JPH0737423B2 - ジタ−シャリ−ブチルジカ−ボネ−トの精製方法 - Google Patents

ジタ−シャリ−ブチルジカ−ボネ−トの精製方法

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JPH0737423B2
JPH0737423B2 JP17570587A JP17570587A JPH0737423B2 JP H0737423 B2 JPH0737423 B2 JP H0737423B2 JP 17570587 A JP17570587 A JP 17570587A JP 17570587 A JP17570587 A JP 17570587A JP H0737423 B2 JPH0737423 B2 JP H0737423B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はアミノ基保護剤として有用なジターシャリーブ
チルジカーボネート(以下Di−BOCと言う)を工業的に
有利に製造する方法に関するものである。
(従来技術) Di−BOCは、各種アミノ基をターシャリーブトキシカル
ボニル化(以下BOC化という)して保護するためのアミ
ノ基保護剤として知られており、しかもBOC化の際の反
応性が良好である上、副生物の殆どがターシャリーブタ
ノールと炭酸ガスであるので、反応の後処理が簡単で、
且つ副反応が殆どなく理想的なBOC化剤と言われてい
る。
Di−BOCの製造法としては、例えば、下記反応式に示す
ように、アルカリ金属ターシャリーブトキサイドをテト
ラヒドロフランなどの有機溶媒中で炭酸ガスと反応させ
てモノカーボネート体を生成させ、 引き続き、これにホスゲンを反応させてトリカーボネー
ト体を得、 次いで、これを単離した後、トリカーボネート体を1,4
−ジアザビシクロ−〔2,2,2〕オクタンなどの第3級ア
ミンと接触させ脱炭酸することにより、 目的とするDi−BOCを生成す方法が知られている。(例
えば、Org.Synth,57,45(1977参照) この反応により得られたDi−BOCは、例えば蒸留等の処
理をすることにより精製され高純度のDi−BOCとして得
られる。
従来このような蒸留では、Di−BOCより沸点の低い溶媒
を用い、溶媒を留去した後の缶残から、主成分であるDi
−BOCを留去し、精製したDi−BOCを得ていた。
(発明が解決しようとする問題点) Di−BOCは、熱に対して不安定であるので蒸留の際加熱
されることにより、熱分解を起こして収量が減少すると
いう問題点があった。一方、Di−BOCは低温で蒸留する
ことにより、熱分解量を低減することは出来るが、Di−
BOCは沸点が高い(沸点56〜57℃/0.1mmHg)ので、低温
で蒸留するためには高真空を要し蒸留装置にかかる設備
費等が多大となり工業的に有利な方法とは言えない。
(問題を解決するための手段) 本発明者らは、上記実情に鑑みDi−BOCの蒸留精製を工
業的に有利に実施する方法を鋭意検討した結果、粗Di−
BOCを蒸留精製するに際して、沸点250℃以上、融点20℃
以下の石油系炭化水素を存在させることにより上記問題
点が解決されることを見出し、この知見により本発明を
完成した。
本発明で適用できる粗Di−BOCは、通常、純度90〜98%
程度のものであり、如何なる反応によって製造されたも
のでもよく、例えば前述の如き方法が挙げられる。
本発明ではこの粗Di−BOCを蒸留精製するに際し、Di−B
OCの熱分解を低減させるため特定の石油系炭化水素を存
在させることを必須要件とする。この石油系炭化水素と
しては、通常、原油の常圧蒸留時に250〜400℃の間で留
出する炭化水素であり、例えば、流動パラフィン、石油
系潤滑油などが挙げられ、特に流動パラフィンが好まし
い。これらの石油系炭化水素はDi−BOCよりも高沸であ
るので、蒸留精製時には塔底に残り、Di−BOCが塔頂よ
り留出することとなる。好適な石油系炭化水素である流
動パラフィンの具体例としては、JIS−K2231(1983)で
規定されるISOVG10、ISOVG15、ISOVG32、ISOVG68、ISOV
G100などが挙げられる。
使用する石油系炭化水素の量は、あまりに少いと熱分解
を防ぐ効果がなく、あまりに多いと蒸留の加熱及び蒸留
速度等が経済的でない。よって、石油系炭化水素の存在
量は蒸留装置に供給するDi−BOCに対して少くとも0.01
重量倍、通常、0.01〜10重量倍、好ましくは、0.03〜7
重量倍とされる。
本発明は、回分式、連続式のどちらの蒸留にも適用でき
る。回分式の場合、供給された液は、蒸留釜中でDi−BO
Cが留出することにより石油系炭化水素の濃度が上昇す
る。
連続式で行う場合も蒸留系内の加熱部に於いて、回分式
と同様にDi−BOCに対する石油系炭化水素の量が0.01重
量倍以上あればよい。よって、蒸留系内の石油系炭化水
素の存在下に粗Di−BOCを供給することもできる。
蒸留温度は、あまりに高いとDi−BOCの熱分解量が増加
し、また、あまりに低いと高真空が必要となり設備費が
高くなるので通常、60〜120℃、好ましくは、60〜100℃
で実施される。
(発明の効果) 本発明方法によれば、入手易な物質を用い簡単な方法で
高純度のDi−BOCを回収率よく得ることが出来るので、
本発明方法は工業的に極めて有用である。
(実施例) 次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発
明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1〜4 純度95%の粗Di−BOC500gと表−1に示す量の流動パラ
フィン(ISOVG32)を混合し、これをガラス製単蒸留装
置の塔底に仕込み、表−1に示す条件下で6時間かけて
単蒸留を行ない、Di−BOCを留出させた。
留出回収したDi−BOCにつき、純度及び回収率を求め、
更にDi−BOCの分解率を塔底に残存するDi−BOCをも含め
て求めたところ、表−1に示す結果を得た。
比較例1 実施例1の方法において、粗Di−BOCを流動パラフィン
を添加せずに圧力2mmHgで6時間かけ単蒸留を行った。
結果を表−1に示した。
比較例2 実施例1において、流動パラフィンのかわりに熱媒とし
て市販されている芳香族炭化水素〔商品名 NeOSK1400
綜研化学(株) を同量使用しその他は実施例1と全く同じ方法で蒸留を
行った。
結果を表−1に示した。
比較例3 比較例2と同じ方法で熱媒として市販されている他の芳
香族炭化水素〔商品名サームエス900 新日鉄化学
(株) を使用し蒸留を行った。結果を表−1に示した。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粗ジターシャリーブチルジカーボネートを
    蒸留精製するに当り、沸点250℃以上、融点20℃以下の
    石油系炭化水素の存在下蒸留することを特徴とするジタ
    ーシャリーブチルジカーボネートの精製方法。
  2. 【請求項2】石油系炭化水素は、蒸留装置に供給される
    ジターシャリーブチルジカーボネートに対し少くとも0.
    1重量倍存在させることを特徴する特許請求の範囲第
    (1)項記載の精製方法。
  3. 【請求項3】石油系炭化水素が流動パラフィンであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の精製方
    法。
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JP3385245B2 (ja) * 1999-10-08 2003-03-10 株式会社トクヤマ 分解抑制剤

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