JPH07326002A - 情報記録再生方法及び情報記録再生装置 - Google Patents

情報記録再生方法及び情報記録再生装置

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JPH07326002A
JPH07326002A JP12038994A JP12038994A JPH07326002A JP H07326002 A JPH07326002 A JP H07326002A JP 12038994 A JP12038994 A JP 12038994A JP 12038994 A JP12038994 A JP 12038994A JP H07326002 A JPH07326002 A JP H07326002A
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microwaves
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JP12038994A
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English (en)
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Masaya Ishida
方哉 石田
Satoshi Nehashi
聡 根橋
Takeo Kawase
健夫 川瀬
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気記録媒体の再生分解能を向上することに
より面記録密度を向上し、同時に記録層を多層化して各
層に記録を行った記録媒体の各層からの情報の再生を可
能にして、記録媒体の記録容量の増大を図る。 【構成】 マイクロ波を情報記録媒体に照射して、記録
情報を磁性膜におけるマイクロ波の吸収の有無に対応さ
せて情報の再生を行なう。マイクロ波が照射されている
情報記録媒体に局所的に磁界を印加して情報の再生を行
なう。磁界の印加手段として薄膜磁気ヘッドを用いる。
また、複数の周波数のマイクロ波を記録媒体に照射し
て、あるいは、再生時の印加磁界の大きさを変えて、記
録層を多層化した記録媒体からの情報を再生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波を用いた情
報記録再生方法及び情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】情報化社会を迎えて、我々が取り扱う情
報量は飛躍的に増大している。その中で、情報の記録再
生装置は欠かせないものとなってきており、コンピュー
タの周辺機器分野ではフロッピーディスク、ハードディ
スクが、AV関連分野ではビデオテープレコーダーが広く
普及している。これらの情報記録装置の記録密度の向上
は著しく、それに伴い記録容量も年々増大している。こ
れらの磁気記録媒体は、半導体メモリに比べて1ビット
当たりのコストが非常に安価であり、大容量の情報が必
要な用途には適している。しかし、今後に発展が期待さ
れているマルチメディア環境においては、画像、音声な
どを含む膨大な情報を取り扱うことが予想され、磁気記
録の中では記録密度が高いハードディスクでさえも、な
お記録容量が不足するであろう。そこで、磁気記録のさ
らなる高密度化、大容量化が検討されている。
【0003】ハードディスクにおいては、高密度化の切
り札として垂直磁気記録方式が挙げられる。このように
記録密度が増大すると、記録媒体と磁気へッドの距離を
小さくせねばならない。現状のハードディスク装置にお
いて磁気ヘッドの浮上量は0.1ミクロン程度であり、今
後、これを飛躍的に小さくするためには、記録媒体の表
面状態、磁気ヘッド浮上量のより精密な制御などといっ
た課題を克服せねばならず、記録密度を向上するために
多大な努力が必要となる。そのため、現状の安価なビッ
トコストのまま記録容量を飛躍的に増大させることが難
しいと考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】磁気記録方式におい
て、磁気ヘッドを用いて超高密度の磁区形成は可能であ
ることが知られている。例えば、「日本応用磁気学会第
79回研究会資料」、P9、「超高密磁気記録のための磁
気メディアと記録磁界」、によれば、垂直磁気記録方式
により0.05ミクロン程度のサイズの磁区形成は可能であ
る。しかしながら、このように超高密度に記録した磁気
情報の再生は、再生信号のSN比が低下するために現実
的には困難であり、現在では0.2ミクロン程度のサイズ
の情報までしか再生できない。つまり、磁気記録方式で
は、記録時の分解能に比べて再生時の分解能が低いとい
う課題を有している。
【0005】また、磁気記録媒体において、記録層を多
層化することにより記録容量を増大しようという試みは
容易に思いつく。そして、そのように多層化された磁性
膜の各層に、情報の記録を行なうことは比較的に容易で
ある。しかし、多層に記録された情報を再生することは
非常に難しい。磁気ヘッドを用いる場合は、磁気ヘッド
と近接している記録層からの情報は再生が容易に可能で
あるが、磁気ヘッドと記録層との距離が増加すると情報
の再生は著しく困難になる。また、再生信号に及ぼす近
接した磁性層からの影響が強いために、それ以外の磁性
層からの良好な情報の再生を妨げる。このため、磁気記
録方式では記録層の多層化による記録容量の飛躍的な増
大は困難である。
【0006】以上述べたように、磁気記録方式では、再
生時の分解能が低く、さらに記録層を多層化して記録容
量を増大できないという課題を有していた。
【0007】そこで、本発明の目的は、高密度な記録再
生が可能な情報記録再生方法及び情報記録再生装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の情報記録再生方
法は、マイクロ波を情報記録媒体に照射して、情報記録
媒体でのマイクロ波の吸収を用いて情報の再生を行なう
情報記録再生方法において、マイクロ波が照射されてい
る情報記録媒体の一部に局所的に磁界を印加して情報の
再生を行なう。周波数の異なるマイクロ波を照射して情
報の再生を行なってもよい。印加する磁界の大きさを変
化させて情報の再生を行なってもよい。
【0009】また、本発明の情報記録再生装置は、少な
くとも1種類以上の周波数のマイクロ波を情報記録媒体
に照射する手段と、情報記録媒体におけるマイクロ波の
吸収を検出する手段と、情報記録媒体に局所的に磁界を
印加する手段を有する。情報記録媒体に局所的に磁界を
印加する手段は薄膜磁気ヘッドが望ましい。さらに、磁
界の大きさを変化させる手段を有することも望ましい。
【0010】
【作用】マイクロ波を用いた情報の再生原理について説
明する。磁気モーメントmを静磁界H中に配置すると、
磁気モーメントは歳差運動を行なう。この歳差運動の様
子を図2に示す。この歳差運動は時間とともに減衰して
静磁界の方向へ向いてしまう(図2(b))。ここで、静
磁界Hと垂直方向に歳差運動と同じ周波数の高周波磁界
0を印加すると、この歳差運動は減衰することなく続
く。電磁波は、その進行方向に対して垂直方向に電界と
磁界ベクトルを有し、それらの大きさは電磁波と同じ周
波数で変化する。そのため、静磁界中に配置した磁気モ
ーメントに、静磁界と電磁波の磁界ベクトルが垂直とな
るようにある周波数の電磁波を照射すると、磁気モーメ
ントは歳差運動を続け(図2(a))、電磁波のエネルギ
ーは磁気モーメントに吸収される。この現象を磁気共鳴
といい、磁気モーメントの歳差運動の周波数を共鳴周波
数と呼ぶ。強磁性体などの磁性体を静磁界中に配置した
場合もこれと同様に振る舞う。即ち、各磁気モーメント
が交換結合により一様に動くために、全体が一つの磁化
Mとして歳差運動を行なう。この歳差運動の共鳴周波数
が100MHz〜100GHzにあり、マイクロ波の周波数帯に相当
する。従って、磁性体にある周波数のマイクロ波を照射
すると、マイクロ波が磁性体で吸収されることになる。
【0011】試料として薄膜状の磁性体を用い、その磁
性体が膜面に対して垂直方向に異方性磁界HAが働くと
すると、マイクロ波の周波数と印加磁界の関係は次式で
示される。
【0012】静磁場Hrが試料面内にある場合:
【0013】
【数1】
【0014】静磁場Hrが試料と垂直である場合:
【0015】
【数2】
【0016】ここで、ω0は共鳴周波数、Mは磁化、γ
は磁気回転比を表す。これらの式から、磁性膜の磁気特
性が異なる場合に、共鳴周波数が異なることがわかる。
ある一定磁界を印加して、さらにある周波数のマイクロ
波を照射した場合に、磁化Mの向きと静磁界Hrの向き
が一致する場合としない場合では、磁気共鳴の様子が異
なる。このことから、共鳴条件を満たすか否かを磁化の
向きに対応させることにより、マイクロ波による情報の
再生が可能となることがわかる。
【0017】次に、マイクロ波による情報の再生の感度
について述べる。磁気共鳴の検出感度は、通常最小スピ
ン数Nminで評価されるが、その値は、
【0018】
【数3】
【0019】と表されることが知られている。これは、
試料を空洞共振器内に配置した場合の検出感度である。
ここで、Vはマイクロ波空洞共振器の体積、Q0はその
Q値、ΔH0/H0は共鳴磁場H0と吸収線幅ΔH0の比、
Bは増幅機の帯域幅、P0はマイクロ波電力である。代
表的な系においては、Nminは109〜1010のオーダーとな
る。この値は、磁気共鳴の検出が非常に高感度であり、
高密度に記録された情報の再生に適していることを示し
ている。
【0020】以上で説明したのように、マイクロ波によ
る情報の再生は非常に検出感度が高い。しかしながら、
マイクロ波を1ミクロン角以下に絞り込むことは困難で
ある。そのため、ディスク状やカード型の記録媒体を想
定した場合、マイクロ波のみを用いて高い面分解能、即
ち高い面記録密度を実現することが困難である。そこ
で、マイクロ波が照射されている記録媒体の一部に局所
的に磁界を印加するという工夫により、高い面記録密度
の実現を達成した。図1にその再生原理を示す。磁気ヘ
ッド101などの磁界印加手段により記録媒体の一部103に
局所的に磁界を印加する。このときに、記録膜106の磁
化107の向きがある方向に向いているときにのみ磁気共
鳴を起こすように、マイクロ波102の周波数と磁気ヘッ
ド101による印加磁界の大きさを設定しておく。この場
合、磁界が印加されていない領域については磁気共鳴が
起きないためにマイクロ波は吸収されない。マイクロ波
の吸収は、磁界が印加された領域の中で、尚かつ特定の
条件が満たされたときにのみ起きるため、非常に高い面
記録密度を得ることが可能である。
【0021】次に、マイクロ波を用いると複数の積層さ
れた記録層からの情報も再生について述べる。電磁波の
良導体に対する侵入深さ(スキンデプス)は、
【0022】
【数4】
【0023】と表される。ここで、μは透磁率、ωは角
周波数、σは導電率を表す。周波数10GHz程度のマイク
ロ波を良導体に照射した場合、1ミクロン前後の侵入深
さの値となる。従って、1000Åの厚みの磁性層の記録層
として用いた場合には、十層程度の多層化が可能であ
る。さらに、マイクロ波による再生は非常に高感度であ
ることから、記録層の膜厚を従来の磁気記録膜よりもか
なり薄くすることが可能となる。そのため、記録層を多
層化してもトータルの膜厚はあまり増加しない。このよ
うに、磁性層の膜厚を薄くすることで、多くの磁性膜を
積層してもマイクロ波は十分侵入することが可能であ
る。そのため、各記録層の磁気特性を変えて共鳴磁界や
共鳴周波数を変えることにより、膜厚方向の多重記録さ
れた情報の再生がマイクロ波を用いることにより可能と
なる。図3に記録層を多層化した場合の再生原理を示
す。図3は簡単のために記録層を2層とした場合につい
て示す。周波数の異なる2種類のマイクロ波301a,301b
を記録媒体に照射する。再生時に、磁気ヘッド101によ
り記録媒体の一部103に局所的に磁界を印加する。第1
記録層303は、局所的に磁界を印加された領域の一部302
aが周波数ω1の第1マイクロ波301aの照射により共鳴す
るように磁気特性を設定する。第2記録層304は、その
一部302bが周波数ω2の第2マイクロ波301bの照射によ
り共鳴するように磁気特性を設定する。それぞれのマイ
クロ波の吸収を別々に検出することにより、第1記録層
と第2記録層に記録された情報を独立に再生することが
できる。このように、マイクロ波を用いることにより、
多層化した記録層からの情報を独立に再生することが可
能となるため、従来の記録再生方式に比べて記録容量を
数倍に増大することができる。
【0024】以上に述べたように、マイクロ波を用いた
情報の再生方法を磁気ヘッドによる再生方法と比較する
と、局所的に磁界が印加された領域により面方向の分解
能が決まるため、面記録密度は同程度ないしはそれ以上
であり、膜厚方向の多重記録した情報の再生が可能であ
ることから、マイクロ波による再生の方が数倍以上の記
録容量が得られる。
【0025】
【実施例】以下で具体的な実施例により、本発明を説明
する。
【0026】実施例1:図4は、情報の再生に用いた装
置のブロック図である。マイクロ波発振源405としてガ
ンダイオードを用いた。マイクロ波の周波数は9.3GHz、
マイクロ波のパワーは1mWに設定した。マイクロ波検出
器404にはGaAsショットキー・バリア・ダイオードを用
い、ホモダイン検波により信号の検出を行なった。ガン
ダイオードで発振されたマイクロ波を導波管406で記録
媒体401へ導き、記録媒体にて一部吸収されたマイクロ
波は、記録媒体401を透過して検出器404へと到達し、電
気信号へと変換される構成である。記録媒体401はディ
スク状のものを用い、スピンドルモータ402により一定
の角速度で回転する。垂直磁気記録用の単磁極型薄膜磁
気ヘッド403を記録媒体の直上に配置して、記録媒体401
に局所的に磁界が印加されるように制御した。薄膜磁気
ヘッド403はフェライトリターンにコイルと主磁極を形
成したものであり、主磁極材料はCoZr合金、主磁極厚み
0.1ミクロン、主磁極幅1ミクロンである。通常用いられ
るリング型磁気ヘッドに比べて局所的に磁界が印加され
るため、再生時の面分解能の向上のために垂直磁気記録
用の単磁極型薄膜磁気ヘッドを用いた。マイクロ波検出
器404は、記録媒体401に対して磁気ヘッド403と同じ側
に配置した。
【0027】ここで用いた記録媒体Aの構成を図5に示
す。円盤型のガラス基板501上に、裏打ち層502としてNi
Feを0.5ミクロン、誘電体層503としてAlSiNを250Å、記
録層504としてCoCr合金薄膜を400Å、さらに保護層505
としてカーボン膜を200Åを連続してスパッタリング法
により成膜したものを用いた。ここで、裏打ち層は、磁
気ヘッドで発生した磁界が記録層504に局所的に印加さ
れることを目的としている。この記録層504に9.3GHzの
マイクロ波を照射した場合に、室温では共鳴磁界は400G
aussであった。また、記録層504は磁化容易軸が膜面に
対して垂直方向である。この記録媒体Aに、あらかじめ
磁気ヘッド403を用いて記録磁区を形成した。記録条件
は、ディスク回転数1800rpm、記録半径30mm、記録周波
数18.8MHz、デューティー比50%である。これにより、
ドメイン長0.15ミクロンの記録磁区が記録層に形成され
た。
【0028】記録された記録媒体Aからのマイクロ波に
よる信号の再生を行なった。再生時のディスク回転数は
1800rpmである。磁気ヘッドにより磁界を400Gauss印加
した。ここで、マイクロ波を記録媒体Aに照射してその
吸収の信号をスペクトラムアナライザーにて測定を行な
った。評価条件は、分解能帯域幅30kHz、ビデオ帯域幅1
00Hzである。測定された再生信号の18.8MHzでのCN比
は47.0dBであり、良好な再生が可能であることが確認さ
れた。そして、磁気ヘッドによる磁界の印加を行わない
でマイクロ波のみを照射した場合、再生信号には18.8MH
zの成分は検出されなかった。以上の結果から、記録媒
体に局所的に磁界を印加しながらマイクロ波を照射する
ことにより、磁界が印加された領域のみの磁気的な情報
を再生することが可能であることが確かめられた。ま
た、同じ記録媒体Aを誘導方式にて再生を行なった場
合、CN比は44.3dBであった。以上のことからマイクロ
波を用いた再生方式は、誘導方式に比べて同等以上の再
生特性を示すことが確認された。
【0029】本実施例においては、マイクロ波の検出は
透過型、ホモダイン検波を用いている。しかしながら、
本発明は種々のマイクロ波検出方式、マイクロ波回路に
おいて有効であり、本発明は本実施例に限定されると考
えられるべきではない。また、本実施例では磁界印加用
磁気ヘッドとして単磁極型薄膜磁気ヘッドを用いたが、
本発明はこれに限定されるわけではなく、記録媒体に局
所的に磁界を印加する手段であれば有効であることは言
うまでもない。
【0030】実施例2:記録層を多層化した記録媒体か
らの情報の再生について述べる。図6は、再生に用いた
装置のブロック図である。周波数が9.3GHzの第1マイク
ロ波発振源602aと周波数が15.0GHzの第2マイクロ波発
振源602bを用意する。ともに、ガンダイオードを用い
た。マイクロ波のパワーはともに1mWに設定した。マイ
クロ波検出器404にはシリコン・クリスタル・ダイオー
ドを用い、ホモダイン検波により信号の検出を行なっ
た。この検出器404は、9.3GHzと15.0GHzのマイクロ波を
同程度の感度にて検出することができる。マイクロ波検
出器404は、記録媒体601に対して磁気ヘッド403と同じ
側に配置した。記録媒体601に局所的な磁界を印加する
ための磁気ヘッド403は、実施例1で用いたのと同一で
ある。
【0031】ここで用いた記録媒体Bの構造を図7に示
す。円盤型のガラス基板501上に、裏打ち層502としてNi
Feを0.5ミクロン、第1誘電体層701としてAlSiNを250
Å、第1記録層702としてCoCrTa合金薄膜を600Å、第2
誘電体層703としてAlSiNを250Å、第2記録層704として
CoCr合金薄膜を400Å、さらに保護層505としてカーボン
膜を200Åを連続してスパッタリング法により成膜した
ものを用いた。第1記録層702のCoCrTa合金薄膜に9.3GH
zのマイクロ波を照射した場合には、室温での共鳴磁界
が400Gaussとなり、また、第2記録層704のCoCr合金薄
膜に15.0GHzのマイクロ波を照射した場合には、室温で
の共鳴磁界が400Gaussとなるように磁性膜の組成を調整
した。なお、NiFeの裏打ち層502は室温で400Gauss付近
に共鳴磁界を持たないために、再生時に影響を及ぼすこ
とはない。一方、ここで用いた第1記録層702の保磁力
は2.0kOe、第2記録層704の保磁力は1.1kOeである。こ
の記録媒体Bにあらかじめ磁気ヘッド403を用いて記録を
行なった。記録条件は、ディスク回転数1800rpm、記録
半径30mmである。まず、記録磁界2.0kGauss、記録周波
数14.1MHz、デューティー比50%の条件にて第1記録層70
2に記録を行なった。引き続いて、記録磁界1.1kOe、記
録周波数9.4MHz、デューティー比50%の条件にて第2記
録層704に記録を行なった。この条件で、14.1MHzの記録
周波数は0.2ミクロンのドメイン長、9.4MHzの記録周波
数は0.3ミクロンのドメイン長に相当する。
【0032】以上のようにして記録された2層の記録層
を有する記録媒体Bからの、マイクロ波による信号の再
生を行なった。再生時のディスク回転数は1800rpmであ
る。磁気ヘッド403により磁界を400Gauss印加した。こ
こで、周波数が9.3GHzのマイクロ波を記録媒体Bに照射
してその吸収の信号をスペクトラムアナライザーにて測
定を行なった。再生信号の評価は、実施例1と同様に行
なった。測定された再生信号の14.1MHzのCN比は46.8d
Bであり、9.4MHzの信号は検出されなかった。次に、周
波数が15.0GHzのマイクロ波を記録媒体Bに照射したとこ
ろ、再生信号の9.4MHzのCN比は47.1dBであり、先程と
同様に14.1MHzの信号は検出されなかった。以上のこと
から、記録層を2層にした記録媒体において、それぞれ
の記録層に異なる周波数の信号を記録しても、独立に良
好な再生信号が得られることが確認された。そして、記
録膜の積層化が可能であることから、記録容量を飛躍的
に増大できることが確認された。
【0033】本実施例では、異なる周波数のマイクロ波
を別々に照射して情報の再生を行っている。しかし、同
時に異なる周波数のマイクロ波を記録媒体に照射し、各
周波数のみのマイクロ波を検出する検出器を複数個配置
することにより、同時に複数の記録層からの情報の再生
は可能である。また、本実施例では2層の記録層からな
る記録媒体を用いているが、3層以上の記録層を有する
記録媒体においても本発明は有効であり、本発明は本実
施例に限定されると考えられるべきではない。
【0034】実施例3:記録層を多層化した記録媒体か
らの別の情報再生方法について述べる。再生に用いた装
置は実施例1と同様であり、周波数が9.3GHzのマイクロ
波を記録媒体に照射する。マイクロ波検出器404は、記
録媒体に対して磁気ヘッド403と同じ側に配置した。局
所的に磁界を印加するための磁気ヘッド403は、実施例
1で用いたのと同様である。
【0035】ここで用いた記録媒体Cの構造を図8に示
す。円盤型のガラス基板501上に、裏打ち層502としてNi
Feを0.5ミクロン、第1誘電体層701としてAlSiNを250
Å、第1記録層801としてCoCrTa合金薄膜を600Å、第2
誘電体層703としてAlSiNを250Å、第2記録層802として
CoCr合金薄膜を400Å、さらに保護層505としてカーボン
膜を200Åを連続してスパッタリング法により成膜した
ものを用いた。第1記録層801のCoCrTa合金薄膜に9.3GH
zのマイクロ波を照射した場合には、室温での共鳴磁界
が400Gaussとなり、また、第2記録層802のCoCr合金薄
膜に9.3GHzのマイクロ波を照射した場合には、室温での
共鳴磁界が350Gaussとなるように磁性膜の組成を調整し
た。なお、NiFeの裏打ち層502は室温で350〜400Gauss付
近に共鳴磁界を持たないために、再生時に影響を及ぼす
ことはない。一方、ここで用いた第1記録層801の保磁
力は2.0kOe、第2記録層802の保磁力は1.1kOeである。
この記録媒体Cにあらかじめ磁気ヘッド403を用いて記録
を行なった。記録条件は、ディスク回転数1800rpm、記
録半径30mmである。まず、記録磁界2.0kGauss、記録周
波数14.1MHz、デューティー比50%の条件にて第1記録層
801に記録を行なった。引き続いて、記録磁界1.1kOe、
記録周波数9.4MHz、デューティー比50%の条件にて第2
記録層802に記録を行なった。この条件で、14.1MHzの記
録周波数は0.2ミクロンのドメイン長、9.4MHzの記録周
波数は0.3ミクロンのドメイン長に相当する。
【0036】以上のようにして記録された2層の記録層
を有する記録媒体Cからの、マイクロ波による信号の再
生を行なった。再生時のディスク回転数は1800rpmとし
た。周波数が9.3GHzのマイクロ波を記録媒体Cに照射し
て、その吸収の信号をスペクトラムアナライザーにて測
定を行なった。再生信号の評価は、実施例1と同様に行
なった。まず、磁気ヘッドにより記録媒体Cに400Gauss
の磁界を印加した場合、測定された再生信号の14.1MHz
のCN比は46.4dBであり、9.4MHzの信号は検出されなか
った。次に、記録媒体Cに印加する磁界の大きさを350Ga
ussに変化したところ、再生信号の9.4MHzのCN比は46.
9dBであり、14.1MHzの信号は検出されなかった。
【0037】以上のことから、記録層を2層にした記録
媒体において、それぞれの記録層に異なる周波数の信号
を記録しても、再生時に印加する磁界を変えることによ
り、独立に良好な再生信号が得られることが確認され
た。実施例2においては、再生時の印加磁界を同じにし
て、周波数の異なるマイクロ波による再生が可能である
ことを述べたが、本実施例では、ある1つの周波数のマ
イクロ波を照射しながらも、吸収層の共鳴磁界を変化さ
せることにより、多層化した記録膜からの情報の再生が
可能であることが確かめられた。尚、本発明はこれらの
実施例に限るものではなく、異なる周波数のマイクロ波
と異なる磁界による情報の再生についても有効であるこ
とは言うまでもない。また、実施例にて用いられている
記録層の組成はCoCr系合金であるが、共鳴条件を満たす
磁性膜ならば、記録層として用いることが可能であるこ
とは言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、記録層でのマイク
ロ波の吸収を利用することにより、磁性体に記録された
情報を非常に高感度に検出することが可能となる。マイ
クロ波が照射されている領域に局所的に磁界を印加する
ことにより、再生分解能が向上し記録密度が向上する。
磁気ヘッドを用いて磁界を印加することにより、従来の
磁気記録の記録密度と同等ないしはそれ以上の記録密度
が達成できる。また、再生時に印加する磁界の大きさを
変えることにより、多層化した記録層からの情報の再生
を可能にし、記録容量の増大を実現する。さらに、複数
の周波数のマイクロ波を用いることで、媒体の記録容量
の増大が図れるとともに、異なる記録層の情報を一度に
再生することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報再生の原理図である。
【図2】マイクロ波の吸収による磁気モーメントの運動
の変化を表す図である。
【図3】記録層を多層化した記録媒体を用いた場合の情
報再生の原理図である。
【図4】実施例1で用いた情報再生装置のブロック図で
ある。
【図5】実施例1で用いた記録媒体Aの構成を表す図で
ある。
【図6】本発明の2つの周波数のマイクロ波を用いた情
報再生装置のブロック図である。
【図7】実施例2で用いた記録媒体Bの構成を表す図で
ある。
【図8】実施例3で用いた記録媒体Cの構成を表す図で
ある。
【符号の説明】
101 磁気ヘッド 102 マイクロ波 103 磁界印加領域 104 共鳴領域 105 基板 106 記録層 107 磁化 301a 第1マイクロ波 301b 第2マイクロ波 302a 第1共鳴領域 302b 第2共鳴領域 303 第1記録層 304 第2記録層 305 中間層 401 記録媒体 402 スピンドルモータ 403 磁気ヘッド 404 マイクロ波検出器 405 マイクロ波発振源 406 導波管 501 基板 502 裏打ち層 503 誘電体層 504 記録層 505 保護層 601 記録媒体 602a 第1マイクロ波発振源 602b 第2マイクロ波発振源 603a 第1導波管 603b 第2導波管 701 第1誘電体層 702 第1記録層 703 第2誘電体層 704 第2記録層 801 第1記録層 802 第2記録層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波を情報記録媒体に照射し
    て、前記情報記録媒体での前記マイクロ波の吸収を用い
    て情報の再生を行なう情報記録再生方法において、マイ
    クロ波が照射されている情報記録媒体の一部に局所的に
    磁界を印加して情報の再生を行なうことを特徴とする情
    報記録再生方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の情報記録再生方法に
    おいて、周波数の異なるマイクロ波を照射して情報の再
    生を行なうことを特徴とする情報記録再生方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の情報記録再生方法に
    おいて、印加する磁界の大きさを変化させて情報の再生
    を行なうことを特徴とする情報記録再生方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも1種類以上の周波数のマイ
    クロ波を情報記録媒体に照射する手段と、前記情報記録
    媒体における前記マイクロ波の吸収を検出する手段と、
    前記情報記録媒体に局所的に磁界を印加する手段を有す
    ることを特徴とする情報記録再生装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の情報記録再生装置に
    おいて、情報記録媒体に局所的に磁界を印加する手段が
    薄膜磁気ヘッドであることを特徴とする情報記録再生装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の情報記録再生装置に
    おいて、磁界の大きさを変化させる手段を有することを
    特徴とする情報記録再生装置。
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