JPH0731403Y2 - ディスク自動交換装置のディスク排出機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔概要〕 ディスク自動交換装置付ディスク再生装置における、デ
ィスクの再生装置側からのマガジン側への排出時に、排
出用レバーを単にガイド軸上を摺動させてディスクを押
し出すのみでなく、摺動後半でレバーをガイド軸を中心
にしてマガジン側に回転させてディスクをマガジン内へ
完全に押し込むようにしたディスク排出機構である。

〔産業上の利用分野〕

本考案はディスク自動交換装置付ディスク再生装置の、
再生装置側からマガジン側へのディスク排出機構に関す
る。

近年、コンパクトディスク（以後CDという）等のディス
ク再生装置の普及が著しく、これに伴って何枚ものディ
スクを連続演奏可能な装置が実用化されている。このよ
うな連続演奏可能なディスク再生装置にはディスク自動
交換装置が設けられており、複数枚のディスクを収納し
たマガジン内のディスクを、再生装置に供給あるいは再
生装置内のディスクと交換する。このようなディスク自
動交換装置においては、再生装置側からのディスク排出
機構の簡素化および信頼性が要望されている。

〔従来の技術〕

従来、何枚ものディスクを連続演奏可能なディスク自動
交換装置付ディスク再生装置、例えば、CDの連続演奏装
置では、第６図に示すようにディスク再生装置１のディ
スク挿入口11の隣接位置に、昇降可能なホルダ２を備え
たディスク自動交換装置10が設けられている。そして、
複数枚のディスク33を収納したマガジン３をこのホルダ
２に装填した後、ホルダ２を自動交換装置10によって昇
降させ、所望のディスクを再生装置１に供給あるいは再
生装置内のディスクと交換している。

第６図において31はマガジン３に取り付けられたCD押し
出し用のマガジンレバー、４はホルダ２に設けられたマ
ガジンレバー駆動機構、５はディスク再生装置１からデ
ィスクをマガジン３内に排出するディスク排出機構、６
はマガジン３をホルダ２内にロックするロック機構であ
る。

以上のように構成されたCDの連続演奏装置では、ディス
ク再生装置１内にあるディスク33をホルダ２に装填され
たマガジン３内に排出する場合に、ディスク33の殆どの
部分をディスク再生装置１内の搬送機構（図示せず）に
よってホルダ２内に送り込み、その後ディスク再生装置
１の挿入口11の上部に設けられた排出機構５によってデ
ィスク33をホルダ２内のマガジン３に収納させていた。

この排出機構５を第７図、第８図を用いて説明する。

第７図（ａ）は従来の排出機構５の構成を示すものであ
る。ディスク再生装置１のディスク挿入口11の上面12に
はブラケット54a,54bに両端を支持されたガイド軸52が
設けられており、このガイド軸52は第８図に示すように
スライダ53を摺動可能に挿通している。また、スライダ
53はその側面に押し込みレバー51が取り付けられてお
り、更にスライダ53は第７図（ａ）に示すようにディス
ク再生装置１の上面12に回動支点58を有するＬ字型アー
ム55の一端に係合している。このＬ字型アーム55の他端
は、同じくディスク再生装置１の上面12に軸支された円
板56に突設されたピン57に係合しており、円板56の回転
によりＬ字型アーム55は支点58を中心にして回転し、前
記スライダ53をガイド軸52に沿って摺動させる。

前記円板56は、第７図（ａ）に示すようにディスク33の
中心がディスク再生装置１内の搬送機構によりホルダ２
内に挿入された時点で矢印Ｂ方向に回転させ、Ｌ字型ア
ーム55を介してスライダ53をガイド軸52上の一端（ブラ
ケット54a側）から他端（ブラケット54b側）に向かって
摺動させる。すると、スライダ53に取り付けられた押し
込みレバー51がスライダ53のブラケット54b側への移動
に伴ってディスク33の周縁を押し、この結果、ディスク
33は第７図（ｂ）に示すように完全にホルダ２内のマガ
ジン３にディスク33が収納される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、以上のように構成された従来のディスク自動
交換装置のディスク排出機構では、最終的にディスク33
がマガジン３内へ収納される位置において、マガジン３
の端部と排出機構５とは関係部分の余裕を考慮した隙間
を作る必要があり、このために、マガジン３内にディス
ク33を吸い込むような機構が必要となり、従来の排出機
構５だけではマガジン３内へのディスク33の完全な収納
は不可能である。そして、マガジン３にディスク33の吸
込機構機構を設けることにより、コストアップを招いて
いた。

本考案の目的は前記従来のディスク自動交換装置のディ
スク排出機構の有する問題点を解消し、ディスクの排出
機構のみによりディスク再生装置側からのディスクの排
出時に、排出機構のみによってディスクが完全にマガジ
ン内に収納できる優れたディスク自動交換装置のディス
ク排出機構を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

前記目的を達成する本考案のディスク自動交換装置のデ
ィスク排出機構は、ディスク状記録媒体の再生装置と複
数枚のディスクを収納可能なマガジンとの間に備えら
れ、このマガジン内のディスクを前記再生装置に自動的
に供給あるいは交換するディスク自動交換装置の、前記
再生装置側からのディスク排出機構であって、前記再生
装置に設けられたディスク挿入口の上部側の上面に、こ
の挿入口の長手方向に平行に設けられたガイド軸と、こ
のガイド軸に摺動可能に挿通されて前記上面上を移動す
る移動部材と、前記移動部材に取り付けられ、前記再生
装置の側面に沿って前記挿入口内のディスクの通過軌跡
に届くような長さを有するレバーと、前記移動部材を前
記ガイド軸の一端から他端へ移動させる移動部材駆動手
段と、前記移動部材が移動して前記挿入口の中央部近傍
に来た時に、この移動部材を前記ガイド軸を中心にして
前記マガジン側に回転させる移動部材回転手段とを備え
ていることを特徴としている。

〔作用〕

本考案のディスク自動交換装置のディスク排出機構によ
れば、ディスク再生装置から排出されたディスクの中心
がホルダ内に挿入された時点で、スライダをガイド軸上
の一端から他端に向かって摺動させ、スライダに取り付
けられた押し込みレバーが中央部への移動に伴ってディ
スクの周縁を押し、スライダがガイド軸の他端に近づい
た時点でスライダをガイド軸を中心にしてホルダ側に回
転させる。この結果、ディスクはスライダに取り付けら
れた押し込みレバーによって押し込まれ、完全にホルダ
内のマガジンに収納される。

〔実施例〕

以下添付図面を用いて本考案の一実施例を詳細に説明す
るが、従来と同じ構成部品については従来と同じ符号を
付して説明する。

第１図は本考案の排出機構５の構成を示すものであり、
第２図は第１図のII-II線における断面を示している。
ディスク再生装置１のディスク挿入口11の上部にはブラ
ケット54a,54bに両端を支持されたガイド軸52が設けら
れており、このガイド軸52にはスライダ53が摺動可能に
挿通されている。

スライダ53は第３図に示すように３面の側面板531,532,
533と天板534とを備えた本体530と、側面板533に取り付
けられた先端部にパッド511を有する押し込みレバー51
とから構成されている。対向する側面板531,532の内側
にはガイド軸52の軸受535が設けられており、この軸受
け535によりスライダ53はガイド軸52上を滑らかに摺動
することができるようになっている。側面板533の内側
にはピン536が突設されており、このピン536には車輪53
7が取り付けられている。車輪537はスライダ53がガイド
軸52上に取り付けられた状態で、ディスク再生装置１の
上面12に載置されるようになっている。

また、スライダ53の天板534には長穴538が設けられてお
り、この長穴538はディスク再生装置１の上面12に回動
支点58を有するＬ字型アーム55の一端に、Ｌ字型アーム
55に突設されたピン551を介して係合している。このＬ
字型アーム55の他端には長穴552が設けられており、こ
の長穴552を介して同じくディスク再生装置１の上面12
に軸支された円板56に突設されたピン57に係合してい
る。円板56は歯車であり、減速歯車561,562,563を介し
てモータ59に接続している。そして、モータ59が回転す
ると円板56が回転し、この結果、Ｌ字型アーム55は支点
58を中心にして回転して前記スライダ53をガイド軸52に
沿って摺動させる。

更に、前記ガイド軸52のブラケット54bに近いディスク
再生装置１の上面12であって、スライダ53に設けられた
車輪537が走行する部分には、車輪537を上方に押し上げ
る作用をする滑らかな凸部13が設けられている。

また、第２図に示す２つのローラ141,142は、例えばゴ
ムローラであり、前記ガイド軸52に平行にディスク挿入
口11の奥のディスク再生装置１内に設けられている。そ
して、これらのローラ141,142は、14で示す歯車にて同
一方向に回転し、ディスク再生装置１内のディスク33を
ある程度までホルダ２側に排出するようになっている。
即ち、ディスク33を排出する時は、ゴムローラ141,142
にディスク33を下から上方向に図示しない別のローラで
押しつけることにより、ディスク33の排出を行うように
なっている。なお、ゴムローラ141,142の駆動は、図示
しないモータにより歯車群を介してローラ141を駆動す
ることにより行われる。

以上のように構成された本考案のディスク自動交換装置
のディスク排出機構の動作を説明する。

本考案の装置では、ディスク33が排出機構14によってデ
ィスク再生装置１から排出され、ディスク33の中心がホ
ルダ２内に挿入された時点でモータ59を駆動し、減速歯
車561,562,563を介して円板56を矢印Ｂ方向に回転させ
る。円板56の回転によりＬ字型アーム55が支点58を中心
にしてＣ方向に回転し、スライダ53をガイド軸52上の一
端（ブラケット54a側）から他端（ブラケット54b側）に
摺動させる。すると、スライダ53に取り付けられた押し
込みレバー51がＡ方向に移動し、この移動により押し込
みレバー51のパッド511がディスク33の周縁部に当接す
る。この状態が第４図（ａ），（ｂ）に示す状態であ
る。

この後、スライダ53は引き続きＡ方向に移動し、ディス
ク33の周縁部を押してディスク33をホルダ２側に移動さ
せる。スライダ53がガイド軸52の他端に近づくと、スラ
イダ53に取り付けられてディスク再生装置１の上面12を
走行する車輪537が、上面12に設けられた凸部13に乗り
上げる。この状態が第５図（ａ）、（ｂ）に示す状態で
ある。

第５図（ａ）、（ｂ）に示すように、車輪537が、上面1
2に設けられた凸部13に乗り上げと、スライダ53はガイ
ド軸52を回転軸としてホルダ２側に回転し、スライダ53
に取り付けられた押し込みレバー51の先端部のパッド51
1によってディスク33をホルダ２側に押し込む。この結
果、ディスク33は押し込みレバー51によって押し込まれ
た勢いで完全にホルダ２内のマガジン３内に収納され
る。

このように、本考案のディスク自動交換装置のディスク
排出機構ではスライダ52の回転によりディスク33をホル
ダ２側に押し込み、押し込まれた勢いでディスク33がマ
ガジン３内へ完全に収納されるようにしている。このた
め、本考案のディスク自動交換装置のディスク排出機構
にはホルダ２側にディスク33の吸込機構は不要である。

なお、前述の実施例ではガイド軸52を摺動するスライダ
53に車輪537を設けてディスク再生装置１の上面12を走
行させ、上面12に設けた凸部13に車輪537を乗り上げさ
せることによりスライダ53をその最終位置近傍で回転さ
せるようにしているが、スライダ53の回転は他の方法に
よっても実現することが可能であり、本考案はこの実施
例の機構に限定されるものではない。スライダ53を回転
させる他の方法としては、ガイド軸52に溝、スライダ53
にこの溝に係合する突起を設け、スライダ53の移動最終
位置近傍でこの溝をらせん状にすることによっても実現
できる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案のディスク自動交換装置のデ
ィスク排出機構によれば、ガイド軸を摺動するスライダ
のみによりディスク再生装置から排出されたディスクを
完全にホルダ内のマガジンに収納させることができると
いう効果がある。この結果、マガジン内にディスクを吸
い込むような機構が不要となり、装置のコストアップが
防止できるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のディスク自動交換装置のディスク排出
機構の構成を示す平面図、第２図は第１図のII-II線に
おける断面図、第３図は第１図のスライダの構成を示す
斜視図、第４図（ａ）、（ｂ）および第５図（ａ）、
（ｂ）は本考案の装置の動作を示す説明図、第６図はデ
ィスク自動交換装置付ディスク再生装置の構成を示す斜
視図、第７図（ａ）、（ｂ）は従来の排出機構の動作を
示す説明図、第８図は従来のスライダの構成を示す斜視
図である。 １……ディスク再生装置、２……ホルダ、３……マガジ
ン、５……排出機構、10……ディスク自動交換装置、11
……挿入口、12……ディスク再生装置の上面、13……凸
部、33……ディスク、51……押し込みレバー、52……ガ
イド軸、53……スライダ、54……ブラケット、55……Ｌ
字型アーム、56……円板、537……車輪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスク状記録媒体の再生装置（１）と複
   数枚のディスクを収納可能なマガジン（３）との間に備
   えられ、このマガジン内のディスク（33）を前記再生装
   置（１）に自動的に供給あるいは交換するディスク自動
   交換装置（10）の、前記再生装置（１）側からのディス
   ク排出機構であって、 前記再生装置（１）に設けられたディスク挿入口（11）
   の上部側の上面（12）に、この挿入口（11）の長手方向
   に平行に設けられたガイド軸（52）と、 このガイド軸（52）に摺動可能に挿通されて前記上面
   （12）上を移動する移動部材（53）と、 前記移動部材（53）に取り付けられ、前記再生装置
   （１）の側面に沿って前記挿入口（11）内のディスク
   （33）の通過軌跡に届くような長さを有するレバー（5
   1）と、 前記移動部材（53）を前記ガイド軸（52）の一端から他
   端へ移動させる移動部材駆動手段と、 前記移動部材（53）が移動して前記挿入口（11）の中央
   部近傍に来た時に、この移動部材（53）を前記ガイド軸
   （52）を中心にして前記マガジン（３）側に回転させる
   移動部材回転手段と、 を有するディスク自動交換装置のディスク排出機構。