JPH0737582Y2 - 巻きおしぼり製造装置の散水手段 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、「巻きおしぼり」の材料として、給送方向
と平行な折目に沿って折り重ねたシート材を使用する巻
きおしぼり製造装置において、前記シート材の折目側に
充分な湿り気を付与して、該シート材の円滑な巻き込み
を達成し得る散水手段に関するものである。

従来技術 喫茶店やレストランその他の飲食施設では、接客サービ
スとしてタオル地の「巻きおしぼり」を提供することが
行なわれている。この種の施設では一日に多量の「巻き
おしぼり」を使用するため、その殆どがおしぼり製造業
者から納入されたものを使用しているのが現状である。
しかし、タオル地の「巻きおしぼり」は、反復使用する
ことができる反面、その再生処理が不完全であると極め
て不衛生となる問題があるばかりでなく、コストが嵩む
欠点もあった。

考案が解決しようとする課題 そこで、本件出願人は、安価で使い捨て可能な紙製や不
織布製等の「巻きおしぼり」を、自家製造し得るコンパ
クトな巻きおしぼりの製造装置につき鋭意開発を行な
い、複数の実用新案登録出願を行なった。これらの出願
に係る製造装置は、紙や不織布等をロール状に巻回した
シートロールから引き出したシート材に、おしぼりとし
て必要な湿り気を付与する手段として、該シート材の給
送経路に近接して複数の散水孔を穿設した散水パイプを
備えている。そしてこの装置では、供給源から散水パイ
プに供給された水を、散水パイプの散水孔からシート材
に散水供給した後、該シート材をロール状に巻き込むよ
う構成してある。

ここで、前記紙や不織布を材質とする一枚のシート材で
「巻きおしぼり」を製造した場合、紙や不織布は薄手で
あるため、良好な使用感を得られない難点がある。そこ
で、第５図に示す如く、長尺なシートを給送方向と平行
な折目に沿って折り重ねて厚みをもたせたシート材12a
が好適に使用されている。しかし、この場合は、シート
材12aの折目側ｆは、シートの端部が重ねられる側に比
べて柔軟性に欠けるため、第６図に示す如く、該シート
材12aをロール状に巻き込むと、折目側ｆの直径が大き
くなると共に、幅方向の端部が不揃いとなり、いわゆる
「竹の子」状に巻き込まれてしまい、見栄えが劣ること
になる。

考案の目的 そこで本願の考案者は、前述した課題に対する適切な解
決策を模索したところ、シート材の折目側に多量の水を
供給することにより、該折目側に円滑な巻き込みを達成
し得る柔軟性を付与し得ることを突き止めた。

すなわちこの考案は、前述した２重に折り重ねたシート
材を使用する巻きおしぼり製造装置に内在している前記
課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたもの
であって、シート材の円滑な巻き込みを達成して、巻き
上がりの整った「巻きおしぼり」を製造し得る手段を提
供することを目的とする。

課題を解決するための手段 前述した課題を克服し、所期の目的を好適に達成するた
め本考案は、給送方向と略平行な折目に沿って折り重ね
たシート材の給送経路に近接して、該シート材と交差す
る方向に延在する散水パイプを備え、供給源からの水を
前記散水パイプによりシート材に散水供給するよう構成
した巻きおしぼり製造装置において、前記散水パイプ
は、その長手方向に所定間隔で穿設した複数の散水孔を
備えると共に、該散水パイプの前記シート材の折目側と
対向する部位に、散水量を増大させる散水増量手段を設
けたことを特徴とする。

実施例 次に、本考案に係る巻きおしぼり製造装置の散水手段に
つき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら
以下説明する。第１図は、本考案に係る散水手段を採用
した好適な実施例に係る巻きおしぼり製造装置を一部切
欠いて示す側面図であり、第２図は、散水パイプの概略
斜視図である。

図面に示す如く、矩形状に形成した装置本体10には、例
えば不織布を材質とするシート材12aを中芯となる紙管
にロール状に巻き付けたシートロール12が、自由回転可
能に収納されている。このシート材12aとしては、第５
図に示す如く、一枚のシートを給送方向と略平行な折目
に沿って折り重ねたものが使用される。また、本体10の
内部に、所要量の水を貯留した水タンク16が着脱自在に
装着され、該タンク16から後述する散水パイプ14に水が
供給されるよう構成してある。

装置本体10の底部には、前記水タンプ16に吸入管18aを
介して連通接続されたポンプ18が設置され、このポンプ
18の吐出管18bは、散水パイプ14に供給管19を介して連
通接続されている。従って、ポンプ18を稼働することに
より、水タンク16に貯留されている水は、ポンプ18を介
して散水パイプ14に圧送される。そして、この水は散水
パイプ14に穿設した各散水孔14a（後述）からシート材1
2aに散水供給される（第３図参照）。

前記装置本体10におけるシートロール12の収納位置より
前方には、シート材12aの給送機構および切断機構（何
れも図示せず）が配設され、給送機構を介してシートロ
ール12から引き出されたシート材12aは、切断機構を通
過して後述する水皿22の前面に垂下供給されるよう構成
されている。また、切断機構の下方に巻きおしぼり製造
部20が配置され、切断機構により所要寸法長に切断され
たシート状12aは、該巻きおしぼり製造部20に供給され
て、ここで所要直径のロール状に巻き込まれて「巻きお
しぼり」となる。

前記巻きおしぼり製造部20には、第１図に示す如く、前
記切断機構から垂下するシート材12aを当該製造部20に
案内すると共に、散水パイプ14からの水を受けるべく機
能する水皿22が配設されている。この水皿22とシート材
12aの給送経路を挟んで対向する位置には、第３図に示
す如く、シート材12aの幅方向と平行に延在する散水パ
イプ14が、前記装置本体10を構成する側板24,24間に着
脱自在に架設されている。この散水パイプ14には、その
長手方向に所定間隔で穿設されて水皿22を指向する複数
の散水孔14aが穿設されている。また、散水パイプ14の
一端部には、前記ポンプ18の吐出管18bと連通する供給
管19が連結してある。

前記散水パイプ14には、第２図および第３図に示す如
く、前記シート材12aの折目側ｆに対向する位置に穿設
した散水孔14aに近接して、散水量を増大させるための
散水増量手段としての散水孔26が穿設してある。すなわ
ち、前記ポンプ18を介して散水パイプ14に圧送された水
は、各散水孔14aおよび散水孔26を介してシート材12aに
散水供給される。このとき、シート材12の折目側ｆに
は、散水孔14aと散水孔26との両方から散水がなされる
ので、該折目側ｆは充分な湿り気を含んで柔軟になる。
従って、シート材12aは、折目側ｆに充分な湿り気が付
与された状態で、前記巻きおしぼり製造部20に供給さ
れ、ここでロール状に巻き込まれる。なお、巻きおしぼ
り製造部20で製造された「巻きおしぼり」は、装置本体
10の前面に回動自在に枢支した受け皿28に放出される。

次に第４図は、散水パイプ14に設けた散水増量手段の別
実施例を示すものであって、散水パイプ14におけるシー
ト材12aの折目側ｆに対向する位置の散水孔14aの孔径
を、他の散水孔14aの孔径よりも大きく設定してある。
従って、大径の散水孔14aから多量の水がシート材12aに
散水供給され、該シート材12aの折目側ｆに、円滑な巻
き込みを達成し得るだけの湿り気を付与することができ
る。

実施例の作用 次に、実施例に係る巻きおしぼり製造装置の散水手段の
作用につき説明する。

前記装置本体10に収納したシートロール12から供給機構
を介して引き出されたシート材12aが、第１図に示す如
く、前記切断機構を通過して散水パイプ14と水皿22との
間に到来すると、前記ポンプ18が適宜のタイミングで付
勢される。これにより、前記水タンク16からポンプ18を
介して散水パイプ14に圧送された水は、第３図に示す如
く、各散水孔14aを介してシート材12aに散水供給され
る。このとき、散水パイプ14におけるシート材12aの折
目側ｆと対向する部位には、前記散水孔14aに近接して
別の散水孔26が穿設されているので、該シート材12aの
折目側ｆには多量の水が供給される。

そして所要の湿り気が付与されたシート材12aは、前記
切断機構により所定寸法長に切断されて、前記巻きおし
ぼり製造部20に供給され、ここでシート材12aは所要直
径のロール状に巻き込まれる。このとき、シート材12a
の折目側ｆは、充分な湿り気を含んで柔軟性を有してい
るので、該シート材12aの折目側ｆと他端部側とが均一
に巻き込まれる。従って、巻きおしぼり製造部20では、
幅方向の端部が揃った均一な直径の「巻きおしぼり」が
製造される。

考案の効果 以上説明した如く、本考案に係る巻きおしぼり製造装置
の散水手段によれば、折り重ねたシート材の折込み側に
多くの水を供給して充分な湿り気を与えるよう構成した
ので、該シート材の折目側に、円滑な巻き込みを達成し
得る柔軟性を付与することができる。従って、シート材
を幅方向の端部が揃い、かつ幅方向の全長に亘って均等
な直径で巻き込むことができ、整った巻き上がりを呈す
る「巻きおしぼり」を製造し得る。また、構造は極めて
簡単であるので、製造コストを低廉になし得る利点もあ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る散水手段を採用した好適な実施例
に係る巻きおしぼり製造装置を一部切欠いて示す側面
図、第２図は散水パイプの外観斜視図、第３図は散水パ
イプとシート材との位置関係を示す説明図、第４図は散
水増量手段の別の実施例を採用した散水パイプを示す概
略斜視図、第５図は巻きおしぼり製造装置に使用される
シートロールを示す説明図、第６図は２つ折りのシート
材が「竹の子」状に巻き込まれた状態を示す説明図であ
る。 12a……シート材、14……散水パイプ 14a……散水孔、26……散水孔 ｆ……折目側

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】給送方向と略平行な折目に沿って折り重ね
   たシート材（12a）の給送経路に近接して、該シート材
   （12a）と交差する方向に延在する散水パイプ（14）を
   備え、供給源からの水を前記散水パイプ（14）によりシ
   ート材（12a）に散水供給するよう構成した巻きおしぼ
   り製造装置において、 前記散水パイプ（14）は、その長手方向に所定間隔で穿
   設した複数の散水孔（14a）を備えると共に、 該散水パイプ（14）の前記シート材（12a）の折目側
   （ｆ）と対向する部位に、散水量を増大させる散水増量
   手段を設けた ことを特徴とする巻きおしぼり製造装置の散水手段。
2. 【請求項２】前記散水増量手段は、散水パイプ（14）に
   おける前記シート材（12a）の折目側（ｆ）に対向する
   位置の散水孔（14a）に近接して、別の散水孔（26）を
   穿設してなる請求項１記載の巻きおしぼり製造装置の散
   水手段。
3. 【請求項３】前記散水増量手段は、散水パイプ（14）に
   おける前記シート材（12a）の折目側（ｆ）に対向する
   位置の散水孔（14a）の孔径を、他の散水孔（14a）の孔
   径よりも大きく設定してなる請求項１記載の巻きおしぼ
   り製造装置の散水手段。