JPH0737913U - 両面プラスチックフィルム被覆フッ素樹脂運搬用ファイバードラム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、外部に付着した異物を洗浄して除
去するのが容易な、両面プラスチックフィルム被覆フッ
素樹脂運搬用ファイバードラムを提供することを目的と
する。 【構成】 本考案に係る両面プラスチックフィルム被覆
フッ素樹脂運搬用ファイバードラムは、ファイバードラ
ムに挿入された筒状プラスチックフィルム製袋の上半部
がファイバードラムの上縁で折り返されてファイバード
ラムの外部を上縁から下縁まで覆い、該プラスチックフ
ィルム製袋の開口端とファイバードラムの下縁とが水密
シールされた構造を有することを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はファイバードラムと称される紙製ドラムの改良に関するものである。 ファイバードラムは軽量であること及び容器の廃棄処理が容易であることなどか ら、粉状、粒状のフッ素樹脂製品の運搬に広く利用されている。

【０００２】

【従来の技術】

粉状、粒状のフッ素樹脂製品はプラスチックフィルム製袋に充填されファイバ ードラムに収納された状態で輸送されるが、開封しファイバードラムの底を持ち 上げて内容物をホッパーなどにあける際に、粉状、粒状のフッ素樹脂製品と共に プラスチックフィルム製袋が脱落してホッパー内に落下したり、輸送時にファイ バードラムの外部に付着した塵埃やドラムが擦れて発生した微細な紙埃などの異 物が、負に帯電し易いフッ素樹脂に引き寄せられたり、ホッパー内に落下して粉 状、粒状のフッ素樹脂製品を汚染することがある。

【０００３】 産業の高度化が進むにつれ、粉状、粒状のフッ素樹脂製品の、より高い品質が 要求されるようになり、運搬容器の開封時に、容器の外部に付着した異物に起因 する内容物の汚染の低減が求められるようになってきている。それ故、フッ素樹 脂製品の製造工程における汚染防止の重要性と同様に、運搬容器の汚染防止の重 要性が取り上げられつつある。運搬容器の汚染を除去する最も簡便な方法は運搬 容器の洗浄であるため、開封前に運搬容器を洗浄することが望ましいとされてい る。しかしファイバードラムは耐水性が良くないので洗浄は好ましくなく、その ため耐水性の良いプラスチック製容器や金属製容器が、重く、コスト高で、且つ 廃棄処理又はリサイクルが不便であるにもかかわらず、依然として使用されてい る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、外部に付着した異物を洗浄して除去するのが容易な、両面プラスチ ックフィルム被覆フッ素樹脂運搬用ファイバードラムを提供することを目的とす る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る両面プラスチックフィルム被覆フッ素樹脂運搬用ファイバードラ ムは、ファイバードラムに挿入された筒状プラスチックフィルム製袋の上半部が ファイバードラムの上縁で折り返されてファイバードラムの外部を上縁から下縁 まで覆い、該プラスチックフィルム製袋の開口端とファイバードラムの下縁とが 水密シールされた構造を有することを特徴とする。

【０００６】 筒状プラスチックフィルム製袋は、筒状プラスチックフィルムを平らにたたん で封筒状にしたものの底辺を直線的にヒートシールしたもの、或は封筒状にした ものの側面を更に内側に折りたたんだもの底辺を直線的にヒートシールしたいわ ゆるガセットタイプのものでも良いが、ファイバードラムに収納する際の簡便さ 及び内容物の取り出しが容易である点から、筒状プラスチックフィルムの底部に プラスチック製の皿状底板を融着又は接着することにより形成されたものが好ま しい。

【０００７】 ある種のポリテトラフルオロエチレン粉末においては、粉末にストレスがかか るとポリテトラフルオロエチレンが微細な繊維状となるフィブリル化現象を起こ し品質が変化する恐れがある。プラスチックフィルム製袋に襞や折り込み部分が あると、その部分に粉末が詰まり、粉末を取り出す場合にストレスがかかるので 好ましくない。これを防止するためには襞や折り込み部分がない前記の筒状プラ スチックフィルムの底部にプラスチック製の皿状底板を、粉末が詰まる空隙がな いように融着又は接着することにより形成されたものが好ましい。その場合、融 着又は接着部分に粉末が詰まらないように、縁の部分が底面から１０ｍｍ又はそ れ以上の高さを有する皿状底板を用いて、１０〜５０ｍｍの高さに融着又は接着 部分を設けることが好ましい。

【０００８】 プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン又はポ リ塩化ビニル製のものが用いられる。

【０００９】 以下本考案を添付図面により具体的に説明する。図２は本考案で使用するプラ スチックフィルム製袋１を示す図で、ファイバードラムの高さの約２倍の長さを 有するものを用い、その下半部１１はファイバードラム内に挿入され、上半部１ ２はファイバードラムの上縁で折り返されてファイバードラムの外部を上縁から 下縁まで覆うようになる。筒状プラスチックフィルム製袋の底部は、ファイバー ドラムに挿入する際の簡便さ及び内容物の取り出しが容易である点から、図２で は筒状プラスチックフィルムの底部にプラスチック製の皿状底板１３を融着又は 接着した構造のものを示しているが、筒状プラスチックフィルムを平らに畳んで 封筒状にしたものの底辺を直線的にヒートシールしたもの、或は封筒状にしたも のの側面を更に内側に折り畳んだものの底辺を直線的にヒートシールしたいわゆ るガセットタイプのものでも良い。

【００１０】 図１は、図２に示した構造のプラスチックフィルム製袋１を用いる両面プラス チックフィルム被覆フッ素樹脂運搬用ファイバードラムを説明するための断面図 で、筒状プラスチックフィルム製袋の下半部１１がファイバードラム２に挿入さ れ、その筒状プラスチックフィルム製袋の上半部１２がファイバードラムの上縁 ２１で折り返されてファイバードラムの外部を上縁から下縁まで覆い、該プラス チックフィルム製袋の開口端とファイバードラムの下縁とが水密シール３されて いる。水密シール３としては、プラスチックフィルム製袋の開口端とファイバー ドラムの下縁とが重なる部分の上から片面粘着テープを巻きつけた構造、粘着テ ープの代りに鉢巻状の熱収縮性テープを用いた構造、重なり合う部分に両面粘着 テープを貼付した構造、もしくはファイバードラムの下縁に設けた突起部にプラ スチックフィルム製袋の開口端を緊密にかぶせた構造などが挙げられ、そのいず れでも良い。

【００１１】 上記の両面プラスチックフィルム被覆フッ素樹脂運搬用ファイバードラムは、 外面がプラスチックフィルムで覆われているので洗浄が容易で、輸送時にファイ バードラムの外部に付着した塵埃などの異物を簡単に除去できる。またファイバ ードラムの内部に挿入されたプラスチックフィルム製袋が外部を覆ったプラスチ ックフィルムと一体化しているので、開封しファイバードラムの底を持ち上げて 内容物をホッパーなどにあける際に内容物と共に袋が脱落してホッパー内に落下 する恐れがない。更に、ファイバードラムをリサイクルして使用する場合には、 プラスチックフィルム製袋を交換するだけで新品と同様になるので、客先への輸 送時及びリサイクル時の容器の汚染を心配する必要がなく、同種類の内容物はも とより、異なる種類の内容物の運搬容器として再使用することも容易である。

【００１２】

【考案の効果】

外周面に付着した異物を洗浄して除去するのが容易な両面プラスチックフィル ム被覆フッ素樹脂運搬用ファイバードラムを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の両面プラスチックフィルム被覆フッ素
樹脂運搬用ファイバードラムの構造を説明するための図
である。

【図２】本考案で使用するプラスチックフィルム製袋の
構造の例を示す図である。

【符号の説明】

１ プラスチックフィルム製袋 １１ プラスチックフィルム製袋の下半部 １２ プラスチックフィルム製袋の上半部 １３ プラスチック製の皿状底板 ２ ファイバードラム ２１ ファイバードラムの上縁 ３ 水密シール３

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ファイバードラムに挿入された筒状プラ
   スチックフィルム製袋の上半部がファイバードラムの上
   縁で折り返されてファイバードラムの外部を上縁から下
   縁まで覆い、該プラスチックフィルム製袋の開口端とフ
   ァイバードラムの下縁とが水密シールされた構造を有す
   ることを特徴とする両面プラスチックフィルム被覆フッ
   素樹脂運搬用ファイバードラム。
2. 【請求項２】 筒状プラスチックフィルム製袋が、筒状
   プラスチックフィルムの底部にプラスチック製の皿状底
   板を融着又は接着することにより形成されたものである
   請求項１に記載の両面プラスチックフィルム被覆フッ素
   樹脂運搬用ファイバードラム。
3. 【請求項３】 プラスチックフィルムが、ポリエチレ
   ン、ポリプロピレン又はポリ塩化ビニル製のものである
   請求項１又は請求項２に記載の両面プラスチックフィル
   ム被覆フッ素樹脂運搬用ファイバードラム。