〜7.0程度に調整し、スケールやスライムの発生を防
止するものである。即ち、該公報の技術は、ボイラー水
系とは全く異なった因子が要求される開放循環冷却水系
において、ボイラー水系では要求されない目的でヒドラ
ジン塩が使用されているに過ぎない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記従来技術
の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のヒド
ラジン誘導体であるカルバジン酸及びその塩が、高温域
においてもヒドラジンと同等の優れた酸素除去効果を有
し、且つヒドラジンよりも著しく高い人体に対する安全
性を有することを見い出し、ここに本発明を完成するに
至った。
の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のヒド
ラジン誘導体であるカルバジン酸及びその塩が、高温域
においてもヒドラジンと同等の優れた酸素除去効果を有
し、且つヒドラジンよりも著しく高い人体に対する安全
性を有することを見い出し、ここに本発明を完成するに
至った。
【0008】即ち本発明は、カルバジン酸及びその塩か
ら選ばれる少なくとも1種を有効成分とするボイラー水
系の腐食防止剤に係る。
ら選ばれる少なくとも1種を有効成分とするボイラー水
系の腐食防止剤に係る。
【0009】本発明のボイラー水系の腐食防止剤におい
て、有効成分として使用するカルバジン酸は、式NH2
NHCOOHで表わされる公知化合物である。またカル
バジン酸の塩としては公知のものが使用でき、例えば、
ヒドラジン塩(CH4 N2 O2 ・N2 H4 )、ナトリウ
ムなどのアルカリ金属塩、モノエタノールアミン、イソ
プロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロ
パノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノ
ールアミン塩、メチルアミン、エチルアミン、イソプロ
ピルアミン、n−ブチルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、モルホリン、1,8−ジアザビシクロウンデセン
(DBU)などのアミン塩などを挙げることができ、こ
れらの少なくとも1種を使用できる。なお本発明者の検
討の結果、従来から慣用的に言われている炭酸ヒドラジ
ン〔(N2 H4 )2 CO2 〕が、カルバジン酸のヒドラ
ジン塩であることが判明している。
て、有効成分として使用するカルバジン酸は、式NH2
NHCOOHで表わされる公知化合物である。またカル
バジン酸の塩としては公知のものが使用でき、例えば、
ヒドラジン塩(CH4 N2 O2 ・N2 H4 )、ナトリウ
ムなどのアルカリ金属塩、モノエタノールアミン、イソ
プロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロ
パノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノ
ールアミン塩、メチルアミン、エチルアミン、イソプロ
ピルアミン、n−ブチルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、モルホリン、1,8−ジアザビシクロウンデセン
(DBU)などのアミン塩などを挙げることができ、こ
れらの少なくとも1種を使用できる。なお本発明者の検
討の結果、従来から慣用的に言われている炭酸ヒドラジ
ン〔(N2 H4 )2 CO2 〕が、カルバジン酸のヒドラ
ジン塩であることが判明している。
【0010】本発明のボイラー水系の腐食防止剤(以下
単に「腐食防止剤」という)は、ボイラー水系のpHに
関係なくその効果を発揮し得るが、通常pH7〜14程
度、好ましくはpH8〜11程度のボイラー水系に用い
るのがよい。
単に「腐食防止剤」という)は、ボイラー水系のpHに
関係なくその効果を発揮し得るが、通常pH7〜14程
度、好ましくはpH8〜11程度のボイラー水系に用い
るのがよい。
【0011】本発明の腐食防止剤を用いてその効果を発
揮させるには、該腐食防止剤をボイラー水系に添加すれ
ばよい。添加方法は特に制限されず公知の方法が採用で
き、例えば、間欠的に投入する方法(具体的には数時間
〜数十時間毎に投入する方法)、一定量を連続的に投入
する方法などを挙げることができる。一定量を連続的に
投入する場合には、後記する本発明腐食防止剤の通常の
使用濃度よりかなり低い濃度でも、充分その効果を発揮
し得る。
揮させるには、該腐食防止剤をボイラー水系に添加すれ
ばよい。添加方法は特に制限されず公知の方法が採用で
き、例えば、間欠的に投入する方法(具体的には数時間
〜数十時間毎に投入する方法)、一定量を連続的に投入
する方法などを挙げることができる。一定量を連続的に
投入する場合には、後記する本発明腐食防止剤の通常の
使用濃度よりかなり低い濃度でも、充分その効果を発揮
し得る。
【0012】本発明腐食防止剤のボイラー水系における
使用濃度は特に制限されず広い範囲から適宜選択できる
が、経済性などを考慮すると、通常除去すべき溶存酸素
濃度の当量以上とするのがよい。
使用濃度は特に制限されず広い範囲から適宜選択できる
が、経済性などを考慮すると、通常除去すべき溶存酸素
濃度の当量以上とするのがよい。
【0013】本発明の腐食防止剤には、該剤と溶存酸素
とによる酸化還元反応を更に促進するために、公知の添
加剤、例えばキノン類や金属塩を添加してもよい。
とによる酸化還元反応を更に促進するために、公知の添
加剤、例えばキノン類や金属塩を添加してもよい。
【0014】キノン類の具体例としては、例えば、p−
ベンゾキノン、2−メチル−p−ベンゾキノン、ジメチ
ル−メチル−p−ベンゾキノン、2−フェニル−p−ベ
ンゾキノン、2−クロロ−p−ベンゾキノン、ハイドロ
キノン、2−フェニル−フェニルハイドロキノン、2−
メチル−ハイドロキノン、ジメチルベンゾハイドロキノ
ン、2−クロロ−ハイドロキノンなどを挙げることがで
きる。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して使
用できる。この様なキノン類の添加量は特に制限はな
く、溶存酸素濃度などに応じて適宜選択すればよいが、
通常カルバジン酸及びその塩から選ばれる少なくとも1
種とキノン類との重量比を、通常10〜10000:1
程度、好ましくは100〜1000:1程度とするのが
よい。
ベンゾキノン、2−メチル−p−ベンゾキノン、ジメチ
ル−メチル−p−ベンゾキノン、2−フェニル−p−ベ
ンゾキノン、2−クロロ−p−ベンゾキノン、ハイドロ
キノン、2−フェニル−フェニルハイドロキノン、2−
メチル−ハイドロキノン、ジメチルベンゾハイドロキノ
ン、2−クロロ−ハイドロキノンなどを挙げることがで
きる。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して使
用できる。この様なキノン類の添加量は特に制限はな
く、溶存酸素濃度などに応じて適宜選択すればよいが、
通常カルバジン酸及びその塩から選ばれる少なくとも1
種とキノン類との重量比を、通常10〜10000:1
程度、好ましくは100〜1000:1程度とするのが
よい。
【0015】金属塩としてはこの分野に常用される公知
のものが使用でき、例えば、コバルト、銅、マンガン、
鉄などの有機酸塩、無機酸塩、錯塩などを挙げることが
できる。より具体的には、下記(イ)〜(ニ)のものを
例示できる。
のものが使用でき、例えば、コバルト、銅、マンガン、
鉄などの有機酸塩、無機酸塩、錯塩などを挙げることが
できる。より具体的には、下記(イ)〜(ニ)のものを
例示できる。
【0016】(イ)コバルト塩 塩化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト、酢酸コバ
ルト、塩化コバルトアンモニウム、コバルトEDTA錯
塩、コバルトアセチルアセトネートなど。この場合コバ
ルトは2価又は3価のいずれでもよい。
ルト、塩化コバルトアンモニウム、コバルトEDTA錯
塩、コバルトアセチルアセトネートなど。この場合コバ
ルトは2価又は3価のいずれでもよい。
【0017】(ロ)銅塩 塩化銅、硝酸銅、硫酸銅、酢酸銅、銅アンモニア錯塩、
銅EDTA錯塩、銅アセチルアセトネートなど。銅は1
価又は2価のいずれでもよい。
銅EDTA錯塩、銅アセチルアセトネートなど。銅は1
価又は2価のいずれでもよい。
【0018】(ハ)マンガン塩 塩化マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン、酢酸マン
ガン、マンガンEDTA錯塩、マンガンアセチルアセト
ネートなど。マンガンは2価又は3価のいずれでもよ
い。
ガン、マンガンEDTA錯塩、マンガンアセチルアセト
ネートなど。マンガンは2価又は3価のいずれでもよ
い。
【0019】(ニ)鉄塩 塩化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、酢酸鉄、鉄EDTA錯塩、鉄
アセチルアセトネートなど。鉄は2価又は3価のいずれ
でもよい。
アセチルアセトネートなど。鉄は2価又は3価のいずれ
でもよい。
【0020】上記金属塩は、1種を単独で使用でき、又
は同種金属もしくは異種金属の2種以上を併用できる。
金属塩の添加量も特に制限はなく、溶存酸素濃度などに
応じて適宜選択すればよいが、通常カルバジン酸及びそ
の塩から選ばれる少なくとも1種と金属塩(金属換算重
量)との重量比を、通常10〜10000:1程度、好
ましくは100〜1000:1程度とするのがよい。
は同種金属もしくは異種金属の2種以上を併用できる。
金属塩の添加量も特に制限はなく、溶存酸素濃度などに
応じて適宜選択すればよいが、通常カルバジン酸及びそ
の塩から選ばれる少なくとも1種と金属塩(金属換算重
量)との重量比を、通常10〜10000:1程度、好
ましくは100〜1000:1程度とするのがよい。
【0021】
【発明の効果】本発明のカルバジン酸及びその塩から選
ばれる少なくとも1種を有効成分とする腐食防止剤は、
以下の様な優れた効果を達成できる。
ばれる少なくとも1種を有効成分とする腐食防止剤は、
以下の様な優れた効果を達成できる。
【0022】(1)ヒドラジンと同等の優れた酸素除去
効果を有する。
効果を有する。
【0023】(2)ヒドラジンよりも著しく高い人体に
対する安全性を有する。特に経口、経皮、吸入毒性で問
題となる急性毒性が著しく低い。
対する安全性を有する。特に経口、経皮、吸入毒性で問
題となる急性毒性が著しく低い。
【0024】(3)その水溶液がアルカリ性であるため
ボイラー給水管を腐食させることがなく、ヒドラジン分
が消費されてアンモニア、窒素ガス、水素ガスなどが生
成すると共に極微量の無害な炭酸ガスが残るだけなので
有害な残渣を発生させることがない。
ボイラー給水管を腐食させることがなく、ヒドラジン分
が消費されてアンモニア、窒素ガス、水素ガスなどが生
成すると共に極微量の無害な炭酸ガスが残るだけなので
有害な残渣を発生させることがない。
【0025】(4)熱に対する安定性が高いので、特に
高温負荷がかかるボイラー水系において有用である。
高温負荷がかかるボイラー水系において有用である。
【0026】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を一
層明瞭なものとする。
層明瞭なものとする。
【0027】実施例1〜6 均一に攪拌できるマグネチックスターラー及び溶存酸素
計(東芝ベックマン社製)を備えた、主管高さ250m
m、内容量750mlのガラス製容器に、水酸化ナトリ
ウム−リン酸第1ナトリウムでpH10に調整した水
(溶存酸素量:8.0ppm)を加え、40℃又は80
℃に保ちながら攪拌した。これに脱酸剤を、下記表1に
示す初期濃度(ppm、ヒドラジン換算100ppm)
となるように加え、溶存酸素量の経時変化を求めた。
計(東芝ベックマン社製)を備えた、主管高さ250m
m、内容量750mlのガラス製容器に、水酸化ナトリ
ウム−リン酸第1ナトリウムでpH10に調整した水
(溶存酸素量:8.0ppm)を加え、40℃又は80
℃に保ちながら攪拌した。これに脱酸剤を、下記表1に
示す初期濃度(ppm、ヒドラジン換算100ppm)
となるように加え、溶存酸素量の経時変化を求めた。
【0028】
【表1】
【0029】結果を図1及び図2に示す。
【0030】比較例1〜6 使用する脱酸剤の種類及び初期濃度(ppm、ヒドラジ
ン換算100ppm)を下記表2の記載の通り変更する
以外は、上記実施例と同様にして、溶存酸素量の経時変
化を求めた。
ン換算100ppm)を下記表2の記載の通り変更する
以外は、上記実施例と同様にして、溶存酸素量の経時変
化を求めた。
【0031】
【表2】
【0032】結果を図3及び図4に示す。
【0033】図1〜図4から、以下の結論が得られる。
【0034】(a)本発明の腐食防止剤は、水温及び触
媒添加の有無に関係なく、ヒドラジンと同等又はそれ以
上の溶存酸素除去能力を有する。
媒添加の有無に関係なく、ヒドラジンと同等又はそれ以
上の溶存酸素除去能力を有する。
【0035】(b)本発明の腐食防止剤、特にカルバジ
ン酸を有効成分とする腐食防止剤は、40℃ではカルボ
ヒドラジドと同程度であるが、ボイラー水系の実際の温
度に近い80℃ではカルボヒドラジドよりも著しく優れ
た酸素除去能力を有する。
ン酸を有効成分とする腐食防止剤は、40℃ではカルボ
ヒドラジドと同程度であるが、ボイラー水系の実際の温
度に近い80℃ではカルボヒドラジドよりも著しく優れ
た酸素除去能力を有する。
【0036】(c)本発明の腐食防止剤は、カルボヒド
ラジドに比べ、触媒の添加により発揮される相乗効果が
大きい。
ラジドに比べ、触媒の添加により発揮される相乗効果が
大きい。
【図1】実施例1〜3における溶存酸素濃度(ppm)
と時間(分)との関係を示す図面である。
と時間(分)との関係を示す図面である。
【図2】実施例4〜6における溶存酸素濃度(ppm)
と時間(分)との関係を示す図面である。
と時間(分)との関係を示す図面である。
【図3】比較例1〜3における溶存酸素濃度(ppm)
と時間(分)との関係を示す図面である。
と時間(分)との関係を示す図面である。
【図4】比較例4〜6における溶存酸素濃度(ppm)
と時間(分)との関係を示す図面である。
と時間(分)との関係を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 宏康 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島工場内 (72)発明者 岡 昭範 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島工場内
Claims (2)
- 【請求項1】 カルバジン酸及びその塩から選ばれる少
なくとも1種を有効成分とするボイラー水系の腐食防止
剤。 - 【請求項2】 更に金属塩及びキノン類の少なくとも1
種を含有する請求項1記載の腐食防止剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5186408A JP3025933B2 (ja) | 1993-07-28 | 1993-07-28 | ボイラー水系の腐食防止剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5186408A JP3025933B2 (ja) | 1993-07-28 | 1993-07-28 | ボイラー水系の腐食防止剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0741966A true JPH0741966A (ja) | 1995-02-10 |
JP3025933B2 JP3025933B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=16187898
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5186408A Expired - Lifetime JP3025933B2 (ja) | 1993-07-28 | 1993-07-28 | ボイラー水系の腐食防止剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3025933B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100353160C (zh) * | 2005-09-22 | 2007-12-05 | 上海宝钢设备检修有限公司 | 联氨分析仪加药方法 |
CN114592195A (zh) * | 2022-03-15 | 2022-06-07 | 苏州热工研究院有限公司 | 一种核电站湿保养用组合物及核电站湿保养方法 |
CN115448473A (zh) * | 2022-08-29 | 2022-12-09 | 常熟金陵海虞热电有限公司 | 一种用于热电厂循环冷却水的阻垢剂及其制备方法 |
-
1993
- 1993-07-28 JP JP5186408A patent/JP3025933B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114592195A (zh) * | 2022-03-15 | 2022-06-07 | 苏州热工研究院有限公司 | 一种核电站湿保养用组合物及核电站湿保养方法 |
CN114592195B (zh) * | 2022-03-15 | 2023-09-01 | 苏州热工研究院有限公司 | 一种核电站湿保养用组合物及核电站湿保养方法 |
CN115448473A (zh) * | 2022-08-29 | 2022-12-09 | 常熟金陵海虞热电有限公司 | 一种用于热电厂循环冷却水的阻垢剂及其制备方法 |
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