JPH0736967A - 軟包装用包材設計支援装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 石鹸等を軟包装する包材を設計する段階で、
被包装物の寸法、包材の材質、包装ライン特性等のあら
ゆる条件を把握した上で、適正な包材を効率的に設計す
ることを可能とする軟包装用包材設計支援装置を提供す
る。 【構成】 被包装物情報、包材材質情報、印刷情報及び
包装ライン名を入力する入力手段（１）と、各種包材情
報、包装ライン情報、包材寸法計算式情報及びレイアウ
ト規制情報をデータベースとして記憶する記憶手段
（２）と、表示手段（３）と、出力手段（５）と、入力
手段（１）からの入力情報に基づき記憶手段（２）に記
憶されている各種情報を検索して包材の適正寸法を演算
するとともに、その包材の上に上記印刷情報におけるデ
ザイン等をレイアウトし、表示手段（３）に表示及び／
または出力手段（５）に出力する演算処理手段（４）と
を備えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、石鹸等を軟包装するた
めの包材を設計する際に、各種の条件を把握した上で最
適な包材を効率的に設計することを可能とする軟包装用
包材設計支援装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】石鹸は、身体を清潔に保ち、快適な生活
を送る上で欠かせないものであり、特に固形石鹸は、従
来から最も広く使用されているものである。この固形石
鹸は、通常は一個ずつの個包装を施されて販売されてお
り、その包装方式としては、従来からの一個箱包装が知
られている。しかしながら、この一個箱包装方式におい
ては、包装箱のコストが高くつくのみならず、製函の手
間がかかり、また自動包装ラインでの生産性等が劣るこ
とから、現在では、主に軟包装方式が採用されている。
この軟包装とは、石鹸に直接触れる当てボールと呼ばれ
るやや厚めの紙と、図案等のデザインや商品名、表示重
量、成分、製造業者名等を示す責任表示が印刷された外
装紙とで構成されたものである。そして、この軟包装用
の包材は、大量生産用の高速ラインに対応しうるよう
に、１０００メートルを越える大きなロール状態にて包
装機械に供給され、一定長に裁断されながら石鹸を一個
ずつ包装するようになっている。

【０００３】上記のように、石鹸を軟包装するための包
材である当てボールと外装紙との寸法及び外装紙に印刷
するデザインや責任表示のレイアウトに関する検討を行
う場合には、まず石鹸の表示重量を満足させる寸法、形
状の木型モデルを試作し、その木型モデルに適当と思わ
れる複数種類の当てボールと外装紙とを合わせながらそ
れぞれについての採寸を行う必要があった。そして、何
度も試行錯誤を繰り返しながらこれら包材の寸法を決定
するとともに、デザイン、責任表示等の印刷のレイアウ
トを、外観イメージや包装機械特性を考慮しながら決定
することが必要とされていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、石鹸の生産
工場には複数の包装ラインがあり、そのラインごとに包
装機械性能等に起因する仕上げ寸法のバラツキがあるた
め、上記のようにして包材の寸法を決定しても、それを
仕掛けるラインによっては、包装後にデザインや責任表
示が所定の位置からずれたり、包装機械への仕掛性が悪
かったりというような問題が発生した。このため、実生
産を開始する前に、実際に仕掛けることになっている包
装ラインにおける包装状態の確認試験をいちいち実施し
なければならないという煩雑さがあった。また、包材の
設計を行う際に、いちいち木型モデルを作成して検討を
行うようになっているため、石鹸の形状や寸法に変更、
修正があったときには、再度木型モデルを作成して包材
合わせ、採寸等の作業を行わなければならず、最適な包
材決定に到達するまでの設計時間がかなりの長時間とな
っていた。更に、石鹸の寸法が同じでも、例えば販売流
通別に包材の材質やデザインが異なる場合には、その都
度上記のような同一作業を繰り返し行わなければなら
ず、その結果、包材の印刷製作納期、工場における包装
ライン試験日等の日程調整に大きな支障をきたすことと
なった。

【０００５】この発明は、上記のような問題を解決する
ためになされたものであって、石鹸等の被包装物を軟包
装するための包材の設計段階で、被包装物の形状や寸
法、包材の材質、包装ライン特性等のあらゆる条件を考
慮した上で、適正な包材を効率良く設計することを可能
とする軟包装用包材設計支援装置の提供を目的とするも
のである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の軟包装用包材設計支援装置は次のような
構成をとる。すなわち、被包装物の寸法、形状等に関す
る被包装物情報、当てボールと外装紙の材質に関する包
材材質情報、包材に印刷するデザインと責任表示に関す
る印刷情報及び使用する包装ライン名を入力する入力手
段と、複数種類の包材に関する各種包材情報、包装ライ
ンごとの包装機械偏差値を示す包装ライン情報、包材寸
法計算式情報及び印刷のレイアウト規制を示すレイアウ
ト規制情報をデータベースとして記憶する記憶手段と、
表示手段と、出力手段と、上記入力手段から入力された
被包装物情報、包材材質情報及び包装ライン名に基づい
て上記記憶手段に記憶されている各種包材情報及び包装
ライン情報を検索し、これらの情報と上記包材寸法計算
式情報とから当てボールと外装紙との適正な寸法を演算
するとともに、この演算結果と上記印刷情報及びレイア
ウト規制情報とに基づいて外装紙の上にデザイン及び責
任表示をレイアウトし、上記表示手段に表示及び／また
は上記出力手段に出力する演算処理手段とを備えてなる
ことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】上記の構成をとる本発明の軟包装用包材設計支
援装置においては、入力手段から被包装物情報、包材材
質情報、印刷情報及び包装ライン名を入力すると、入力
された被包装物情報、包材材質情報及び包装ライン名に
応じて記憶手段に記憶されている各種包材情報及び包装
ライン情報が検索され、これらの情報と記憶手段に記憶
されている包材寸法計算式情報に基づいて、包材（当て
ボール及び外装紙）の寸法が演算される。そして、この
演算結果と、入力手段から入力された印刷情報及び記憶
手段に記憶されているレイアウト規制情報とに基づい
て、演算された寸法の外装紙における印刷許容範囲内に
デザインと責任表示とがレイアウトされ、これらの検
索、演算及びレイアウト結果が表示手段に表示及び／ま
たは出力手段に出力されるようになっている。従って、
この発明の軟包装用包材設計支援装置によれば、設計段
階で、被包装物寸法、包材材質及び包装ライン特性に係
る各種条件に合わせて適正な包材を効率的に設計するこ
とが可能となる。また、デザインと責任表示とが外装紙
の上に自動的にレイアウト表示されるため、外観イメー
ジを満たした包材を極めて短時間で設計することができ
るのである。

【０００８】

【実施例】以下、石鹸を軟包装するための包材の設計に
本発明を適用した実施例について図面に基づき説明す
る。

【０００９】図１は、本発明の軟包装用包材設計支援装
置の構成例を示すブロック図である。同図に示すよう
に、この軟包装用包材設計支援装置は、キーボード、マ
ウス、イメージスキャナー等からなる対話式の入力手段
（１）と、磁気ディスク装置や光ディスク装置等からな
る記憶手段（２）と、カラーディスプレイ等からなる表
示手段（３）と、パーソナルコンピュータ等からなる演
算処理手段（４）と、プリンタ装置等からなる出力手段
（５）とから構成されている。

【００１０】上記入力手段（１）は、軟包装を施す被包
装物としての石鹸の形状と寸法（縦巾、横巾、厚み、周
長）に関する石鹸情報と、使用する包材（当てボール、
外装紙）の材質に関する包材材質情報、すなわち石鹸を
どのような材質の当てボールと外装紙とで包装するかと
いう情報と、外装紙に印刷するデザインや責任表示文字
に関する印刷情報と、実際にこの包装を実施する包装ラ
インの名前とを入力するものである。

【００１１】また、上記記憶手段（２）は、複数種類の
包材の紙質、厚み、折曲特性等に関する各種包材情報
と、包材を裁断するときの裁断寸法のバラツキや包装後
の仕上がり寸法のバラツキ等のように包装機械性能に起
因するバラツキを包装機械偏差値として示した包装ライ
ン情報と、包材寸法計算式情報と、外装紙におけるデザ
イン印刷及び責任表示印刷のレイアウト範囲を規制する
レイアウト規制情報とをデータベースとして記憶するも
のである。このレイアウト規制情報とは、デザインのセ
ンターが石鹸の正面位置に、また責任表示が石鹸の裏側
で文字を判読しやすい位置に配設されるように、それぞ
れの印刷位置を規制するために用いられる情報である。

【００１２】そして、演算処理手段（４）は、上記入力
手段（１）から入力された石鹸情報、包材材質情報及び
充填ライン名に応じて、上記記憶手段（２）に記憶され
ている各種包材情報及び包装ライン情報を検索し、包材
寸法計算式情報を用いて当てボール及び外装紙の適正な
寸法を演算する機能と、上記入力手段（１）から入力さ
れた印刷情報と上記記憶手段（２）に記憶されているレ
イアウト規制情報に基づき、デザインと責任表示とのレ
イアウト範囲を演算して上記のように寸法設定された外
装紙上にレイアウトする機能と、その結果を表示手段
（４）にて画面に表示する機能と、出力手段（５）に出
力する機能とを有するものである。また、出力手段
（５）としては、単に演算処理手段（４）の処理結果を
出力するだけの機能を有するプリンタ装置の代わりに、
処理結果を２Ｄ−ＣＡＤ、３Ｄ−ＣＡＤシステム等に出
力すべく情報を受け渡すものとすることができる。

【００１３】次に、以上のような構成をとる石鹸軟包装
用包材設計支援装置の実施例における処理手順につい
て、図２に示すフローチャートに基づき説明する。ま
ず、第１ステップ（６）で、入力手段（１）から、石鹸
の寸法と形状に関する石鹸情報、使用する当てボールと
外装紙に関する包材材質情報、外装紙に印刷するデザイ
ンと責任表示に関する印刷情報及び使用する包装ライン
名が入力される。ここでの石鹸情報とは、石鹸の縦巾、
横巾、厚み及び周長である。

【００１４】次いで、第２ステップ（７）において、入
力手段（１）から入力された石鹸情報、包材材質情報及
び充填ライン名に基づいて、記憶手段（２）にデータベ
ースとして記憶されている各種包材情報及び包装ライン
情報が検索され、これらの情報と包材寸法計算式情報と
から、石鹸の寸法、包材の包装重ねしろ寸法、包装機械
偏差値等に適合させた当てボールと外装紙の寸法が演算
される。そして、上記入力手段（１）から入力された印
刷情報と記憶手段（２）に記憶されているレイアウト規
制情報とから、上記のように寸法設定された外装紙にお
けるデザイン及び責任表示の印刷範囲の演算が行われ、
その印刷範囲へのデザイン及び責任表示のレイアウトが
行われる。

【００１５】次に、第３ステップ（８）で、上記のよう
にして得られた当てボール及び外装紙の寸法と、この外
装紙におけるデザイン及び責任表示のレイアウト結果が
カラーディスプレイ等の表示手段（３）に表示され、更
に第４ステップ（９）で、出力手段（５）により出力さ
れることとなる。そして、このようにして出力された結
果を見ながら、デザイン及び責任表示のレイアウトにつ
いての検討を行うことができるのである。

【００１６】以下、上記のステップのように演算処理手
段（４）によって演算処理された結果が表示手段（３）
に表示された具体例を、図３に示して詳しく説明する。
すなわち、まず入力手段（１）から、製品名（石鹸内容
物名）「カネボウ セッケンＡＡＡＡＡ」、石鹸寸法：
縦巾７９．０ｍｍ、横巾５９．３ｍｍ、厚み３３．７ｍ
ｍ、周長１５４．０ｍｍいう石鹸情報と、当てボール材
質：コートボール、外装紙材質：上質紙という包材材質
情報と、包装ライン：７号という包装ライン名と、図案
等のデザイン及び責任表示に関する印刷情報とを入力す
ると、記憶手段（２）に記憶されている各種包材情報及
び包装ライン情報が検索され、これらの情報と包材寸法
計算式情報とから、上述の処理手順のように当てボール
と外装紙との適正な寸法が算出され、その寸法値ととも
に外装紙の形状が表示手段（３）に表示される。そし
て、上記印刷情報とレイアウト規制情報とから印刷のレ
イアウト範囲が演算され、その演算結果（デザインエリ
ア寸法、責任表示１寸法、責任表示２寸法）が表示され
るとともに、上記のように形状表示された外装紙の上
に、印刷のレイアウト範囲が、デザインエリア、責任表
示１、責任表示２のそれぞれの色を変える等して区分表
示されるようになっている。

【００１７】上述のように、入力手段（１）から入力さ
れた各種の情報と、それらに適応する当てボール及び外
装紙の寸法と、デザイン及び責任表示のレイアウト範囲
とが表示手段（３）の画面上に同時に表示されることに
より、この表示を見ながら、各種条件を把握した上で石
鹸を軟包装するための包材寸法等と印刷レイアウトの検
討、選択を効率的に行っていくことが可能となる。

【００１８】そして、上記のように表示されたレイアウ
ト範囲の上に、入力手段（１）から入力されたデザイン
と責任表示とをのせることにより、石鹸を包装した状態
を図４に示す如く３Ｄ−ＣＡＤで３次元の形にモデル表
示することができる。こうすることによって、設計担当
者、デザイン担当者等の関係者が集まって、表示手段
（３）に表示された画面を見ながら速やかに軟包装され
た石鹸の外観イメージの検討を行うことができる。そし
て、デザイン等の変更と修正がある場合には、即座に図
３に示した２Ｄ−ＣＡＤ表示に切り替えてデザインと責
任表示とをレイアウト変更、修正し、再度、図４に示し
た３Ｄ−ＣＡＤによる３次元でのモデル表示を行うこと
により速やかに再検討を実施することができるため、納
得のいくまでの検討と選択を効率良く繰り返すことが可
能となる。

【００１９】尚、上記の実施例では、本発明の軟包装用
包材設計支援装置を、石鹸を軟包装する包材の設計に適
用した例を挙げたが、この装置は、軟包装を施す他の製
品用の包材を設計する際にも広く適用することのできる
ものである。

【００２０】

【発明の効果】以上のように、本発明の軟包装用包材設
計支援装置によれば、軟包装用の包材の設計段階で、被
包装物の寸法、包材の材質及び包装ライン特性といった
各種条件をすべて把握した上で包材寸法の検討を極めて
効率的に行うとともに、デザイン及び責任表示に関する
印刷条件に基づくレイアウトの検討も容易且つ効率的に
行うことが可能となる。すなわち、従来のように木型モ
デルによる採寸と試作とを繰り返しながら当てボール及
び外装紙の寸法検討を行う必要がなくなり、設計工数、
コストを大幅に削減することができるのである。また、
本発明の軟包装用包材設計支援装置によれば、デザイン
担当者と設計担当者とが共通認識をもって合理的に包材
設計の検討を進めていくという理想的なデザイン・設計
の検討、決定の場を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の軟包装用包材設計支援装置の構成を示
すブロック図である。

【図２】本発明の軟包装用包材設計支援装置の一実施例
における処理手順を示すフローチャートである。

【図３】同実施例における表示手段の表示例を示す説明
図である。

【図４】上記表示手段と異なる表示手段における表示例
を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 入力手段 ２ 記憶手段 ３ 表示手段 ４ 演算処理手段 ５ 出力手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被包装物の寸法、形状等に関する被包装
   物情報、当てボールと外装紙の材質に関する包材材質情
   報、包材に印刷するデザインと責任表示に関する印刷情
   報及び使用する包装ライン名を入力する入力手段と、複
   数種類の包材に関する各種包材情報、包装ラインごとの
   包装機械偏差値を示す包装ライン情報、包材寸法計算式
   情報及び印刷のレイアウト規制を示すレイアウト規制情
   報をデータベースとして記憶する記憶手段と、表示手段
   と、出力手段と、上記入力手段から入力された被包装物
   情報、包材材質情報及び包装ライン名に基づいて上記記
   憶手段に記憶されている各種包材情報及び包装ライン情
   報を検索し、これらの情報と上記包材寸法計算式情報と
   から当てボールと外装紙との適正な寸法を演算するとと
   もに、この演算結果と上記印刷情報及びレイアウト規制
   情報とに基づいて外装紙の上にデザイン及び責任表示を
   レイアウトし、上記表示手段に表示及び／または上記出
   力手段に出力する演算処理手段とを備えてなることを特
   徴とする軟包装用包材設計支援装置。