JPH073979U - ステープルの打ち込み工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】スライドガイド４に摺動自在に配置されたステ
ープルマガジン７とスライダ６との間に連結杆２１と弾
発バネ２０とを介装し、スライダ６とステープルマガジ
ン７とを弾発バネ２０によって連結杆２１により決めら
れた一定の間隔を保持するように付勢し、スライドガイ
ド４側の固定ハンドル８と可動ハンドル９の中途部とス
ライダ６との間にトグルリンク２４を設けてトグルリン
ク機構ａを構成した。 【効果】トグル機構により手動の操作によっても強力な
打ち込み駆動力が得られる。また、スライダ６の駆動に
より弾発バネ２０を介してステープルマガジン７が被止
着物２５をクリンチャ２とで狭持した後でステープル１
６が打ち出されるので、打ち込み初期段階で止着物が動
かず、確実に止着することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

一般に、比較的薄い金属板同士や金属薄板と木板材とをステープル止めさせる ための打ち込み工具が知られている。この工具は大きな駆動力を必要とするため 圧縮空気又は電力を動力源として使用しているため空気システムや電力配線の設 備がない場所での作業が行うことはできない。また、駆動源として大きなピスト ン・シリンダ機構や比較的大きい電動モータが使用されるため、工具全体の重量 が嵩んで作業性を損じるという問題もある。

【０００２】

【考案の目的】

本考案は上記欠点を解消し、圧縮空気や電力等の動力源を必要とせずに、人力 のみによって薄い金属板等へのステープル止めができるステープル打ち込み工具 を提供することをその目的とする。

【０００３】

【目的を達成するための手段】

上記目的を達成するため、本考案に係るステープル打ち込み工具は、Ｃ字状に 形成したジョーの一端側にクリンチャを、他端側には上記クリンチャに向き合い に形成されたステープル打ち出し路を有しかつ該ステープル打ち出し路にステー プルを供給するステープルマガジンと上記ステープル打ち出し路に沿って摺動す るドライバを一体に固定したスライダとをそれぞれ摺動自在に配置したスライド ガイドを形成し、 上記ステープルマガジンとスライダとの間に連結杆と弾発バネとを介装し、上 記スライダとステープルマガジンとを上記弾発バネによって上記連結杆により決 められた一定の間隔を保持するように付勢するとともに、 上記スライドガイドにはステープルの打ち込み方向とは逆側に固定ハンドルを 延設するとともに、上記ジョーの一部に一端側を枢支させた可動ハンドルを設け 、該可動ハンドルの中途部と上記スライダとの間にトグルリンクを設けてトグル リンク機構を構成したことを特徴とする。

【０００４】

【作用】

上記構成のステープルの打ち込み工具の使用態様について説明すると、まずス テープルマガジン内の先頭のステープルをステープル打ち込み路に供給しておく 。そして、ジョーのクリンチャとステープルマガジンとの間に被止着物を配置し 、可動ハンドルを固定ハンドル側に回動させると、トグルリンク機構が作動して スライダが摺動する。スライダが摺動すると、弾発バネを介してステープルマガ ジンも上記ガイド溝に沿って摺動し、その先端は被止着物に当たり、被止着物は ステープルマガジンとクリンチャとの間に挟持される。さらにスライダを摺動さ せると、弾発バネを圧しながら被止着物を一定圧力で挟持しながらドライバがス テープルを打ち出し、ステープル脚は被止着物中を貫通した後にクリンチャによ って折り曲げられて作業が完了する。

【０００５】

【実施例】

図１及び図２はステープルの打ち込み工具の側面図と底面図である。この打ち 込み工具は、Ｃ字状に形成したジョー１の一端側にクリンチャ２を、他端側にス ライドガイド４を形成し、スライドガイド４にはドライバ５（図３参照）を有す るスライダ６とステープルマガジン７とを摺動自在に配置するとともに、スライ ドガイド４から延設した固定ハンドル８とジョー１に枢着した可動ハンドル９と の間にトグルリンク機構ａを構成し、可動ハンドル９を押し操作することにより 、上記スライダ６とともにドライバ５を駆動してステープルマガジン７内のステ ープル打ち出し路に供給されたステープルをクリンチャ２に向けて打ち出し、被 止着物２５をステープル止めするものである。

【０００６】 クリンチャ２はジョー１の一端に形成されたクリンチャホルダ１０に形成され 、先端部にはクリンチャ溝１１が形成されている。

【０００７】 スライドガイド４には連続したガイド溝１２が形成され、このガイド溝１２に はステープルマガジン７とスライダ６とが摺動自在に配置されている。

【０００８】 図３〜図５に示されるように、ステープルマガジン７にはステープル打ち出し 路３が形成されている。ステープル打ち出し路３の開口端部は上記クリンチャ２ に向き合うように形成されている。また、ステープル打ち出し路３にはステープ ルマガジン７とステープル脚規制部材１３の摺動路１４とが開口形成されている 。ステープルマガジン７はスライドガイド４の側方に突設され、内部にはステー プル供給路１５が形成されているとともに、収容されたステープル１６を打ち出 し路３に供給するようにバネ付勢するプッシャ１７が配置されている。また、ス テープル脚規制部材１３の摺動路１４はステープル供給路１５の打ち出し端部側 にこれと平行に配置され、図４、図５に示すように、ステープル供給路１５より も両側のステープル脚分だけ狭く形成されている。ステープル脚規制部材１３の 打ち出し路３に面する部位には傾斜面１３ａが形成され、その背面には圧縮バネ １８が配置されている。このため、ステープル脚規制部材１３は圧縮バネ１８に よって常時、上記傾斜面１３ａの基端部がステープル打ち出し路３から退避し、 先端部はステープル打ち出し路３に進入し、ステープル脚規制部材１３の両側面 １３ｂの一部はステープル打ち出し路３内にあるステープル脚１６ａの内側を塞 ぐように付勢されている。

【０００９】 スライダ６にはドライバ５が一体に固定され、ドライバ５は上記ステープル打 ち出し路３に連続するドライバガイド通路１９に摺動自在に収容されている。

【００１０】 スライダ６の先端から側方に突出した突片６ａとステープルマガジン７との間 には、弾発バネ２０を嵌装した連結杆２１が介装されている。連結杆２１の一端 はステープルマガジン７に固定され、他端は上記突片６ａに摺動自在に貫通し、 この端部には膨突部２１ａが形成されている。これにより、上記スライダ６とス テープルマガジン７とは上記弾発バネ２０によって上記連結杆２１により決めら れた一定の間隔を保持するように付勢されている。

【００１１】 次に、スライドガイド４には図１、図２に示すように、ステープル１６の打ち 込み方向とは逆側に固定ハンドル８が延設されている。２２はグリップである。 これに対し、ジョー１の一部には一端側を枢支させた可動ハンドル９が設けられ ている。可動ハンドル９はハンドル本体９ａとハンドルリンク９ｂとから構成さ れている。２３はグリップである。さらに、可動ハンドル９の中途部とスライダ ６との間にはトグルリンク２４が設けられ、これらによってトグルリンク機構ａ が構成されている。

【００１２】 上記構成のステープル１６の打ち込み工具の使用態様について説明すると、ま ずステープルマガジン７内の先頭のステープル１６を図３のようにステープル打 ち出し路３に供給しておく。そして、ジョー１のクリンチャ２とステープルマガ ジン７との間に被止着物２５の打ち込み部を配置し、可動ハンドル９と固定ハン ドル８を手で掴み、可動ハンドル９を固定ハンドル８側に回動させると、トグル リンク機構ａが作動してスライダ６がガイド溝１２に沿って摺動する。スライダ ６が摺動すると、弾発バネ２０を介してステープルマガジン７も上記ガイド溝１ ２に沿って摺動し、その先端は図４に点線で示すように被止着物２５に当たり、 被止着物２５はステープルマガジン７とクリンチャ２との間に挟持される。さら にスライダ６を摺動させると、ドライバ５がドライバガイド通路１９を摺動して ステープル打ち出し路３内のステープル１６を打ち出し、ステープル脚１６ａは 開口部から被止着物２５中に打ち出される。ところで、ステープル打ち込み通路 の開口側にはステープル脚規制部材１３の両側面１３ｂの一部はステープル打ち 出し路３内のステープル脚１６ａの内側を塞いでいる。ステープル脚１６ａは三 方をステープル打ち出し路３の壁に囲まれ、残りの一方をステープル脚規制部材 １３の側面によって支持されている（図４、図５参照）から、座屈することなし に被止着物２５中に打ち込まれ、貫通した後にクリンチャ２によって折り曲げら れて作業が完了する。なお、ステープル１６の摺動時にステープル１６の背部が ステープル脚規制部材１３の傾斜面１３ａに当たると、圧縮バネ１８に抗して後 退してステープル１６の打ち出しが許容される。

【００１３】 その後、両ハンドルに対する力を解除して可動ハンドル９を元の位置に戻すと 、スライダ６が復帰移動するとともに弾発バネ２０のバネ力と連結杆２１の間隔 保持機能によりステープルマガジン７も復帰移動する。

【００１４】

【効果】

上述のように、上記打ち込み工具によれば、固定ハンドルと可動ハンドルの操 作に基づいて、トグル機構によりスライダを駆動させてスライダと一体にドライ バによりステープルを打ち出すようにしたために、手動の操作によっても強力な 打ち込み駆動力が得られる。

【００１５】 また、スライダの駆動により弾発バネを介してステープルマガジンが被止着物 をクリンチャとの間で狭持した後でステープルが打ち出されるので、打ち込みの 初期の段階で止着物が動いてしまうことがなく、確実に止着することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るステープルの打ち込み工具の側面
図

【図２】上記打ち込み工具の底面図

【図３】上記打ち込み工具の要部の断面図

【図４】図３のＸーＸ線上の断面図

【図５】図３のＹーＹ線上の断面図

【符号の説明】

ａ トグルリンク機構 １ ジョー ２ クリンチャ ３ ステープル打ち出し路 ４ ドライバ ６ スライダ ７ ステープルマガジン １６ ステープル ２０ 弾発バネ ２１ 連結杆 ２４ トグルリンク ２５ 被止着物

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｃ字状に形成したジョーの一端側にクリ
   ンチャを、他端側には上記クリンチャに向き合いに形成
   されたステープル打ち出し路を有しかつ該ステープル打
   ち出し路にステープルを供給するステープルマガジンと
   上記ステープル打ち出し路に沿って摺動するドライバを
   一体に固定したスライダとをそれぞれ摺動自在に配置し
   たスライドガイドを形成し、 上記ステープルマガジンとスライダとの間に連結杆と弾
   発バネとを介装し、上記スライダとステープルマガジン
   とを上記弾発バネによって上記連結杆により決められた
   一定の間隔を保持するように付勢するとともに、 上記スライドガイドにはステープルの打ち込み方向とは
   逆側に固定ハンドルを延設するとともに、上記ジョーの
   一部に一端側を枢支させた可動ハンドルを設け、該可動
   ハンドルの中途部と上記スライダとの間にトグルリンク
   を設けてトグルリンク機構を構成したことを特徴とする
   ステープルの打ち込み工具。