JPH0737759Y2

JPH0737759Y2 - 生物ろ過設備

Info

Publication number: JPH0737759Y2
Application number: JP1988096045U
Authority: JP
Inventors: 博文鎌田
Original assignee: 鎌田バイオ・エンジニアリング株式会社
Priority date: 1988-07-19
Filing date: 1988-07-19
Publication date: 1995-08-30
Anticipated expiration: 2003-07-19
Also published as: JPH0217299U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、池や湖などの富栄養化池水を浄化することの
できる生物ろ過設備に関するものである。

〔従来の技術〕

池や湖などの富栄養化池水は、藻菌類などの植物性プラ
ンクトンを多量に含有するので、従来の砂ろ過による生
物処理では、目詰まりなどの問題が生じ、ろ速を10m/時
間以上にすることが不可能であり、しかも、逆洗回数も
１日１回を必要としていた。また、砂ろ過によるろ過だ
けでは充分ではなく、富栄養化池水そのものを生物処理
後に、砂ろ過や活性炭吸着などの処理に付する必要があ
った。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、富栄養化池水を生物処理した後に、砂ろ
過や活性炭吸着などの処理に付する場合には設備費用な
どが高価となり、維持管理の面からも高度の専門技術を
必要不可欠とするとともに、維持管理費もかさんでしま
うという問題点があった。

本考案は、上記に鑑みてなされたもので、設備費用や維
持管理費も低減でき、維持管理に際し高度の専門技術を
必要としない生物ろ過設備を提供することを目的として
いる。

〔課題を解決するための手段〕

本考案においては上述の目的を達成するため、池等から
取水した富栄養化池水を前記池等に還流するろ過水ライ
ン中に、上部から導入した富栄養化池水を下部から排水
する生物ろ過装置用槽を通水自在に接続し、この生物ろ
過装置用槽内の下部のろ床支持層上には、コーラル化
石、アンスラサイトおよびコーラル化石の順に積層配置
して生物接触層を形成し、この生物接触層の上方には、
該生物接触層の厚さ以上の厚さの曝気空間を区画形成す
るようにしている。

〔作用〕

上記構成を有する本考案によれば、富栄養化池水が処理
槽、池、又は湖などからろ過水ラインを経由して生物ろ
過装置用槽の上部に導入され、生物接触槽であるコーラ
ル化石、アンスラサイト、およびコーラル化石を経由し
てろ過されるとともに、生物処理される。ろ過された富
栄養化池水は、生物ろ過装置の下部からろ過水ラインを
経由して池、又は湖などに還流される。

〔実施例〕

以下、第１図および第２図を参照して本考案を説明す
る。

本実施例における生物ろ過設備は、第１図に示すごと
く、池水１を還流するろ過水ライン３中に生物ろ過装置
５を通水自在に接続している。

富栄養化池水である池水１の池２には、第１図に示すよ
うに、弁を備えたろ過水ライン３が導入され、このろ過
水ライン３にはポンプ４、生物ろ過装置５、および排水
用の逆洗排水ライン６がそれぞれ通水自在に配設されて
いる。

また、生物ろ過装置５は、第１図に示すように中空の生
物ろ過装置用槽７を備え、この生物ろ過装置用槽７の周
面上部にはろ過水ライン３が接続されている。この生物
ろ過装置用槽７の内部には第２図に示すごとく、少なく
とも最下部に位置するろ床支持槽８、その上のコーラル
化石９、その上のアンスラサイト10、および最上部に位
置するコーラル化石９が上下方向に順次積層して内蔵さ
れ、これらコーラル化石９、アンスラサイト10、および
コーラル化石９がろ過・生物処理機能を営む生物接触層
11を形成している。コーラル化石９としては、コーラル
多孔質セラミックなどが使用され、このコーラル多孔質
セラミックの表面に付着した生物膜がろ過作用を有す
る。そして、生物接触層11の上方には第２図に示すごと
く、生物接触層11以上の厚さの曝気空間12が区画形成さ
れている、また、生物ろ過装置用槽７の下部には、池２
にろ過された池水１を還流させる複数の弁を備えたろ過
水ライン13が接続されている。なお、逆洗曝気時には第
１図に示すブロワ14が使用されて洗浄作業などが行われ
ることとなる。

したがって、池水１を浄化したい場合にはポンプ４を駆
動すれば良い。すると、池水１がろ過水ライン３を経由
して第２図に矢印で示すように生物ろ過装置用槽７の周
面上部に導入され、生物接触層11であるコーラル化石
９、アンスラサイト10、およびコーラル化石９を順次経
由してろ過されるとともに、生物処理される。ろ過され
た池水１は、第２図に矢印で示すように生物ろ過装置７
の下部からろ過水ライン３を経由して池２に還流され
る。

また、逆洗時にはポンプ４により、池水１が開閉弁操作
されたろ過水ライン３およびろ過水ライン13を順次経由
して生物ろ過装置用槽７の下部に導入され、生物接触層
11であるコーラル化石９、アンスラサイト10、およびコ
ーラル化石９を順次経由する。そして、生物ろ過装置用
槽７の上部の逆洗洗浄水樋を介して逆洗排水ライン６を
経由し、その後排水されることとなる。

上記構成によれば、生物ろ過の目詰まりを大幅に減少さ
せることができ、逆洗回数を14日に１回とすることがで
きる。また、比重の軽いアンスラサイト10の上に、比重
の比較的重いコーラル化石９が位置しているので、アン
スラサイト10が逆洗時に排水とともに生物ろ過装置用槽
７外に流されることが全くなく、アンスラサイト10の特
性を充分に確保することができる。また、アンスラサイ
ト10の下に、比重の比較的重いコーラル化石９が位置し
ているので、アンスラサイト10に均等にろ過および逆洗
の流れを作用させることができる。また、生物接触層11
の上方に生物接触層11以上の厚さの曝気空間12が区画形
成されているので、逆洗時などにおいて、余剰汚泥およ
びSSを分離排出することが可能となる。また、設備費用
などを著しく低減することができる。また、維持管理の
面からも高度の専門技術を何等必要とせず、しかも、維
持管理費を大幅に低減することが可能となる。また、ろ
過と同時に生物処理することが期待できる。さらに、サ
ンゴ砂などのコーラルとは異なる十分な強度のコーラル
化石９を使用しているので、消耗することがなく、ほぼ
半永久的に使用することが可能となる。さらにまた、実
施プラントによれば、SS:1mg/1、BOD:1.2mg/1、COD:2.2
mg/1、色度５度以下とにう好結果を得ることができた。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば、生物ろ過装置槽内の下部
のろ床支持層上には、コーラル化石、アンスラサイトお
よびコーラル化石の順に積層配置して生物接触層を形成
し、この生物接触層の上方には、該生物接触層の厚さ以
上の厚さの曝気空間を区画形成するようにしているの
で、生物ろ過の目詰まりを減少させることができ、逆洗
回数14日に１回などとすることができるという格別の効
果がある。また、比重の軽いアンスラサイトの上に、比
重の比較的重いコーラル化石が位置しているので、アン
スラサイトが逆洗時に排水とともに生物ろ過装置用槽外
に流されることが全くなく、アンスラサイトの特性を充
分に確保することができる。また、アンスラサイトの下
に、比重の比較的重いコーラル化石が位置しているの
で、アンスラサイトに均等にろ過および逆洗の流れを作
用させることができる。また、逆洗時などにおいて、余
剰汚泥およびSSを分離排出することが可能となる。ま
た、設備費用などを低減でき、維持管理の面からも高度
の専門技術を必要とせず、しかも、維持管理費を低減す
ることが可能になる。また、ろ過と同時に生物処理する
ことが期待できる。さらに、十分な強度を有するコーラ
ル化石を使用しているので、消耗することがなく、ほぼ
半永久的に使用することが可能になるという顕著な効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る生物ろ過設備の一実施例を示す全
体説明図、第２図は第１図の生物ろ過装置を示す断面説
明図である。１……池水、３……ろ過水ライン、５……生物ろ過装
置、７……生物ろ過装置用槽、８……ろ床支持槽、９…
…コーラル化石、10……アンスラサイト、11……生物接
触層、12……爆気空間。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】池等から取水した富栄養化池水を前記池等
に還流するろ過水ライン中に、上部から導入した富栄養
化池水を下部から排水する生物ろ過装置用槽を通水自在
に接続し、この生物ろ過装置用槽内の下部のろ床支持層
上には、コーラル化石、アンスラサイトおよびコーラル
化石の順に積層配置して生物接触層を形成し、この生物
接触層の上方には、該生物接触層の厚さ以上の厚さの曝
気空間を区画形成したことを特徴とする生物ろ過設備。