JPH07321701A - スペクトラム拡散通信装置 - Google Patents

スペクトラム拡散通信装置

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JPH07321701A
JPH07321701A JP6108348A JP10834894A JPH07321701A JP H07321701 A JPH07321701 A JP H07321701A JP 6108348 A JP6108348 A JP 6108348A JP 10834894 A JP10834894 A JP 10834894A JP H07321701 A JPH07321701 A JP H07321701A
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JP
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channel
signal
spread spectrum
spread
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Application number
JP6108348A
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English (en)
Inventor
Satoshi Shinozaki
聡 篠▲ざき▼
Shoichi Koga
正一 古賀
Yasushi Kai
康司 甲斐
Masami Wada
正己 和田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 遅延検波方式の直接拡散スペクトラム拡散通
信装置において、送信信号を多重することができる通信
装置を実現する。 【構成】 チャンネル多重のために複数の相異なるデー
タレートのチャンネルを設け受信側で所望のチャンネル
のデータレートと同じ遅延時間をもつ遅延回路を用いて
遅延検波し、所望のチャンネル以外の送信データを受信
してしまわないために、所望のチャンネル以外のスペク
トラム拡散符号との相関が得られないよう遅延回路の遅
延時間を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無線有線を問わず利用
される遅延検波方式の直接拡散スペクトラム拡散通信装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】スペクトラム拡散通信方式(以下、SS
通信方式)は、妨害に強く耐雑音性に優れているという
特徴があり、いろいろな方式が提案されてきている。そ
の中でも、周期的な疑似ランダム符号を用いて狭帯域の
スペクトラムを拡散させる直接拡散SS通信方式は、そ
の構成の容易さ等により、他の方式に先駆けて活発な研
究開発がなされてきた。
【0003】直接拡散SS通信方式は、大きく同期検波
方式のものと遅延検波方式のものとに分けることができ
る。ここでは前者を同期検波直接拡散SS通信方式と呼
び、後者を遅延検波直接拡散SS通信方式と呼ぶ。
【0004】同期検波直接拡散SS通信方式では、拡散
に用いた疑似ランダム符号を受信側にて独自に発生さ
せ、受信信号との同期をとって掛け合わせることにより
逆拡散を行なう。
【0005】同期検波直接拡散SS通信装置の例を、図
12に示す。チャンネルA送信部21は、第1の送信デ
ータ211をスペクトラム拡散させて送出する部分であ
る。
【0006】チャンネルB送信部22は、第2の送信デ
ータ221をスペクトラム拡散させて送出する部分であ
る。
【0007】チャンネルA送信部21、チャンネルB送
信部22以外にも並列して同様な送信部があるが、ここ
では2チャンネルのみを代表して示している。
【0008】チャンネルA送信部21、チャンネルB送
信部22、その他の送信部からの送信信号は、加算器2
5にて加算され、伝送路20に入力される。
【0009】チャンネルA受信部23は、チャンネルA
送信部21からの送信信号のみを逆拡散させて受信信号
を取り出す部分である。
【0010】チャンネルB受信部24は、チャンネルB
送信部22からの送信信号のみを逆拡散させて受信信号
を取り出す部分である。
【0011】チャンネルA受信部23、チャンネルB受
信部24以外にも並列して同様な受信部があるが、ここ
では2チャンネルのみを代表して示している。
【0012】伝送路20からの信号は、チャンネルA受
信部23、チャンネルB受信部24、その他の受信部に
入力され、それぞれの受信部にて対応する送信データが
受信される。
【0013】チャンネルA送信部21では、ベースバン
ド信号である第1の送信データ211が、第1のスペク
トラム拡散変調部212にて、送信側第1のPN符号発
生部213からの拡散符号を用いて拡散される。同様
に、チャンネルB送信部22では、ベースバンド信号で
ある第2の送信データ221が、第2のスペクトラム拡
散変調部222にて、送信側第2のPN符号発生部22
3からの拡散符号を用いて拡散される。送信側第1のP
N符号発生部213の発生する拡散符号と送信側第2の
PN符号発生部223の発生する拡散符号、および他の
チャンネルのPN符号発生部の発生する拡散符号はそれ
ぞれ異なっている。
【0014】チャンネルA受信部23では、受信側第1
のPN符号発生部232が、送信側第1のPN符号発生
部213と同じ拡散符号を発生する。また、受信側第1
のPN符号発生部232の符号発生タイミングは、第1
の同期回路233によって送信側第1のPN符号発生部
213の拡散符号発生タイミングと同期がとられてい
る。伝送路20からの受信信号は、第1のスペクトラム
拡散復調部231にて、同期をとられた受信側第1のP
N符号発生部232からの拡散符号を用いて、チャンネ
ルA送信部21からの送信信号のみを逆拡散する。この
ようにして、伝送路20からの受信信号のうち、チャン
ネルA送信部21からの送信信号のみが第1の受信デー
タ234として復調される。
【0015】同様に、チャンネルB受信部24では、受
信側第2のPN符号発生部242が、送信側第2のPN
符号発生部223と同じ拡散符号を発生する。また、受
信側第2のPN符号発生部242の符号発生タイミング
は、第2の同期回路243によって送信側第2のPN符
号発生部223の拡散符号発生タイミングと同期がとら
れている。伝送路20からの受信信号は、第2のスペク
トラム拡散復調部241にて、同期をとられた受信側第
2のPN符号発生部242からの拡散符号を用いて、チ
ャンネルB送信部22からの送信信号のみを逆拡散す
る。このようにして、伝送路20からの受信信号のう
ち、チャンネルB送信部22からの送信信号のみが第2
の受信データ244として復調される。
【0016】以上に示すように、図12に示す同期検波
直接拡散SS通信装置は、チャンネルA送信部21から
の送信信号は、チャンネルA受信部23にて受信され、
チャンネルB送信部22からの送信信号は、チャンネル
B受信部24にて受信されるような、マルチチャンネル
多重通信装置である。
【0017】ここでは、ベースバンドの送信信号をその
まま拡散させる例を示したが、中間周波数キャリアを送
信するベースバンド信号でなんらかの変調をした(例え
ばBPSK変調)変調信号を拡散させる場合もある。そ
の場合は、送信部の送信データの直後に変調手段(例え
ばBPSK変調部)を設け、受信部の受信データの直前
に復調手段(例えばBPSK復調部)を設ける構成とな
る。
【0018】一方遅延検波直接拡散SS通信方式では、
受信信号の逆拡散を受信信号に含まれている拡散符号で
行なうものであり、受信信号と受信信号を1シンボル時
間分だけ遅延させたものとの乗算を行なうことで逆拡散
とデータ復調を同時に行なうものである。
【0019】遅延検波直接拡散SS通信装置の例を図1
3に示す。送信部31は、送信データ311を差動変換
しスペクトラム拡散させる部分である。送信部31から
の信号は伝送路30を経由して受信部32に入力され
る。
【0020】受信部32は、送信部31からの信号を遅
延検波方式で逆拡散させる部分である。
【0021】送信データ311は、差動変換部312に
よってあらかじめ差動符号化される。差動符号化された
信号は、PN符号発生部314からの拡散符号を用いて
スペクトラム拡散変調部313にてスペクトラム拡散さ
れる。この時、PN符号発生部314のPN符号の周期
は、送信データ311のデータレートに一致している。
【0022】受信部32に入力された受信信号は、2つ
に分けられ、一つは遅延回路321によって送信データ
の1シンボル時間分だけ遅延される。乗算器322で
は、遅延されない受信信号と遅延された受信信号が乗算
される。乗算器322からの信号は、ローパスフィルタ
323にてデータレート以上の周波数成分をカットさ
れ、受信データ324として出力される。
【0023】以上のように構成される遅延検波直接拡散
SS通信装置の動作について数式を用いて説明する。
【0024】ここで、送信データ311をDt(t)、
差動変換部312によって差動変換されたデータをDm
(t)、データ1シンボル時間をαとすると、Dm
(t)は(数1)のように表される。
【0025】
【数1】
【0026】但し、Dt(t)およびDm(t)は、1
か−1の値を持つ。また、PN符号発生部314からの
拡散信号をA(t)とすると、伝送路30に入力される
信号S(t)は(数2)のように表される。
【0027】
【数2】
【0028】遅延回路321にてデータ1シンボル時間
αだけ遅延された信号Sd(t)は、(数3)のように
表される。
【0029】
【数3】
【0030】A(t)の周期はデータレートと一致して
いることから、(数3)は、(数4)のように書き換え
られる。
【0031】
【数4】
【0032】乗算器322では、遅延されない信号S
(t)と遅延された信号Sd(t)との乗算が実行さ
れ、その出力Sr(t)は(数5)で表される。
【0033】
【数5】
【0034】拡散符号A(t)の自乗はその性質より1
となる。このことから、Sr(t)は、(数6)のよう
に表される。
【0035】
【数6】
【0036】但し、遅延回路321の遅延時間がデータ
1シンボル時間と完全に等しくない場合や、信号が帯域
制限されている場合は、乗算器322の出力は高周波成
分を含むことになるため、ローパスフィルタ323によ
って高周波成分を取り除く。
【0037】(数6)は(数1)を用いて次式のように
書き直される。
【0038】
【数7】
【0039】Dm(t−α)は、1か−1をもつデータ
であるので、Dm(t−α)の自乗は1である。つま
り、(数7)は(数8)のように書き直される。
【0040】
【数8】
【0041】(数8)より受信信号は送信データと一致
しており、データ復調できていることがわかる。
【0042】以上に示すように、図13に示す遅延検波
直接拡散SS通信装置は、遅延回路321によって、受
信信号をデータ1シンボル時間だけ遅延させ、遅延させ
た信号と遅延させない信号とを乗算器322にて乗算す
ることにより逆拡散を行なう装置である。遅延検波を用
いるために送信データはあらかじめ差動符号化してい
る。
【0043】ここでは、ベースバンドの送信信号をその
まま拡散させる例を示したが、中間周波数信号を送信す
るベースバンド信号でBPSK変調をした変調信号を拡
散させる場合もある。その場合は、送信部の差動変換部
の直後にBPSK変調手段を設ける構成となる。受信部
では遅延検波を用いているので信号成分は全てベースバ
ンドに落ち、ダウンコンバートの追加等の変更の必要は
ないが、キャリア周波数が高過ぎるために遅延回路の遅
延時間の許容偏差が小さくなる場合は、受信直後にダウ
ンコンバートを行なうこともある。
【0044】以上のように構成される同期検波直接拡散
SS通信方式と遅延検波直接拡散SS通信方式は、それ
ぞれに一長一短がある。
【0045】まず同期検波直接拡散SS通信方式の長所
は、妨害に強く耐雑音性に優れているほかに、拡散に用
いる符号の種類によってチャンネル多重を行なうことが
できるという点である。この多重方式を符号多重と呼
ぶ。
【0046】一方短所は、同期確立のための時間が必要
な点と、マルチパスに代表される位相歪みに弱いという
点である。
【0047】同期検波直接拡散SS通信方式は、受信側
で発生させた疑似ランダム符号と、受信信号内の疑似ラ
ンダム符号との同期を確立しなければ、狭帯域の信号を
取り出すことができない。この同期に関する情報を送信
側が別の手段で受信側に教えない限り、受信側では同期
を確立するための試行錯誤の時間が必要となる。これを
同期引き込み時間と呼ぶ。ひとたび同期が確立すれば、
その後同期が外れるまでは通信を連続して行なうことが
できるが、何らかの障害により同期が外れると、また同
期を確立するために時間を要するというのが一つめの短
所である。
【0048】二つめの短所の説明のために、極端な例と
して、図14(a)に拡散された信号スペクトラムの例
を、図14(b)に伝送路の周波数対位相特性の例を示
す。
【0049】図14(a)のように拡散された信号が、
伝送路を伝搬することで図14(b)に示すような位相
歪みを受けたとする。図14(b)に示すような伝送路
を伝搬した信号は、1MHzよりも低い周波数の信号は
位相が90°進むような歪みを受け、1MHzよりも高
い周波数の信号は位相が90°遅れるような歪みを受け
ることになる。
【0050】このような位相歪みを受けたスペクトラム
拡散信号は、1MHzを境にして180°位相がずれて
いるため、逆拡散符号によりスペクトラムを逆拡散させ
ると、お互いを打ち消し合い、信号を全く取り出すこと
ができなくなる。つまり、強め合うべき拡散信号が、位
相歪みを受けることにより打ち消し合う信号となる。
【0051】これは極端な例であり、通常の伝送路は図
14に示すほど致命的ではないが、同期検波直接拡散S
S通信方式は、伝送路に位相歪みがある場合、逆拡散に
よってお互いの信号を打ち消し合う可能性があることが
わかる。これが二つめの短所である。
【0052】遅延検波直接拡散SS通信方式の長所は、
同期引き込み時間がないという点と、マルチパスに代表
される位相歪みに強いという点である。
【0053】同期引き込み時間がないのは、遅延回路3
21の遅延時間をPN符号の1周期に合わせているため
である。
【0054】位相歪みに強い理由は、逆拡散のために用
いる拡散符号も同じように位相歪みを受けているという
点にある。
【0055】送信信号は(数2)と(数1)を用いて
(数9)のように表すことができる。
【0056】
【数9】
【0057】また、これより1シンボル時間前の送信信
号は(数4)のように表すことができることより、送信
信号S(t)は(数10)のように表される。
【0058】
【数10】
【0059】Dt(t)は、送信データであり、1また
は−1の値をとる。つまり、遅延検波直接拡散SS通信
方式では、1シンボル時間前の送信信号をそのまま送信
するか、または1シンボル前の送信信号の振幅を反転さ
せて送信するかによってデータを送信していることがわ
かる。
【0060】ここで、伝送路上で位相歪みを含む歪みが
発生し、S(t)がS’(t)に、Sd(t)がSd’
(t)に変化したとする。伝送路上の歪みの時間変動が
送信信号のデータレートに対して充分に遅いとすると、
S(t)が受ける歪みとSd(t)が受ける歪みは同じ
だと考えられる。S(t)とSd(t)は、振幅が反転
しているかしていないかのどちらかであることと、受け
る歪みは同じであることから、歪みを受けた後も(数1
0)の関係は保持されて、(数11)の関係が保たれて
いる。
【0061】
【数11】
【0062】これは、遅延検波回路にて復調が可能であ
り、以上のことから遅延検波直接拡散SS通信方式は、
位相歪みに強いということがわかる。
【0063】一方、遅延検波直接拡散SS通信方式の短
所は、同期検波直接拡散SS通信方式に比べ、耐雑音性
に多少劣るという点と、符号多重を行なうことができな
いという点である。
【0064】耐雑音性に多少劣るのは、雑音のはいった
2つの受信信号を掛け合わせるためである。
【0065】符号多重ができないのは、自ら送信してい
る拡散符号を用いて逆拡散をしているため、受信側で信
号を選択することができないためである。
【0066】上記のように、同期検波直接拡散SS通信
方式と遅延検波直接拡散SS通信方式はそれぞれ一長一
短があることがわかる。
【0067】
【発明が解決しようとする課題】いま、位相歪みが激し
い伝送路にて多チャンネル伝送を行ないたいとする。同
期検波直接拡散SS通信方式であれば、多チャンネル伝
送が可能であるが、位相歪みに弱く、遅延検波直接拡散
SS通信方式であれば、位相歪みに強いが、多チャンネ
ル伝送ができない。
【0068】本発明は、上記従来の問題点を解決するも
のであり、位相歪みが激しい伝送路にて位相歪みをキャ
ンセルして、なおかつチャンネル多重を実現する手法を
提供することを目的とする。
【0069】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の通信装置は、位相歪みをキャンセルするた
めに遅延検波直接拡散SS通信方式を採用し、チャンネ
ル多重のために複数の相異なるデータレートのチャンネ
ルを設け、受信側で所望のチャンネルのデータレートと
同じかあるいは自然数倍の遅延時間をもつ遅延回路を用
いて遅延検波する構成とする。また、所望のチャンネル
以外の送信データを受信してしまわないために、所望の
チャンネル以外のスペクトラム拡散符号との相関が得ら
れないよう遅延回路の遅延時間を設定する。
【0070】
【作用】以上のような構成にすることにより、受信側で
は、遅延回路の遅延時間に合致したデータレートのチャ
ンネルの信号は逆拡散できるが、遅延時間と合致しない
データレートのチャンネルの信号は逆拡散できない。
【0071】このことにより、遅延検波直接拡散SS通
信方式で、チャンネル多重を実現することができる。
【0072】
【実施例】
(第1の実施例)図1は本発明の第1の実施例の通信装
置の構成を示すブロック図である。
【0073】10は伝送路、11はチャンネルA送信
部、12はチャンネルB送信部、13はチャンネルC送
信部、14はチャンネルD送信部、15はチャンネルA
受信部、16はチャンネルB受信部、17はチャンネル
C受信部、18はチャンネルD受信部、19は加算器で
ある。
【0074】チャンネルA送信部11は、データレート
1.0Mb/sのデータを送信する送信部である。チャ
ンネルB送信部12は、データレート1.2Mb/sの
データを送信する送信部である。チャンネルC送信部1
3は、データレート1.5Mb/sのデータを送信する
送信部である。チャンネルD送信部14は、データレー
ト1.8Mb/sのデータを送信する送信部である。チ
ャンネルA受信部15は、データレート1.0Mb/s
のデータを受信する受信部である。チャンネルB受信部
16は、データレート1.2Mb/sのデータを受信す
る受信部である。チャンネルC受信部17は、データレ
ート1.5Mb/sのデータを受信する受信部である。
チャンネルD受信部18は、データレート1.8Mb/
sのデータを受信する受信部である。
【0075】チャンネルA送信部11、チャンネルB送
信部12、チャンネルC送信部13、チャンネルD送信
部14から出た信号は、加算器19によって多重され、
伝送路10に入力される。伝送路10からの信号は、チ
ャンネルA受信部15、チャンネルB受信部16、チャ
ンネルC受信部17、チャンネルD受信部18に入力さ
れ、それぞれの受信部でそれぞれのチャンネルの信号を
復調する。
【0076】チャンネルA送信部11は、第1の送信デ
ータ111、第1の差動変換部112、第1のスペクト
ラム拡散変調部113、第1のPN符号発生部114か
らなる。
【0077】第1の送信データ111は、データレート
1.0Mb/sのシリアルデータである。第1の送信デ
ータ111は、第1の差動変換部112によって差動符
号化される。第1のPN符号発生部114は、チップレ
ート7.0Mチップ/sでチップ長7のPN符号を発生
する。よってPN周期は1.0MHz(1000ns)
である。第1の差動変換部112からの信号は、第1の
スペクトラム拡散変調部113にて、第1のPN符号発
生部114からの拡散符号によってスペクトラム拡散さ
れる。
【0078】チャンネルB送信部12は、第2の送信デ
ータ121、第2の差動変換部122、第2のスペクト
ラム拡散変調部123、第2のPN符号発生部124か
らなる。
【0079】チャンネルB送信部12の動作は、チャン
ネルA送信部11の動作に準じる。但し、第2の送信デ
ータ121はデータレート1.2Mb/sのシリアルデ
ータであり、第2のPN符号発生部124はチップレー
ト8.4Mチップ/sでチップ長7、つまりPN周期
1.2MHz(833ns)のPN符号を発生する。
【0080】チャンネルC送信部13は、第3の送信デ
ータ131、第3の差動変換部132、第3のスペクト
ラム拡散変調部133、第3のPN符号発生部134か
らなる。
【0081】チャンネルC送信部13の動作は、チャン
ネルA送信部11の動作に準じる。但し、第3の送信デ
ータ131はデータレート1.5Mb/sのシリアルデ
ータであり、第3のPN符号発生部134はチップレー
ト10.5Mチップ/sでチップ長7、つまりPN周期
1.5MHz(667ns)のPN符号を発生する。
【0082】チャンネルD送信部14は、第4の送信デ
ータ141、第4の差動変換部142、第4のスペクト
ラム拡散変調部143、第4のPN符号発生部144か
らなる。
【0083】チャンネルD送信部14の動作は、チャン
ネルA送信部11の動作に準じる。但し、第4の送信デ
ータ141はデータレート1.8Mb/sのシリアルデ
ータであり、第4のPN符号発生部144はチップレー
ト12.6Mチップ/sでチップ長7、つまりPN周期
1.8MHz(556ns)のPN符号を発生する。
【0084】図2において、(a)はチャンネルA送信
部11からの信号スペクトラム、(b)はチャンネルB
送信部12からの信号スペクトラム、(c)はチャンネ
ルC送信部13からの信号スペクトラム、(d)はチャ
ンネルD送信部14からの信号スペクトラムを示す。こ
れらの信号の加算が伝送路10に入力される。
【0085】チャンネルA受信部15は、第1の遅延回
路151、第1の乗算器152、第1のローパスフィル
タ153、第1の受信データ154からなる。
【0086】第1の遅延回路151は、1000nsの
遅延時間をもつ遅延回路である。伝送路10からの受信
信号は、第1の遅延回路151によって1000ns遅
延され、乗算器152によって遅延されない受信信号と
掛け合わされる。第1のローパスフィルタ153は、カ
ットオフ周波数が1.0MHzのローパスフィルタであ
る。第1の乗算器152からの信号は、第1のローパス
フィルタ153によってデータとして不必要な周波数成
分を取り除かれる。第1のローパスフィルタ153から
の信号は、データレート1.0Mb/sの第1の受信デ
ータ154として出力される。
【0087】チャンネルB受信部16は、第2の遅延回
路161、第2の乗算器162、第2のローパスフィル
タ163、第2の受信データ164からなる。
【0088】チャンネルB受信部16の動作は、チャン
ネルA受信部15の動作に準じる。但し、第2の遅延回
路161は833nsの遅延時間をもつ遅延回路であ
り、第2のローパスフィルタ163はカットオフ周波数
が1.2MHzのローパスフィルタであり、第2の受信
データ164は1.2Mb/sのシリアルデータであ
る。
【0089】チャンネルC受信部17は、第3の遅延回
路171、第3の乗算器172、第3のローパスフィル
タ173、第3の受信データ174からなる。
【0090】チャンネルC受信部17の動作は、チャン
ネルA受信部15の動作に準じる。但し、第3の遅延回
路171は667nsの遅延時間をもつ遅延回路であ
り、第3のローパスフィルタ173はカットオフ周波数
が1.5MHzのローパスフィルタであり、第3の受信
データ174は1.5Mb/sのシリアルデータであ
る。
【0091】チャンネルD受信部18は、第4の遅延回
路181、第4の乗算器182、第4のローパスフィル
タ183、第4の受信データ184からなる。
【0092】チャンネルD受信部18の動作は、チャン
ネルA受信部15の動作に準じる。但し、第4の遅延回
路181は556nsの遅延時間をもつ遅延回路であ
り、第4のローパスフィルタ183はカットオフ周波数
が1.8MHzのローパスフィルタであり、第4の受信
データ184は1.8Mb/sのシリアルデータであ
る。
【0093】以上のように構成された通信装置が、どの
ような仕組みでチャンネル多重を実現しているかを説明
する。
【0094】本実施例では4チャンネルの多重を示して
いるが、説明の簡略化のために、チャンネルAとチャン
ネルBの2チャンネル多重の場合を考えて説明する。
【0095】第1の送信データ111をDAt(t)、
第1の差動変換部112によって差動変換されたデータ
をDAm(t)、第1の送信データ111のデータ1シ
ンボル時間をαAとするとDAm(t)は(数12)の
ように表される。
【0096】
【数12】
【0097】同様に、第2の送信データ121をDBt
(t)、第2の差動変換部122によって差動変換され
たデータをDBm(t)、第2の送信データ121のデ
ータ1シンボル時間をαBとするとDBm(t)は(数
13)のように表される。
【0098】
【数13】
【0099】但し、DAt(t)、DAm(t)、DB
t(t)、DBm(t)は、1か−1の値を持つ。
【0100】第1のPN符号発生部114からの拡散信
号をAA(t)、第2のPN符号発生部124からの拡
散信号をAB(t)とすると、チャンネルA送信部11
からの出力信号SA(t)は(数14)、チャンネルB
送信部12からの出力信号SB(t)は(数15)のよ
うに表される。
【0101】
【数14】
【0102】
【数15】
【0103】(数14)、(数15)で表される信号を
加算多重した信号が、伝送路10を経由して、チャンネ
ルA受信部15、チャンネルB受信部16に入力され
る。
【0104】よって、この2つの受信部に入力される信
号S(t)は(数16)のように表される。
【0105】
【数16】
【0106】チャンネルA受信部15に入力された信号
S(t)は、第1の遅延回路151にて第1の送信デー
タ111のデータ1シンボル時間αAだけ遅延させられ
る。
【0107】この遅延した信号Sd(t)は(数17)
のように表される。
【0108】
【数17】
【0109】第1の乗算器152では、遅延されない信
号S(t)と遅延された信号Sd(t)との乗算が実行
され、その出力Sr(t)は(数18)で表される。
【0110】
【数18】
【0111】(数18)は4つの項の足し合わせで表現
されている。これらの項ひとつひとつに含まれる拡散符
号と拡散符号を遅延したものとの乗算の部分のみに着目
する。
【0112】第1項めのAA(t)・AA(t−αA)
について考える。AA(t)は周期がαAである拡散信
号であるので、AA(t)とAA(t−αA)の相関は
100%である。このことから、AA(t)・AA(t
−αA)は1となり、第1項めはDAm(t)・DAm
(t−αA)となって信号成分をベースバンドに集める
ことになる。すなわち逆拡散が実現されている。
【0113】第2項めのAA(t)・AB(t−αA)
について考える。AA(t)とAB(t)はチップレー
トの異なる符号であるので、お互いの相関は低い。これ
により、AA(t)・AB(t−αA)は逆拡散せず、
信号成分はベースバンド以外にも広く拡散される。これ
は第3項めのAB(t)・AA(t−αA)にもあては
まる。
【0114】第4項めのAB(t)・AB(t−αA)
について考える。AB(t)は周期がαBである拡散信
号であるので、AB(t)とAB(t−αB)の相関は
100%であるが、AB(t)とAB(t−αA)の相
関はαAの値に依存する問題である。今仮にαAの値
が、AB(t)とAB(t−αA)の相関値を低くする
ように選んであると仮定すると、AB(t)・AB(t
−αA)は逆拡散せず、信号成分はベースバンド以外に
も広く拡散されることになる。
【0115】このように、ベースバンドに信号成分を集
めた第1項めと、ベースバンド以外にも広く信号成分を
拡散させる第2項め、第3項め、第4項めが加算された
信号が第1の乗算器152の出力信号Sr(t)であ
る。この出力信号Sr(t)を第1のローパスフィルタ
153に入力すると、ベースバンド成分のみが取り出さ
れることとなる。よって第1のローパスフィルタ153
の出力信号DAr(t)は(数19)のように表され
る。
【0116】
【数19】
【0117】実際は(数18)の第2項、第3項、第4
項のベースバンド部分に拡散されている信号がノイズ成
分として(数19)の中に入るが、これはコンパレータ
等で除外できるので省略した。
【0118】(数19)は(数12)を用いて(数2
0)のように書き換えられる。
【0119】
【数20】
【0120】DAm(t−αA)は、1か−1の値を持
つので、(数20)は(数21)のように書き換えられ
る。
【0121】
【数21】
【0122】これよりチャンネルA受信部15ではチャ
ンネルA送信部11からの送信データのみを再生できて
いることがわかる。
【0123】チャンネルB受信部16に関しても同様で
あり、これを本実施例の4チャンネル多重の場合に拡張
して考えても同様である。
【0124】上記の説明で、αAの値が、AB(t)と
AB(t−αA)の相関値を低くするように選んである
ことを仮定した。このことについて、具体的にαAの値
をどのように選ぶ必要があるのかについて述べる。
【0125】図3において、(a)は第1のPN符号発
生部114の発生する符号の自己相関関数、(b)は第
2のPN符号発生部124の発生する符号の自己相関関
数、(c)は第3のPN符号発生部134の発生する符
号の自己相関関数、(d)は第4のPN符号発生部14
4の発生する符号の自己相関関数を示す。
【0126】第1のPN符号発生部114の発生する符
号は、チップ長7、チップレート7.0Mチップ/s、
PN符号周期1.0MHz(1000ns)である。よ
って符号の自己相関関数は、1000nsの周期性をも
ち、1000nsの倍数の時間毎に相関のピークを持
つ。またそのピークは周期1000nsをチップ長7で
割った143nsの半幅をもつ。この±143nsの範
囲を、ここでは便宜上「相関あり」の範囲と呼ぶ。図3
(a)は、符号を1000ns遅延させた信号は、遅延
させない信号に対し100%の相関を持つこと、符号を
900ns遅延させた信号は、遅延させない信号に対し
およそ19%の相関を持つこと、符号を800ns遅延
させた信号は、遅延させない信号に対しおよそ14%の
負の相関を持つことを示している。このことは、第1の
PN符号発生部114で発生する拡散符号で拡散させた
信号をチャンネルA受信部15で復調しようと考えた時
に、第1の遅延回路151の遅延時間を1000nsと
すれば100%の逆拡散が行なえ、900nsの遅延時
間とすれば19%しか逆拡散が行なえず、800nsの
遅延時間とすれば14%の逆拡散(但し受信データは反
転)しか行なえないことを意味している。
【0127】上記のことを踏まえて図3を見ると、図3
(a)の自己相関関数を持つ符号で拡散された信号、す
なわちチャンネルA送信部11からの信号は、遅延時間
1000nsに対し100%の相関を持つので、遅延時
間1000nsの第1の遅延回路151をもつチャンネ
ルA受信部15にて逆拡散できる。一方、図3(b)、
図3(c)、図3(d)の自己相関関数を持つ符号で拡
散された信号、すなわちチャンネルB送信部12、チャ
ンネルC送信部13、チャンネルD送信部14からの信
号は、遅延時間1000nsに対し14%の相関しか持
たないので、チャンネルA受信部15では逆拡散できな
い。チャンネルB受信部16、チャンネルC受信部1
7、チャンネルD受信部18に関して考えても同様であ
る。
【0128】以上のことから、本実施例の通信装置は、
遅延検波直接拡散スペクトラム拡散通信方式でありなが
ら、チャンネル多重を実現できていることがわかる。
【0129】もう少し一般的にチャンネルの分離のため
の条件を考えると、ある送信部のスペクトラム拡散符号
を対応する受信部がもつ遅延時間だけ時間シフトした符
号と時間シフトさせないスペクトラム拡散符号との相関
値の絶対値が1であるか1に近い値を持ち、ある送信部
のスペクトラム拡散符号を対応する受信部以外の任意の
受信部がもつ遅延時間だけ時間シフトした符号と時間シ
フトさせないスペクトラム拡散符号との相関値の絶対値
ができるだけ小さいことが必要であることがわかる。
【0130】相関値の絶対値が具体的にどの値以上、あ
るいは以下でなければならないかというのは、多重する
チャンネル数や、伝送路のノイズ環境等に依存する問題
であるので一概には述べることができない。
【0131】ここでは、1.0Mb/sから2.0Mb
/sの間で4チャンネルを多重する例を示した。本実施
例の場合、ある送信部のスペクトラム拡散符号を対応す
る受信部以外の受信部がもつ遅延時間だけ時間シフトし
た符号と時間シフトさせないスペクトラム拡散符号との
相関値の絶対値は14%であった。この14%を越えな
いように各チャンネル間のデータレートの間隔を狭めれ
ば1.0Mb/sから2.0Mb/sの間でもっと多く
のチャンネルを多重することができ、6チャンネルが可
能となる。
【0132】上記の考えで6チャンネルを多重した場合
の自己相関関数を図4に示す。図4において、(a)は
データレート1.00Mb/s用のスペクトラム拡散符
号の自己相関関数、(b)はデータレート1.12Mb
/s用のスペクトラム拡散符号の自己相関関数、(c)
はデータレート1.26Mb/s用のスペクトラム拡散
符号の自己相関関数、(d)はデータレート1.42M
b/s用のスペクトラム拡散符号の自己相関関数、
(e)はデータレート1.60Mb/s用のスペクトラ
ム拡散符号の自己相関関数、(f)はデータレート1.
80Mb/s用のスペクトラム拡散符号の自己相関関数
を示す。
【0133】各チャンネルの送信部で用いた拡散符号の
チップレートは、それぞれ7.00Mチップ/s、7.
84Mチップ/s、8.82Mチップ/s、9.94M
チップ/s、11.20Mチップ/s、12.60Mチ
ップ/sである。各チャンネルの送信部で用いた拡散符
号のチップ長は全て7チップであるので、各チャンネル
の送信部で用いた拡散符号の周期は、それぞれ1.00
MHz(1000ns)、1.12MHz(893n
s)、1.26MHz(794ns)、1.42MHz
(704ns)、1.60MHz(625ns)、1.
80MHz(556ns)である。
【0134】また各受信部の遅延時間は、それぞれ10
00ns、893ns、794ns、704ns、62
5ns、556nsである。
【0135】図4を見ると、遅延時間1000nsの遅
延回路を持つ受信部を考えた場合、図4(a)の自己相
関関数を持つ符号で拡散された信号は、遅延時間100
0nsに対し100%の相関を持つので、遅延時間10
00nsの遅延回路を持つ受信部にて逆拡散できる。一
方、図4(b)、図4(c)、図4(d)、図4
(e)、図4(f)の自己相関関数を持つ符号で拡散さ
れた信号は、遅延時間1000nsに対し14%の相関
しか持たないので、遅延時間1000nsの遅延回路を
持つ受信部では逆拡散できない。遅延時間893nsの
遅延回路を持つ受信部、遅延時間794nsの遅延回路
を持つ受信部、遅延時間704nsの遅延回路を持つ受
信部、遅延時間625nsの遅延回路を持つ受信部、遅
延時間556nsの遅延回路を持つ受信部に関して考え
ても同様である。
【0136】以上のことから、図4に示すようなチャン
ネル配置で6チャンネル多重した通信装置も、遅延検波
直接拡散スペクトラム拡散通信方式でありながら、チャ
ンネル多重を実現できていることがわかる。
【0137】また、ある送信部のスペクトラム拡散符号
を対応する受信部以外の受信部がもつ遅延時間だけ時間
シフトした符号と時間シフトさせないスペクトラム拡散
符号との相関値の上限を例えば30%に設定して設計す
れば、さらに各チャンネル間のデータレートの間隔を狭
めることが可能となり、1.0Mb/sから2.0Mb
/sの間で8チャンネルを多重することができる。但し
この場合、逆拡散した時の信号のS/Nは劣化する。
【0138】上記の考えで8チャンネルを多重した場合
の自己相関関数を図5に示す。図5において、(a)は
データレート1.000Mb/s用のスペクトラム拡散
符号の自己相関関数、(b)はデータレート1.096
Mb/s用のスペクトラム拡散符号の自己相関関数、
(c)はデータレート1.201Mb/s用のスペクト
ラム拡散符号の自己相関関数、(d)はデータレート
1.317Mb/s用のスペクトラム拡散符号の自己相
関関数、(e)はデータレート1.444Mb/s用の
スペクトラム拡散符号の自己相関関数、(f)はデータ
レート1.583Mb/s用のスペクトラム拡散符号の
自己相関関数、(g)はデータレート1.735Mb/
s用のスペクトラム拡散符号の自己相関関数、(h)は
データレート1.902Mb/s用のスペクトラム拡散
符号の自己相関関数を示す。
【0139】各チャンネルの送信部で用いた拡散符号の
チップレートは、それぞれ7.000Mチップ/s、
7.672Mチップ/s、8.407Mチップ/s、
9.219Mチップ/s、10.108Mチップ/s、
11.081Mチップ/s、12.145Mチップ/
s、13.314Mチップ/sである。各チャンネルの
送信部で用いた拡散符号のチップ長は全て7チップであ
るので、各チャンネルの送信部で用いた拡散符号の周期
は、それぞれ1.000MHz(1000ns)、1.
096MHz(912ns)、1.201MHz(83
3ns)、1.317MHz(759ns)、1.44
4MHz(693ns)、1.583MHz(632n
s)、1.735MHz(576ns)、1.902M
Hz(526ns)である。
【0140】また各受信部の遅延時間は、それぞれ10
00ns、912ns、833ns、759ns、69
3ns、632ns、576ns、526nsである。
【0141】図5を見ると、遅延時間1000nsの遅
延回路を持つ受信部を考えた場合、図5(a)の自己相
関関数を持つ符号で拡散された信号は、遅延時間100
0nsに対し100%の相関を持つので、遅延時間10
00nsの遅延回路を持つ受信部にて逆拡散できる。一
方、図5(b)、図5(c)、図5(d)、図5
(e)、図5(f)、図5(g)、図5(h)の自己相
関関数を持つ符号で拡散された信号は、遅延時間100
0nsに対し30%の相関しか持たないので、遅延時間
1000nsの遅延回路を持つ受信部では逆拡散できな
い。遅延時間912nsの遅延回路を持つ受信部、遅延
時間833nsの遅延回路を持つ受信部、遅延時間75
9nsの遅延回路を持つ受信部、遅延時間693nsの
遅延回路を持つ受信部、遅延時間632nsの遅延回路
を持つ受信部、遅延時間576nsの遅延回路を持つ受
信部、遅延時間526nsの遅延回路を持つ受信部に関
して考えても同様である。
【0142】以上のことから、図5に示すようなチャン
ネル配置で8チャンネル多重した通信装置も、遅延検波
直接拡散スペクトラム拡散通信方式でありながら、チャ
ンネル多重を実現できていることがわかる。
【0143】これまでに示したチャンネルのデータレー
トは1.0Mb/sから2.0Mb/sの間に限ってい
たが、これにこだわらないチャンネル配置も考えること
ができる。
【0144】1.0Mb/sから2.7Mb/sの間で
6チャンネルを多重した場合の自己相関関数を図6に示
す。
【0145】この場合のある送信部のスペクトラム拡散
符号を対応する受信部以外の受信部がもつ遅延時間だけ
時間シフトした符号と時間シフトさせないスペクトラム
拡散符号との相関値の絶対値は約14%を越えないよう
に設計した。
【0146】図5において、(a)はデータレート1.
0Mb/s用のスペクトラム拡散符号の自己相関関数、
(b)はデータレート1.2Mb/s用のスペクトラム
拡散符号の自己相関関数、(c)はデータレート1.5
Mb/s用のスペクトラム拡散符号の自己相関関数、
(d)はデータレート1.8Mb/s用のスペクトラム
拡散符号の自己相関関数、(e)はデータレート2.2
Mb/s用のスペクトラム拡散符号の自己相関関数、
(f)はデータレート2.7Mb/s用のスペクトラム
拡散符号の自己相関関数を示す。
【0147】各チャンネルの送信部で用いた拡散符号の
チップレートは、それぞれ7.0Mチップ/s、8.4
Mチップ/s、10.5Mチップ/s、12.6Mチッ
プ/s、15.4Mチップ/s、18.9Mチップ/s
である。各チャンネルの送信部で用いた拡散符号のチッ
プ長は全て7チップであるので、各チャンネルの送信部
で用いた拡散符号の周期は、それぞれ1.0MHz(1
000ns)、1.2MHz(833ns)、1.5M
Hz(667ns)、1.8MHz(556ns)、
2.2MHz(455ns)、2.7MHz(370n
s)である。
【0148】また各受信部の遅延時間は、それぞれ10
00ns、833ns、667ns、556ns、45
5ns、370nsである。
【0149】図6を見ると、遅延時間1000nsの遅
延回路を持つ受信部を考えた場合、図6(a)の自己相
関関数を持つ符号で拡散された信号は、遅延時間100
0nsに対し100%の相関を持つので、遅延時間10
00nsの遅延回路を持つ受信部にて逆拡散できる。一
方、図6(b)、図6(c)、図6(d)、図6
(e)、図6(f)の自己相関関数を持つ符号で拡散さ
れた信号は、遅延時間1000nsに対し14%の相関
しか持たないので、遅延時間1000nsの遅延回路を
持つ受信部では逆拡散できない。遅延時間833nsの
遅延回路を持つ受信部、遅延時間667nsの遅延回路
を持つ受信部、遅延時間556nsの遅延回路を持つ受
信部、遅延時間455nsの遅延回路を持つ受信部、遅
延時間370nsの遅延回路を持つ受信部に関して考え
ても同様である。
【0150】以上のことから、図6に示すようなチャン
ネル配置で6チャンネル多重した通信装置も、遅延検波
直接拡散スペクトラム拡散通信方式でありながら、チャ
ンネル多重を実現できていることがわかる。
【0151】以上のように様々な多重の配置が考えられ
るが、基本は、ある送信部のスペクトラム拡散符号を対
応する受信部がもつ遅延時間だけ時間シフトした符号と
時間シフトさせないスペクトラム拡散符号との相関値の
絶対値が1であるか1に近い値を持ち、ある送信部のス
ペクトラム拡散符号を対応する受信部以外の任意の受信
部がもつ遅延時間だけ時間シフトした符号と時間シフト
させないスペクトラム拡散符号との相関値の絶対値がで
きるだけ小さいことであることが理解できる。この基本
を満たせば、本実施例のデータレート、チップレート、
チップ長、チャンネル数等を変えても同様の効果を得ら
れる。
【0152】以上のような構成により、フェージング等
に強い遅延検波直接拡散SS通信方式でありながらチャ
ンネル多重を実現することが可能となる。
【0153】なお、ここではアップコンバート、ダウン
コンバート等の周波数変換手段を用いなかったが、これ
ら周波数変換手段を用いても同様の効果が得られる。
【0154】また、ここでは拡散符号としてPN符号を
用いたが、他の周期的な拡散符号を用いても同様の効果
が得られる。
【0155】(第2の実施例)図7は本発明の第2の実
施例の通信装置の構成を示すブロック図である。
【0156】符号10から19までは第1の実施例に準
じる。チャンネルA送信部11は、第1の送信データ1
11、第1の差動変換部112、第1のスペクトラム拡
散変調部113、第1のPN符号発生部114、第1の
データ変調部115、第1の発振器116からなる。
【0157】第1の送信データ111は、データレート
1.0Mb/sのシリアルデータである。第1の送信デ
ータ111は、第1の差動変換部112によって差動符
号化される。第1の発振器116は、7.0MHzのキ
ャリア信号を発生する。第1の発振器116からのキャ
リア信号は、第1のデータ変調部115にて、第1の差
動変換部112からの差動符号化された信号によってB
PSK変調される。第1のPN符号発生部114は、チ
ップレート7.0Mチップ/sでチップ長7のPN符号
を発生する。よってPN周期は1.0MHz(1000
ns)である。第1のデータ変調部115からの信号
は、第1のスペクトラム拡散変調部113にて、第1の
PN符号発生部114からの拡散符号によってスペクト
ラム拡散される。
【0158】チャンネルB送信部12は、第2の送信デ
ータ121、第2の差動変換部122、第2のスペクト
ラム拡散変調部123、第2のPN符号発生部124、
第2のデータ変調部125、第2の発振器126からな
る。
【0159】チャンネルB送信部12の動作は、チャン
ネルA送信部11の動作に準じる。但し、第2の送信デ
ータ121はデータレート1.2Mb/sのシリアルデ
ータであり、第2の発振器126は8.4MHzのキャ
リア信号を発生し、第2のPN符号発生部124はチッ
プレート8.4Mチップ/sでチップ長7、つまりPN
周期1.2MHz(833ns)のPN符号を発生す
る。
【0160】チャンネルC送信部13は、第3の送信デ
ータ131、第3の差動変換部132、第3のスペクト
ラム拡散変調部133、第3のPN符号発生部134、
第3のデータ変調部135、第3の発振器136からな
る。
【0161】チャンネルC送信部13の動作は、チャン
ネルA送信部11の動作に準じる。但し、第3の送信デ
ータ131はデータレート1.5Mb/sのシリアルデ
ータであり、第3の発振器136は10.5MHzのキ
ャリア信号を発生し、第3のPN符号発生部134はチ
ップレート10.5Mチップ/sでチップ長7、つまり
PN周期1.5MHz(667ns)のPN符号を発生
する。
【0162】チャンネルD送信部14は、第4の送信デ
ータ141、第4の差動変換部142、第4のスペクト
ラム拡散変調部143、第4のPN符号発生部144、
第4のデータ変調部145、第4の発振器146からな
る。
【0163】チャンネルD送信部14の動作は、チャン
ネルA送信部11の動作に準じる。但し、第4の送信デ
ータ141はデータレート1.8Mb/sのシリアルデ
ータであり、第4の発振器146は12.6MHzのキ
ャリア信号を発生し、第4のPN符号発生部144はチ
ップレート12.6Mチップ/sでチップ長7、つまり
PN周期1.8MHz(556ns)のPN符号を発生
する。
【0164】図8において、(a)はチャンネルA送信
部11からの信号スペクトラム、(b)はチャンネルB
送信部12からの信号スペクトラム、(c)はチャンネ
ルC送信部13からの信号スペクトラム、(d)はチャ
ンネルD送信部14からの信号スペクトラムを示す。こ
れらの信号の加算が伝送路10に入力される。
【0165】チャンネルA受信部15、チャンネルB受
信部16、チャンネルC受信部17、チャンネルD受信
部18の構成は、第1の実施例に準じる。
【0166】以上のように構成された通信装置が、どの
ような仕組みでチャンネル多重を実現しているかを説明
する。
【0167】本実施例では4チャンネルの多重を示して
いるが、説明の簡略化のために、チャンネルAとチャン
ネルBの2チャンネル多重の場合を考えて説明する。
【0168】第1の送信データ111をDAt(t)、
第1の差動変換部112によって差動変換されたデータ
をDAm(t)、第1の送信データ111のデータ1シ
ンボル時間をαAとするとDAm(t)は(数22)の
ように表される。
【0169】
【数22】
【0170】同様に、第2の送信データ121をDBt
(t)、第2の差動変換部122によって差動変換され
たデータをDBm(t)、第2の送信データ121のデ
ータ1シンボル時間をαBとするとDBm(t)は(数
23)のように表される。
【0171】
【数23】
【0172】但し、DAt(t)、DAm(t)、DB
t(t)、DBm(t)は、1か−1の値を持つ。
【0173】第1のPN符号発生部114からの拡散信
号をAA(t)、第2のPN符号発生部124からの拡
散信号をAB(t)、第1の発振器116からのキャリ
ア信号をCA(t)、第2の発振器126からのキャリ
ア信号をCB(t)とすると、チャンネルA送信部11
からの出力信号SA(t)は(数24)、チャンネルB
送信部12からの出力信号SB(t)は(数25)のよ
うに表される。
【0174】
【数24】
【0175】
【数25】
【0176】(数24)、(数25)で表される信号を
加算多重した信号が、伝送路10を経由して、チャンネ
ルA受信部15、チャンネルB受信部16に入力され
る。
【0177】よって、この2つの受信部に入力される信
号S(t)は(数26)のように表される。
【0178】
【数26】
【0179】チャンネルA受信部15に入力された信号
S(t)は、第1の遅延回路151にて第1の送信デー
タ111のデータ1シンボル時間αAだけ遅延させられ
る。この遅延した信号Sd(t)は次(数27)のよう
に表される。
【0180】
【数27】
【0181】第1の乗算器152では、遅延されない信
号S(t)と遅延された信号Sd(t)との乗算が実行
され、その出力Sr(t)は(数28)で表される。
【0182】
【数28】
【0183】(数28)は4つの項の足し合わせで表現
されている。これらの項ひとつひとつに含まれる拡散符
号と拡散符号を遅延したものとの乗算の部分のみに着目
する。
【0184】第1項めのAA(t)・AA(t−αA)
について考える。AA(t)は周期がαAである拡散信
号であるので、AA(t)とAA(t−αA)の相関は
100%である。このことから、AA(t)・AA(t
−αA)は1となり、第1項めはDAm(t)・DAm
(t−αA)・CA(t)・CA(t−αA)となる。
すなわち逆拡散が実現されている。CA(t)・CA
(t−αA)は、同じ周波数を持つキャリア信号である
ので、CA(t)・CA(t−αA)はそのパワーをベ
ースバンドとキャリア信号周波数の倍の周波数に分配す
ることになる。
【0185】第2項めのAA(t)・AB(t−αA)
について考える。AA(t)とAB(t)はチップレー
トの異なる符号であるので、お互いの相関は低い。これ
により、AA(t)・AB(t−αA)は逆拡散せず、
信号成分は広く拡散されたままとなる。これは第3項め
のAB(t)・AA(t−αA)にもあてはまる。
【0186】第4項めのAB(t)・AB(t−αA)
について考える。AB(t)は周期がαBである拡散信
号であるので、AB(t)とAB(t−αB)の相関は
100%であるが、AB(t)とAB(t−αA)の相
関はαAの値に依存する問題である。今仮にαAの値
が、AB(t)とAB(t−αA)の相関値を低くする
ように選んであると仮定すると、AB(t)・AB(t
−αA)は逆拡散せず、信号成分は広く拡散されたまま
となる。
【0187】このように、ベースバンドとキャリア信号
の倍の周波数とに信号成分を集めた第1項めと、広く信
号成分を拡散させたままの第2項め、第3項め、第4項
めが加算された信号が第1の乗算器152の出力信号S
r(t)である。この出力信号Sr(t)を第1のロー
パスフィルタ153に入力すると、ベースバンド成分の
みが取り出されることとなる。よって第1のローパスフ
ィルタ153の出力信号DAr(t)は(数29)のよ
うに表される。
【0188】
【数29】
【0189】実際は(数28)の第2項、第3項、第4
項のベースバンド部分に拡散されている信号がノイズ成
分として(数29)の中に入るし、キャリア信号の倍の
周波数の場所の信号成分をカットしているので、信号振
幅が減少するはずであるが、これらはコンパレータ等を
用いることで除外できるので省略した。
【0190】(数29)は(数22)を用いて(数3
0)のように書き換えられる。
【0191】
【数30】
【0192】DAm(t−αA)は、1か−1の値を持
つので、(数30)は(数31)のように書き換えられ
る。
【0193】
【数31】
【0194】これよりチャンネルA受信部15ではチャ
ンネルA送信部11からの送信データのみを再生できて
いることがわかる。
【0195】チャンネルB受信部16に関しても同様で
あり、これを本実施例の4チャンネル多重の場合に拡張
して考えても同様である。
【0196】上記の説明で、αAの値が、AB(t)と
AB(t−αA)の相関値を低くするように選んである
ことを仮定した。このことについて、具体的にαAの値
をどのように選ぶ必要があるのかについては、第1の実
施例に準じる。
【0197】また、図8によれば、中間周波数を各チャ
ンネルで異なる値としたことにより、拡散スペクトラム
のピークの周波数がそれぞれ異なる。これにより、各チ
ャンネル間の干渉を低減することが可能となる。
【0198】以上のような構成により、フェージング等
に強い遅延検波直接拡散SS通信方式でありながらチャ
ンネル多重を実現し、かつ、第1の実施例と比べ、チャ
ンネル間干渉の少ない通信装置を実現することが可能と
なる。
【0199】基本は、第1の実施例同様、ある送信部の
スペクトラム拡散符号を対応する受信部がもつ遅延時間
だけ時間シフトした符号と時間シフトさせないスペクト
ラム拡散符号との相関値の絶対値が1であるか1に近い
値を持ち、ある送信部のスペクトラム拡散符号を対応す
る受信部以外の任意の受信部がもつ遅延時間だけ時間シ
フトした符号と時間シフトさせないスペクトラム拡散符
号との相関値の絶対値ができるだけ小さいことである。
この基本を満たせば、本実施例のデータレート、チップ
レート、チップ長、チャンネル数、キャリア周波数等を
変えても同様の効果を得られる。
【0200】なお、ここではアップコンバート、ダウン
コンバート等の周波数変換手段を用いなかったが、これ
ら周波数変換手段を用いても同様の効果が得られる。
【0201】また、ここでは拡散符号としてPN符号を
用いたが、他の周期的な拡散符号を用いても同様の効果
が得られる。
【0202】また、ここでは各チャンネルのデータ変調
部で用いた中間周波数をチップレートと一致させていた
が、どんな周波数を用いても、各チャンネルの中間周波
数が異なっていれば同様の効果が得られる。また全ての
中間周波数を同じ周波数にした場合は、第1の実施例に
比べチャンネル間干渉の少ない通信装置を実現すること
はできないが、その他の点については同様の効果が得ら
れる。
【0203】(第3の実施例)図9は本発明の第3の実
施例の通信装置の構成を示すブロック図である。
【0204】符号10から19までは第1の実施例に準
じる。チャンネルA送信部11は、第1の送信データ1
11、第1の差動変換部112、第1のスペクトラム拡
散変調部113、第1のPN符号発生部114、第1の
符号用ローパスフィルタ117からなる。
【0205】第1の送信データ111は、データレート
1.0Mb/sのシリアルデータである。第1の送信デ
ータ111は、第1の差動変換部112によって差動符
号化される。第1のPN符号発生部114は、チップレ
ート63.0Mチップ/sでチップ長63のPN符号を
発生する。よってPN周期は1.0MHz(1000n
s)である。第1の符号用ローパスフィルタ117は、
カットオフ周波数が10MHzのローパスフィルタであ
り、第1のPN符号発生部114からの拡散符号の周波
数を10MHz以下に制限する。第1の差動変換部11
2からの信号は、第1のスペクトラム拡散変調部113
にて、第1の符号用ローパスフィルタ117からの帯域
制限された拡散符号によってスペクトラム拡散される。
【0206】チャンネルB送信部12は、第2の送信デ
ータ121、第2の差動変換部122、第2のスペクト
ラム拡散変調部123、第2のPN符号発生部124、
第2の符号用ローパスフィルタ127からなる。
【0207】チャンネルB送信部12の動作は、チャン
ネルA送信部11の動作に準じる。但し、第2の送信デ
ータ121はデータレート1.2Mb/sのシリアルデ
ータであり、第2のPN符号発生部124はチップレー
ト75.6Mチップ/sでチップ長63、つまりPN周
期1.2MHz(833ns)のPN符号を発生する。
【0208】チャンネルC送信部13は、第3の送信デ
ータ131、第3の差動変換部132、第3のスペクト
ラム拡散変調部133、第3のPN符号発生部134、
第3の符号用ローパスフィルタ137からなる。
【0209】チャンネルC送信部13の動作は、チャン
ネルA送信部11の動作に準じる。但し、第3の送信デ
ータ131はデータレート1.5Mb/sのシリアルデ
ータであり、第3のPN符号発生部134はチップレー
ト94.5Mチップ/sでチップ長63、つまりPN周
期1.5MHz(667ns)のPN符号を発生する。
【0210】チャンネルD送信部14は、第4の送信デ
ータ141、第4の差動変換部142、第4のスペクト
ラム拡散変調部143、第4のPN符号発生部144、
第4の符号用ローパスフィルタ147からなる。
【0211】チャンネルD送信部14の動作は、チャン
ネルA送信部11の動作に準じる。但し、第4の送信デ
ータ141はデータレート1.8Mb/sのシリアルデ
ータであり、第4のPN符号発生部144はチップレー
ト113.4Mチップ/sでチップ長63、つまりPN
周期1.8MHz(556ns)のPN符号を発生す
る。
【0212】図10において、(a)は第1の符号用ロ
ーパスフィルタ117からの信号スペクトラム、(b)
は第2の符号用ローパスフィルタ127からの信号スペ
クトラム、(c)は第3の符号用ローパスフィルタ13
7からの信号スペクトラム、(d)は第4の符号用ロー
パスフィルタ147からの信号スペクトラムを示す。こ
れらの拡散符号によって拡散された信号の加算が伝送路
10に入力される。つまり本実施例ではPN符号を帯域
制限して取り出した信号を拡散符号として用いている。
この拡散符号の周期性は、帯域制限する前のPN符号の
周期性と変わりがない。これらの信号を拡散符号として
用いているため、拡散信号はある周波数帯域内に収まっ
ており、且つ、帯域内で多くのパワーを送信することが
可能となる。
【0213】チャンネルA受信部15、チャンネルB受
信部16、チャンネルC受信部17、チャンネルD受信
部18の構成は、第1の実施例に準じる。
【0214】以上のように構成された通信装置が、どの
ような仕組みでチャンネル多重を実現しているかは、拡
散符号が、帯域制限されたPN符号であるだけの違いで
あるので、第1の実施例に準じる。
【0215】図11において、(a)は第1の符号用ロ
ーパスフィルタ117からの帯域制限された拡散符号の
自己相関関数、(b)は第2の符号用ローパスフィルタ
127からの帯域制限された拡散符号の自己相関関数、
(c)は第3の符号用ローパスフィルタ137からの帯
域制限された拡散符号の自己相関関数、(d)は第4の
符号用ローパスフィルタ147からの帯域制限された拡
散符号の自己相関関数を示す。
【0216】図11を見ると、図11(a)の自己相関
関数を持つ符号で拡散された信号、すなわちチャンネル
A送信部11からの信号は、遅延時間1000nsに対
し100%の相関を持つので、遅延時間1000nsの
第1の遅延回路151をもつチャンネルA受信部15に
て逆拡散できる。一方、図11(b)、図11(c)、
図11(d)の自己相関関数を持つ符号で拡散された信
号、すなわちチャンネルB送信部12、チャンネルC送
信部13、チャンネルD送信部14からの信号は、遅延
時間1000nsに対しおよそ20%の相関しか持たな
いので、チャンネルA受信部15では逆拡散できない。
チャンネルB受信部16、チャンネルC受信部17、チ
ャンネルD受信部18に関して考えても同様である。
【0217】以上のことからも、本実施例の通信装置
は、遅延検波直接拡散スペクトラム拡散通信方式であり
ながら、チャンネル多重を実現できていることがわか
る。
【0218】以上のような構成により、フェージング等
に強い遅延検波直接拡散SS通信方式でありながらチャ
ンネル多重を実現することが可能となる。
【0219】基本は、第1の実施例同様、ある送信部の
スペクトラム拡散符号を対応する受信部がもつ遅延時間
だけ時間シフトした符号と時間シフトさせないスペクト
ラム拡散符号との相関値の絶対値が1であるか1に近い
値を持ち、ある送信部のスペクトラム拡散符号を対応す
る受信部以外の任意の受信部がもつ遅延時間だけ時間シ
フトした符号と時間シフトさせないスペクトラム拡散符
号との相関値の絶対値ができるだけ小さいことである。
この基本を満たせば、本実施例のデータレート、チップ
レート、チップ長、チャンネル数、キャリア周波数、拡
散符号の帯域制限周波数等を変えても同様の効果を得ら
れる。
【0220】また、本実施例の場合、送信信号を所定の
帯域内で大きいパワーで送信できるので、S/Nの改善
が計ることができる。
【0221】なお、ここではアップコンバート、ダウン
コンバート等の周波数変換手段を用いなかったが、これ
ら周波数変換手段を用いても同様の効果が得られる。
【0222】また、ここでは拡散符号としてPN符号を
帯域制限したものを用いたが、他の周期的な拡散符号を
用いても同様の効果が得られる。
【0223】また、ここでは拡散符号の符号用ローパス
フィルタを用いて帯域制限してからスペクトラム拡散し
たが、帯域制限しない符号を用いてスペクトラム拡散し
てから符号用ローパスフィルタを用いて帯域制限しても
同様の効果が得られる。
【0224】
【発明の効果】以上のように本発明は、フェージング等
に強い遅延検波直接拡散SS通信方式を用いながら、送
信信号を多重して送ることができる通信装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の通信装置の構成を示す
ブロック図
【図2】(a)チャンネルA送信部11からの信号スペ
クトラムを示す図 (b)チャンネルB送信部12からの信号スペクトラム
を示す図 (c)チャンネルC送信部13からの信号スペクトラム
を示す図 (d)チャンネルD送信部14からの信号スペクトラム
を示す図
【図3】(a)第1のPN符号発生部114の発生する
符号の自己相関関数を示す図 (b)第2のPN符号発生部124の発生する符号の自
己相関関数を示す図 (c)第3のPN符号発生部134の発生する符号の自
己相関関数を示す図 (d)第4のPN符号発生部144の発生する符号の自
己相関関数を示す図
【図4】(a)データレート1.00Mb/s用のスペ
クトラム拡散符号の自己相関関数を示す図 (b)データレート1.12Mb/s用のスペクトラム
拡散符号の自己相関関数を示す図 (c)データレート1.26Mb/s用のスペクトラム
拡散符号の自己相関関数を示す図 (d)データレート1.42Mb/s用のスペクトラム
拡散符号の自己相関関数を示す図 (e)データレート1.60Mb/s用のスペクトラム
拡散符号の自己相関関数を示す図 (f)データレート1.80Mb/s用のスペクトラム
拡散符号の自己相関関数を示す図
【図5】(a)データレート1.000Mb/s用のス
ペクトラム拡散符号の自己相関関数を示す図 (b)データレート1.096Mb/s用のスペクトラ
ム拡散符号の自己相関関数を示す図 (c)データレート1.201Mb/s用のスペクトラ
ム拡散符号の自己相関関数を示す図 (d)データレート1.317Mb/s用のスペクトラ
ム拡散符号の自己相関関数を示す図 (e)データレート1.444Mb/s用のスペクトラ
ム拡散符号の自己相関関数を示す図 (f)データレート1.583Mb/s用のスペクトラ
ム拡散符号の自己相関関数を示す図 (g)データレート1.735Mb/s用のスペクトラ
ム拡散符号の自己相関関数を示す図 (h)データレート1.902Mb/s用のスペクトラ
ム拡散符号の自己相関関数を示す図
【図6】(a)データレート1.0Mb/s用のスペク
トラム拡散符号の自己相関関数を示す図 (b)データレート1.2Mb/s用のスペクトラム拡
散符号の自己相関関数を示す図 (c)データレート1.5Mb/s用のスペクトラム拡
散符号の自己相関関数を示す図 (d)データレート1.8Mb/s用のスペクトラム拡
散符号の自己相関関数を示す図 (e)データレート2.2Mb/s用のスペクトラム拡
散符号の自己相関関数を示す図 (f)データレート2.7Mb/s用のスペクトラム拡
散符号の自己相関関数を示す図
【図7】本発明の第2の実施例の通信装置の構成を示す
ブロック図
【図8】(a)チャンネルA送信部11からの信号スペ
クトラムを示す図 (b)チャンネルB送信部12からの信号スペクトラム
を示す図 (c)チャンネルC送信部13からの信号スペクトラム
を示す図 (d)チャンネルD送信部14からの信号スペクトラム
を示す図
【図9】本発明の第3の実施例の通信装置の構成を示す
ブロック図
【図10】(a)第1の符号用ローパスフィルタ117
からの信号スペクトラムを示す図 (b)第2の符号用ローパスフィルタ127からの信号
スペクトラムを示す図 (c)第3の符号用ローパスフィルタ137からの信号
スペクトラムを示す図 (d)第4の符号用ローパスフィルタ147からの信号
スペクトラムを示す図
【図11】(a)第1の符号用ローパスフィルタ117
からの帯域制限された拡散符号の自己相関関数を示す図 (b)第2の符号用ローパスフィルタ127からの帯域
制限された拡散符号の自己相関関数を示す図 (c)第3の符号用ローパスフィルタ137からの帯域
制限された拡散符号の自己相関関数を示す図 (d)第4の符号用ローパスフィルタ147からの帯域
制限された拡散符号の自己相関関数を示す図
【図12】同期検波直接拡散SS通信装置の例を示す図
【図13】遅延検波直接拡散SS通信装置の例を示す図
【図14】(a)拡散された信号スペクトラムの例を示
す図 (b)伝送路の周波数対位相特性の例を示す図
【符号の説明】
10 伝送路 11 チャンネルA送信部 12 チャンネルB送信部 13 チャンネルC送信部 14 チャンネルD送信部 15 チャンネルA受信部 16 チャンネルB受信部 17 チャンネルC受信部 18 チャンネルD受信部 19 加算器 111 第1の送信データ 112 第1の差動変換部 113 第1のスペクトラム拡散変調部 114 第1のPN符号発生部 115 第1のデータ変調部 116 第1の発振器 117 第1の符号用ローパスフィルタ 121 第2の送信データ 122 第2の差動変換部 123 第2のスペクトラム拡散変調部 124 第2のPN符号発生部 125 第2のデータ変調部 126 第2の発振器 127 第2の符号用ローパスフィルタ 131 第3の送信データ 132 第3の差動変換部 133 第3のスペクトラム拡散変調部 134 第3のPN符号発生部 135 第3のデータ変調部 136 第3の発振器 137 第3の符号用ローパスフィルタ 141 第4の送信データ 142 第4の差動変換部 143 第4のスペクトラム拡散変調部 144 第4のPN符号発生部 145 第4のデータ変調部 146 第4の発振器 151 第1の遅延回路 152 第1の乗算器 153 第1のローパスフィルタ 154 第1の受信データ 161 第2の遅延回路 162 第2の乗算器 163 第2のローパスフィルタ 164 第2の受信データ 171 第3の遅延回路 172 第3の乗算器 173 第3のローパスフィルタ 174 第3の受信データ 181 第4の遅延回路 182 第4の乗算器 183 第4のローパスフィルタ 184 第4の受信データ 20 伝送路 21 チャンネルA送信部 22 チャンネルB送信部 23 チャンネルA受信部 24 チャンネルB受信部 25 加算器 211 第1の送信データ 212 第1のスペクトラム拡散変調部 213 送信側第1のPN符号発生部 221 第2の送信データ 222 第2のスペクトラム拡散変調部 223 送信側第2のPN符号発生部 231 第1のスペクトラム拡散復調部 232 受信側第1のPN符号発生部 233 第1の同期回路 234 第1の受信データ 241 第2のスペクトラム拡散復調部 242 受信側第2のPN符号発生部 243 第2の同期回路 244 第2の受信データ 30 伝送路 31 送信部 32 受信部 311 送信データ 312 差動変換部 313 スペクトラム拡散変調部 314 PN符号発生部 321 遅延回路 322 乗算器 323 ローパスフィルタ 324 受信データ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 正己 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の送信部と、前記各送信部からの送
    信信号を加算多重して伝送路に送出する加算送出部と、
    前記各送信部と1対1に対応し、対応する送信部からの
    信号のみを再生する複数の受信部とを備えた通信装置で
    あって、 前記各送信部は、送信データを差動符号化する差動変換
    手段と、スペクトラム拡散符号を発生するスペクトラム
    拡散符号発生手段と、前記差動変換手段の出力信号のス
    ペクトラムを前記スペクトラム拡散符号によって直接拡
    散させて送信信号を得るスペクトラム拡散変調手段とを
    備え、 前記各受信部は、前記伝送路からの受信信号に他の全て
    の受信部と異なる時間遅延を付加して遅延信号を得る遅
    延手段と、前記受信信号と前記遅延信号との積を求める
    乗算手段と、前記乗算手段の出力信号から前記受信信号
    と前記遅延信号との差の周波数成分のみを受信データと
    して取り出すローパスフィルタ手段とを備え、 前記各送信部の送信データの1シンボル時間は、対応す
    る受信部の遅延時間の1/N(Nは自然数)倍であり、 前記各送信部のスペクトラム拡散符号の周期は、対応す
    る受信部の遅延時間の1/M(Mは自然数)倍であるこ
    とを特徴とするスペクトラム拡散通信装置。
  2. 【請求項2】 各送信部のスペクトラム拡散符号と、こ
    れらのスペクトラム拡散符号を、対応する受信部の遅延
    時間だけ時間シフトさせたものとの相関値の絶対値が、
    それぞれ第1の所定の値以上であり、 前記各送信部のスペクトラム拡散符号と、これらのスペ
    クトラム拡散符号を、対応する受信部以外の各受信部の
    遅延時間だけ時間シフトさせたものとの相関値の絶対値
    が、それぞれ第2の所定の値以下であるよう構成された
    請求項1記載のスペクトラム拡散通信装置。
  3. 【請求項3】 各送信部が、中間周波数を差動符号化し
    た送信データを用いてBPSK変調したものをスペクト
    ラム拡散変調手段で直接拡散するよう構成され、 前記各送信部における中間周波数は、他の全ての送信部
    における中間周波数と異なることを特徴とする請求項1
    または2記載のスペクトラム拡散通信装置。
  4. 【請求項4】 拡散符号の帯域をその拡散符号のスペク
    トラムのメインローブよりも狭い帯域内に帯域制限した
    ものを、スペクトラム拡散符号とすることを特徴とする
    請求項1〜3何れかに記載のスペクトラム拡散通信装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106603117A (zh) * 2016-12-09 2017-04-26 江苏理工学院 一种水下测量传播时延的方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106603117A (zh) * 2016-12-09 2017-04-26 江苏理工学院 一种水下测量传播时延的方法

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