JPH07318483A - 薬品の微視的特性の空洞内検知のための装置および方法 - Google Patents

薬品の微視的特性の空洞内検知のための装置および方法

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JPH07318483A
JPH07318483A JP7090544A JP9054495A JPH07318483A JP H07318483 A JPH07318483 A JP H07318483A JP 7090544 A JP7090544 A JP 7090544A JP 9054495 A JP9054495 A JP 9054495A JP H07318483 A JPH07318483 A JP H07318483A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の検出システムの感度よりも高いオータ゛ーの感
度で試料中の目標物質の存在を検出する方法及びその装
置を提供すること 【構成】 巨視的特性と微視的特性とを用いて試料30中
の微量の物質の存在を検出する。検出器は光源25と光共
振器を含む。光源は光共振器の空洞内部若しくは空洞外
部の何れにも配置でき、半導体レーサ゛または超発光タ゛イオート
゛等の半導体とすることができる。検出器はまた、全内
反射面26を有し受動テ゛ハ゛イスまたは能動利得素子とするこ
とが可能な少なくとも1つの反射部材24を備える。光源
からの光は好適には全内反射面上の単一反射点に集束さ
れる。被験試料は全内反射面の減衰フィールト゛領域内に配置
される。次いで試料中の蛍光の励起、その屈折率の変
化、及び光共振器の共振周波数の変化等の、減衰フィールト゛
領域内に起こる光学的変化が検出される。これら変化が
検知されて、全内反射面に位置する分析物の量又は少な
くともその存在が決定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、センサ近傍の微量薬品
を光学的に検知するための方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】医学、化学、及び生物学の多くの分野で
は、化学的、生化学的、若しくは生物学的試料を検定
し、又は前述の試料の化学組成の変化を判定する技術に
依存している。例えば、多くの疾病の診断では、血液中
における抗体の存在を検出する技術に依存することが多
い。
【0003】別の例としては、蛍光分析を使用して、試
料中に存在する蛍光材料の量を、その材料から放出され
る蛍光の強度を測定することにより決定する。このよう
な蛍光測定技術は、蛍光体の存在を試験する生化学的検
定において特に有用なものである。
【0004】従って、バルク試料中の薬品の存在を検出
し、若しくはその量を測定する方法および装置には、非
常に多くの種類のものがある。これらの装置は周知のも
のであり、広く使用されてきた。これらの装置の例とし
ては、著作「Laser Spectroscopy」(Demtroder, W., Sp
ringer-Verlag, Berlin, 1982)および「Fluorescencean
d Phosphorescence」(Rendell, D., John Wiley, Chich
ester, 1987)に記載されているものがある。
【0005】その他既知の化学センサには光吸収分光が
ある。これら分光分析は典型的には、2つの技術、即
ち、1)「Internal Reflection Spectroscopy」(Harric
k, N.J., Wiley, New York, 1967)に記載されているよ
うな多数の反射間の干渉の検出と、2)「Intracavity ad
sorption spectroscopy of surface-active substance
s,adsorbed gases, and aerosols」(Godlevskii, A.P.,
and Kopytin, Yu.D., J.Appl. Spect., 29, 1301 (197
8))に記載されているようなレーザ空洞内部の全内反射
(TIR)吸収分光学との一方を利用したものである。
【0006】Harrickは、薄膜「空洞」内の構造性干渉
(constructive interference)を利用して光吸収分光の
感度を高めることについて説明している。光は、薄膜内
へと結合され、そこで多数の(全内)反射を受ける。幅
の広い光線を使用した場合には、多数の反射ビームが直
接反射ビームと構造的に干渉する可能性がある。しか
し、Harrickは、この構造には多くの問題が存在するこ
とを指摘している。即ち、精確な入射角を維持しなけれ
ばならず、実際のビームサイズによって効果的な改善が
制限され、最適な向上のために表面反射率の臨界の整合
が不可欠となる。
【0007】最近の研究により、後者の限界が軽減し得
るものであることが示された。例えば、米国特許第4,85
7,273号(「Biosensors」Stewart, 15 August 1989)に
は、Harrickのシステムの改良版が例示されている。し
かし、それ以外の問題によってこの構造の感度が制限さ
れるので、その構造は、小さな検出領域についての高感
度変換器としては実際上使用できないものとなる。これ
らの問題の多くは、Stewartのセンサが共振導波管の形
態を採用しており、このため光が導波管内部で十分な回
数だけバウンドするように長い相互作用長(interaction
length)が必要となる、という事実に起因するものであ
る。装置を一層小さくするためには、その相互作用長を
短くしなければならない。しかし、そうした場合には、
光がバウンドできる長さが短くなり、センサがその感度
をより多く損失することになる。
【0008】GodlevskiiおよびKopytinは、全内反射セ
ルがレーザ共振器内部に配設されたシステムを説明して
いる。この場合には、分子が全内反射面に吸収される際
にレーザ出力が測定される。その分子は、レーザ周波数
又はその近辺で光吸収するものと仮定され、これは、分
子が付加的な空洞内損失機構として作用することを意味
している。HarrickおよびGodlevskiiのシステムは共に
「光学的空洞」を利用したものであるが、その後者だけ
が、Harrickの問題の多くを解決するのに十分安定した
光共振器を提供するものである。
【0009】一方、Godlevskii/Kopytinのシステム
は、単純な分子の吸収分光に限定したものである。従っ
て、Godlevskii/Kopytinのシステムが適切に動作する
ためには、そのシステムは検出可能な吸収を提供するの
に十分な分析物(analyte)の分子を有していなければな
らない。このため、Godlevskii/Kopytinのシステムの
感度は、空洞内フィールドが著しく乱される濃度よりも
大きい表面濃度の検出に制限される。このシステムは、
全内反射境界における電場を乱すのに十分な分析物の吸
収分子を有していることに依存するものであるので、そ
の限度よりもはるかに低い濃度又は分子を検出すること
はできない。
【0010】別の既知の技法によれば、微量薬品は蛍光
を用いて検出される。全内反射面で蛍光を用いて生体分
子を検出する方法としては、例えば、論文「A new immu
noassay based on fluorescence excitation by intern
al reflection spectro-scopy」(by Kronick, M.L., an
d Little, W.A., J. Immunological. Meth., 8, 235(19
75))に記載されたものがある。この技術によれば、共振
空洞内部ではなく自由空間中にプリズムが配置される。
この構造のため、光は故意に「廃棄され」、即ち、その
エネルギーは、全内反射面から反射して外れた後はそれ
以上蛍光に寄与するよう使用されることはない。これは
また、Kronickのシステムは、高感度化のために十分な
蛍光励起を達成するためには大きくて強力な光源を必要
とする、ということを意味している。
【0011】蛍光励起を用いる他の検出システム及び技
法については、下記参考文献に記載されている。
【0012】1) Sloper, A.N., Deacon, J.K.,およびFl
anagan, M.T.著の「A planar indium phosphate monomo
de waveguide evanescent field immunosensor」(Senso
rs and Actuators, B1, 589 (1990))(導波管の使用に
ついて説明されている) 2) Choquette, S.J., Locascio-Brown, L.,およびDurs
t, R.A.著の「Planar waveguide immunosensor with fl
uorescent liposome amplification」(Anal. Chem., 6
4, 55 (1992))(同じく導波管を使用している) 3) Kooyman, R.P.H, de Bruijn, H.E.およびGreve, J.
著の「A fiber-optic fluorescence immunosensor」(Pr
oc. Soc. Photo-Opt. Instrum. Eng., 798, 290(1987))
(光ファイバの使用について説明されている) Kronickによる方法の場合のように、これら3つの技法
は、空洞内で光を再利用せず、従って、上記と同様に、
不必要に大型の光源を要するもの若しくは感度の低いも
のに限定される。
【0013】定義によれば、検出器が検出のために必要
とする物質が少なければ少ないほど、検出器は一層高感
度のものとなる。従って、検出器の感度を上げることが
永続的な目標である。
【0014】必要性が十分認められている技術として、
放射性標識付け(radioactive labeling)または(ポリメ
ラーゼの連鎖反応等の)化学的な増幅を行うことなく微
量の生体分子(例えば105個未満の分子)を迅速に検出
することができる技術がある。単一分子は、下記文献に
記載の方法を用いて光学的に検出された。
【0015】1)Peck, K., Stryer, L., Glazer, A.N.お
よびMathies, R.A.著の「Single molecule fluorescenc
e detection: Autocorrelation criterion and experim
ental realization with phycoerythrin」(Proc. Natl.
Acad. Sci. USA, 86, 4087(1989)) 2)Soper, S.A., Brooks Shera, E., Martin, J.C., Jet
t, J.H., Hahn, J.H.,Nutter, H.L.およびKeller, R.A.
著の「Single-molecule detection of rhodamine 6G in
ethanolic solutions using continuous wave laser e
xcitation」(Anal. Chem., 63, 432 (1991)) しかし、これらの方法に関する問題として、十分に強力
な電場を発生させるために大型レーザが必要となる(そ
れに伴って大型電源が必要となり、場合によっては冷却
システムも必要となる)ために製品化が非常に困難にな
る、ということがある。
【0016】感度に関する問題を別にしても、多くの既
存の検出システムは、大型で扱い難かったり電子的に制
御するのが困難であるという問題を抱えている。これ
は、検出システムを購入して据え付けるスペースも資金
も持っていないであろう小さな研究室ではほとんど入手
できないばかりか、検出システムを据え付けたとしても
適切に使用し制御することが困難なものとなる、という
ことを意味している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】必要なことは、空洞内
フィールドが乱される濃度よりもはるかに小さい試料の
分子濃度を検出可能にする(バルクだけではなく)表面
検出のための方法である。また、検出システム自体は、
安定しており、コンパクトで、容易に較正され、および
容易に制御されるものであるべきである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、(分析物の屈
折率の変化等の)巨視的特性と(蛍光標識の存在等の)
微視的特性とを用いて、上述のようなシステムの感度よ
りも少なくとも高いオーダーの感度で試料中の目標とな
る物質の存在を検出するための方法及びそれに対応する
検出装置を提供するものである。
【0019】本発明によれば、検出システムには、レー
ザ等の光源と、光源により生成された光のための共振空
洞を有する光共振器が含まれる。その光源は、空洞内部
若しくは空洞外部の何れに配置することも可能であり、
この場合には半導体レーザまたは超発光(superluminesc
ent)ダイオード等の利得媒体とすることが可能である。
本発明による検出器はまた、少なくとも1つの反射素子
又は部材を備えている。プリズム、導波管、ファイバ等
の受動デバイスまたはドープした光ファイバ等の能動利
得素子とすることが可能な反射素子又は部材は、全内反
射面を有し、それ自体は空洞内に配置される。代替的に
は、全内反射面は、反射素子から取外し可能であってそ
の反射素子に光学的に結合される別個の素子で形成する
ことが可能である。
【0020】光源からの光は、反射素子に入射し、全内
反射面により(好適には単一の反射点で)反射され、こ
れにより減衰(evanescent)フィールド領域が全内反射面
で形成される。被験試料は、減衰フィールド領域内へと
延びるように配置される。試料の導入、収容、及び配置
には、従来のあらゆる構成を用いることが可能である。
【0021】本発明はさらに、典型的には全内反射面か
ら光源の約1光学波長を越えて離れることのない、減衰
フィールド領域内で生ずる所定の光学的変化を検出する
検出器を提供する。これらの変化には、試料内部での光
励起周波数の変化(蛍光等)、その屈折率の変化、及び
光共振器の共振周波数の変化が含まれる。これらの変化
が検知されて、全内反射面に配置された分析物の量若し
くは少なくともその存在が決定される。
【0022】
【実施例】先ず、本発明の基礎をなすいくつかの理論に
ついて説明する。次いで、本発明の種々の実施例につい
て説明する。それら実施例は、試料の、より詳しくは試
料内に含まれる(化学的)目標物質の、微視的及び巨視
的特性の化学的検出のために本発明の方法を利用してい
る。本発明による検出に非常によく適した目標物質の例
としては、抗体、薬物、ポリヌクレオチド、細胞膜受容
体、砂糖、核酸、又は合成分子さえあり、この目標物質
をガスとすることも可能である。
【0023】発明の理論的基礎 本発明の利点を理解するために、先ず光共振器の構造と
機能、並びに或る種の光学原理を理解することが有益で
ある。従ってこれらの概念を簡単に考察する。
【0024】光が媒体中を進行する場合、その光は、そ
の媒体よりも低い屈折率を有する別の媒体との境界面に
当たった際に全て反射されることがある。この現象は、
全内反射(全内反射)と呼ばれ、臨界角θcよりも大きな
入射角で生じる。その全内反射後は、もはやその電磁場
が第2の媒体中を伝播することはなく、境界面から指数
関数的に減衰する。
【0025】その最も簡単な形態では、光共振器又は空
洞が数個の鏡面から構成され、それら鏡面は、それらの
間で入射光が捕捉され前後にバウンドされるよう配置さ
れる。一例として、それらミラーの1つが、共振器空洞
内部で光ビーム(空洞内ビーム)を全て反射させる面
(全内反射面)を有するプリズムである場合を考える。
プリズム表面上の反射点では、典型的には1光学波長の
特性減衰深さ(characteristic decay depth)を有する減
衰波(evanescent wave)が生成される。全内反射面にお
いて、光は、その表面に拘束され、その表面の減衰深さ
内の薬品とだけ相互作用する。
【0026】光学分野で周知であるように、電磁波は、
特定方向で減衰し、その特定方向では一定の位相を維持
するが指数関数的に減少する振幅を有する。全内反射の
場合、無限平面波という形態の光は、無限の平坦な全内
反射面境界を越える指数関数的に減少する減衰電磁場を
形成する。その電場は、全内反射境界平面内に速度成分
を有するが、その境界に垂直な速度成分及びその境界を
越える速度成分は存在しない。換言すれば、理想的な場
合には、全内反射境界を越えて電位の傾き(potential g
radient)だけが形成され、境界を越えてエネルギーが実
際に搬送されることはない。
【0027】勿論、実際の用途では、入射電磁場も全内
反射面も無限ではない。そうした有限構成の場合には、
その境界内で回折する光も存在し、即ち、いくらかのエ
ネルギーはまさに境界を越えて流れるが、その境界に向
かって「曲がって戻り」、最初の媒体に再び入り、次い
でその入口点から少し離れて外に出ることが知られてお
り、これは、Goos-Hanchen効果として公知である。本発
明のように、全内反射面を採用するほとんどの装置で
は、この偏移は無視可能なものでる。しかし、境界を越
える大きな電磁的な電位の傾きは残る。
【0028】図1は、本発明に従って使用される定在波
光共振器を簡略化して示す概略図である。同図に示す本
発明の簡略化した実施例では、共振器空洞外に光源が配
置されるものと想定している(その他のシステムの例に
ついては以降で例示及び説明することとする)。同図に
示すように、この簡略化された光共振器は、入口ミラー
20と、出口ミラー22と、全内反射面26を有する反射素子
24とを備えている。ミラー20,22は、平坦でも湾曲して
いてもよく、安定した空洞フィールドを生成するのに適
したものとなるように従来の基準を用いて選択され、こ
のことは当業者に公知である。適切な安定した空洞フィ
ールドは、3個以上のミラーを有する構成を用いて生成
することも可能である。
【0029】光は、好ましくはコヒーレントな利得媒体
である従来の光源25によって生成される。この光源25
は、図1に示すように共振器空洞の外にあってよく、又
は以下で説明するように空洞内部に組み込まれてもよ
い。外部光源を用いる本発明の実施例の場合、空洞に入
る光は入射強度Iincを有する。この場合、光源はま
た、安定した空洞フィールドの生成を可能にする既知の
他の光学要素を含んでいてもよい。全ての実施例では、
入口ミラー20の丁度内側の循環フィールドの強度はIci
rcである。
【0030】入射角は、全内反射面上への入射光路と入
射点における全内反射面に対する法線(面26に垂直な破
線28で示す)との間の角θとして定義される。説明およ
び分析を簡素化するためにのみ、全内反射面26を平面と
して示す。これは本発明にとって必要なことではなく、
非平面又は部分的平面についての入射角の定義は光学分
野では公知である。全内反射面26での化学的変化は共振
器の光学特性に影響を与えるものである。以下で説明す
るこれら特性は、本発明の少なくとも幾つかの実施例の
根底を成し、本発明が提供する変換器の基礎となるもの
である。
【0031】以下で説明する本発明の種々の実施例につ
いて感度を決定する基礎を提供するためには、共振器内
部の電磁場及び共振器により送られた電磁場の両者の強
度を決定することが有用である。単に説明の簡素化のた
め、以下の分析では、共振器空洞内の1つの全内反射面
のみについて考察することとする。しかし、当業者であ
れば、既知の数学的手法を用いて多くの全内反射面を包
含するよう分析を容易に拡張させることができよう。例
えば、図1に示す構造の場合、反射素子24を導波管若し
くはファイバとすることができ、この場合には、数個の
全内反射面があってもよい。本発明は、任意数の空洞内
全内反射面を有する検出システムに関するものである。
【0032】図1は、共振器空洞内に単一の全内反射面
を有する本発明の実施例の概略図である。この実施例で
は、反射素子又は部材24はプリズムとして示されてお
り、全内反射面26はそのプリズムの1つの面となってい
る。反射素子としてプリズムを選択する場合には、それ
は直角プリズムである必要はない、ということに留意さ
れたい。さらに、本発明にとって全内反射面は平面であ
る必要はなく、上記で指摘したように、全内反射面は湾
曲していてよく(例えば光ファイバの場合)、又は部分
的に平坦でも又はそれらの両方であってもよい。
【0033】下記でより詳しく議論するように、プリズ
ムは、適した全内反射素子のほんの一例に過ぎず、その
他の例として導波管若しくはファイバがある。加えて、
全内反射面26は、スライドガラス、光学フィルム、又は
導波管等の光透過性基板の表面上としてもよく、それ
は、例えば、可圧縮光学ポリマー又は屈折率整合オイル
を用いて従来の方法で全内反射素子と光学的に結合され
る。その基板表面は、全内反射素子から取り外し可能な
もの、また使い捨て式のものとさえすることができる。
試験試料をプリズム等の全内反射素子に直接取り付ける
場合には、別の物質の試験を行う前にそのプリズムを洗
浄若しくは交換する必要があり、その後にプリズムの位
置合わせを点検し、おそらくはその再調整をすることに
なる。取り外し可能な基板を設けることにより、清浄で
且つ位置合わせされたプリズムを確保するのに要する費
用と労苦が排除され、又は少なくとも大幅に低減され
る。
【0034】さらに分析を簡素化するために、共振器内
の全ての電磁場が平面波であると仮定する。これもま
た、光学分野における当業者であれば、この仮定が有効
とはならない本発明の実施例までその分析を拡張させる
ことができよう。i番目のミラー(i個のミラーを用い
る一般的な場合)の出力反射係数Riは、Ri=ri 2で与
えられる(図1に示す2つのミラーによる実施例ではi
=1,2)。ここで、反射素子24(図示の実施例ではプリズ
ム)は、低損失の入口および出口の表面を有しているも
のと仮定する。従って、プリズムの反射係数は、Rp
|rp2となり、全内反射面26だけで決定される。
【0035】本発明によれば、被分析試料30は、全内反
射面26に直ぐ隣接して配置される。以下で説明するよう
に、試料は好適には全内反射面の約1光学波長内に配置
される。
【0036】全内反射面26上の試料30の光学特性は、そ
の試料の屈折率nsにより記述される。rpという値は、
sと、プリズム(又は他の反射素子)の屈折率npと、
入射角θとによって決まる。TM又は平行偏光について
は、次のように示すことができる(例えば、Lorrain,
P.およびCorson, D.著の「Electromagnetic Fieldsand
Waves」(W.H.Freeman, San Francisco, 1970)を参照の
こと)。
【0037】
【数1】
【0038】ここで、n=ns/npである。sinθ>n
(即ちθ>θc、全内反射)の場合、rpは複素数とな
り、平方根の前に負符号が付く。rpという値は、フェ
ーザー表記 (phasor notation)で一層有用に表現するこ
とができ、即ち、
【0039】
【数2】
【0040】となる。全内反射が生じる場合、r=1と
なり、反射光は、位相シフトφを有し、Rp=1となる。
図2(a),(b)は、融解石英(np=1.457)と水(ns=1.33)
との境界面についてr(θ)とφ(θ)をそれぞれ示したも
のである。波長の単位で表現した侵入(penetration)深
さd(θ)(その深さにわたって減衰フィールドの強度が
その1/eの点に降下する)は、d=λ/F(θ)という式
で与えられる。ここで、F(θ)=4πnp(sin2θ-n2)1/2
であり、λは入射光の波長である。図2(c)は、1/F
(θ)のグラフを示すものである。侵入深さは、大きな入
射角では約1波長となり、一方、臨界角では(この近似
では)無限となる。
【0041】一連のp個の反射素子のi番目の出力伝達
係数Tiは、Ti=1−Ri(i=1,2,…,p)となる(図1
では、p=1となるように1つのみ(プリズム24)が示さ
れている)。共振器上に入射する所与の光強度Iinc
ついて、入口ミラー20(図1)の丁度内側の循環フィー
ルドの強度Icircは、次式の比で決定される。
【0042】
【数3】
【0043】ここで、αは共振器の電圧吸収係数、Lは
一周の光路長、ωは光の角周波数である(例えば、Sieg
man, A.E.著の「Lasers」(University Science Books,
MillValley, California, 1986)を参照のこと)。数3
は、入口ミラー20のまさに内側にのみ厳密に適用される
が、図1に示したような低損失の定在波共振器の場合に
は、共振器のどこにおいても平均強度はほぼ2・Icirc
となる。
【0044】数3から出発して、rp 2=1(即ちミラー
からの単一反射)である場合には、Icircは、次式を満
たす周波数ω=ωmについて最大値をとることになるこ
とは容易に示すことができる。
【0045】
【数4】
【0046】数4は、共振器の共振モード周波数ωm
定義するものである。これら周波数は、モード間隔と通
常呼ばれる値2πc/Lだけ互いに分離される。
【0047】
【数5】
【0048】であることに注目し、数3のrpにこれを
代入すると次式が得られる。
【0049】
【数6】
【0050】ここで、Ω=ω−(2φc)/Lである。
【0051】同様に、共振器中を伝搬した光の強度I
transは次式の比で与えられる。
【0052】
【数7】
【0053】図1に示すように、空洞内に存在する光の
transその他の特性に基づいて薬品の存在を検出する
本発明の実施例では、従来の検出器29、並びにそれに付
随する従来の信号変換及び処理回路(図示せず)が、出
口ミラー22に隣接して配設される。伝搬光の強度I
transを測定する実施例の場合には、検出器29は適切な
強度測定装置となろう。以下で議論するように、その他
の形式の検出器は、その他の特性を測定する場合に設け
られることになる。
【0054】全内反射による位相シフトφの効果は、共
振器の共振周波数ωmを高くするものとなり、次のよう
に表わすことができる:
【0055】
【数8】
【0056】図2(b)に示すように、ブルースター角(4
2.4゜)では位相シフトπが生ずる。さらに、全内反射が
生じると位相が増大し始める。最大位相シフトは2πで
あり、それ故、共振周波数は多くとも2つのモード間隔
だけ変化する。この分析は、実際のミラーからの反射の
際に生じ得る極めて僅少の位相シフトを含んでいないこ
とに留意されたい。ミラーにより生じる位相シフトは、
πよりもはるかに小さく、一般に一定であり、それ故、
全ての実際的な場合に無視することが可能である。
【0057】上記議論で説明されているように、また実
験から確認されるように、全内反射点で生じる減衰フィ
ールドは、その周囲の化学的環境の光学特性に極めて敏
感なものである。本発明は、この理論を適用して、少な
くとも1桁は従来のシステムよりも感度が高く、且つ
(バルクと対照的に)表面試料のみを用いて検出を行う
ことができる検出器を提供するものである。
【0058】文献全体にわたり、多くの異なる構造(例
えばHarrickのもの)が共振光学空洞と呼ばれてきた
が、これは、それらが光の波の構造性干渉を何らかの形
で用いているという事実だけに基づくものである。しか
し、構成的干渉だけでは、高感度を有する実際の光変換
器を作り出すには不十分である。
【0059】図面には、例示のためにのみ線形共振器が
示されている。しかし、非線形共振器(リング共振器
等)の場合であっても本発明の方法は同じものとなり、
分析物即ち被分析試料は、光共振器の空洞内部に配置さ
れた反射素子の表面である全内反射面の減衰フィールド
領域内に置かれる。
【0060】本発明の特定用途に使用する光共振器の選
択は、設計上の自由選択であり、その用途の必要性と性
質によって決まる。多くの用途では、Siegmanが説明し
たような一層複雑な共振器の方が、本図面に概略的に示
した単純な共振器よりも一層適したものとなろう。
【0061】適当な共振器の例としては、Fabry-Perot
の「V」字型のMichaelsonミラーや、Fox-Smith、Sagna
cのミラーがある。これらの構造の大きな利点は、安定
且つ低損失の光学モードを生成するということである。
これは、利用可能な光のより多くを検知用途に利用する
ことができる、ということを意味している。さらに、殆
どの有用な共振器はガウスビーム特性を有しているが、
上記で用いる分析は平面波を想定したものである。しか
し、上述のように、その仮定は、単に明瞭化および簡素
化のためにのみなされたものであり、非平面波の実施態
様に拡張することができる。換言すれば、平面波という
仮定を用いて得られる結果は、本質的には一層複雑な構
成の場合と同一であるが、その分析は大幅に簡素化され
る。
【0062】ダイオードレーザを光源として用いて、本
発明での使用に適した全体的に集積化された固体変換器
を構築することもできる。本発明はまた、1つの波長で
光が送り込まれる共振器であって空洞内に別の波長を生
成する共振器を組み入れることも可能なものである(例
えば、Kozlovsky, W.J., Nabors, C.D.およびByer, R.
L.著の「Efficient second harmonic generation of di
ode-laser-pumped cw Nd:YAG laser using monolithic
MgO:LiNbO3 external resonant cavities」(IEEE J. Qu
ant. Elec., 24, 913 (1988))を参照のこと)。これ
は、種々の波長での高出力光源の使用を可能にする。
【0063】本発明に従って光共振器内に組み込むこと
が可能な適当な全内反射面を有する反射素子は多数あ
る。その例としては、1)プリズム(例えばダブ(Dove)プ
リズム)、2)ファイバ((ファイバレーザ等の)光学利
得を有するものまたは有さないもの)、3)導波管があ
る。モノリシック共振器もまた、単体の適当な材料から
製造することができ、またはファイバ若しくは導波管の
端面上に適当な鏡面を被覆することにより製造すること
ができる。例えば、化学的検知法とは無関係な分野で、
Kane, T.J.およびByer, R.L.は「Monolithic, unidirec
tional single-modeNd:YAG ring laser」(Opt. Lett.,
10, 65(1985))においてモノリシック非平面式リング共
振器を説明している。同様に、5100という細密さを有す
る小型モノリシックリング共振器が、論文「Fused-sili
ca monolithic total-internal-reflection resonato
r」(Schiller, S., Yu, I.I., Fejer, M.M., and Byer,
R.L., Opt. Lett., 17, 378 (1992))、及び米国特許第
5,038,352号(Lenth and Risk, 1991年8月6日)に記載さ
れている。
【0064】実施例微視的・巨視的な試料の化学的特性の検出に関する発明
の実施例 本発明の種々の構成は、システムに用いられる光共振器
の特性に一部依存するが、種々の方式の表面薬品検知に
使用することができる。特に、本発明による方法は、共
振器内の光が分析物の微視的および巨視的特性と相互作
用するのを検知する検出器の実施例で用いることができ
る。被分析試料の微視的特性には、光と単一原子又は分
子との相互作用(蛍光等)が含まれる。また、巨視的特
性には、光と原子又は分子の集団との相互作用(分析物
の屈折率等)が含まれる。
【0065】微視的特性に基づく変換技術の感度は、巨
視的特性に基づく変換技術の感度よりもはるかに高い。
これは単に、巨視的現象を生成するために極めて多くの
粒子が必要になるからである。換言すれば、検出法は、
その方法が結果を生成するために多くの分子を必要とす
るものである場合には、ほんの少しの分子を検出するこ
とは不可能となる。しかし、いずれの場合にも、蛍光体
等の適当なタグ分子又は複合体を分析物に付着させれ
ば、本発明の感度は改善される。
【0066】強度依存型減衰検知法(微視的検知特性) 微視的特性についての光に基づく変換方法の場合、信号
(例えば蛍光)は、電磁場の強度に左右される。その感
度は、検出器のノイズ等価電力(noise equivalent powe
r)により制限されることが非常に多い。強度を高めれ
ば、ノイズ等価信号を生成するのに必要な分析物の量が
少なくなり、これにより感度が増すことになる。簡単に
言えば、システムが利用できる出力が大きければ大きい
ほど、検出に必要な分析物は少なくなる。これは、出力
が増大し、飽和若しくは消光効果が発生するまでは、真
であり続ける。
【0067】出力を増大させる1つの方法は、より強力
な光源を用いることであるが、これは、電力消費量を増
大させ、検出器の物理的寸法を大きくするものとなる。
しかし、本発明は、光共振器の空洞内の電磁場の強度は
入射強度よりもはるかに大きいという特性を利用してい
る。この強度の増大は、空洞内損失が無く(α=0)、ミ
ラーの反射率が等しく(R=R1=R2), θ>θcであり
(即ち全内反射)、入射光の周波数が空洞共振周波数に
同調している、という仮定のもとに数3の数値を求める
ことにより論証することができる。これらの条件のもと
では、数3は、Ici rc/Iinc=1/(1−R)となる。
【0068】20 ppm (R=0.99998)程度の低い損失を有
するミラーは容易に入手可能であり、空洞内増幅係数
(理論値)は、Icirc/Iinc=1/(1−R)=50,000
となる。他の空洞内損失によってその数値が下がるとは
言え、本発明と市販のミラーとを使用して103を越える
増幅係数(実験値)を容易に達成することが可能であ
る。
【0069】図3は、外部光源を使用する本発明の実施
例の概要を示す説明図である。機能的には図1に示した
ものと同一であるこの実施例の特徴は、その符号が図1
と同じになっていることである。光源25は、当業界で周
知の技法を用いて空洞の共振周波数に周波数ロックされ
ている。
【0070】本発明は、外部にはあるが空洞に周波数ロ
ックされている光源を用いて動作させることが可能であ
り、好適には動作するので、その光源は、ダイオードレ
ーザ又は超発光ダイオード等の半導体とすることができ
る。これは、Godlevskii/Kopytinにより説明されてい
る(この場合にはレーザ利得媒体は光共振器内部にあ
る)ような従来のシステムを凌ぐ大きな利点を本発明に
与えるものとなる。ダイオードレーザその他の半導体光
生成デバイスは、典型的には内部利得媒体よりも1/10〜
1/100の小さな電流しか必要としない小型デバイスであ
り、また、本発明の場合のように外部共振光学空洞に結
合された場合には、同一か若しくは一層高い空洞内出力
でさえ動作することができる。Godlevskii/Kopytinに
より説明されているような内部利得媒体を有するシステ
ムは、その光源として上述のような小型の半導体デバイ
スを使用することができない。これは、それらのデバイ
スが、典型的には、空洞内部で生成される強電磁場に耐
えることができないからである。従って、Godlevskii/
Kopytinのようなシステムは、ダイオードレーザを使用
して大きな空洞内出力で高感度を維持するための方法を
提供するものではないという点で制限されたものとな
る。ダイオードレーザ等の半導体光源はまた、小さな光
学空洞を採用することも可能とする。これは、検出シス
テムの全体寸法を縮小させることができるという更なる
利点を有するものである。
【0071】図示の実施例では、プリズムは反射素子24
として用いられている。プリズム24は、検知が実行され
る全内反射表面又は面26を有しており、その入口及び出
口表面は、損失を最小限にするために好適にはブルース
ター角をなす。上述のように、プリズムの代わりに他の
部材又は素子を用いて全内反射面を提供することも可能
である。空洞内の双方向光路は、双方向の矢印を示すラ
イン27で示されている。分析物30は、全内反射面26によ
り反射された光の減衰フィールド領域内に入るように従
来の任意の方法で全内反射面26に付着させられる。適当
な付着方法としては、直接的な更新可能又は更新不可能
な化学的付着、及び、磁場により表面に対して保持され
る磁気粒子を用いるといった他の更新可能な方法があ
る。
【0072】図3に示した実施例では、ミラー20はこの
場合も入り口ミラーを形成しており、光源25からの光は
それを通って共振空洞に至るが、それ以降にミラー22を
通過することはない。後述する本発明の別の実施例で
は、光源25はミラー20,22の間の光路中に入れられる。
実施例によっては、光の一部を通すのは、ミラー20,22
のいずれか一方、又は両方となり、またはそのいずれも
通さないものとなり、又は、光の一部を反射し若しくは
全反射するのは、ミラー20,22のいずれか一方、又は両
方となり、またはそのいずれも反射しないものとなる。
【0073】この実施例では、分析物が、電磁励起の存
在により自然に蛍光を発するか、又は発蛍光団(fluorop
hore)等の蛍光を発するタグを備えているものと想定さ
れている。上述のように、減衰強度Icircは、入射強度
incよりもはるかに大きいオーダーを有するものであ
る。このため、全内反射面における減衰フィールド領域
内での電磁励起の程度も、入射光から得ることのできる
励起の程度よりもはるかに大きいものとなる。それ故、
減衰フィールドは、従来のシステムで必要とされる分析
物の量よりもはるかに少ない量で検出可能な蛍光を発生
させ、又は、はるかに小さな光源出力で前記と等しい検
出可能な蛍光を発生させるものとなる。
【0074】分析物30からの蛍光は、図3では外方に放
射する3本の矢印で示されており、従来の蛍光検出器34
により検出される。蛍光検出器34は、その検出面又は素
子に当たる蛍光からの光強度に対応する電気出力信号を
生成する既知の装置であれば何れでもよい。蛍光検出器
34は、好適にはプロセッサ36に接続され、このプロセッ
サ36が、既知の方法を適用して、検出器34からの信号を
別のシステムへの伝送および/または従来の表示装置38
上への表示に適した形に変換する。
【0075】蛍光は、非コヒーレントな線形周波数変換
が施された光である。蛍光の強度は、全内反射面26のほ
ぼ1光学波長以内にある試料の量に正比例することが理
解されよう。非線形でコヒーレントな光の生成等の、試
料内での他の種類の光の生成もまた、本発明を用いて検
出することが可能であり、この場合にも、適当な従来の
光検出器を検出器34として使用することができる。本発
明による方法の主要な利点は、試料内で生成される光の
種類にかかわらず、利用可能なレーザエネルギーを高効
率で使用することにあり、これにより、最小の検出可能
表面濃度が大きさにして数桁分小さくなる。
【0076】本発明によれば、利得媒体又は光源25(そ
の他の従来の光学系を含む)、共振器、及び蛍光検出器
34は、単一のコンパクトなモノリシックデバイスとして
製造することもできる。このようなデバイスは、消費電
力が極めて小さく、しかも、既存の装置と同じかそれを
上回る感度を有するものとなる。本発明の別の実施例の
場合のように、導波管又はファイバを図3に示すプリズ
ムの代わりに反射素子24として用いることも可能であ
る。
【0077】図4は、光学利得(α<0)を有する反射素
子を包含させることにより共振器のエンハンスメント因
子(enhancement factor)を増大させる本発明の一実施例
を示すものである。この実施例では、共振器は、利得媒
体としてのファイバレーザ44から構成され(明瞭化のた
めこの別の既知の装置のファイバ部分のみを示す)、こ
の場合には、全内反射面46は、実際の光ファイバ50を一
般に取り囲む被覆48の一部を除去することにより作成さ
れる。光源、ミラー、及び検出・処理回路は、単に簡素
化のために示してない。これらの要素は、図3に示した
実施例に関して上述したものと物理的および/または機
能的に同じものとすることができる。
【0078】ファイバレーザは、典型的には光学利得を
有しているので、全内反射面を形成する非被覆領域中の
減衰フィールドは非常に大きなものとなる。蛍光の検知
(蛍光を発する分析物を用いる用途の場合)は好適に
は、被覆の「窓」に隣接して即ち全内反射面46に隣接し
て配置された分析物30について、図3に関して図示及び
説明したように検出・処理回路を使用して行われる。
【0079】本発明によれば、図3の共振空洞内で光源
25を移動することも可能である。図5は、それを行った
本発明の実施例を示すものである。この実施例では、光
源は別の従来の光学系を必要とすることも可能である
が、そのために必要な変更は、当業者には明らかであろ
う。この実施例に適した光源は、ヘリウムネオンレーザ
管である。ヘリウムネオンレーザは、市販されており、
100Wを越える循環出力を有しつつも極めてコンパクト
なものである。適当なレーザ管は、例えばParticle Mea
surement System(粒子測定システム)(Boulder, Colora
do, USA)により製造される。しかし、他の方式のレーザ
も勿論使用することができる。蛍光の検知は、図3に示
した実施例について実行される。
【0080】図3ないし図5に示す実施例では、空洞内
減衰フィールドの高い強度を用いて全内反射面の近傍の
分子の蛍光を励起する。本発明の検出器が表面試料から
微量の分析物を検出することができるということは、そ
れ自体の価値に大きな利点を与えるものであり、これら
の利点については既に上述の通りである。しかし、さら
に別の利点として、微量の蛍光性分析物でさえも検出す
ることができるので、蛍光は、共振器にとって大きな損
失メカニズムとして働くことがなく、何れにせよ、Godl
evskii等のシステムに必要とされる試料よりもはるかに
小さい損失を生成するものとなる、ということがある。
【0081】微量の蛍光性分析物を検出するための本発
明による方法の一例として、真正の(true-positive)結
果により減衰フィールド中に発蛍光団が存在することに
なる生化学的検定を考察する。200,000 M-1cm-1という
(大きな)モル吸収定数を有する染料(CY5等)を使用
する場合には、300ppmという分散損失と等価の表面濃度
は、約0.5pmol(ピコモル)cm-2(約6×109粒子/mm2
に相当)である。この分散損失は、実際の共振器の循環
強度を50%だけ減じるのに十分なものである。この染料
の濃度は、適当な表面と共有結合できる理論上の最大値
に近接している。例えば、未増幅式のDNA検出では、
3桁低い濃度までを使用する。吸収定数の値が小さくな
るにつれ、空洞内フィールドを乱すのに必要な粒子の密
度が増大する、ということに留意されたい。これは、吸
収に依存するGodlevskii等の技法の感度の限界を決定す
るものである。
【0082】Godlevskii/Kopytinの装置は、光をレー
ザ空洞から故意に外に出すことを意味する「漏れ(frust
rated)」全内反射(FTIR)を利用したものである。そ
の検出方法は、損失の検知に基づくものであるので、損
失機構を作成する必要がある。Godlevskiiの装置は、故
意に損失を導入するので、光は全内反射面上の異なる点
に対してできる限り多くの回数だけ「バウンド」しなけ
ればならない。この場合、その各バウンドは検知点とし
て作用する。これは、できる限り多くの光を全内反射面
を通過させて吸収させ、これにより検出可能な損失を生
成するために必要である。多数のバウンドは、検出され
るべき各分析物毎に必要となる。
【0083】従って、Godlevskiiのような装置では、吸
収による強度の減少は、許容可能なものであるだけでな
く、システムが適切に動作するために必要なものでもあ
る。Godlevskiiの装置は、吸収損失の検知に基づくもの
であるので、空洞内フィールドを乱すのに十分なエネル
ギーを吸収する十分な材料(例えば染料)がなければな
らない。そのフィールドが乱される点を下回るまで染料
の量を減らそうとした場合には、吸収損失が小さくなり
すぎてGodlevskiiのシステムによる検出が不可能とな
る。さらに、Godlevskiiのシステムは、液体又は生化学
物質のためではなく、ガス又はエアロゾルのために特に
設計されたものである。従って、構造および方法の両方
の理由により、Godlevskiiのシステムは、例えば未増幅
式DNA検出に使用するには不適当である。
【0084】上記とは対照的に、本発明は、フィールド
が乱される点を十分に下回る(ほとんどの場合、何桁も
低い)濃度を検出し、未増幅式DNA検出を可能にする
ものである。Godlevskii/Kopytinのようなシステムと
は異なり、本発明は、吸収損失に依存して蛍光を検出す
るものではないので、全内反射を無効にすることはな
い。さらに、本発明は、損失を実際に最小限にするの
で、蛍光の感度検出のために、又は、検出されて全内反
射面にある試料内部に含まれる目標物質の存在およびそ
の量についての表示を与える後述の他の光学特性のため
に、全内反射面上での1回のバウンドしか必要としな
い。換言すれば、光は、全内反射面上の一点(光ビーム
の断面に相当する小さな領域)で反射するだけでよい。
【0085】蛍光は、光強度と光周波数の変化又は変換
とに依存する光学式探査技術であって本発明を利用可能
である一連の光学探査技術の1つに過ぎない。その他の
線形現象の例としては、表面検知技術で広く用いられて
いるラマン散乱又は表面強化型(surface-enhanced)ラマ
ン散乱がある。この種の他の非線形技術も有利に用いる
ことが可能であり、それらには、第二高調波生成及び擬
似ラマン散乱が含まれる。非線形光学効果は、光の強度
の二乗又は三乗に依存するものであり、従って、蛍光よ
りも本発明が提供する空洞内強度の増大から更に利益を
得ることになる。
【0086】本発明を蛍光に基づく検出器として用いる
場合には、先ず、試験したいと思う物質を結合すること
が知られている薬品又はその他の物質で全内反射面(空
洞外部)を前処理する。典型的な結合剤には、核酸、D
NA、及びタンパク質がある。次いで、試験試料中の1
つ又は複数の(既知の化学構造を有する)検出すべき物
質に蛍光性タグを付ける。但し、その物質は自然には蛍
光を発しないものと仮定する。これら形態での前処理に
より、検出すべき目標物質、蛍光性タグ、及びおそらく
は結合剤も含んでいる目標複合体が作成される。前処理
が不必要な場合、例えば目標物質自体が蛍光を発するも
のである場合には、目標複合体は目標物質だけで構成さ
れることになる。表面の前処理及び蛍光性のタグ付け
は、検出技術における周知の技法であり、それらステッ
プにはあらゆる既知の方法を用いることが可能である。
【0087】次いで、試料が既知の任意の態様で前処理
後の全内反射面に導入される。蛍光によりタグ付けされ
た被検出物質が試料中に全く存在しない場合には、どれ
も結合剤に付着せず、全内反射面に蛍光は存在しないこ
とになる。目標物質が多くあればあるほど、より多く結
合剤に結合して、蛍光もより大きなものとなる。蛍光検
出器34は、その蛍光を検知し、その検知した蛍光の強度
に対応する出力信号を生成し、その出力信号が、試料中
にあって全内反射検出面に結合されている目標物質の量
に対応するものとなる。
【0088】本発明は、全内反射面に非常に近接して生
成された、即ち、結合剤の1つの分子および目標物質の
1つの分子の厚さ以内のところで生成された蛍光を励起
して検出することが可能なものであることに留意された
い。勿論、目標物質の層がより厚ければ十分多くの蛍光
が発生することになるが、本発明は、減衰フィールド中
の大幅に増大された強度を用いるので、Godlevskii/Ko
pytinのような損失に基づくシステムを用いた検出で存
在しなければならない量よりもはるかに少ない目標物質
を検出することが可能である。
【0089】上述で明らかなように、本発明で用いるよ
うな光共振器は、既知の方法及び装置と比べて、強度依
存型の検知法(蛍光の検出等)に関して数桁分高い感度
を提供するものとなる。更に、その光共振器は、一層コ
ンパクトで使用電力も数桁少ないものとなる。
【0090】空洞内で全内反射面への光の入射角が変わ
ると、減衰フィールドの1/e減衰深さ(1/e decay dept
h)が変化する。これにより、目標物質の存在に関して試
料が探査されることになる全内反射面の上方の深さが変
わる。それ故、本発明のどのような特定用途の場合であ
っても、入射角を最適化することが有益である。その最
適化の方法は、背景光の強度と比べて利用可能である蛍
光の強度に依存して選択する。実際の検知に使用される
のと同じ検出器34または別個の従来の検出器を用いるこ
とにより、較正中に強度を測定することができる。
【0091】最も単純な場合には、蛍光はバックグラン
ドよりはるかに大きいものとなる。この場合には、入射
角を任意の初期角に設定し、次いでその角度を(例えば
プリズムを回転させることにより)最大強度が検知され
るまで変化させる。次いで、その最大強度が達成された
角度に入射角を設定する。
【0092】しかし、もっと一般的な場合には、蛍光の
強度はバックグランドよりもはるかに小さくなる。この
ような場合には、従来の光学フィルタを検出器の前に使
用することが可能である。そのフィルタは、蛍光は通す
が、バックグランド光は厳密に遮蔽するものである。フ
ィルタリングされたバックグランド光が蛍光信号の一部
を構成することになるので、フィルタリングされた蛍光
信号を最大限にすると共にフィルタリングされない蛍光
を最小限にするために、初期角を選択し、フィルタリン
グされた強度とフィルタリングされていない強度とを測
定し、次いでその角度を変え、最適角が達成されるまで
その測定を繰り返す、ということが可能である。この方
法は、バックグランド光が蛍光よりも百万倍以上強い場
合であっても良好に機能する、ということが幾つもの実
験で示されている。
【0093】フィルタリングされるバックグランドの強
度が大きいため、フィルタリング後も依然として非常に
大きな成分となる場合には、全内反射面上に(発蛍光団
のない)制御部を設けてもよい。この場合には、フィル
タは、測定中はそのままにしておく。制御部からの蛍光
と発蛍光団のある部分からの蛍光とを、入射角の関数と
して測定する。次いで、制御部と蛍光部分との間の信号
の差が最大となる角度になるように最適角を選択する。
この較正方法は、2つの部分を有する全内反射面を必要
とするものであるが、これは通常は重大な不利益にはな
らない。なぜなら、入射角の設定は、所与の用途につい
て1回だけしか行う必要がないからである。
【0094】試料の巨視的特性の検知 本発明はまた、試料の巨視的特性の検知にも非常に効果
的なものであり、その巨視的特性は、蛍光性物質の存在
に基づくものではなく、表面試料の屈折率の変化又は光
共振器の共振周波数の変化に基づくものである。そのよ
うな具体例を以下に示す。
【0095】屈折率の検知 全内反射面で化学変化があると、試料の屈折率nsも変
化する。この現象の一例として抗体の検定がある。この
検定では、抗原が全内反射面に結合され、その抗原に抗
体が結合した際のnsの変化量△nsを測定することによ
り、抗体濃度が決定される。それに続くものとしては、
図1及び図3ないし図5に示した共振器と類似の共振器
を用いて前述のnsの変化を測定する実施例が幾つかあ
る。
【0096】数1は、臨界角よりも大きい入射角につい
てはRp=1 であることを示している(図2(a)も参照の
こと)。臨界角に近接した一定の入射角については、n
sが増大するにつれてRpの値が急激に低下する。換言す
れば、入射角が臨界角近くに(但し上方)に設定されて
いる場合には、nsの小さな変化によりRpが大きく相対
変化することになる。代替的には、本発明によれば、R
pの急激な低下を利用して感度のしきい値を確立する。
【0097】図6は、水と融解石英との間の全内反射面
に関する入射強度に対する反射強度の比Rpを分析物の
存在による水の屈折率の増分△nsの関数としてプロッ
トしたものである。同図に示す仮想的な従来のシステム
では、全内反射面は共振空洞内部にはなく、このためミ
ラーは存在しない。入射角は70゜に固定され、感度τ
は、反射信号を50%低減させるのに必要な屈折率の増分
として定義される(他のしきい値も勿論使用可能であ
る)。Rpがその最大値の50%まで低下する点も示されて
いる。
【0098】期待されるように、△nsの或る値よりも
下では全反射となり、Rp=1 となる。分析物の量が増
えるにつれて△nsが増え続け、約△ns=0.037となっ
た時点で反射強度(及びRp)が急速に低下し始める。
△nsがさらに約0.01だけ変化した後に、Rpが50%だけ
降下したことになる。図6に示すように、△nsが約0.1
を越えるとRpの曲線が平坦になり、分析物が増えても
pに顕著な変化は来さない。従って、図6は、全内反
射面が共振空洞内部になく且つ50%という感度しきい値
が用いられる場合には、そのシステムが分析物の存在を
検知する前に屈折率が約0.01だけ変化しなければならな
い、ということを示している。
【0099】ミラーが存在しない場合とは対照的に、図
6および図7の非共振システムは、やはり水と融解石英
との間の全内反射面に関して、入射強度Iincに対する
共振器を通過した強度Itransの比を、分析物の存在に
よる水の屈折率の増分△nsの関数としてプロットした
ものを示している。しかし、この場合には、全内反射面
は本発明に従って共振器内部に配置されており、この本
発明の一般的な構成が図1に概略的に示されている。図
7の結果は、図6の結果との比較により、本発明が提供
する感度の増大を示し得るものである。
【0100】図7において、比Itrans/Iincは、両方
のミラーが同一のものであるという仮定のもとに幾つか
の鏡面反射係数Rに関して求められたものである(その
仮定は、本発明に必要なものではなく、単に本発明の原
理の説明を簡素化および明瞭化する目的でなされたもの
である)。上述と同様に、空洞内全内反射面上の入射角
は70゜に固定される(他の角度も選択可能)。本発明に
よれば共振器から送られた強度は、△nsの関数として
測定され、数7を用いて計算することができる。
【0101】R=0.995の場合にτ=1.8×10-8となるこ
とに留意されたい。換言すれば、容易に入手可能な中間
反射率のミラー(R=0.995)のみを用いた場合であって
も、本発明によるシステムは、理論上の結果が図6にプ
ロットされている非共振システムと比較して、5桁を越
える大きさ(0.01/1.8×10-8≒5.5×105)の理論上の感
度の増大を立証するものとなる。R=0.99998のミラー
が市場で容易に入手できるので、その感度の増大をさら
に大きくすることができ、これは、例えば僅かに10-7
いうオーダーである既知の導波管干渉計の分解能を越え
る大幅な改良となる。
【0102】図7に示すように、選択したミラーの値R
が高いほど、Itrans/Iincの曲線の降下が「急峻」に
なり、即ち、帯域τが狭くなる(この場合も、量n
sは、Rpを50%に減少させるだけ変化しなければならな
い)。しかし、用途によっては、Rが高いほど「良い」
ということが必ずしも真とはならない。例えば、特定の
分析物により通常は約3.0×10-7というnsの変化(図7
の△ns軸上の3単位分の変化に相当する)が生じる、
ということが経験上分かっているものと仮定する。さら
に、分析物の存在についての「all-or-nothing(全て
か無か)」という表示は、その特定用途には望ましくな
いものと仮定する。
【0103】分析物が存在するとたちまちItrans/I
incが1.0から殆ど0.0まで降下することになるので、反
射率R=0.999を有するミラーは劣った選択となる。代
わって、R=0.990若しくはR=0.980又はそれらの間の
値を有するミラーは、ノイズに対して敏感過ぎずに分析
物の存在に対して良好な感度をもたらす点で上手な選択
と言えよう。本発明の所与のいかなる用途においても、
適切なミラーの反射率は、標準的な実験方法によって選
択することが可能である。
【0104】図7の場合、入力光の周波数は、数8を満
たすように共振器の共振周波数に同調される。これは、
当業者に周知のように、光源を共振器に周波数ロックさ
せることにより、実際に容易に達成することができる。
【0105】空洞外全内反射と比べて感度が劇的に上る
ことは、図6及び図7の比較から明白であり、同一スポ
ットを多数回にわたり「サンプリングする」共振器中に
捕捉された光に起因するものである。ミラーの反射率が
高ければ高いほど、より多くの光が捕捉され、これによ
り検出器の感度が一層上がることになる。等しい鏡面反
射係数R=R1=R2=0.995(これは容易に入手可能で
かなり安価なミラーを意味している)に関しては、伝搬
強度は、約2×10-8の屈折率変化に感応するものとな
る。
【0106】図8は、分析物の存在を(例えば図7で示
した効果を用いて)検出するために伝搬光の強度の変化
を求める本発明によるシステムを示すブロック図であ
る。他の図に示したものと同様の要素には同じ符号が付
されている。図8に示すシステムでは、ミラー22を通っ
て送られた光の強度Itransを測定するために従来のセ
ンサ90が配設されている。前述と同様に、従来の変換・
処理回路94を用いて、Itr ans/Iincを決定するのに適
した形へとセンサ90からの信号が変換され、その結果が
表示装置96上に適当なフォーマットで表示される。
【0107】選択した光源25の特性からIincが分から
ない場合には、Iincを測定するための別の従来のセン
サ(図示せず)を、処理回路94に接続すると共に、図8
に示したシステムの光源25のところ若しくはその光源25
と入口ミラー20との間に追加することも可能である。必
要とあらば、例えば、このシステムが別の用途のために
別のミラーを使うことになる場合に、ミラー20,22の1つ
以上の反射率係数を従来のあらゆる方法で処理回路94に
入力することができる。
【0108】本発明はまた、一定の鏡面反射係数を有す
る共振器の感度を高めるものであり、これは、空洞内光
学利得αの関数としてその感度を調べることにより知る
ことができよう。図9は、図5に示したような利得素子
を有する共振器内部に配置された水と融解石英との間の
全内反射面に関して、入射強度Iincに対する共振器を
伝搬した強度Itransの比を、分析物の存在による水の
屈折率の増分△nsの関数としてプロットしたものであ
る。その比は、両方のミラーが同一でR=0.99を有する
ものと仮定して、幾つかの空洞内利得αに関して求めた
ものである。空洞内全内反射面上の入射角は再度70゜に
固定する。α=−0.06の場合にはτ=1.3×10- 8となる
ことに留意されたい。
【0109】図9の場合には、共振器内部の増幅(α<
0)に起因してItransがIincよりも大きくなることに留
意されたい。上述と同様に、入射光の周波数は数8を満
たすものと仮定する。図9に示すように、利得が増える
につれて共振器の感度も高まる。
【0110】図5に示した本発明の実施例では、分析物
の蛍光ではなく、個々のミラーから漏出する光の強度I
trans1、Itrans2を測定するために、好適には各ミラー
20,22毎に、従来のセンサ60,62を設けることにより、図
9に示した原理を適用している。光学利得αの電流値、
検出しきい値(例えば強度の50%減)、及び1つ以上の
ミラー(並びに予め分かっている場合にはIinc)の反
射率が、処理回路系64に従来のあらゆる適当な方法で入
力される。
【0111】共振器は、(図3に示すように)独立した
態様で動作するか、又は再生増幅器(即ちα<0となる
よう利得媒体が付加されたもの)として動作することが
できる。さらに、図5に示した実施例を図3の蛍光を検
出する実施例と(図3に示すような蛍光検出器34および
それに付随する処理回路を単に包含させて)組み合わせ
ることにより、単一の組み合わせ実施例で、低感度が要
求される際には伝搬強度を測定し、また高感度が要求さ
れる際には蛍光を測定することが可能となる。
【0112】上述のように、Itrans/Iincを決定する
のに適した形へのセンサ60,62からの信号の変換は従来
の変換・処理回路64を用いて実施され、その結果はあら
ゆる適当なフォーマットで表示装置66上に表示される。
また、システムの両端からの光の伝搬を測定せずに1つ
のミラーのみを通る光(例えばミラー20を通したItra ns
1)を測定することも可能である。しかし、そのような構
成は、図5に示す「両頭(double-ended)」センサほどは
空洞内光源25に対して正確なものとはならない。
【0113】図5は、2つのミラーと2つのセンサとを
備え、光源25が共振空洞内部に配置されたシステムを示
している。しかし、このシステムは、共振経路外に配置
された光源(例えば以下の図8を参照)と、光源からみ
て反射素子の向こう側のミラーを伝搬する光を検知する
ための単一のセンサとで構成することもできる。
【0114】ここで再度、図5、図7及び図8を考察す
る。較正を行うための方法及び図7に示した本発明の実
施例は次の通りである。先ず、特定用途にどのような感
度τが求められているかを決定し、適当な反射率を有す
るミラーを選択する(例えば、図7に示すような理論上
又は実験上のデータに基づいて行う)。
【0115】全内反射面で中性試料(即ち、被検出分子
を含まない試料であり、従ってそれら被検出分子が含ま
れている場合よりも小さい屈折率nsを有する試料)を
用いて、全内反射面26における入射角が臨界角と同じに
なるか若しくはそれよりも僅かに大きくなるように、反
射素子24、1つ以上のミラー、光源、及び(所与の用途
に含まれている場合には)何らかの中間反射素子又は屈
折素子の何れか又は全てを調整する。
【0116】ここで図7を再度参照する。検出器の好適
な較正方法は、システムが全内反射「プラトー(platea
u)」(ここではItrans/Iinc=1)となるように入射
角を調整することである。次いで、Itrans/Iincが丁
度降下し始めたことが(出力表示装置の目視検査による
か又は処理回路64,94等の自動手段によって)確認され
るまで、入射角を(臨界角に近づく方向に)減少させ
る。次いで、Itrans/Iincが再び所定の初期設定値
(好適には1.0又はそれを僅かに下回る値、例えば、≧
0.95、≧0.99、又はその他の選択された初期値)になる
まで角度を増やしていく。Itrans/Iincが再び所定の
初期設定値になった時点で、システムが較正されて、入
射角と全内反射面に隣接して付着された試料の屈折特性
とが、システムが既選択近似値τまたはその近傍(例え
ば0.1%〜1.0%)にあるようにするものとなる。
【0117】次いで、実際の試験試料が、光の減衰フィ
ールド内で、全内反射面26に隣接して導入される。試験
試料が十分な分析物を含んでいる場合には、システムに
よって検知されるItrans/Iincの値が既選択しきい値
(例えば0.5)未満に降下し、そのシステムは、プロセ
ッサ64,94及び表示装置66,96(含まれる場合)を介し
て、その試験試料中に分析物が存在することを示すこと
になる。
【0118】しきい値を固定する必要はなく、また、シ
ステムが「yes/no」式の結果を出力する必要もない
が、Itrans/Iincの実測値若しくはその値の何らかの
近似値をユーザに表示してもよい。そのような「連続
的」又は「非自動的」な場合には、ユーザは、分析物が
存在するという十分な指示があるか否かは自分自身で決
めることができる。
【0119】上記で提案した実施例の感度は、屈折率の
変化に基づく他の技法の理論上の限界と比較することが
できる。例えば、「Principles and sensitivities of
integrated optical and surface plasmon sensors for
direct affinity sensing and immunosensing」(Biose
nsors and Bioelectronics, 6, 215 (1991))においてLu
kosz, W.は、干渉計の導波管が1×10-6というnsの変
化に感応することを示し、同様に、「An integrated op
tical sensor for measuring glucose concentration」
(Appl. Phys., B54, 18 (1992))においてLiu, Y., Heri
ng, P.およびScully, M.O.は、6×10-6というnsの変
化に対する感度について報告している。図7に示すよう
に、本発明による達成可能な感度は、それら既知の装置
の理論上の限界さえも1桁越える大きさとなる。
【0120】共振周波数の検知 上記のアプローチにより影響を受ける変数は、プリズム
の反射率Rpである。しかし、全内反射面に分析物を付
加することにより光共振器の共振周波数ωmも変化する
(数8を参照のこと)。本発明の別の実施例によれば、
この変化が決定されて、存在する分析物の量の尺度にも
用いられる。ωmの変化が大きいほど、より多くの分析
物が存在するものと推定される。
【0121】図10は、水と融解石英との間の全内反射
面(ここでは全内反射界面上への空洞内ビームの入射角
θは70゜である)に関するωmと△nsとの関係を示すも
のである。△nsが増えるにつれて、ωmが減少し若しく
は一定のままとなるが、全内反射に対する臨界角は増大
し、△ns≒0.04になったところで、その臨界角が入射
角即ち70゜と等しくなる。この点を越えて全内反射が起
こることはなく、故にωmの変化はない。曲線の勾配が
△ns≒0.04の近くで最大となっていることに留意され
たい。
【0122】図8もまた、センサ90として従来の走査型
ファブリー・ペロー干渉計(FPI)を用いてωmの変化
を直接測定する本発明の一実施例を示すものである。こ
の実施例の感度は、FPI90の分解能あるいは細密性f
によって決まり、この分解能fは、f≒π/T(ここで
TはFPIのミラーの出力伝搬(power transmission)で
ある)によって与えられる周知の特性である。20 ppm程
度の低いTを有するミラーの入手はかなり容易であり、
これにより、f≒1.5×105が得られる。3GHzの自由ス
ペクトル範囲に関し、FPIは20kHzの分解能を有す
る。この技法の感度もまた、全内反射面上の入射角θの
関数である∂ωm/∂ns(図10の曲線の「勾配」)に
よって決まる。
【0123】本発明のこの実施例を用いることにより、
θ=80゜の場合にτ=5×10-6という感度を達成するこ
とができ、θ=67゜という初期臨界角に近接して操作し
た場合にはτ=7×10-7が得られる、ということが数値
計算により示されている。
【0124】センサ90としての走査型FPIの使用は、
小型のモノリシックデバイスとしての本発明の構成を許
容しないものではない。例えば、Jerman等は、精密機械
加工(micromacining)技術を用いて僅かに5mm四方の走査
型FPIを製作しており、FPI技術における他の設計
上の改良により、モノリシックデバイスとして実施され
る際の本発明での使用に適したFPI装置が提供される
ものと期待される。
【0125】以下においては、本発明の種々の構成要件
の組み合わせからなる例示的な実施態様を示す。
【0126】1.試料中の目標物質を検出するための装
置であって、この装置が、光源と、その光源により生成
された光のための共振空洞を有する光共振器と、前記共
振空洞の内部に配置され、全内反射面を有する、全内反
射部材とを備えており、この場合、光は、臨界角よりも
大きな入射角θで前記全内反射部材に入射して、実質的
に無損失でその全内反射面により反射され、試料は、前
記全内反射面における減衰フィールド領域内に延びるよ
うに位置決めされ、及び、本装置が更に、前記減衰フィ
ールド領域内の試料中に存在する目標物質の量に対応し
てその試料の所定の光学特性の実質的に非吸収的な変化
を検出する検出装置を備えている、ということを特徴と
する、試料中の目標物質を検出するための装置。
【0127】2.前記全内反射面における光の反射点が
単一である、前項1記載の装置。
【0128】3.前記光学特性が、前記目標物質を含む
目標複合体による光の周波数変換である、前項1又は前
項2記載の装置。
【0129】4.前記光学特性が蛍光である、前項3記
載の装置。
【0130】5.前記光学特性が光の非線形生成であ
る、前項3記載の装置。
【0131】6.前記光学特性が前記全内反射面におけ
る前記試料の屈折率である、前項1又は前項2記載の装
置。
【0132】7.前記光学特性が前記共振空洞の共振周
波数である、前項1又は前項2記載の装置。
【0133】8.前記光源が利得媒体であって前記共振
空洞の外部に配置されている、前項1ないし前項7の何
れかに記載の装置。
【0134】9.前記光源が半導体である、前項1ない
し前項8の何れかに記載の装置。
【0135】10.前記光源が超発光ダイオードであ
る、前項9記載の装置。
【0136】11.前記光源が半導体レーザである、前
項9記載の装置。
【0137】12.前記半導体の光源を前記共振空洞に
周波数ロックさせる光学的ロック手段を更に備えてい
る、前項9記載の装置。
【0138】13.前記目標物質に固有である結合剤が
前記全内反射面に塗布されている、前項1ないし前項1
2の何れかに記載の装置。
【0139】14.前記全内反射面が、前記全内反射部
材から取り外し可能であると共にその全内反射部材に光
学的に結合される除去可能素子により形成されている、
前項1ないし前項13の何れかに記載の装置。
【0140】15.前記目標物質が微量の試料である、
前項1ないし前項14の何れかに記載の装置。
【0141】16.前記全内反射面が、光ファイバの非
被覆領域として形成されている、前項1ないし前項15
の何れかに記載の装置。
【0142】17.前記全内反射面が導波管として形成
されている、前項1ないし前項15の何れかに記載の装
置。
【0143】18.前記光源が1つの光学波長を有し、
前記全内反射面における光の反射点が単一であり、前記
目標物質に固有である結合剤が前記全内反射面に塗布さ
れており、前記目標物質が蛍光性タグが付されたもので
あり、前記光学特性が、前記蛍光性タグが付された前記
目標物質の蛍光であり、前記全内反射面から1光学波長
の位置またはそれ以内の位置で、前記蛍光性タグが付さ
れた前記目標物質の蛍光を検出するように、前記検出装
置が前記試料に隣接して配設されている、前項1記載の
装置。
【0144】19.前記目標物質がDNAである、前項
1ないし前項18の何れかに記載の装置。
【0145】20.試料中の目標物質を検出するための
方法であって、この方法が、 A. 光共振器の共振空洞の内部に全内反射部材を配設
し、 B. 前記全内反射部材の全内反射面により光が実質的に
無損失で反射されるように臨界角よりも大きな角度で光
を光源から前記全内反射面上へと向けることによりその
全内反射面に減衰フィールド領域を生成し、 C. その減衰フィールド領域内に延びるように試料を位
置決めし、 D. 前記減衰フィールド領域内の試料中にある目標物質
の量に対応してその試料の所定の光学特性の実質的に非
吸収的な変化を検出する、 という各ステップを含むことを特徴とする、試料中の目
標物質を検出するための方法。
【0146】21.前記光源からの光を前記全内反射面
上の単一の反射点上に集束させるステップを更に含む、
前項20記載の方法。
【0147】22.前記光学特性が、前記目標物質を含
む目標複合体による光の周波数変換である、前項20又
は前項21記載の方法。
【0148】23.前記光学特性が蛍光である、前項2
2記載の方法。
【0149】24.前記光学特性が、光の非線形生成、
全内反射面での試料の屈折率、又は、共振空洞の共振周
波数である、前項22記載の方法。
【0150】25.利得媒体を用いて光を生成し、その
利得媒体を前記共振空洞の外部に位置決めする、という
ステップを更に含む、前項20ないし前項24の何れか
に記載の方法。
【0151】26.前記光源が半導体である、前項20
ないし前項25の何れかに記載の方法。
【0152】27.前記光源が超発光ダイオード若しく
は半導体レーザである、前項26記載の方法。
【0153】28.前記半導体の光源を前記共振空洞に
光学的に対して周波数ロックさせるステップを更に含
む、前項26又は前項27記載の方法。
【0154】29.前記目標物質に固有である結合剤を
前記全内反射面に塗布し、前記目標物質に蛍光性タグを
付し、前記光源からの光を前記全内反射面上の単一の反
射点に集束させ、前記全内反射面の1光学波長以内で、
前記蛍光性タグが付された前記目標物質からの蛍光を検
出する、という各ステップを更に含む、前項20記載の
方法。
【0155】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、従
来の検出システムの感度よりも少なくとも高いオーダー
の感度で試料中の目標物質の存在を検出するための方法
及びそれに対応する検出手段を提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】定在波光共振器および単一の全内反射面を有す
る本発明による検出器の主要構成部品を示す概略図であ
る。
【図2】(a),(b),(c)は、全内反射面上の光の入射に関
する大きさ、位相及び侵入深さのそれぞれの間の関係を
示すグラフである。
【図3】減衰フィールドに置かれた蛍光性分析物から蛍
光を発生させる本発明の一実施例を示す概略図であり、
この場合、減衰フィールドは、共振器の空洞自体の内部
にない光源により送り込まれた共振器中の空洞内ビーム
の全内反射により生成される。
【図4】光学利得を有する反射素子上に生成される全内
反射面を示す説明図である。
【図5】図3の実施例と類似した本発明の別の実施例を
示す概略図であるが、この場合には光源が共振空洞内部
に配置される。
【図6】分析物を検出するための本発明による1つの方
法を支持する原理を示すグラフであり、本発明による検
出器中の全内反射面に関する入射強度に対する反射光の
強度の比を分析物の存在に起因する屈折率の増加の関数
としてプロットした一例である。
【図7】鏡面反射の変化が本発明による検出器の感度に
及ぼす影響を示すグラフであり、全内反射面に関して入
射光の強度(Iinc)に対する伝搬光の強度(Itrans)の比
を、一群の異なる鏡面反射係数について、屈折率の変化
(△ns)の関数としてプロットしたものである。
【図8】分析物の存在を、例えば図7に示した影響を用
いて検出するために伝搬光の強度の変化を決定する本発
明によるシステムを示すブロック図である。
【図9】本発明による検出器において異なる空洞内利得
因子について△nsの関数としてItrans/Iincをプロ
ットした一例である。
【図10】本発明による全内反射面を組み込んだ光共振
器について△nsの関数として共振周波数(ωm)をプロッ
トした一例である。
【符号の説明】 20 入口ミラー 22 出口ミラー 24 反射素子 25 光源 26 全内反射面 29 検出器 30 被分析試料 θ 入射角 Iinc 入射光の強度 Icirc 循環光の強度 Itrans 伝搬光の強度

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料中の目標物質を検出するための装置で
    あって、この装置が、 光源と、 その光源により生成された光のための共振空洞を有する
    光共振器と、 前記共振空洞の内部に配置され、全内反射面を有する、
    全内反射部材とを備えており、この場合、 光は、臨界角よりも大きな入射角θで前記全内反射部材
    に入射して、実質的に無損失でその全内反射面により反
    射され、 試料は、前記全内反射面における減衰フィールド領域内
    に延びるように位置決めされ、及び、本装置が更に、 前記減衰フィールド領域内の試料中に存在する目標物質
    の量に対応してその試料の所定の光学特性の実質的に非
    吸収的な変化を検出する検出装置を備えている、という
    ことを特徴とする、試料中の目標物質を検出するための
    装置。
JP09054495A 1994-04-15 1995-04-17 薬品の微視的特性の空洞内検知のための装置および方法 Expired - Fee Related JP3659686B2 (ja)

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