JPH0738111Y2 - サクランボの箱詰め用治具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【産業上の利用分野】本考案は、簡単で、しかも美しく
収納できて商品価値を高めるサクランボＡの箱詰め用治
具に関する。

【従来の技術】従来、生食用としてサクランボを出荷す
る際の荷姿としては、プラスチック製のパックに１粒ず
つ選び、さらに実の色づき部分が表面に出るように軸を
かくしながらそろえて手詰めする手段と、ダンボール箱
にバラ詰めする手段があった。

【考案が解決しようとする課題】したがって、ダンボー
ル箱にバラ詰めされたサクランボに対して、１粒ずつそ
ろえてパック詰めする手段は、色よいサクランボがきれ
いに並んでいるため見た目がよく商品価値が高まり高い
価格で取引される傾向にある利点を有しているが、１粒
１粒きれいに並べるために詰める時間が長くかかり、し
かも１粒１粒軸をかくしながら詰めるため熟練を要し、
短期間で処理しなければならない生産農家では手間を省
くためあえてバラ詰めを行っているのが現状であった。

【課題を解決するための手段】本考案は従来から手詰め
用に使用されているサクランボ詰め用ダンボール箱やプ
ラスチック製パックを用い、あらかじめダンボール箱や
パックに内接する大きさのボックス体をガイド板で作
り、このボックス体内にサクランボの実が楽に通過する
程度の網目を有する金網製の整理板を配し、ボックス体
内に詰める際にサクランボが治具の網目を通ることによ
ってサクランボについている軸が治具の網目にかかり、
自然に実の方を下にしてボックス体内に納まる如くし、
このサクランボの納まったボックス体に従来から手詰め
用に使用されているダンボール箱やプラスチック製パッ
クをおおいかぶせ、ボックス体ごと反転し、基板を引き
上げることにより、ダンボール箱やパック内に簡単迅速
に納め、美しく色のついた実の部分だけを表面にした見
た目がきれいなダンボール箱やパック詰サクランボが得
られる。

【作用】このように本考案のサクランボ詰め用治具は整
理板の網目を通過させることにより、サクランボに一定
の方向性を持たせ、サクランボの実の部分を下にして、
納まったボックス体内のサクランボを反転させることに
より、従来から使用しているダンボール箱やプラスチッ
ク製パックに色づいた実の部分を上にした状態で簡単に
移しかえることができる。したがって、１粒１粒をサク
ランボの実の部分を上にして納める手詰めと同様、サク
ランボの実の色づきのよい部分だけが目に写りきれいで
色よく商品価値を向上させるものである。

【実施例１】図１〜図７によって本考案の治具を説明す
ると、図１は従来から使用されているダンボール箱
（１）であって、（２）はダンボール箱（１）内側面で
ある。図２は基板（３）であり、これにガイド板（４）
を図１のダンボール箱（１）の内側（２）に内接するよ
うにボックス体（５）の寸法を合せ、固定する。この基
板（３）の材質としてはベニヤ板、プラスチック板、ダ
ンボール板、金属板、あるいは複合板等で、表面にクッ
ション材等をほどこしたものでも良い。ガイド板（４）
は、金属板、プラスチック板、ベニヤ板、紙板等で、こ
の表面にサクランボがすべり易いように、または傷つか
ないように加工したり、シート状のものをほどこしたも
のでも良い。図３はサクランボＡをボックス体（５）内
に整列的に配するための整理板（７）であって、サクラ
ンボＡが楽に通過する程度の間隔を有する網目（８）に
よって形成された金網で、ボックス体（４）に容易に納
まるように折曲加工してある。この網目（８）はサクラ
ンボＡの実の部分（２２）が容易に通過する大きさでし
かも軸（２３）の長さでひっかかる程度の間隔が必要で
ある。また（９）は図４に示すように整理板（７）がボ
ックス体（５）の中間位置に配するような高さを保持す
る調整用の足である。この整理板（７）の材質としては
金網が加工上適しているがプラスチック製の網、あるい
は紐や竹ひご、ざるにはゴム紐等いかなる材料でも良
く、編成したもの、溶着したものであって、網目（８）
の形状も四角形のものに限らず六角形などでも良い。ま
た、縦線だけの網、横線だけの網を別々に重ね合せても
良い。図４はボックス体（５）内に整理板（７）をおさ
めた時の断面図であり、図５は整理板（７）を用いてサ
クランボＡをボックス体（５）内に詰める場合の実施例
図である。図６はボックス体（５）内に所定量のサクラ
ンボを詰めた後、ダンボール箱（１）を上からかぶせた
時の断面図であり、図７は図６のダンボール箱（１）を
反転してダンボール箱（１）内に整列して詰ったサクラ
ンボの状態を示す斜視図である。図に従って本考案のサ
クランボＡを整列的に並べる治具を使ったダンボール箱
詰め手段を説明すると、図４のようにボックス体（５）
内に金網による整理板（７）を入れると、整理板（７）
の高さ調整用足（９）により、基板（３）上に網目
（８）が位置する。そして、図５のように整理板（７）
内に約半分量のサクランボＡを一面に入れると、サクラ
ンボは実の方が重いため、実を下にして整理板の網目
（８）から落下し、さらにこの際に軸（２３）が網目
（８）に掛かって実を下にして落下するため、整理板
（７）を通ったサクランボＡは確実に軸（２３）を上に
し、実の色付きの良い部分（２２）を下にして、美しく
配列する。この後、整理板（７）を多少揺りながら少し
ずつ引き上げ，更に残りの半分量のサクランボを入れ、
少し揺りながら引き上げる。このようにして整理板
（７）を引き上げると実を下にしたサクランボＡがボッ
クス体（５）内に詰められる。その後、ボックス体
（５）にダンボール箱（１）を図６のように上からかぶ
せ、基板（３）ごと反転し、基板（３）を静かに引き上
げると、ダンボール箱（１）内にサクランボＡの実を上
にした図７の状態のダンボール箱詰めのサクランボが得
られる。以上のようにダンボール箱（１）内に詰められ
たサクランボＡは色付いた実の部分（２２）が表面に現
われ、しかも、きれいに配列されて詰められているもの
であるから従来の手間をかけた手詰めによるサクランボ
と同様に見た目が美しいダンボール詰めサクランボが得
られる。

【実施例２】次に図８以下により本考案のプラスチック
製パック詰めサクランボを説明する。図８は従来から使
用されていてプラスチック製パック（１０）であり、こ
のパック（１０）は普通上部が広く、底部が狭く傾斜し
ているのが特徴である。したがって、実施例１で説明し
た方法ではパックに詰めにくい。このため数々の工夫が
必要である。以下これらの工夫点をあげながら図に従っ
て説明すると、図９は基板（３）であり、ほぼ中心部分
に穴（１３）が円形状にくり抜かれている。この基板
（３）の材質としては実施例１と同様にベニヤ板、プラ
スチック板、金属板、ダンボール板、更には複合板等で
表面にクッション材等をほどこしたものでも良い。また
くり抜き穴（１３）は円形でも多角形でも良く、後述す
る押さえ板（２１）を指を入れて押さえられる大きさで
あれば良い。図１０のガイド板（４）は薄板４枚ででき
ており、コーナー部分（１５）が切りはなされているた
め、下部は固定されていても立ち上がり部分（１７）は
前後に動くようになっている。この４枚のガイド板
（４）で図８で示すパック（１０）の内側（１１）に内
接する大きさにボックス（５）が作られている。このガ
イド板（４）は金属板、プラスチック板、ベニヤ板、紙
板更には金属棒、プラスチック棒、竹棒等を支柱に立て
たものに布やプラスチックシート等を張ったものでも良
いが、下は固定されていても立ち上がり部分（１７）は
前後に動く必要がある。ガイド板（４）の数は１枚で作
り、立ち上がり部分（１７）のみに切込みを入れて動く
ようにしたものでも良いが、要は傾斜したパック（１
０）の内側になじむように作る必要がある。また、コー
ナー部分（１５）はガイド板（４）が切りはなされてい
るため、サクランボの軸（２３）がはみでることがある
のでガイド板（１４）の動きの障害にならないように柔
軟性を有するテープ等を張り合わせても使用できる。図
１１は本考案のプラスチック製パック詰めサクランボの
金網による整理板（７）をセットした時の図であり、ガ
イド板（４）を覆う滑りシート（１９）は、ボックス体
（５）に詰められたサクランボをパック（１０）に移し
かえる際にガイド板（４）に密接しているサクランボが
パック（１０）内に容易に整列をくずすことなく移動で
きるようにしたポリエチレンシートである。したがっ
て、このポリエチレンシートはガイド板（４）を包むよ
うに被覆され、更に押さえ板（２１）の下に敷かれてい
る。押さえ板（２１）は薄板でボックス（５）内にほぼ
入る大きさであり、この上に整理板（７）が足（９）で
中間位置にセットされている。この滑りシート（１９）
は合成樹脂シート、布等で薄くて柔軟性があり、表面が
すべり易いものであれば良い。押さえ板（２１）は合成
樹脂板、金属板、ベニヤ板、これらの複合板等で、更に
表面にクッション材をほどこしたり、ゴミ取りのため小
さな穴を明けたものでも良く、厚さは１ｍｍ程度のもの
である。図１２は図１１のようにパック詰めサクランボ
治具をセットした後、サクランボを無造作に入れ実施例
１で説明したようにボックス（５）内にサクランボを詰
めパック（１０）を上からかぶせた図である。ガイド板
の立ち上がり部分（１７）が動くようになっているため
パック（１０）をかぶせた場合、内側（１１）が滑りシ
ート（１９）で包まれたガイド板（４）に接するように
して重なり合う。図１３は基板（１２）ごと反転した際
の図を示している。図１４は、くり抜き穴（１３）から
手を入れて押え板（１２）を押えながら基板（１２）を
引き上げた後のサクランボＡがプラスチック製パック
（１０）に納まり、整列して詰った状態を示す。図に従
って本考案のサクランボを整列的に並べる治具を使った
プラスチック製パック詰め手段を説明すると、図１１の
ようにボックス（５）内に滑りシート（１９）を敷き、
押え板（２１）を配して、この上から足（９）のある金
網による整理板（７）をセットし、サクランボＡを入
れ、実施例１で説明したようにゆすりながら少しずつ整
理板（７）を引き上げるとボックス（５）内にサクラン
ボＡの実の部分（２２）を下にし、軸の部分（２３）を
上にして詰めることができる。詰めおわった後、上面を
ほぼ平らにしてプラスチック製パック（１０）を上から
かぶせる。この際４枚のガイド板（４）の立ち上がり部
分（１７）がパック（１０）の内側（１１）にそうよう
に多少動き、内側（１１）に重り合う。次に基板（１
２）ごと反転すれば図１３のような断面図になり、基板
（１２）を引き上げるが、プラスチック製パック（１
０）の内側（１１）は上部が広く、底部が狭く傾斜して
いるため、そのまま基板（１２）を引き上げるとパック
の内側（１１）に接しているサクランボＡも持ち上が
り、美しく整列したままの状態でパック（１０）内に移
動できない。これを改良するため、ガイド板（４）とパ
ック（１０）の内側（１１）の間、更にはそれに接して
いるサクランボの間をすべり易くするため、滑りシート
（１９）を設けている。更にサクランボＡの詰ったパッ
ク（１０）全体が基板（３）を引き上げる際、持ち上が
らないように基板（３）に設けてある穴（１３）から手
を入れ、押さえ板（２１）を押えながら基板（１２）を
引き上げるものである。以上のようにして、ボックス
（５）内に美しく整列した状態のままサクランボをパッ
ク（１０）内に納めることができる。したがって図１４
のようにパック（１０）内に詰められたサクランボは、
色付いた実の部分（２２）が上になって表面に表われ、
軸（２３）を下にして詰められていて、手詰めによるサ
クランボと同様に見た目が美しいパック詰めサクランボ
ができる。なお、図１６は整理ガイド（２４）で、網目
（８）を有する整理板（７）の縦または横の一方の網目
に合せて数列にガイド溝を設けたもので、この整理ガイ
ド（２４）を実施例１にあってはボックス体（５）の低
面に、実施例２にあっては押え板（２１）の上、即ち整
理板（７）の下に当てることによってサクランボＡを詰
め反転したときにサクランボＡが美しく配列され一層見
た目が美しくなる。

【考案の効果】本考案のサクランボの箱積め治具を使用
した場合は、実施例１のダンボール箱や実施例２のプラ
スチックパックであっても網目の整理板を用いることに
よってサクランボＡが自重によって配列されるため軸が
網目にかかって実が先になり反転したとき実の色付きの
良い部分が表面に現われて軸はかくれて見た目の美しい
箱積め作業が簡単迅速で誰にでもでき、手詰めと同様に
きれいにできるため生産農家の手間を省き、しかも商品
価値を高めることができるという作用効果を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 ダンボール箱の斜視図。

【図２】 基板にボックスを固定した斜視図。

【図３】 網目によって構成された整理板。

【図４】 本考案の治具をセットした状態図。

【図５】 整理板を引き上げる実施例図。

【図６】 ダンボール箱をかぶせた実施例図。

【図７】 ダンボール箱詰めのサクランボ。

【図８】 プラスチック製パック。

【図９】 穴のある基板。

【図１０】基板にボックスを固定した斜視図。

【図１１】本考案の治具をセットした状態図。

【図１２】プラスチック製ケースをかぶせた実施例図。

【図１３】基板を反転した実施例図。

【図１４】パック詰めのサクランボ。

【図１５】サクランボＡの斜視図。

【図１６】サクランボの整理ガイドの斜視図。

【符号の説明】

（１）……ダンボール箱 （２）……ダンボール箱の内側面 （３）……基板 （４）……ガイド板 （５）……ボックス体 （７）……整理板 （８）……網目 （９）……足 （１０）…プラスチック製パック （１１）…パックの内側面 （１３）…穴 （１５）…コーナー部分 （１７）…立ち上がり部分 （１９）…滑りシート （２１）…押さえ板 （２２）…色付きのよいサクランボの実の部分 （２３）…サクランボの軸 （２４）…サクランボの整理ガイド （２５）…ガイド溝

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基板（３）にサクランボ詰め用ダンボール
   箱（１）の内側（２）にほぼ接するようにボックス体
   （５）をガイド板（４）で植設し、サクランボＡが楽に
   通過する程度の網目（８）によって形成された整理板
   （７）をボックス体（５）内に配置することを特徴とし
   たサクランボの箱詰め用治具。
2. 【請求項２】中心部にくり抜き穴（１３）を有する基板
   （１３）にサクランボ詰め用プラスチックパック（１
   ０）の内側（１１）にほぼ接するようにボックス体
   （５）を、その立上り板（１７）が前後に可動する如く
   植設してガイド板（４）とし、前記基板の穴（１３）上
   に押え板（２１）を配し、前記ガイド板（４）を含めて
   ボックス体（５）内に滑りシート（１９）を被覆すると
   共に、詰ボックス体内にサクランボＡが楽に通過する程
   度の網目（８）によって形成された整理板（７）を配置
   したことを特徴としたサクランボ箱詰め用治具。