JPH07328036A - 骨内インプラントおよびその製造方法 - Google Patents

骨内インプラントおよびその製造方法

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JPH07328036A
JPH07328036A JP6132348A JP13234894A JPH07328036A JP H07328036 A JPH07328036 A JP H07328036A JP 6132348 A JP6132348 A JP 6132348A JP 13234894 A JP13234894 A JP 13234894A JP H07328036 A JPH07328036 A JP H07328036A
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JP
Japan
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main body
implant
titanium
intraosseous implant
collar
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JP6132348A
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English (en)
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Toshio Ushito
敏夫 牛頭
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 つば部と本体部の表面状態を変えるととも
に、その境界面の段差をできるだけ小さくし、また、骨
吸収をできるだけ抑制し、初期固定力の高いインプラン
トを安定して提供する。 【構成】 平滑な機械加工面を有するつば部(1)と凹
凸面の本体部(2)からなるシリンダータイプの骨内イ
ンプラントにおいて、つば部(1)と本体部(2)の境
界面の段差を±20μm以下にし、また、インプラント
の芯体は、チタン、チタン合金、コバルト−クロム系合
金などの金属や酸化アルミニウム、酸化ジルコニムなど
のセラミックスから構成し、また、本体部(2)表面に
は、チタン、チタン酸化物および生体活性材料の溶射法
などによる被覆層(2′)を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、歯科用および顎顔面
補綴用に使用される骨内インプラントのうち、押し込み
タイプのインプラントとその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】歯科の分野における骨内インプラント
(以下、「インプラント」という。)では、ブレードタ
イプとシリンダータイプの2種類のインプラントがある
が、現在では、埋植時の操作性が良いということから後
者のシリンダータイプのインプラントが主流となってい
る。
【0003】このシリンダータイプのインプラントは、
円筒状の形状をもち、顎骨内の全部位に埋植することが
できる。そしてこの埋植の手術様式には、押し込みタイ
プとネジ込みタイプの2種類がある。通常、このインプ
ラントの上部には、一般的に「つば」と呼ばれる表面が
平滑な部分が設けられている。つば部の表面を平滑にす
ることは、口腔内からの雑菌の進入を防ぐ効果がある
が、つば部そのものは、本体部のようにインプラントの
骨内維持には寄与しない。
【0004】また、つば部の下の部分の本体部は、イン
プラントを骨内に維持し、口腔内に発生するいろいろな
応力に対してインプラントを動揺、脱落から守る機能を
有している。そして、インプラントにはネジ型インプラ
ントおよび凹凸インプラントがあり、これらの本体部は
一般にネジや表面の凹凸などの機械的なアンカリングに
より骨内に維持される形態になっている。
【0005】表面に凹凸を付与する方法としては、ブラ
スト処理により洗浄粗面化を行った後にプラズマ溶射法
によりチタン粉末や生体活性材料などを被覆したり、陽
極酸化処理により表面に酸化物層を形成させたりするこ
とが一般的に行われている。また、インプラントを骨に
埋植する一般的な方法には、「一回法」と「二回法」が
あり、インプラントの埋植後は、つば部の一部または全
部が骨内に埋め込まれた状態になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、インプラ
ントのつば部については、口腔内から雑菌の進入を防ぐ
ために平滑化して、その部分の密着性を良くすることが
必要となる。しかしながら、押し込みタイプのインプラ
ントには、加工コストの低減のためと思われるが、骨と
接触するインプラント表面をすべて溶射した後に、つば
部を機械加工により切削したもの、例えば、西ドイツの
フリードリッヒスフェルト(Friedrichsfeld)社のIMZ
タイプのインプラント知られている。
【0007】このようなインプラントの場合には、つば
部と骨に隙間があくため、埋植直後に口腔内からの雑菌
が進入しやすくなり、感染・炎症を経て骨吸収を生じる
という欠点がある。また、つば部と本体部ともに凹凸面
のままの場合には、つば部とインプラントとの直接的な
密着力は増大するが、凹凸部分は、プラークも付着しや
すく、口腔内からの雑菌も進入しやすくなり、同様に感
染・炎症を経て骨吸収につながりやすく、ついには脱落
を招くことが非常に多いという問題がある。
【0008】このようなことから、従来ではつば部と本
体部では表面の状態を変えることが必要条件となってい
るが、つば部と本体部の境界面に段差を作らないように
加工することは大変難しいという問題があった。この発
明は、このような従来の問題を解消し、つば部と本体部
の表面状態を変えるとともに、その境界面の段差をでき
るだけ小さくし、また、骨吸収をできるだけ抑制し、初
期固定力の高いインプラントを安定して提供することを
目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するも
のとして、この本発明は、「平滑な機械加工面を有する
つば部と凹凸面の本体部からなるシリンダータイプの骨
内インプラントにおいて、つば部と本体部との境界面の
段差を±20μm以下にしたことを特徴とする骨内イン
プラント(請求項1)」を提供する。
【0010】また、この発明では、「骨内インプラント
の芯体が、チタン、チタン合金およびコバルト−クロム
系合金のいずれか1種の金属からなる骨内インプラント
(請求項2)」や、「骨内インプラントの芯体が、酸化
アルミニウム、酸化ジルコニウムのいずれか1種のセラ
ミックスからなる骨内インプラント(請求項3)」、
「本体部表面にチタン、チタン酸化物、生体活性材料の
いずれかの被覆層を有する骨内インプラント(請求項
4)」、本体部表面への被覆層が溶射法またはPVD法
による被覆層であるインプラント(請求項5)」、並び
に「金属またはセラミックスからなる素材を平滑面に加
工してつば部および本体部からなる芯体を作製し、本体
部を清浄粗面化し、次いで本体部表面に被覆層を形成
し、つば部と本体部との境界面の段差を±20μmを形
成することを特徴とする骨内インプラントの製造方法
(請求項6)」を提供する。
【0011】
【作用】この発明のインプラントでは、本体部の寸法を
予め、つば部よりも小さく加工しておき、本体部表面に
のみ凹凸面を付与する際に、被覆する材料の膜厚をコン
トロールすることにより、つば部と本体部との段差を±
20μm以下にしたので、表面状態を変えることができ
るとともに、骨吸収を抑制でき、初期固定力の高いイン
プラントを安定して提供することができる。
【0012】この発明のインプラントにおいては、芯体
の材料としては、チタン、チタン合金、コバルト−クロ
ム系合金などの金属や酸化アルミニウム、酸化ジルコニ
ウムなどのセラミックスが好ましいが、これらに限定さ
れるものではない。インプラントの上部のつば部とその
下部の本体部からなる芯体を加工するときには、本体部
の寸法を予め、つば部よりも小さく加工し、段差を設け
ておくのがよい。この段差は50μm程度が好ましい。
この段差を50μmよりも大きくすると、本体部に後述
の溶射を施すとき溶射時間が長くなるので、経済的でな
い。また、この段差を50μmよりも小さくするのは、
加工上大変難しく、品質の安定した加工品が得られにく
い。
【0013】次に、つば部をマスキングし、前処理とし
て、例えば、ブラスト処理で表面を洗浄粗面化してお
く。この場合、ブラスト処理後に、さらに酸によるエッ
チングを行って表面をより粗面化してもよい。このとき
の最大表面粗さは、被覆層との十分な付着強度を得るた
めに、20〜40μmの範囲が好ましい。さらに、チタ
ンまたはチタン酸化物や生体活性材料をプラズマ溶射法
やフレーム溶射法などの溶射法により本体部表面に被覆
するが、このとき、つば部の寸法にできるだけ近くなる
ように膜厚をコントロールすることが重要である。この
ために、予め、つば部と本体部の寸法をレーザー外径寸
法測定器などで測定しておき、膜厚をコントロールする
ための基礎データとすることが好ましい。膜厚として
は、通常は、ミクロンオーダーでコントロールすること
ができるので、この段差を20μm以下にすることは容
易にできる。
【0014】ここでいう段差が20μm以下とは、つば
部を基準にして「つば部−本体部=20〜0μm」とい
う意味であるが、本体部を基準にして「本体部−つば部
=0〜20μm」であっても構わない。即ち、±20μ
m以下にすることである。この段差は20μmを超える
と、骨吸収を抑制できなくなり、初期固定力の高いイン
プラントを安定して得ることが難しくなる。
【0015】特に、この段差が100μm以上になると
初期固定力の高いインプラントを得ることが難しくなる
ばかりか、骨吸収も進み易くなり、インプラントと骨と
が直接、接触する面積が減少する。骨吸収が甚だしい場
合には、交合による応力にインプラントが耐えられず
に、インプラントの脱落、破折を招くことになる。とこ
ろで、凹凸インプラントの場合は、ネジ型インプラント
と異なり、ネジで初期固定するわけではないので、歯科
医の手によって行われるドリルによる穿孔窩を精度良く
あけることが、まず大事である。次に、チタンまたはチ
タン酸化物および生体活性材料による被覆層は、プラズ
マ溶射法やフレーム溶射法などの溶射法の他にスパッタ
リングやイオンプレーティングなどのPVD法で形成す
ることができるが、この方法に限定されるものではな
い。
【0016】生体活性材料としては、例えば水酸化アパ
タイト(HAP)、リン酸三カルシウム、アパタイトコ
ンポジットセラミックス(ABC)などのセラミック
ス、生体活性ガラスや結晶化ガラスセラミックスなどが
使用できるが、これらに限定されるものではない。な
お、つば部については、機械加工による切削加工面で問
題はないが、更に、その表面を鏡面研磨したり、窒化チ
タンのイオンプレーティングを施すなどにより親和性を
改善してもかまわない。
【0017】以下、実施例によりこの発明を具体的に説
明するが、この発明はこれに限定されるものではない。
【0018】
【実施例】図1は、この発明の実施例としてのインプラ
ントの芯体の概略側面図であり、図2は、インプラント
の概略側面図である。インプラントでは、つば部(1)
と本体部(2)の芯体はチタンからなり、本体部2の芯
体の表面にはチタンパウダーの溶射による被覆層
(2′)が形成されている。つば部(1)と本体部
(2)の境界面の段差(3)は20μm以下である。
【0019】このインプラントは以下の方法で作製し
た。先ず、チタンからなり、本体部(2)の径の寸法を
つば部(1)の径の寸法よりも細く機械加工して、本体
部(2)とつば部(1)の境界面に50μmの段差
(3)を形成する。このようにして、図1に例示した直
径4mm、長さ10mm、つば部(1)の長さ2mm、
本体部(2)の長さ8mmのインプラント芯体を作製し
た。そして、そのつば部(1)をマスキングして、本体
部(2)の表面だけをブラスト処理により粗さ20μm
〜40μmに清浄粗面化し、次いでこの本体部(2)の
表面上にプラズマ溶射法により粒度が5〜45μmのチ
タンパウダーを溶射して、つば部(1)の寸法との段差
が20μm以下になるように被覆層(2′)を形成し、
図2に示すインプラント(A)を作製した。
【0020】また、比較のために、同様にしてこの段差
が100μmになるように加工したインプラント(B)
と、これらとは逆に本体部を基準にして、つば部の方が
20μm以下になるように加工したインプラント(C)
を作製した。 〔埋植試験〕インプラント(A)とインプラント(B)
およびインプラント(C)を各2本づつ、犬の顎骨に埋
植した。そして、3ケ月経過後にこのインプラントを顎
骨といっしょに摘出し、一本は強度試験、即ちトーショ
ン試験を行った。
【0021】また、もう一本は病理組織標本を作製し、
インプラントのつば部と骨との接触状態を観察した。ト
ーション試験の結果は、インプラント(A)とインプラ
ント(C)には有意な差はなかったが、インプラント
(B)よりも初期固定力は高い値が得られた。また、病
理組織観察の結果は、インプラント(B)のつば部の骨
吸収がインプラント(A)およびインプラント(C)よ
りも進んでいることが確認された。
【0022】
【発明の効果】以上の通り、この発明の骨内インプラン
トは、骨吸収を抑制することができ、結果として、初期
固定力の高いインプラントを安定して得ることが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例としてのインプラントの芯体の側面図で
ある。
【図2】実施例としてのインプラントの側面図である。
【符号の説明】
1 骨内インプラントのつば部 2 骨内インプラントの本体部 2′ 骨内インプラントの本体部表面に設けた被覆層 3 つば部と本体部との段差

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平滑な機械加工面を有するつば部と凹凸
    面の本体部からなるシリンダータイプの骨内インプラン
    トにおいて、つば部と本体部との境界面の段差を±20
    μm以下にしたことを特徴とする骨内インプラント。
  2. 【請求項2】 骨内インプラントの芯体が、チタン、チ
    タン合金およびコバルト−クロム系合金のいずれか1種
    の金属からなることを特徴とする請求項1の骨内インプ
    ラント。
  3. 【請求項3】 骨内インプラントの芯体が、酸化アルミ
    ニュウム、酸化ジルコニウムのいずれか1種のセラミッ
    クスからなることを特徴とする請求項1の骨内インプラ
    ント。
  4. 【請求項4】 本体部表面にチタン、チタン酸化物、生
    体活性材料のいずれかの被覆層を有することを特徴とす
    る請求項1ないし請求項3のいずれかの骨内インプラン
    ト。
  5. 【請求項5】 本体部表面への被覆層が溶射法またはP
    VD法による被覆層であることを特徴とする請求項4の
    骨内インプラント。
  6. 【請求項6】 金属またはセラミックスからなる素材を
    平滑面に加工してつば部および本体部からなる芯体を作
    製し、本体部を清浄粗面化し、次いで本体部表面に被覆
    層を形成し、つば部と本体部との境界面の段差を±20
    μmを形成することを特徴とする骨内インプラントの製
    造方法。
JP6132348A 1994-06-15 1994-06-15 骨内インプラントおよびその製造方法 Withdrawn JPH07328036A (ja)

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