JPH0735112B2 - 多色機における版胴版板見当合わせ方法並びに装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は多色印刷機の各版胴、版
板間の見当合わせに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】多色印刷機の各版胴の円周方向（天地方
向）及び軸方向（横方向）の見当合わせは、各版胴に版
板を取付け締付けた後、機台上で各版胴の両方向見当合
わせを順次行わねばならなかった。図１は多色印刷機の
略図であって、５個の版胴１ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄ，１
ｅによって多色刷りを行うというものである。図２は機
台上に於ける版胴の見当合わせ装置を示す略図であっ
て、フレーム２の中心孔に嵌め込まれ固着されたスリー
ブ３，及びスリーブ３′は、軸受けを介して版胴軸４を
軸支し、フレームと版胴軸間は、スリーブ３に固着され
た歯車５を廻すことにより微小な円周方向相対移動が可
能であり、天地方向の見当合わせができる。又版胴の筒
体６は版胴軸４に嵌合し、その先端は版胴軸４のフラン
ジ部７に当接し、又末端部のねじ８と、締付ボルト２８
によって、版胴軸４に固着されている。フランジ部７に
はねじが設けられ、調節ナット９がねじ込まれ、この調
節ナット９を廻すことにより、版胴筒体６は調節ボルト
９とフランジ側面側との当接を介して左右に微小移動し
版胴横方向に見当合わせが行われている。以上の様な方
法で各版胴の横、天地方向見当合わせを行ってからテス
ト刷りをするわけであるが、一回で全部の版胴の見当合
わせは難しく各版胴毎に数回繰り返して見当合わせをし
なければならなかった。

【００３】

【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は上記の機台上での見当合わせの労力を少なくし、時
間短縮とテスト刷り枚数の節約である。

【００４】

【課題を解決するための手段】本発明は従来機台上に取
り付けられた各版胴の天地方向、横方向の見当合わせ
を、各版胴毎に前述の如く、機台上で作業していたもの
を、発想の転換により、予め床上の作業台上に版胴、版
板間見当合わせ装置の器具を設け、又版胴筒体を版胴軸
に対して脱着自在とし、抜き出した版胴筒体を、前記器
具上で、簡単に版板を版胴に見当合わせをして締め付け
て固着し、予めセットされた機台の版胴軸の定位置に挿
入固定する方法装置によって前記課題を解決したもので
ある。

【００５】

【実施例】図４は本発明に用いる版胴版板間見当合わせ
装置１０の斜視図であって、印刷機の附近、版胴近くに
移動装置することが出来る。版見当ベース１１に垂直に
固定した垂直ブラケット１２に、水平方向に保持された
版見当シャフト１３は、版胴より抜き出した版胴筒体の
内径と摺動自在に嵌合できる外径にしてあり、版胴筒体
を自由に挿入できる。この版見当シャフト１３の垂直ブ
ラケット１２側のフランジ部１４には、図５の如く版胴
の円周方向位置セット用の切欠き溝１５が設けてある。
図５の断面図は、前記版見当シャフト１３に、機台の版
胴より抜き出した版胴筒体６を挿入しセットした状態を
示す。フランジ部１４の切欠き溝１５内へは、版胴筒体
６先端に設けられた回転しない様な断面形状の位置決め
ピン１６が嵌合し、この装置に於ける版胴筒体の円周方
向位置を規正してある。２９は筒体の出し入れを容易に
するためのハンドルであって筒体の小径部６′に取り付
けられている。図４に戻って垂直ブラケット１２の端部
には、ルーペ固定シャフト１７が版見当シャフト１３に
平行に取り付けられ、このルーペ固定シャフト１７の中
間部には、ルーペ１８、１８′が左右微調整ナット１
９、上下（回転方向）微調整ナット２０を介して位置調
整固定自在に取り付けられている。ルーペには図５の様
に中心位置を示す上下、左右交差状の目盛りが付けられ
ている。この実施例の装置について見当合わせの作業説
明を以下に行う。先づ前記の様にハンドルを取付けられ
て着脱自在となった版胴筒体６を機台より抜き取って、
図５の様に、版胴、版板間見当合わせ装置１０の版見当
シャフト１３に挿入し、筒体端部をフランジ部に当接さ
せフランジ切欠き溝１５中に位置決めピン１６を嵌合す
る。即ち装置上の定位置に版胴筒体をセットする。次い
で版板、版胴筒体間の見当合わせ作業を行う。図６に於
て先づ版板に穿けられたパンチ穴２１、２１′を版胴筒
体のピン２２、２２′に通して仮位置決めをした後、版
板の左右に設けた横方向見当合わせボルト２３、２３′
を微調整しながら上方のルーペより観察して、版板上の
定位置に予め付けられたトンボ（定位置）マークの中心
が、ルーペの横方向目盛りの中心に来る様に版板の左右
方向位置決めを行う。見当合わせボルト２３、２３′の
頭は版胴筒体の両ガイド２４、２４′に当接し、両ボル
トを互いに反対方向に廻すことにより版板位置を左右に
微小移動できる。次に版板の天地方向の見当合わせは、
図６、図７の版板咬へ頭側のバイス片２５，に取り付け
られた天地方向見当合わせボルト２６、２６′の微調整
によって行う。即ちボルト２６、２６′を廻すことによ
りバイス片２５を前後に微小移動し、前記ルーペの前後
方向目盛りの中心と版板上の前記定位置マークが一致す
る様にして天地方向の見当合わせを行う。以上の様にし
て、版板を版胴筒体に対して天地方向、横方向に共に見
当合わせした後、版胴筒体を版胴、版板間見当合わせ装
置１０よりハンドル２９を持って外ずして機台の版胴軸
の予め設定された所定位置に位置決めピン１６を介して
嵌込み図２図３の様に締め枠２７を挟んで版胴軸４に締
付ボルト２８を介して固定する。

【００６】

【発明の効果】以上の説明通り本発明方法並びに装置
は、多色印刷機印刷開始時の各色版胴の見当合わせを予
め機台外で行って機台に戻した後、試験刷りを行うこと
なく直ちに本刷りにかかれるため、今迄印刷開始時に要
した長時間の各色版胴見当合わせの時間を節約できて、
運転効率の向上を期することができる。又、運転開始前
に機台外で遊休時間を利用して各版胴の見当合わせをし
ておけばよいので、機台に上っての労力多い見当合わせ
作業を省くことができて労務上合理的である。

【００７】

【符合の説明】

１ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄ，１ｅ 版胴， ２ フレー
ム， ３、３′スリーブ，４ 版胴軸， ５ 歯車，
６ 版胴筒体， ７ フランジ部， ８ ねじ，９調節
ナット， １０ 版胴、版板間見当合わせ装置， １１
版見当ベース，１２ 垂直ブラッケット， １３ 版
見当シャフト， １４ フランジ部，１５ 切欠き溝，
１６ 位置決めピン， １７ ルーペ取付けシャフ
ト，１８、１８′ルーペ， １９ 左右微調整ナット，
２０ 上下微調整ナット，２１、２１′版パンチ孔，
２２、２２′ピン，２３、２３′横方向見当合わせボ
ルト， ２４、２４′版胴筒体の両ガイド，２５、２
５′バイス片， ２６ 天地方向見当合わせボルト，
２７ 締め枠，２８ 締め付ボルト， ２９ ハンド
ル，

【００８】

【図面の簡単な説明】

【図１】 多色印刷機の断面略図

【図２】 機台上における版胴断面図

【図３】 図２の側面図

【図４】 版胴、版胴間見当合わせ装置の斜視略図

【図５】 図４の一部断面図

【図６】 本発明の版板、版胴体見当合わせ方法を示す
平面図

【図７】 図６の側面断面図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 各版胴筒体を機台側の版胴挿入軸より外
   して機台外に取り出し、機台外に設けた版胴、版板間見
   当合わせ装置の版見当シャフトの所定位置に挿入して位
   置固定をし、上記装置上で、版胴上に仮セットされた版
   板を、調節ねじで前後左右方向に微調整して、前記見当
   合わせ装置に固定された２個のルーペの目盛中心上に、
   版板上の定位置マークが来るように、版胴上の版板位置
   を決めた後、版板を版胴筒体に固定し、この版胴筒体を
   前記版胴、版板間見当合わせ装置より外して、予め位置
   をセットされた機台側の版胴挿入軸の所定位置に嵌め込
   み固定することを特徴とする多色機における版胴版板見
   当合わせ方法。
2. 【請求項２】 版見当ベース１１上に固定された垂直ブ
   ラケット１２に水平に固着され、その外径部が版胴筒体
   内面と摺動自在に嵌合可能な版見当シャフト１３と、こ
   の版見当シャフト１３のブラケット側のフランジ１４に
   取り付けられた版胴筒体周方向位置決め切欠溝１５と、
   版見当シャフト１３の上方にこれと平行に設けられたル
   ーペ取付シャフト１７に、前後左右位置固定自在に取り
   付けられた２筒の前後左右交差目盛り付ルーペ１８、１
   ８′とより構成された版胴版板間位置合わせ装置と、前
   記版見当シャフト１３に挿入固定された版胴筒体６上に
   仮セットされた版板を、前記ルーペの目盛中心と版板上
   の定位置マークが一致する様、左右前後に版板を微調整
   するねじ機構と、前記版胴筒体円周方向の位置決め切欠
   溝１５に接合する、版胴側に取り付けた位置決めピン１
   ６とより構成されたことを特徴とする多色機に於ける版
   胴版板見当合わせ装置