JPH0737848U - 握索機 - Google Patents

握索機

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JPH0737848U
JPH0737848U JP1661394U JP1661394U JPH0737848U JP H0737848 U JPH0737848 U JP H0737848U JP 1661394 U JP1661394 U JP 1661394U JP 1661394 U JP1661394 U JP 1661394U JP H0737848 U JPH0737848 U JP H0737848U
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cylinder
grip
gripping
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spring
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JP1661394U
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太郎 中西
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有限会社サンテック
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 牽引用握索機においてばねと流体圧シリンダ
ーと拘束機器を組合せ、ばね切損等の異常を検出し高安
全性等の確立を図る。 【構成】 鋼索により牽引される鋼索鉄道等において被
牽引台枠に固定されるグリップブロック4に反力受け軸
受5と、これと所要間隔を有し対向する支え軸受13を
設け、この両軸間にシンリダー筒6aが位置するように
パイロットチェックバルブ16aとアキュムレータ16
bを備えた油圧シリンダー6を配し、油圧シリンダー6
は反力受け軸受5にピストン軸8の一端側を挿通させ、
その端部を可動側グリップ2に接続し、支え軸受13に
ピストン軸8の他端側を支え軸受13に対し摺動自在な
シリンダー筒6aを介して挿通し、ピストン軸8の他端
側にシリンダー6をロックする係止具を設け、シリンダ
ー筒6aと反力受け軸受5間にばね11を挿着する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は鋼索により牽引される鋼索鉄道(広く新交通システムを含む)、索道 (ロープウエイ)、その他エアスライダー、ウォータースライダー等に主として 用いられる握索機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の索道において、一般的に知られているものとしては、スキー場などで用 いられる各種特殊索道(チェアリフト)や両端停留所間を往復する自動循環式索 道(ロープウエイの一種)がある。特殊索道においては、搬器の運行中に握索機 の握・放索は行れないが自動循環式索道においては、両端のターミナルに配設さ れた滑車と滑車との間に鋼索を張架循環させ、この鋼索を搬器に設けた握索機に より握索し、鋼索の移動と共に搬器を移動させて搬器はこの握索機により一端の ターミナルで鋼索を握索して出発し他端のターミナルに到着するとこれを放索し て停留する。
【0003】 従来の特殊索道用の握索機としては、例えば実開昭57−113262号公報 第1図、第2図にその構造が開示されている。この握索機の構造は、多数枚を組 合せた皿ばねの反発力を利用して索条を把握固定する型式であって、皿ばね軸の 端部に加圧用ねじを嵌合し、これをねじ込むことにより皿ばねを圧縮してその反 力で皿ばね軸の他の先端部が索条を当接握索すると共にこの加圧用ねじをロック して握索力を保持するものである。しかしこの方式では、皿ばねを圧縮せしめる ための加圧用ねじの操作は手動式であってこれには大なる力と操作時間を必要と し、瞬時に握・放索する用途に適さず、使用中万一のばね切損事故に対しても防 禦の手段を備えず、安全上等にも問題があった。
【0004】 更に、実公平1−9729号公報第3図a,bには自動循環式索道に用いられ る握索機の構造が開示されているが、この握索機の構造は、皿ばねの圧縮力を用 いてグリップにより鋼索を常時握索し、放索するときにはスプリングロッドによ り皿ばねを更に圧縮してグリップを開口させるようになっている。
【0005】 そのためこの型式の握索機においては、鋼索径が変わると握索力も変化する性 質があり、鋼索径が太くなると皿ばねの圧縮量が増えこれによって握索力、牽引 力が増加し、反面鋼索が使用により古くなって径が細くなると皿ばねの圧縮量が 減って握索力、牽引力共に減少するという欠点を有している。このため、鋼索が 細くなった時でも保証牽引力が得られるよう予め握索力を設定しているが、それ がグリップ機構とばねの大型化並びに鋼索の太い時と細い時とで握索力に差が生 じるという問題点を招いている。その上皿ばねには、これを余り多く重ねると圧 縮時に皿ばねの中心線が蛇行して皿ばねの内径とスプリングロッドとの間に接触 カジリを生じて圧縮反力が不安定になるという性質があるので、積重ね枚数が制 限されて圧縮ストロークを余り多くとれないという弱点がある。従って、この型 式の従来の握索機では、スプリングロッドのストロークが制限されて短くなり、 握・放索時のグリップの開口寸法を余り大きくとることができない。一例によれ ば、グリップ開口のための皿ばね圧縮ストローク20mm、それによるグリップ の開口寸法は鋼索径φ45mmのとき56.5mmでグリップの余裕となるべき鋼索 との間隙は11.5mmしかなく、これ以上大きな開口寸法は得られなかった。更に 、以上両型式のグリップに共通する最大の欠点は、皿ばねが疲労等によって切損 した場合、一挙に握索力が低下してグリップが滑り、搬器の輸送が不可能となる 甚だ危険な構造であることである。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
グリップの開口寸法については、例えば車両の下部にグリップの開閉可能な握 索機を具えた牽引軌道走行式車両の場合、軌道に平行に沿って走る鋼索を握索時 に開放したグリップに下から鋼索を押し込む際には、車両の左右方向の停止誤差 、鋼索押込機の左右方向作動誤差、更に鋼索の直径誤差等が加わって更に多くの 開口寸法が必要となってきた。
【0007】 一例によれば、 車両が停止した時の左右方向の停止誤差 ±7mm 鋼索押込機の左右方向作動誤差 ±5mm 鋼索の標準径 45mm 鋼索の寸法誤差(新品時の太り)直径の約3% 45×0.03=±1.35 合計必要な開口寸法 71.7 mm
【0008】 これ以上の開口寸法を備えていないと鋼索をグリップに押込む時に鋼索とグリ ップが当たり合ってスムーズに挿入することができないと云う問題が起こる。先 に述べた従来のグリップの開口寸法の56.5mmでは全く不足しているためそのま ま使用することは不適当であり、可動側グリップの移動ストロークを更に長くと れる構造のグリップが必要となって来た。
【0009】 本考案は叙上の如き実情に対処し、特に握索機構にばねと流体シリンダーと拘 束機器を組み合わせて新規な構成を見出すことにより、鋼索の径寸法の変化によ っても握索力を一定とし、グリップに充分な開口寸法を与え得ると共に、更に、 疲労等によるばね切損時にも握索力の低下を招くことなく、加えて握索、動作過 程において事前に異常を検出して安全かつ確実に車両や搬器等を牽引しうる近時 要望度の高い全自動化に適した握索機を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、本考案握索機の特徴とするところは、被牽引台枠に固定されるグリップ ブロックに固定側グリップを設け、駆動する鋼索を可動側グリップとで握索する 牽引用握索機において、上記グリップブロックに反力受け軸受と、該反力受け軸 受と所要間隔をあけて対向する支え軸受とを設け、この2つの軸受の間にそのシ リンダー筒が存するように、パイロットコントロールチェックバルブとアキュム レータを備えた流体圧シリンダーを配してなり、該流体圧シリンダーは上記反力 受け軸受にピストン軸の一端側を挿通させてその端部を可動側グリップに接続す ると共に、上記支え軸受にピストン軸の他端側を支え軸受に対し摺動自在なシリ ンダー筒を介して挿通させ、該ピストン軸他端側にシリンダーの動きをロックす る係止構造を設け、かつ上記シリンダー筒と反力受け軸受の間にばねを挿入する ところにある。加えて、流体圧シリンダーの握索力の検出機器と、ばねの正常ス トローク範囲において作動する検出機器を備えたところにある。
【0011】
【作用】
本考案の握索機によれば、シリンダーのグリップ側の作動室に流体圧を供給す ると、ピストン軸が摺動して可動側グリップは固定側グリップに接触し鋼索をつ かむ。更に流体圧を供給すれば、シリンダー内の圧力が上昇し、今度はシリンダ ー筒がグリップの方向に移動して該シリンダー筒と反力受け軸受の間のばねを圧 縮し、その反力が可動側グリップと固定側グリップの間の握索力となって作動す る。この時所期の握索力が発生すると握索力検出機器がONとなり、更にばねが 規定ストロークに圧縮されるとばねの正常ストローク範囲作動検出機器がONと なって、この2個の検出機器のAND回路の成立により握索力の正常性がチェッ クされる。
【0012】 次に、シリンダーへの圧力配管にはパイロットコントロールチェックバルブと アキュムレータを設けているので、この状態で流体圧の供給を止めてもシリンダ ーの圧力は保たれ、握索力は上記ばねの圧縮力により機械的に保持される。そし て、この状態でピストンロッド他端のロックナットを廻してピストン軸の動きを 係止固定すれば、その後において圧力系統に液体洩れや故障が生じても、握索力 は上記状態で機械的に保持され完全な安全性が確保される。更にまた、握索中に 皿ばねが疲労等により切損して圧縮反力を失った場合、アキュムレータにより流 体が補給され、流体圧によりシリンダーが移動して、ばねの付勢力を補い握索力 を保持すると共に、ばねの正常ストローク範囲作動検出機器がOFFとなって異 常状態の検出と事故防止ができる。
【0013】 一方、放索する時は、ロックナットを反対方向に廻してピストン軸のストロー ク分ゆるめ、次にシリンダーの放索側作動室へ圧力を供給すればよく、これらの 操作はすべて順次自動的に行なわれる。
【0014】
【実施例】
以下更に添付図面を参照し本考案に係る握索機の実施例について詳述する。
【0015】 図1,図2は本握索機の第1実施例を示す縦断面図であって図1は放索時、図 2は握索時の状態を示し、図1において1は固定側グリップ、2は可動側グリッ プ、3は放索された鋼索である(鋼索3は放索直後、下方矢印の方向に落下する )。
【0016】 図示の如く固定側グリップ1はグリップブロック4及び反力受け軸受5と一体 に連った構造となっており、可動側グリップ2は油圧シリンダー6内を摺動する ピストン7に付属して反力受け軸受5を挿通するピストン軸8の先端に固着され ている。
【0017】 反力受け軸受5には案内棒9が取り付けられ、可動側グリップ2の上部穴に摺 動可能なるように挿入されて該グリップ2の旋回移動を止めている。
【0018】 一方、本実施例ではピストン軸8の後端はシリンダー筒6aを貫通してその後 方へ突出し、その部分には係止構造としてセルフロックが可能な雄ねじが刻設さ れ、ギャーロックナット10が螺合されている。そして油圧シリンダー6のシリ ンダー筒6aと反力受け軸受5の間には図示の如く複数の皿ばね11…11が挿 入されて組立てられている(このばねはコイルスプリング等の他のばねでもよい )。
【0019】 また、油圧シリンダー6のシリンダー筒6aの後部はグリップブロック4へボ ルト12により取り付けられた支え軸受13により支えられ、シリンダー筒6a は2つの軸受5,13の間で左右摺動が可能な状態となっている。特にシリンダ ー筒6aの後部は小径部とされ、支え軸受13に摺動自在に挿通されている。こ の小径部は、本実施例ではシリンダー筒6aと一体であるが、別体であってもシ ンリダー筒の一部と解する。なお、油圧シリンダー6の作動室の両端には油圧配 管14,15が接続され、更にそれぞれの配管の開閉を行う電磁弁(図示せず) が取付けられそのうちグリップ側配管14にはパイロットコントロールチェック バルブ16a、アキュムレータ16b、及び圧力スイッチ17が付属し、更に油 圧シリンダー6のシリンダー筒6aと反力受け軸受5との間には1組のリミット スイッチ18が取着されている。そして、パイロットコントロールチェックバル ブ16aは、油圧による握索力の保持の継続機能、また圧力スイッチ17は、鋼 索径の変化に即応する握索力の定常化、並びに握索力の検査、異常警報、調整等 の各機能を有し、更に、リミットスイッチ18は、正常ストローク範囲を確認し て圧力スイッチ17とのAND回路で正常性を確認し皿ばね11欠損に対する検 査、異常警報、調整と更に皿ばね11のバラツキに対する握索力調整等の各機能 を有する。なお、本実施例では、油圧シリンダー6の握索力検出に圧力スイッチ 17を用いているが、同目的を果たす機器、例えばピストンロッド8に引張力検 出用のストレーンゲージ等を取り付けてもよい。又皿ばね11のストローク範囲 検出にも同様にリニアゲージ等公知の機器を用いることも可能である。
【0020】 また、ギャーロックナット10にはこれと噛合うピニオン19が設けられ、該 ピニオン19はグリップブロック4に取り付けられたギャードモータ21とギャ ー20を介して歯合している。
【0021】 ピニオン19は固定側グリップブロックに取り付く2個の軸受22により回動 自在に支承されている。なお、23,24はシールパッキングである。
【0022】 次いで図2を参照して鋼索3が固定側グリップ1と可動側グリップ2の開口部 に押し上げられ握索に至る動作を説明する。
【0023】 先ず、第1ステップとして、電磁弁(図示せず)を開いて、油圧配管14を経 て作動油を油圧シリンダー6とアキャムレータ16bに供給するとピストン7は 図において左方に動き固定側グリップ1と可動側グリップ2は閉じ鋼索3を掴む 。更に油圧を上げていくとピストン7は動かないが今度は逆にシリンダー筒6a が支え軸受13内を図示右方向に摺動して皿ばね11を圧縮する。この際発生し たばねの圧縮力はピストン7に反力となって働き可動側グリップ2に伝わり鋼索 3に握索力を及ぼす。所期の握索力が発生すると圧力スイッチ17がONとなり 、一方皿ばねが規定ストローク圧縮されるとリミットスイッチ18がONとなる 。この2個のスイッチのAND回路の成立により握索が正常に行なわれたことが チェックずきる。従って、この場合、仮に皿ばね11の1枚が破損して所定圧力 に達しないときには、AND回路が成立せず、自動的に異常警報が発せられると 共に、握索動作が中止され、点検調整作業に入って事故を未然に防止し、安全を 確保することができる。
【0024】 次に第2ステップとして、電磁弁(図示せず)を閉じると油圧配管14の系統 中のパイロットコントロールチェックバルブ16aが作動し、アキャムレータ1 6bの作用により供給した作動油が逃げないようにしてピストン7の位置を維持 するから握索力が失われることはない。なお、アキャムレータ16bの信頼性を 増すためデュアルに配備する(図示せず)ことは論を俟たないところである。
【0025】 次いで第3ステップとして、握索状態を機械的に維持する係止構造について説 明する。 本係止構造の1例としてピストン軸8の後端に螺合するギャーロックナット1 0を用いた場合では、このナットは、上述の油圧シリンダー6と皿ばね11の作 動により握索作動操作が完了した後、電磁ブレーキ付ギャードモーター21によ りギャー20、ピニオン19を介して回転され、図示右方向に移動してピストン 軸8を軽く締め込んで、万一油圧系統が故障し油圧が低下した場合でもピストン 軸8の動きを拘束して絶対に放索が起こらないようにする目的のものである。
【0026】 更に第4ステップとして、上記係止構造に二重安全対策を講じるためにギャー ドモータ21は、ギャーロックナット10を締め込んだ後、該ナット10のゆる み止め防止のためブレーキがかかるようになっている。従って本ステップは単な る安全装置であってこの実施例ではねじの引張り強度は、皿ばね11の圧縮反力 に相応する引張力に耐える程度であればよい。なお、係止手段としてその目的を 達成し得るものであれば、ロックナット10の外、例えばピストン軸8をブレー キで掴む等の構造であってもよい。
【0027】 放索に当たっては、先ずギャードモーター21を逆転してギャーロックナット 10をピストン軸8の動きを制限しない丈ゆるめ、次に電磁弁(図示せず)を切 りかえて油圧配管15により給油してパイロットチェックバルブ16aのチェッ クを解き油圧シリンダー6を作動さでグリップを開放するといった制御ステップ を行なえばよい。
【0028】 なお、上述の如くギャードモーター21は、電磁ブレーキ付であって内部にス リッピングクラッチ、ワンウェイクラッチ(図示せず)を蔵していて、ギャーロ ックナット10を締め込むときはスリッピングクラッチで締付トルクを制限して ショックを緩和し、同ナットをゆるめるときはその方向にのみモーター軸と直結 するようにワンウェイクラッチを組み込んでいて強力なトルクを発揮する(この 機構については他に如何なる方式を採用するも自由である)。
【0029】 また、本考案においては、鋼索径が新品時と古品時、並びに継ぎ目の部分(鋼 索径の変化の目安;公称0%、新品時+3%、摩耗時−2%、継ぎ目+10%) とにおいて、太さに変化が生じても、油圧シリンダーの圧力とばねの圧縮力を一 定に保つことにより握索力を常時コンスタントに維持することが可能となる。
【0030】 以上、本考案第1実施例について説明したが、更に第2の実施例として図3の ような構造とすることができる。油圧シリンダー6、ピストン7、ピストン軸8 、皿ばね11、反力受け軸受5、ギャーロックナット10及び関連部品の構造配 置は図1と全く同じであるが、可動側グリップ2とピストン軸8との間にL字型 レバー25と2ケのリンク26,27を入れ、ピン28,29,30,31によ り接続し、該L字型レバー25を取り付け軸32により固定側グリップブロック 4に支承し、更に軸32のところで固定側グリップブロック4を直角に曲げ、ピ ストン軸8の運動方向をグリップの開閉方向に直角に変換せしめる構造としてい る。 (なお図3は鋼索3を握索した時の状態を示している。)
【0031】 更に固定側グリップは図3,図4に示す如く平行なるグリップ1a,1b、1 cからなり、(2グリップの場合もあり得る)グリップブロック4から延びる2 本の連結部材33に連なっている。可動側グリップも同じく平行なグリップ2a ,2b,2cからなり、リンク27、ピン31により引張られる軸受35をもつ 連結部材34に結合されている。而して図3,図5に示すように可動側グリップ の連結部材34は固定側グリップの2本の連結部材33の間に組み込まれ、ボル ト35によりガイド板37が取り付けられてグリップとして互いに摺動し開閉可 能な状態に組み立てられた、いわゆる多連グリップ構造である。
【0032】 図3のようにL字型に機構を配置したのは鋼索を案内誘導するための受索輪を グリップの左右上下に配置するシステム上の要求から来たものであり、また、多 連グリップとしたのも鋼索を掴みかえをするためのシステム上の別の要求から生 まれたものであって、握索の作動原理については図1のものと全く同じである。
【0033】 以上各実施例における水平型及び垂直型の型式の選択は、搬器の種別とシステ ム設計上の要求により適宜選択されるものである。
【0034】 なお、上記何れの実施例も本考案を例示的に説明したものであって、これらに 限定されるものではなく、目的を逸脱しない範囲において種々実施例を適宜変更 しうることは云うまでもない。
【0035】
【考案の効果】 本考案は以上のように固定側グリップと可動側グリップ、それらをピストンの 流体圧力によって駆動する油圧シリンダー、握索力を発生保持するばね、および 握索状態を機械的に維持する係止構造により構成された握索機を基本とするもの であって下記の如き多くの優れた効果を発揮する。 (1)握・放索時のグリップの開口寸法は油圧シリンダーのピストンストローク によって自由に決められるので希望通りの広い開口寸法が得られる。 また、このことは掴み替え時にグリップへの鋼索の挿入が容易で確実であり、 走行中の車両の左右蛇行量にも対応できると同時に、鋼索の円周を広い包絡角で 傷めぬよう確実に掴み得ると云う諸効果を併せ有している。 (2)即ち、固定側グリップと可動側グリップの広い開口寸法を採り得ることは 、太く強力な鋼索用のグリップに適し、そのため牽引力の強い大型搬器用の握索 機の設計製作が容易となるので、大量輸送システムに適した効果が得られる。 (3)油圧シリンダーにより加圧握索するだけでなく、油圧の供給を止めた後も チェックバルブとアキュムレータの作動により油圧が確保されてばねを圧縮した 反力が握索力として作用するため安定した確実な握索力を継続して保持すること ができる。 (4)握索後、握索状態を機械的に維持する係止構造として、例示のようにピス トン軸後端側のセルフロック用ねじとロックナット等により、上記軸の動きを完 全に止め、ばねの圧縮力を機構内に封じ込めるので万一、油圧系統等が故障によ り油圧低下が生じても放索することはなく安全性を確保することができ、また、 油圧装置、ロックナット駆動機構への給電を駅前後の限られた区間でのみ行うよ うなシステムを組むことが可能であり、走行中の誤動作による係止手段の解除は 絶無である。従って放索は如何なる外的条件に対しても起こり得ず、安全がより 確実に確保される。 (5)鋼索径が新品時と古品となった時、あるいは継ぎ目部分で太さに変化が生 じても油圧シリンダーの圧力とばねの圧縮力を一定に保つように制御できるため 握索力は常に一定で安定確実な牽引力が得られ、鋼索の保護にも役立つ。これは リンク機構の死点を越えることによりロック状態に入る従来の握索機では到底実 現不可能な機能である。 (6)またリンク機構の死点を越える型式のいわゆる従来の握索機では握・放索 に際してリンクなどが死点を過ぎる瞬間に過大な握索力が生じそれに対応して機 械部分をそれだけ頑丈に作らなければならなかったが、本握索機ではかかること はなく機械の軽量化の実現の効果がある。また、鋼索に必要以上の掴み力を与え ることもない。 (7)更に上記の死点ロック型式の従来握索機ではリンクが死点を越えロック位 置に達した瞬間、騒音が発生しその衝撃防止と消音対策に苦労したが本握索機で はその心配は全くなく、用途によってはもっと緩やかに握索動作を行うことも可 能と云う効果を有している。 (8)グリップの開口寸法と皿ばねの圧縮ストロークとの間には別に関係がなく 、開口寸法を広くしても圧縮ストロークを増加させることなく短くてよい。従っ て皿ばねの積み重ね枚数が少なくて、屈曲(バックリング)が起こらず斉一な皿 ばね性能が得られ、ばね機構が小型となり、構造上の無理が起こらず合理的であ る。 (9)握索時の油圧により各グリップの握索力を簡単・確実にチェックできるの で日常の性能診断が極めて容易にできると云う効果がある。 (10)皿ばねの製作精度にバラツキが生じても、油圧の検出によりばねの圧縮 ストロークを加減し適正な握索力に調整し直すことが容易である。更にこの作業 を拡張すれば、ばねの適正圧縮力負担限界の範囲内で握索力の変更調整が可能と なり、これらは従来型式の握索機には到底見られない特徴と効果である。 (11)ばねが使用中、疲労等により切損し、圧縮反力を失う現象が生じても、 アキュムレータに蓄圧した作動油が、油圧シリンダーに進入し、油圧の減少を阻 止してばねに代って握索力を保持するから、グリップに滑りを起こすことはない 。またこの場合、皿ばねの圧縮ストロークの変化をリミットスイッチにより直ち に検出し確実かつ容易に異常を発見して事故を未然に防止することができる。こ の特徴は従来の機械式ばね握索機の何れにも具備されていない効果である。 (12)油圧装置を地上に設置し、搬器にアキュムレータを設け、給油は地上の ステーションで搬器配管端末のクイックジョイント(図示せず)を経由して行い 、走行中はアキュムレータで圧力保持するときは、搬器の軽量化がはかれる。 更に、本考案の原理を用いた図3,4,5の握索機は、グリップを多連とする と共に、油圧シリンダーをこれとL字型を形成するよう配設したものであり、鋼 索を案内するための受索輪の配置スペースを有効に確保して曲線と急勾配路線に 適応し、しかも多重鋼索システムにおける鋼索の掴みかえを容易にしている。そ の他、搬器の構造とシステムの要求に対応して本握索機は随時、水平型、縦型、 縦L字型など何れの構造にも変化させることができるので、その応用範囲が極め て広いという特徴効果を併せ有しており、今後の鋼索鉄道,索道においてその実 効が大いに期待されるものである。加えて、上述の第1から第4までの作動ステ ップ手順とばね、油圧系統、係止構造等に異常検出・事故防止の安全対策を施し 、今後、普及する自動化に最も適した握索機を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の放索状態を示す縦断面図である。
【図2】同握索状態を夫々示す縦断面図である。
【図3】第2実施例の握索状態を示す縦断面図である。
【図4】図3のA−A矢視図である。
【図5】図4のB矢視図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c 固定側グリップ 2,2a,2b,2c 可動側グリップ 3 鋼索 4 グリップブロック 5 反力受け軸受 6 油圧シリンダー 6a シリンダー筒 7 ピストン 8 ピストンロッド 10 ギャーロックナット 11 皿ばね 13 支え軸受 14 油圧配管 16a パイロットコントロールチェックバルブ 16b アキュムレータ 17 圧力スイッチ 18 リミットスイッチ 21 ブレーキ付ギャードモータ 25 L型レバー 26,27 リンク

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被牽引台枠に固定されるグリップブロッ
    クに固定側グリップを設け、駆動する鋼索を可動側グリ
    ップとで握索する牽引用握索機において、上記グリップ
    ブロックに反力受け軸受と、該反力受け軸受と所要間隔
    をあけて対向する支え軸受とを設け、この2つの軸受の
    間にそのシリンダー筒が存するように、パイロットコン
    トロールチェックバルブとアキャムレータを備えた流体
    圧シリンダーを配してなり、該流体圧シリンダーは上記
    反力受け軸受にピストン軸の一端側を挿通させてその端
    部を可動側グリップに接続すると共に、上記支え軸受に
    ピストン軸の他端側を支え軸受に対し摺動自在なシリン
    ダー筒を介して挿通させ、該ピストン軸他端側にシリン
    ダーの動きをロックする係止構造を設け、かつ上記シリ
    ンダー筒と反力受け軸受の間にばねを挿入することを特
    徴とする握索機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の握索機において、流体
    圧シリンダーの握索力の検出機器と、ばねの正常ストロ
    ーク範囲において作動する検出機器とを備えことを特徴
    とする握索機。
JP1661394U 1994-12-15 1994-12-15 握索機 Pending JPH0737848U (ja)

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JP1661394U JPH0737848U (ja) 1994-12-15 1994-12-15 握索機

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