JPH0738942Y2 - 磁気ディスプレイ装置の消去装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、磁気ディスプレイ装
置の消去装置に関し、さらに詳しくは、平面的に配置さ
れた多数のマイクロカプセル内などで、例えば、油状液
体中に封入した光吸収性強磁性粉，および光反射性非磁
性微粉を表面側と裏面側とに選択的に区分移動させるこ
とにより、表面側からの入射光を吸収，または反射させ
て、これらの選択されたマイクロカプセル内の光吸収性
強磁性粉と、選択されないマイクロカプセル内の光反射
性非磁性微粉との相互間に明暗のコントラスト像を表示
させるようにした磁気ディスプレイ装置において、当該
表示を消去させるための消去装置の改良に係るものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来から、この種の磁気ディスプレイ装
置としては、図７に示されているように、光吸収性強磁
性粉３と光反射性非磁性微粉４とを油状液体中に懸濁状
態で封入したマイクロカプセル２を用い、当該マイクロ
カプセル２の多数個を平面的に密集させた態様で非磁性
基板６面に塗布して表示層５を形成させ、かつ当該表示
層５の表面に外部への表示可能な磁気透過性のある保護
膜，例えば、透明保護膜７を被覆させてなる磁気ディス
プレイシート１と、前記個々のマイクロカプセル２内で
の光吸収性強磁性粉３を磁性片１２によって表面側へ選
択的に磁気吸引移動させることで、光反射性非磁性微粉
４を相対的に裏面側へ沈降区分させ、当該磁気吸引移動
される光吸収性強磁性粉３により、表面の透明保護膜７
側に所要の表示を行なわせる先端磁性片１２付きの磁気
ペン１１，およびこれとは逆に表示層５の表面側へ磁気
吸引移動されている光吸収性強磁性粉３を裏面側へ全体
的に磁気吸引移動させることで、光反射性非磁性微粉４
を相対的に表面側へ浮上区分させて透明保護膜７側の表
示を消去する全面着磁の消去プレート２１とのそれぞれ
による構成が知られており、前記磁気ディスプレイシー
ト１と、これに非磁性基板６を介して裏面側で接する消
去プレート２１との何れか一方を、他方に対して相対的
に摺動移動可能にさせてある。

【０００３】しかして、上記構成による従来の磁気ディ
スプレイ装置の場合、磁気ディスプレイシート１に対し
て、非磁性基板６を介して裏面側で接する消去プレート
２１を摺動させ、表示層５，ひいては、透明保護膜７側
での表示を全面的に消去させると共に、当該磁気ディス
プレイシート１の表示範囲外に消去プレート２１を保持
させた状態においては、各マイクロカプセル２内の光吸
収性強磁性粉３が表示層５の裏面側へ沈降され、かつこ
れに代えて光反射性非磁性微粉４が相対的に表面側へ浮
上して区分され、透明保護膜７への外部からの入射光
は、磁気ディスプレイシート１上における表面側へそれ
ぞれに浮上された光反射性非磁性微粉４により全反射さ
れて表示がなされないことゝなる。

【０００４】また、前記透明保護膜７側での磁気ディス
プレイシート１上における表示を全面的に消去した状態
で、磁気ペン１１を使用し、その先端部の磁性片１２に
よって、当該透明保護膜７の表面上に所望の文字，図形
などを描くことにより、当該磁性片１２が間接的に接す
る表示層５の部分，つまり、選択された部分での各マイ
クロカプセル２内では、光吸収性強磁性粉３が、この磁
性片１２の磁力により磁気吸引されて表示層５の表面側
へ移動され、かつ相対的に光反射性非磁性微粉４が裏面
側へ沈降されるために、透明保護膜７側にあっては、外
部からの入射光が表示層５の表面側に選択浮上された各
光吸収性強磁性粉３においてのみ吸収され、選択されず
に浮上されたまゝの各光反射性非磁性微粉４では反射さ
れ、これによって、描かれた所望の文字，図形などが、
明暗のコントラスト像として表示される。

【０００５】さらに、前記透明保護膜７側での磁気ディ
スプレイシート１上における表面側へ浮上させた光吸収
性強磁性粉３による表示がなされた状態で、当該磁気デ
ィスプレイシート１の全面に対して消去プレート２１を
摺動移動させることにより、表示層５のすべての各マイ
クロカプセル２内では、前記とは逆に、消去プレート２
１の磁力により、光吸収性強磁性粉３が磁気吸引されて
表示層５の裏面側へ全面的に移動され、かつ相対的に光
反射性非磁性微粉４が表面側へ全面的に浮上されるため
に、透明保護膜７側にあっては、外部からの入射光が浮
上された光反射性非磁性微粉４により全反射され、これ
により、すべての表示が消去されるものであった。

【０００６】また，前記消去プレート２１は、通常の場
合，フェライト粉末を練り込んだ板状ゴムに着磁させた
ものを用いており、磁気ディスプレイシート１上の表示
を効果的に消去させるためには、縞状に交互に着磁され
るＮ極列とＳ極列との複数条が必要とされ、これによっ
て、当該消去プレート２１自体を摺動方向に相応の長さ
で形成させていた。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成による従来の磁気ディスプレイ装置の場合には、磁気
ディスプレイシート１の非磁性基板６が透磁性を高める
ために可及的に薄く形成させるのが不可欠であり、ま
た、この非磁性基板６に対しては、消去プレート２１を
直接，接触させて、これらの両者を使用の度毎に相対的
に摺動移動させるようにし、さらに、表示に際しては、
消去プレート２１を磁気ディスプレイシート１の表示範
囲外に保持させなければならないなどの条件を満す必要
があることから、一方では、比較的頻繁になされる摺動
移動時の摩擦抵抗のために、非磁性基板６が傷付けられ
易く、かつ皺などを生ずることもあって表示層５のマイ
クロカプセル２が破壊される惧れを有し、また他方で
は、消去プレート２１の摺動方向長さが比較的長くされ
るために、磁気ディスプレイシート１の表示範囲外に、
この消去プレート２１を受け入れる相応のスペースを確
保しなければならず外形的に大きくなり、この結果，外
観デザイン的に制約を受け、同時に、構造的にも複雑化
するなどの好ましくない問題点がある。

【０００８】この考案は、このような従来の問題点を解
消するためになされたもので、その目的とするところ
は、磁気ディスプレイシートにおける裏面側の非磁性基
板を傷付ける惧れがなく、併せて、表示範囲外の大きさ
を可及的に小さくさせて、外観デザイン上の自由度を増
し得るようにしたところの、この種の磁気ディスプレイ
装置の消去装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この考案に係る磁気ディスプレイ装置の消去装置
は、磁気ディスプレイシートの非磁性基板に裏面側から
接することでシート上の表示を消去させるための手段と
して、外周面に着磁した消去ロールを用いるようにして
いる。

【００１０】すなわち、この考案は、光吸収性強磁性粉
と光反射性非磁性微粉とを油状液体中に懸濁状態で封入
したマイクロカプセルを用い、当該マイクロカプセルの
多数個を非磁性基板面に塗布して表示層とし、かつ表面
を外部への表示可能な保護膜で被覆して一体的に形成さ
せた磁気ディスプレイシートと、前記各マイクロカプセ
ル内の光吸収性強磁性粉を磁性片によって表示層の表面
側へ選択的に磁気吸引移動させ、かつ相対的に光反射性
非磁性微粉を裏面側へ沈降区分させて所要の表示を行な
わせ得るようにした磁気ペンと、前記非磁性基板面に裏
面側から接して配置され、前記表示層の表面側での光吸
収性強磁性粉を裏面側へ全体的に磁気吸引移動させ、か
つ相対的に光反射性非磁性微粉を表面側へ浮上区分させ
て表示を消去し得るようにした消去手段とを、少なくと
も備えた磁気ディスプレイ装置において、前記消去手段
として、周面部に軸方向に沿わせてＮ極列とＳ極列とを
交互に着磁させた消去ロールを用いることを特徴とする
磁気ディスプレイ装置の消去装置である。

【００１１】

【作用】従って、この考案に係る磁気ディスプレイ装置
の消去装置においては、磁気ディスプレイシートの非磁
性基板に裏面側から接する消去ロールが、当該非磁性基
板面に対して回動接触されることになり、これによっ
て、磁気ディスプレイシートの全面への消去ロールによ
る磁気吸引力を作用させ得て非磁性基板等が傷つくこと
のない表示の消去が可能になる。

【００１２】

【実施例】以下，この考案に係る磁気ディスプレイ装置
の消去装置の実施例につき、図１ないし図６を参照して
詳細に説明する。なお、これらの図１ないし図６に示す
実施例構成において、前記図７に示す従来例構成と同一
符号は同一または相当部分を表わしている。

【００１３】図１（ａ），（ｂ）はこの考案の第１，お
よび第２実施例を適用した磁気ディスプレイ装置におけ
る消去装置の概要構成を模式的に示すそれぞれに側面
図、図２（ａ），（ｂ）は同上第３，および第４実施例
を適用した磁気ディスプレイ装置における消去装置の概
要構成を模式的に示すそれぞれに側面図であり、また、
図３は同上各実施例での消去ロールによる消去作用を説
明するための拡大断面図である。

【００１４】これらの図１（ａ），（ｂ）に示す第１，
および第２実施例による装置構成においても、磁気ディ
スプレイ装置は、次のように構成される。

【００１５】すなわち、前記表示手段としての，磁気デ
ィスプレイシート１については、前記従来の場合と全く
同様に、光吸収性強磁性粉３と光反射性非磁性微粉４と
を油状液体中に懸濁状態で封入したマイクロカプセル２
を用い、当該マイクロカプセル２の多数個を平面的に配
列させた態様で非磁性基板６面に塗布して表示層５を形
成させ、かつ当該表示層５の表面に外部への表示可能な
磁気透過性のある保護膜，例えば、透明保護膜７を被覆
させてある。

【００１６】また、前記筆記／描画手段としての，永久
磁石又は永久磁石の磁極片からなる先端磁性片１２付き
の磁気ペン１１についても、同様に、前記個々の各マイ
クロカプセル２内での光吸収性強磁性粉３を磁性片１２
によって表示層５の表面側へ選択的に磁気吸引移動させ
ることで、光反射性非磁性微粉４を相対的に裏面側へ沈
降区分させ、当該磁気吸引移動される光吸収性強磁性粉
３により、表面の透明保護膜７側に所要の表示を行なわ
せるようにしてある。

【００１７】さらに、前記表示を消去するための手段と
して、図１（ａ）に示す第１実施例の場合には、周面部
に軸方向に沿わせてＮ極列とＳ極列とを交互に着磁させ
た消去ロール３１と、これに組み合わされる２個１組の
転圧ロール４１，４１とを用い、前記磁気ディスプレイ
シート１に対して、非磁性基板６に裏面側から消去ロー
ル３１を、透明保護膜７に表面側から１組の転圧ロール
４１，４１をそれぞれに当接させて、当該磁気ディスプ
レイシート１を３点間で挟持させ、図１（ｂ）に示す第
２実施例の場合には、消去ロール３１とこれに対向する
転圧ロール４１とで同様に挟持させてあり、こゝでも、
表示層５の表面側へ磁気吸引移動されている光吸収性強
磁性粉３を裏面側へ全体的に磁気吸引移動させること
で、光反射性非磁性微粉４を相対的に表面側へ浮上区分
させて透明保護膜７側の表示を消去し得るようにしてあ
る。

【００１８】尚、消去ロールへの着磁に際しては、Ｎ極
列とＳ極列とを可及的に狭いピッチ間隔で交互に着磁す
ることにより、消去ロール３１によって磁場を加えたと
きに誘導磁化される光吸収性磁性粉３を非磁性基板６側
に強く吸引移動する一方、その結果として比較的成分比
の大きい光反射性非磁性微粉４がマイクロカプセル２の
内部の油状液体中の光吸収性磁性粉３が移動したあとの
部分に広く拡散して光吸収性磁性粉３を完全に隠蔽する
ことによって効果的にディスプレイ表面を消色する。

【００１９】そして、前記磁気ディスプレイシート１
と、消去ロール３１，および転圧ロール４１の組み合せ
とについては、一方の態様として、こゝでは図示省略し
たが、装置筐体の表示枠内にあって、磁気ディスプレイ
シート１を固定的に配置させると共に、消去ロール３
１，および転圧ロール４１の組み合せを所要程度の回動
抵抗のもとに可摺動的に配置させ、また、他方の態様と
しては、装置筺体の表示枠内にあって、磁気ディスプレ
イシート１を片側へ向けて可摺動的に配置させると共
に、当該片側部に消去ロール３１，および転圧ロール４
１の組み合せを所要程度の回動抵抗のもとに可回動的に
配置させる。なおこゝで、前記転圧ロール４１の役割
は、消去ロール３１に対して磁気ディスプレイシート１
を押圧させることにより、消去作用を良好に行なわせる
ものであって、当該消去ロール３１に対する磁気ディス
プレイシート１の押圧が十分であれば、必ずしもこれを
必要としない。

【００２０】従って、これらの第１，および第２実施例
による磁気ディスプレイ装置において、前記磁気ディス
プレイシート１上の表示の消去に際しては、図３に示さ
れているように、前記一方の態様の場合、当該磁気ディ
スプレイシート１の全面に対する回動抵抗を与えた消去
ロール３１の回動操作により磁気ディスプレイシート１
の全面への消去ロール３１による磁気吸引力を作用させ
得て表示の消去が可能となる。このとき、転圧ロール４
１は、磁気ディスプレイシート１を消去ロール３１側に
押圧させて、一層，良好な消去を行なうことができる。
また、前記他方の態様の場合には、これとは逆に、消去
ロール３１に対して、磁気ディスプレイシート１側を摺
動操作させることにより、同様に消去を行なうことがで
きる。

【００２１】続いて、図２（ａ），（ｂ）に示す第３，
および第４実施例による装置構成について述べる。

【００２２】これらの第３，第４の各実施例は、前記第
１，第２の各実施例構成における磁気ディスプレイシー
ト１と消去ロール３１との相互連動を、ラックギヤ・ピ
ニオンギヤの組み合せ噛合のギヤ列による移動機構によ
って強制的に行なわせるようにしたものである。

【００２３】すなわち、これらの第３，第４の各実施例
では、前記磁気ディスプレイシート１の両側部下面に対
して、一体化し得るようにラックギヤ８を設けると共
に、前記消去ロール３１の両端面に対して、その外径よ
りも小径にしたピニオンギヤ３２を噛合させたものであ
り、これらの磁気ディスプレイシート１と消去ロール３
１との何れか一方の他方に対する移動操作に伴い、磁気
ディスプレイシート１の全面への消去ロール３１による
磁気吸引力の作用により表示の消去が安定して可能にな
る。

【００２４】次に、この考案の消去装置の一実施例を適
用した磁気ディスプレイ装置の各別の具体例について述
べる。

【００２５】図４，および図５は前記第３，第４実施例
での転圧ロール４１を用いない状態の消去装置を適用し
た磁気ディスプレイ装置の第１具体例の構成を示す斜視
図，および使用状態を示す側面説明図である。

【００２６】これらの図４，図５に示す第１具体例にお
いて、磁気ディスプレイ装置は、装置筐体５１の表示枠
５２内にあって、ラックキヤ８を設けた磁気ディスプレ
イシート１を固定的に配置させ、かつ当該装置筺体５１
の片側には、ほゞ半円弧状をなして弾性的に可撓性を与
えた収納空間５３を介した状態で取付け部５４を設けて
あり、また、前記ラックギヤ８にピニオンギヤ３を噛合
させた消去ロール３１は、前記装置筺体５１を横切るよ
うに跨装された消去ハンドル６１に対し回動自在に枢支
させて、その着磁された周面を前記磁気ディスプレイシ
ート１の非磁性基板６面に対し裏面側から所要程度の押
圧力で当接させると共に、表示の消去使用時には、当該
非磁性基板６の全面上を回動させ得るようにし、かつ不
使用時には、前記収納空間５３内に収納させ得るように
したものである。

【００２７】従って、この第１具体例による磁気ディス
プレイ装置の構成では、例えば、図５に示されているよ
うに、任意の壁面などの取付け面５５に対して、取付け
部５４を接着剤による接着，もしくは、当該取付け面５
５が磁性体であれば永久磁石による吸着などにより取付
けて用い、表示使用時にあっては、消去ロール３１を含
む消去ハンドル６１を収納空間５３内に収納させ、かつ
装置筐体５１自体を取付け面５５に押付けた状態のまゝ
で、前記した如く、表示枠５２内の磁気ディスプレイシ
ート１の表面側から、磁気ペン１１を用いて所望の表示
を行なわせ、また、消去使用時にあっては、取付け部５
５を中心にして装置筺体５１を一旦，取付け面５５より
持ち上げた状態で、収納空間５３内から取り出した消去
ロール３１を含む消去ハンドル６１を矢印で示す方向に
移動させることにより、所期通りに表示を消去させ得
る。

【００２８】また、図６は前記第３，第４実施例の消去
装置を適用した磁気ディスプレイ装置の第２具体例の構
成を示す断面略図である。

【００２９】この図６に示す第２具体例において、磁気
ディスプレイ装置は、全体が比較的柔軟で可撓性に富む
ラックギヤ８（この場合図示省略）付きの磁気ディスプ
レイシート１を用い、この磁気ディスプレイシート１を
自動巻込み式の装置筒体７１内に、公知の如く巻込み用
のゼンマイバネを介して巻込み収納させ、かつその引出
し開孔部７２の内部側付近に、前記磁気ディスプレイシ
ート１のラックギヤ８にピニオンギヤ３を噛合させた消
去ロール３１を回動自在に枢支させると共に、その着磁
された周面をこの磁気ディスプレイシート１の非磁性基
板６面に対し裏面側から当接させて構成してある。

【００３０】従って、この第２具体例による磁気ディス
プレイ装置の構成では、装置筒体７１内からゼンマイバ
ネを付勢させながら磁気ディスプレイシート１を引出
し、かつ引出し位置で適宜に係止保持した状態で、前例
と同様に、磁気ペン１１を用いて所望の表示をなし、終
了後は、当該係止を解くことによって、磁気ディスプレ
イシート１を付勢されたゼンマイバネの巻込み力により
再度巻込んで使用するのであるが、こゝでの磁気ディス
プレイシート１の引出し，もしくは巻込みに際して、所
期通りに表示を消去させ得ることゝなる。

【００３１】

【考案の効果】以上，各実施例によって詳述したよう
に、この考案によれば、磁気ディスプレイ装置におい
て、周面部に軸方向に沿わせてＮ極列とＳ極列とを交互
に着磁させた消去ロールを設けたことから、表面保護膜
側の表示の消去に際して、磁気ディスプレイシートの非
磁性基板面に対する消去ロールの接触部が比較的狭い面
接触とされ、従来のような面接触，および全面に亘った
摩擦抵抗の多い摺動の場合とは全く異なって、少ない摩
擦抵抗で極めて円滑な消去操作を容易に行ない得るもの
で、非磁性基板を傷付けたりすることなく、マイクロカ
プセルを破壊するような惧れも解消されるものであり、
しかも、このようにロール化された消去手段では、その
配置スペースを根本的に小さくできるために、磁気ディ
スプレイシートの表示範囲外に僅かなスペースを確保す
るだけで済み、装置全体のコンパクト化を可能にし、併
せて、外観デザイン面の自由度を増加させ得る特長を有
している。

【００３２】また、非磁性基板を含む磁気ディスプレイ
シートの移動と消去ロールの回動とを相互に連動させる
ラック・ピニオンなどの歯車列による移動機構によって
規制するときは、比較的簡単な構成によって消去操作の
ための両者の移動及び回動を安定且つ確実に行なわせ得
るなどの実用上，優れた種々の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）はこの考案の第１実施例による磁気ディ
スプレイ装置における消去装置の概要構成を示す側面図
である。（ｂ）は同上第２実施例を適用した磁気ディス
プレイ装置における消去装置の概要構成を示す側面図で
ある。

【図２】（ａ）はこの考案の第３実施例を適用した磁気
ディスプレイ装置における消去装置の概要構成を示す側
面図である。（ｂ）は同上第４実施例を適用した磁気デ
ィスプレイ装置における消去装置の概要構成を示す側面
図である。

【図３】同上各実施例における消去ロールによる消去作
用を説明するための拡大断面図である。

【図４】この考案の消去装置の一実施例を適用した磁気
ディスプレイ装置の第１具体例の構成を模式的に示す一
部を切り欠いた斜視図である。

【図５】同上第１具体例による磁気ディスプレイ装置の
使用状態を模式的に示す側面説明図である。

【図６】この考案の消去装置の一実施例を適用した磁気
ディスプレイ装置の第２具体例の構成を模式的に示す一
部を切り欠いた断面略図である。

【図７】従来の磁気ディスプレイ装置における消去装置
の概要構成を示す側面説明図である。

【符号の説明】

１ 磁気ディスプレイシート ２ マイクロカプセル ３ 光吸収性強磁性粉 ４ 光反射性非磁性微粉 ５ 表示層 ６ 非磁性基板 ７ 透明保護膜 ８ ラックギヤ（移動機構） １１ 磁気ペン １２ 磁性片 ３１ 消去ロール ３２ ピニオンギヤ（移動機構） ４１ 転圧ロール ５１ 装置筺体 ５２ 表示枠 ５３ 収納空間 ５４ 取付け部 ６１ 消去ハンドル ７１ 装置筒体 ７２ 引出し開孔部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 光吸収性強磁性粉と光反射性非磁性微粉
   とを油状液体中に懸濁状態で封入したマイクロカプセル
   を用い、当該マイクロカプセルの多数個を非磁性基板面
   に塗布して表示層とし、かつ表面を外部への表示可能な
   保護膜で被覆して一体的に形成させた磁気ディスプレイ
   シートと、 前記各マイクロカプセル内の光吸収性強磁性粉を磁性片
   によって表示層の表面側へ選択的に磁気吸引移動させ、
   かつ相対的に光反射性非磁性微粉を裏面側へ沈降させて
   所要の表示を行なわせ得るようにした磁気ペンと、 前記非磁性基板面に裏面側から接して配置され、前記表
   示層の表面側での光吸収性強磁性粉を裏面側へ全体的に
   磁気吸引移動させ、かつ相対的に光反射性非磁性微粉を
   表面側へ浮上させて表示を消去し得るようにした消去手
   段とを、 少なくとも備えた磁気ディスプレイ装置において、 前記消去手段として、周面部に軸方向に沿わせてＮ極列
   とＳ極列とを交互に着磁させてなる消去ロールを用いる
   ことを特徴とする磁気ディスプレイ装置の消去装置。
2. 【請求項２】 前記消去ロールに対して、磁気ディスプ
   レイシートを挟んで対向する転圧ロールを組み合わせた
   請求項１記載の磁気ディスプレイ装置の消去装置。