JPH0733533Y2 - エポキシ套管取付工具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案はケーブル終端に設置されるエポキシ套管を容易
に取り付けることができるエポキシ套管取付工具に係
る。

（従来の技術） ケーブル終端に装着されるエポキシ套管は、表面の汚
損、損傷を避けるため、その表面をビニールシート、ラ
ップ用フィルム等で防護されており、ケーブル終端への
装着はそのままの状態で行われる。

（考案が解決しようとする課題） 上記のようにビニールシート、ラップ用フィルム等によ
って表面を防護したままの状態のエポキシ套管は、それ
等のシートまたはフィルムが滑り易いため、エポキシ套
管のケーブルへの装着に際し手から取り落として破損す
るおそれがあった。また、エポキシ套管と防護用のシー
トまたはフィルムとの摩擦により、エポキシ套管が帯電
して塵埃その他が付着し、破損事故、ガス洩れ、油洩れ
等の原因となっている。

さらに、エポキシ套管のケーブルへの装着に際しては作
業員が素手でエポキシ套管の下端面（Ｏリング装着面）
を持ってエポキシ套管を取り扱うため、前記Ｏリング装
着面が汚染されるおそれがあった。また、ケーブルへの
装着作業を実施する場所が狭いため、前記Ｏリング装着
面およびこれと対応する相手方のシール面に塵埃等が付
着していても、目視による確認が困難であった。さら
に、エポキシ套管内腔は通常上部程その径が小となって
おり、導体引出棒のＯリング接触位置近傍の部分のケー
ブル端末への挿入作業は困難であるため、勢い無理な作
業が多くなり作業服に付着していた塵埃や周囲の塵埃を
巻き込むことが多かった。上記の汚染、塵埃の付着、巻
き込み等は何れもケーブル線路運転開始後の事故の原因
となり、好ましくない。

本考案は上記の事情に基づきなされたもので、表面防護
用のシートまたはフィルムを除去しエポキシ套管の帯電
を生じないようにした状態で、エポキシ套管に全く手を
触れることなくエポキシ套管のケーブルへの装着を行う
ことができるエポキシ套管取付工具を提供することを目
的としている。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 本考案のエポキシ套管取付工具は、環板状の工具主部
と、この工具主部の一直径の延長上に配置され径方向外
方に突出した１対の握把と、前記工具主部に取り扱うべ
きエポキシ套管上端面のボルト孔と同一配置で設けられ
た複数箇の透孔とを有することを特徴とする。

（作用） 上記構成の本考案エポキシ套管取付工具においては、前
記工具主部を前記透孔がエポキシ套管上端面のボルト孔
と合致するようにして套管上端面に載置し、前記各透孔
に挿通したボルトを套管上端面の対応するボルト孔に螺
入して前記套管を取付工具に支持固定し、前記握把を持
って前記套管を吊下支持し、ケーブル終端への装着を行
う。このようにして、本考案の取付工具によれば套管に
直接手を触れることなく装着作業を実施することができ
る。

（実施例） 第１図Ａは本考案一実施例の平面図、第１図Ｂはその正
面図である。これ等の図において、本考案の工具は環板
状の工具主部１と、その一直径延長上に位置して工具主
部１の径方向外方に突出する２箇の握把２とを有する。
而して、工具主部１には例えば66^KVケーブル用エポキシ
套管、154^KV用エポキシ套管の取付孔と同一配置で、複
数箇のエポキシ套管支持用透孔３が設けられている。

上記構成の本考案取付工具によってケーブルへのエポキ
シ套管の装着は次のようにしてなされる。すなわち、第
２図に示すようにエポキシ套管11の上端面のボルト孔お
よび前記取付工具のエポキシ套管支持用透孔３を合致さ
せて、本考案取付工具主部１をエポキシ套管11の上端面
に載置し、ボルト12をエポキシ套管支持用透孔３に挿通
し、前記ボルト孔に螺入して取付工具主部１にエポキシ
套管11を固定、支持させる。

上記のようにエポキシ套管11をエポキシ套管取付工具に
支持、固定させた後は、１人または必要ならば２人の作
業員が握把２を持つことにより、エポキシ套管11自体に
は全く手を触れることなくエポキシ套管11を自由に動か
すことができる。よって、第２図に示すようにエポキシ
套管下端面の汚染を嫌う部分に手を触れずにエポキシ套
管11の下端部を終端箱または機器筐体15のガイドピン13
に係合させながら、エポキシ套管11をケーブル終端に装
着することができる。

なお、この時取付工具の握把２によってエポキシ套管11
を持ち上げているのであるから、エポキシ套管上部の内
腔の小径の部位が導体引出棒14に近接した場合でも、前
記握把２によってエポキシ套管11に下向きの力を容易に
加えることができ、挿入を容易に行うことができる。ま
た、エポキシ套管11下面（リング接触面）を多数の人員
によって確認しながらゆっくりと装着を行うことができ
るので、前記下面に損傷を生じるおそれはない。

［考案の効果］ 本考案のエポキシ套管取付工具によれば、エポキシ套管
に全く手を触れることなくケーブルへの装着を行うこと
ができる。従って、エポキシ套管を本考案のエポキシ套
管取付工具に支持させた後は、防護用のシートまたはラ
ップフィルムを除去し表面を清拭して装着作業を行うこ
とができるから、帯電による塵埃の付着等による種々の
問題を生じることはない。

また、エポキシ套管をケーブル終端に装着する場合に、
エポキシ套管上端の開口部から套管内部を観察しながら
作業を進めることができるから、套管内面に損傷を生じ
るおそれはない。

さらに、エポキシ套管の装着時に取付工具の下降によっ
て套管をケーブル終端に対して下降させ、挿入を行うよ
うにしているから、套管の周囲であまり動き回らないで
も挿入を進めることができ、作業員の衣服から飛散した
塵埃を巻き込むおそれはない。

また、エポキシ套管を本考案の取付工具に吊下支持させ
た状態で套管の装着を行うので、大サイズCVケーブルで
あって套管装着部を完全に直状となし得ない場合であっ
ても、套管をケーブルなりに誘導して装着を行うことが
できる。

なお、本考案のエポキシ套管取付工具においては、前記
のようにエポキシ套管を吊下支持してケーブル終端上方
から装着を行うので、作業員は比較的楽な姿勢で作業を
行うことができ腰痛その他の問題を生じることはない。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは本考案一実施例の平面図、第１図Ｂはその正
面図、第２図はその使用状態を示す正面図である。 １……工具主部、２……握把、３……透孔、11……エポ
キシ套管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】環板状の工具主部と、この工具主部の一直
   径の延長上に配置され径方向外方に突出した１対の握把
   と、前記工具主部に取り扱うべきエポキシ套管上端面の
   ボルト孔と同一配置で設けられた複数箇の透孔とを有す
   ることを特徴とするエポキシ套管取付工具。