JPH0735797A - 強誘電性液晶の誘電率測定方法および測定装置 - Google Patents

強誘電性液晶の誘電率測定方法および測定装置

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JPH0735797A
JPH0735797A JP20937993A JP20937993A JPH0735797A JP H0735797 A JPH0735797 A JP H0735797A JP 20937993 A JP20937993 A JP 20937993A JP 20937993 A JP20937993 A JP 20937993A JP H0735797 A JPH0735797 A JP H0735797A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強誘電性液晶の主軸誘電率ε1,ε2,ε3
正確に測定する。 【構成】 測定対象の強誘電性液晶からなるスメクチッ
ク層が基板に対して平行をなす垂直配向セルと、上記強
誘電性液晶からなるスメクチック層が基板に対して
「く」の字状に折れ曲がって傾斜したシェブロン層構造
を持つ水平配向セルとを用意する。垂直配向セルに液晶
分子の配向が変化しないレベルの高周波プローブ電圧を
印加して誘電率εhを測定する。上記水平配向セルに上
記プローブ電圧を印加して誘電率εpを測定する。上記
水平配向セルに直流または低周波のバイアス電圧を印加
して上記スメクチック層内の液晶分子の自発分極を一定
方向に揃えた状態で、上記プローブ電圧を印加して誘電
率εpDCを測定する。上記3つの誘電率εh,εp,εpDC
に基づいて、所定の関係式により、上記主軸誘電率
ε1,ε2,ε3を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液晶物性の測定方法
および測定装置に関する。さらに詳しくは、強誘電性液
晶物性の測定方法および測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】強誘
電性液晶は、現在広く用いられているネマチック液晶に
比して、メモリー性、高速応答性、広視野角などの利点
を持つことから、次世代の液晶表示素子用材料として期
待され、盛んに研究が行われている。
【0003】図7は、強誘電性液晶を封止した液晶素子
(液晶セル)の断面構造を例示している。この液晶セル
は、互いに対向して配置された2枚のガラス基板1a,
1bを有している。一方のガラス基板1aの表面にインジ
ウム錫酸化物(以下「ITO」という。)等からなる透
明な信号電極2aが複数本互いに平行に配置され、その
上にはSiO2等からなる透明な絶縁膜3aが形成されて
いる。他方のガラス基板1bの表面にはITO等からな
る透明な走査電極2bが信号電極2aと直交する向きに複
数本互いに平行に配置されており、その上はSiO2等か
らなる透明な絶縁膜3bで被覆されている。各絶縁膜3
a,3b上には、ラビング処理などの一軸配向処理が施さ
れた配向膜4a,4bが形成される。配向膜4a,4bの材
料としては、ポリイミド膜、ナイロン膜、ポリビニルア
ルコール膜などの有機高分子膜またはSiO斜方蒸着膜
などが用いられる。通常は、液晶分子が電極基板に対
し、ほぼ平行に配向するように配向処理が成される。こ
の2枚のガラス基板1a,1bはセル厚制御用のスペーサ
ー5を介して、一部に注入口を残して封止剤6で貼り合
わされ、その注入口を通して配向膜4a,4bで挾まれる
空間内に強誘電性液晶(FLC)7が注入され、上記注
入口は封止剤8で封止されている。2枚の基板9,10
は、偏光軸が互いに直交するように配置された2枚の偏
向板12a,12bで挾まれている。
【0004】このように構成された液晶素子の特性は、
液晶分子の配向状態などにも依存するが、主として強誘
電性液晶材料自身の物性で決定される。これに関する理
論的な説明は、例えばエム・ジェイ・タウラー(M.
J.Towler)らによる「強誘電性液晶のスイッチング
における2軸誘電率テンソルと傾斜層配置の効果」(リ
キッド・クリスタルズ(Liquid Crystals),Vol.
11,No.3(1992)365.)に詳しく述べら
れている。これによると、強誘電性液晶素子の特性は自
発分極、回転粘性そして誘電異方性に強く支配されるこ
とがわかる。したがって、強誘電性液晶素子の研究・開
発を行う上で、これらの物性値を正確に測定する技術が
重要になる。このなかで、自発分極は、例えば三角波法
により容易に測定することができる(福田、竹添による
「強誘電性液晶の構造と物性」p.293)。また、回
転粘性の測定方法は、シー・エッシャー(C.Esche
r)らにより「動的モデルによる強誘電性液晶の回転粘
性の測定」(リキッド・クリスタルズ,Vol.3,N
o.4(1988)469.)において述べられてい
る。しかしながら、誘電率の測定については、ジェイ・
シー・ジョーンズ(J.C.Jones)らによる「強誘電
性液晶素子に用いられた幾つかのスメクチックCホスト
材料についての2軸誘電率の測定」(リキッド・クリス
タルズ,Vol.11,No.2(1992)199.)
等にノンカイラルのスメクティックC液晶の2軸誘電異
方性を測定する方法が報告されているだけであり、強誘
電性液晶であるカイラルスメクティックC液晶の3つの
主軸誘電率ε1,ε2,ε3を直接測定する方法はまだ報
告されていない。測定が困難だからである。なお、強誘
電性液晶は2軸性分子であるので、その誘電異方性は、
ネマチック液晶の場合とは異なり、単純に分子長軸と短
軸の誘電率の差ではない。図8に示すように、一般に、
強誘電性液晶の主軸誘電率について液晶分子13の長軸
方向の成分をε3、自発分極Psの方向の成分をε2、残
りの方向の成分をε1と定義した上で、強誘電性液晶の
誘電異方性と2軸誘電異方性をそれぞれ
【数12】
【数13】 と定める。図8中、14は、強誘電性液晶分子13が動
く円錐軌跡を表している。
【0005】強誘電性液晶の主軸誘電率ε1,ε2,ε3
を測定するのが困難である理由は、主にその分子配向の
複雑さと自発分極を持つことにある。例えば、図9に示
すように、基板9,10に対して液晶分子13を略垂直
に配向させた垂直配向セル(ホメオトロピック(Homeo
tropic)セル)では、スメクティック層は、折れ曲がる
ことなく基板9,10に対して平行に形成される。しか
しながら、基板に対して液晶分子が略平行をなす水平配
向セルを普通に作製した場合、図10(b)に示すよう
に、強誘電性液晶層が「く」の字状に折れ曲がった構造
(シェブロン層構造)を示す。同図(a)(基板面に対し
て垂直方向から見ている)に示すように、このシェブロ
ン層構造には2つの領域が存在しうる。この2つの領域
を、神辺らはプレチルトθpとの関係からC1、C2と
名付けている(フェロエレクトリクス(Ferroelectric
s)Vol.114(1991)3.)が、プレチルトが
存在しない場合には、上記2つの領域はラビングなどの
一軸配向処理の方向と関係づけられる。分子配向の複雑
さを招くもう1つの現象は、図11(a),(b)に示すユニ
フォーム(U)とツイスト(T)である。ユニフォームは消
光位を示す配向、ツイストは消光位を示さない配向であ
る(ジャパン・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジ
クス(Jpn.J.Appl.Phys.)Vol.27(198
8)1.)。なお、図11中、19はシェブロンインタ
ーフェイス、20はC−ダイレクタ(液晶分子の方位角
を表す)を示している。向殿らは、ハイプレチルト配向
膜を用いたパラレルラビングの強誘電性液晶セルにおい
て、C1U(C1−ユニフォーム)、C1T(C1−ツ
イスト)、消光位を示す1種類のC2の3つの配向が得
られたことを報告している(ジャパン・ジャーナル・オ
ブ・アプライド・フィジクス Vol.30(1990)
L1823.)。田川らは更に、図12(a)〜(d)に示す
ように、パラレルラビングの強誘電性液晶セルにおいて
は、光学特性の異なるC1U、C1T、C2U(C2−
ユニフォーム)、C2T(C2−ツイスト)の4つの配
向状態が存在することを報告している(プロシーディン
グス・ジャパン・ディスプレイ '92 ヒロシマ(Pro
c.Japan Display'92 Hiroshima),1992
p.519.)。ハイプレチルト配向膜を用いた場合の
1種類のC2は同図(e)に示すように、ハイプレチルト
C2Uとして区別される。これらの分子配向について
は、ジャパン・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジ
クスVol.31(1992)852.および同誌Vol.
31(1992)L1089.に詳しく説明がなされて
おり、セル内部での液晶分子の変化等が記されている。
このように、強誘電性液晶は、水平配向を試みても単純
に基板に平行な配向をせず、しかも、多くの配向状態が
存在する。このため、従来は、強誘電性液晶の主軸誘電
率ε1,ε2,ε3を正確には求めることができなかっ
た。つまり、従来は、分子配向の多様性を無視して液晶
セルを単に1種類の水平配向セルとして扱っていたた
め、求められた主軸誘電率の値はセルごとに大きく異な
り、正確な値を知ることができなかった。
【0006】そこで、この発明の目的は、強誘電性液晶
の3つの主軸誘電率ε1,ε2,ε3を正確に測定する強
誘電性液晶の誘電率測定方法および測定装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の強誘電性液晶の誘電率測定方法
は、互いに対向し対向面に電極を有する一対の基板の隙
間に強誘電性液晶を封止した状態で、上記電極に液晶分
子の配向が変化しないレベルの高周波のプローブ電圧を
印加して誘電率を測定し、この誘電率に基づいて上記強
誘電性液晶の液晶分子の長軸方向の主軸誘電率ε3、上
記液晶分子の自発分極の方向の主軸誘電率ε2、およ
び、上記長軸方向と自発分極の方向とに直交する方向の
主軸誘電率ε1を求める強誘電性液晶の誘電率測定方法
であって、上記強誘電性液晶からなるスメクチック層が
上記基板に対して平行をなす垂直配向セルと、上記強誘
電性液晶からなるスメクチック層が上記基板に対して
「く」の字状に折れ曲がって傾斜したシェブロン層構造
を持つ水平配向セルとを用意して、上記垂直配向セルの
上記電極に上記プローブ電圧を印加して、上記強誘電性
液晶の誘電率εhを測定し、上記水平配向セルの上記電
極に上記プローブ電圧を印加して、上記強誘電性液晶の
誘電率εpを測定し、上記水平配向セルの上記電極に直
流または低周波のバイアス電圧を印加して上記スメクチ
ック層内の液晶分子の自発分極を一定方向に揃えた状態
で、上記プローブ電圧を印加して、上記強誘電性液晶の
誘電率εpDCを測定し、上記3つの誘電率εh,εp,εp
DCに基づいて、所定の関係式により、上記主軸誘電率ε
1,ε2,ε3を求めることを特徴としている。
【0008】また、請求項2に記載の強誘電性液晶の誘
電率測定方法は、請求項1の誘電率測定方法において、
上記関係式は、上記強誘電性液晶の誘電異方性、2軸誘
電異方性をそれぞれ
【数14】
【数15】 と表し、θ、δ、Φをそれぞれ上記液晶分子のチルト
角、上記スメクチック層の基板に対する傾斜角、上記液
晶分子の方位角としたとき、
【数16】
【数17】
【数18】
【数19】 の連立式からなることを特徴としている。
【0009】また、請求項3に記載の強誘電性液晶の誘
電率測定方法は、請求項2に記載の強誘電性液晶の誘電
率測定方法において、上記式(5)中のФとして、上記
水平配向セルの上記電極にバイアス電圧を印加していな
いときの上記液晶分子の方位角の平均値Ф0を用いるこ
とを特徴としている。
【0010】また、請求項4に記載の強誘電性液晶の誘
電率測定方法は、互いに対向し対向面に電極を有する一
対の基板の隙間に強誘電性液晶を封止した状態で、上記
電極に液晶分子の配向が変化しないレベルの高周波のプ
ローブ電圧を印加して誘電率を測定し、この誘電率に基
づいて上記強誘電性液晶の液晶分子の長軸方向の主軸誘
電率ε3、上記液晶分子の自発分極の方向の主軸誘電率
ε2、および、上記長軸方向と自発分極の方向とに直交
する方向の主軸誘電率ε1を求める強誘電性液晶の誘電
率測定方法であって、上記強誘電性液晶からなるスメク
チック層が上記基板に対して平行をなす垂直配向セル
と、上記強誘電性液晶からなるスメクチック層が上記基
板に対して「く」の字状に折れ曲がって傾斜したシェブ
ロン層構造を持つ水平配向セルとを用意して、上記垂直
配向セルの上記電極に上記プローブ電圧を印加して、上
記強誘電性液晶の誘電率εhを測定し、上記水平配向セ
ルの上記電極に上記プローブ電圧を印加して、上記強誘
電性液晶の誘電率εpを測定し、上記水平配向セルの上
記電極に直流または低周波のバイアス電圧を印加して、
上記スメクチック層を上記基板に対して垂直にするとと
もに上記スメクチック層内の液晶分子の自発分極を上記
基板に対して垂直方向に揃えた状態で、上記プローブ電
圧を印加して、上記強誘電性液晶の主軸誘電率ε2を直
接測定し、上記3つの誘電率εh,εp,ε2に基づい
て、所定の関係式により、さらに上記主軸誘電率ε1
ε3を求めることを特徴としている。
【0011】また、請求項5に記載の強誘電性液晶の誘
電率測定方法は、請求項4に記載の誘電率測定方法にお
いて、上記関係式は、上記強誘電性液晶の誘電異方性、
2軸誘電異方性をそれぞれ
【数20】
【数21】 と表し、θ、δ、Φをそれぞれ上記液晶分子のチルト
角、上記スメクチック層の基板に対する傾斜角、上記液
晶分子の方位角としたとき、
【数22】
【数23】
【数24】 の連立式からなることを特徴としている。
【0012】また、請求項6に記載の強誘電性液晶の誘
電率測定装置は、請求項2に記載の強誘電性液晶の誘電
率測定方法を実施する強誘電性液晶の誘電率測定装置で
あって、上記3つの値εh,εp,εpDCに基づいて、上
記式(3)、式(4)、式(5)および式(6)を連立さ
せることにより、3つの主軸誘電率ε1,ε2,ε3を求
める数値計算を自動的に行う処理手段を備えたことを特
徴としている。
【0013】また、請求項7に記載の強誘電性液晶の誘
電率測定装置は、請求項5に記載の強誘電性液晶の誘電
率測定方法を実施する強誘電性液晶の誘電率測定装置で
あって、上記3つの誘電率εh,εp,ε2に基づいて、
上記式(3)、式(4)および式(5)を連立させるこ
とにより、上記主軸誘電率ε1,ε3を求める数値計算を
自動的に行う処理手段を備えたことを特徴としている。
【0014】
【作用】請求項1または2に記載の誘電率測定方法で
は、測定すべき強誘電性液晶(カイラルスメクチック
C)を封止した垂直配向セルと水平配向セルとを用意す
る。この垂直配向セルは、図9に示したように、スメク
チック層が折れ曲がることなく、基板に対して平行にな
っているものとする。一方、上記水平配向セルは、図1
0に示したようにスメクチック層が基板に対して「く」
の字状に折れ曲がったシェブロン層構造を持つものとす
る。測定すべき強誘電性液晶セル全体の誘電率を座標変
換等の処理をしつつ、上記垂直配向セルと水平配向セル
とについて、基板に垂直な方向の誘電率を測定する。求
める主軸誘電率が3種類あるので測定系も3種類とす
る。なお、上記強誘電性液晶の誘電異方性、2軸誘電異
方性は、それぞれ
【数25】
【数26】 で表されるものとし、また、図13に示すように、通常
通り、実験室系座標x,y,zにおいてθ、δ、Φをそ
れぞれ液晶分子のチルト角、スメクチック層の基板に対
する傾斜角、液晶分子の方位角とする(図13中、qは
円錐の軸、nは液晶分子の長軸方向の単位ベクトルであ
る。)。
【0015】まず、上記垂直配向セルの誘電率εhを
測定する。このセルの誘電率εhは次式(3)で表され
る。
【数27】
【0016】次に、上記水平配向セルの誘電率を測定
する。このセルの分子配向は12図に示すように一様で
はないが、誘電率は次式(4)および(5)で表わされ
る。
【数28】
【数29】
【0017】3つ目の測定系は、上記水平配向セルに
対して基板に垂直方向に直流(DC)あるいは十分周波
数の低いバイアス電界を印加して、自発分極をすべて一
定方向に揃えることで得られる。この場合の誘電率εp
DCは、式(5)中のΦに定数ΦDCを代入して、次式
(6)として得られる。
【数30】
【0018】この系の特殊な場合として、自発分極が電
界方向に完全に一致するのに必要な十分強い電界を印加
した場合があり、このときの誘電率εpDC'は、式(6)
中のΦに0またはπ(rad)を代入して、次式(7)で
表わされる。
【数31】
【0019】このようにして求めた3つの値εh,εp,
εpDCに基づいて、式(3)、(4)、(5)および(6)、
または、式(3)、(4)、(5)および(7)を連立させ
ることにより、3つの主軸誘電率ε1,ε2,ε3が正確
に求められる。
【0020】また、請求項3に記載の誘電率測定方法で
は、さらに、上記式(5)中のФとして、上記水平配向
セルの上記電極にバイアス電圧を印加していないときの
上記液晶分子の方位角の平均値Ф0を用いる。このよう
にした場合、式(5)が線形化され、したがって、式
(4)も線形化される(実施例の欄で詳述する。)。こ
の結果、式(3)、(4)、(5)および(6)が全て線形の
式となり、コンピュータなどによる数値計算処理を行わ
なくとも、簡単に3つの主軸誘電率ε1,ε2,ε3が求
められる。
【0021】また、請求項4または5に記載の誘電率測
定方法では、3つの主軸誘電率ε1,ε2,ε3のうちε2
を先に直接測定する。佐藤らが、上記水平配向セルに適
当な交番電界を印加することにより、強誘電性液晶の種
類によっては、スメクティック層を基板に対して垂直に
立ち上がらせ得る旨を報告している(ジャパン・ジャー
ナル・オブ・アプライド・フィジクス Vol.28(1
989)L483.)。スメクチック層を基板に対して
垂直にした場合、直流あるいは十分周波数の低いバイア
ス電界を印加して、さらに自発分極をすべて電界方向に
揃えることによって、直接ε2を測定することができ
る。このようにして測定したε2と、上記で測定した
εhと、上記で測定したεpとに基づいて、式(3)、
(4)および(5)を連立させることにより、3つの主
軸誘電率ε1,ε2,ε3が正確に求められる。
【0022】また、請求項6に記載の強誘電性液晶の誘
電率測定装置では、処理手段によって、上記3つの値ε
h,εp,εpDCに基づいて、式(3)、(4)、(5)お
よび(6)、または、式(3)、(4)、(5)および
(7)を連立させることにより、3つの主軸誘電率
ε1,ε2,ε3を求める数値計算が自動的に行われる。
したがって、3つの主軸誘電率ε1,ε2,ε3が短時間
で求められる。
【0023】また、請求項7に記載の強誘電性液晶の誘
電率測定装置では、処理手段によって、スメクチック層
を基板に対して垂直にした状態で、直流あるいは十分周
波数の低いバイアス電界を印加して、自発分極をすべて
電界方向に揃えることによって測定したε2と、上記
で測定したεhと、上記で測定したεpとに基づいて、
式(3)、(4)および(5)を連立させることによ
り、残りの主軸誘電率ε1,ε3を求める数値計算が自動
的に行われる。したがって、3つの主軸誘電率ε1
ε2,ε3が短時間で求められる。
【0024】
【実施例】以下、この発明の強誘電性液晶の誘電率測定
方法および測定装置を実施例により詳細に説明する。
【0025】誘電率を測定する対象はメルク社製の強誘
電性液晶SCE−8とし、図8に示したように、この強
誘電性液晶SCE−8の液晶分子13の長軸方向の主軸
誘電率ε3、液晶分子13の自発分極Psの方向の主軸
誘電率ε2、および、残りの方向の主軸誘電率ε1を求め
るものとする。また、測定のために強誘電性液晶を封止
するセルは、図7に示したものと同一構造とする。
【0026】まず、第1の測定方法について説明する。
【0027】上記強誘電性液晶SCE−8からなるス
メクチック層が基板9,10に対して平行をなす垂直配
向セルを作製した。このとき、配向膜4a,4bは、日
本合成ゴム社製のポリイミド配向膜JALS−204と
した。JALS−204は垂直配向剤である。
【0028】ヒュウレットパッカード社製のLCRメー
タ4284Aを用いて、周波数100KHzで、セルの
電極2a,2bに所定のプローブ電圧を印加して上記垂
直配向セルの静電容量を測定し、予め測定した空セルの
静電容量との比から上記強誘電性液晶SCE−8の誘電
率εhを求めた。εh=3.14であった。
【0029】次に、上記強誘電性液晶SCE−8から
なるスメクチック層が基板9,10に対して「く」の字
状に折れ曲がって傾斜したシェブロン層構造を持つ水平
配向セル(パラレルラビングセル)を作製した。
【0030】このとき、配向膜4a,4bは、チッソ社
製のポリイミド配向膜PSI−A−2101とした。こ
のセルは全面にわたって均一なC2U配向を示した。注
入した強誘電性液晶SCE−8の液晶分子のチルト角θ
とスメクチック層の基板9,10に対する傾斜角δと
を、それぞれ周波数1KHz、±10Vの方形波を印加
してフォトダイオードで透過光を検出する方法とX線の
小角散乱法とにより、測定した。チルト角θは21°、
層傾斜角δは19.5°であった。ネマチック液晶E−
8(メルク製)を用いて、上記ポリイミド配向膜PSI
−A−2101のプレチルト角θpを測定したところ6
°であった。チルト角θと層傾斜角δとの差(2.5
°)よりもプレチルト角θpの方が大きいことから、こ
のセルの配向は、図12(e)に示したハイプレチルトC
2Uであることが分かる。
【0031】ヒュウレットパッカード社製のLCRメー
タ4284Aを用いて、周波数100KHzで、セルの
電極2a,2bに所定のプローブ電圧を印加して上記水
平配向セルの静電容量を測定し、予め測定した空セルの
静電容量との比から上記強誘電性液晶SCE−8の誘電
率εpを求めた。εp=4.67であった。
【0032】ただし、この場合は垂直配向セルの場合と
は異なり、印加される電界の方向に自発分極Psが存在
するので、プローブ電圧が強すぎると電界により液晶分
子の配向が変化してしまう。このため、上記誘電率εp
は、液晶分子の配向が変化しないレベルのプローブ電圧
で測定する必要がある。そこで、プローブ電圧の決定
は、偏向顕微鏡による配向観察と、誘電率εpのプロー
ブ電圧依存性を測定することにより行った。図1はこの
ときの測定結果を示している。プローブ電圧が高くなる
につれて誘電率εpが変化し、電界により配向が変化し
ていることが分かる。また、測定周波数が低くなるほど
低い電圧で配向が変化することが分かる。この結果か
ら、すべての周波数において信頼できる測定を行えるよ
うに、プローブ電圧は±0.25Vと決定した。以降、
水平配向セルの誘電率を測定するときのプローブ電圧
は、すべて±0.25Vとした。
【0033】次に、上記で作製した水平配向セルの
電極9,10に直流または低周波のバイアス電圧を印加
して上記スメクチック層内の液晶分子の自発分極Psを
一定方向に揃えた状態で、上記プローブ電圧を印加し
て、強誘電性液晶SCE−8の誘電率εpDCを測定す
る。この場合は、印加するバイアス電圧の強さが問題に
なる。バイアス電圧による電界が強すぎるとスメクチィ
ック層の傾斜角δが変化するからである。
【0034】本発明者はバイアス電圧の大きさを次のよ
うにして決定した。図2はDCバイアスの電圧を変化さ
せて誘電率εを測定した結果を示し、図3はDCバイア
スを電圧を変えて印加した後、上記DCバイアスを除去
した状態で誘電率εを測定した結果を示している。図3
から分かるように、バイアス電圧を10V以上印加した
ものでは誘電率εが変化しており、誘電率εの変化量は
バイアス電圧30Vで飽和している。ここで、バイアス
電圧30V印加後のセルの配向は、先に述べた文献ジャ
パン・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス Vo
l.28(1989)L483.のFig.1(b)に示され
ている、スメクチィック層が立ち上がったものと同じで
あった。このことから、バイアス電圧10Vを印加する
ことにより層傾斜角δが変化し始め、バイアス電圧30
Vではスメクチック層が基板9,10に対して垂直にな
っていることが分かる。また、図2から分かるように、
誘電率εは、バイアス電圧10Vでは飽和せず、バイア
ス電圧が20Vになるまで上昇している。すなわち、バ
イアス電圧10V以下では自発分極Psが完全に電界方
向に揃っていない。これにより、スメクチィック層の傾
斜角δが変化せず、かつ、自発分極Psが一様に電界方
向に揃うようなバイアス電圧の範囲は存在しないことが
分かった。したがって、式(7)は適用の余地がない。
そこで、スメクチィック層が変形しない10V以下のバ
イアス電圧、例えばバイアス電圧8Vに設定する。そし
て、このときの液晶分子の方位角ΦDCと誘電率εpDC
を求めて、式(6)を適用することとする。
【0035】図4は上記セルに周波数1Hzの方形波を
電圧を変化させながら印加し、そのときの見掛けのチル
ト角を測定した結果を示している。電圧の増加に伴い、
見掛けのチルト角も増加している。図5は液晶分子の方
位角Φの違いによる見掛けのチルト角を計算した結果を
表す理論曲線である。図4から、バイアス電圧8Vを印
加したときの見掛けのチルト角は17°であり、図5か
ら、そのときの分子の方位角ΦDCは35.5°であるこ
とが分かる。このときの誘電率εpDCは、図2からεpDC
=4.81である。
【0036】上記,,で得た3つの誘電率ε
h,εp,εpDCに基づいて、式(3)〜(6)により、
上記主軸誘電率ε1,ε2,ε3を求める。具体的には、
式(3)のεhに3.14、式(4)のεpに4.67、
式(6)のεpDCに4.81、ΦDCに35.5°を代入
して各主軸誘電率ε1,ε2,ε3を求める。求めた結果
を次の「表1」に示す。
【表1】
【0037】次に、第2の測定方法について説明する。
この測定方法では、上記強誘電性液晶の主軸誘電率ε2
を直接測定し、この直接測定したε2に基づいて主軸誘
電率ε1,ε3を求める。
【0038】すなわち、上記で説明した図3から、バ
イアス電圧30Vを印加した後は誘電率εが飽和してお
り、スメクチック層が基板に対して垂直になっているこ
とが分かる。また、図2から、バイアス印加中の誘電率
εも飽和しており、液晶分子の自発分極Psも完全に電
界方向に揃っていることが分かる。したがって、バイア
ス電圧30Vを印加すると、主軸誘電率ε2を直接測定
することができる。
【0039】この場合、上記で測定したεhと、上記
で測定したεpと、この直接測定したε2とに基づい
て、式(3)〜(5)により、残りの主軸誘電率ε1
ε3を求めることができる。このようにして求めた結果
を次の「表2」に示す。
【表2】
【0040】「表1」と「表2」の値から分かるよう
に、上記2つの測定方法によって、強誘電性液晶SCE
−8の主軸誘電率ε1,ε2,ε3について略同じ値を得
ることができた。このことは、上記2つの測定方法の正
確さを裏付けるものである。
【0041】次に、上記2つの測定方法を実施できる測
定装置について説明する。
【0042】図6に示すように、この誘電率測定装置
は、偏光顕微鏡26と、LCRメータ22と、偏光顕微
鏡26の上部にに取り付けられたCCDカメラ23と、
TVモニタ24と、コンピュータ25を備えている。偏
光顕微鏡26は、接眼レンズ26aと、対物レンズ26
bと、試料ステージ26cと、光源26dを備えてい
る。試料ステージ26cには恒温槽21が搭載され、こ
の恒温槽21内に、強誘電性液晶を封止したセル11が
セットできるようになっている。セル11の電極は配線
30によってLCRメータ22に接続される。27,2
8,29はケーブルである。偏光顕微鏡26の像はCC
Dカメラ23を通して、TVモニタ24に映し出される
とともにコンピュータ25に取り込まれる。セル11の
誘電率はLCRメータ22により測定され、そのデータ
もコンピュータ25に取り込まれる。
【0043】コンピュータ25は、処理手段としてCP
U(中央演算装置)を内蔵している。予め入力されたチ
ルト角θ、層傾斜角δ、プレチルト角θpのデータと測
定された誘電率とに基づいて、データの処理や計算を自
動的に行うことができる。具体的には、CPUによっ
て、上記第1の測定方法の,,で求めた3つの値
εh,εp,εpDCに基づいて、式(3)、(4)、
(5)および(6)、または、式(3)、(4)、
(5)および(7)を連立させることにより、3つの主
軸誘電率ε1,ε2,ε3を求める数値計算を行う。した
がって、3つの主軸誘電率ε1,ε2,ε3を短時間で求
めることができる。また、上記CPUによって、上記第
2の測定方法で直接測定したε2と、上記で測定した
εhと、上記で測定したεpとに基づいて、式(3)、
(4)および(5)を連立させることにより、残りの主
軸誘電率ε1,ε3を求める数値計算を行う。したがっ
て、3つの主軸誘電率ε1,ε2,ε3を短時間で求める
ことができる。
【0044】なお、コンピュータ25は、上記データの
処理や数値計算を行うだけでなく、偏光顕微鏡26の画
像と誘電率のデータとを元に、上記第1,第2の測定方
法を実施するのに要するプローブ電圧やバイアス電圧の
決定をも行うことができる。また、上記第1,第2の測
定方法と異なり、バイアス電圧を印加しても単一の配向
状態が得られない場合であっても、偏光顕微鏡26の画
像を処理して、図12に示した各配向の面積割合を求め
て、正確な誘電率を求めることができる。
【0045】最後に、第3の測定方法について説明す
る。この第3の測定方法は、上記第1の測定方法を変形
したものである。
【0046】この測定方法では、上記式(5)中のФと
して、上記水平配向セルの上記電極にバイアス電圧を印
加していないときの上記液晶分子の方位角の平均値Ф0
を用いる。つまり、第1の測定方法では、図4,図5に
よって、バイアス電圧8Vを印加したときの見掛けのチ
ルト角から分子方位角ФDCを求めたが、この測定方法で
は、同様にして、バイアス電圧を印加していないときの
見掛けのチルト角から分子方位角Ф0を求める。図4
で、バイアス電圧を印加していないときの見掛けのチル
ト角は6.5°であり、図5から、これに対応する分子
方位角Ф0は71.5°であることが分かる。この場
合、バイアス電圧を印加していないので、液晶分子の自
発分極は一定方向には揃っておらず、図12に示すよう
に液晶分子も一定方向に揃ってはいない。しかし、セル
全体では平均的に方位角Ф0=71.5°をとっている
と考えられる。そこで、式(5)中のФとして、Ф0
71.5°を用いる。
【0047】このようにした場合、式(5)を線形化で
き、したがって、式(4)も線形化できる。この結果、
式(3)、(4)、(5)および(6)を全て線形の式にする
ことができ、コンピュータなどによる数値計算処理を行
わなくとも、簡単に3つの主軸誘電率ε1,ε2,ε3
求めることができる。
【0048】実際に、式(3)、(5)および(6)
に、既に求めたθ、δ、ФDCに既に求めた値を代入し、
式(5)のФにФ0=71.5°を代入すると、次のよ
うな線形化された式(8)、(9)および(10)が得
られる(なお、式(9)は式(4)および(5)から得
られる。式(9)において、ε3の項は、係数が小さい
ため省略している)。
【数32】
【数33】
【数34】
【0049】これらの式(8)、(9)および(10)
を解析的に解くことによって、次の「表3」に示すよう
に、簡単に3つの主軸誘電率ε1,ε2,ε3を求めるこ
とができる。
【表3】
【0050】この「表3」の結果では、上記第1,第2
の測定方法に比して、幾分誤差が大きくなっている。こ
の誤差は、バイアス電圧を印加しないときの分子方位角
Ф0を平均値で近似したことにより生じたものと考えら
れる。しかし、従来に比して、依然として誤差は小さ
く、この測定方法が有用であることが分かる。
【0051】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に記
載の強誘電性液晶の誘電率測定方法は、互いに対向し対
向面に電極を有する一対の基板の隙間に強誘電性液晶を
封止した状態で、上記電極に液晶分子の配向が変化しな
いレベルの高周波のプローブ電圧を印加して誘電率を測
定し、この誘電率に基づいて上記強誘電性液晶の液晶分
子の長軸方向の主軸誘電率ε3、上記液晶分子の自発分
極の方向の主軸誘電率ε2、および、上記長軸方向と自
発分極の方向とに直交する方向の主軸誘電率ε1を求め
る強誘電性液晶の誘電率測定方法であって、上記強誘電
性液晶からなるスメクチック層が上記基板に対して平行
をなす垂直配向セルと、上記強誘電性液晶からなるスメ
クチック層が上記基板に対して「く」の字状に折れ曲が
って傾斜したシェブロン層構造を持つ水平配向セルとを
用意して、上記垂直配向セルの上記電極にプローブ電圧
を印加して、上記強誘電性液晶の誘電率εhを測定し、
上記水平配向セルの上記電極にプローブ電圧を印加し
て、上記強誘電性液晶の誘電率εpを測定し、上記水平
配向セルの上記電極に直流または低周波のバイアス電圧
を印加して上記スメクチック層内の液晶分子の自発分極
を一定方向に揃えた状態で、上記プローブ電圧を印加し
て、上記強誘電性液晶の誘電率εpDCを測定し、上記3
つの誘電率εh,εp,εpDCに基づいて、所定の関係式
により、上記主軸誘電率ε1,ε2,ε3を求めるので、
強誘電性液晶の主軸誘電率ε1,ε2,ε3を正確に求め
ることができる。
【0052】また、請求項2に記載の強誘電性液晶の誘
電率測定方法は、請求項1に記載の測定方法において、
上記関係式を式(3)〜(6)の連立式としているの
で、強誘電性液晶の主軸誘電率ε1,ε2,ε3を正確に
求めることができる。
【0053】また、請求項3に記載の強誘電性液晶の誘
電率測定方法は、さらに、上記式(5)中のФとして、
上記水平配向セルの上記電極にバイアス電圧を印加して
いないときの上記液晶分子の方位角の平均値Ф0を用い
るので、式(5)を線形化でき、したがって、式(4)
も線形化できる。この結果、式(3)、(4)、(5)およ
び(6)を全て線形の式にすることができ、コンピュータ
などによる数値計算処理を行わなくとも、簡単に3つの
主軸誘電率ε1,ε2,ε3を求めることができる。
【0054】また、請求項4に記載の強誘電性液晶の誘
電率測定方法は、互いに対向し対向面に電極を有する一
対の基板の隙間に強誘電性液晶を封止した状態で、上記
電極に液晶分子の配向が変化しないレベルの高周波のプ
ローブ電圧を印加して誘電率を測定し、この誘電率に基
づいて上記強誘電性液晶の液晶分子の長軸方向の主軸誘
電率ε3、上記液晶分子の自発分極の方向の主軸誘電率
ε2、および、上記長軸方向と自発分極の方向とに直交
する方向の主軸誘電率ε1を求める強誘電性液晶の誘電
率測定方法であって、上記強誘電性液晶からなるスメク
チック層が上記基板に対して平行をなす垂直配向セル
と、上記強誘電性液晶からなるスメクチック層が上記基
板に対して「く」の字状に折れ曲がって傾斜したシェブ
ロン層構造を持つ水平配向セルとを用意して、上記垂直
配向セルの上記電極に上記プローブ電圧を印加して、上
記強誘電性液晶の誘電率εhを測定し、上記水平配向セ
ルの上記電極に上記プローブ電圧を印加して、上記強誘
電性液晶の誘電率εpを測定し、上記水平配向セルの上
記電極に直流または低周波のバイアス電圧を印加して、
上記スメクチック層を上記基板に対して垂直にするとと
もに上記スメクチック層内の液晶分子の自発分極を上記
基板に対して垂直方向に揃えた状態で、上記プローブ電
圧を印加して、上記強誘電性液晶の主軸誘電率ε2を直
接測定し、上記3つの誘電率εh,εp,ε2に基づい
て、所定の関係式により、さらに上記主軸誘電率ε1
ε3を求めるので、強誘電性液晶の主軸誘電率ε1
ε2,ε3を正確に求めることができる。
【0055】また、請求項5に記載の強誘電性液晶の誘
電率測定方法は、請求項3に記載の測定方法において、
上記関係式を式(3)〜(5)の連立式としているの
で、強誘電性液晶の主軸誘電率ε1,ε2,ε3を正確に
求めることができる。
【0056】また、請求項6に記載の強誘電性液晶の誘
電率測定装置は、処理手段によって、上記3つの値ε
h,εp,εpDCに基づいて、式(3)、(4)、(5)
および(6)を連立させることにより、3つの主軸誘電
率ε1,ε2,ε3を求める数値計算を自動的に行うの
で、3つの主軸誘電率ε1,ε2,ε3を短時間で求める
ことができる。
【0057】また、請求項7に記載の強誘電性液晶の誘
電率測定装置は、処理手段によって、スメクチック層を
基板に対して垂直にした状態で、直流あるいは十分周波
数の低いバイアス電界を印加して、自発分極をすべて電
界方向に揃えることによって測定したε2と、別途測定
したεhおよびεpとに基づいて、式(3)、(4)およ
び(5)を連立させることにより、残りの主軸誘電率ε
1,ε3を求める数値計算を自動的に行うので、3つの主
軸誘電率ε1,ε2,ε3を短時間で求めることかでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 水平配向セルの誘電率のプローブ電圧依存性
を示す図である。
【図2】 水平配向セルにDCバイアスを印加した状態
での誘電率を示す図である。
【図3】 水平配向セルにDCバイアスを印加後、上記
DCバイアスを取り除いたときの誘電率を示す図であ
る。
【図4】 水平配向セルに1Hzの方形波を印加したと
きの、印加電圧と見掛けのチルト角との測定結果を示す
図である。
【図5】 方位角と見掛けのチルト角との関係を表す理
論曲線を示す図である。
【図6】 一実施例の誘電率自動測定装置を示す図であ
る。
【図7】 一般的な強誘電性液晶セルの断面構造を示す
図である。
【図8】 強誘電性液晶の主軸誘電率ε1,ε2,ε3
示す図である。
【図9】 垂直配向セルの分子配向を示す図である。
【図10】 カイラルスメクチィックC相のシェブロン
層構造における、C1配向とC2配向とを示す図であ
る。
【図11】 ユニフォーム配向Uとツイスト配向Tを示
す図である。
【図12】 水平配向セルでの強誘電性液晶の様々な分
子配向状態を示す図である。
【図13】 強誘電性液晶の分子チルト角θ、層傾斜角
δ、分子方位角Фを示す図である。
【符号の説明】
1a,1b ガラス基板 2a,2b 電極 4a,4b 配向膜 9,10 基板 11 強誘電性液晶セル 13 液晶分子 22 LCRメータ 25 コンピュータ 26 偏光顕微鏡

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向し対向面に電極を有する一対
    の基板の隙間に強誘電性液晶を封止した状態で、上記電
    極に液晶分子の配向が変化しないレベルの高周波のプロ
    ーブ電圧を印加して誘電率を測定し、この誘電率に基づ
    いて上記強誘電性液晶の液晶分子の長軸方向の主軸誘電
    率ε3、上記液晶分子の自発分極の方向の主軸誘電率
    ε2、および、上記長軸方向と自発分極の方向とに直交
    する方向の主軸誘電率ε1を求める強誘電性液晶の誘電
    率測定方法であって、 上記強誘電性液晶からなるスメクチック層が上記基板に
    対して平行をなす垂直配向セルと、上記強誘電性液晶か
    らなるスメクチック層が上記基板に対して「く」の字状
    に折れ曲がって傾斜したシェブロン層構造を持つ水平配
    向セルとを用意して、 上記垂直配向セルの上記電極に上記プローブ電圧を印加
    して、上記強誘電性液晶の誘電率εhを測定し、 上記水平配向セルの上記電極に上記プローブ電圧を印加
    して、上記強誘電性液晶の誘電率εpを測定し、 上記水平配向セルの上記電極に直流または低周波のバイ
    アス電圧を印加して上記スメクチック層内の液晶分子の
    自発分極を一定方向に揃えた状態で、上記プローブ電圧
    を印加して、上記強誘電性液晶の誘電率εpDCを測定
    し、 上記3つの誘電率εh,εp,εpDCに基づいて、所定の
    関係式により、上記主軸誘電率ε1,ε2,ε3を求める
    ことを特徴とする強誘電性液晶の誘電率測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の強誘電性液晶の誘電率
    測定方法において、上記関係式は、上記強誘電性液晶の
    誘電異方性、2軸誘電異方性をそれぞれ 【数1】 【数2】 と表し、 θ、δ、Φをそれぞれ上記液晶分子のチルト角、上記ス
    メクチック層の基板に対する傾斜角、上記液晶分子の方
    位角としたとき、 【数3】 【数4】 【数5】 【数6】 の連立式からなることを特徴とする強誘電性液晶の誘電
    率測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の強誘電性液晶の誘電率
    測定方法において、 上記式(5)中のФとして、上記水平配向セルの上記電
    極にバイアス電圧を印加していないときの上記液晶分子
    の方位角の平均値Ф0を用いることを特徴とする強誘電
    性液晶の誘電率測定方法。
  4. 【請求項4】 互いに対向し対向面に電極を有する一対
    の基板の隙間に強誘電性液晶を封止した状態で、上記電
    極に液晶分子の配向が変化しないレベルの高周波のプロ
    ーブ電圧を印加して誘電率を測定し、この誘電率に基づ
    いて上記強誘電性液晶の液晶分子の長軸方向の主軸誘電
    率ε3、上記液晶分子の自発分極の方向の主軸誘電率
    ε2、および、上記長軸方向と自発分極の方向とに直交
    する方向の主軸誘電率ε1を求める強誘電性液晶の誘電
    率測定方法であって、 上記強誘電性液晶からなるスメクチック層が上記基板に
    対して平行をなす垂直配向セルと、上記強誘電性液晶か
    らなるスメクチック層が上記基板に対して「く」の字状
    に折れ曲がって傾斜したシェブロン層構造を持つ水平配
    向セルとを用意して、 上記垂直配向セルの上記電極に上記プローブ電圧を印加
    して、上記強誘電性液晶の誘電率εhを測定し、 上記水平配向セルの上記電極に上記プローブ電圧を印加
    して、上記強誘電性液晶の誘電率εpを測定し、 上記水平配向セルの上記電極に直流または低周波のバイ
    アス電圧を印加して、上記スメクチック層を上記基板に
    対して垂直にするとともに上記スメクチック層内の液晶
    分子の自発分極を上記基板に対して垂直方向に揃えた状
    態で、上記プローブ電圧を印加して、上記強誘電性液晶
    の主軸誘電率ε2を直接測定し、 上記3つの誘電率εh,εp,ε2に基づいて、所定の関
    係式により、さらに上記主軸誘電率ε1,ε3を求めるこ
    とを特徴とする強誘電性液晶の誘電率測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の強誘電性液晶の誘電率
    測定方法において、上記関係式は、上記強誘電性液晶の
    誘電異方性、2軸誘電異方性をそれぞれ 【数7】 【数8】 と表し、 θ、δ、Φをそれぞれ上記液晶分子のチルト角、上記ス
    メクチック層の基板に対する傾斜角、上記液晶分子の方
    位角としたとき、 【数9】 【数10】 【数11】 の連立式からなることを特徴とする強誘電性液晶の誘電
    率測定方法。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の強誘電性液晶の誘電率
    測定方法を実施する強誘電性液晶の誘電率測定装置であ
    って、 上記3つの値εh,εp,εpDCに基づいて、上記式
    (3)、式(4)、式(5)および式(6)を連立させる
    ことにより、3つの主軸誘電率ε1,ε2,ε3を求める
    数値計算を自動的に行う処理手段を備えたことを特徴と
    する強誘電性液晶の誘電率測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の強誘電性液晶の誘電率
    測定方法を実施する強誘電性液晶の誘電率測定装置であ
    って、 上記3つの誘電率εh,εp,ε2に基づいて、上記式
    (3)、式(4)および式(5)を連立させることによ
    り、上記主軸誘電率ε1,ε3を求める数値計算を自動的
    に行う処理手段を備えたことを特徴とする強誘電性液晶
    の誘電率測定装置。
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