JPH0731846U - ドリルビット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、高炉の出銑口開孔機に使用するド
リルビットにおいて、出銑口の孔が正確に掘れ、しかも
出銑口の摺合わせ部分も欠損することがないドリルビッ
トを提供することである。 【構成】 出銑口開孔機に使用する金属製のロッドの先
端に取り付けるドリルビットにおいて、前記出銑口のガ
イド孔径より小さなキリ先ロッドの刃を前記ドリルビッ
トの先端に取り付けたことを特徴とするドリルビットで
ある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、高炉の出銑口を開孔する際に使用されるドリルビットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、高炉の出銑口を開孔する際、図４に示すように、高炉の鉄皮６に設け られたハッカストッパ10に出銑口開孔機７のハッカ９を掛けて前記出銑口開孔機 ７を設置し、ドリルビット１を取りつけたロッド２（図３参照）は、セントライ ザ８（図５参照）により案内され、出銑口開孔機７の穿孔機12および逆打撃機11 により回転しながら、高炉の出銑口３に設けられたガイド孔４に押し込まれ、前 記出銑口３を開孔する。

【０００３】 この場合、ドリルビット１を先端に取りつけたロッド２により出銑口３の開孔 作業を行うと、ガイド孔４とドリルビット１の間で芯ずれが発生する。 これは、開孔機７に付設のセントライザ８が、図５に示すように直径の大きな ロッド２をセット可能なように大きめに作られており、直径の小さなロッド２を セットした際に、その芯が下方向にずれるからである。

【０００４】 従って、従来実作業において、この芯ずれを少しでも回避するために、出銑口 前作業で作業者がバールによってドリルビット１の先端をガイド孔４の中心に合 わせていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前述の人手を介在させる出銑口の開孔作業を行うと、出銑口前 の作業があるため、作業者にＣＯガス中毒の危険性や、バールでドリルビット１ の先端の誘導を行うために、回転するロッド２に手を巻き込まれるなどの危険性 が生じる問題があった。

【０００６】 また、ドリルビット１が出銑口３に接触し、穿孔し始める時に、出銑口３に充 填されているタールマッドの表面が未乾燥で軟らかいため、その材料がＣＯガス と共に吹き出して、出銑口前の作業者に当たるという危険性があった。 さらに、人手作業での芯合わせは精度が悪く、芯ずれを生じ、出銑口３の摺合 わせ部分14が欠損して、出銑口の口許が急拡大してしまうため、通常よりも早く 閉塞しなければならないという問題を生じていた。

【０００７】 また、出銑口３の摺合わせ部分14が欠損しているために、出銑口３前で摺合わ せ部分14の人力での補修作業をせざるを得ないという問題があった。 本考案は、前記課題を解決したドリルビットを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、高炉の出銑口を出銑口開孔機により開孔する際に使用する金属製の ロッドの先端に取り付けるドリルビットにおいて、前記出銑口に設けられたガイ ド孔の径より小さなキリ先ロッドの刃をドリルビットの先端に取り付けたことを 特徴とするドリルビットである。

【０００９】

【作 用】

本考案によれば、高炉の出銑口を出銑口開孔機により開孔する際に使用する金 属製のロッドの先端に取り付けるドリルビットにおいて、前記出銑口に設けられ たガイド孔の径より小さなキリ先ロッドの刃をドリルビットの先端に取り付けた ので、そのキリ先ロッドの刃がまず出銑口に設けられたガイド孔にガイドされて 該ガイド孔に入るため、開孔機のドリルビットは芯ずれを生ぜず、ガイド孔と同 心円のドリルビットによる出銑口の開孔を行うことが可能となる。

【００１０】

【実施例】

以下に本考案の１実施例について、図面を参照して説明する。 図１は直径60m/m のドリルビット１の先端に、直径45m/m のキリ先ロッドの刃 15をセットしたドリルビット16の側面説明図であり、図２はそのＡ−Ａ矢視図で ある。

【００１１】 なお、このドリルビット16の材質はＣｒ−Ｍｏ鋼である。 このドリルビット16をロッド２に取付けた開孔機７を高炉の出銑口前にセット し、高炉の出銑口３の開孔作業を行った。 前記ドリルビット16を取りつけたロッド２は、高炉の出銑口３を開孔するため に、穿孔機12および逆打撃機11を介して出銑口３に進んだ際、前記キリ先ロッド の刃15は出銑口に設けられたガイド孔４にガイドされて該ガイド孔４に合わされ るので、前記ドリルビット16は出銑口３のセンターを正確に開孔し、開孔した孔 の芯ずれもなく、しかも、摺合わせ部分14の欠損もなく、出銑口３からの溶滓や 溶銑の飛散がないため、従来の出銑口３閉塞前の孔洗い作業および溶滓や溶銑の 飛沫滓取り作業などの負担が軽減され、出銑口の摺合わせ部分の人手による補修 もなく、ＣＯガス吸入や火傷などの危険性が軽減された。

【００１２】 なお、本考案のドリルビット16の形状や材質については、前記実施例に限定し たものではなく、前記ドリルビット16の形状や材質を変えて使用することは可能 である。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のドリルビットによれば、出銑口の孔が正確に開 孔され、しかも摺合わせ部分も欠損することがないので、出銑および出滓が順調 に行われ、出銑口からの溶滓や溶銑の飛散がないため、従来の出銑口閉塞前の孔 洗い作業および溶滓や溶銑の飛沫滓取り作業などの負担が軽減され、出銑口の摺 合わせ部分の人手による補修作業も減少し、ＣＯガス吸入や火傷などの危険性が 軽減される。

【００１４】 この結果、炉前作業が減少し省力化されると共に、その危険性も軽減され、高 炉の安定な操業が可能となり、高炉の生産性の向上が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のドリルビットを示す説明図である。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視図である。

【図３】ロッドの先端にドリルビットを取りつけた図で
ある。

【図４】高炉の出銑口にセットされた開孔機を示す側面
図である。

【図５】出銑口開孔機とロッドとセントライザの位置を
示した説明図である。

【符号の説明】 １ ドリルビット ２ ロッド ３ 出銑口 ４ ガイド孔 ５ れんが ６ 高炉の鉄皮 ７ 出銑口開孔機 ８ セントライザ ９ ハッカ 10 ハッカストッパ 11 逆打撃機 12 穿孔機 13 高炉内 14 出銑口摺合わせ部分 15 切り先ロッドの刃 16 ドリルビット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高炉の出銑口を出銑口開孔機により開孔
   する際に使用する金属製のロッドの先端に取り付けるド
   リルビットにおいて、前記出銑口に設けられたガイド孔
   の径より小さなキリ先ロッドの刃をドリルビットの先端
   に取り付けたことを特徴とするドリルビット。