JPH073291A - 洗浄材 - Google Patents
洗浄材Info
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- JPH073291A JPH073291A JP16981793A JP16981793A JPH073291A JP H073291 A JPH073291 A JP H073291A JP 16981793 A JP16981793 A JP 16981793A JP 16981793 A JP16981793 A JP 16981793A JP H073291 A JPH073291 A JP H073291A
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- Japan
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- hydrocarbon
- water
- cleaning material
- distillation
- hydrocarbons
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 洗浄操作等の使用中に炭化水素、水またはそ
の両方が蒸発しても炭化水素と水との比率が変化するこ
とがなく、また回収・再生のための蒸留操作を行っても
該洗浄材中の炭化水素と水の比率が初めの原料と実質的
に同じ比率で回収することが容易な洗浄材を提供する。 【構成】 炭化水素と水との1:1(容量比)混合物を
大気圧下で単蒸留させることにより留出する炭化水素と
水の容量を測定し、該炭化水素または水のいずれかが張
り込んだ容量の80%に到達するまでに留出した炭化水
素と水の重量分率をそれぞれ求め、この予め求めた当該
重量分率の±5%の範囲の割合でそれぞれ該炭化水素と
水とを含んでなることを特徴とする炭化水素および水と
の組合せからなる洗浄材。
の両方が蒸発しても炭化水素と水との比率が変化するこ
とがなく、また回収・再生のための蒸留操作を行っても
該洗浄材中の炭化水素と水の比率が初めの原料と実質的
に同じ比率で回収することが容易な洗浄材を提供する。 【構成】 炭化水素と水との1:1(容量比)混合物を
大気圧下で単蒸留させることにより留出する炭化水素と
水の容量を測定し、該炭化水素または水のいずれかが張
り込んだ容量の80%に到達するまでに留出した炭化水
素と水の重量分率をそれぞれ求め、この予め求めた当該
重量分率の±5%の範囲の割合でそれぞれ該炭化水素と
水とを含んでなることを特徴とする炭化水素および水と
の組合せからなる洗浄材。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属やプラスチック部
品、その他の洗浄において使用される特定割合でもって
水と炭化水素が組合せからなる洗浄材に関するものであ
る。
品、その他の洗浄において使用される特定割合でもって
水と炭化水素が組合せからなる洗浄材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、金属やプラスチック部品に付着す
る油脂やゴミ等の除去を目的とした洗浄においては、ト
リクロロエタン等の低沸点ハロゲン系溶剤が使用されて
いる。
る油脂やゴミ等の除去を目的とした洗浄においては、ト
リクロロエタン等の低沸点ハロゲン系溶剤が使用されて
いる。
【0003】しかし、社会的な環境問題に対する意識の
高まりの中で、トリクロロエタン等の揮発性ハロゲン系
溶剤の多くは、大気中のオゾンを破壊したり、人体に対
する毒性のために、使用することは好ましくない。
高まりの中で、トリクロロエタン等の揮発性ハロゲン系
溶剤の多くは、大気中のオゾンを破壊したり、人体に対
する毒性のために、使用することは好ましくない。
【0004】これらトリクロロエタン等の揮発性ハロゲ
ン系溶剤を使用した洗浄に代わる方法として、炭化水素
に代表される可燃物の洗浄材が多数提案されている。こ
れらは、高い洗浄力を示すが、可燃性という性質のため
に扱い難い。
ン系溶剤を使用した洗浄に代わる方法として、炭化水素
に代表される可燃物の洗浄材が多数提案されている。こ
れらは、高い洗浄力を示すが、可燃性という性質のため
に扱い難い。
【0005】可燃性の洗浄材を難燃化、不燃化するため
に炭化水素と水とを界面活性剤でエマルジョン化した準
水系と呼ばれる洗浄材も提案されている。
に炭化水素と水とを界面活性剤でエマルジョン化した準
水系と呼ばれる洗浄材も提案されている。
【0006】従来の準水系の洗浄材は、そこに含まれる
炭化水素が混合物である、すなわち沸点範囲がかなり広
い混合物であることが多い。このように含まれる炭化水
素が混合物であるような場合、洗浄作業中等において蒸
発によって水と炭化水素の混合比率が変化することにな
り、その結果洗浄力の低下が起こったり、あるいは当初
適当量の水を含むために不燃性であった準水系の洗浄材
が水の混合割合が低下するために可燃性に到ることがあ
る。
炭化水素が混合物である、すなわち沸点範囲がかなり広
い混合物であることが多い。このように含まれる炭化水
素が混合物であるような場合、洗浄作業中等において蒸
発によって水と炭化水素の混合比率が変化することにな
り、その結果洗浄力の低下が起こったり、あるいは当初
適当量の水を含むために不燃性であった準水系の洗浄材
が水の混合割合が低下するために可燃性に到ることがあ
る。
【0007】さらに、従来のこのような準水系洗浄材は
蒸留による再生・回収が困難なため、洗浄後の洗浄液は
廃液処理を施し廃棄することになり、ランニングコスト
が高くなる欠点を有する。
蒸留による再生・回収が困難なため、洗浄後の洗浄液は
廃液処理を施し廃棄することになり、ランニングコスト
が高くなる欠点を有する。
【0008】炭化水素混合物は工業的に大量に製造され
るものに多く、一般に安価であるのでそれを利用するこ
とが望まれるが、上述した課題を有する。
るものに多く、一般に安価であるのでそれを利用するこ
とが望まれるが、上述した課題を有する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の準水
系の洗浄材に関する従来技術の有する欠点を改良し、洗
浄操作等の使用中に炭化水素、水またはその両方が蒸発
しても炭化水素と水との比率が変化することがなく、ま
た回収・再生のための蒸留操作を行っても該洗浄材中の
炭化水素と水の比率が初めの原料と実質的に同じ比率で
回収することが容易な洗浄材を提供することを目的とす
るものである。
系の洗浄材に関する従来技術の有する欠点を改良し、洗
浄操作等の使用中に炭化水素、水またはその両方が蒸発
しても炭化水素と水との比率が変化することがなく、ま
た回収・再生のための蒸留操作を行っても該洗浄材中の
炭化水素と水の比率が初めの原料と実質的に同じ比率で
回収することが容易な洗浄材を提供することを目的とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
は、炭化水素と水との1:1(容量比)混合物を大気圧
下で単蒸留させることにより留出する炭化水素と水の容
量を測定し、該炭化水素または水のいずれかが張り込ん
だ容量の80%に到達するまでに留出した炭化水素と水
の重量分率をそれぞれ求め、この予め求めた当該重量分
率の±5%の範囲の割合でそれぞれ該炭化水素と水とを
含んでなることを特徴とする炭化水素および水との組合
せからなる洗浄材に関する。
は、炭化水素と水との1:1(容量比)混合物を大気圧
下で単蒸留させることにより留出する炭化水素と水の容
量を測定し、該炭化水素または水のいずれかが張り込ん
だ容量の80%に到達するまでに留出した炭化水素と水
の重量分率をそれぞれ求め、この予め求めた当該重量分
率の±5%の範囲の割合でそれぞれ該炭化水素と水とを
含んでなることを特徴とする炭化水素および水との組合
せからなる洗浄材に関する。
【0011】また、本発明の第2は、上記洗浄材におけ
る前記炭化水素が、JISに規定する蒸留試験における
初留点の温度が150℃以上、かつ終点の温度が260
℃以下であって、初留点と終点との温度差が45℃以内
の炭化水素混合物である炭化水素および水との組合せか
らなる洗浄材に関する。
る前記炭化水素が、JISに規定する蒸留試験における
初留点の温度が150℃以上、かつ終点の温度が260
℃以下であって、初留点と終点との温度差が45℃以内
の炭化水素混合物である炭化水素および水との組合せか
らなる洗浄材に関する。
【0012】さらに本発明の第3は、上記洗浄材が、炭
素数3〜18のアルコール、エステル、エーテル、一般
式R−(OCnH2n)mOH(Rは炭素数1〜6の脂肪族
炭化水素残基、mは1〜3の整数、nは1〜6の整数を
示す)で表わされる化合物、界面活性剤、非プロトン系
極性溶媒から選ばれる1種または2種以上の化合物を、
0.1〜30重量%含有することを特徴とする炭化水素
および水との組合せからなる洗浄材に関する。
素数3〜18のアルコール、エステル、エーテル、一般
式R−(OCnH2n)mOH(Rは炭素数1〜6の脂肪族
炭化水素残基、mは1〜3の整数、nは1〜6の整数を
示す)で表わされる化合物、界面活性剤、非プロトン系
極性溶媒から選ばれる1種または2種以上の化合物を、
0.1〜30重量%含有することを特徴とする炭化水素
および水との組合せからなる洗浄材に関する。
【0013】以下に本発明をさらに説明する。本発明の
洗浄材は、炭化水素と水とを予め別途求めた重量割合で
含んでなるものである。
洗浄材は、炭化水素と水とを予め別途求めた重量割合で
含んでなるものである。
【0014】水と炭化水素の組み合わせる割合は、次の
ようにして予め決定しておく必要がある。
ようにして予め決定しておく必要がある。
【0015】すなわち、炭化水素と水とを1:1の同一
容量比でガラス製蒸留フラスコに張り込み、常圧で単蒸
留を行う。
容量比でガラス製蒸留フラスコに張り込み、常圧で単蒸
留を行う。
【0016】単蒸留により留出する炭化水素と水とをメ
スシリンダー等の受器で受ける。受器内に溜った水と炭
化水素は相分離するが、その水と炭化水素の量をそれぞ
れ測定し、いずれかが蒸留フラスコに張り込んだ量の約
80容量%に到達した時の水と炭化水素の量をそれぞれ
求める。例えば、この約80容量%に到達した時点で、
留出液の流路を適宜の切替手段、例えば切替コックに切
り替えることにすれば、80容量%到達時の水と炭化水
素の量を測定し易い。
スシリンダー等の受器で受ける。受器内に溜った水と炭
化水素は相分離するが、その水と炭化水素の量をそれぞ
れ測定し、いずれかが蒸留フラスコに張り込んだ量の約
80容量%に到達した時の水と炭化水素の量をそれぞれ
求める。例えば、この約80容量%に到達した時点で、
留出液の流路を適宜の切替手段、例えば切替コックに切
り替えることにすれば、80容量%到達時の水と炭化水
素の量を測定し易い。
【0017】ここで用いる蒸留装置、蒸留のための加熱
条件等の蒸留操作条件等は「化学製品の蒸留試験方法」
(JIS K−0066−1992)に記載の方法に準
じて行うものとする。但し、蒸留フラスコは1リットル
のガラス製フラスコとし、水と炭化水素とを容積で同じ
量を張り込むことにする。張り込む量は、水と炭化水素
の合計量で700〜900mlの範囲内とする。蒸留中
の留出速度は、3〜5mlの範囲内となるように、熱源
の加熱度合を予め調整しておく。蒸留フラスコ内の液を
撹拌するために加熱と同時に窒素でバブリングする。吹
き込む窒素の量は、300ml/min以下とする。な
お、突沸の危険がないようならば、一旦、沸騰が始まれ
ば発生する蒸気によりフラスコ内の液は撹拌状態になる
こともあり、特に窒素のバブリングをする必要はない。
その他の条件等は、上記JIS規格に準じて行う。例え
ば、ラッシヒリング等の蒸留用充填物は使用しない。
条件等の蒸留操作条件等は「化学製品の蒸留試験方法」
(JIS K−0066−1992)に記載の方法に準
じて行うものとする。但し、蒸留フラスコは1リットル
のガラス製フラスコとし、水と炭化水素とを容積で同じ
量を張り込むことにする。張り込む量は、水と炭化水素
の合計量で700〜900mlの範囲内とする。蒸留中
の留出速度は、3〜5mlの範囲内となるように、熱源
の加熱度合を予め調整しておく。蒸留フラスコ内の液を
撹拌するために加熱と同時に窒素でバブリングする。吹
き込む窒素の量は、300ml/min以下とする。な
お、突沸の危険がないようならば、一旦、沸騰が始まれ
ば発生する蒸気によりフラスコ内の液は撹拌状態になる
こともあり、特に窒素のバブリングをする必要はない。
その他の条件等は、上記JIS規格に準じて行う。例え
ば、ラッシヒリング等の蒸留用充填物は使用しない。
【0018】上記の蒸留操作により留出した水と炭化水
素の重量を測定し、求めた重量分率の±5%の範囲が、
本発明における炭化水素混合物と水とのそれぞれの混合
割合となる。例えば、蒸留フラスコに張り込んだ量の約
80容量%に到達した時の水と炭化水素の量から求めた
重量分率が、それぞれX重量%、Y重量%であるとする
(XとYの合計は100)。求めた重量分率の±5%の
範囲内とすれば、実質的に再生のための蒸留等の際に組
成変化がないので好ましい。
素の重量を測定し、求めた重量分率の±5%の範囲が、
本発明における炭化水素混合物と水とのそれぞれの混合
割合となる。例えば、蒸留フラスコに張り込んだ量の約
80容量%に到達した時の水と炭化水素の量から求めた
重量分率が、それぞれX重量%、Y重量%であるとする
(XとYの合計は100)。求めた重量分率の±5%の
範囲内とすれば、実質的に再生のための蒸留等の際に組
成変化がないので好ましい。
【0019】これから、本発明おいて水と炭化水素の混
合すべき割合は、水については(X−5)重量%〜(X
+5)重量%の範囲であり、炭化水素については(Y−
5)重量%〜(Y+5)重量%の範囲となる(水と炭化
水素の合計を100とする)。
合すべき割合は、水については(X−5)重量%〜(X
+5)重量%の範囲であり、炭化水素については(Y−
5)重量%〜(Y+5)重量%の範囲となる(水と炭化
水素の合計を100とする)。
【0020】本発明の洗浄材は、炭化水素と水とを組み
合わせてなるものではあるが、上記のような特定割合で
混合されてなるために、洗浄操作等の使用中に炭化水
素、水またはその両方が蒸発しても炭化水素と水との比
率が変化することがなく、また、回収・再生のための蒸
留操作を行っても該洗浄材中の炭化水素と水の比率が初
めの原料と実質的に同じ比率で回収することが容易であ
る。
合わせてなるものではあるが、上記のような特定割合で
混合されてなるために、洗浄操作等の使用中に炭化水
素、水またはその両方が蒸発しても炭化水素と水との比
率が変化することがなく、また、回収・再生のための蒸
留操作を行っても該洗浄材中の炭化水素と水の比率が初
めの原料と実質的に同じ比率で回収することが容易であ
る。
【0021】ここで、本発明の炭化水素とは従来洗浄材
として使用される公知の炭化水素であって、例えば脂肪
族系、ナフテン系および芳香族系炭化水素である。これ
ら炭化水素は、常温液状である限り任意のものが使用す
ることができる。特に限定されないが、通常その炭素数
は、5〜20の範囲内にあるものである。
として使用される公知の炭化水素であって、例えば脂肪
族系、ナフテン系および芳香族系炭化水素である。これ
ら炭化水素は、常温液状である限り任意のものが使用す
ることができる。特に限定されないが、通常その炭素数
は、5〜20の範囲内にあるものである。
【0022】用いる炭化水素は、上記で規定されるもの
である限り単一化合物であることもできる。しかしなが
ら、複数の成分、特に異なる沸点を有する成分からなる
炭化水素混合物、例えば化学工業の適当な蒸留工程から
留出するところの異なる沸点を有する成分からなる留分
は、通常、安価でしかも大量に生産されるので本発明の
好ましい対象となる。
である限り単一化合物であることもできる。しかしなが
ら、複数の成分、特に異なる沸点を有する成分からなる
炭化水素混合物、例えば化学工業の適当な蒸留工程から
留出するところの異なる沸点を有する成分からなる留分
は、通常、安価でしかも大量に生産されるので本発明の
好ましい対象となる。
【0023】このような好ましい留分としては、例えば
石油からの灯油留分を蒸留精製して得られる炭化水素留
分;該灯油留分中の芳香族炭化水素をNi−W触媒等の
水素添加用金属触媒により核水素添加した後、蒸留精製
して得られる炭化水素留分;該核水素添加された灯油留
分からモレックス法等による分子ふるい等を利用して分
離、取得されるノルマルパラフィン留分;該ノルマルパ
ラフィンが分離除去された残りのラフィネートとしての
高ナフテン含有炭化水素を蒸留精製して得られる炭化水
素留分;高オクタン価ガソリンを得るためにナフサ等の
石油留分を改質して得られる改質油もしくはエチレン、
プロピレン等を得るために石油類の熱分解副生油留分等
からスルフォラン等の芳香族炭化水素抽出溶剤を用いる
溶剤抽出法によりベンゼン、トルエン、キシレン等のB
TXが抽出された残りのラフィネートとしての高ナフテ
ン含有炭化水素を蒸留精製して得られる炭化水素留分;
プロピレン、ブテン、イソブテン等の低級オレフィンを
リン酸や塩化アルミニウム等の酸触媒で重合して得られ
るオリゴマーの水素添加物を蒸留精製して得られる脂肪
族炭化水素留分;プロピレンやブテン等の低級アルケン
のアルキレーションで得られるアルキレートを蒸留精製
して得られる脂肪族炭化水素留分;アルキルベンゼン留
分等を使用することができる。これらは、2種以上混合
して使用することもできる。
石油からの灯油留分を蒸留精製して得られる炭化水素留
分;該灯油留分中の芳香族炭化水素をNi−W触媒等の
水素添加用金属触媒により核水素添加した後、蒸留精製
して得られる炭化水素留分;該核水素添加された灯油留
分からモレックス法等による分子ふるい等を利用して分
離、取得されるノルマルパラフィン留分;該ノルマルパ
ラフィンが分離除去された残りのラフィネートとしての
高ナフテン含有炭化水素を蒸留精製して得られる炭化水
素留分;高オクタン価ガソリンを得るためにナフサ等の
石油留分を改質して得られる改質油もしくはエチレン、
プロピレン等を得るために石油類の熱分解副生油留分等
からスルフォラン等の芳香族炭化水素抽出溶剤を用いる
溶剤抽出法によりベンゼン、トルエン、キシレン等のB
TXが抽出された残りのラフィネートとしての高ナフテ
ン含有炭化水素を蒸留精製して得られる炭化水素留分;
プロピレン、ブテン、イソブテン等の低級オレフィンを
リン酸や塩化アルミニウム等の酸触媒で重合して得られ
るオリゴマーの水素添加物を蒸留精製して得られる脂肪
族炭化水素留分;プロピレンやブテン等の低級アルケン
のアルキレーションで得られるアルキレートを蒸留精製
して得られる脂肪族炭化水素留分;アルキルベンゼン留
分等を使用することができる。これらは、2種以上混合
して使用することもできる。
【0024】異なる沸点の成分からなる炭化水素混合
物、例えば炭化水素留分を使用する場合、好ましくは、
JIS蒸留試験における初留点の温度が150℃以上、
かつ終点の温度が260℃以下であって、初留点と終点
との温度差が45℃以内という条件を満足したものを使
用する。ここで、JIS蒸留試験とは前述の「化学製品
の蒸留試験方法」(JIS K−0066−1992)
に従う蒸留試験を意味する。
物、例えば炭化水素留分を使用する場合、好ましくは、
JIS蒸留試験における初留点の温度が150℃以上、
かつ終点の温度が260℃以下であって、初留点と終点
との温度差が45℃以内という条件を満足したものを使
用する。ここで、JIS蒸留試験とは前述の「化学製品
の蒸留試験方法」(JIS K−0066−1992)
に従う蒸留試験を意味する。
【0025】JIS蒸留試験における初留点の温度が1
50℃未満の炭化水素混合物を用いると、前記した方法
により求める特定割合で組み合わせてなる炭化水素と水
とからなる洗浄材であっても、該洗浄材が引火点を示し
易くなるために好ましくない。
50℃未満の炭化水素混合物を用いると、前記した方法
により求める特定割合で組み合わせてなる炭化水素と水
とからなる洗浄材であっても、該洗浄材が引火点を示し
易くなるために好ましくない。
【0026】また、JIS蒸留試験における終点の温度
が260℃を越える炭化水素混合物を用いると、前記し
た方法により求める特定割合で混合されてなる炭化水素
と水とからなる洗浄材であっても、炭化水素の水に対す
る比率が低くなり洗浄力の低下や蒸留回収に必要な熱量
が増加し好ましくない。
が260℃を越える炭化水素混合物を用いると、前記し
た方法により求める特定割合で混合されてなる炭化水素
と水とからなる洗浄材であっても、炭化水素の水に対す
る比率が低くなり洗浄力の低下や蒸留回収に必要な熱量
が増加し好ましくない。
【0027】さらにまた、JIS蒸留試験における初留
点と終点との温度差が45℃を越える炭化水素混合物を
用いると、該炭化水素混合物の沸点範囲が余りに広くな
りすぎるために前記した方法により求める特定割合で混
合されてなる炭化水素と水とからなる洗浄材であって
も、再生・回収操作としての蒸留操作において炭化水素
と水とを初めの原料(再生・回収工程への仕込原料)と
同じ混合割合でもって回収することが容易でないため好
ましくない。
点と終点との温度差が45℃を越える炭化水素混合物を
用いると、該炭化水素混合物の沸点範囲が余りに広くな
りすぎるために前記した方法により求める特定割合で混
合されてなる炭化水素と水とからなる洗浄材であって
も、再生・回収操作としての蒸留操作において炭化水素
と水とを初めの原料(再生・回収工程への仕込原料)と
同じ混合割合でもって回収することが容易でないため好
ましくない。
【0028】前記した方法による特定割合で炭化水素と
水とが組み合わせてなる本発明の洗浄材には、エマルジ
ョン化して扱いやすくする、水の表面張力を下げる、洗
浄対象となる汚れの範囲を広げる等の目的で炭素数3〜
18のアルコール、エステル、エーテル、一般式R−
(OCnH2n)mOH(Rは炭素数の1〜6脂肪族炭化水
素残基、mは1〜3の整数、nは1〜6の整数を示す)
で表されるヒドロキシエーテル、界面活性剤、非プロト
ン系極性溶媒から選ばれるいずれか1種以上の化合物を
0.1〜30重量%添加することができる。
水とが組み合わせてなる本発明の洗浄材には、エマルジ
ョン化して扱いやすくする、水の表面張力を下げる、洗
浄対象となる汚れの範囲を広げる等の目的で炭素数3〜
18のアルコール、エステル、エーテル、一般式R−
(OCnH2n)mOH(Rは炭素数の1〜6脂肪族炭化水
素残基、mは1〜3の整数、nは1〜6の整数を示す)
で表されるヒドロキシエーテル、界面活性剤、非プロト
ン系極性溶媒から選ばれるいずれか1種以上の化合物を
0.1〜30重量%添加することができる。
【0029】上記炭素数3〜18のアルコールとして
は、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキシ
ルアルコール、オクチルアルコール等の各種アルコール
が挙げられる。炭素数3〜18のエステルとしては酢酸
プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、
プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオ
ン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキ
シル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、
酪酸プロピル、酪酸ブチル、酪酸ペンチル、酪酸ヘキシ
ル等がある。炭素数3〜18のエーテルとしては、ジメ
チルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテ
ル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、メチルエ
チルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルペンチ
ルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエ
ーテル、エチルペンチルルエーテル、プロピルブチルエ
ーテル、プロピルペンチルエーテル、ブチルペンチルエ
ーテル、グリセリンメチルエーテル等がある。
は、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキシ
ルアルコール、オクチルアルコール等の各種アルコール
が挙げられる。炭素数3〜18のエステルとしては酢酸
プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、
プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオ
ン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキ
シル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、
酪酸プロピル、酪酸ブチル、酪酸ペンチル、酪酸ヘキシ
ル等がある。炭素数3〜18のエーテルとしては、ジメ
チルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテ
ル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、メチルエ
チルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルペンチ
ルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエ
ーテル、エチルペンチルルエーテル、プロピルブチルエ
ーテル、プロピルペンチルエーテル、ブチルペンチルエ
ーテル、グリセリンメチルエーテル等がある。
【0030】一般式R−(OCnH2n)mOH(Rは炭素
数1〜6の脂肪族炭化水素残基、mは1〜3の整数、n
は1〜6の整数を示す)で表されるヒドロキシエーテル
としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、メ
トキシブタノール等が挙げられる。
数1〜6の脂肪族炭化水素残基、mは1〜3の整数、n
は1〜6の整数を示す)で表されるヒドロキシエーテル
としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、メ
トキシブタノール等が挙げられる。
【0031】非プロトン性極性溶媒としては、スルフォ
ラン、炭酸プロピレン等が毒性がなく好ましい。
ラン、炭酸プロピレン等が毒性がなく好ましい。
【0032】界面活性剤としては、アニオン性、カチオ
ン性、両イオン性、非イオン性界面活性剤等のいずれも
使用することが可能である。しかしながら、被洗浄物へ
の影響が少ないという点から非イオン系界面活性剤が好
ましい。その中でもHLBが4〜15の非イオン系界面
活性剤が特に優れた効果を発揮する。
ン性、両イオン性、非イオン性界面活性剤等のいずれも
使用することが可能である。しかしながら、被洗浄物へ
の影響が少ないという点から非イオン系界面活性剤が好
ましい。その中でもHLBが4〜15の非イオン系界面
活性剤が特に優れた効果を発揮する。
【0033】これらは1種または2種以上の混合物とし
て添加することができる。上記炭素数3〜18のアルコ
ール、エステル、エーテル、一般式R−(OCnH2n)m
OH(Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素残基、mは1
〜3の整数、nは1〜6の整数を示す)で表わされるヒ
ドロキシエーテル、界面活性剤、非プロトン系極性溶媒
の添加量は、これらの化合物の合計で0.1〜30重量
%の範囲とすることが好ましい。これより添加量が多い
と水と炭化水素との組み合わせで得られる洗浄性、難燃
性、回収性等の性質が大きく変化するため好ましくな
い。これより少ない添加量では、添加に期待するエマル
ジョン化して扱いやすくする、水の表面張力を下げる、
洗浄対象となる汚れの範囲を広げる等の目的を得られな
い。
て添加することができる。上記炭素数3〜18のアルコ
ール、エステル、エーテル、一般式R−(OCnH2n)m
OH(Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素残基、mは1
〜3の整数、nは1〜6の整数を示す)で表わされるヒ
ドロキシエーテル、界面活性剤、非プロトン系極性溶媒
の添加量は、これらの化合物の合計で0.1〜30重量
%の範囲とすることが好ましい。これより添加量が多い
と水と炭化水素との組み合わせで得られる洗浄性、難燃
性、回収性等の性質が大きく変化するため好ましくな
い。これより少ない添加量では、添加に期待するエマル
ジョン化して扱いやすくする、水の表面張力を下げる、
洗浄対象となる汚れの範囲を広げる等の目的を得られな
い。
【0034】また、本発明の洗浄材には必要に応じて公
知の防腐剤、防錆剤、消泡剤、酸化防止剤等を配合して
もよい。
知の防腐剤、防錆剤、消泡剤、酸化防止剤等を配合して
もよい。
【0035】本発明の洗浄材はその必須成分として水と
炭化水素を含むため、金属やプラスチック部品の洗浄に
おいて油性汚れ、水性汚れを問わず広範囲な汚れに対し
て適応可能である。また洗浄材の体積抵抗率も109Ω
cm以下となり、静電気の蓄積も起こりにくく扱いやす
いという特徴を有する。
炭化水素を含むため、金属やプラスチック部品の洗浄に
おいて油性汚れ、水性汚れを問わず広範囲な汚れに対し
て適応可能である。また洗浄材の体積抵抗率も109Ω
cm以下となり、静電気の蓄積も起こりにくく扱いやす
いという特徴を有する。
【0036】本発明の洗浄材により洗浄する場合、従来
公知の洗浄方法、例えば浸漬、スプレー等の洗浄方法で
洗浄することが出来る。本発明の洗浄材としての洗浄用
組成物は、大気圧下、100℃前後の温度において蒸気
の発生が可能であり、しかも蒸気中の水と炭化水素の割
合が、液中のそれと実用上差がないという特徴を有する
ため、従来の準水系洗浄材で困難な蒸気洗浄も可能であ
る。これらの単独または2種以上の洗浄方法の組合せも
可能であり、かつ水やその他の洗浄材を使用した洗浄、
濯ぎ、乾燥システムとの併用も可能である。
公知の洗浄方法、例えば浸漬、スプレー等の洗浄方法で
洗浄することが出来る。本発明の洗浄材としての洗浄用
組成物は、大気圧下、100℃前後の温度において蒸気
の発生が可能であり、しかも蒸気中の水と炭化水素の割
合が、液中のそれと実用上差がないという特徴を有する
ため、従来の準水系洗浄材で困難な蒸気洗浄も可能であ
る。これらの単独または2種以上の洗浄方法の組合せも
可能であり、かつ水やその他の洗浄材を使用した洗浄、
濯ぎ、乾燥システムとの併用も可能である。
【0037】本発明の洗浄材の混合形態としては、その
ままでは通常2相の分離状態をとり、そのほか前記した
炭素数3〜18のアルコール、エステル、エーテル、一
般式R−(OCnH2n)mOH(Rは炭素数1〜6の脂肪
族炭化水素残基、mは1〜3の整数、nは1〜6の整数
を示す)で表わされるヒドロキシエーテル、界面活性
剤、非プロトン系極性溶媒等を添加、混合する方法によ
っては、2層分離状態、あるいは組成物といえるエマル
ジョン状態または可溶化状態等を取ることができる。
ままでは通常2相の分離状態をとり、そのほか前記した
炭素数3〜18のアルコール、エステル、エーテル、一
般式R−(OCnH2n)mOH(Rは炭素数1〜6の脂肪
族炭化水素残基、mは1〜3の整数、nは1〜6の整数
を示す)で表わされるヒドロキシエーテル、界面活性
剤、非プロトン系極性溶媒等を添加、混合する方法によ
っては、2層分離状態、あるいは組成物といえるエマル
ジョン状態または可溶化状態等を取ることができる。
【0038】しかしながら、どの様な混合状態であって
も前記全ての洗浄方式の採用が可能である。エマルジョ
ン状態、可溶化状態等の組成物といえる混合状態では、
当然前記した洗浄方法が採用でき、2相分離状態でも同
様である。例えば本発明の洗浄材が2相分離状態のよう
な水と炭化水素が容易に分離する状態において使用する
場合、浸漬洗浄では浸漬槽内、スプレー洗浄にあっては
洗浄材を供給するタンク内、蒸気洗浄にあっては蒸気発
生釜内の液状洗浄材を混合して水と炭化水素とが互いに
分散した状態を発現できるように、水と炭化水素とが分
散した状態をなすための適宜の混合手段、例えば適宜の
撹拌装置、液循環装置、超音波発生装置等を使用する物
理的もしくは機械的分散手段を採用し、水と炭化水素と
を分散状態となしてこれを使用すれば、洗浄効果におい
ては特に支障はないものである。しかしながら、好まし
くは本発明の洗浄材は、エマルジョン状態、可溶化状態
等のミクロに分散した洗浄用組成物といえる混合状態に
あるものである。
も前記全ての洗浄方式の採用が可能である。エマルジョ
ン状態、可溶化状態等の組成物といえる混合状態では、
当然前記した洗浄方法が採用でき、2相分離状態でも同
様である。例えば本発明の洗浄材が2相分離状態のよう
な水と炭化水素が容易に分離する状態において使用する
場合、浸漬洗浄では浸漬槽内、スプレー洗浄にあっては
洗浄材を供給するタンク内、蒸気洗浄にあっては蒸気発
生釜内の液状洗浄材を混合して水と炭化水素とが互いに
分散した状態を発現できるように、水と炭化水素とが分
散した状態をなすための適宜の混合手段、例えば適宜の
撹拌装置、液循環装置、超音波発生装置等を使用する物
理的もしくは機械的分散手段を採用し、水と炭化水素と
を分散状態となしてこれを使用すれば、洗浄効果におい
ては特に支障はないものである。しかしながら、好まし
くは本発明の洗浄材は、エマルジョン状態、可溶化状態
等のミクロに分散した洗浄用組成物といえる混合状態に
あるものである。
【0039】本発明の洗浄材は、特定割合で混合されて
なるために、洗浄済みの溶剤の再生・回収が極めて容易
である。すなわち、回収・再生のための蒸留操作を行っ
ても該洗浄材中の炭化水素と水の比率が初めの原料と実
質的に同じ比率で回収することが容易である。
なるために、洗浄済みの溶剤の再生・回収が極めて容易
である。すなわち、回収・再生のための蒸留操作を行っ
ても該洗浄材中の炭化水素と水の比率が初めの原料と実
質的に同じ比率で回収することが容易である。
【0040】再生・回収のための操作としては、通常の
蒸留操作、例えば単蒸留操作による方法で充分である。
もちろん必要に応じて多段精密蒸留による再生・回収を
することもできる。
蒸留操作、例えば単蒸留操作による方法で充分である。
もちろん必要に応じて多段精密蒸留による再生・回収を
することもできる。
【0041】再生・回収のための蒸留の操作圧力は常
圧、減圧いずれの条件でも良い。蒸留の操作中に洗浄材
が相分離を起こす場合は突沸現象を防ぐために、撹拌や
窒素によるバブリングを併用することが好ましい。
圧、減圧いずれの条件でも良い。蒸留の操作中に洗浄材
が相分離を起こす場合は突沸現象を防ぐために、撹拌や
窒素によるバブリングを併用することが好ましい。
【0042】界面活性剤等の高沸点であるために蒸留が
不可能な化合物が含まれる洗浄材を再生・回収する場
合、蒸留ではこれらの高沸点化合物は汚れとの分離がで
きず蒸留では回収はできず、炭化水素および水が回収さ
れる。そこで、蒸留により再生・回収された炭化水素と
水の混合物に対し、それら高沸点であるために蒸留が不
可能な化合物を、別途、添加することで新液と同等の性
能を有する洗浄材を再生することができる。
不可能な化合物が含まれる洗浄材を再生・回収する場
合、蒸留ではこれらの高沸点化合物は汚れとの分離がで
きず蒸留では回収はできず、炭化水素および水が回収さ
れる。そこで、蒸留により再生・回収された炭化水素と
水の混合物に対し、それら高沸点であるために蒸留が不
可能な化合物を、別途、添加することで新液と同等の性
能を有する洗浄材を再生することができる。
【0043】また、初めから2相分離している系、相分
離を起こし易い系または温度等の条件を変化させること
によって相分離を起こせることのできる系等では、適宜
の手段により炭化水素相と水相とを相分離させた後、炭
化水素相の炭化水素のみを取り出してこれを前述の方法
により蒸留することにより炭化水素を再生・回収し、こ
れを初めの相分離で回収しておいた水相の水と再び混合
することにより再生・回収する方法を採用することも可
能である。通常、汚れ物質は炭化水素相に多く含まれる
ために、この方法は使用済みの洗浄材を再生・回収する
場合に、廃水の発生がなく有利な再生・回収手段であ
る。勿論、水は安価であるので水相の水は廃棄し、新た
な水を使用しても良いし、また必要に応じて別途該水相
の水は蒸留して再生されたものを使用することもでき
る。
離を起こし易い系または温度等の条件を変化させること
によって相分離を起こせることのできる系等では、適宜
の手段により炭化水素相と水相とを相分離させた後、炭
化水素相の炭化水素のみを取り出してこれを前述の方法
により蒸留することにより炭化水素を再生・回収し、こ
れを初めの相分離で回収しておいた水相の水と再び混合
することにより再生・回収する方法を採用することも可
能である。通常、汚れ物質は炭化水素相に多く含まれる
ために、この方法は使用済みの洗浄材を再生・回収する
場合に、廃水の発生がなく有利な再生・回収手段であ
る。勿論、水は安価であるので水相の水は廃棄し、新た
な水を使用しても良いし、また必要に応じて別途該水相
の水は蒸留して再生されたものを使用することもでき
る。
【0044】さらに、当然ながらパーティクル等の除去
のために行う濾過操作も単独あるいは単蒸留操作との併
用で可能である。
のために行う濾過操作も単独あるいは単蒸留操作との併
用で可能である。
【0045】
【実施例】以下、実施例等を挙げて本発明を詳述する。
【0046】[洗浄材の製造例]本製造例における炭化
水素の初留点および終点の測定は、いずれも前記した
「化学製品の蒸留試験方法」(JIS K−0066−
1992)に従い測定された値である。
水素の初留点および終点の測定は、いずれも前記した
「化学製品の蒸留試験方法」(JIS K−0066−
1992)に従い測定された値である。
【0047】炭化水素1:リン酸触媒を用いたバルクア
シッド法によるプロピレンのオリゴマーを精密蒸留し、
蒸留範囲が169〜192℃の留分を得た。この留分を
Pd−Al2O3触媒を使用して水素添加したものを精密
蒸留することにより初留点が181℃、終点が191℃
の留分である炭化水素1を得た。
シッド法によるプロピレンのオリゴマーを精密蒸留し、
蒸留範囲が169〜192℃の留分を得た。この留分を
Pd−Al2O3触媒を使用して水素添加したものを精密
蒸留することにより初留点が181℃、終点が191℃
の留分である炭化水素1を得た。
【0048】炭化水素2:イソブテン、ブテン類を含む
スペントB−B留分を塩化アルミニウム触媒にてオリゴ
メリゼーションを行い、得られた留分を水素添加し精密
蒸留することによって初留点が173℃、終点が189
℃の留分である炭化水素2を得た。
スペントB−B留分を塩化アルミニウム触媒にてオリゴ
メリゼーションを行い、得られた留分を水素添加し精密
蒸留することによって初留点が173℃、終点が189
℃の留分である炭化水素2を得た。
【0049】炭化水素3:原油の蒸留により得られた灯
油留分をNi−W触媒を使用して核水素添加し得られた
生成物を精密蒸留することによって初留点が150℃、
終点が179℃の留分である炭化水素3を得た。
油留分をNi−W触媒を使用して核水素添加し得られた
生成物を精密蒸留することによって初留点が150℃、
終点が179℃の留分である炭化水素3を得た。
【0050】炭化水素4:原油の蒸留により得られた灯
油留分をNi−W触媒を使用して核水素添加して得られ
た生成物をモレックス法により5オングストロームの孔
を有する合成ゼオライトを用いn−パラフィン類を分
離、除去し、さらにラフィネートとしての残油を精密蒸
留することによって初留点が205℃、終点が236℃
の留分である炭化水素4を得た。
油留分をNi−W触媒を使用して核水素添加して得られ
た生成物をモレックス法により5オングストロームの孔
を有する合成ゼオライトを用いn−パラフィン類を分
離、除去し、さらにラフィネートとしての残油を精密蒸
留することによって初留点が205℃、終点が236℃
の留分である炭化水素4を得た。
【0051】[水と炭化水素との比率の決定]JIS
K−0066−1992に準じて単蒸留を行った。すな
わち、1000mlのガラス製セパラブルフラスコに炭
化水素と水とをそれぞれ375mlずつ取り、撹拌しな
がら大気圧下で単蒸留を炭化水素と水のいずれかの留出
量が張り込んだ量の80%に到達するまで行った。留出
する液が受器内に溜る量を観察し、80%到逹時に、留
出液の流路を切替コックで切り替えて測定した。
K−0066−1992に準じて単蒸留を行った。すな
わち、1000mlのガラス製セパラブルフラスコに炭
化水素と水とをそれぞれ375mlずつ取り、撹拌しな
がら大気圧下で単蒸留を炭化水素と水のいずれかの留出
量が張り込んだ量の80%に到達するまで行った。留出
する液が受器内に溜る量を観察し、80%到逹時に、留
出液の流路を切替コックで切り替えて測定した。
【0052】なお、この単蒸留は、前述のように「化学
製品の蒸留試験方法」(JIS K−0066−199
2)に準じて行った。ただし、フラスコサイズは上述の
ように1000mlのものとして蒸留液の留出速度は3
〜5ml/minの範囲内に調整し、窒素は200ml
/minの速度で該フラスコ内にバブリングした。他の
蒸留条件等は当該規定に準じて設定し単蒸留を行った。
製品の蒸留試験方法」(JIS K−0066−199
2)に準じて行った。ただし、フラスコサイズは上述の
ように1000mlのものとして蒸留液の留出速度は3
〜5ml/minの範囲内に調整し、窒素は200ml
/minの速度で該フラスコ内にバブリングした。他の
蒸留条件等は当該規定に準じて設定し単蒸留を行った。
【0053】上記炭化水素1〜4について上記の操作を
行った結果として、上記80%に達した点における炭化
水素と水の組成割合(重量%)をそれぞれ表1に示す。
行った結果として、上記80%に達した点における炭化
水素と水の組成割合(重量%)をそれぞれ表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】実施例1〜8、比較例1〜3 表2に示した処方でもって、水と各炭化水素を混合して
なる洗浄材を調製した。このようにして調製された洗浄
材について以下の各評価を行った。以下の評価の結果は
いずれも表2にまとめて示した。
なる洗浄材を調製した。このようにして調製された洗浄
材について以下の各評価を行った。以下の評価の結果は
いずれも表2にまとめて示した。
【0056】[評価A:組成変化の確認]調製された洗
浄材を1リットルのトールビーカに500mlを入れ、
60℃で窒素を吹き込みながら1週間放置し、1週間後
の水と炭化水素の割合を測定し変化を調べた。変化が5
%未満のものを○、5%以上のものを×で示した。
浄材を1リットルのトールビーカに500mlを入れ、
60℃で窒素を吹き込みながら1週間放置し、1週間後
の水と炭化水素の割合を測定し変化を調べた。変化が5
%未満のものを○、5%以上のものを×で示した。
【0057】[評価B:蒸留による再生の確認試験]1
000mlのガラス製セパラブルフラスコに調製された
洗浄材を700ml張り込み、この中に窒素をバブリン
グすることにより該洗浄材を撹拌させながら大気圧下で
単蒸留を行った。
000mlのガラス製セパラブルフラスコに調製された
洗浄材を700ml張り込み、この中に窒素をバブリン
グすることにより該洗浄材を撹拌させながら大気圧下で
単蒸留を行った。
【0058】水の炭化水素との留出量が、張り込んだ総
量の70%を越えた時点で蒸留の加熱源の電源を切るこ
とにより蒸留を停止し、留出した炭化水素と水の割合を
測定し、その割合を張り込んだ洗浄材におけるそれと比
較した。結果は、蒸留による組成変化が5%未満のもの
を○、5%以上のものを×で示した。
量の70%を越えた時点で蒸留の加熱源の電源を切るこ
とにより蒸留を停止し、留出した炭化水素と水の割合を
測定し、その割合を張り込んだ洗浄材におけるそれと比
較した。結果は、蒸留による組成変化が5%未満のもの
を○、5%以上のものを×で示した。
【0059】[評価C:金属板の洗浄実験]10×70
mmの鋼板を熱処理油に浸漬、引き上げ後1日放置し金
属板洗浄実験のためのテストピースとした。
mmの鋼板を熱処理油に浸漬、引き上げ後1日放置し金
属板洗浄実験のためのテストピースとした。
【0060】洗浄は28kHzの超音波を用い調製され
た洗浄材を撹拌機で撹拌しながら液温60℃で浸漬5分
の条件で行なった。乾燥は80℃、10分の温風乾燥で
行なった。実施例8は純水による濯ぎを乾燥前に行っ
た。
た洗浄材を撹拌機で撹拌しながら液温60℃で浸漬5分
の条件で行なった。乾燥は80℃、10分の温風乾燥で
行なった。実施例8は純水による濯ぎを乾燥前に行っ
た。
【0061】なお、水と炭化水素のみからなる実施例1
〜3および比較例1〜2の洗浄材にあっては、上記撹拌
器による撹拌により分散状態となっていた。
〜3および比較例1〜2の洗浄材にあっては、上記撹拌
器による撹拌により分散状態となっていた。
【0062】本評価は目視で染みの有無(洗浄済みのテ
ストピースについて、目視で観察することにより油汚染
によるシミが無かったものは○、シミの観察されたもの
は×で示した)と、四塩化炭素抽出法による残留油分分
析(洗浄済みテストピースを四塩化炭素により抽出し、
残留油分が0.002g/cm2以下のものを○で、そ
れ以上のものは当該残留油分の数値で示した)により行
った。
ストピースについて、目視で観察することにより油汚染
によるシミが無かったものは○、シミの観察されたもの
は×で示した)と、四塩化炭素抽出法による残留油分分
析(洗浄済みテストピースを四塩化炭素により抽出し、
残留油分が0.002g/cm2以下のものを○で、そ
れ以上のものは当該残留油分の数値で示した)により行
った。
【0063】[評価D:プラスティック材料の洗浄実
験]ワックスを離型剤として用いて射出成形されたグリ
コール系RIMの板をテストピースとした。
験]ワックスを離型剤として用いて射出成形されたグリ
コール系RIMの板をテストピースとした。
【0064】このテストピースに対して28kHzの超
音波を用い、液温80℃で洗浄材を撹拌機で撹拌しなが
ら浸漬1分の洗浄を行い、その後80℃で10分の温風
乾燥を行なった。
音波を用い、液温80℃で洗浄材を撹拌機で撹拌しなが
ら浸漬1分の洗浄を行い、その後80℃で10分の温風
乾燥を行なった。
【0065】なお、水と炭化水素のみからなる実施例1
〜3および比較例1〜2の洗浄材にあっては、上記撹拌
機による撹拌により分散状態となっていた。
〜3および比較例1〜2の洗浄材にあっては、上記撹拌
機による撹拌により分散状態となっていた。
【0066】乾燥後のテストピースに対し市販のプラス
チック用アクリル系塗料により塗装を行った後、JIS
に規定する碁盤目剥離試験により、洗浄性を評価した。
チック用アクリル系塗料により塗装を行った後、JIS
に規定する碁盤目剥離試験により、洗浄性を評価した。
【0067】ここで、JISに規定する碁盤目剥離試験
により剥離の見られなかったものを○、剥離したものを
×で示した。なお、実施例7は洗浄後、同一洗浄材によ
る蒸気洗浄を1分間行ったものである。
により剥離の見られなかったものを○、剥離したものを
×で示した。なお、実施例7は洗浄後、同一洗浄材によ
る蒸気洗浄を1分間行ったものである。
【0068】
【表2】
【0069】
【発明の効果】本発明の洗浄材は、炭化水素と水との組
合せによるものであるが、上記のような特定割合で混合
されてなるために、洗浄操作等の使用中に炭化水素、水
またはその両方が蒸発しても炭化水素と水との比率が変
化することがなく、また、回収・再生のための蒸留操作
を行っても該洗浄材中の炭化水素と水の比率が初めの原
料と実質的に同じ比率で回収することが容易である。
合せによるものであるが、上記のような特定割合で混合
されてなるために、洗浄操作等の使用中に炭化水素、水
またはその両方が蒸発しても炭化水素と水との比率が変
化することがなく、また、回収・再生のための蒸留操作
を行っても該洗浄材中の炭化水素と水の比率が初めの原
料と実質的に同じ比率で回収することが容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11D 7:24 7:26)
Claims (3)
- 【請求項1】 炭化水素と水との1:1(容量比)混合
物を大気圧下で単蒸留させることにより留出する炭化水
素と水の容量を測定し、該炭化水素または水のいずれか
が張り込んだ容量の80%に到達するまでに留出した炭
化水素と水の重量分率をそれぞれ求め、この予め求めた
当該重量分率の±5%の範囲の割合でそれぞれ該炭化水
素と水とを含んでなることを特徴とする炭化水素および
水との組合せからなる洗浄材。 - 【請求項2】 前記炭化水素が、JISに規定する蒸留
試験における初留点の温度が150℃以上、かつ終点の
温度が260℃以下であって、初留点と終点との温度差
が45℃以内の炭化水素混合物である請求項1に記載の
炭化水素および水との組合せからなる洗浄材。 - 【請求項3】 炭素数3〜18のアルコール、エステ
ル、エーテル、一般式R−(OCnH2n)mOH(Rは炭
素数1〜6の脂肪族炭化水素残基、mは1〜3の整数、
nは1〜6の整数を示す)で表わされる化合物、界面活
性剤、非プロトン系極性溶媒から選ばれるいずれか単独
または2種以上の化合物を0.1〜30重量%含有する
請求項1に記載の炭化水素および水との組合せからなる
洗浄材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16981793A JPH073291A (ja) | 1993-06-17 | 1993-06-17 | 洗浄材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16981793A JPH073291A (ja) | 1993-06-17 | 1993-06-17 | 洗浄材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH073291A true JPH073291A (ja) | 1995-01-06 |
Family
ID=15893455
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16981793A Pending JPH073291A (ja) | 1993-06-17 | 1993-06-17 | 洗浄材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH073291A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1996039479A1 (en) * | 1995-06-06 | 1996-12-12 | Intermedics, Inc. | Cleaning process for implantable medical device |
-
1993
- 1993-06-17 JP JP16981793A patent/JPH073291A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1996039479A1 (en) * | 1995-06-06 | 1996-12-12 | Intermedics, Inc. | Cleaning process for implantable medical device |
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