JPH07336155A - 直線性増幅器 - Google Patents

直線性増幅器

Info

Publication number
JPH07336155A
JPH07336155A JP12245494A JP12245494A JPH07336155A JP H07336155 A JPH07336155 A JP H07336155A JP 12245494 A JP12245494 A JP 12245494A JP 12245494 A JP12245494 A JP 12245494A JP H07336155 A JPH07336155 A JP H07336155A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amplifier
output
input
adder
supplied
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12245494A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsutoshi Iwahara
勝敏 岩原
Hayashi Matsunaga
速 松永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP12245494A priority Critical patent/JPH07336155A/ja
Publication of JPH07336155A publication Critical patent/JPH07336155A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Amplifiers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価な増幅器で周波数の高い領域まで入出力
直線性を持たせる。 【構成】 同一特性を有する第一、第二の増幅器13,
15と、この第一の増幅器13の出力に接続された第一
の加算器16を備え、前記第一の増幅器13の入力を入
力端子10と接続し、前記第一の加算器16の出力を第
二の加算器17、前記第二の増幅器15および出力端子
12に接続し、前記第二の増幅器15の出力を減衰器2
1を介して前記第二の加算器17に接続し、前記第二の
加算器17の出力を前記第一の加算器16に接続して構
成することにより、非直線的な特性を相殺し、増幅器の
持つ周波数領域全域にわたって完全な入出力直線性を有
する直線性増幅器が提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主にAV機器用増幅器
等に用いられる入出力直線性の特に優れた直線性増幅器
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、AV機器等に用いられる増幅
器は入力の波形を忠実に増幅器の負荷に供給することが
求められている。とりわけオーディオアンプは負荷のス
ピーカーがインダクタンス成分を持つため、アンプの入
力波形に忠実な電流をスピーカーに流すために、図7に
示すような電流帰還増幅回路AMPが用いられていた。
この電流帰還増幅回路AMPはインダクタンスLを流れ
る電流波形を検知抵抗rで検知して帰還を行うために、
入力の波形の忠実な電流がインダクタンスLに流れるこ
とになる。その忠実度は帰還量が増えれば増えるほど高
くなるが、帰還量が増えると検知抵抗rの値によっては
電源容量により出力電流や出力電圧が制限され充分な帰
還がかけられなかった。またスピーカーのインピーダン
スは周波数によって大幅に変化し、これがため帰還量も
変化するためインピーダンスの高くなるf0共振点や周
波数の高い領域では帰還量が減少して音圧レベルが上昇
し、忠実な音の再生に好ましくない影響を与えていた。
【0003】また、一般にスピーカーのインダクタンス
Lにより逆起電圧vが発生し、忠実な出力波形の再現を
妨げる原因になっているが、この電流帰還増幅回路はそ
の帰還ループの中に逆起電圧vの発生源を含んでしまう
ため、負帰還作用により逆起電圧vが相殺されてしまう
メリットがあった。その効果も、帰還量が増えれば増え
る程高くなるが、前述の如く充分な帰還量がかけられな
い場合もあった。
【0004】一般に、増幅器の入出力直線性の改善、波
形歪みの改善、動作点の安定化などに負帰還が用いられ
てきた。しかし、前記直線性や波形歪みや動作点安定化
を達成するためには、使用周波数や要求利得に対して相
当広帯域および高利得の裸の特性を持つ増幅器でなけれ
ば充分な負帰還をかけることができず、またそんな増幅
器は高価で実用的ではなかった。
【0005】図8に従来の増幅器の周波数特性と帰還量
の関係を示している。図8に示すように帰還量の多い低
周波領域では前述した諸特性の改善は出来るが、帰還量
が次第に減少する高周波領域では、入出力直線性も、波
形歪みの改善効果も次第に減少して行く。勿論、増幅器
の裸の特性が帯域や利得において充分でない場合は、帰
還量も少なく、どの周波数帯域でも前述の諸特性の改善
は期待出来ないことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の負帰還を主体と
した従来の構成では、特性改善を重点においた回路構成
では増幅器のコストが高くなり、また安価な増幅器の構
成では特性が充分出ないなどの課題を有していた。
【0007】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、安価な増幅器で周波数の高い領域まで入出力直線性
を有する直線性増幅器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るために本発明の直線性増幅器は、同一特性を有する第
一、第二の増幅器と、この第一、第二の増幅器の出力に
それぞれ接続された第一、第二の加算器とを備え、前記
第一の増幅器の入力を入力端子と接続し、前記第一の加
算器の出力を前記第二の加算器、前記第二の増幅器およ
び出力端子に接続し、前記第二の加算器の出力を前記第
一の加算器に接続して構成される。
【0009】
【作用】この構成によって、第一の増幅器の入出力特性
と同一の特性を有する第二の増幅器で入出力特性を増幅
器の全周波数帯域で相殺するため、前記従来技術におけ
る大量の負帰還で特性改善する方法と違って増幅器の裸
の特性に対する要求仕様もきわめてゆるく、安価な増幅
器で周波数の高い領域まで入出力直線性を持たせること
ができる。
【0010】
【実施例】
(実施例1)以下に本発明の実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0011】実施例1の説明に先立って、本発明の原理
について図1を参照しながら説明する。図1は同一の特
性を有する二つの増幅器を用いて完全な入出力直線性を
持つ直線性増幅器を構築する手順を説明するブロック図
である。
【0012】図1(a)は入力および出力端子10、1
2を有し、利得1の理想的な入出力直線性を有する増幅
器11を示すブロック図、図1(b)は同図(a)と同
特性を実現する二つの構成要素13、14と加算器16
で構成するブロック図、図1(c)は同図(b)の構成
要素14と同特性を有する別な構成方法を示すブロック
図、図1(d)は同図(a)の利得1の理想的な入出力
直線性を有し、第一、第二の増幅器13、15と第一、
第二の加算器16、17で構成された直線性増幅器のブ
ロック図を示している。
【0013】図1(a)は入力端子10にx0の電圧が
入力されると、出力端子12にはx0の電圧が出力され
る。入出力直線性はただ単に利得の関係だけでなく、入
力の周波数が種々の値を取った場合でも入出力直線性は
変わらない、所謂理想の増幅器11を示している。
【0014】図1(b)は二つの構成要素13および1
4により、図1(a)の理想の特性を実現させる構成と
なっている。構成要素13はf(x)の入出力特性を有
する第一の増幅器であり、構成要素14は「1−f
(x)」の伝達関数を有し、この伝達関数の第2項のf
(x)は構成要素13で用いた第一の増幅器と同特性を
有する第二の増幅器であり、構成要素13と14の出力
を加算器16で加算する構成にされている。図1(b)
の入力端子10にx0が入力されると、構成要素13の
出力はf(x0)となり、構成要素14の出力は「x0
f(x0)」となり、それぞれの出力が加算器16で加
算されると「f(x0)+x0−f(x0)=x0」の出力
が出力端子12に現れる。結局、入力端子にx0が入力
され、出力端子にx0が出力されるため、入力から出力
までの一連の伝達関数は1となり図1(a)と同一の特
性を持つことになる。
【0015】図1(c)は構成要素14と同特性を有す
る別な構成方法を示し、15は第一の増幅器13と同特
性のf(x)を有する第二の増幅器、17は第二の増幅
器15の入力と第二の増幅器15の反転出力を加算する
第二の加算器である。
【0016】構成要素14にx0が入力されるとその出
力は「x0−f(x0)」となる事はすでに述べた。図1
(c)において、入力端子10にx0が入力されると、
第二の増幅器15の反転出力は「−f(x0)」となり
第二の加算器17に入力される。一方入力端子10のx
0も第二の加算器17に供給され、第二の加算器出力1
8は「x0−f(x0)」となる。この関係は前述した構
成要素14の伝達特性と同じである。
【0017】図1(d)の構成は、図1(b)の構成要
素14の代わりに図1(c)の構成を用いている事と、
図1(c)の入力端子10が図1(b)の入力端子10
に接続されるのではなく図1(b)の出力端子12に接
続されている。
【0018】図1(d)において、第一の増幅器13の
入力にx0が供給されるとその出力はf(x0)となり第
一の加算器16の入力となる。一方出力端子12の出力
をx0と仮定すると、このx0は第二の増幅器15に供給
され、その反転出力−f(x0)が第二の加算器17に
供給され、第二の加算器17に供給されたもう一方の入
力x0と共に加算されるとその出力は「x0−f
(x0)」となる。この出力は第一の加算器16の入力
に接続され第一の増幅器13の出力と共に加算されると
(式1)に示す値が第一の加算器16の出力となって出
力端子12に現れる。
【0019】 f(x0)+x0−f(x0)=x0……(式1) 上記の如く、入力にx0が供給されると直線性増幅器の
出力もx0となり、非線形を含んだ第一、第二の増幅器
の特性f(x)は完全に相殺され、利得1でかつ周波数
に影響されない理想的な直線性増幅器が実現できる。
【0020】図1では利得1の直線性増幅器について説
明を行ったが、図2は利得Aを持つ直線性増幅器の構成
を示す。
【0021】図2にしたがって動作原理を説明する。図
2(a)は利得Aを有し、入力周波数に影響されない理
想の増幅器20を示し、入力x0により出力Ax0が出力
される。
【0022】図2(b)は図1(d)の第二の増幅器1
5の出力と第二の加算器17の入力の間に減衰器21を
直列に接続して構成される。
【0023】図2(b)にもとづいて動作を説明する。
いま入力端子10にx0が供給され、出力端子12にA
0が得られた時、利得Aを持つ理想の直線性増幅器が
得られるとし、この事を説明する。第一の増幅器13に
0が入力されるとその出力はf(x0)となり、これが
第一の加算器16の入力として供給される。一方出力端
子12にはAx0が出力されたと仮定すると、Ax0は第
二の増幅器15に供給されその反転出力は「−Af(x
0)」となり、この出力が減衰器21に供給され「1/
A」に減衰される。減衰器21の出力は「−f
(x0)」となり、この出力が第二の加算器17に供給
される。第二の加算器17のもう一方の入力にはAx0
が供給されているため、第二の加算器17の出力は「A
0−f(x0)」となる。この出力が第一の加算器16
に供給されると、第一の加算器16の出力は「f
(x0)+Ax0−f(x0)=Ax0」となって最初に仮
定した出力が得られ、理想の直線性増幅器が得られる。
【0024】以上の説明で明確なように、第一、第二の
増幅器13、15の入出力伝達関数f(x)は完全に相
殺され、帰還ループに構成した減衰器21の減衰率「1
/A」の逆数Aが直線性増幅器の利得Aを与える。一般
に減衰器21は抵抗分割により構成されるため、減衰器
21は周波数特性を持たず、前記直線性増幅器全体も周
波数特性を持たない理想の入出力直線性を実現できる優
れた直線性増幅器の構成を提供するものである。
【0025】図3は本発明の一実施例を示す回路図であ
り、本発明の原理を説明した図2(b)のブロック図に
対応した回路図である。
【0026】図3において、各ブロックに付した番号は
図2(b)に付したブロックの番号と同一であるため、
番号の説明を省略する。
【0027】図3において、入力端子10のx0が第一
の増幅器13の正入力に供給されると、非反転出力のf
(x0)が出力される。図3では非反転増幅器である第
一の増幅器13の利得は「Rf/Ri」であるからその出
力は「Rf・x0/Ri」となるが、利得のみでは非直線
性の議論が不十分となるため、前記利得も含めた入出力
特性(伝達関数)をf(x)で表現している。第一の増
幅器13の出力f(x 0)は第一の加算器16の入力の
一方に供給される。
【0028】いま出力端子12にAx0が出力されたと
すると、この電圧Ax0は第二の増幅器15の入力に供
給される。第二の増幅器15は利得が「Rf/Ri」の反
転増幅器であるからその出力は「−Rf・Ax0/Ri
となるが、前述と同様に非直線性の議論が不十分となる
ため、利得も含めた入出力特性f(x)で表現すると、
第二の増幅器15の出力は「−Af(x0)」となる。
【0029】第一、第二の増幅器13、15は利得およ
び入出力特性も同一な増幅器で、非反転および反転のみ
が異なる増幅器である。
【0030】第二の増幅器15の出力「−Af
(x0)」は減衰器21に供給される。減衰器21は2
つの抵抗による抵抗分割で構成され、その分割比は「r
/{(A−1)r+r}=r/Ar=1/A」である。
したがって、第二の増幅器15の出力は減衰器21で
「1/A」にされ、「−f(x0)」が減衰器21の出
力として出力され、第二の加算器17の入力に抵抗Rを
介して供給される。減衰器21の出力抵抗は「r」と
「(A−1)r」との並列抵抗となるが、Aの値にかか
わらずRに比べ充分に小さな並列抵抗となるrが選ばれ
ている。したがって、減衰器21の出力「−fx0」と
出力端子12の電圧Ax0とが第二の加算器17の入力
に供給され加算され、その出力は「Ax0−f(x0)」
となる。
【0031】第一、第二の加算器16、17は共に非反
転の利得1のボルテージフォロワーで構成され、前記第
一、第二の増幅器の入力周波数範囲に比べて遙かに広帯
域まで平坦な周波数特性を有した加算器となっている。
したがって前記加算器では入力周波数による特性変化は
殆ど起こらないため、第一、第二の増幅器の入出力特性
のみを考慮すればよい。
【0032】第二の加算器17の出力「Ax0−f
(x0)」は第一の増幅器13の出力「f(x0)」と共
に第一の加算器16の入力に供給され、その出力は「A
0−f(x0)+f(x0)=Ax0」となる。すなわ
ち、出力端子12にAx0が出力されたとする仮定が実
証され、周波数特性を持たず、かつ入出力特性が直線の
理想的な直線性増幅器が得られる。
【0033】前記第一、第二の増幅器を電圧負帰還構成
で利得がRf/Riのそれぞれ非反転、反転増幅器として
便宜上記述したが、電圧負帰還を行う必要はなく、また
利得がRf/Riである必要もない。利得は1以下でも1
以上でも良いが、利得が大きくなるほど所定の出力に近
づけて行くループゲインが高くなり、高速応答の直線性
増幅器となる。
【0034】上記の如く、利得や電圧負帰還は必要不可
欠のものではないが、本発明の第一、第二の増幅器は特
性が同一で、それぞれ非反転および反転増幅器であるこ
とが必要である。非反転および反転増幅器は非直線性を
有する入出力特性f(x)を相殺するための手段である
から、第一の増幅器が非反転である必要は無く、反転増
幅器でも良い。その場合、第二の増幅器は非反転増幅器
となり、図3の第一の増幅器を反転増幅器に置き換え、
第二の増幅器を非反転増幅器に置き換えるだけで良い。
【0035】また本発明の直線性増幅器の出力をスピー
カに接続したオーディオアンプにおいて加算器16はボ
ルテージフォロワーで構成されているため出力インピー
ダンスは極端に低く、たとえ逆起電圧が出力端子12に
発生しても直ちに加算器16の低インピーダンスにより
減衰し、音質に影響を与えない効果がある。
【0036】(実施例2)実施例2は、同一の非線形特
性を2つ合わせて線形にする構成に係わるもので、特に
非線形特性はMOS・FETのゲートソース電圧対ドレ
イン電流の二乗特性を用いた構成で線形化を実施してい
る。
【0037】図4に本発明の第二の実施例の構成原理図
を示し、図5に前記構成原理図の動作を説明するための
入出力特性図を示し、図6に前記構成原理図にもとづい
て実際の回路を構成した回路図を示す。
【0038】図4において、30および31はそれぞれ
NチャンネルMOS・FETおよびPチャンネルMOS
・FET、36および37はそれぞれEの電位を持ちお
たがいに直列に接続されダイオードD1 32およびダイ
オードD3 34を介してそれぞれ前記FET30および
FET31のゲートに接続される固定バイアス、42は
前記固定バイアスの直列接続点45に接続された入力端
子、38および39はそれぞれEの電位を持ちお互いに
直列に接続されダイオードD2 33およびダイオードD
4 35を介してそれぞれ前記FET30およびFET3
1のゲートに接続される固定バイアス、40は前記FE
T30およびFET31の両ソース間接続点46と増幅
器の出力端子41との間に直列に接続される検知抵抗、
44は前記出力端子41と接続される前記固定バイアス
38および39の直列接続点、43は前記出力端子41
に接続された負荷でたとえばスピーカーSPである。
【0039】前記FET30および31はそれぞれNチ
ャンネルのMOS・FETおよびPチャンネルのMOS
・FETのエンハンスメント型から構成され、その入出
力特性、即ちゲートソース間電圧対ドレーン電流(ソー
ス電流も同じ)は二乗特性を持っている。
【0040】従って、FET30の入出力特性は、次式
で示す事ができる。 「ip=K・VGS1 2」……………(式2) ここでiPはドレーン電流、VGS1はゲートソース電圧、
Kは定数である。
【0041】次にFET31の入出力特性も同様に、次
式で示す事ができる。 「−iN=K・VGS2 2」…………(式3) ここで−iNは図4に示すように、検知抵抗40をiP
は逆の電流として流れるため負の記号が付いている。
(式2)および(式3)は図5の入出力特性のそれぞれ
50および51に対応した特性となる。
【0042】(式2)を図5の上にプロットするなら
ば、原点を中心に第1象限の二乗特性で表されるが、図
5の入出力特性50はV軸の左方向にEだけ移動した形
で表されている。即ち式で表すと、「VGS=V+E」と
なり(式4)が導出される。
【0043】「ip=K(V+E)2」…………(式4) 同様に(式3)を図5の上にプロットするならば、原点
を中心に第3象限の二乗特性で表されるが、図5の入出
力特性51はV軸の右方向にEだけ移動した形で表され
ている。即ち式で表すと、「VGS=V−E」となり次式
が導出される。
【0044】「−iN=K(V−E)2」………(式5) FET30および31の入出力特性は図5において片側
特性(実線)のみが有効で、点線部分はFETの特性か
らも実質的にあり得ない曲線である。
【0045】いま、点線も含めた(式4)と(式5)を
加算すると、次式が導き出される。 「iP+iN=K(V2+2V・E+E2)−K(V2−2
V・E+E2)=4K・E・V」………(式6) すなわち、入力Vの全領域において一定の勾配「4K・
E」を持つ直線となる。図5の52に(式6)の直線を
示す。
【0046】本実施例2の骨子は図5の入出力特性50
および51の点線で示された曲線部分をいかに実現する
かの構成方法に係わり、以下図4および図5に従ってそ
の構成方法を説明する。
【0047】説明は図5の入力Vを以下の4つの領域に
分割して、各領域ごとに説明する。第一の領域(1)
は、入力Vが固定バイアス−Eより小さい領域で「V<
−E」、第二の領域(2)は、入力Vが固定バイアス−
Eより大きい領域で「V≧−E」、第三の領域(3)
は、入力Vが固定バイアス+Eより小さい領域で「V≦
+E」、第四の領域(4)は、入力Vが固定バイアス+
Eより大きい領域で「V>+E」、に分割する。
【0048】図4において、入力端子42の入力Vが0
の時、FET30および31のドレーン電流は(式
4)、(式5)により「iP=KE2」および「iN=−
KE2」となり、各ドレーン電流は検知抵抗rおよび負
荷のスピーカ43を流れるが、電流の値が等しく極性が
異なるため、発生した電圧降下は互いに相殺されるため
両ソース間接続点46の電位は0となる。従ってFET
30のゲートソース間電圧V GS1は固定バイアス36の
+EがダイオードD1 32を通ってバイアスされる。同
時にFET31のゲートソース間電圧VGS2は固定バイ
アス37の−EがダイオードD3 34を通ってバイアス
される。一方、固定バイアス38,39の直列接続点4
4の電位も前述の通り0となるため、固定バイアス38
およびダイオードD2 33の回路と固定バイアス39お
よびダイオードD4 35の回路は共に逆バイアスされ不
動作(OFF)の状態となる。
【0049】上述の如き初期状態から、入力Vが正でか
つ+Eより低い第三の領域(3)では、図5に示すよう
にiPが二乗特性で増加しiN二乗特性で減少しその和は
直線的に増加する。第三の領域(3)は図5の入出力特
性50および51が共に実線(動作)の領域であるから
(式6)で算出した直線を示す値が出力電流となる。
【0050】入力Vが正に増加して+Eを越えると第四
の領域(4)に入る。第四の領域(4)は図5の入出力
特性50は動作の領域(実線)で、入出力特性51は不
動作の領域(点線)である。図4において、入力Vが固
定バイアス37の−Eを越えると、ダイオードD3 34
は逆バイアスとなりFET31は不動作の状態となる。
FET31が不動作のままでは入出力特性は第四の領域
(4)では50のみとなり直線にはならない。これを直
線とするためにはFET31のドレーン電流i Nが第四
の領域(4)でも図5の点線で示す二乗特性にならなけ
ればならない事はすでに述べた。
【0051】いま、入力電圧Vが固定バイアスEに等し
くなった状態を考察する。「V=E」を(式4)および
(式5)に代入すると、FET30および31のドレー
ン電流はそれぞれ「ip=4KE2」、「−iN=K(E
−E)2=0」となる。FET30のドレーン電流ip
検知抵抗r40を流れるため電圧降下が発生し両ソース
接続点46に対して負の電圧が固定バイアス38,39
の直列接続点44に供給される。この電圧降下VDは次
式で表される。
【0052】 「VD=iP・r=4KE2r」……(式7) いま、「VD=E」となる検知抵抗rを求めると、(式
8)が導出される。
【0053】 「r=1/(4KE)」 ………………………………(式8) (式8)に示す値に検知抵抗rを設定することによっ
て、入力電圧Vが固定バイアスのEとなった時、第四の
領域(4)では固定バイアス38,39の直列接続点4
4に供給される電圧は「−E」となり、固定バイアス3
9の電圧+Eを打ち消して0となる。入力電圧VがEを
越え更に増加すると、FET30のドレーン電流iP
二乗曲線に従って増加する。同時に検知抵抗rの両端に
発生する電圧降下VDも「−E」から二乗曲線に従って
負の方向に増加する。電圧降下VDが「−E」からわず
かに負の方向に増加すると、図4の固定バイアス39の
+Eより大きな負の電圧がダイオードD4 35を導通
(ON)させFET31のゲートソース間に前述の「−
E」から二乗曲線に従って負の方向に増加する電圧を供
給する。この電圧を「固定バイアス」に対して「制御バ
イアス」と呼ぶことにする。この制御バイアスによって
FET31のドレーン電流iNは、図5の入出力特性5
1の点線で示す二乗特性の電流が流れる。この電流iN
によってiPの二乗特性を補正して入出力特性52に示
す直線の特性が第四の領域(4)でも得られる。この関
係はすでに(式6)でも説明した。
【0054】次に、入力電圧Vが負の方向に増加する第
二の領域(2)および第一の領域(1)の動作説明も入
力電圧Vが正の場合と全く同様である。
【0055】入力電圧Vが第二の領域(2)では、図4
の固定バイアス36とダイオードD 1 32で構成される
回路および固定バイアス37とダイオードD3 34で構
成される回路は動作状態(ON)となり、図5の入出力
特性50および51は共に実線(動作)の領域であるか
ら(式6)で算出した直線を示す値が出力電流となる。
【0056】入力Vが負に増加して−Eを越えると第一
の領域(1)に入る。第一の領域(1)では図5の入出
力特性50は不動作の領域(点線)であり、入出力特性
51は動作の領域(実線)である。すなわち固定バイア
ス36とダイオードD1 32で構成される回路は不動作
で、固定バイアス37とダイオードD3 34で構成され
る回路は動作状態にある。検知抵抗r40は前述の如
く、入力電圧−Vが固定バイアス−Eと等しくなった
時、検知抵抗r40の両端の電圧降下がEとなるように
設計されているため、第一の領域(1)では固定バイア
ス38、39の直列接続点44に供給される電圧は「+
E」となり、固定バイアス38の電圧−Eを打ち消して
0となる。入力電圧−Vが−Eを越え更に負に増加する
と、FET31のドレーン電流iNは二乗曲線に従って
増加する。同時に検知抵抗rの両端に発生する電圧降下
Dも「+E」から二乗曲線に従って正の方向に増加す
る。電圧降下VDが「+E」からわずかに正の方向に増
加すると、図4の固定バイアス38の−Eより大きな正
の電圧がダイオードD2 33を導通(ON)させFET
30のゲートソース間に前述の「+E」から二乗曲線に
従って正の方向に増加する制御バイアスを供給する。こ
れによってFET30のドレーン電流iPは、図5の入
出力特性50の点線で示す二乗特性の電流が流れる。こ
の電流iPによってiNの二乗特性を補正して入出力特性
52に示す直線の特性が第一の領域(1)でも得られ
る。この関係はすでに(式6)でも説明した。
【0057】前述の如く、第二の領域(2)および第三
の領域(3)では固定バイアス36および37に接続さ
れたダイオードD1 32およびダイオードD3 34は動
作(ON)の状態になり、第四の領域(4)ではダイオ
ードはD3 34がOFFとなると同時に検知抵抗r40
の電圧降下による制御バイアスがダイオードD4 35を
動作(ON)の状態とし、第一の領域(1)ではダイオ
ードD1 32がOFFとなると同時に検知抵抗r40の
電圧降下による制御バイアスがダイオードD233を動
作(ON)の状態とし、固定バイアスと制御バイアスが
各第一から第四の領域に応じて選択的に各ダイオードに
よってスイッチングされるような構成となっている。
【0058】図6に図4の構成原理図にもとづいて実際
の回路を構成した回路図を示す。図6は図4における固
定バイアス36、37、38および39を同一の構成か
らなる4つの定電流回路で構成している。
【0059】定電流回路のうちの1つは、NPNトラン
ジスタ60と、このトランジスタ60のコレクタ・ベー
ス間に抵抗R1が接続され、ベース・エミッタ間に抵抗
2が接続された構成からなっている。コレクタ・エミ
ッタ間を流れる電流iは、抵抗R1と抵抗R2の設定によ
り自由に選ぶ事ができる。コレクタ・エミッタ間の電圧
はトランジスタ60のコレクタから正の供給電源VCC
間に接続された抵抗Rで決まり、「VCC−iR」とな
る。なぜなら、同一の定電流回路2個が正負の供給電源
±VCCの間に直列に接続されているため、その中点の電
位は0となるためである。「VCC−iR=+E」とする
と、図4で示した固定バイアスの全てがこの定電流回路
で実現でき、図6の回路図となった。
【0060】以上の説明で明確なように、同一特性を有
する第一、第二のFETと、前記第一、第二のFETに
固定バイアスを供給する手段と、前記第一、第二のFE
Tの両ソース間を接続した接続点と出力端子との間にソ
ース電流を検知する検知抵抗を接続し、前記検知抵抗に
発生した電圧により前記第一、第二のFETに制御バイ
アスを供給する手段と、前記固定バイアスおよび制御バ
イアスを選択的にスイッチングするスイッチング回路よ
り構成する事によって、簡単な構成で完全に直線の特性
をもつ直線性増幅器を提供するものである。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明は同一の特性を有す
る第一、第二の増幅器の持つ非直線的な特性を相殺し、
増幅器の持つ周波数領域全域にわたって完全な直線性を
有する直線性増幅器を構成することができる。
【0062】上記第一、第二の増幅器は利得の大きさや
周波数特性の平坦性や周波数帯域を全く問題としない安
価で簡単な構成の増幅器であれば良く、コストパフォー
マンスの高い直線性増幅器である。
【0063】また、第二の増幅器15の出力と第二の加
算器17の入力との間に抵抗分割方式の減衰器21を挿
入することによって直線性増幅器の利得が自由にかつ周
波数に影響されることなく設定できる。
【0064】また、実施例2では、同一の特性を有する
第一、第二のFETの持つ非直線的な特性を固定バイア
スおよび制御バイアスをスイッチング回路で選択的に前
記FETのゲートに供給することによって相殺し、FE
Tの持つ周波数領域全域にわたって完全な直線性を有す
る直線性増幅器を簡単に構成することができる。
【0065】このような高い入出力直線性を有した増幅
器は、音響用増幅器のみならず映像機器および通信機器
などの増幅器に使用でき、たとえばテレビ、ビデオなど
の映像検波後の増幅回路やディジタル機器のA/D変換
器に用いられる増幅器など幅広い分野の増幅器に適用で
きる優れた効果を発揮する直線性増幅器を提供するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)理想的な入出力直線性を有する増幅器を
示すブロック図 (b)図1(a)と同特性を実現する二つの構成要素1
3,14と加算器で構成するブロック図 (c)図1(b)の構成要素14と同特性を有する別な
構成方法を示すブロック図 (d)本発明の直線性増幅器のブロック図
【図2】(a)理想的な入出力直線性を有する利得Aの
増幅器を示すブロック図 (b)本発明の利得Aを有する直線性増幅器のブロック
【図3】本発明の一実施例を示す回路図
【図4】本発明の第二の実施例を示す構成原理図
【図5】同第二の実施例の動作を説明する入出力特性図
【図6】同第二の実施例を示す回路図
【図7】従来例における負帰還増幅回路の構成図
【図8】同周波数特性と帰還量との関係を示す図
【符号の説明】
13 第一の増幅器 15 第二の増幅器 16 第一の加算器 17 第二の加算器 21 減衰器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一特性を有する第一、第二の増幅器
    と、この第一、第二の増幅器の出力にそれぞれ接続され
    た第一、第二の加算器とを備え、前記第一の増幅器の入
    力を入力端子と接続し、前記第一の加算器の出力を前記
    第二の加算器、前記第二の増幅器および出力端子に接続
    し、前記第二の加算器の出力を前記第一の加算器に接続
    してなる直線性増幅器。
  2. 【請求項2】 第二の増幅器と第二の加算器との間に減
    衰器を接続してなる請求項1記載の直線性増幅器。
  3. 【請求項3】 同一特性を有する第一、第二のFET
    と、前記第一、第二のFETに固定バイアスを供給する
    手段と、前記第一、第二のFETの両ソース間を接続し
    た接続点と出力端子との間にソース電流を検知する検知
    抵抗を接続し、前記検知抵抗に発生した電圧により前記
    第一、第二のFETに制御バイアスを供給する手段と、
    前記固定バイアスおよび制御バイアスを選択的にスイッ
    チングするスイッチング回路より構成してなる直線性増
    幅器。
JP12245494A 1994-06-03 1994-06-03 直線性増幅器 Pending JPH07336155A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12245494A JPH07336155A (ja) 1994-06-03 1994-06-03 直線性増幅器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12245494A JPH07336155A (ja) 1994-06-03 1994-06-03 直線性増幅器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07336155A true JPH07336155A (ja) 1995-12-22

Family

ID=14836252

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12245494A Pending JPH07336155A (ja) 1994-06-03 1994-06-03 直線性増幅器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07336155A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5343164A (en) Operational amplifier circuit with slew rate enhancement
EP1444777B1 (en) A power amplifier module with distortion compensation
US4039981A (en) Variable impedance circuit
EP0874451A2 (en) Variable gain amplifier
US6472932B2 (en) Transconductor and filter circuit
JPH0132566B2 (ja)
Nauta et al. Analog line driver with adaptive impedance matching
US11095254B1 (en) Circuits and methods to reduce distortion in an amplifier
US10855299B2 (en) Resistive DAC with summing junction switches, current output reference, and output routing methods
US5955919A (en) Nonlinearity compensation in an electric signal processing circuit
EP0410295B1 (en) Single-ended chopper stabilized operational amplifier
US8330633B2 (en) Current steering circuit with feedback
JPH06232655A (ja) シングルエンド−差動変換器
JPH07336155A (ja) 直線性増幅器
US7009442B2 (en) Linear multiplier circuit
US5783954A (en) Linear voltage-to-current converter
US7312658B2 (en) Differential amplifier with two outputs and a single input of improved linearity
US4178555A (en) Method of reducing distortion in electronic networks
US7492225B2 (en) Gain-controlled amplifier
JP2985815B2 (ja) 定電圧回路及びそれを利用したda変換回路
JP3140399B2 (ja) 演算増幅器を有する回路装置
JPS61131606A (ja) 差動増幅回路
JPS644695B2 (ja)
JPS61105914A (ja) ミクサ回路
US5719518A (en) Variable electronic resistor having parallel phase-inverted variable semiconductor channels with common control input and current-to-voltage converters