JPH07328054A - 温熱治療装置 - Google Patents

温熱治療装置

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JPH07328054A
JPH07328054A JP14533394A JP14533394A JPH07328054A JP H07328054 A JPH07328054 A JP H07328054A JP 14533394 A JP14533394 A JP 14533394A JP 14533394 A JP14533394 A JP 14533394A JP H07328054 A JPH07328054 A JP H07328054A
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JP
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latent heat
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heating
polyethylene glycol
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JP14533394A
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Shigeyuki Yasuda
繁之 安田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温熱治療効果を高める。 【構成】 貯溜槽11内には、潜熱蓄熱媒体10とし
て、平均分子量が約500〜2000程度(融点が約3
8〜50℃)のポリエチレングリコールを貯溜する。温
熱治療中は、貯溜槽11内の攪拌体13を回転させて熱
蓄熱媒体10を攪拌しながら、電気ヒータ12により潜
熱蓄熱媒体10をその融点よりも僅かに高い温度に均一
に加熱する。この潜熱蓄熱媒体10を、人体の患部に挿
入若しくは埋め込まれたゴム製中空放熱部19内に流し
込む。このゴム製中空放熱部19は、潜熱蓄熱媒体10
の流入量が増えるに従って膨脹し、やがて癌細胞組織1
8に密着した状態になる。この状態で、潜熱蓄熱媒体1
0が放熱し、その熱がゴム製中空放熱部19の薄膜を通
して癌細胞組織18に伝わることで、癌細胞組織18が
正常細胞の耐熱限界温度である41〜44℃に加温さ
れ、癌細胞組織18のみが壊死する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、身体の患部に温熱を与
えて治癒させる温熱療法に用いる温熱治療装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、温熱療法は、癌,気管支炎,
関節炎,腰痛,肩凝り等に有効であることが知られてお
り、特に、最近では、癌患者に苦痛を与えない癌の効果
的な治療方法として注目されてきている。この癌温熱療
法は、癌細胞が正常細胞よりも熱に弱いという性質を利
用したもので、病巣部の癌細胞組織を正常細胞の耐熱限
界温度である41〜44℃程度に加温することによっ
て、癌細胞組織のみを集中的に壊死させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】今日までに開発されて
いる癌の温熱治療装置は、電磁波(マイクロ波,RF
波,赤外線)又は超音波を利用して病巣部を加温するも
のや、人工心肺を使用して血液を加温するものがある
が、いずれの装置も非常に高額であるため、一般の病院
には普及せず、また、治療費用も非常に高くなってしま
う欠点がある。
【0004】また、膀胱等の管腔臓器内にできた癌細胞
組織に対しては、その管腔臓器内に外部より温水を潅流
させてその温水熱により癌細胞組織を直接的に加温する
ことも行われている。しかしながら、この温水療法は、
癌細胞組織を加温する媒体となる水の蓄熱容量(比熱)
が少ないため、加温温度を最適値(41〜44℃)にコ
ントロールすることが難しいという欠点がある。
【0005】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、加温温度を最適値にコントロー
ルすることが容易で、温熱治療効果が高く、しかも、装
置価格を低廉化することができる温熱治療装置を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の温熱治療装置は、潜熱蓄熱媒体をその融点
以上の所定温度に加熱する加熱手段と、人体の患部に挿
入若しくは埋め込まれる中空放熱部と、前記加熱手段に
より所定温度に加熱された潜熱蓄熱媒体を前記中空放熱
部に輸送する輸送パイプとを備えたものである(請求項
1)。
【0007】この場合、潜熱蓄熱媒体として、例えばポ
リエチレングリコールを用いることが考えられるが(請
求項2)、ポリエチレングリコールを用いる場合には平
均分子量が約500〜2000程度のものを用いること
が好ましい(請求項3)。或は、潜熱蓄熱媒体を多数の
カプセルに封入し、これら多数のカプセルを、当該潜熱
蓄熱媒体より融点の低い液体に混ぜ合わせても良い(請
求項4)。
【0008】また、本発明のもう一つの温熱治療装置
は、人体の患部に挿入若しくは埋め込まれる変形自在な
中空放熱部と、この中空放熱部内に封入された潜熱蓄熱
媒体と、人体の外部から電磁波又は超音波を照射して前
記潜熱蓄熱媒体をその融点以上の所定温度に加熱する加
熱手段とを備えている(請求項5)。この場合も、潜熱
蓄熱媒体として平均分子量が約500〜2000程度の
ポリエチレングリコールを用いることが好ましい(請求
項6)。
【0009】
【作用】上述した請求項1の温熱治療装置は、加熱手段
により潜熱蓄熱媒体をその融点以上の所定温度に加熱し
て液状化しつつ、この潜熱蓄熱媒体を、人体の患部に挿
入若しくは埋め込まれた中空放熱部内に輸送パイプを通
して流し込む。この中空放熱部内で潜熱蓄熱媒体が放熱
することで、人体の患部を加温して治療する。
【0010】この場合、潜熱蓄熱媒体は、加熱手段によ
り与えられた熱が固相−液相間の相変化を生じさせる潜
熱として効率良く蓄熱されるので、蓄熱容量が温水と比
較して格段に大きくなり、人体の患部を加温する時間
(放熱時間)を従来の温水に比して長くすることができ
る。しかも、この潜熱蓄熱媒体は、液相から固相への相
変化が生じる融点付近で放熱させることにより、加温温
度(放熱温度)を融点付近の温度に維持しながら持続的
に放熱させることができ、放熱により温度低下する温水
とは異なり、加温温度を一定にした安定した温熱治療が
可能となる。
【0011】ここで、潜熱蓄熱媒体としては、請求項2
のようにポリエチレングリコールを用いることが考えら
れる。このポリエチレングリコールは、口紅等の原料と
して用いられることから明らかなように、たとえ人体の
患部に直接接触したとしても毒性が無く無害であり、し
かも、安価である。
【0012】このポリエチレングリコールは、種々の分
子量のものが市販されているが、分子量が増加するに従
って、融点が高くなる性質がある。この性質を利用し、
請求項3のように、ポリエチレングリコールの平均分子
量を約500〜2000程度に設定すれば、融点を約3
8〜50℃の範囲内に設定することができ、癌の温熱療
法に適した加温温度が得られる。
【0013】ところで、上述した潜熱蓄熱媒体(ポリエ
チレングリコール)は、蓄熱した状態では液体であり、
放熱して冷めると固体に相変化して流動性がなくなるた
め、中空放熱部内で固化した潜熱蓄熱媒体をそのままの
状態で抜き出したり、循環させたりすることはできな
い。この場合でも、温熱治療の最終段階で、固化した潜
熱蓄熱媒体の融点より高い温度に加温された液体(例え
ば分子量の小さいポリエチレングリコール,温水等)を
中空放熱部内に注入すれば、潜熱蓄熱媒体を再び液状態
に相変化させて、中空放熱部から抜き出すことができ
る。
【0014】或は、請求項4のように、潜熱蓄熱媒体を
多数のカプセルに封入し、これら多数のカプセルを、当
該潜熱蓄熱媒体より融点の低い液体に混ぜ合わせること
で、流動性を保つようにしても良い。つまり、各カプセ
ル内の潜熱蓄熱媒体は、冷めると固まるが、このカプセ
ルを浸している液体が流動性を保つので、各カプセルが
液体中を自由に移動でき、冷めたときでも全体として適
度な流動性が保たれる。これにより、中空放熱部と外部
の貯溜槽との間で輸送パイプを通して潜熱蓄熱媒体を循
環させる循環サイクルを構成することが可能となり、温
熱治療時間の長時間化が可能となる。
【0015】一方、請求項5では、潜熱蓄熱媒体が封入
された中空放熱部を人体の患部に挿入若しくは埋め込
む。この後、人体の外部から加熱手段により電磁波又は
超音波を照射して患部を加温すると共に、中空放熱部内
の潜熱蓄熱媒体をその融点以上の所定温度に加熱する。
加熱手段の停止後は、中空放熱部内の潜熱蓄熱媒体が放
熱することで、患部を加温する。
【0016】この場合も、請求項6のように、潜熱蓄熱
媒体として、平均分子量が約500〜2000程度のポ
リエチレングリコールを用いれば、融点を約38〜50
℃の範囲内に設定することができ、癌の温熱療法に適し
た加温温度が得られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1に基づいて
説明する。貯溜槽11内には、潜熱蓄熱媒体10として
ポリエチレングリコールが貯溜されている。この実施例
では、癌の温熱療法に適した加温温度を得るために、ポ
リエチレングリコールの平均分子量を約500〜200
0程度に設定し、融点を約38〜50℃の範囲内に設定
している。この場合、ポリエチレングリコールの平均分
子量を約600〜1400の範囲内に設定すれば、融点
を癌の温熱療法に最適な加温温度である41〜44℃の
範囲内に設定することができる。更に、この実施例で
は、潜熱蓄熱媒体10(ポリエチレングリコール)が冷
めたときでも流動性を保つようにするために、ポリエチ
レングリコールを無数の微小カプセルに封入し、これら
無数のカプセルを、当該ポリエチレングリコールより融
点の低い液体(例えば分子量の小さいポリエチレングリ
コール,水等)に混ぜ合わせている。
【0018】このような潜熱蓄熱媒体10を貯溜する貯
溜槽11には、潜熱蓄熱媒体10を加熱する加熱手段と
して電気ヒータ12が設けられている。更に、貯溜槽1
1内には、潜熱蓄熱媒体10を攪拌して均一に加熱する
ための攪拌体13と、潜熱蓄熱媒体10の温度を検出す
る温度センサ14が設けられている。上記貯溜槽11の
底部には輸送パイプ15が接続され、この輸送パイプ1
5の途中部にポンプ16が設けられている。
【0019】例えば、膀胱等の管腔臓器17にできた癌
細胞組織18を温熱療法により壊死させる場合には、予
め、その管腔臓器17内に外部からゴム製中空放熱部1
9を挿入若しくは手術により埋め込み、このゴム製中空
放熱部19内に輸送パイプ15の先端を挿入する。この
ゴム製中空放熱部19は、癌細胞組織18に密着できる
ように伸縮変形自在で且つ薄肉に形成され、癌細胞組織
18を効率良く加温できるようになっている。また、こ
のゴム製中空放熱部19には、循環パイプ20を接続
し、この循環パイプ20を貯溜槽11に接続することに
よって、ゴム製中空放熱部19と外部の貯溜槽11との
間で輸送パイプ15と循環パイプ20を通して潜熱蓄熱
媒体10を循環させる循環サイクルを構成している。
【0020】温熱治療中は、貯溜槽11内の攪拌体13
を回転させて熱蓄熱媒体10を攪拌しながら、電気ヒー
タ12により潜熱蓄熱媒体10を加熱し、温度センサ1
4により潜熱蓄熱媒体10の温度を検出しながら加熱動
作を制御することによって、潜熱蓄熱媒体10をその融
点よりも僅かに高い温度(例えば44〜45℃前後)に
均一に加熱し、潜熱蓄熱媒体10のカプセル内のポリエ
チレングリコールを液状態に相変化させる。この潜熱蓄
熱媒体10をポンプ16により輸送パイプ15を通して
ゴム製中空放熱部19内に流し込む。このゴム製中空放
熱部19は、潜熱蓄熱媒体10の流入量が増えるに従っ
て膨脹し、やがて癌細胞組織18に密着した状態にな
る。この状態で、ゴム製中空放熱部19内の潜熱蓄熱媒
体10が放熱し、その熱がゴム製中空放熱部19の薄膜
を通して癌細胞組織18に伝わることで、癌細胞組織1
8が正常細胞の耐熱限界温度である41〜44℃に加温
され、癌細胞組織18のみが壊死する。
【0021】この場合、潜熱蓄熱媒体10は、電気ヒー
タ12により与えられた熱が固相−液相間の相変化を生
じさせる潜熱として効率良く蓄熱されるので、蓄熱容量
が温水と比較して格段に大きくなり、癌細胞組織18を
加温する時間(放熱時間)を従来の温水に比して長くす
ることができる。しかも、この潜熱蓄熱媒体10は、液
相から固相への相変化が生じる融点付近で放熱させるこ
とにより、加温温度(放熱温度)を融点付近の温度に維
持しながら持続的に放熱させることができ、放熱により
温度低下する温水とは異なり、加温温度を一定にした安
定した温熱治療が可能となる。
【0022】ところで、潜熱蓄熱媒体10のカプセル内
のポリエチレングリコールは、放熱するに従って徐々に
固体に相変化して流動性がなくなるが、このポリエチレ
ングリコールを封入したカプセルを、当該ポリエチレン
グリコールより融点の低い液体に混ぜ合わせているの
で、カプセル内のポリエチレングリコールが冷めて固ま
っても、このカプセルを浸している液体が流動性を保つ
ことで、各カプセルが液体中を自由に移動でき、冷めた
ときでも潜熱蓄熱媒体全体として流動性が保たれる。こ
れにより、ゴム製中空放熱部19と外部の貯溜槽11と
の間で輸送パイプ15と循環パイプ20を通して潜熱蓄
熱媒体10を循環させる循環サイクルを構成することが
可能となる。
【0023】そこで、この実施例では、温熱治療中に、
ポンプ16を作動させて潜熱蓄熱媒体10をゴム製中空
放熱部19内に少量ずつ流し込むことによって、ゴム製
中空放熱部19内の放熱し終えた潜熱蓄熱媒体10を徐
々に循環パイプ20を通して貯溜槽11へ戻す。このよ
うな潜熱蓄熱媒体10の循環により、温熱治療時間を長
時間化することができる。
【0024】尚、温熱治療終了後は、ポンプ16を逆回
転させて、ゴム製中空放熱部19内の潜熱蓄熱媒体10
を抜き出して貯溜槽11内に回収する。これにより、管
腔臓器17からのゴム製中空放熱部19の取り出しも容
易になる。
【0025】以上説明した第1実施例では、潜熱蓄熱媒
体10を循環させるようにしたが、必ずしも循環させる
必要はない。何故ならば、潜熱蓄熱媒体は、加熱手段
(電気ヒータ12)により与えられた熱を潜熱として効
率良く蓄熱することができるので、蓄熱容量が温水と比
較して格段に大きく、しかも、液相から固相への相変化
が生じる融点付近で放熱させることにより、加温温度
(放熱温度)を融点付近の温度に維持しながら持続的に
放熱させることができるので、循環させなくても、ある
程度の時間は加温温度を一定化することができるからで
ある。これに対し、温水は放熱に伴って加温温度が低下
してしまうので、循環させなければ、加温温度を一定化
することは不可能である。
【0026】尚、潜熱蓄熱媒体を循環させない場合に
は、温熱治療の最終段階で、潜熱蓄熱媒体の融点より高
い温度に加熱された液体(例えば分子量の小さいポリエ
チレングリコール,温水等)をゴム製中空放熱部19内
に注入すれば、潜熱蓄熱媒体を再び液状態に相変化させ
て、ゴム製中空放熱部19から抜き出すことができる。
この場合、温熱治療開始当初に、分子量の小さいポリエ
チレングリコールを通常よりも若干高めの温度に加温
し、それを輸送パイプ15を通してゴム製中空放熱部1
9内に少量流し込むことで、輸送パイプ15とゴム製中
空放熱部19を予備的に加熱し、その後、平均分子量が
約500〜2000程度のポリエチレングリコールをそ
の融点以上の所定温度に加熱してゴム製中空放熱部19
内に流し込むようにしても良い。
【0027】また、前述した第1実施例では、ゴム製中
空放熱部19を人体の患部に挿入若しくは埋め込んだ後
に、このゴム製中空放熱部19内に潜熱蓄熱媒体10を
注入するようにしたが、図2に示す本発明の第2実施例
のように、予め、潜熱蓄熱媒体23を封入したゴム製中
空放熱部21を、人体の患部に挿入若しくは埋め込んで
おき、それを人体の外部から加熱手段により加熱するよ
うにしても良い。ここで使用する加熱手段としては、例
えば図3に示すRF波加温装置22,マイクロ波加温装
置,赤外線加温装置,超音波加温装置等を使用すれば良
い。この第2実施例においても、潜熱蓄熱媒体23とし
て、平均分子量が約500〜2000程度のポリエチレ
ングリコール(更に好ましくは平均分子量が約600〜
1400程度のポリエチレングリコール)を用いれば、
癌の温熱療法に適した加温温度を得ることができる。
【0028】この第2実施例によれば、人体の外部から
加熱手段により電磁波又は超音波を照射して患部を加温
すると共に、ゴム製中空放熱部21内の潜熱蓄熱媒体2
3をその融点以上の所定温度(例えば41〜44℃)に
加熱する。加熱手段の停止後は、ゴム製中空放熱部21
内の潜熱蓄熱媒体23が放熱することで、患部を加温す
る。これにより、加熱手段による加温と潜熱蓄熱媒体2
3による加温とを組み合わせた効果的な温熱治療が可能
となる。
【0029】以上説明した第1及び第2の両実施例で
は、いずれも、潜熱蓄熱媒体10,23として、人体に
無害なポリエチレングリコールを用いているので、たと
え、潜熱蓄熱媒体10,23が人体の患部に直接接触し
たとしても安全であり、しかも、安価であるという利点
がある。但し、本発明は、ポリエチレングリコール以外
の潜熱蓄熱媒体を用いても良く、また、ポリエチレング
リコールを用いる場合でも、患部の箇所や癌の進行具合
によっては、平均分子量が2000以上のものを用いて
特殊な温熱療法を施すようにしても良いことは言うまで
もない。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項1の温熱治療装置によれば、潜熱蓄熱媒体を用
いて効率良く蓄熱することができるので、蓄熱容量が温
水と比較して格段に大きくなり、人体の患部を加温する
時間(放熱時間)を従来の温水に比して長くすることが
できる。しかも、この潜熱蓄熱媒体は、液相から固相へ
の相変化が生じる融点付近で放熱させることで、加温温
度(放熱温度)を融点付近の温度に維持しながら持続的
に放熱させることができ、放熱により温度低下する温水
とは異なり、加温温度を一定にした安定した温熱治療が
可能となる。
【0031】更に、請求項2のように、潜熱蓄熱媒体と
してポリエチレングリコールを用いれば、たとえ人体の
患部に潜熱蓄熱媒体が直接接触したとしても人体に無害
であり、しかも、安価である。
【0032】この場合、請求項3のように、ポリエチレ
ングリコールの平均分子量を約500〜2000程度に
設定すれば、融点を約38〜50℃の範囲内に設定する
ことができ、癌の温熱療法に適した加温温度が得られ
る。
【0033】更に、請求項4のように、潜熱蓄熱媒体を
多数のカプセルに封入し、これら多数のカプセルを、当
該潜熱蓄熱媒体より融点の低い液体に混ぜ合わせれば、
潜熱蓄熱媒体が冷めたときでも、カプセルを浸している
液体の流動性によって、潜熱蓄熱媒体全体として適度な
流動性を保つことができる。これにより、中空放熱部と
外部の貯溜槽との間で輸送パイプを通して潜熱蓄熱媒体
を循環させる循環サイクルを構成することが可能とな
り、温熱治療時間の長時間化が可能となる。
【0034】一方、請求項5では、潜熱蓄熱媒体が封入
された中空放熱部を人体の患部に挿入若しくは埋め込ん
だ後、人体の外部から加熱手段により電磁波又は超音波
を照射して患部を加温すると共に、中空放熱部内の潜熱
蓄熱媒体をその融点以上の所定温度に加熱することがで
きるので、加熱手段による加温と潜熱蓄熱媒体23によ
る加温とを組み合わせた効果的な温熱治療が可能とな
る。
【0035】この場合も、請求項6のように、潜熱蓄熱
媒体として、平均分子量が約500〜2000程度のポ
リエチレングリコールを用いれば、融点を約38〜50
℃の範囲内に設定することができ、癌の温熱療法に適し
た加温温度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す温熱治療装置全体の
概略構成図
【図2】本発明の第2実施例を示すゴム製中空放熱部の
縦断面図
【図3】本発明の第2実施例において加熱手段として用
いるRF波加温装置の斜視図
【符号の説明】
10…潜熱蓄熱媒体、11…貯溜槽、12…電気ヒータ
(加熱手段)、13…攪拌体、14…温度センサ、15
…輸送パイプ、16…ポンプ、17…管腔臓器、18…
癌細胞組織(患部)、19及び21…ゴム製中空放熱
部、22…RF波加温装置(加熱手段)、23…潜熱蓄
熱媒体。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜熱蓄熱媒体をその融点以上の所定温度
    に加熱する加熱手段と、 人体の患部に挿入若しくは埋め込まれる中空放熱部と、 前記加熱手段により所定温度に加熱された潜熱蓄熱媒体
    を前記中空放熱部に輸送する輸送パイプとを備えた温熱
    治療装置。
  2. 【請求項2】 前記潜熱蓄熱媒体としてポリエチレング
    リコールを用いたことを特徴とする請求項1記載の温熱
    治療装置。
  3. 【請求項3】 前記ポリエチレングリコールの平均分子
    量を約500〜2000程度に設定したことを特徴とす
    る請求項2記載の温熱治療装置。
  4. 【請求項4】 前記潜熱蓄熱媒体を多数のカプセルに封
    入し、これら多数のカプセルを、当該潜熱蓄熱媒体より
    融点の低い液体に混ぜ合わせたことを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載の温熱治療装置。
  5. 【請求項5】 人体の患部に挿入若しくは埋め込まれる
    変形自在な中空放熱部と、 この中空放熱部内に封入された潜熱蓄熱媒体と、 人体の外部から電磁波又は超音波を照射して前記潜熱蓄
    熱媒体をその融点以上の所定温度に加熱する加熱手段と
    を備えた温熱治療装置。
  6. 【請求項6】 前記潜熱蓄熱媒体として平均分子量が約
    500〜2000程度のポリエチレングリコールを用い
    たことを特徴とする請求項5記載の温熱治療装置。
JP14533394A 1994-06-03 1994-06-03 温熱治療装置 Pending JPH07328054A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009534166A (ja) * 2006-04-24 2009-09-24 ババエヴ,エイラズ 超音波エネルギを付与されたポリマを用いて痛みを緩和する装置および方法。

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009534166A (ja) * 2006-04-24 2009-09-24 ババエヴ,エイラズ 超音波エネルギを付与されたポリマを用いて痛みを緩和する装置および方法。

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