JPH07333781A - 直接ポジハロゲン化銀乳剤およびこれを用いたカラー拡散転写感光材料 - Google Patents

直接ポジハロゲン化銀乳剤およびこれを用いたカラー拡散転写感光材料

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JPH07333781A
JPH07333781A JP14696994A JP14696994A JPH07333781A JP H07333781 A JPH07333781 A JP H07333781A JP 14696994 A JP14696994 A JP 14696994A JP 14696994 A JP14696994 A JP 14696994A JP H07333781 A JPH07333781 A JP H07333781A
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JP
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silver halide
dye
group
emulsion
latent image
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JP14696994A
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English (en)
Inventor
Seiji Akiyama
誠司 秋山
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】高S/Nで且つ低照度相反則特性の改良された
内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤、及びそれを用い
たカラー拡散転写感光材料を提供する。 【構成】平均粒子直径0.3μm以上、アスペクト比
(ハロゲン化銀粒子の円相当直径/粒子厚み)が2以
上、100以下である平板状ハロゲン化銀粒子を全ハロ
ゲン化銀粒子の投影面積の50%以上含むことを特徴と
する内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤において、P
bイオンの存在下で粒子形成され、かつ、一般式
〔A〕、〔B〕、及び〔C〕で示される化合物から選ば
れる少なくとも一種の化合物の存在下にコア粒子の化学
増感が行われる内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤。
及びそれを用いたカラー拡散転写感光材料。 〔A〕の例 CH3SO2SNa 〔B〕の例 C8H17SO2SCH2CH3 〔C〕の例 C2H5SO2SCH2CH2SO2CH2CH2SSO2C2H5

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内部潜像型直接ポジハ
ロゲン化銀乳剤及びそれを用いたカラー拡散転写感光材
料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀を用いる写真法は、他の写
真法、例えば電子写真法やジアゾ写真法に比べて、感度
や階調特性に優れており、従来からも広範に用いられて
いる。このなかで、直接ポジ画像を形成する方法が知ら
れている。これは、例えば、米国特許第3,761,2
76号や特公昭60−55821号に開示されているよ
うに、内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤を表面現像
液(ハロゲン化銀粒子内部の潜像形成部位を実質上現像
しないで残す現像液)により現像する際、均一露光を与
えるかあるいは造核剤を使用することによってポジ画像
を得るものである。このような直接ポジハロゲン化銀乳
剤は、一回の処理でポジ画像を得られる点でネガ型乳剤
より優れている。一般に内部潜像型直接ポジハロゲン化
銀乳剤は、ゼラチン水溶液中で可溶性銀塩と可溶性ハロ
ゲン化物を混合することでハロゲン化銀粒子を形成す
る。これがコア/シェル構造の内部殻となるものであ
り、以下コア粒子と呼ぶ。この後、コア粒子の化学増感
を行なった後、コア/シェル構造の外部殻となるシェル
形成のためのハロゲン化銀沈積を行い、その後脱塩を行
い、必要に応じて化学増感という工程を経て調整され
る。例えば、特公昭52−34213号(米国特許3,
761,276号)には、直接ポジ乳剤として有用な内
部潜像型乳剤が記載されており、この乳剤はハロゲン化
銀粒子内部にドープ剤を含み、且つ粒子表面を化学増感
する事を特徴とするものである。この事はまたPorter等
の米国特許3,317,322号にも教示されている。
【0003】一方、本発明は平板状ハロゲン化銀粒子に
関するものであるが、平板状ハロゲン化銀粒子に関して
は、すでにクリーブ著「写真の理論と実際」(Cleve,Ph
otography Theory and Practice (1930))、13
1頁;ガトフ著、フォトグラフィック・サイエンス・ア
ンド・エンジニアリング(Gutoff,Photographic Scienc
e and Engineering)、第14巻、248〜257頁(1
970年);米国特許第4,434,226号、同4,
414,310号、同4,433,048号、同4,4
39,520号、同4,414,306号、同4,45
9,353号、英国特許第2,112,157号、特開
昭59−99433号、同62−209445号等にそ
の製法および使用技術が開示されている。特に、平板状
内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤については、米国
特許第4,395,478号及び同4,504,570
号、同4,996,137号、特公昭64−8327
号、特開平1−131547号、特開平1−15414
2号、特開平1−158429号、特開平1−2976
49号、等に詳しく記述されている。これら平板状内部
潜像型直接ポジ乳剤はシャープネスが良好で現像進行が
速く現像温度依存性の小さい直接ポジ像を与える点で優
れている。また、粒子の表面積/体積比が立方体、八面
体にくらべて大きいため、分光増感領域において高感化
の点で有利であるという利点を有する。
【0004】しかしながら、このようにして調製された
平板状内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤は従来の内
部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤同様、露光照度を低
くしていった際に生じる感度低下現象(低照度相反則不
軌)がネガ型乳剤に比較して大きく、まだ改良の余地を
残していた。このような、低照度相反則不軌を改良する
手段としては、ハロゲン化銀粒子中に多価金属イオンを
ドーピングする方法(米国特許第3,367,778号
及び同3,287,136号、特公昭52−34213
号、特公昭64−8327号)、或いは、いわゆるコア
/シェル型乳剤においてコア粒子の増感の方法を調節す
る方法(米国特許第4,035,185号)が知られて
いるが、必ず最高濃度が低下するという問題を有してい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、低照度露光時の感度低下(低照度相反則不軌)の改
良された平板状内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤、
及びそれを用いたカラー拡散転写感光材料を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下
(1)〜(4)の内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤
及びそれを用いたカラー拡散転写感光材料によって達成
された。 (1)平均粒子直径0.3μm以上、アスペクト比(ハ
ロゲン化銀粒子の円相当直径/粒子厚み)が2以上10
0以下である平板状ハロゲン化銀粒子を全ハロゲン化銀
粒子の投影面積の50%以上含むことを特徴とする内部
潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤において、Pbイオン
の存在下で粒子形成され、かつ、下記一般式〔A〕、
〔B〕、及び〔C〕で示される化合物から選ばれる少な
くとも一種の化合物の存在下にコア粒子の化学増感が行
われることを特徴とする内部潜像型直接ポジハロゲン化
銀乳剤。
【0007】
【化2】
【0008】式中、R、R1 、R2 は同じでも異っても
よく、脂肪族基、芳香族基、又はヘテロ環基を表し、M
は陽イオンを表す。Lは二価の連結基を表し、mは0又
は1である。一般式〔A〕、〔B〕または〔C〕の化合
物は、それぞれ〔A〕、〔B〕または〔C〕で示す構造
から誘導される二価の基を繰り返し単位として含有する
ポリマーであってもよい。また可能なときはR、R1
2 、Lが互いに結合して環を形成してもよい。を特徴
とする内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤。 (2)コア粒子の化学増感時に、チオ硫酸イオンが実質
的に存在しない条件で、金増感剤と上記一般式〔A〕、
〔B〕、及び〔C〕で示される化合物から選ばれる少な
くとも1種の化合物との併用で化学増感されることを特
徴とする(1)記載の内部潜像型直接ポジハロゲン化銀
乳剤。 (3)Pbイオンの濃度が銀1モル当たり1×10-6
ル以上1×10-2モル以下であることを特徴とする
(1)記載の内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤。 (4)支持体上に、色素像形成物質と組み合わされた少
なくとも1つの感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、該色
素像形成物質が下記一般式〔I〕で表される、銀現像に
関連して拡散性色素又はその前駆体を放出する非拡散性
化合物もしくは、それ自体の拡散性が変化する化合物か
らなるカラー拡散転写感光材料において、前記ハロゲン
化銀乳剤層の少なくとも1層が、上記(1)または、
(2)または、(3)記載の内部潜像型直接ポジハロゲ
ン化銀乳剤を少なくとも一種含有することを特徴とする
カラー拡散転写感光材料。 一般式〔I〕 (DYE−Y)n −Z {DYEは色素基、一時的に短波化された色素基または
色素前駆体基を表し、Yは単なる結合又は連結基を表
し、Zは画像状に潜像を有する感光性銀塩に対応又は逆
対応して(DYE−Y)n −Zで表される化合物の拡散
性に差を生じさせるか、又は、DYEを放出し、放出さ
れたDYEと(DYE−Y)n −Zとの間に拡散性にお
いて差を生じさせるような性質を有する基を表し、nは
1または2を表し、nが2の時、2つのDYE−Yは同
一でも異なっていてもよい。}
【0009】以下、本発明の具体的構成について詳細に
説明する。本発明は内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳
剤に適用される。内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤
(以下内部潜像型ハロゲン化銀乳剤と略記することもあ
る)とは、像露光した時、主としてハロゲン化銀粒子の
内部に潜像を形成するようなハロゲン化銀乳剤で、具体
的には、ハロゲン化銀乳剤を透明支持体上に一定量塗布
し、これに0.01ないし1秒の固定された時間で露光
を与え、下記現像液A(「内部型」現像液)中で、20
℃にて5分間現像した時に得られる最大濃度が、上記と
同様に露光した第二のサンプルを下記現像液B(「表面
型」現像液)中で20℃にて5分間現像した場合に得ら
れる最大濃度の少なくとも5倍大きい濃度を有するもの
として定義される。ここで最大濃度は、通常の写真濃度
測定方法によって測定される。 現像液A N−メチル−p−アミノフェノールサルファイト 2g 亜硫酸ナトリウム(無水) 90g ハイドロキノン 8g 炭酸ナトリウム(一水塩) 52.5g 臭化カリウム 5g ヨウ化カリウム 0.5g 水を加えて 1リットル 現像液B N−メチル−p−アミノフェノールサルファイト 2.5g l−アスコルビン酸 10g メタ硝酸カリウム 35g 臭化カリウム 1g 水を加えて 1リットル 内部潜像型ハロゲン化銀乳剤としては、例えば、米国特
許2,456,953号や、同2,592,250等に
記載されているようなコンバージョン型ハロゲン化銀乳
剤や、米国特許3,935,014号等に記載されてい
るような第1相と第2相のハロゲン組成が異なる積層構
造型ハロゲン化銀乳剤や、金属イオンをドープするか、
もしくは化学増感したコア粒子にシェルを被覆したコア
/シェル型ハロゲン化銀乳剤などが挙げられる。このう
ち本発明で用いる内部潜像型ハロゲン化銀乳剤としては
コア/シェル型ハロゲン化銀乳剤が特に好ましく、その
例としては米国特許3,206,313号、同3,31
7,322号、同3,761,266号、同3,76
1,276号、同3,850,637号、同3,92
3,513号、同4,035,185号、同4,18
4,878、同4,395,478号、同4,504,
570号、特開昭57−136641号、同61−31
37、特開昭61−299155、特開昭62−208
241等に記載されているものが挙げられる。直接ポジ
画像を得るためには、上記の内部潜像型ハロゲン化銀乳
剤を像露光した後現像処理前又は現像処理時に露光層の
前面に均一な第二の露光を与える(「光かぶり法」、例
えば英国特許1,151,363号)か、または造核剤
の存在下で現像処理を行う(「化学的かぶり法」、例え
ばリサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosur
e)、151巻、No.15162、76〜78頁)ことに
よって得られるが、本発明では、「化学的かぶり法」に
よって直接ポジ画像を得る方法が好ましい。本発明で用
いられる造核剤については後述する。前述のように、内
部潜像型ハロゲン化銀乳剤を用いて直接ポジ画像を得る
ためには、像露光後、現像処理前又は現像処理時に全面
に均一な第二露光を与えるか、もしくは、造核剤の存在
下で現像処理を行なうことによって得られる。造核剤と
しては、米国特許2,563,785、同2,588,
982に記載されたヒドラジン類、米国特許3,22
7,552に記載されたヒドラジド類、ヒドラゾン類、
英国特許1,283,835、特開昭52−6961
3、同55−138742号、同60−11837号、
同62−210451号、同62−291637号、米
国特許3,615,515、同3,719,494、同
3,734,738、同4,094,683、同4,1
15,122、同4306016、同4471044等
に記載された複素環4級塩化合物、米国特許3,71
8,470に記載された、造核作用のある置換基を色素
分子中に有する増感色素、米国特許4,030,92
5、同4,031,127、同4,245,037、同
4,255,511、同4,266,013、同4,2
76,364、英国特許2,012,443等に記載さ
れたチオ尿素結合型アシルヒドラジン系化合物、及び米
国特許4,080,270、同4,278,748、英
国特許2,011,391B等に記載されたチオアミド
環やトリアゾール、テトラゾール等のヘテロ環基を吸着
基として結合したシアルヒドラジン系化合物などが用い
られる。ここで使用される造核剤の量は、内部潜像型乳
剤を表面現像液で現像したときに充分な最大濃度を与え
るような量であることが望ましい。実際上は、用いられ
るハロゲン化銀乳剤の特性、造核剤の化学構造及び現像
条件によって異なるので、適当な含有量は、広い範囲に
わたって変化しうるが、内潜型ハロゲン化銀乳剤中の銀
1モル当たり約0.1mg〜5gの範囲が実際上有用で、
好ましくは銀1モル当り約0.5mg〜2gである。乳剤
層に隣接する親水性コロイド層に含有させる場合には、
同一面積の内潜型乳剤に含まれる銀の量に対して上記同
様の量を含有させればよい。
【0010】本発明は平板状内部潜像型直接ポジハロゲ
ン化銀乳剤に適用される。本発明で用いる内部潜像型ハ
ロゲン化銀粒子は前述したようにコア/シェル構造を有
するものが好ましく、コア/シェルのモル比(重量モル
比)は、1/30〜5/1が好ましく、より好ましくは
1/20〜2/1、更に好ましくは1/20〜1/1で
ある。
【0011】また、平板状粒子は、ガトフ著、フォトグ
ラフィック・サンエンズ・アンド・エンジニアリング
(Gutoff,Photographic Science and Engineering)、第
14巻、248〜257頁(1970年);米国特許第
4,434,226号、同4,414,310号、同
4,433,048号、同4,439,520号及び英
国特許第2,112,157号などに記載の方法により
調製することができる。
【0012】乳剤調製用の反応容器にあらかじめ沈澱形
成したハロゲン化銀粒子を添加する方法、米国特許第
4,334,012号、同4,301,241号、同
4,150,994号は場合により好ましい。これらは
種結晶として用いることもできるし、成長用のハロゲン
化銀として提供する場合も有効である。後者の場合粒子
サイズの小さい乳剤を添加するのが好ましく、添加方法
として一度に全量添加、複数回に分割して添加あるいは
連続的に添加するなどの中から選んで用いることができ
る。また表面を改質するために種々のハロゲン組成の粒
子を添加することも場合により有効である。
【0013】粒子成長を一定濃度、一定流速で可溶性銀
塩とハロゲン塩を添加する方法以外に、英国特許第1,
469,480号、米国特許第3,650,757号、
同4,242,455号に記載されているように濃度を
変化させる、あるいは流速を変化させる粒子形成法は好
ましい方法である。濃度を増加させる、あるいは流速を
増加させることにより、供給するハロゲン化銀量を添加
時間の一次関数、二次関数、あるいはより複雑な関数で
変化させることができる。また必要により供給ハロゲン
化銀量を減量することも場合により好ましい。さらに溶
液組成の異なる複数個の可溶性銀塩を添加する、あるい
は溶液組成の異なる複数個の可溶性ハロゲン塩を添加す
る場合に、一方を増加させ、もう一方を減少させるよう
な添加方式も有効な方法である。可溶性銀塩と可溶性ハ
ロゲン塩の溶液を反応させる時の混合器は米国特許第
2,996,287号、同3,342,605号、同
3,415,650号、同3,785,777号、西独
公開特許2,556,885号、同2,555,364
号に記載されている方法の中から選んで用いることがで
きる。
【0014】平板粒子を含有する乳剤の製造時には、粒
子成長を速める為に、添加する銀塩溶液(例えばAgN
3 水溶液)とハロゲン化物溶液(例えばKBr水溶
液)の添加速度、添加量、添加濃度を上昇させる方法が
好ましい。これらの方法に関しては、例えば、英国特許
第1,335,925号、米国特許第3,672,90
0号、同3,650,757号、同4,242,445
号、特開昭55−142329号、同55−15812
4号等の記載を参考にすることができる。
【0015】本発明においては、Pbイオンの存在下で
粒子形成される。粒子形成時のPbイオンの濃度は、銀
1モルに対し、10-8モル以上10-2モル以下であり、
好ましくは10-6モル以上10-2モル以下であり、さら
に好ましくは10-6〜10-4モルである。10-2モルを
越えると、最高濃度が低下する。上記、Pbイオンは、
アンモニウム塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩など
粒子形成時に溶解させることが出来る塩の形であれば添
加できる。なかでも、酢酸塩、硝酸塩が好ましい。ま
た、Pbイオンの添加時期は、粒子形成時のどの段階で
も良く、何回かに分けて添加しても構わないが、前述の
コア/シェル粒子のコア粒子形成時に添加することが好
ましく、シェル粒子形成時に追添することがより好まし
い。
【0016】本発明の乳剤調製時、例えば粒子形成時、
脱塩工程、化学増感時、塗布前にPbの他の金属イオン
の塩を存在させることは目的に応じて好ましい。このよ
うに金属イオンをドープすることにより、再反転を生じ
させないですむ過剰露光の量を増加させたり、最小濃度
を低くすることが可能である。粒子にドープする場合に
は粒子形成時、粒子表面の修飾あるいは化学増感剤とし
て用いる時は粒子の形成後、化学増感終了前に添加する
ことが好ましい。粒子全体にドープする場合と粒子のコ
アー部のみ、あるいはシェル部のみ、あるいはエピタキ
シャル部分にのみ、あるいは基盤粒子にのみドープする
方法も選べる。Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Sc、
Y、La、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Z
n、Ga、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、P
t、Au、Cd、Hg、Tl、In、Sn、Bi等を用
いることができるが、Fe、Co、Ru、Ir、Pt、
Auが好ましく、特にFe、Ru、Irが好ましい。こ
れらの金属はアンモニウム塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸
塩、燐酸塩、水酸塩または6配位錯塩、4配位錯塩など
粒子形成時に溶解させることができる塩の形であれば添
加できる。例えばCdBr2 、CdCl2 、Cd(NO
3)2 、Pd(CH 3 COO)2、K3 〔Fe(CN)6〕、
(NH4)4 〔Fe(CN)6〕、K3 IrCl6 、NH4
RhCl6 、K4 Ru(CN)6などがあげられる。配位
化合物のリガンドとしてハロ、アコ、シアノ、シアネー
ト、チオシアネート、ニトロシル、チオニトロシル、オ
キソ、カルボニルのなかから選ぶことができる。これら
は金属化合物を1種類のみ用いてもよいが2種あるいは
3種以上を組合わせて用いてもよい。
【0017】金属化合物は水またはメタノール、アセト
ン等の適当な溶媒に溶かして添加するのが好ましい。溶
液を安定化するためにハロゲン化水素水溶液(例えばH
Cl、HBrなど)あるいはハロゲン化アルカリ(例え
ばKCl、NaCl、KBr、NaBrなど)を添加す
る方法を用いることができる。また必要に応じ酸・アル
カリなどを加えてもよい。金属化合物は粒子形成前の反
応容器に添加しても粒子形成の途中で加えることもでき
る。また水溶性銀塩(例えばAgNO3 )あるいはハロ
ゲン化アルカリ水溶液(例えばNaCl、KBr、K
I)に添加しハロゲン化銀粒子形成中連続して添加する
こともできる。さらに水溶性銀塩、ハロゲン化アルカリ
とは独立の溶液を用意し粒子形成中の適切な時期に連続
して添加してもよい。さらに種々の添加方法を組合わせ
るのも好ましい。
【0018】米国特許第3,772,031号に記載さ
れているようなカルコゲナイド化合物を乳剤調製中に添
加する方法も有効な場合がある。S、Se、Te以外に
もシアン塩、チオシアン塩、セレノシアン塩、炭酸塩、
リン酸塩、酢酸塩を存在させてもよい。これらについて
は、米国特許第2,448,060号、同2,628,
167号、同3,737,313号、同3,772,0
31号、並びにリサーチ・ディスクロージャー、134
巻、1975年6月、13452、等に記載されてい
る。
【0019】本発明の平板乳剤は、アスペクト比(ハロ
ゲン化銀粒子の円相当直径/粒子厚み)2以上100以
下のハロゲン化銀粒子が、乳剤中の全ハロゲン化銀粒子
の50%(面積)以上存在する乳剤をいう。好ましく
は、アスペクト比5以上、より好ましくは、アスペクト
比5ないし8のハロゲン化銀粒子が、乳剤中の全ハロゲ
ン化銀粒子の50%(面積)以上存在する乳剤であり、
好ましくは、70%以上、特に好ましくは、85%以上
存在する乳剤である。ここで、平板状ハロゲン化銀粒子
に於ける円相当直径とは、2つの対向する平行あるいは
平行に近い主平面の円相当直径(該主平面と同じ投影面
積を有する円の直径)、粒子厚みとは該主平面間の距離
を表す。又アスペクト比が100を越える場合には、こ
の乳剤を塗布物として完成するまでの工程において、乳
剤が変形したり、破壊されてしまう問題が生じ、好まし
くない。
【0020】平板状粒子の円相当直径は0.3μm以
上、好ましくは0.3〜10μm、より好ましくは0.
5〜5.0μm、さらに好ましくは0.5〜3.0μm
である。また、ハロゲン化銀粒子の粒子サイズ分布は、
任意であるが単分散であることが好ましい。ここで単分
散とは、それに含まれるハロゲン化銀粒子の全重量又は
全個数の95%の粒子が数平均粒子サイズの±60%以
内、好ましくは40%以内のサイズに入る分散系と定義
される。ここで数平均粒子サイズとはハロゲン化銀粒子
の投影面積径の数平均直径である。単分散の平板粒子の
構造および製造法は、例えば特開昭63−151618
号などに記載されており、これらの単分散乳剤を混合し
て用いてもよい。
【0021】これらの粒子のハロゲン化銀組成として
は、臭化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀、塩沃化
銀、および塩化銀のいずれのハロゲン化銀を用いてもよ
いが、臭化銀及び沃臭化銀が好ましい。更に、それ以外
の銀塩、例えばチオシアン酸銀、シアン酸銀、硫化銀、
セレン化銀、炭酸銀、リン酸銀、有機酸銀が別粒子とし
て、あるいはハロゲン化銀粒子の一部として含まれてい
てもよい。
【0022】ハロゲン化銀粒子は、内部と表層とが異な
る相を持っていても、均一な相からなっていてもよい。
粒子内のハロゲン化銀組成は均一であってもよく、内部
と外部とが異質なハロゲン化銀組成からなるものでもよ
く、層状構造をなしていてもよい。(特開昭57−15
4232号、同58−108533号、同58−248
469号、同59−48755号、同59−52237
号、米国特許第3,505,068号、同4,433,
048号、同4,444,877号、欧州特許第10
0,984号、及び英国特許第1,027,146号)
また、転位線をもつ粒子でも構わない。
【0023】2つ以上のハロゲン化銀が混晶として、あ
るいは構造をもって存在するハロゲン化銀粒子の場合に
粒子間のハロゲン組成分布を制御することが重要であ
る。粒子間のハロゲン組成分布の測定法に関しては特開
昭60−254032号に記載されている。粒子間のハ
ロゲン分布が均一であることは望ましい特性である。特
に変動係数20%以下の均一性の高い乳剤は好ましい。
別の好ましい形態は粒子サイズとハロゲン組成に相関が
ある乳剤である。
【0024】粒子の表面近傍のハロゲン組成を制御する
ことは重要である。表面近傍の沃化銀含量を高くする、
あるいは塩化銀含量を高くすることは、色素の吸着性や
現像速度を変えるので目的に応じて選ぶことができる。
表面近傍のハロゲン組成を変える場合に、粒子全体を包
み込む構造でも、粒子の一部分のみ付着させる構造のど
ちらも選ぶことができる。例えば(100)面と(11
1)面からなる十四面体粒子の一方の面のみハロゲン組
成を変える、あるいは平板粒子の主平面又は側面の一方
のハロゲン組成を変える場合である。
【0025】これ等の晶癖、ハロゲン組成、粒子サイ
ズ、粒子サイズ分布などが異なった2種以上のハロゲン
化銀を併用することが可能であり、それぞれ異なる乳剤
層及び/又は同一乳剤層に使用することが可能である。
【0026】一方、本発明は前記一般式〔A〕、
〔B〕、又は〔C〕で表される化合物をコア粒子の化学
増感時に使用することが必須である。次に、前記一般式
〔A〕、〔B〕、又は〔C〕で表される化合物について
詳しく説明する。
【0027】
【化3】
【0028】R、R1 及びR2 が脂肪族基の場合、飽和
又は不飽和の直鎖、分岐状又は環状の、脂肪族炭化水素
基であり、好ましくは炭素数が1から22のアルキル
基、炭素数が2から22のアルケニル基、アルキニル基
であり、これらは、置換基を有していてもよい。アルキ
ル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシ
ル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、
シクロヘキシル、イソプロピル、t−ブチルがあげられ
る。アルケニル基としては、例えばアリル、ブテニルが
あげられる。アルキニル基としては、例えばプロパルギ
ル、ブチニルがあげられる。R、R1 及びR2 の芳香族
基としては、単環又は縮合環の芳香族基が含まれ、好ま
しくは炭素数が6から20のもので、例えばフェニル、
ナフチルがあげられる。これらは、置換されていてもよ
い。R、R1 及びR2 のヘテロ環基としては、窒素、酸
素、硫黄、セレン、テルルから選ばれる元素を少なくと
も一つ有し、かつ炭素原子を少なくとも1つ有する3な
いし15員環のものであり、好ましくは3〜6員環が好
ましく、例えばピロリジン、ピペリジン、ピリジン、テ
トラヒドロフラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾ
ール、イミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンズオキサ
ゾール、ベンズイミダゾール、セレナゾール、ベンゾセ
レナゾール、テルラゾール、トリアゾール、ベンゾトリ
アゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、チアヂア
ゾール環があげられる。R、R1 、及びR2 の置換基と
しては、例えばアルキル基(例えばメチル、エチル、ヘ
キシル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキ
シ、オクチル)、アリール基(例えば、フェニル、ナフ
チル、トリル)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば
フッ素、塩素、臭素、沃素)、アリーロキシ基(例え
ば、フェノキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチ
オ、ブチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニル
チオ)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、
ブチリル、バレリル)、スルホニル基(例えば、メチル
スルホニル、フェニルスルホニル)、アシルアミノ基
(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、スル
ホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ、ベ
ンゼンスルホニルアミノ)、アシロキシ基(例えば、ア
セトキシ、ベンゾキシ)、カルボキシル基、シアノ基、
スルホ基、アミノ基、−SO2SM 基、(Mは1価の陽イオ
ンを示す)−SO2R1基があげられる。
【0029】Lで表わされる二価の連結基としては、
C、N、SおよびOから選ばれた少なくとも1種を含む
原子又は原子団である。具体的にはアルキレン基、アル
ケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、−O−、
−S−、−NH−、−CO−、−SO2 −等の単独また
はこれらの組合せからなるものである。Lは好ましくは
二価の脂肪族基又は二価の芳香族基である。Lの二価の
脂肪族基としては例えば以下のものがあげられる。
【0030】
【化4】
【0031】Lの二価の芳香族基としては、例えばフェ
ニレン基、ナフチレン基などがあげられる。これらの置
換基は、更にこれまで述べた置換基で置換されていても
よい。Mとして好ましくは、金属イオン又は有機カチオ
ンである。金属イオンとしては、例えばリチウムイオ
ン、ナトリウムイオン、カリウムイオンがあげられる。
有機カチオンとしては、例えばアンモニウムイオン(ア
ンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチル
アンモニウム等)、ホスホニウムイオン(テトラフェニ
ルホスホニウム)、グアニジル基があげられる。一般式
〔A〕、〔B〕および〔C〕がポリマーである場合、そ
の繰り返し単位として例えば以下のものがあげられる。
【0032】
【化5】
【0033】これらのポリマーは、ホモポリマーでもよ
いし、他の共重合モノマーとのコポリマーでもよい。一
般式〔A〕、〔B〕および〔C〕の化合物は、特開昭5
4−1019;英国特許972,211;Journal of O
rganic Chemistry(ジャーナル オブ オーガニック
ケミストリー)53巻、396頁(1988)及びChem
ical Abstracts(ケミカル アブストラクツ)59巻、
9776eに記載または引用されている方法で容易に合
成できる。一般式〔A〕、〔B〕、又は〔C〕で表され
る化合物はハロゲン化銀1モル当たり10-7から10-1
モル添加するのが好ましい。更に10-7から10-3、特
には10-6から10-4モル/モルAgの添加量が好まし
い。一般式〔A〕、〔B〕および〔C〕で表される化合
物を製造工程中に添加せしめるには、写真乳剤に添加剤
を加える場合に通常用いられる方法を適用できる。例え
ば、水溶性の化合物は適当な濃度の水溶液とし、水に不
溶または難溶性の化合物は水と混和しうる適当な有機溶
媒、たとえば、アルコール類、グリコール類、ケトン
類、エステル類、アミド類などのうちで、写真特性に悪
影響を与えない溶媒に溶解し、溶液として添加すること
ができる。一般式〔A〕、〔B〕および〔C〕で表され
る化合物は、コア粒子の化学増感時に存在する必要であ
り、コア粒子の化学増感以前の粒子形成段階ならば、製
造中のどの段階で添加してもよい。。また、水溶性銀塩
あるいは水溶性アルカリハライドの水溶液にあらかじめ
化合物〔A〕、〔B〕および〔C〕を添加しておき、こ
れらの水溶液を用いてコア粒子形成を行ってもよい。ま
た、コア粒子形成、あるいはコア粒子の化学増感に併せ
て化合物〔A〕、〔B〕および〔C〕の溶液を何回かに
分けて添加しても、連続して長時間添加するのも好まし
い方法である。本発明に対して最も好ましい化合物の一
般式は、一般式〔A〕で表される化合物である。
【0034】一般式〔A〕、〔B〕、又は〔C〕で表さ
れる化合物の具体例を以下に示すが、本発明の効果はこ
れらの化合物に限定されない。
【0035】
【化6】
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
【0038】
【化9】
【0039】
【化10】
【0040】
【化11】
【0041】
【化12】
【0042】
【化13】
【0043】
【化14】
【0044】
【化15】
【0045】なお、本発明においては、前記一般式
〔A〕、〔B〕、又は〔C〕で表される化合物をコア粒
子の化学増感時に使用することが必要である。コア粒子
の化学増感時においては、通常硫黄増感で用いられるチ
オ硫酸イオンが実質的に存在しない条件で化学増感を行
うことがより好ましい。チオ硫酸イオンが実質的に存在
しない条件とは、濃度1ppm以下を指す。また、前記
一般式〔A〕、〔B〕、又は〔C〕で表される化合物は
後述する金増感剤と併用することが好ましい。コア粒子
の化学増感の温度は、70℃以上で行われるが、72℃
〜75℃が好ましい。コア粒子の化学増感は150分以
上行うことが好ましく、170分〜200分が更に好ま
しい。
【0046】本発明のハロゲン化銀乳剤は化学増感を施
したコア粒子にシェルを被覆した後、更に粒子表面に化
学増感を施すことが好ましいが、粒子表面に化学増感を
施さなくても構わない。一般には、粒子表面に化学増感
を施した方が最大濃度が高い良好な反転性能を示す。粒
子表面に化学増感を施す場合には、特開昭57−136
41号に記載されているような重合体を共存させてもよ
い。上記化学増感(コア粒子の化学増感、及びシェルを
被覆したのちの粒子表面の化学増感)は、ジェームス
著、ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プ
ロセス、第4版、マクミラン社刊、1977年、(T.H.
James, The Theory of the Photographic Process, 4
th ed., Macmillan,1977)67〜76頁に記載され
るように活性ゼラチンを用いて行うことができるし、ま
たリサーチ・ディスクロージャー120巻、1974年
4月、12008;リサーチ・ディスクロージャー、3
4巻、1975年6月、13452、米国特許第2,6
42,361号、同3,297,446号、同3,77
2,031号、同3,857,711号、同3,90
1,714号、同4,266,018号、および同3,
904,415号、並びに英国特許第1,315,75
5号に記載されるようにpAg5〜10、pH4〜8に
おいて硫黄、セレン、テルル、金、白金、パラジウム、
イリジウム、ロジウム、オスミウム、ニレウム、または
これら増感剤の複数の組合せを用いて行うことができ
る。また、粒子表面の化学増感時の温度は30℃〜80
℃で行うことができる。
【0047】化学増感助剤の存在下に化学増感すること
もできる。用いられる化学増感助剤には、アザインデ
ン、アザピリダジン、アザピリミジンのごとき、化学増
感の過程でカブリを抑制し且つ感度を増大するものとし
て知られた化合物が用いられる。化学増感助剤の例は、
米国特許第2,131,038号、同3,411,91
4号、同3,554,757号、特開昭58−1265
36号、同62−253159号、及びダフィン著「写
真乳剤化学」、138〜143頁(フォーカルプレス社
刊、1966年)に記載されている。
【0048】特公昭58−1410号、モイザー(Mois
ar) ら著、ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サ
イエンス、25巻、1977年、19〜27頁に記載さ
れるようにハロゲン化銀乳剤は沈澱生成過程において粒
子の内部を還元増感することができる。化学増感として
下記の還元増感も利用できる。米国特許第3,891,
446号および同3,984,249号に記載されるよ
うに、例えば水素を用いて還元増感することができる
し、米国特許第2,518,698号、同2,743,
182号および同2,743,183号に記載されるよ
うに還元剤を用いて、または低pAg(例えば5未満)
又は高pH(例えば8より大)処理によって還元増感す
ることができる。代表的な還元増感剤として第一錫塩、
アスコルビン酸及びその誘導体、アミン及びポリアミン
類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、
シラン化合物、ボラン化合物などが公知である。本発明
の還元増感にはこれら公知の還元増感剤を選んで用いる
ことができ、また2種以上の化合物を併用することもで
きる。還元増感剤として塩化第1錫、二酸化チオ尿素、
ジメチルアミンボラン、アスコルビン酸及びその誘導体
が好ましい化合物である。また米国特許第3,917,
485号および同3,966,476号に記載される化
学増感法も適用することができる。
【0049】また特開昭61−3134号や同61−3
136号に記載されている酸化剤を用いた増感法も適用
することができる。銀に対する酸化剤とは、金属銀に作
用して銀イオンに変換せしめる作用を有する化合物をい
う。特にハロゲン化銀粒子の形成過程及び化学増感過程
において副生する極めて微小な銀粒子を、銀イオンに変
換せしめる化合物が有効である。ここで生成する銀イオ
ンは、ハロゲン化銀、硫化銀、セレン化銀等の水に難溶
の銀塩を形成してもよく、また、硝酸銀等の水に易溶の
銀塩を形成してもよい。銀に対する酸化剤は、無機物で
あっても、有機物であってもよい。無機の酸化剤として
は、オゾン、過酸化水素及びその付加物(例えば、Na
BO2 ・H2 2 ・3H2 O・2NaCO3 ・3H2
2 、Na4 2 7 ・2H2 2 、2Na2 SO4 ・H
2 2 ・2H2 O)、ペルオキシ酸塩(例えばK2 2
8 、K2 26 、K2 2 8 )、ペルオキシ錯体
化合物(例えば、K2 〔Ti(O2)C24 〕・3H2
O、4K2 SO4 ・Ti(O2)OH・SO4 ・2H
2 O、過マンガン酸塩(例えば、KMnO4)、クロム酸
塩(例えば、K2 Cr2 7)などの酸素酸塩、沃素や臭
素などのハロゲン元素、過ハロゲン酸塩(例えば過沃素
酸カリウム)、及び高原子価の金属の塩(例えば、ヘキ
サシアノ第二鉄酸カリウム)などがある。また、有機の
酸化剤としては、p−キノンなどのキノン類、過酢酸や
過安息香酸などの有機過酸化物、活性ハロゲンを放出す
る化合物(例えば、N−ブロムサクシンイミド、クロラ
ミンT、クロラミンB)が例として挙げられる。本発明
の好ましい酸化剤は、オゾン、過酸化水素及びその付加
物、ハロゲン元素及びキノン類の有機酸化剤である。前
述の還元増感と銀に対する酸化剤を併用するのは好まし
い態様である。酸化剤を用いた後還元増感を施す方法、
その逆方法あるいは両者を同時に共存させる方法の中か
ら選んで用いることができる。これらの方法は粒子形成
工程でも化学増感工程でも選んで用いることができる。
【0050】本発明の乳剤の調製時に用いられる保護コ
ロイドとして、ゼラチンを用いるのが有利であるが、そ
れ以外の親水性コロイドも用いることができる。たとえ
ばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフト
ポリマー、アルブミン、カゼインなどの蛋白質;ヒドロ
キシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
セルロース硫酸エステル類等のようなセルロース誘導
体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体等の糖誘導体;ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセター
ル、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポ
リメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミ
ダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一あるいは共重
合体のような多種の合成親水性高分子物質を用いること
ができる。ゼラチンとしては、石灰処理ゼラチンのほ
か、酸処理ゼラチンやBull.Soc.Sci.Photo.Japan, No.
16,P30(1966)に記載されたような酵素処理
ゼラチンを用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解物
や酵素分解物も用いることができる。ゼラチン中には多
くの不純物イオンが含まれているが、イオン交換処理し
て無機不純物イオン量を減少させたゼラチンを使用する
ことも好ましい。
【0051】本発明の乳剤は脱塩のために水洗し、新し
く用意した保護コロイドに分散することが好ましい。水
洗の温度は目的に応じて選べるが、5〜50℃の範囲で
選ぶことが好ましい。水洗時のpHも目的に応じて選べ
るが2〜10の間で選ぶことが好ましい。さらに好まし
くは3〜8の範囲である。水洗時のpAgも目的に応じ
て選べるが5〜10の間で選ぶことが好ましい。水洗の
方法としてヌードル水洗法、半透膜を用いた透析法、遠
心分離法、凝析沈降法、イオン交換法の中から選んで用
いることができる。凝析沈降法の場合には硫酸塩を用い
る方法、有機溶剤を用いる方法、水洗用ポリマーを用い
る方法、ゼラチン誘導体を用いる方法などから選ぶこと
ができる。
【0052】本発明では増感色素を用いて分光増感を行
うことができる。用いる増感色素としては、シアニン色
素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシ
アニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン
色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素などで
ある。具体的には、米国特許第4,617,257号、
特開昭59−180550号、同60−140335
号、同61−160739号、RD17029(197
8年)12〜13頁、RD17643(1978年)2
3頁、等に記載の増感色素が挙げられる。
【0053】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合わせを用いてもよく、増感色素の組合
わせは特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。そ
の代表例は米国特許第2,688,545号、同2,9
77,229号、同3,397,060号、同3,52
2,052号、同3,527,641号、同3,61
7,293号、同3,628,964号、同3,66
6,480号、同3,672,898号、同3,67
9,428号、同3,703,377号、同3,76
9,301号、同3,814,609号、同3,83
7,862号、同4,026,707号、英国特許第
1,344,281号、同1,507,803号、特公
昭43−4936号、同53−12375号、特開昭5
2−110618号、同52−109925号に記載さ
れている。
【0054】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
を持たない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよ
い。(例えば米国特許第3,615,613号、第3,
615,641号、第3,617,295号、第3,6
35,721号、第2,933,390号、第3,74
3,510号、特開昭63−23145号等に記載のも
の)。分光増感用の増感色素を乳剤中に添加する時期
は、これまで有用であると知られている乳剤調製の如何
なる段階であってもよい。もっとも普通には化学増感の
完了後塗布前までの時期に行われるが、米国特許第3,
628,969号及び同第4,225,666号に記載
されているように化学増感剤と同時期に添加し分光増感
を化学増感と同時に行うことも、特開昭58−1139
28号に記載されているように化学増感に先立って行う
こともでき、またハロゲン化銀粒子沈殿生成の完了前に
添加し分光増感を開始することもできる。さらにまた米
国特許第4,225,666号に教示されているように
これらの前記化合物を分けて添加すること、すなわちこ
れらの化合物の一部を化学増感に先立って添加し、残部
を化学増感の後で添加することも可能であり、米国特許
第4,183,756号に開示されている方法を始めと
してハロゲン化銀粒子形成中のどの時期であってもよ
い。
【0055】添加量は、ハロゲン化銀1モル当り、10
-8〜10-2モルで用いることができるが、より好ましい
ハロゲン化銀粒子サイズ0.2〜1.2μmの場合は約
5×10-5〜2×10-3モルがより有効である。
【0056】本発明において使用される感光性ハロゲン
化銀の塗設量は、銀換算1mg〜10g/m2の範囲であ
る。
【0057】本発明においては感度低下や、かぶりの発
生を防ぐ目的で、種々のカブリ防止剤、写真安定剤を使
用することができる。その例としては、RD17643
(1978年)24〜25頁、米国特許第4,629,
678号に記載のアゾール類やアザインデン類、特開昭
59−168442号記載の窒素を含むカルボン酸類お
よびリン酸類、あるいは特開昭59−111636号記
載のメルカプト化合物およびその金属塩、特開昭62−
87957号に記載されているアセチレン化合物類など
が用いられる。又、フェネチルアルコールや特開昭63
−257747号、同62−272248号、及び特開
平1−80941号に記載の1,2-ベンズイソチアゾリン
-3- オン、n-ブチル、P-ヒドロキシベンゾエート、フェ
ノール、4-クロル-3,5- ジメチルフェノール、2-フェノ
キシエタノール、2-(4- チアゾリル) ベンズイミダゾー
ル等の各種の防腐剤もしくは防黴剤を添加することが好
ましい。詳しくは、欧州特許第436、938A2号、
150頁25行目〜28行目に記載されている。これら
の添加剤は、より詳しくはリサーチディスクロージャー
Item17643(1978年)、同Item18716(1
979年11月)及び同Item307105(1989年
11月)に記載されており、その該当箇所を後掲の表に
まとめて示した。
【0058】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 (1978年12月) (1979年11月) (1989年11月) 1 化学増感剤 23頁 648 頁右欄 866頁 2 感度上昇剤 648 頁右欄 3 分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649 頁右欄 4 増 白 剤 24頁 647 頁 868頁 5 かぶり防止 24 〜25頁 649 頁右欄 868 〜870 頁 剤、安定剤 6 光吸収剤、 25 〜26頁 649 頁右欄 873頁 フィルター 〜650 頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 7 ステイン 25 頁右欄 650 頁左欄 872頁 防止剤 〜右欄 8 色素画像 25頁 650 頁左欄 872頁 安定剤 9 硬 膜 剤 26頁 651 頁左欄 874 〜875 頁 10 バインダー 26頁 同 上 873 〜874 頁 11 可塑剤、 27頁 650 頁右欄 876頁 潤滑剤 12 塗布助剤、 26 〜27頁 同 上 875 〜876 頁 表面活性剤 13 スタチツク 27頁 同 上 876 〜877 頁 防止剤 14 マツト剤 878 〜879 頁
【0059】以下に、本発明に含まれる各構成要素につ
いて順次説明する。 I.感光シート A)支持体 本発明に用いられる感光シートの支持体は写真感光材料
に通常用いられる平滑な透明支持体なら、いずれでも用
いられ、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリカーボネートなどが用いられ、下
塗り層を設けるのが好ましい。支持体は通常ライトパイ
ピングを防止する為微量の染料または酸化チタンの如き
顔料を含有しているのが好ましい。支持体の厚さは50
〜350μm、好ましくは70〜210μm、更に好ま
しくは80〜150μm、である。必要に応じて支持体
のバック側にはカールバランスをとる層または特開昭5
6−78833号に記載の酸素遮断性の層をつけること
ができる。
【0060】B)受像層 本発明に用いられる染料受像層は親水性コロイド中に媒
染剤を含むものである。これは単一の層であっても、ま
た媒染力の異なる媒染剤が重ねて塗設された多層構成の
ものでもよい。これについては特開昭61−25255
1に記載されている。媒染剤としては、ポリマー媒染剤
が好ましい。ポリマー媒染剤とは二級および三級アミノ
基を含むポリマー、含窒素複素環部分をもつポリマー、
および4級カチオンを含むポリマーなどで分子量が5,
000以上のもの特に好ましくは10,000以上のも
のである。媒染剤の塗設量は、一般的には0.5〜1.
0g/m2好ましくは1.0〜5.0g/m2特に好ましく
は2〜4g/m2である。受像層に使用する親水性コロイ
ドとしては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリア
クリルアミド、ポリビニルピロリドンなどが使用される
がゼラチンが好ましい。受像層中には、特公昭62−3
0620号や同62−30621号、特開昭62−21
5,272号記載の退色防止剤を組み込むことができ
る。
【0061】C)白色反射層 色画像の白背景を成す白色反射層は通常白色顔料と親水
性バインダーを含む。白色反射層用の白色顔料として
は、硫酸バリウム、酸化亜鉛、ステアリン酸バリウム、
銀フレーク、ケイ酸塩類、アルミナ、酸化ジルコニウ
ム、ジルコニウム硫酸ソーダ、カオリン、雲母、二酸化
チタンなどが使用される。更に、スチレンなどよりなる
非造膜性のポリマー粒子なども使用される。又これら
は、単独で使用しても良いし、望まれる反射率を得られ
る範囲で混合して用いることもできる。特に有用な白色
顔料は、二酸化チタンである。白色反射層の白色度は、
顔料の種類、顔料とバインダーの混合比率および顔料の
塗布量によって変るが、光反射率が70%以上であるこ
とが望ましい。一般に、顔料の塗布量が増えるほど、白
色度が向上するが、この層を通って画像形成色素が拡散
するとき、顔料が色素の拡散に対して抵抗となるので、
適度の塗布量をもつことが望ましい。二酸化チタンを5
〜40g/m2、好ましくは、10〜25g/m2塗布し、
光反射率が540mmの波長の光で78〜85%を有する
白色反射層が好ましい。二酸化チタンは、市販の種々の
銘柄より選んで用いることができる。この中でも特にル
チル型の二酸化チタンを用いるのが好ましい。市販品の
多くは、アルミナやシリカや酸化亜鉛などで表面処理が
行なわれており、高い反射率を得るには、表面処理量が
5%以上のものが望ましい。市販されている二酸化チタ
ンとしては、例えば、デュポン社の Ti-pureR931の
他、リサーチ・ディスクロージャー誌15162号に記
載のものがある。白色反射層のバインダーとしては、ア
ルカリ浸透性の高分子マトリックス、例えばゼラチン、
ポリビニルアルコールやヒドロキシエチルセルロース、
カルボキシルメチルセルロースのようなセルロース誘導
体が使用できる。白色反射層の特に望ましいバインダー
はゼラチンである。白色顔料とゼラチンの比は1/1〜
20/1(重量比)、望ましくは5/1〜10/1(重
量比)である。白色反射層中には、特公昭62−306
20号や同62−30621号のような褪色防止剤を組
み込むことが好ましい。
【0062】D)遮光層 白色反射層と感光性層の間には遮光剤および親水性バイ
ンダーを含む遮光層を設けてもよい。遮光剤としては、
遮光機能を有する材料のいずれも用いられるが、カーボ
ンブラックが好ましく用いられる。また米国特許第4,
615,966号等に記載の分解性の染料を用いてもよ
い。遮光剤を塗設するバインダーとしてはカーボンブラ
ックを分散しうるものならいずれでもよく、好ましくは
ゼラチンである。カーボンブラック原料としては、例え
ば Donnel Voet ^Carbon Black" MarcelDekker,Inc.
(1976)に記載されているようなチャンネル法、サ
ーマル法及びファーネス法など任意の製法のものが使用
できる。カーボンブラックの粒子サイズは特に限定され
ないが90〜1800 のものが好ましい。遮光剤とし
ての黒色顔料の添加量は遮光すべき感光材料の感度に応
じて量を調節すればよいが、光学濃度で5〜10程度が
望ましい。
【0063】E)感光層 本発明においては、前記遮光層の上方に色素像形成物質
と組合わされたハロゲン化銀乳剤層から成る感光層を設
ける。以下でその構成要素について述べる。 (1) 色素像形成物質 本発明に用いられる色素像形成物質は、銀現像に関連し
て拡散性色素(色素プレカーサーでもよい)を放出する
非拡散性化合物であるか、あるいはそれ自体の拡散性が
変化するものであり、「写真プロセスの理論」(The The
ory of the Photographic Process)第4版に記載されて
いる。これらの化合物は、いずれも下記一般式〔I〕で
表すことができる。 一般式〔I〕 (DYE−Y)n −Z {DYEは色素基、一時的に短波化された色素基または
色素前駆体基を表し、Yは単なる結合又は連結基を表
し、Zは画像状に潜像を有する感光性銀塩に対応又は逆
対応して(DYE−Y)n −Zで表される化合物の拡散
性に差を生じさせるか、又は、DYEを放出し、放出さ
れたDYEと(DYE−Y)n −Zとの間に拡散性にお
いて差を生じさせるような性質を有する基を表し、nは
1または2を表し、nが2の時、2つのDYE−Yは同
一でも異なっていてもよい。} このZの機能により、銀現像部で拡散性となるネガ型化
合物と未現像部で拡散性となるポジ型化合物とに大別さ
れる。ネガ型のZの具体例としては、現像の結果酸化
し、開裂して拡散性色素を放出するものがあげられる。
Zの具体例は米国特許3,928,312号、同3,9
93,638号、同4,076,529号、同4,15
2,153号、同4,055,428号、同4,05
3,312号、同4,198,235号、同4,17
9,291号、同4,149,892号、同3,84
4,785号、同3,443,943号、同3,75
1,406号、同3,443,939号、同3,44
3,940号、同3,628,952号、同3,98
0,479号、同4,183,753号、同4,14
2,891号、同4,278,750号、同4,13
9,379号、同4,218,368号、同3,42
1,964号、同4,199,355号、同4,19
9,354号、同4,135,929号、同4,33
6,322号、同4,139,389号、特開昭53−
50736号、同51−104343号、同54−13
0122号、同53−110827号、同56−126
42号、同56−16131号、同57−4043号、
同57−650号、同57−20735号、同53−6
9033号、同54−130927号、同56−164
342号、同57−119345等に記載されている。
ネガ型の色素放出レドックス化合物のZのうち、特に好
ましい基としてはN−置換スルファモイル基(N−置換
基としては芳香族炭化水素環やヘテロ環から誘導される
基)を挙げる事ができる。このZの代表的な基を以下に
例示するが、これらのみに限定されるものではない。
【0064】
【化16】
【0065】ポジ型の化合物についはて、アンゲバンテ
・ヘミ・インターナショナル・エデション・インイング
リッシュ(Angev.Chem.Int.Ed.Engl.)、22、191
(1982)に記載されている。具体例としては、当初
アルカリ条件下では拡散性であるが、現像により酸化さ
れて非拡散性となる化合物(色素現像薬)があげられ
る。この型の化合物に有効なYとしては米国特許298
3606号にあげられたものが代表的である。また、別
の型としては、アルカリ条件下で自己閉環するなどして
拡散性色素を放出するが、現像に伴い酸化されると実質
的に色素の放出がおこらなくなるようなものである。こ
のような機能を持つYの具体例については、米国特許
3,980,479号、特開昭53−69033号、同
54−130927号、米国特許3,421,964
号、同4,199,355号などに記載されている。ま
た別な型としては、それ自体は色素を放出しないが、還
元されると色素を放出するものがある。この型の化合物
は電子供与体とともに組合わせて用い、銀現像によって
画像様に酸化した残りの電子供与体との反応によって像
様に拡散性色素を放出させることが出来る。このような
機能を持つ原子団については、例えば米国特許4,18
3,753号、同4,142,891号、同4,27
8,750号、同4,139,379号、同4,21
8,368号、特開昭53−110827号、米国特許
4,278,750号、同4,356,249号、同
4,358,535号、特開昭53−110827号、
同54−130927号、同56−164342号、公
開技報87−6199号、欧州特許公開220746A
2号等に記載されている。以下にその具体例を例示する
が、これらのみに限定されるものではない。
【0066】
【化17】
【0067】このタイプの化合物が使用される場合には
耐拡散性電子供与化合物(ED化合物として周知)また
はそのプレカーサー(前駆体)と組合わせて用いるのが
好ましい。ED化合物の例としては例えば米国特許4,
263,393号、同4,278,750号、特開昭5
6−138736号等に記載されている。また別の型の
色素像形成物質の具体例としては、下記のものも使用で
きる。
【0068】
【化18】
【0069】この詳細は米国特許3,719,489号
や同4,098,783号に記載されている。一方、前
記の一般式のDYEで表わされる色素の具体例は下記の
文献に記載されている。 イエロー色素の例:米国特許3,597,200号、同
3,309,199号、同4,013,633号、同
4,245,028号、同4,156,609号、同
4,139,383号、同4,195,992号、同
4,148,641号、同4,148,643号、同
4,336,322号:特開昭51−114930号、
同56−71072号:Research Disclosure 1763
0(1978)号、同16475(1977)号に記載
されているもの。 マゼンタ色素の例:米国特許3、453、107号、同
3,544,545号、同3,932,380号、同
3,931,144号、同3,932,308号、同
3,954,476号、同4,233,237号、同
4,255,509号、同4,250,246号、同
4,142,891号、同4,207,104号、同
4,287,292号:特開昭52−106,727
号、同53−23,628号、同55−36,804
号、同56−73,057号、同56−71060号、
同55−134号に記載されているもの。 シアン色素の例:米国特許3,482,972号、同
3,929,760号、同4,013,635号、同
4,268,625号、同4,171,220号、同
4,242,435号、同4,142,891号、同
4,195,994号、同4,147,544号、同
4,148,642号;英国特許1,551,138
号;特開昭54−99431号、同52−8827号、
同53−47823号、同53−143323号、同5
4−99431号、同56−71061号;ヨーロッパ
特許(EP)53,037号、同53,040号;Rese
arch Disclosure 17,630(1978)号、及び同
16,475(1977)号に記載されているもの。 これらの化合物は、特開昭62−215,272号、1
44〜146頁記載の方法で分散することができる。ま
た、これらの分散物には、特開昭62−215,272
号、137〜144頁記載の化合物を含ませてもよい。
【0070】(2)ハロゲン化銀乳剤 本発明では、前述の平板状内部潜像型直接ポジハロゲン
化銀乳剤と組み合わせて以下の種々の形状の内部潜像型
直接ポジハロゲン化銀乳剤を使用することができる。例
として、立方体、八面体、十四面体、斜方十二面体のよ
うな規則的な結晶形を有するもの、また、球状、板状な
どのような変則的な結晶形を有するもの、高次の面
((hk1)面)をもつもの、あるいはこれらの結晶形
の粒子の混合などを挙げることができる。高次の面を持
つ粒子については、ジャーナル・オブ・イメージング・
サイエンス(Journal of Imaging Science) 誌、第30
巻(1986年)の247頁から254頁を参照するこ
とができる。本発明に用いるハロゲン化銀粒子は双晶面
を含まない正常晶でも、日本写真学会編、写真工業の基
礎、銀塩写真編(コロナ社)、p.163に解説されて
いるような例、例えば双晶面を一つ含む一重双晶、平行
な双晶面を2つ以上含む平行多重双晶、非平行な双晶面
を2つ以上含む非平行多重双晶などから目的に応じて選
んで用いることができる。また形状の異なる粒子を混合
させる例が米国特許第4,865,964号に開示され
ているが、必要によりこの方法を選ぶことができる。正
常晶の場合には(100)面からなる立方体、(11
1)面からなる八面体、特公昭55−42737号、特
開昭60−222842号に開示されている(110)
面からなる十二面体粒子を用いることができる。さら
に、Journal of Imaging Science誌、30巻、247
頁、1986年に報告されているような(211)を代
表とする(hl1)面粒子、(331)を代表とする
(hh1)面粒子、(210)面を代表とする(hk
0)面粒子と(321)面を代表とする(hk1)面粒
子も調製法に工夫を要するが目的に応じて選んで用いる
ことができる。(110)面と(111)面が一つの粒
子に共存する十四面体粒子、(100)面と(110)
面が共存する粒子、あるいは(111)面と(110)
面が共存する粒子など、2つの面あるいは多数の面が共
存する粒子も目的に応じて選んで用いることができる。
【0071】これらの粒子のハロゲン化銀組成、乳剤の
粒子サイズ、は前述の平板状内部潜像型直接ポジハロゲ
ン化銀乳剤と同様なものを選べる。
【0072】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は欧州特
許第96,727B1号、同64,412B1号などに
開示されているような粒子に丸みをもたらす処理、ある
いは西独特許第2,306,447C2号、特開昭60
−221320号に開示されているような表面の改質を
行ってもよい。粒子表面が平坦な構造が一般的である
が、意図して凹凸を形成することは場合によって好まし
い。特開昭58−106532号、同60−22132
0号に記載されている結晶の一部分、例えば頂点あるい
は面の中央に穴をあける方法、あるいは米国特許第4,
643,966号に記載されているラッフル粒子がその
例である。
【0073】これ等の晶癖、ハロゲン組成、粒子サイ
ズ、粒子サイズ分布などが異なった2種以上のハロゲン
化銀を併用することが可能であり、それぞれ異なる乳剤
層及び/又は同一乳剤層に使用することが可能である。
【0074】以上説明したハロゲン化銀粒子は、リサー
チ・ディスクロージャー(RD)No.17643(19
78年12月)、22〜23頁、“I.乳剤製造(Emul
sionpreparation and types)”、及び同No.1871
6(1979年11月)、648頁、同No.30710
5(1989年11月)、863〜865頁、及びグラ
フキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテル社刊
(P.Glafkides Chimie et Pysique Photograhique,Paul
Montel,1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フ
ォーカルプレス社刊(G.F.Duffin, Photographic Emuls
ion Chemistry,Focal Press,1966)、ゼリクマン等
著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊
(V.L.Zelikman et al, Making and Coating Photograp
hic Emulsion, Focal Press,1964)などに記載され
た方法を用いて調製することができる。すなわち、酸性
法、中性法、アンモニア法等のいずれでもよく、また可
溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては
片側混合法、同時混合法、それらの組合わせなどのいず
れを用いてもよい。粒子を銀イオン過剰の下において形
成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いることもでき
る。同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成
する液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわちいわゆ
るコントロールド・ダブルジェット法を用いることもで
きる。この方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズ
が均一に近いハロゲン化銀乳剤が得られる。
【0075】前記の正常晶からなるハロゲン化銀粒子
は、粒子形成中のpAgとpHを制御することにより得
られる。詳しくは、例えばフォトグラフィック・サンエ
ンス・アンド・エンジニアリング(Photographic Scien
ce and Engineering)、第6巻、159〜165頁(1
962);ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サ
ンエンス(Journal of Photographic Science)、12
巻、242〜251頁(1964)、米国特許第3,6
55,394号および英国特許第1,413,748号
に記載されている。また単分散乳剤については、特開昭
48−8600号、同51−39027号、同51−8
3097号、同53−137133号、同54−485
21号、同54−99419号、同58−37635
号、同58−49938号、特公昭47−11386
号、米国特許第3,655,394号および英国特許第
1,413,748号などに記載されている。
【0076】ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成の大部分
あるいはごく一部分をハロゲン変換法によって変換させ
る方法は米国特許第3,477,852号、同4,14
2,900号、欧州特許273,429号、同273,
430号、西独公開特許第3,819,241号などに
開示されており、有効な粒子形成法である。より難溶性
の銀塩に変換するのに可溶性ハロゲンの溶液あるいはハ
ロゲン化銀粒子を添加することができる。一度に変換す
る、複数回に分割して変換する、あるいは連続的に変換
するなどの方法から選ぶことができる。
【0077】粒子成長を一定濃度、一定流速で可溶性銀
塩とハロゲン塩を添加する方法以外に、英国特許第1,
469,480号、米国特許第3,650,757号、
同4,242,455号に記載されているように濃度を
変化させる、あるいは流速を変化させる粒子形成法は好
ましい方法である。濃度を増加させる、あるいは流速を
増加させることにより、供給するハロゲン化銀量を添加
時間の一次関数、二次関数、あるいはより複雑な関数で
変化させることができる。
【0078】前述の平板状内部潜像型直接ポジハロゲン
化銀乳剤と同様に、以上の乳剤調製時、例えば粒子形成
時、脱塩工程、化学増感時、塗布前に金属イオンの塩を
存在させることは目的に応じて好ましい。又、米国特許
第3,772,031号に記載されているようなカルコ
ゲナイド化合物を乳剤調製中に添加する方法も有効な場
合がある。
【0079】本発明で用いる内部潜像型ハロゲン化銀粒
子は前述したようにコア/シェル構造を有するものが好
ましい。シェル製造方法、化学増感を施したコア粒子に
シェルを被覆した後、粒子表面に化学増感を施す方法、
更に化学増感補助剤の存在下に化学増感したり、還元増
感もしくは、酸化剤を用いた増感法、等についても前述
の平板状内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤と同様に
行うことができる。
【0080】保護コロイドの選択、脱塩のための水洗
法、増感色素を用いた分光増感法、感度低下や、かぶり
の発生を防ぐ目的での、種々のカブリ防止剤、写真安定
剤の使用、等についても前述の平板状内部潜像型直接ポ
ジハロゲン化銀乳剤と同様に行うことができる。
【0081】(3)感光層の構成 減色法による天然色の再現には、上記分光増感色素によ
り分光増感された乳剤と同波長範囲に選択的な分光吸収
をもつ色素を供与する前記色素像形成物質とのくみあわ
せの少なくとも二つからなる感光層を用いる。乳剤と色
素像形成物質とは別層として重ねて塗設してもよいし、
また混合し一層として塗設してもよい。該色素像形成物
質が塗布された状態で、これと組合わされた乳剤の分光
感度域に吸収を持つ場合には別層の方が好ましい。また
乳剤層は複数の、感度の異なる乳剤層からなるものでも
よく、また乳剤層と色素像形成物質層との間に任意の層
を設けてもよい。例えば、特開昭60−173541号
に記載された造核現像促進剤を含む層、特公昭60−1
5267号に記載された隔壁層を設けて色像濃度を高め
たり、また反射層を設け感光要素の感度をたかめること
も出来る。反射層としては、白色顔料および親水性バイ
ンダーを含む層であり、好ましくは白色顔料は酸化チタ
ン、親水性バインダーはゼラチンである。酸化チタンの
塗布量は0.1g/m2 〜8g/m2 、好ましくは0.
2g/m2 〜4g/m2 である。反射層の例としては特
開昭60−91354号に記載がある。好ましい重層構
成では、露光側から青感性乳剤の組合わせ単位、緑感性
乳剤の組合わせ単位、赤感性乳剤の組合わせ単位が順次
配置される。各乳剤層単位の間には必要に応じて任意の
層を設ける事ができる。特にある乳剤層の現像の効果が
他の乳剤層単位に及ぼす好ましくない影響を防ぐため、
混色防止層を設置するのが好ましい。混色防止層は、非
拡散性色素像形成物質と組合わせて現像薬を用いる場合
には、該現像薬酸化体の拡散を防止するために非拡散性
の還元剤を含むのが好ましい。具体的には非拡散性のハ
イドロキノン、スルホンアミドフェノール、スルホンア
ミドナフトールなどがあげられ、更に具体的には特公昭
50−21249号、同50−23813号、特開昭4
9−106329号、同49−129535号、米国特
許2,336,327号、同2,360,290号、同
2,403,721号、同2,544,640号、同
2,732,300号、同2,782,659号、同
2,937,086号、同3,637,393号、同
3,700,453号、英国特許557,750号、特
開昭57−24941号、同58−21249号等に記
載されている。これらの還元剤の乳剤層への好ましくな
い移動を防ぎ、還元剤としての活性を調節するためにポ
リマ−とともに分散して用いるのが好ましい。好ましい
ポリマ−としては、ポリビニル酢酸、ポリメチルメタク
リレ−ト、ポリアクリルアミド誘導体等が挙げられる。
それらの分散法については特開昭60−238831
号、特公昭60−18978号に記載されている。特公
昭55−7576号に記載されたような銀イオンにより
拡散性色素を放出する化合物を用いる場合には銀イオン
を補足する化合物を混色防止層に含有せしめるのが好ま
しい。本発明はその他必要に応じて、イラジエーション
防止層、UV吸収剤層、保護層などが塗設される。また
必要に応じて、任意の隣接する層の間に、ゼラチンから
成る隔壁層を設けることも出来る。
【0082】上記感光層の任意の層には、カブリを防
ぎ、写真階調を調節するために、現像抑制剤プレカ−サ
−、耐拡散性の還元剤等を組み込むことが出来る。
【0083】感光層に用いる親水性バインダ−として
は、処理液の浸透と画像色素の転写が可能なものであれ
ば、任意のものを用いられる。例えば、ゼラチン、ポリ
アクリルアミド、ポリビニルアルコ−ルあるいはそれら
の誘導体などである。親水性バインダ−は硬膜剤によっ
て硬膜してもよく、親水性バインダ−の0.5%ないし
5%、好ましくは0.5〜2%が添加される。
【0084】F)剥離層 本発明では必要に応じて処理後にユニット内感光シート
の任意の場所で剥がし取る為に剥離層が設けることがで
きる。従ってこの剥離層は処理後の剥離が容易なもので
なければならない。このための素材としては、例えば、
特開昭47−8237号、同59−220727号、同
59−229555号、同49−4653号、米国特許
第3,220,835号、同4,359,518号、特
開昭49−4334号、同56−65133号、同45
−24075号、米国特許第3,227,550号、同
2,759,825号、同4,401,746号、同
4,366,227号などに記載されたものを用いるこ
とができる。具体例の一つとしては、水溶性(あるいは
アルカリ可溶性)のセルロース誘導体があげられる。例
えばヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテー
トフタレート、可塑化メチルセルロース、エチルセルロ
ース、硝酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、
などである。また別の例として種々の天然高分子、例え
ばアルギン酸、ペクチン、アラビアゴム、などがある。
また種々の変性ゼラチン、例えばアセチル化ゼラチン、
フタル化ゼラチンなども用いられる。更に、別の例とし
て、水溶性の合成ポリマーがあげられる。例えば、ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメチルメタ
クリレート、ポリブチルメタクリレート、あるいは、そ
れらの共重合体などである。剥離層は、単一の層でも、
また例えば、特開昭59−220727号、同60−6
0642号などに記載されているように複数の層からな
るものでもよい。
【0085】II.カバーシート 本発明においては、感光要素上に処理液を均一に展開
し、処理後のアルカリを中和し画像の安定化をはかるた
めに、中和機能を有する層(中和層および中和タイミン
グ層)を有する透明なカバーシートをもちいる。
【0086】G)支持体 本発明に用いられるカバーシートの支持体は写真感光材
料に通常用いられる平滑な透明支持体なら、いずれでも
用いられ、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリカーボネートなどが用いられ、
下塗り層を設けるのが好ましい。支持体には、ライトパ
イピングを防止するため微量の染料を含有させるのが好
ましい。
【0087】H)中和機能を有する層 本発明に用いられる中和機能を有する層は、処理組成物
から持込まれるアルカリを中和するに十分な量の酸性物
質を含む層であり、必要に応じて、中和速度調節層(タ
イミング層)、密着強化層等の層から成る多層構成のも
のでもよい。好ましい酸性物質としてはpKa9以下の
酸性基(もしくは加水分解によってそのような酸性基を
与える前駆体基)を含む物質であり、さらに好ましくは
米国特許2,983,606号に記載されているオレイ
ン酸のような高級脂肪酸、米国特許3,362,819
号に開示されているようなアクリル酸、メタアクリル酸
もしくはマレイン酸の重合体とその部分エステルまたは
酸無水物;仏国特許2,290,699号に開示されて
いるようなアクリル酸とアクリル酸エステルの共重体;
米国特許4,139,383号やリサーチ・ディスクロ
ージャ(Research Disclosure)No.16102(19
77)に開示されているようなラテックス型の酸性ポリ
マーを挙げることができる。その他、米国特許4,08
8,493号、特開昭52−153、739号、同53
−1、023号、同53−4、540号、同53−4、
541号、同53−4、542号等に開示の酸性物質も
挙げることができる。酸性ポリマーの具体例としてはエ
チレン、酢酸ビニル、ビニルメチルエーテル等のビニル
モノマーと、無水マレイン酸との共重合体及びそのn−
ブチルエステル、ブチルアクリレートとアクリル酸との
共重合物、セルロース、アセテート・ハイドロジエンフ
タレート等である。前記ポリマー酸は親水性ポリマーと
混合して用いることができる。このようなポリマーとし
ては、ポリアクリルアミド、ポリメチルピロリドン、ポ
リビニルアルコール(部分ケン化物も含む)、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ポリメチルビニルエーテル
などである。なかでも、ポリビニルアルコールが好まし
い。また、前記ポリマー酸に親水性ポリマー以外のポリ
マー、例えばセルロースアセテートなどを混合してもよ
い。ポリマー酸の塗布量は感光要素に展開されるアルカ
リの量により調節される。単位面積当りのポリマー酸と
アルカリの当量比は0.9〜2.0が好ましい。ポリマ
ー酸の量が少なすぎると、転写色素の色相が変化した
り、白地部分にステインを生じ、又多過ぎる場合にも色
相の変化、あるいは耐光性の低下などの不都合を生じ
る。更に好ましい当量比は1.0〜1.3である。混合
する親水性ポリマーの量も多すぎても少なすぎても写真
の品質を低下させる。親水性ポリマーのポリマー酸にた
いする重量比は0.1〜10、好ましくは0.3〜3.
0である。本発明の中和機能を有する層には、種々の目
的で添加剤を組込むことが出来る。たとえば、この層の
硬膜を行うために当業者で周知の硬膜剤、また膜の脆性
を改良するためにポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、グリセリンなどの多価ヒドロキシル化
合物を添加することができる。その他必要に応じて、酸
化防止剤、蛍光増白剤、現像抑制剤およびその前駆体な
どを添加することもできる。中和層と組合わせて用いる
タイミング層は例えばゼラチン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアルコールの部分アセタール化物、酢酸
セルロース、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、
などのようなアルカリ透過性を低くするポリマー;アク
リル酸モノマーなどの親水性コモノマーを少量共重合さ
せてつくられた、アルカリ透過の活性化エネルギーを高
くするラテックスポリマー;ラクトン環を有するポリマ
ーなどが有用である。なかでも、特開昭54−1363
28号、米国特許4,267,262号、同4,00
9,030号、同4,029,849号等に開示されて
いる酢酸セルロースを使用したタイミング層;特開昭5
4−128335号、同56−69、629号、同57
−6、843号、米国特許4,056,394号、同
4,061,496号、同4,199,362号、同
4,250,243号、同4,256,827号、同
4,268,604号等に開示されている、アクリル酸
などの親水性コモノマーを少量共重合させてつくられた
ラテックスポリマー;米国特許4,229,516号に
開示されたラクトン環を有するポリマー;その他特開昭
56−25735号、同56−97346号、同57−
6842号、ヨーロッパ特許(EP)31,957A1
号、同37,724A1号、同48,412A1号など
に開示されたポリマーが特に有用である。その他、以下
の文献に記載のものも使用できる。米国特許3,42
1,893号、同3,455,686号、同3,57
5,701号、同3,778,265号、同3,78
5,815号、同3,847,615号、同4,08
8,493号、同4,123,275号、同4,14
8,653号、同4,201,587号、同4,28
8,523号、同4,297,431号、西独特許出願
(OLS)1,622,936号、同2,162,27
7号、Research Disclosure 15162, No. 151
(1976年)。これらの素材を用いたタイミング層は
単独層もしくは二種以上の層の併用として使用しうる。
またこれらの素材からなるタイミング層に、例えば米国
特許4,009,029号、西独特許出願(OLS)
2,913,164号、同3,014,672号、特開
昭54−155837号、同55−138745号、な
どに開示された現像抑制剤および/もしくはそのプレカ
ーサーや、また、米国特許4,201,578号に開示
されているハイドロキノンプレカーサー、その他有用な
写真用添加剤もしくはそのプレカーサーなどを組み込む
ことも可能である。さらには、中和機能を有する層とし
て、特開昭63−168648号、同63−16864
9号に記載の如く補助中和層を設けることが処理後経時
による転写濃度の変化を少なくするという点において効
果がある。
【0088】I)その他 中和機能を有する層の他に、補助的な機能を持つ層とし
て、バック層、保護層、フィルター染料層などを有して
も良い。バック層は、カールの調整や、滑り性の付与の
為に設けられる。フィルター染料はこの層に添加しても
良い。保護層は、モノシ−ト型感光材料においては、主
としてカバーシートバック面との接着、感光材料とカバ
ーシートとを重ね合わせたときの感光材料保護層との接
着を防止する為に用いられる。捕獲媒染層は、アルカリ
処理組成物側に拡散した色素を捕獲する事により、画像
完成時間の遅れや先鋭度の劣化を防止する事が出来る。
通常、カバーシートの最外層に色素捕獲層を設ける。色
素捕獲層は、前述の染料受像層と同様に親水性コロイド
中にポリマー媒染剤を含むものであり、特開平1−19
8747号、特開平2−282253号に記載されてい
る。カバーシートに染料を含有させて感光層の感度調整
を行う事もできる。フィルター染料は、直接カバーシー
トの支持体中や中和機能を有する層、さらには前記のバ
ック層、保護層、捕獲媒染層などに添加しても良いし、
単独の層を設置しても良い。
【0089】III. アルカリ処理組成物 本発明に用いられる処理組成物は、感光要素の露光後に
感光要素上に均一に展開され、その含有する成分によっ
て感光層の現像を行うものである。このために、組成物
中には、アルカリ、増粘剤、現像薬、更に、現像を調節
するための、現像促進剤、現像抑制剤、現像薬の劣化を
防ぐための酸化防止剤、階調調節剤、などを含有する。
アルカリは液のpHを12〜14とするに足りるもので
あり、アルカリ金属の水酸化物(例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム)、アルカリ金属
のリン酸塩(例えばリン酸カリウム)、グアニジン類、
四級アミンの水酸化物(例えば水酸化テトラメチルアン
モニウムなど)が挙げられるが、なかでも水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウムが好ましく、特に水酸化カリウム
が好ましい。増粘剤は処理液を均一に展開するために、
また感光層/カバーシート間の密着を保つために必要で
ある。例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ
金属塩が用いられるが、処理液の破裂可能容器からの液
もれを防ぎ、かつ展開時には均一に感光層上に展開され
るよう、チクソトロピー性のものが好ましく、このため
ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルカルボ
ン酸ナトリウム、カルボキシメチル−ヒドロキシエチル
セルロースが用いられる。
【0090】好ましい現像薬は、色素像形成物質をクロ
ス酸化し、かつ酸化されても実質的にステインを生じな
いものであればどのようなものでも使用出来る。このよ
うな現像薬は単独でもまた二種類以上を併用してもよ
く、またプレカーサーの型で使用してもよい。これらの
現像薬は感光要素の適当な層に含ませても、またアルカ
リ性処理液中に含ませてもよい。具体的化合物としては
アミノフェノール類、ピラゾリジノン類があげられる
が、このうちピラゾリジノン類がステインの発生が少な
いため特に好ましい。たとえば1−フェニル−3−ピラ
ゾリジノン、1−p−トリル−4,4−ジヒドロキシメ
チル−3−ピラゾリジノン、1−(3′−メチル−フェ
ニル)−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラ
ゾリジノン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキ
シメチル−3−ピラゾリジノン、1−p−トリル−4−
メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリジノン、
などが挙げられる。
【0091】現像促進剤としては、アミン、アミノ酸、
ポリエチレングリコール類の他、ベンジルアルコール、
ジヒドロキシメチルベンゼン等が用いられる。現像抑制
剤としては、任意のものを用いることができるが、造核
剤と組み合わされたオートポジ乳剤の現像にはトリアゾ
ール誘導体が好ましく、特にベンズトリアゾールの誘導
体が好ましい。現像薬の劣化を防ぐ酸化防止剤として
は、現像薬の酸化を防止するにたりる還元力を有する任
意のものが用いられるが、亜硫酸塩、特に亜硫酸カリウ
ムが好ましく用いられる。階調調節剤としては、ハイド
ロキノン誘導体、アスコルビン酸誘導体が好ましく用い
られる。その他、処理液の経時安定性を高めるために、
遷移金属塩、例えば硝酸亜鉛等を添加したり、pH緩衝
性を付与するためにアルミニウム塩を添加するのも好ま
しい。
【0092】処理液には必要に応じて遮光剤を含ませる
ことが出来る。特に、透明支持体を通して露光する一体
型感光材料の場合には、処理液に遮光性を付与すること
が必要である。そのための遮光剤としては、カ−ボンブ
ラックその他の顔料、染料を用いることが出来る。特に
処理液に白色顔料を含み、展開された処理液層を背景に
色素画像を観察する場合には、遮光剤としてpH感応性
の色素を用いることが好ましい。
【0093】感光シート、カバーシートあるいはアルカ
リ処理組成物のいずれかに特開昭62−215272号
72〜91頁記載の現像促進剤、146〜155頁記載
の硬膜剤、201〜210頁記載の界面活性剤、210
〜222頁記載の含フッ素化合物、225〜227頁記
載の増粘剤、227〜230頁記載の帯電防止剤、23
0〜239頁記載のポリマーラテックス、240頁記載
のマット剤などを含む事ができる。
【0094】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されない。 実施例−1 まず、ハロゲン化銀乳剤の調製法について説明する。以
下に示す乳剤粒子の調製法により、表−2に示される数
種類のハロゲン化銀乳剤粒子(乳剤−A〜乳剤−C)及
び、乳剤D1〜D11を調製した。
【0095】
【表1】
【0096】乳剤−A(八面体内部潜像型直接ポジ乳
剤)の調製:臭化カリウム0.05M、3,6−ジチア
−1,8−オクタンジオール1g、酢酸鉛0.05mg
及びCa含量100ppm以下の脱イオンゼラチン60
gを含有するゼラチン水溶液1000ml中に、温度を
75℃に保ちながら0.4Mの硝酸銀水溶液と0.4M
の臭化カリウム水溶液をコントロールダブルジェット法
でpBrが1.60になるように臭化カリウム水溶液の
添加速度を調節しながら、硝酸銀水溶液300mlを4
0分間かけて添加した。添加が終了すると、平均粒径
(球相当径)が約0.7μの粒子サイズの揃った八面体
臭化銀結晶(以後コア粒子と呼ぶ)が生成された。次
に、この調製液にチオ硫酸ナトリウム1mg、及び四塩
化金酸カリウム90mgと臭化カリウム1.2gを水1
000mlに溶解した水溶液3mlを加え、75℃で8
0分間加熱することにより化学増感処理を行った。この
ようにして化学増感を施した乳剤溶液に0.15Mの臭
化カリウムを添加した後、コア粒子調製時と同様に、温
度を75℃に保ちながら0.9Mの硝酸銀水溶液と0.
9Mの臭化カリウム水溶液をコントロールダブルジェッ
ト法でpBrが1.30になるように臭化カリウム水溶
液の添加速度を調節しながら、硝酸銀水溶液670ml
を70分間かけて添加した。この乳剤を常法のフロキュ
レーション法により水洗し、前述のゼラチン及び2−フ
ェノキシエタノール、P−ヒドロキシ安息香酸メチルを
添加して平均粒径(球相当径)が約1.4μの粒子サイ
ズの揃った八面体臭化銀結晶(以後内部潜像型コア/シ
ェル粒子と呼ぶ)を得た。次に、この内部潜像型コア/
シェル乳剤にチオ硫酸ナトリウム100mgと四硼酸ナ
トリウム40mgを水1000mlに溶解した水溶液3
mlを加え、更に14mgのポリ(N−ビニルピロリド
ン)を加え、60℃で加熱熟成した後、0.005Mの
臭化カリウムを添加することにより、八面体内部潜像型
直接ポジ乳剤を調製した。
【0097】乳剤−B(八面体内部潜像型直接ポジ乳
剤)の調製:乳剤−Aの調製法に於いて、硝酸銀水溶液
及び臭化カリウム水溶液の添加時間を変更し、更に添加
薬品量の変更を行って、平均粒径(球相当径)が約1.
0μの粒子サイズの揃った八面体内部潜像型直接ポジ乳
剤を得た。
【0098】乳剤−C(八面体内部潜像型直接ポジ乳
剤)の調製:乳剤−Aの調製法に於いて、硝酸銀水溶液
及び臭化カリウム水溶液の添加時間を変更し、更に添加
薬品量の変更を行って、平均粒径(球相当径)が約0.
7μの粒子サイズの揃った八面体内部潜像型直接ポジ乳
剤を得た。
【0099】乳剤−D1(六角平板状内部潜像型直接ポ
ジ乳剤)調製:臭化カリウム0.05M、平均分子量が
10万以下のゼラチンを0.7重量%含むゼラチン水溶
液1.2リットル中に、前述のゼラチンを含んだ1.4
Mの硝酸銀水溶液と2Mの臭化カリウム水溶液を激しく
攪拌しながらダブルジェット法で1分間で各33mlを同
時に混合した。この間ゼラチン水溶液は30℃に保たれ
た。更に、Ca含量100ppm以下の脱イオンゼラチ
ンを10重量%含むゼラチン溶液300mlを添加した後
75℃に昇温した。次に0.9Mの硝酸銀水溶液40ml
を3分間かけて添加した後、25重量%のアンモニア水
溶液を添加し、75℃で熟成を行った。熟成終了後、ア
ンモニアを中和した後酢酸鉛5mg(水溶液にて添加)
を加え、1Mの硝酸銀水溶液と1Mの臭化カリウム水溶
液をpBrを2.5にたもちながら加速された流速(終
了時の流速が開始時の流速の6倍)でダブルジェット法
で添加した。(使用した硝酸銀水溶液の量は500mlで
あった。) このようにして形成した粒子(以後コア粒子と呼ぶ)を
常法のフロキュレーション法により水洗し、ゼラチン及
び2−フェノキシエタノール、P−ヒドロキシ安息香酸
メチルを添加して750gの六角平板状コア粒子を得
た。得られた六角平板状コア粒子は平均投影面積円相当
直径が0.9μm、平均の厚みは0.20μmであり、
全投影面積の95%が六角平板粒子によって占められて
いた。次に、前記六角平板状コア乳剤200gに水13
00ml、臭化カリウム0.11Mと脱イオンゼラチン4
0gを添加し、75℃に昇温した後、3,6−ジチア−
1,8−オクタンジオール0.3g、化合物(1−1
6)10mg、及び四塩化金酸カリウム90mと臭化カリ
ウム1.2gを水1000mlに溶解した水溶液2.4m
l、及び酢酸鉛15mg(水溶液にて添加)を加え、7
5℃で180分間加熱することにより化学増感処理を行
った。このようにして化学増感を施したコア粒子にコア
粒子調製時と同様に、2Mの硝酸銀水溶液と2.5Mの
臭化カリウム水溶液をpBrが2.5になるように臭化
カリウム水溶液の添加速度を調節しながら、加速された
流速(終了時の流速が開始時の流速の3倍)でダブルジ
ェット法で添加した。(使用した硝酸銀水溶液の量は8
10mlであった。) 0.3Mの臭化カリウムを添加した後、この乳剤を常法
のフロキュレーション法により水洗し、ゼラチンを添加
した。このようにして六角平板状内部潜像型コア/シェ
ル乳剤を得た。得られた六角平板状粒子は平均投影面積
円相当直径が2.5μm、平均の厚さが0.37μm、
平均体積サイズが1.4(μm)3で全投影面積の88%
が六角平板状粒子によって占められていた。次に、この
六角平板状内部潜像型コア/シェル乳剤にチオ硫酸ナト
リウム100mgと四硼酸ナトリウム40mgを水10
00mlに溶解した水溶液15mlを加え、更に20mg
のポリ(N−ビニルピロリドン)を加え、60℃で10
0分間加熱することにより粒子表面の化学増感を行い、
六角平板状内部潜像型直接ポジ乳剤を調製した。
【0100】乳剤D2〜D11については、乳剤D1に
おいて、粒子形成時の酢酸鉛量、内部化学増感時のチオ
硫酸イオンの使用の有無、内部化学増感の温度、時間を
調節し更に、一般式〔A〕、〔B〕、〔C〕から選ばれ
る化合物を変更する事によって調製した。
【0101】調製した乳剤は表−2に一覧表として示し
た。
【0102】
【表2】
【0103】これらの乳剤を使用して、下記表−Aの構
成を有する本発明の感光要素(試料101)を作成し
た。
【0104】
【表3】
【0105】
【表4】
【0106】
【表5】
【0107】
【表6】
【0108】
【表7】
【0109】
【表8】
【0110】
【表9】
【0111】
【化19】
【0112】
【化20】
【0113】
【化21】
【0114】
【化22】
【0115】
【化23】
【0116】
【化24】
【0117】
【化25】
【0118】次に、第8層、第15層、第22層、の乳
剤を表−3に示すように乳剤−D2〜乳剤−D11、及
びAに順次置き換えて、試料102〜112を作成し
た。
【0119】
【表10】
【0120】カバーシートは以下のようにして作成した ゼラチン下塗りしたライトパイピング防止染料を含むポ
リエチレンテレフタレート透明支持体上に以下の層を塗
設した。 (1) 平均分子量5万のアクリル酸−ブチルアクリレート
(モル比8:2)共重合体を10.4g/m2および1,
4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−ブタン0.
1g/m2を含む中和層。 (2) 酢化度51%のアセチルセルロース4.3g/m2
ポリ(メチルビニルエーテル−コ−モノメチルマレエイ
ド)0.2g/m2を含む中和タイミング層。 (3) スチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸−Nメ
チロールアクリルアミドを重量比49.7/42.3/
4/4の比で乳化重合したポリマーラテックスと、メチ
ルメタクリレート/アクリル酸/N−メチロールアクリ
ルアミドを重量比93対3対4の比で乳化重合したポリ
マーラテックスを固型分比が6対4になるようにブレン
ドし、総固型分を2.5g/m2含む層。 (4) ゼラチン1g/m2を含む層。
【0121】アルカリ処理組成物は以下の方法で調製し
た。下記組成の処理液0.8gを圧力で破壊可能な容器
に充填した。 1−p−トリル−4−ヒドロキシメチル−4−メチ ル−3−ピラゾリドン 10.0g メチルハイドロキノン 0.18g 5−メチルベンゾトリアゾール 3.0g 亜硫酸ナトリウム(無水) 0.2g ベンジルアルコール 1.5ml カルボキシメチルセルロースNa塩 58g カーボンブラック 150g 水酸化カリウム(28%水溶液) 200ml 水 680ml
【0122】前記感光要素101〜112を、グレーの
連続ウェッヂを通して乳剤層側から露光したのち、前記
カバーシートと重ね合わせ、両材料の間に上記処理液を
75μmの厚みになるように加圧ローラーを使用して展
開した。露光は、露光量が一定になるように露光照度を
調節して、1/100秒露光と10秒露光の2条件につ
いて行い、高照度露光(1/100秒露光)時の感度と
低照度露光(10秒露光)時の感度の相対差が分かるよ
うにした。処理は25℃で行ない、10分後に転写濃度
をカラー濃度計で測定した。その結果を表−4に示す。
表中に示す、最高濃度、最低濃度、相対感度差は次のよ
うにして決定した。横軸に露光量の対数を、縦軸に各発
色濃度を表示し、特性曲線カーブを描く。未露光部での
発色濃度を最高濃度、露光量が十分大である領域での発
色濃度を最低濃度とした。相対感度差は、感光要素10
1の各層の濃度1.0における高照度露光(1/100
秒露光)時と低照度露光(10秒露光)時の感度の差を
100としたときの相対値(真数)と定義した。
【0123】
【表11】
【0124】本発明(試料101、103、105、1
07〜112)では試料102、104〜106に対し
て、高S/Nで且つ低照度相反則不軌の小さいことがわ
かる。中でも平板粒子でかつ化合物(1−16)を使用
し、チオ硫酸イオンが実質的に存在しない条件での試料
101は、試料102(八面体)、試料104(化合物
(1−16)なしチオ硫酸イオンあり)に対して、顕著
な効果を有することがわかる。
【0125】実施例−2 乳剤−D1 の化合物(1−16)の代わりに化合物(2
−1)、(2−2)、(2−3)、(3−3)、(3−
9)をそれぞれ用いて試料101に置きかえて実施例1
と同様な試験をしたところ試料101と同様な効果が得
られた。
【0126】
【発明の効果】本発明によって、高S/Nで且つ低照度
相反則不軌の小さい内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳
剤、及びそれを用いたカラー拡散転写感光材料が得られ
ることがわかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 8/08 506

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子直径0.3μm以上、アスペクト
    比が2以上、100以下である平板状ハロゲン化銀粒子
    を全ハロゲン化銀粒子の投影面積の50%以上含むこと
    を特徴とする内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤にお
    いて、Pbイオンの存在下で粒子形成され、かつ、下記
    一般式〔A〕、〔B〕、及び〔C〕で示される化合物か
    ら選ばれる少なくとも一種の化合物の存在下にコア粒子
    の化学増感が行われることを特徴とする内部潜像型直接
    ポジハロゲン化銀乳剤。 【化1】 式中、R、R1 、R2 は同じでも異ってもよく、脂肪族
    基、芳香族基、又はヘテロ環基を表し、Mは陽イオンを
    表す。Lは二価の連結基を表し、mは0又は1である。
    一般式〔A〕、〔B〕または〔C〕の化合物は、それぞ
    れ〔A〕、〔B〕または〔C〕で示す構造から誘導され
    る二価の基を繰り返し単位として含有するポリマーであ
    ってもよい。また可能なときはR、R1 、R2 、Lが互
    いに結合して環を形成してもよい。
  2. 【請求項2】 コア粒子の化学増感時に、チオ硫酸イオ
    ンが実質的に存在しない条件で、上記一般式〔A〕、
    〔B〕、及び〔C〕で示される化合物から選ばれる少な
    くとも1種の化合物と金増感剤との併用で化学増感され
    ることを特徴とする請求項1記載の内部潜像型直接ポジ
    ハロゲン化銀乳剤。
  3. 【請求項3】 Pbイオンの濃度が銀1モル当たり1×
    10-6モル以上1×10-2モル以下であることを特徴と
    する請求項1記載の内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳
    剤。
  4. 【請求項4】 支持体上に、色素像形成物質と組み合わ
    された少なくとも1つの感光性ハロゲン化銀乳剤層を有
    し、該色素像形成物質が下記一般式〔I〕で表される、
    銀現像に関連して拡散性色素又はその前駆体を放出する
    非拡散性化合物もしくは、それ自体の拡散性が変化する
    化合物からなるカラー拡散転写感光材料において、前記
    ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が、請求項1ない
    し3記載の内部潜像型直接ポジハロゲン化銀乳剤を少な
    くとも一種含有することを特徴とするカラー拡散転写感
    光材料。 一般式〔I〕 (DYE−Y)n −Z {DYEは色素基、一時的に短波化された色素基または
    色素前駆体基を表し、Yは単なる結合又は連結基を表
    し、Zは画像状に潜像を有する感光性銀塩に対応又は逆
    対応して(DYE−Y)n −Zで表される化合物の拡散
    性に差を生じさせるか、又は、DYEを放出し、放出さ
    れたDYEと(DYE−Y)n −Zとの間に拡散性にお
    いて差を生じさせるような性質を有する基を表し、nは
    1または2を表し、nが2の時、2つのDYE−Yは同
    一でも異なっていてもよい。}
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