JPH0731484A - 生物学的水素生産方法 - Google Patents

生物学的水素生産方法

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JPH0731484A
JPH0731484A JP19532793A JP19532793A JPH0731484A JP H0731484 A JPH0731484 A JP H0731484A JP 19532793 A JP19532793 A JP 19532793A JP 19532793 A JP19532793 A JP 19532793A JP H0731484 A JPH0731484 A JP H0731484A
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JP
Japan
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hydrogen
fermentation
gas
tank
cellulase
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JP19532793A
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Inventor
Taisuke Toya
泰典 遠矢
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Ebara Corp
Ebara Research Co Ltd
Original Assignee
Ebara Corp
Ebara Research Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クリーンエネルギーである水素を高速、高効
率で生物生産する方法を提供する。 【構成】 有機性廃棄物を基材として、微生物による水
素発酵工程11で水素を生産する方法において、前記微
生物として、少なくともCxセルラーゼ存在下1、5で
嫌気集積培養7した白蟻の腸管系微生物群集6を用いる
こととしたものであり、前記水素発酵工程は、減圧状態
で生産し、またガス分離工程を付設し、水素分圧を低減
させながら行うのがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農産廃棄物、林産廃棄
物及び/又は各種の有機性汚泥など、その構成要素とし
て繊維質及び/又は炭水化物などを多量に含む有機性廃
棄物から微生物の機能を有効に利用して水素を生産する
方法に係り、特に白蟻腸管系に寄生している原生動物類
と細菌類の共働作用により、通常の微生物では分解が極
めて困難な繊維質類、炭水化物類から水素を高速、高効
率に生産する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、農産廃棄物や林産廃棄物などは有
用、有価な資源として利用可能な繊維質(セルロース)
が植物組織の中でリグニンによって強固に保護され、実
用可能な経済的コストで脱リグニン或いはリグニンの分
解ができないため、所謂、付加価値の低い素材としてし
か利用されていない。また、濃厚有機性廃水や各種の汚
泥は、通常高温メタン発酵法、中温メタン発酵法及び/
又はUASB法(上向流式スラッジブランケット型メタ
ン発酵法)などによって汚濁性有機物を、最終的にエネ
ルギー物質であるメタンと炭酸ガスに変換し、メタン発
酵消化液は通常の好気性処理により残存する有機物を微
生物学的に酸化、安定化して放流する方法が適用されて
きた。
【0003】メタン発酵法は、省エネルギー的な処理技
術として評価され、現に下水処理の工程から発生する最
初沈澱池汚泥、余剰活性汚泥、或いは一般汲取し尿の処
理に広く適用されている。然しながら、この処理技術か
ら発生するガス中には、水素資化性メタン生成菌の基質
である水素の絶対量に対して炭酸ガスが大過剰であるた
めに、エネルギー源として全く価値のない炭酸ガスが約
40%残存する。また、エネルギー物質としてのメタン
も燃焼すると、次式に示すように炭酸ガスに変化する。 CH4 +2O2 → CO2 +2H2
【0004】周知の通り、ここ数年来地球規模での環境
汚染が世界的に重要な問題として取り上げられ、地球的
視野に立っての解決及び改善が強く要望されている。こ
れらの中でも、各種のガスによる地球の温暖化問題は極
めて身近で、深刻な問題として認識されている。このよ
うな観点から、従来技術としてのメタン発酵法は、地球
温暖化に直接影響を与える炭酸ガスを集中的に、かつ多
量に発生するだけでなく、メタン自身も大気中に漏洩
(放出)されると、炭酸ガスよりも赤外線の吸収能力が
格段に大きい為に地球の温暖化に大きく寄与することに
なる。
【0005】地球レベルで大気に放散される炭酸ガスに
対してメタンの放散量は微々たるものであるが、赤外線
の吸収能力を加味して、地球温暖化における気温上昇へ
の寄与率を算定すると、炭酸ガスが全寄与率に対して4
5〜55%であるのに対してメタンガスの寄与率は15
〜20%にも達し、無視できない寄与率である。上記し
たように、農産廃棄物、林産廃棄物を対象とした、従来
技術としての再資源化法には、生産物の付加価値の観点
から評価できる技術は現時点で存在せず、また各種汚泥
の処理に適用されているメタン発酵法も前記した通り省
エネルギー的な技術であるが、最終的には地球の温暖化
を助長する技術と言わざるを得ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の事実より、地球
環境改善に貢献できる新しい有機性廃棄物の処理技術の
研究、開発が急務となっており、社会的にその確立が強
く要望されている。本発明は、従来技術の宿命的な欠陥
を改善し、全く新規な発想による有機性廃棄物の再資源
化方法、即ちクリーンエネルギーである水素を高速、高
効率で生物生産する方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、有機性廃棄物を基材として、微生物に
よる水素発酵工程で水素を生産する方法において、前記
微生物として、少なくともCxセルラーゼ存在下で嫌気
集積培養した白蟻の腸管系微生物群集を用いることとし
たものである。すなわち、本発明においては、自然界に
おいて絶妙な生理機能によりセルロースを循環している
白蟻及び白蟻腸管系微生物群集を、Cxセルラーゼを添
加しながら集積培養し、この培養液を有機性廃棄物の水
素発酵槽に注入しながら高速かつ高効率に水素発酵を安
定的に達成させるものである。
【0008】このように、本発明は、白蟻腸管系微生物
から分離した特定の純粋菌によりセルロース基質から最
終的に水素を生産するのではなく、あくまでも腸管系微
生物群集の相利共生系を水素発酵槽内で再現、維持する
ことにより水素を生産するものである。上記において、
Cxセルラーゼは別途微生物により産生されたもので
も、製剤となったものでも使用でき、別に水素発酵工程
に添加することによりより確実に水素発酵が行える。本
発明において、前記の水素発酵の結果として、発酵槽内
の液相及び/又は気相中に発酵ガスとしての水素が蓄積
され、結果として気相中の水素分圧が上昇する。これ
は、発酵系の水素生成を妨げる。
【0009】更に、生物反応の結果として生成される水
素は、ある濃度以上に液相、気相に蓄積されるとそれ自
身が生物毒となり、本発明の目的である水素発酵そのも
のが停止する事になる。従って、本発明では、水素発酵
を遅退なく進行させるために、前記水素発酵工程を減圧
状態とするか、前記水素発酵工程にガス分離工程を付設
し、該水素発酵槽内の水素分圧を低減させつつ水素を生
産することにより、液相中の水素の平衡濃度及び気相中
の水素分圧を強制的に低減し、前記の障害を解消するこ
とができる。
【0010】また、本発明においては、水素発酵工程を
前後2段工程とし、後段工程で発生した気体の少なくと
も一部を前段工程に導入することもでき、更に、前記水
素発酵工程にメタン発酵のブロッキング剤を添加するこ
ともできる。本発明では、前記水素発酵工程の排出液に
該水素発酵工程で発生した気体の少なくとも一部を導入
しつつ、光供給下で水素生産性の光合成微生物を作用さ
せる工程を設けることもできる。
【0011】次に、本発明を詳細に説明する。通常、濃
厚な有機性廃棄物を嫌気的条件下に封じ込めると、クロ
ストリヂウム属(Clostridium)、ルミノコッカス属(Ru
minococcus) 、ザルシナ属(Sarcina)などの水素生産菌
だけでなく、自然界に広く生息分布しているメタン生成
菌、即ちメタノスリックス属(Methanothrix) 、メタノ
コッカス属(Methanococcus)、メタノザルシナ属(Meth
anosarcina) 、メタノブレビバクター属(Methanobrevi
bacter) が混合培養系に混在し、低級脂肪酸、炭酸ガス
を生物還元してメタンを生成するために、本発明の目的
である水素発酵が阻害される可能性がある。
【0012】そのためには、酢酸資化性メタン生成菌、
水素資化性メタン生成菌及び/又はホモ酢酸メタン生成
菌が、それぞれの基質からメタンを生成するに必要な補
酵素コエンチイム(Coenzyme−M)の生産を阻害するメ
タン発酵ブロッキング剤及び/又はメタン生成菌に直接
作用する抗生物質を処理対象である有機性廃棄物に添加
すればよい。メタン発酵をブロックすることにより、水
素発酵を優先的、選択的に進行せしめ、前記の水素スト
リッピングの手段、方法と相俟って、高速、高効率、か
つ安定的に水素発酵を行なわしめることができる。
【0013】なお、有機性廃棄物の水素発酵において
は、水素だけでなく、地球温暖化を助長する炭酸ガスも
同時に発生し、さらに発酵液には低級脂肪酸としての酪
酸CH3 (CH2 2 COOH、酢酸CH3 COOHが
含まれ、これらを資源として回収すれば問題はないが、
これらを河川に放流すると汚染物質としてのBOD源と
なりうる。
【0014】そこで、地球温暖化の原因ガスである炭酸
ガスを固定し、さらに発酵液中の前記の低級脂肪酸を本
発明の目的である水素ガスに生物変換することを目的と
して、発酵液に水素発酵からの発生ガスを吹き込み、光
エネルギーを供給しながら水素生産性の光合成微生物例
えばロドシュウドモナス属(Rhodopseudomonas) 、ロド
スピリルム属(Rhodospirilum)、クロマチウム属(Chro
matium) などの混合培養系を培養するのがよい。
【0015】上記したように、本発明は、現段階で付加
価値の高い物質を生産する効果的な再資源化法がない有
機性廃棄物を、白蟻腸管系微生物群集を独自の方法で集
積培養し、これを水素発酵槽に注入することにより該菌
群を優先種として増殖せしめ、発生ガスとしての水素を
減圧発酵法、ガス分離膜法、2段水素発酵法などの手
段、方法を適用することにより、課題の水素発酵を遅退
なく進行せしめるものであり、さらに水素発酵液に溶存
している低級脂肪酸をも光合成微生物により水素に変換
することもできる。
【0016】
【作用】通常、イエシロアリ、ヤマトシロアリなどの下
等白蟻の腸管系には各種の原生動物類と細菌類が相利共
生の関係を維持しつつ生息しており、これらの混合培養
系は白蟻自身からも特定の酵素(主としてCxセルラー
ゼ)と生育、増殖に必要な微量元素の供給を受けなが
ら、白蟻と微生物類が相利共生しており、天然セルロー
ス、炭水化物等を炭素源としてこれらを分解、資化し、
代謝生産物として水素と酪酸(部分的には酢酸)を生成
することが知られている。
【0017】白蟻腸管系微生物群集に関しては、現段階
において共生系としての機能については可成り解明され
ているが、個々の微生物に関しては種属的に未同定のも
のが多く、木質系物質の分解における個々の役割につい
ても未解明の点が多く残されている。現時点において、
下等白蟻に寄生している微生物類で同定されている主た
るものは次の通りであるが、研究者によって可成りの相
違がある。但し、この問題は学術的なものであり、本発
明では、白蟻から必要箇所全体を利用するため実施上何
ら障害とはならない。
【0018】原生動物類 テラトニムファ(Teratonympha) トリコニムファ(Trichonympha) ピーゾニムファ(Pysonympha) ハロマスチゴトイデス(Holomastigotoides) ディネニムファ(Dinenympha) シュードトリコニムファ(Pseudotrichonympha) スピロトリコニムファ(Spirotrichonympha)
【0019】細菌類 水素生産菌 エンテロバクター(Enterobacter) クロストリジウム(Clostridium) セルロース分解菌 クロストリジウム(Clostridium) アクロモバクター(Achromobacter) アルスロバクター(Arthrobacter) セルラチア(Serratia) アルコリゲネス(Alcaligenes)
【0020】窒素固定菌 シトロバクター(Citrobacter) エンテロバクター(Enterobacter) バチルス(Bacillus) エスシェリキア (Escherichia) その他 バチルス(Bacillus) ストレプトコッカス (Streptcoccus) スタフィロコッカス (Staphyrotcoccus) エスシェリキア (Escherichia) シュードモナス(Pseudomonas)
【0021】また、白蟻腸管系微生物による水素生産の
生物反応式を示すと、次の通りである。 原生動物による水素生産(セルロースの分解) (C6 105 n →C6 126 →CO2 +H2 +C
3 COOH 細菌類による水素生産 (C6 105 n →C6 126→CO2 +H2 +C
3 (CH2 2 COOH クロストリジウム(Clostridium )属による水素生
産 (C6 105 n →4C6 126→2CH3 COO
H+3CH3 (CH2 2 COOH+8H2 +8CO2
【0022】水素生産菌による有機性廃棄物の水素発酵
は、その生物反応の自由エネルギーが正値となる吸エル
ゴン反応であり、本来的に生物反応は正の方向には進み
にくい。この為に、反応生成物である水素を、例えば酢
酸生成菌により酢酸まで移行させるか、或いはメタン生
成菌によりメタンに生物変換し、2段の生物反応によっ
て自由エネルギーが負値となる発エルゴン反応にしなけ
ればならない。
【0023】以下に、参考までに有機物が水素発酵を経
由してメタンに変換される生物反応式を記述すると次の
通りである。 酪酸の水素発酵→メタン発酵 酪酸の水素発酵 CH3 (CH2 2 COO- +2H2 O→2CH3 CO
- +H+ +2H2 自由エネルギー=+48.1Kj・reaction-1(吸エル
ゴン反応)
【0024】 炭酸ガスの水素還元(メタンの生成) 4H2 +HCO3 - +H+ →CH4 +3H2 O 自由エネルギー=−135.6Kj・reaction-1(発エ
ルゴン反応) +酪酸からのメタン生成反応 2CH3 (CH2 2 COO- +HCO3 - +H2 O→
4CH3 COO- +H+ +CH4 自由エネルギー=−39.4Kj・reaction-1(発エル
ゴン反応)
【0025】然しながら、このような微生物による2段
の継起反応により吸エルゴン反応を発エルゴン反応に変
換して生物反応を進行させると、共生産物としてメタン
が生成し、本発明の課題である有機性廃棄物からの水素
生産の目的が消滅することになる。これに対し、本発明
は槽内の水素分圧を減ずることで対応している。更に、
本発明では、水素発酵の目的を達成する為のもう一つの
方法として2段水素発酵法を適用し、水素分圧の高い第
一発酵槽の底部に、水素分圧の低い第二発酵槽の発酵ガ
スを導入し、槽内溶液の攪拌と同時に液相、気相中に存
在する水素ガスを反応系外に放出する手段を採用するこ
とにより、微生物に対する水素毒問題を解決している。
【0026】また、低級脂肪酸の除去に伴う水素生産に
おける低級脂肪酸資化性の光合成微生物の水素生産の生
物反応式を示すと次の通りである。 酪酸基質(暗培養) CH3 (CH2 2 COOH+6H2 O→4CO2 +1
0H2 酢酸基質(暗培養) CH3 COOH+2H2 O→2CO2 +4H2
【0027】
【実施例】以下、本発明を図面を用いて具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 図1に本発明の生物学的水素生産方法の全体工程図を示
す。図1において、白蟻腸管系微生物群集を集積培養す
るに必要なセルラーゼ生産菌1を選択し、混合培養槽2
において、特定の培養液3を注入しながらセルラーゼ生
産菌1を増量培養する。強力なセルラーゼを生産する菌
として、通常好気性の糸状菌であるトリコデルマ・ビリ
ディー(Trichoderma viride) 及び/又はトリコデルマ
・リィーゼィ(Trichoderma reesei) が挙げられるが、
本発明ではこれに限定されることなく、少なくともCx
セルラーゼを含む強力なセルラーゼを生産する菌であれ
ば、その何れをも使用することが出来る。
【0028】選択された菌は、セルラーゼとしてCxセ
ルラーゼ(CMC=カルボキシメチルセルラーゼ)を生
産する能力のあることが前提条件である。この酵素は、
結晶性を破壊された非結晶性セルロース断片に作用して
セロビオーズ、セロトリオース等のセロオリゴ糖の状態
にまず分解する。さらにセルラーゼ生産菌を選択する望
ましい条件として、選択した菌が生産するセルラーゼが
Cxセルラーゼだけでなく、少なくとも結晶性セルロー
スに作用して、その結晶性を破壊するC1 セルラーゼを
も同時に生産する菌であることが好ましい。
【0029】本実施例では、セルラーゼ生産菌1として
トリコデルマ・ビリディーATCC8678(Trichode
rma viride ATCC8678 = Trichoderma lignorum NRRL17
62)を選択し、混合培養槽2に、予めATCC336 PO
TATO ・ DEXTROSE 培地3に市販のセルロース粉末を3
0g/リットル(寒天は除外)加えたものを液体培地3
として張り込み、槽2での滞留時間を3〜5日に設定
し、培養液温25℃、除菌空気で緩慢な曝気を行なって
菌体を増量した。
【0030】次に、イエシロアリ、ヤマトシロアリの2
種類の白蟻(両種とも、腸管系に原生動物と細菌が共生
している、所謂、下等白蟻をほぼ同量ずつ(約100匹
ずつ)滅菌した生理食塩水で数回洗浄したのちに、これ
を完全に磨り潰し、白蟻腸管系微生物群集6を白蟻体外
に取り出す。前記方法で処理した白蟻腸管系微生物群集
6を絶対嫌気性の条件に維持した集積培養槽7に投入
し、集積培養槽7には表−1に示す培養液8を張り込
む。
【0031】さらに、前記の混合培養槽2で培養したセ
ルラーゼ生産菌1の混合培養液4(微生物生産Cxセル
ラーゼ・・・通常、C1 ,Cxセルラーゼを含む)を菌
体を含んだまま集積培養槽7の容積当たり1/1000
〜1/10000添加するか、或いは市販のCxセルラ
ーゼ5を集積培養槽7に対して酵素濃度が1000〜2
000mg/リットルとなるように添加し、5日間、3
0℃の回分培養を行い、白蟻腸管系微生物6を集積培養
する。この培養において、微生物生産Cxと市販のCx
の添加は、その何れか一方か、或いは両方を併用しても
よい。
【0032】
【表1】
【0033】次に、本発明の中枢部分である有機性廃棄
物の水素発酵について、図1にしたがって説明する。本
発明の対象となる有機性廃棄物には各種のものが考えら
れるが、本発明では有機性汚泥を用いる。まず、有機性
汚泥10を水素発酵槽11に導入する。この水素発酵槽
11の容積は、通常のメタン生成菌の増殖速度では必然
的に槽外に洗流されるように配慮されており、処理すべ
き有機性汚泥10の発酵槽での滞留時間が3〜5日とな
るような容積を有する。
【0034】この発酵槽11に対して、前記の白蟻腸管
系微生物群集6を集積培養7した混合培養液9(C1
Cxセルラーゼを含む)及び/又は市販のCxセルラー
ゼ5を連続的及び/又は間歇的に注入して水素発酵の立
ち上げ、水素発酵の高速、高効率化を行なうことが好ま
しいが、水素発酵が定常状態に達してからは、何らかの
原因で水素発酵が変調を来したときにのみ添加すれば充
分である。
【0035】水素発酵槽11は、通常3〜5日の発酵時
間となるように連続発酵されるが、槽内の水温、即ち発
酵温度は25〜30℃の範囲に設定することが好まし
い。水素発酵槽11において、有機性汚泥10は各種の
セルロース分解能力を持った原生動物或いは細菌によっ
て分解され、水素と炭酸ガスに変換されるが、この発生
ガスは水素ガス分離膜14によって濃縮水素と炭酸ガス
とに分離され、濃縮水素ガス15はエネルギー源16と
して貯留され、随時、ユースポイント17に送気され
る。
【0036】一方、発酵消化液13は、引抜き管12に
よって槽外に連続的に引出されるが、発酵消化液13に
は、水素発酵の結果として、主として酪酸、酢酸が可成
り濃厚に含まれる(酪酸8000〜15000mg/リ
ットル、酢酸500〜2000mg/リットル)。従っ
て、発酵消化液13は、次の工程で有価な酪酸を分離回
収するか或いは生物学的な2次処理(主として生物酸化
処理)によって処理されるが、その何れを選択するかは
有機性汚泥10の処理規模(経済性に関連する)によっ
て選択されるべきである。
【0037】有機性汚泥10、即ちセルロース質、炭水
化物等を含む有機性汚泥を水素発酵すると、前記の生物
反応式によって例示したように相当量の水素が発生し、
この水素が水素発酵槽11内の発酵液及び気相部に充満
し、液相中の平衡濃度だけであく、気相中の水素分圧が
高まる。水素は、本来的に生物毒作用を持っており、液
相中の濃度がある限度以上になると水素発酵が阻害され
る。
【0038】さらに、特定の微生物による水素生成の生
物反応は、即ち、セルロース及び/又は炭水化物を分解
する反応は吸エルゴン反応であり、標準自由エネルギー
が正の値となるために、通常、生物反応は正の方向に進
行しにくい。従って、この条件のまま水素発酵を継続す
ると、混在するメタン生成菌などが増殖して発エルゴン
反応となる傾向が強く、水素発酵本来の目的が喪失す
る。この水素ガスによる発酵阻害作用を消去する為に
は、図2、図3に図示したように減圧発酵を行い、水素
発酵槽の液相及び気相から強制的に水素をストリップす
ることにより、効果的に達成される。
【0039】まず、減圧発酵槽の図2について説明す
る。減圧発酵槽32には、槽内の液面下まで連通する塔
状の減圧放散塔33を設け、その内部には一定間隔に複
数段のカスケード板43を取り付け、気液接触表面積を
拡大する。さらに、減圧放散塔33内は真空ポンプ40
によって気体を外部に吸引し、減圧度は−300〜−4
000mmAqの範囲に維持される。処理対象の有機性
汚泥は流入管31によって水素発酵槽32に導入され、
一定期間水素発酵されたのち引抜き管35によって外部
に取り出される。
【0040】発酵過程において、水素発酵槽32内の内
溶液は循環ポンプ36、循環管37を経由して減圧条件
下に維持されている減圧放散塔33に複数回循環し、槽
内溶液の適度の攪拌と同時に内溶液に溶存している水素
を強制的に反応系外に放散させる。水素発酵をさらに確
実に進行せしめ、安定化することを目的として、減圧用
の真空ポンプ40の手前に水素ガス分離膜装置39を設
置すれば、格段に効果的であることは言うまでもない。
炭酸ガスを分離された放散ガス41は、水素エネルギー
として利用され、分離濃縮された炭酸ガス42は別系統
に取り出され、さらに消化汚泥も引抜き管34によって
系外に取り出され、処理処分される。
【0041】次に、減圧発酵装置の図3について説明す
る。まず、水素発酵槽22には塔状の減圧放散塔33を
設け、同放散塔の下部末端は、水素発酵槽内溶液の液面
下まで連通している。さらに放散塔33は真空ポンプ4
0、ガス引抜き管38によって−300〜−4000m
mAqの減圧状態に維持される。減圧放散塔33内に
は、所定の減圧度の水柱に相当する高さ(位置)に発酵
液引抜き管35を設けるが、発酵液の吸い込み口は、減
圧放散塔33の気相部のガスが引抜き管内に吸い込ま
れ、減圧の動的平衡が破壊されないようにベント管を取
り付け、吸い込み口を液面下となるように折り曲げる必
要がある。
【0042】水素発酵槽の運転方法は、図2のそれに準
じて行なわれるが、水素ガス分離膜39を介在せしめて
水素発酵を行なうことにより水素発酵の高速、高効率
化、及びより一層の安定化が達成されることは図2にお
ける場合と同様である。図2の減圧発酵法は、通常、放
散塔の減圧度を低く設定した場合に適用し、図3の減圧
発酵法は減圧度を高くする必要があるときに適用すれ
ば、それぞれに経済効果が発揮される。
【0043】有機性汚泥の水素発酵から発生する水素ガ
スを気相、液相から強制的に脱気する方法としては、前
記したように減圧発酵法とガス分離膜を併用する方法図
2、図3があるが、水素ガス分離膜を単独に用いる方法
も前記の方法と同様に有効である。水素ガスはガス分子
として粒径が極めて小さく、他のガスとの混合ガスから
水素を99%程度の高純度で分離することができるの
で、例えば、石油精製工業、化学工業などの生産工程で
既に実用化されている。
【0044】本発明におけるように、有機性汚泥の水素
発酵の発生ガスが水素ガスと炭酸ガスの混合ガスである
場合、ガス分離膜による水素の分離は比較的容易であ
り、通常、5kg/cm2 〜以下の圧力で通常、99%
の高純度の水素ガスとして分離することができる。なお
所定の圧力を確保するためには、加圧よりも、真空ポン
プによる減圧によるほうが遙かに経済的である。市販の
水素ガス分離膜としては、素材として幾つかの種類のも
のが販売されているが、本発明の実施例では水素を最も
選択的に、かつ効果的に分離できる芳香族ポリイミドを
素材とする分離膜を使用した。
【0045】図4は、水素発酵槽内の水素分圧を、減圧
発酵或いはガス分離膜を使用する事無く、槽内の水素を
強制的に反応系外に取り出す発酵プロセスを示したもの
である。本方法を図4にしたがって説明する。まず、水
素発酵槽を第一発酵槽52と第二発酵槽55の2槽に分
割し、両発酵槽の容積の総和が、通常のメタン生成菌が
洗流される3〜5日程度の発酵期間となるように決定
し、水素発酵が必ずメタン発酵に優先するように配慮す
る。
【0046】図4において、先ず、有機性汚泥は流入管
51を経由して第一発酵槽52に導入される。有機性汚
泥での水素発酵の主発酵は、この第一発酵槽52におい
て行なわれ、トータルプロセスの約70%程度のガスが
発生するだけでなく、発生ガス52の水素と炭酸ガスの
比率は3〜4:1で水素ガスが大部分を占める。主発酵
を終えた発酵液は移送管54を経由して第二発酵槽55
に導入され、ここで熟成のための後発酵が行なわれる。
従って、発生ガスはトータルプロセスからの全発生ガス
の20〜30%程度であり、しかも水素と炭酸ガスの量
的比率は1:3〜4に逆転し、炭酸ガスが大部分を占め
るガス組成となる。
【0047】このように、第一発酵槽52と第二発酵槽
55から発生する発生ガスの水素分圧には相当の差が生
ずるので、この分圧差をドライビングフォースとして第
一発酵槽52の液相、気相中に存在する水素ガスを、発
生ガスと共に強制的に槽外に放散せしめ、第一発酵槽5
2の水素分圧を水素発酵が阻害されない濃度まで低減さ
せる。この目的の為に、第二発酵槽55の発生ガスをブ
ロワー58とガス移送管56によって第一発酵槽52の
底部に導き、発生ガスによる槽内ガス攪拌と共に水素ガ
スを、ガス引抜き管53によって反応系外に取出し、ク
リーンエネルギーとして利用する。
【0048】このようなガス移送操作によって第二発酵
槽55の内部は、発酵が定常状態となる前は一時的に可
成の減圧状態となる恐れがあるので、移送ガスとは別
に、系外からガス移送管60を通じて外気を導入し、導
入ガスと発生ガスの総量が、第二発酵槽55をガス攪拌
するに必要な量に達したらガス補充を中止し、ブロワー
59とガス攪拌用管52によって第二発酵槽55のガス
攪拌を行なう。有機性汚泥を水素発酵するに当たり、予
め有機性汚泥に必要に応じてメタン発酵ブロッキング剤
を添加するのも効果的である。
【0049】ブロッキング剤としては、通常、四塩化炭
素(CCl4 )、クロロホルム(CHCl3 )、メチレ
ンクロライド(CH2 Cl2 )、2−ブロモエタンスル
フォン酸(BrCH2 CH2 SO3 H)などを1〜50
0μmol/リットル、及び/又はメチルビオロゲン
(Methylviologen) 、ベンジルビオロゲン(Benzylviol
ogen) などの抗生物質を1〜50μmol/リットルの
濃度範囲(図1、26)で添加するのがよく、これによ
り有機性汚泥の水素発酵は、より確実に行なわれる。
【0050】次に、本発明の水素発酵槽11において、
有機性汚泥が特定の混合培養系の微生物によって水素発
酵されると、水素だけでなく前記したように地球の温暖
化現象を助長する炭酸ガスも発生ガスの30〜40%程
度含まれる。また、発酵消化液中には、主として酪酸が
含まれ、同時に、量的には僅かであるが、通常、酢酸が
混在する場合が多い。従って、発生ガス、発酵消化液が
放出、放流されると、当然の事ながら公害源となり、環
境汚染を招く事になる。
【0051】本発明においては、特に特許請求の範囲と
して限定してはいないが、前記の問題を解決するため
に、次のプロセスを適用することが好ましい。即ち、本
発明の水素発酵槽11からの発生ガス19及びガス分離
膜14によって濃縮された炭酸ガス26は、有機酸をも
資化できる光合成微生物を培養する槽18に導入され、
また、この槽18には必要に応じて太陽エネルギー23
が供給される。また、有機炭素源として発酵消化液13
が液移送管22によって連続的に光合成微生物培養槽1
8に供給される。
【0052】水素発酵の発生ガス19、及び/又はガス
分離膜14によって濃縮された炭酸ガス26は、槽18
で濃厚に培養されている光合成微生物により無機炭素源
として有効に利用されるが、炭酸ガスの利用効率を一段
と向上させるために、槽18からの排出ガスはブロワー
によりガス循環管20を経由して繰り返し槽18に循環
されて光合成による有機物生産に利用され、最終的に高
濃度化された水素ガスがガス排出管21から放出され、
エネルギー源として有効に利用される。
【0053】光合成微生物培養槽18において、光合成
微生物により有機酸を資化され、浄化された発酵消化液
は無害な処理水25として外部の水域に放流され、一
方、槽18において増殖した余剰菌体24は各種の目的
に利用される。槽18において濃厚培養される微生物類
は、通常ロドバクター(Rhodobacter)などの紅色非硫黄
細菌及び/又はクロマチウム(Chromatium) などの紅色
硫黄細菌など、所謂光合成細菌であることが好ましい
が、クラミドモナス(Chlamidomonas)、クロレラ(Chlo
rella)などの有機酸を資化できる緑藻などの微細藻類で
あっても本発明を妨げるものではない。
【0054】光合成培養槽18における紅色非硫黄細菌
及び紅色硫黄細菌の光合成(明培養)における有機物生
産と水素生産の生物反応式は次の通りである。 紅色非硫黄細菌(例えばロドバクター(Rhodobacter)) 電子供与体→主として低級カルボン酸 光合成 6CO2 +12H2 O→C6 126 +6O2 +6H2
O 水素生産 C6 126 +6H2 O→6CO2 +12H2 +680
kcal
【0055】紅色硫黄細菌(例えばクロマチウム(Chro
matium) ) 電子供与体→硫化物 光合成 6CO2 +12H2 S→C6 126 +12S+6H2
O 水素生産 C6 126 +6H2 O→6CO2 +12H2 +680
kcal
【0056】実施例2 次に、図1の工程図に従った処理例について説明する。
水素発酵の処理対象、即ち有機性廃棄物として都市下水
処理場から発生する下水汚泥を選択した。実験に供した
下水汚泥は、某下水処理場の重力沈澱濃縮した最初沈澱
池汚泥と機械脱水した余剰活性汚泥とを、固形物重量比
が自然発生比に近似した2:1となるように混合し、混
合液の全固形物濃度がほぼ30g/リットルとなるよう
に水道水を加えて調整し、実験期間中は変質しないよう
に3〜5℃の冷暗所に保存した。表2に、供試汚泥の一
般的性状、組成を示す。
【0057】
【表2】
【0058】水素発酵槽の容積は、実際の水張り容積
(有効容積)が5リットルの円筒型発酵槽を3基製作
し、これらを30℃の恒温水槽にセットして、発酵日数
4日の中温発酵を行なった。それぞれの水素発酵の条件
は次の通りである。 (1)対照(下水混合汚泥の嫌気性発酵) (2)下水混合汚泥+白蟻腸管系微生物の集積培養液
(10ml/5リットル)+Cxセルラーゼ(5g/5
リットル) (3)下水混合汚泥+白蟻腸管系微生物の集積培養液
(10ml/5リットル)
【0059】本実験におけるセルラーゼ生産菌及び培養
基、培養条件、白蟻腸管系微生物の集積培養法(培養
基、培養条件)は、前記の実施例1に記載した手法に準
じて行なった。また、下水混合汚泥の水素発酵に添加し
た市販のCxセルラーゼとしては、単一品が入手出来な
かったので、明治製菓製のCxセルラーゼを含むセルラ
ーゼ複合酵素を使用した。この複合酵素はトリコデルマ
ビリディ(Trichoderma viride) 変異株から生産された
ものであり、含まれる主要酵素とその活性は次の通りで
ある。
【0060】 ろ紙崩壊活性 6,800U/mg アビセラーゼ活性 6,000U/mg Cxセルラーゼ活性 200U/mg 測定条件 反応時間 30min pH 5.0 温度 50℃ この市販の複合酵素は、前記の酵素以外にも強力なβ−
グルコシダーゼ活性(セロビアーゼ)、キシラナーゼ活
性及びペクチナーゼ活性を保有している。
【0061】本発明に使用した水素発酵槽は、有効容積
が5リットルで規模が小さいために、本発明における発
酵槽の減圧システムをそのまま実施例の実験装置に適用
するには装置的に可成りの困難が伴ない、実験結果の正
確、妥当な評価に支障を来すことになる。それで、3基
の水素発酵槽は、真空ポンプにより全槽が実質的に−
1,500mmAqとなるように自動的に減圧制御し、
減圧発酵を行なった。減圧発酵槽に対する汚泥の注入量
は1.25リットル/日、従って、発酵日数は3基の発
酵槽とも計算上は4日となる。
【0062】発酵消化液は、遠心分離器を用いて3,0
00Gの遠心力、10分間でSSを強制的に分離除去
し、水質分析の試料に供した。また、実験期間中、白蟻
腸管系微生物の集積培養液及び市販のCxセルラーゼの
添加は、実験期間5ケ月のうち、最初に5日間の間隔で
2回添加しただけであり、その後は無添加であったが、
水素発酵に変調は来さなかった。以上の実験装置、実験
条件における検証実験は、運転が定常状態に達してから
5ケ月間継続し、その中間過程での1カ月間の処理成績
(平均値)を表3に示した。
【0063】
【表3】
【0064】表3の実験結果から容易に理解できるよう
に、下水の混合汚泥を単に減圧発酵しても、水素発酵が
優先的に進行することはなく、しかも4〜5日程度の発
酵日数ではメタン発酵が進行する。さらに、進行するメ
タン発酵は酸発酵優先型であり、ガス発生が少ないだけ
でなく、発酵消化液には高濃度の酢酸、プロピオン酸、
酪酸が含まれていた。これに対して、白蟻腸管系微生物
群集の集積培養液を添加して減圧発酵を行なうと、明ら
かにメタン発酵は抑制され、水素発酵が優先的に進行す
る。
【0065】さらに、白蟻腸管系微生物群集の集積培養
液だけでなく、これに市販のセルラーゼを加えて減圧発
酵を行なうと、水素発酵は集積培養液添加だけの実験例
よりも確実に、かつ高速、高効率に進行し、下水の混合
汚泥をクリーンエネルギーとしての水素に生物変換する
ことが出来る。また、白蟻腸管系微生物群集集積培養
液、或いは市販のCxセルラーゼの添加は、水素発酵を
立ち上げる当初の時期だけで充分であり、約5カ月間に
渡る実験期間の範囲では、前記したように、実験スター
ト時以外には添加する必要は認められなかった。多分、
これらの添加は、水素発酵が異常、変調を来したときに
のみ対応すれば充分であると考えられる。
【0066】
【発明の効果】本発明は、詳述したように、従来技術と
は全く異なる視点、思想からの発想による革新的な発明
であり、次のような作用を奏する。 (1)有機性廃棄物を嫌気的条件下で処理するに当た
り、発酵槽内に予め白蟻腸管系微生物群集を集積培養し
た混合培養液を添加することにより、有機性汚濁物質を
クリーンエネルギーである水素に確実に微生物変換する
ことが出来る。さらに、微生物生産Cxセルラーゼ及び
/又は市販のCxセルラーゼを添加することにより、よ
り確実にかつ高速に水素発酵を進行せしめることが可能
であり、本発明は、著しくエネルギー問題への寄与と地
球温暖化防止に貢献することが出来る。
【0067】(2)白蟻腸管系微生物群集及び/又は微
生物生産Cxセルラーゼ、市販のCxセルラーゼを添加
し、さらに本発明による方法に基ずきメタン発酵ブロッ
キング剤を添加して減圧発酵を行なう事により、水素発
酵は、より確実に行なわれる。 (3)本発明による減圧発酵により、発酵槽内の液相の
水素の平衡濃度、気相中の水素分圧を低減せしめること
により、吸エルゴン反応である水素発酵を遅退なく正の
方向に進行させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生物学的水素生産方法の全体工程図。
【図2】本発明で用いる減圧発酵槽の概略説明図。
【図3】本発明で用いる減圧発酵槽の他の概略説明図。
【図4】本発明で用いて二段発酵槽の概略説明図。
【符号の説明】
1:セルラーゼ生産菌、2:混合培養槽、5:市販Cx
セルラーゼ、6:白蟻腸管系微生物群集、7:集積培養
槽、10:各種汚泥、11:水素発酵槽、13:発酵消
化液、14:ガス分離膜、18:光合成培養槽、31、
51:流入管、32、52、55:発酵槽、33:減圧
放散塔、34:消化汚泥引抜き管、35:消化液引抜き
管、36:循環ポンプ、37:液循環管、38:ガス引
抜き管、39:ガス分離膜、40:真空ポンプ、41:
水素、42:炭酸ガス、43:カスケード、53:ガス
排出管、54:液移送管、56:ガス移送管、57:ガ
ス攪拌用管、58、59:ブロワー、60:ガス補充
管、61:流出管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機性廃棄物を基材として、微生物によ
    る水素発酵工程で水素を生産する方法において、前記微
    生物として、少なくともCxセルラーゼ存在下で嫌気集
    積培養した白蟻の腸管系微生物群集を用いることを特徴
    とする生物学的水素生産方法。
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