JPH0734481B2 - 放射線検出器 - Google Patents

放射線検出器

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JPH0734481B2
JPH0734481B2 JP61161307A JP16130786A JPH0734481B2 JP H0734481 B2 JPH0734481 B2 JP H0734481B2 JP 61161307 A JP61161307 A JP 61161307A JP 16130786 A JP16130786 A JP 16130786A JP H0734481 B2 JPH0734481 B2 JP H0734481B2
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radiation detector
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末喜 馬場
浩二 秋山
正則 渡辺
博司 筒井
康以知 大森
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、α線,β線,γ線,中性子線等の放射線の検
出器に係るものである。
従来の技術 半導体放射線検出器として、従来、シリコン,ゲルマニ
ウム,ヒ化ガリウム,テルル化カドミウム,沃化第2水
銀などの半導体材料が使用されてきた。これらの半導体
材料を用いて、放射線の線量測定を行なうためパルス波
高弁別やフィルター構成などにより、エネルギーの均一
化をはかっていた。
ダイヤモンドは、比較的生体に近い半導体であるが高価
であるため実用化はなされていない。
発明が解決しようとする問題点 従来の半導体放射線検出器では、放射線の測定、特に、
照射線量や線量当量の測定を行なう場合、半導体材料と
生体との元素組成が異なるため、前記したような特殊な
補正手段を用いなければならない。このため高精度の測
定を行なうためには、複雑な処理が必要であるため、高
価であった。
本発明は、放射線の測定を安価に、かつ高精度に行なう
手段を提供するものである。
問題点を解決するための手段 本発明は、放射線検出部を、非晶質カーボン(a−cと
略す)半導体で構成する。
作用 放射線がa−c半導体部に入ると放射線の一部又は全部
が吸収され、吸収されたエネルギー量に比例した電荷を
発生する。ここで発生する電荷は、放射線の線種(X
線,γ線,β線,α線,中性子線など)とエネルギーと
吸収された材料の密度と実効原子番号で決まるため、人
体と近似な組成を有するa−c半導体には、人体で発生
するのと同等の電荷を発生する。中性子線は生体内では
主として、水素と反応し、電荷を発生させる。a−c半
導体においては、含有した水素が、中性子と反応し、人
体と近似した電荷を発生する。このように、a−c半導
体においては、あらゆる種類の放射線線種に対して、生
体と同等の電荷を発生するため、この電荷を測定するこ
とにより、高精度な線量測定が出来る。
実施例 第1図は本発明のa−c半導体放射線検出器の一実施例
を示す。第1図において、1はa−c半導体を形成する
ための基板を示す。基板は導電性材料、例えばアルミニ
ウムなどの金属材料やシリコンなどの半導体材料などの
他に、導電電極を形成した絶縁性材料などが使用され
る。精度の高い線量測定においては、放射線検出部のみ
でなく、検出部の周囲の材料による効果が大きく表われ
る。このため、基板1は、生体等価な材料が望ましい。
この一例として、チッ化ホウ素や酸化ベリリウムセラミ
ック基板や、アクリル系樹脂やポリイミド系樹脂やエポ
キシ系樹脂などのプラスチック基板や、黒鉛基板などが
ある。また、骨材と同一な、リン酸カルシウム系セラミ
ック基板なども使用される。2はa−c半導体で、少な
くとも、水素またはハロゲン原子Xを含有する非晶質カ
ーボン(以下、a−c(:H:X)と略記する。但し、X=
F,Cl,Br又はI)からなる。さらに、a−c半導体内に
少くとも窒素,燐または硫黄のいずれかを含有させるこ
とにより、a−c(:H:X)をさらに生体等価なものとす
ることができる。以下、製法の一例について記述する。
a−c半導体の作成には、CH4,C2H6,C3H8,C4H10,C2
H4,C3H6,C4H8,C2H2,C3H4,C4H6,C6H6などの炭化水
素、CH3F,CH3Cl,CH3Br,CH3I,C2H5Cl,C2H5Br,C2H5
Iなどのハロゲン化アルキル、C3H5F,C3H5Cl,C3H5Brな
どのハロゲン化アリル、CClF3,CF4,CHF3,C2F6,C3F8
などのフロンガス、C6H6-mFm(m=1〜6)の弗化ベン
ゼンなどのC原子の原料ガスを用いたプラズマCVD法、
またはグラファイトをターゲットとし、Ar,H2,F2,C
l2,CH4,C2H4,C2H2中での反応性スパッタ法が使用さ
れる。また、a−c半導体内に、窒素,酸素,燐または
硫黄を添加する方法として、PH3,P2H4,PF3,PF5,PCl
3,PCl5,PBr3,PBr5,PI3,O2,NO,NO2,N2O3,N2O4,N
2O5,NO3,N2,NH3,N2NNH2,HN3,NH4N3,F3N,F4N2
H2S,SO2,CS2,SF6,CH3SH,C2H5SH,C4H4S,(CH3)
2S,(C2H5)2Sなどのガスを、プラズマCVD法では膜形成
時に上記のC原子の原料ガスに混合すれば良く、反応性
スパッタ法ではAr,H2,F2,Cl2などのガスに混合すれば
良い。
a−c半導体は、水素の含有量により、密度を自由に制
御出来る。水素含有量は0〜50〔atomic%〕程度まで制
御出来、密度も1〜2.5〔g/cm3〕まで制御出来る。この
ため、生体組織に応じた組成を実現出来るため、測定の
高精度化がはかれる。
また、厚さは150μm程度までに形成することが可能で
ある。
3は取出し電極を示す。a−c半導体内に発生した電荷
を外部信号として取出すための電極である。第1図で
は、対向電極を形成した構造であるが、第2図における
ように、同一面上に電極を形成する構造も可能である。
第2図においては、電極の一例として、平行対の形とし
たが、くし形など、電荷集収特性を向上させた構造も可
能である。
信号取出し法については、従来の半導体検出器で用いら
れる方式がすべて可能である。電極の一方に高電圧を印
加し、発生した電荷を外部に取出す方式が一般的である
が、無バイアスで動作させる方式も用いられる。
X線やγ線など高エネルギー光子線の測定は、検出体あ
るいはその周囲の材料で発生した2次電子の測定により
なされる。このため、生体内でのX線やγ線の影響の測
定を行なうためには、前述したように、検出体の周囲は
生体等価な材料で構成される。一例としては、アクリル
系樹脂やエポキシ系樹脂などが用いられる。線量測定に
おいては、表面線量(Srin Dose)や全身線量(Whole B
ody Dose)などが法律上で規定されている。全身線量は
従来から比較的容易に測定がなされてきたが、表面線量
は、国際放射防護委員会(ICRP)のICRP−No.26勧告で
は、生体表面より50〜100mg/cm2(=1g/cm3の密度で50
〜100〔μm〕)の深さの線量と決められており、従
来、このような微小な部分での線量測定は、熱ルミネッ
センス線量計(TLD)の一部のものでのみ、近似的に可
能であった。しかし、本発明のa−c半導体検出器で
は、生体等価材料の薄膜体であるため高精度で、高感度
な測定が可能となる。
α線やβ線など荷電粒子放射線についても、前記と同様
に高精度な測定が可能となる。
中性子線の測定においては、a−c半導体は従来の半導
体検出器には不可能な測定が行なえる。つまり、含有さ
れた水素と中性子との反応による反跳陽子の測定が行な
えるからである。また、生体内での反跳陽子の作用と同
一の条件での測定が、生体等価な検出器であるa−c半
導体検出器でなされるため、非常に高精度な測定が可能
となる。微量な不純物として、生体内に微量に存在する
元素(例えば窒素,酸素,燐,硫黄)を添加することに
より、放射化による生体の影響までも測定することが出
来る。
その他、中性微子や重粒子など、従来、生体への影響を
正確に測定出来なかった放射線についても、高精度に測
定出来る。
以上は、単一の検出器の実施例について記述したが、本
発明のa−c半導体は、非常に広い面積の検出器も容易
に形成出来るため、取出し電極をアレイ状やマトリック
ス状に配置し、ライン状検出器や、マトリックス状検出
器を構成することも可能である。また、円筒状や球状の
基板の内面や、外面に検出層を形成し、種々の用途に適
用出来る。
発明の効果 本発明により、従来成し得なかった程高精度にかつ、安
価に、X線,γ線,α線,β線や中性子線などあらゆる
放射線の線量測定が可能となり、放射線作業の安全性の
向上や、医学における治療線量測定精度の向上による治
療効果の向上などが実現出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における放射線検出器を示す
斜視図、第2図は本発明の他の実施例を示す斜視図であ
る。 1……基板、2……非晶質カーボン、3……取出し電
極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 筒井 博司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大森 康以知 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射線検出部が非晶質カーボンで構成され
    ていることを特徴とする放射線検出器。
  2. 【請求項2】非晶質カーボンが、少なくとも水素または
    ハロゲン原子を含有する非晶質カーボンからなることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の放射線検出器。
  3. 【請求項3】非晶質カーボンが、少くとも窒素,酸素,
    燐および硫黄原子のうち、いずれかを含有することを特
    徴とする特許請求の範囲第1項または第2項のいずれか
    に記載の放射線検出器。
JP61161307A 1986-07-09 1986-07-09 放射線検出器 Expired - Fee Related JPH0734481B2 (ja)

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