JPH07319170A - レジスト用現像原液および現像液 - Google Patents

レジスト用現像原液および現像液

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JPH07319170A
JPH07319170A JP9759395A JP9759395A JPH07319170A JP H07319170 A JPH07319170 A JP H07319170A JP 9759395 A JP9759395 A JP 9759395A JP 9759395 A JP9759395 A JP 9759395A JP H07319170 A JPH07319170 A JP H07319170A
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 品質安定性に優れ、取り扱い、品質管理が容
易な高濃度のレジスト用現像原液と、これを希釈して得
られる、現像処理において低起泡性、消泡性に極めて優
れるとともに、均一な濡れ性に優れ、かつマスクパター
ンに忠実なレジストパターンが形成できるレジスト用現
像液とを提供する。 【構成】 金属イオンを含まない有機塩基と、重量平均
分子量が100〜1000であって、ポリエチレンオキ
シド化合物、ポリプロピレンオキシド化合物およびエチ
レンオキシド・プロピレンオキシド付加物の中から選ば
れる少なくとも1種とを配合してなるレジスト用現像原
液、およびこの現像用原液を所要濃度に希釈してなるレ
ジスト用現像液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレジスト用現像原液およ
び現像液に係り、さらに詳しくは、品質安定性に優れ、
取り扱い、品質管理が容易な高濃度のレジスト用現像原
液と、これを希釈して得られる、低起泡性、消泡性、均
一な濡れ性に優れ、しかもマスクパターンに忠実なレジ
ストパターンが形成できるレジスト用現像液に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス、液晶デバイス等の電子
部品の製造においては、基板にエッチングや拡散処理を
施すに際し、この基板を選択的に保護する目的で、紫外
線、遠紫外線、エキシマレーザ、X線、電子線等の活性
放射線に感応するいわゆる感放射線ホトレジストを用い
て基板上に被膜を形成し、次いで画像露光、現像して画
像パターンを形成し、これを保護層としている。近年、
環境安全等の面から、感放射線ホトレジストの現像液と
してアルカリ水溶液が一般に使用されている。
【0003】これら電子部品の製造にあっては、現像液
として金属イオンを含むアルカリ水溶液を用いると、得
られるデバイス特性に悪影響を及ぼすため、通常、金属
イオンを含まない現像液、例えばテトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド(=TMAH)(“IBM Technical Di
sclosure Bulletin ”、第3巻、第7号、第2009
頁、1970年)やトリメチル(2−ヒドロキシエチ
ル)アンモニウムヒドロキシド(=コリン)(米国特許
第4239661号)等の水溶液が用いられている。こ
れら金属イオンを含まないアルカリ水溶液からなるレジ
スト用現像液は、有機溶媒からなる他のホトレジスト用
現像液に比べて保管や廃液処理が簡単で、しかも引火性
がなく特殊な安全対策を必要としないことなどから汎用
性が高い。このような現像液として、TMAH水溶液に
種々の活性剤を添加したものが本出願人によって従前に
出願されている(特公平4−51020号公報、特開昭
63−25650号公報、特開平5−291530号公
報、特願平5−291530号明細書、等)。
【0004】ところで、レジスト用現像液中のアルカリ
濃度は、通常2〜3%程度に調整されて用いられるが、
レジストの実効感度のバラツキを小さくするため、現像
する各レジストごとに極めて正確に現像液中のアルカリ
濃度を調整する必要がある。このアルカリ濃度の調整
は、従来、現像液メーカーが、例えばアルカリ濃度15
〜25重量%程度の現像原液を水で所要濃度に希釈して
行っている。
【0005】しかしながら、金属イオンを含まない有機
塩基のみを含む現像液を用いた場合、レジスト現像時に
泡が発生するという問題が生じる。この発泡の問題を解
決すべく、従来、現像原液を希釈して現像液濃度を調整
した後、この現像液に対し、消泡の目的で、種々の活性
剤を必要に応じて添加している。
【0006】このような現像原液の希釈は、現像原液の
品質管理や正確なアルカリ濃度調整が難しいことなども
あって、従来より現像液メーカー側で行い、最適アルカ
リ濃度に希釈、厳密調整した現像液をユーザー側に供給
していた。しかしながら、メーカー側で現像原液を所要
濃度に希釈して現像液とし、これをユーザー側に供給す
るという従来のやり方では、近年の半導体デバイス、液
晶デバイス等の量産化に伴うレジスト用現像液使用量の
飛躍的な増大とも相まって、メーカー側、ユーザー側と
もに多量の現像液収納缶の準備をしなければならず、ま
た、現像液の運送コストが増大し、結果的には電子部品
の製造コストの増大を余儀なくされるという問題が生じ
る。
【0007】このような状況に対処すべく、アルカリ濃
度の高い現像原液を各ユーザー側で希釈、管理する方法
が種々検討されてきた。このようななかで、現像原液を
簡易にしかも極めて正確な濃度に希釈することのできる
現像原液の希釈システムが本出願人によって提供されて
いる(特開平6−29707号公報)。このシステム
は、現像原液と純水とを混合タンク内に供給して希釈、
混合して現像液を所定濃度に調整する方法において、希
釈途中の混合液の濃度分析を行い、この分析値に基づい
て、所定濃度とするために混合タンク内に加えなければ
ならない現像原液または純水の重量を算出、供給して濃
度調整を行う方法である。これにより、従来のような、
混合タンクに現像原液または純水を送り込むポンプの駆
動を制御する方法に比べ、極めて正確な希釈濃度とする
ことができる。したがって、このシステムを用いること
により、ユーザー側でも現像液の厳密なアルカリ濃度調
整を簡易に行うことが可能となる。
【0008】そして、今や上記現像原液の希釈システム
が各ユーザーに導入されつつある。そのため各現像液メ
ーカーに対して、これら希釈システムに対応した現像原
液をユーザーへ提供することの要請が高まってきてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記現像原液希釈シス
テムにおいて用いられる現像原液は、通常、金属イオン
を含まない有機塩基の濃度が15〜20重量%以上の高
濃度の現像原液であり、これを上記システムによって2
〜3重量%にまで希釈してレジスト用現像液を得るよう
になっている。しかしながら、金属イオンを含まない有
機塩基のみを含む現像液は、上述したように、現像時に
泡が発生し、現像液の循環使用ができない、あるいは現
像液の適正な使用量供給ができない等の問題が生じる。
したがって、高濃度の現像原液に消泡のための活性剤を
添加し、これをレジスト用現像原液としてユーザー側に
供給できれば、各ユーザー側では、希釈し、現像液とし
た後にさらに活性剤を加える必要がなく、水で希釈する
だけで所望のアルカリ濃度のレジスト用現像液を得るこ
とができる。
【0010】しかるに、従来のレジスト用現像液に用い
られている活性剤を高濃度にして現像原液中に配合しよ
うとすると、その相容性が小さいことから、現像原液の
濃度の高さに限度があり、20重量%程度以上の高濃度
の現像原液を得ることは難しかった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アルカリ濃
度が15〜20重量%以上の高濃度の現像原液中におい
ても相容性に優れ、しかも希釈して現像液とした場合で
も現像特性を損なわない化合物を見出し、本発明を完成
するに至った。このような化合物を配合することによ
り、品質安定性に優れ、取り扱い、品質管理が容易であ
り、さらに上記現像原液希釈システムにも対応可能な高
濃度現像原液が得られる。また、この現像原液を用いる
ことにより、希釈時に活性剤等を別途配合する手間を省
くことができるとともに、低起泡性・消泡性並びに均一
な濡れ性に優れ、しかもマスクパターンに忠実なレジス
トパターンを形成することのできる現像液を簡易に得る
ことができる。
【0012】すなわち、本発明によれば、金属イオンを
含まない有機塩基と、重量平均分子量が100〜100
0であって、ポリエチレンオキシド化合物、ポリプロピ
レンオキシド化合物およびエチレンオキシド・プロピレ
ンオキシド付加物の中から選ばれる少なくとも1種とを
含有してなるレジスト用現像原液が提供される。
【0013】また、本発明によれば、上記レジスト用現
像原液を所要濃度に希釈してなるレジスト用現像液が提
供される。
【0014】以下に本発明のレジスト用現像原液および
現像液について詳述する。
【0015】まず、本発明の現像原液および現像液に使
用される金属イオンを含まない有機塩基としては、アル
カリ可溶性のレジストの現像液として慣用的に用いられ
ているものをそのまま用いることができる。このような
ものとしては、置換基に直鎖状、分枝状もしくは環状の
第一級、第二級または第三級アミンを含むアリールアミ
ン、アルキレンアミンやアルキルアミン(具体的には、
例えば4,4’−ジアミノジフェニルアミンなどのアリ
ールアミン、1,3−ジアミノプロパンなどのアルキレ
ンジアミン、N,N’−ジアミノジアルキルアミンなど
のアルキルアミン)や、環骨格に3〜5個の炭素原子と
窒素、酸素およびイオウの中から選ばれたヘテロ原子1
〜2個とを有する複素環式塩基(具体的には、例えばピ
ロール、ピロリジン、ピロリドン、ピリジン、モルホリ
ン、ピラジン、ピペリジン、オキサゾール、チアゾール
など)等が例示的に挙げられる。また、低級アルキル第
四級アンモニウム塩基も用いられ、具体的にはテトラメ
チルアンモニウムヒドロキシド(=TMAH)、テトラ
エチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアン
モニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウム
ヒドロキシド、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)ア
ンモニウムヒドロキシド(=コリン)、トリエチル(2
−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、トリ
プロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロ
キシド、トリメチル(1−ヒドロキシプロピル)アンモ
ニウムヒドロキシド等が例示される。これらの中では低
級第四級アンモニウム塩基が好ましく、なかでもTMA
H、コリン等が特に好適に用いられる。
【0016】これら金属イオンを含まない有機塩基は、
単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0017】該金属イオンを含まない有機塩基の濃度
は、使用する有機塩基の種類や現像するレジストによっ
て多少異なるが、現像原液としては、15〜20重量%
以上、さらには30重量%程度であり、これを希釈して
レジスト用現像液として通常用いられている2〜3重量
%程度の濃度になるように調整すればよい。
【0018】本発明のレジスト用現像原液および現像液
には、さらに、重量平均分子量が100〜1000であ
って、ポリエチレンオキシド化合物、ポリプロピレンオ
キシド化合物およびエチレンオキシド・プロピレンオキ
シド付加物の中から選ばれる少なくとも1種が必須構成
成分として配合される。
【0019】ポリエチレンオキシド化合物としては、炭
素数1〜22個の直鎖状、分岐状または環状のアルコー
ル、アルキルフェノールとエチレンオキシドの付加物、
またはポリエチレングリコール等が挙げられ、特に、炭
素数1〜8個のアルコールとエチレンオキシドの付加
物、ポリエチレングリコール等が好適に用いられる。こ
こで炭素数1〜8個のアルコールとしては、直鎖状、分
岐状または環状の1価または2価のアルコール等が挙げ
られ、これらのアルコールは、低級アルコキシ基等の置
換基を有していてもよい。具体的には、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチ
ルアルコール、tert−ブチルアルコール、アミルア
ルコール、イソアミルアルコール、ヘキサノール、シク
ロヘキサノール、オクタノール、アセチレンアルコー
ル、ヘキシレングリコール、3−メチル−3−メトキシ
ブチルアルコール等が挙げられ、中でもメチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルア
ルコール等の低級アルコール、ヘキシレングリコール、
3−メチル−3−メトキシブチルアルコールが好適に用
いられる。
【0020】ポリエチレンオキシド化合物の好適な具体
例としては、ポリエチレングリコールの一方の分子末端
(片末端)がメトキシ基のもの(=ポリオキシエチレン
メチルエーテル)、ポリエチレングリコールの片末端が
エトキシ基のもの(=ポリオキシエチレンエチルエーテ
ル)、ポリエチレングリコールの片末端がプロポキシ基
のもの(=ポリオキシエチレンプロピルエーテル)、ポ
リエチレングリコールの片末端がブトキシ基のもの(=
ポリオキシエチレンブチルエーテル)、ヘキシレングリ
コール・エチレンオキシド付加物、3−メチル−3−メ
トキシブタノール・エチレンオキシド付加物等が挙げら
れる。
【0021】ポリプロピレンオキシド化合物としては、
炭素数1〜22個の直鎖状、分岐状または環状のアルコ
ール、アルキルフェノール、アルキルナフトールとプロ
ピレンオキシドの付加物等が挙げられ、特に炭素数1〜
8個のアルコールとプロピレンオキシドの付加物等が好
適に用いられる。ここで炭素数1〜8個のアルコールと
しては直鎖状、分岐状または環状の1価または2価のア
ルコール等が挙げられ、これらのアルコールは、低級ア
ルコキシ基等の置換基を有していてもよい。具体的に
は、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルア
ルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルア
ルコール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、
ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール、ア
セチレンアルコール、ヘキシレングリコール、3−メチ
ル−3−メトキシブチルアルコール等が挙げられ、中で
もメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアル
コール、ブチルアルコール等の低級アルコール、ヘキシ
レングリコール、3−メチル−3−メトキシブチルアル
コール等が好適に用いられる。
【0022】ポリプロピレンオキシド化合物の好適な具
体例としては、ポリプロピレングリコールの片末端がメ
トキシ基のもの(=ポリオキシプロピレンメチルエーテ
ル)、ポリプロピレングリコールの片末端がエトキシ基
のもの(=ポリオキシプロピレンエチルエーテル)、ポ
リプロピレングリコールの片末端がプロポキシ基のもの
(=ポリオキシプロピレンプロピルエーテル)、ポリプ
ロピレングリコールの片末端がブトキシ基のもの(=ポ
リオキシプロピレンブチルエーテル)、ヘキシレングリ
コール・プロピレンオキシド付加物、3−メチル−3−
メトキシブタノール・プロピレンオキシド付加物等が挙
げられる。
【0023】エチレンオキシド・プロピレンオキシド付
加物としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンブロックポリマーの他に、炭素数1〜22個
の直鎖状、分岐状または環状のアルコールにエチレンオ
キシドおよびプロピレンオキシドを付加重合させたポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル
等が挙げられ、中でも炭素数1〜8個のアルコールとエ
チレンオキシドおよびプロピレンオキシドの付加物が好
適に用いられる。ここで炭素数1〜8個のアルコールと
しては直鎖状、分岐状または環状の1価または2価のア
ルコール等が挙げられ、これらのアルコールは、低級ア
ルコキシ基等の置換基を有していてもよい。具体的に
は、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルア
ルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルア
ルコール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、
ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール、ア
セチレンアルコール、ヘキシレングリコール、3−メチ
ル−3−メトキシブチルアルコール等が挙げられ、中で
もヘキシレングリコール、3−メチル−3−メトキシブ
チルアルコールが好適に用いられる。
【0024】エチレンオキシド・プロピレンオキシド付
加物の好適な具体例としては、ヘキシレングリコール・
エチレンオキシド・プロピレンオキシド付加物、3−メ
チル−3−メトキシブタノール・エチレンオキシド・プ
ロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
【0025】上述の化合物はさらに、重量平均分子量が
100〜1000であることが必要であり、好ましくは
200〜800、より好ましくは200〜600であ
る。重量平均分子量が100未満では現像液としての低
起泡性、消泡性、均一な濡れ性、マスクパターンに忠実
なホトレジストパターンの形成性に劣るからであり、一
方、1000を超えるものでは現像原液とした時にミセ
ルを形成しやすく、品質安定性、取り扱い性、品質管理
性が悪くなるからである。
【0026】なお、本発明では、ポリエチレンオキシド
化合物、ポリプロピレンオキシド化合物、エチレンオキ
シド・プロピレンオキシド付加物から選ばれる2種以上
を同時に併用してもよく、その場合には2種以上の添加
物の総和重量平均分子量が上記範囲を満たすように調整
すればよい。
【0027】上記化合物の中でも特に、ポリエチレング
リコールの重量平均分子量が200〜800のもの、ポ
リエチレングリコールの片末端がメトキシ基で重量平均
分子量が200〜600のもの、ポリエチレングリコー
ルの片末端がエトキシ基で重量平均分子量が200〜4
00のもの、ポリエチレングリコールの片末端がブトキ
シ基で重量平均分子量が200〜400のもの、ヘキシ
レングリコール・エチレンオキシド付加物、ヘキシレン
グリコール・プロピレンオキシド付加物、ヘキシレング
リコール・エチレンオキシド・プロピレンオキシド付加
物、3−メチル−3−メトキシブタノール・エチレンオ
キシド付加物、3−メチル−3−メトキシブタノール・
プロピレンオキシド付加物、3−メチル−3−メトキシ
ブタノール・エチレンオキシド・プロピレンオキシド付
加物等が、上記レジスト用現像原液への溶解性が良好
で、レジスト用現像液とし、現像処理を行った際に低起
泡性で、さらに消泡性にも優れているので好ましい。
【0028】これら化合物の配合量は、レジスト用現像
液の濃度に応じて、当業者において適宜決められるが、
一般には、この現像液に対し添加される上記添加成分は
100〜10000ppm、好ましくは200〜500
0ppmの配合割合となる。なお、現像原液について
は、前記現像液から誘導される範囲で上記化合物を配合
すればよいが、現像原液に対して添加される上記化合物
は0.06〜8.4重量%、好ましくは0.2〜4.0
重量%の配合割合となる。また、本発明においては、前
記特定の化合物を必須構成成分として配合したので、現
像原液中の金属イオンを含まない有機塩基の濃度を15
〜20重量%以上の濃度にまで高めることができる。特
に、現像原液中の金属イオンを含まない有機塩基の濃度
は、高ければ高いほど多量の現像液が調製できるため好
ましいが、本発明においては、現像原液の該有機塩基濃
度は15〜50重量%が好ましく、より好ましくは20
〜40重量%、特に好ましくは20〜30重量%であ
る。
【0029】本発明の現像液は、金属イオンを含まない
有機塩基と上記化合物とからなるが、これら両成分を相
対的に高濃度化した上記本発明の現像原液を使用直前に
希釈して調製される。この希釈においては、例えば上記
特開平6−29207号公報に記載された現像原液の希
釈システム等が有利に用いられるが、これに限定される
ものでないことはもちろんである。
【0030】このように、本発明の現像液は、あらかじ
め高濃度化され、品質安定性に富み、しかも低起泡性、
消泡性に優れた化合物を配合してなるレジスト用現像原
液から得ることができるので、現像原液を水で希釈した
後は、消泡等の目的で新たに活性剤等を添加する必要が
なく、簡易にレジスト用現像液を得ることができる。
【0031】また、本発明のレジスト用現像原液および
現像液には、本発明の目的が損なわれない範囲で、従来
レジスト用現像液に慣用されている添加成分、例えば公
知の種々の界面活性剤、潤滑剤、安定剤、溶解助剤など
を適宜、添加してもよい。
【0032】なお、本発明のレジスト用現像原液および
現像液の現像対象となるレジストは、ネガ型、ポジ型の
いずれかを問わず、アルカリ水溶液を用いて現像できる
ものであればどのようなレジストでも利用することがで
きる。具体的には、例えばナフトキノンジアジド化合
物とノボラック樹脂を含有するポジ型レジスト、露光
により酸を発生する化合物、酸により分解してアルカリ
水溶液に対する溶解性が増大する化合物及びアルカリ可
溶性樹脂を含有するポジ型レジスト、露光により酸を
発生する化合物、酸により分解し、アルカリ水溶液に対
する溶解性が増大する基を有するアルカリ可溶性樹脂を
含有するポジ型レジスト、露光により酸を発生する化
合物、架橋剤、アルカリ可溶性樹脂を含有するネガ型レ
ジスト等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0033】次に、本発明により得られたレジスト用現
像液の使用方法の一例について説明するが、本発明はこ
れらによりなんら限定されるものではない。
【0034】まず、シリコンウェーハ、ガラス等の基体
上にレジスト層を形成する。次いで、紫外線、遠紫外
線、エキシマレーザ、X線、電子線などの活性光線を発
光する光源、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧
水銀灯、アーク灯、キセノンランプなどにより、所望の
マスクパターンを介してレジスト層を露光するか、ある
いは電子線を走査しながらレジスト層に照射する。その
後、必要に応じて、露光後加熱処理(ポストエクスポー
ジャーベーク)を行い、次にレジスト用現像液を用いて
パターン現像を行い、所定のレジストパターンを得るこ
とができる。なお、現像方法は特に限定されるものでな
く、例えばレジストが塗布された基体を現像液に一定時
間浸漬した後、水洗して乾燥する浸漬現像、塗布された
レジストの表面に現像液を滴下し、一定時間静置したの
ち水洗乾燥するパドル現像、レジスト表面に現像液をス
プレーした後に水洗乾燥するスプレー現像等、目的に応
じた種々の現像を行うことができる。特に、上記現像に
おいて、上述した本発明の現像原液を希釈して本発明の
現像液として用いることにより、レジストに最適な濃度
の現像液を簡便に調製することができ、しかも現像処理
中の現像液の発泡が抑制され、さらに均一な濡れ性に優
れているのでウェーハ面内均一な現像を行うことがで
き、マスクパターンに忠実なレジストパターンが形成で
きる。
【0035】
【実施例】レジスト用現像原液および現像液を下記に示
すようにしてそれぞれ調製した。そして、現像原液につ
いては溶解性を、現像液については曇状態、消泡性、パ
ターン形状を、それぞれ下記の方法により評価した。結
果を表1〜2に示す。
【0036】評価項目 (1)溶解性 通常、現像原液として使用されている23℃にて保持し
た20.1重量%のTMAH水溶液に対し、表1〜2に
示される各種化合物を2重量%となるように添加したと
きの溶解性を評価した。評価基準は以下の通りである。
【0037】◎: すぐに溶解した ○: 溶解するのにやや時間を要した ×: 溶解しなかった (2)曇状態 (1)で用いた現像原液を水で希釈して、濃度2.38
重量%のTMAH水溶液(現像液)とした。なお、上記
各化合物の濃度は、濃度2.38重量%のTMAH水溶
液に換算して2400ppmとなるようにした。このレ
ジスト用現像液を40℃とし、この温度における曇の有
無を判断した。評価基準は以下の通りである。なお、
「曇」とは、非イオン性の界面活性剤の有する特性であ
るが、この曇が生じると現像液として使用不可能とな
る。
【0038】○: 曇が生じなかった ×: 曇が生じた (3)消泡性・起泡性 レジスト用組成物として、クレゾールノボラック樹脂と
ナフトキノン−1,2−ジアジドスルホン酸エステル化
合物を主成分とするOFPR−800(東京応化工業
(株)製)を用い、これを6インチシリコンウェーハ上
に塗布、乾燥後、所要のパターンを有するマスクを介し
て活性光線(G線;波長436nm)を照射し、その
後、上記(2)で用いた現像液と同様の方法で調製した
2.38重量%TMAH水溶液(表1〜2の各化合物を
添加済みのレジスト用現像液)にて現像処理した。
【0039】その際の現像液の消泡性・起泡性を調べ
た。すなわち、現像処理によって発生する泡の量を促進
させるために、現像処理を各10枚行った現像液を振動
させ、続いて泡が消失するに要する時間を調べた。評価
基準は以下の通りである。
【0040】◎: 1分以内に泡が完全に消失した ○: 10分以内に泡が完全に消失した ×: 泡の消失に10分を超える時間を要した なお、◎、○、×の評価に該当する現像液を用いてそれ
ぞれ現像したとき、×の場合には、特に、◎、○の場合
に比べ、処理枚数が増加するに従い、現像ムラを起こす
傾向が顕著であった。 (4)パターン形状 上記(3)で述べたOFPR−800(東京応化工業
(株)製)をレジスト用組成物として用い、これを6イ
ンチシリコンウェーハ上に塗布、乾燥後、所要のパター
ンを有するマスクを介して活性光線(G線;波長436
nm)を照射し、その後、上記(2)で用いた現像液と
同様の方法で調製した2.38重量%TMAH水溶液
(表1〜2の各化合物を添加済みのレジスト用現像液)
にて現像処理した。得られたレジストパターンをSEM
(走査型電子顕微鏡)写真観察し、パターン形状を評価
した。評価基準は以下の通りである。
【0041】○: レジストパターンの形状がほぼ矩
形となっている ×: トップが丸みを帯びている
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】 なお、表1〜2中、PEGはポリエチレングリコール
を、EOはポリオキシエチレンを、POはポリオキシプ
ロピレンを、−OMeはメトキシ基を、−OEtはエト
キシ基を、−OBuはブトキシ基を、PPGはポリプロ
ピレングリコールを、それぞれ示す。同表中、実施例1
の化合物はヘキシレングリコール・プロピレンオキシド
付加物であり;実施例13〜15、19〜24の化合物
はヘキシレングリコール・エチレンオキシド・プロピレ
ンオキシド付加物であり;実施例2の化合物は3−メチ
ル−3−メトキシブタノール・プロピレンオキシド付加
物であり;実施例16〜18の化合物は3−メチル−3
−メトキシブタノール・エチレンオキシド・プロピレン
オキシド付加物である。
【0044】また表中のMwは重量平均分子量を、Mn
は数平均分子量をそれぞれ意味する。すなわち、表中の
Mw/Mnは重量平均分子量を数平均分子量で割った値
であり、GPCはゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーを意味する。
【0045】表1〜2から明らかなように、本発明によ
る現像原液は相容性に優れ、またこれを希釈して得た現
像液は、曇もなく、消泡性・起泡性に優れ、パターン形
成も良好であった。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のレジスト
用現像原液は、品質安定性に優れ、取り扱い、品質管理
が容易であり、現像原液希釈システムに対応できるもの
であり、この現像原液を用いて所要濃度に希釈して得ら
れたレジスト用現像液は、従来のレジスト用現像液の特
性を損なわずに、低起泡性・消泡性ならびに均一な濡れ
性に優れ、しかもマスクパターンに忠実なレジストパタ
ーンを形成することができるものである。このため、現
像装置における現像液の循環が泡により妨げられること
がなく、また現像液の適正な使用供給が確実に目視で確
認することができ、作業効率を向上させることができ
る。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所要濃度に希釈してレジスト用現像液を
    調製するための高濃度のレジスト用現像原液であって、
    金属イオンを含まない有機塩基と、重量平均分子量が1
    00〜1000であって、ポリエチレンオキシド化合
    物、ポリプロピレンオキシド化合物およびエチレンオキ
    シド・プロピレンオキシド付加物の中から選ばれる少な
    くとも1種とを含有することを特徴とする、レジスト用
    現像原液。
  2. 【請求項2】 金属イオンを含まない有機塩基の濃度が
    少なくとも15重量%以上である、請求項1に記載のレ
    ジスト用現像原液。
  3. 【請求項3】 金属イオンを含まない有機塩基の濃度が
    少なくとも20重量%以上である、請求項1に記載のレ
    ジスト用現像原液。
  4. 【請求項4】 ポリエチレンオキシド化合物、ポリプロ
    ピレンオキシド化合物およびエチレンオキシド・プロピ
    レンオキシド付加物の中から選ばれる少なくとも1種が
    現像原液中に0.06〜8.4重量%配合されてなる、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のレジスト用現像原
    液。
  5. 【請求項5】 ポリエチレンオキシド化合物が、アルコ
    ール・エチレンオキシド付加物またはポリエチレングリ
    コールである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレ
    ジスト用現像原液。
  6. 【請求項6】 アルコールが、低級アルコール、ヘキシ
    レングリコール、または3−メチル−3−メトキシブチ
    ルアルコールである、請求項5に記載のレジスト用現像
    原液。
  7. 【請求項7】 ポリプロピレンオキシド化合物が、アル
    コール・プロピレンオキシド付加物である、請求項1〜
    4のいずれか1項に記載のレジスト用現像原液。
  8. 【請求項8】 アルコールが、低級アルコール、ヘキシ
    レングリコール、または3−メチル−3−メトキシブチ
    ルアルコールである、請求項7に記載のレジスト用現像
    原液。
  9. 【請求項9】 エチレンオキシド・プロピレンオキシド
    付加物が、アルコール・エチレンオキシド・プロピレン
    オキシド付加物である、請求項1〜4のいずれか1項に
    記載のレジスト用現像原液。
  10. 【請求項10】 アルコールが、ヘキシレングリコー
    ル、または3−メチル−3−メトキシブチルアルコール
    である、請求項9に記載のレジスト用現像原液。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    のレジスト用現像原液を所要濃度に希釈してなるレジス
    ト用現像液。
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