JPH0733981B2 - 回転体の力またはモーメントの測定装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は回転体に発生する定期的に変化する力および／
またはモーメント、特に空気タイヤのような回転体の不
つりあいまたは不均一性を測定する装置に関する。

［従来の技術］ つりあわされるべき回転体の不つりあい現象を測定する
装置または例えば自動車の車輪の空気タイヤのような回
転体の不均一性を試験する試験機は、一般に力および／
またはモーメントを検出するための測定手段と、回転体
を回転可能に取付ける手段とを共通に支持する要素とし
て作用する機台を含んでいる。この機台は従来、スチー
ル製の中空箱状の溶接構造からなり、これに測定手段と
回転体取付手段とを取付固定する手段も溶接されてい
る。

［発明が解決しようとする課題］ この種の測定装置において、力および／またはモーメン
トを検出する測定手段は問題の力および／またはモーメ
ントによる振動を検出する測定値をピックアップ手段ま
たは検出器を含んでいる。測定値ピックアップ手段によ
って検出された振動は、回転体の不つりあいまたは不規
則性に起因する振動のほかにも、測定を攪乱して測定結
果に誤差を生ぜしめる多数の他の振動成分をも含んでい
る。これら攪乱振動成分は、特に機械の外部から機台を
介して測定値ピックアップに伝達される。さらに、測定
操作中試験されるべき回転体およびこれと一緒に回転す
る他の要素は適当な速度で回転駆動されるが、回転体お
よびこれと一緒に回転する要素は機台の固有振動を発生
し、この振動が測定値ピックアップに伝達される。

上述したように、上述の測定装置においては、機台は測
定手段および回転体を取付ける手段の共通の支持要素の
機能を有する。しかし、このような構成の欠点は、妨害
振動が測定値ピックアップ装置へ伝達されることが阻止
されない以上容認されていた。従って、装置の外部の妨
害振動および機台の固有の振動に起因する妨害振動が測
定値ピックアップ装置に伝達またはプックアップ装置内
に誘起された。

本発明の目的は、周期的に変化する回転体の力および／
またはモーメントの測定装置において、装置の測定値ピ
ックアップシステムに作用する妨害振動を効果的に抑制
することにある。

本発明の他の目的は、回転体の周期的に変動する力およ
び／またはモーメントの測定装置であって、機台の固有
振動および装置外部からの妨害振動に起因して測定値ピ
ックアップ装置に作用する振動を効果的に抑制する構成
の機台を有する装置を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、回転体を試験のために回転
させているときに回転体に作用する変動する力および／
またはモーメントの測定装置であって、適当な支持部材
としての高い剛性と極めて優れた振動減衰特性とを有す
る機台をもつ装置を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、簡単な構造で、しかも、有
効な振動減衰効果を発揮する機台を有する回転体の変動
する力および／またはモーメントの測定装置を提供する
ことにある。

［課題を解決するための手段および作用］ 本発明の装置は、自動車の空気タイヤのような回転体の
回転中に発生する周期的に変動する力およびモーメント
の少なくとも一方を測定する装置である。上記力は半径
方向力、横方向力および／または接線方向力（tangenti
al force）またはこれらの力の変動として検出される。
本発明の装置は上記力を検出する測定手段と、測定され
るべき回転体を回転可能に取付ける取付手段と、適当な
基礎上に静止状態で取付けられ、かつ、測定手段と回転
体取付手段との共通の支持体として作用する機台とを備
えている。

機台は、多量の充填剤を含む硬化した反応性樹脂（geh
rtet,hochgefllt Reaktionsharz:hardened,highly
−filled reaction resin）（流し込成形樹脂コンクリ
ート（Gieβharzbeton:casting resin concrete）また
はポリマーコンクリート（Polymerbeton:polymer concr
ete）ともいう）からなる流し込成形体からなる。この
種の樹脂は土木建築、特に橋脚、ケーブルダクトおよび
汚水排水処理分野さらに高圧線塔の絶縁部材などに長年
使用されてきている。セメントを基材とするコンクリー
トとを比較すると、ポリマーコンクリートにおいてはセ
メントと水から形成され充填剤と添加物質を保持してい
るセメント結合剤に代えて、反応性樹脂と粉粒物質のよ
うな適当な充填剤を使用する。

「Werkstatt und Betrieb 115」（1982）5,311頁〜316
頁、H.SchulzおよびR.−G.Nicklauの「Konstruktives G
estalten von Werkzeugmaschi−nengestellen aus Poly
merbeton」には機械工具、特に研摩機および高速フライ
ス盤の支持構造体にポリマーコンクリートを用いること
が開示されている。この場合、重要な考慮事項は、充分
な大きさの強度、特に曲げ強度およびねじり剛性および
重量である。

本発明が係わる測定装置、特に、タイヤ試験機やつりあ
い試験機のような試験機に関して生じる問題は、機台を
介して測定手段に伝達される妨害振動を抑制することで
ある。ポリマーコンクリートまたは流し込成形コンクリ
ートに成形ブロックからなる本発明による機台は、上記
のような振動を効果的に抑制できることが判明した。問
題の振動は、特に機械の外部から機械に作用する振動、
並びに回転体およびこの回転体と共に回転する機械の構
成部材によって発生される機台の固有振動である。本発
明の装置の機台は、回転体の試験測定に用いられた回転
速度範囲内に臨界共振点がないので、固有振動を生じこ
とはない。さらに、本発明によれば、測定値ピックアッ
プ手段を支持するために機台は、実際上無限大の対抗質
量を提供し、さらに、そのブロック形状とその物質の特
性のために、高い剛性と、従来のコンクリートと比べて
優れた振動減衰特性とを有する。ポリマーコンクリート
は硬化するとスチールに比べて有利な縮み特性を有す
る。

従って、本発明の機台は、従来のこの種の機械における
機台と比較すると、回転体を回転させたこの周期的に変
動する力および／またはモーメントを半径方向力、横方
向力および／または接線方向力またはその変動として測
定する試験測定操作を行なう際に悪い影響を与えること
はない。試験測定操作を行なうのに適した回転速度の選
択は、機台の共振特性によって制限されない。むしろ、
本発明の機台は、従来の機台と比べて妨害振動を効果的
に抑制するので、回転体の試験測定において有効な信号
を発生するのに積極的に寄与する。

［実施例］ 以下図示実施例を説明する。

第１図はタイヤ試験機の形態の本発明による測定装置を
示す。試験されるべきタイヤ１は第１および第２タイヤ
取付手段７および８の間に支持されている。７は下方取
付手段、８は上方取付手段である。タイヤ取付手段７、
８はタイヤ１の軸方向に互いに接近、離反できる測定リ
ム部材を有している。11は試験されるべきタイヤ１を所
望の試験速度で駆動する駆動モータである。

第１図のタイヤ試験機はさらに、可動キャリッジ３上に
取付けられた押圧車２を備えている。キャリッジ３はタ
イヤ１に対して半径方向、すなわち図示実施例では水平
方向に変位させることができる。測定値ピックアップ9
a、9bが押圧車２の軸に設けられている。測定操作中、
押圧車２は試験されるべきタイヤ１のトレッド面に押圧
され、ピックアップ9a、9bがタイヤ１と押圧車２が接触
している接触面ないし接触域に生じる半径方向力の変動
および／または横方向力の変動および／または接線方向
力の変動を測定する。

評価回路（図示略）で適当な評価がなされた後、上述の
力の変動が試験されているタイヤ１の均一性についての
情報を与える。

押圧車２を任意の力でタイヤ１に押圧できるようにする
ために、第１図の機械は押圧ユニット６を備え、これに
よりキャリッジ３が水平方向に変位され、押圧車２がタ
イヤ１に押圧される。

タイヤ取付手段７、８、キャリッジ３および押圧ユニッ
ト６の共通の支持部材として、第１図の装置は基礎５に
適当に固定された機台４を有する。機台４はポリマーコ
ンクリートまたは流し込成形樹脂コンクリートのブロッ
ク状流し込成形体からなる。下方タイヤ取付手段７の固
定手段12は機台４を構成する単一体のブロックに積極的
に強固に固定されている。キャリッジ３の移動用ガイド
レール13も機台４のブロックの上面に積極的にかつ強固
に固定されている。さらに、多数のダクト（その１本を
第１図に10で示す）が機台４の成形ブロックに形成され
ている。ダクト10は例えば押圧ユニット６のための給電
ケーブルや水管や空気管を挿通するのに利用できる。ま
た測定値ピックアップ9a、9bから上述の評価電子回路へ
至る電気ケーブルを通すダクトを設けることもできる。

機台４を構成する成形ブロックを作るために、例えば方
解石および結晶石英例えば花崗岩の粉粒物質を必要量含
んだ充填物質と、望ましくはメタクリル樹脂のような反
応性樹脂（Reaktionharz）であって水に近似の粘度を有
する樹脂とを硬化反応開始剤（Starter）を添加して適
当な混合機で混合する。この混合物を流し込型に注入
し、適当な振動器で緊密化し硬化させる。このようにし
て機台４として要求される流し込成形ブロックが得られ
る。流し込成形工程中、測定装置のカラムおよびピラー
のための例えば板状の固定手段も、一体の成形ブロック
に上述の固定手段12、14およびガイドレール13とともに
同時に組み込まれる。

第１図の実施例においては、試験されるべきタイヤ１は
測定装置に水平に配置されているが、タイヤが垂直状態
に配置されるタイヤ試験機のような測定装置においても
流し込成形ポリマーコンクリートブロックからなる機台
４を用いることができる。

第２図第３図に不つりあい測定機としての本発明による
装置の実施例を示す。本実施例においては、ロータの形
をした回転体25を、二つの取付スタンドないし支持手段
16、17からなる回転体取付装置の軸Ｄのまわりに水平状
態で回転可能に取付けることができる。第２図は装置の
正面図、第３図は第２図の左側から見た側面図である。
二つの取付スタンドないし支持手段16、17のそれぞれ
は、固定手段24によって機台４に固定されている下方取
付部23を有する。取付スタンドないし支持手段16、17は
機台４上のガイドに水平方向に変位可能に取付けられて
いる。このガイドは機台４の上面に積極的にかつ強固に
成形固定されている。機台４は第１図において説明した
ように、ポリマーコンクリートの流し込成形ブロックか
らなる。

回転体取付手段を備えた振動装置15が垂直支持ばね18、
19を介して下方取付部23に支持されている。回転体の回
転運動中に不つりあいによって発生した周期的力の変動
または振動が力測定ないし変位測定タイプの測定値ピッ
クアップ20によって検出され、評価手段（図示略）にお
いて適当な評価がなされる。

第２図第３図の装置は回転体25を回転駆動するように適
当に連結された駆動モータ22を有していた。この駆動モ
ータ22は機台４の上面に固定された駆動ブロック21に取
付けられている。

第１図並びに第２図および第３図に示す実施例におい
て、基礎５から発生する妨害振動または回転体と共に回
転する構成部材、特に回転部材の駆動側の部材に発生す
る妨害振動は、従来の装置では、第１図に示す測定値ピ
ックアップ9a、9bに、あるいは第２図第３図ではピック
アップ20に、機台を介して伝達されるが、本発明による
構成の機台４ではこれらの振動は抑制される。すなわ
ち、機台４は望ましくない振動を抑制する積極的な機能
を有する。

この点につき、多量の充填剤を含む硬化された反応性樹
脂ないしポリマーコンクリートの出発物質は、互いによ
く適合する物質であり、反応開始剤（スターター）を含
む約100kgの充填剤混合物と水の粘度に対応する粘度の
反応性樹脂約７〜８リットルとを機台を作るためのポリ
マーコンクリートを作るのに用いることができる。

以下実施例を要約する。

（１）回転する回転体によって発生される周期的に変動
する力および／またはモーメントを、半径方向力、横方
向力および接線方向力の少なくとも一つの形態で検出測
定する装置において、 回転体を回転可能に取付けるために回転体取付手段と、 前記力およびモーメントの少なくとも一方を測定する測
定手段と、 基台上に静止固定され、前記測定手段および回転体取付
手段の共通の支持部材として作用し、多量の充填剤を含
む硬化反応性樹脂からなるブロック状流し込成形体の機
台と、 からなる回転体の力またはモーメントの測定装置。

（２）前記ブロック状流し込成形体中に各種の線または
管を通すダクトを設けた（１）項の装置。

（３）回転体取付手段と測定手段とを機台に取付けるた
めに、ブロック状流し込成形体に積極的に強固に成形固
定された取付手段をさらに含む（１）項の装置。

（４）前記取付手段が金属製であり、固定部材と案内部
材を含むものである（３）項の装置。

（５）反応性樹脂の充填剤が方解石と結晶石英の混合物
からなり、前記反応性樹脂がメタクリルレート（methac
rylate）を基剤とする樹脂である（１）項の装置。

（６）反応性樹脂の出発物質が互いにマッチするもので
あり、反応開始剤を含む充填物質約100kgと、水に等し
い粘度の反応性樹脂約７〜８リットルとが使用される
（１）項の装置。

［発明の効果］ 以上のように、本発明による樹脂からなる機台を使用す
ることによって、外部からの妨害振動を遮断することに
より回転体の不つりあいまたは／および不均一性によっ
て発生する力または／およびモーメントを正確に測定で
きる装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はタイヤ試験機の形態の本発明の装置の実施例の
正面図、 第２図はつりあい試験機の形態の本発明の装置の他の実
施例の正面図、 第３図は第２図に示すつりあい試験機の側面図である。 １……タイヤ、２……押圧車、３……キャリッジ、４…
…機台、５……基礎、６……押圧ユニット、７、８……
タイヤ取付手段、9a、9b……測定値ピックアップ、10…
…ダクト、11、22……駆動モータ、13……ガイドレー
ル、12、14、24……固定手段、15……振動装置、16、17
……支持手段、18、19……支持ばね、20……ピックアッ
プ、21……駆動ブロック、23……下方取付部、25……回
転体、Ｄ……軸。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−59930（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−7501（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転する回転体によって発生される周期的
   に変動する力および／またはモーメントを、半径方向
   力、横方向力および接線方向力の少なくとも一つの形態
   で検出測定する装置において、 回転体を回転可能に取付けるための回転体取付手段と、 前記力およびモーメントの少なくとも一方を検出測定す
   る測定手段と、 基台上に静止固定され、前記測定手段および回転体取付
   手段の共通の支持部材として作用し、充填剤を含む硬化
   した反応性樹脂からなるブロック状成形体の機台と、 からなる回転体の力またはモーメントの測定装置。