JPH07313487A - 核磁気共鳴を用いた検査方法及び検査装置 - Google Patents

核磁気共鳴を用いた検査方法及び検査装置

Info

Publication number
JPH07313487A
JPH07313487A JP6109981A JP10998194A JPH07313487A JP H07313487 A JPH07313487 A JP H07313487A JP 6109981 A JP6109981 A JP 6109981A JP 10998194 A JP10998194 A JP 10998194A JP H07313487 A JPH07313487 A JP H07313487A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
gradient magnetic
diffusion
magnetic resonance
nuclear magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6109981A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3457999B2 (ja
Inventor
Yoshitaka Bito
良孝 尾藤
Tomotsugu Hirata
智嗣 平田
Takayuki Nabeshima
貴之 鍋島
Etsuji Yamamoto
悦治 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Medical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Medical Corp filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP10998194A priority Critical patent/JP3457999B2/ja
Publication of JPH07313487A publication Critical patent/JPH07313487A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3457999B2 publication Critical patent/JP3457999B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 核磁気共鳴装置において、検査対象の微細構
造を測定可能とする。 【構成】 核磁気共鳴を用いた検査方法及び検査装置に
関し、検査対象に含まれる分子の拡散を利用して該検査
対象の微細構造を測定する方法において、励起高周波磁
場パルス14によって核磁気共鳴現象を誘起した後、拡
散による信号減衰を生じさせる拡散傾斜磁場17,1
8,19,20,21,22を印加する。拡散傾斜磁場
の印加方向を放射状に変化させながら測定を繰り返し、
その印加方向での分子の拡散を制限する微細構造の間隔
を測定する。 【効果】 拡散傾斜磁場を放射状に変化させることで、
分子の拡散を制限する微細構造の間隔を、全ての方向に
ついて測定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は核磁気共鳴を用いた検査
方法及び検査装置に関し、特に検査対象の微細構造を測
定できる検査方法及び検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】核磁気共鳴装置において、検査対象内の
分子の拡散を用いて、検査対象の微細構造を測定するこ
とが従来から行われている。まず、核磁気共鳴を利用し
た拡散係数の測定方法に関する従来技術について説明す
る。核磁気共鳴装置を用いて、検査対象に含まれる分子
の拡散係数又は生体の組織灌流による擬似拡散係数(以
下、両方共単に拡散係数と記す)を測定する方法が種々
提案されている。現在広く使用されているのはStejskal
-Tannerのパルスシーケンスを基礎としたものである
〔“The Journal of Chemical Physics”42号、28
8頁(1965)〕。
【0003】この方法は拡散係数を測定するために、高
周波磁場による核スピンの励起の後、互いに補償する二
つ以上の傾斜磁場を印加した後、信号を取得するもので
ある。ここで「互いに補償する」という意味は、もし分
子が移動していなければ核スピンの位相を回転させる影
響を相殺するということである。拡散があると位相回転
の影響を完全に相殺することはできず、傾斜磁場の印加
強度・時間に応じた割合で信号強度が減衰する。そこで
傾斜磁場の印加強度及び時間を変化させて複数回の測定
を行い、その信号強度の減衰率から拡散係数を求めるこ
とが可能となる。この拡散係数を測定するために印加す
る傾斜磁場は拡散傾斜磁場(diffusiongradient)と呼
ばれている。また傾斜磁場が信号強度の減衰率に与える
影響を数値化したものは、傾斜磁場因子(gradient fac
tor)と呼ばれている。
【0004】また、この方法を拡張し、拡散係数を画像
化する方法がD. LeBihanらによって“Radiology”16
1号、401頁(1986)に報告されている。この方
法は、画像化するために印加する傾斜磁場と拡散傾斜磁
場を組み合わせて、拡散傾斜磁場の印加強度を変化させ
た画像を複数枚撮影し、各画像の対応する画素での信号
強度の減衰量から、該画素での拡散係数を計算するもの
である。
【0005】次に、拡散係数測定技術を応用して生体内
の微細構造を観察する従来技術について説明する。生体
内では細胞膜など分子の拡散を制限する壁(制限壁)が
存在する。そのため、測定される拡散係数は、制限され
ない拡散の場合とは異なる。これを利用して微細構造を
観察する方法として次のものが挙げられる。神経線維や
筋肉など線維状の構造を持つ組織では、線維の走行方向
には拡散しやすいが走行方向と直行する方向には拡散し
にくいという拡散の異方性が生じる。この場合、拡散傾
斜磁場の印加方向によって測定される拡散係数が異な
る。これについてはE.O. Stejskalが“Journal of Chem
ical Physics”43号、3597頁(1965)に報告
している。この方法を人体に適用した例が、M.E. Mosel
eyによって“Radiology”176号、439頁(199
0)に報告されている。
【0006】線維状の構造を持つ組織について、線維の
間隔と浸透性を観察する方法が、J.E. Tannerによって
“Biophysical Journal”28号、107頁(197
9)に報告されている。この方法は線維の走行方向と直
行する方向に拡散傾斜磁場を印加して、その印加時間間
隔を変化させて拡散係数を測定し、印加時間間隔と拡散
係数との関係から、制限壁の間隔と浸透性を測定するも
のである。
【0007】線維の走行方向を測定する方法が、いくつ
か考案されている。この方法について概略を説明する。
まず拡散傾斜磁場を印加しない場合と独立な6方向に印
加する場合の計7回の測定を行う。独立な6方向とは、
例えば図13に示すような(1,1,0),(-1,1,0),(1,0,1),
(-1,0,1),(0,1,1),(0,-1,1)の方向である。拡散傾斜磁
場を印加した場合としない場合の信号強度の減衰から、
印加方向の拡散係数を計算する。拡散方程式が楕円型を
していると仮定し、測定された拡散係数から拡散係数行
列を計算する。この時、拡散係数行列は3行3列で、仮
定から未知数は6個になるので、この行列を計算するこ
とが可能である。この行列の主成分方向を計算し、それ
を線維の走行方向とする。詳細については、例えば、P.
J. Basserらによる“Proceedings of SMRM, 12th Annua
l Meeting, 1993”288頁への報告例、T.L. Davisら
による“Proceedings of SMRM, 12th Annual Meeting,
1993”289頁への報告例などが参考となる。
【0008】なお、拡散係数の測定の際に、拡散傾斜磁
場と他の磁場の傾斜成分との交叉成分により誤差が生じ
る。この誤差を除去するために拡散傾斜磁場の印加方向
を反転して測定する方法が考案されている。報告例とし
ては、”第21回日本磁気共鳴医学会大会講演抄録集、
147頁、1993年”が挙げられる。なお、拡散係数
の測定に関する他の公知例としては特開平4−4994
9号公報、特開平4−135538号公報、特開平4−
357934号公報、特開平5−309078号公報、
特開平6−169号公報が挙げられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、分
子拡散を制限する微細構造の形状を完全に測定すること
ができない。例えば、図14に示すような十字型の微細
構造をもつものを検査対象とした場合、従来技術である
制限壁の間隔の測定方法では、測定する方向が固定され
ているため、制限壁の構造の一部しか得られない。ま
た、線維の走行方向を測定する技術では、図14に示す
ようにXY平面については二方向のみが測定されるた
め、微細構造の形状を得ることは不可能である。また、
この場合、拡散が楕円型の方程式から大きくはずれるた
め、線維の走行方向も測定困難になる。本発明の目的
は、分子拡散を制限する微細構造の形状を測定すること
が可能な、核磁気共鳴を用いた検査方法及び検査装置を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では、拡散傾斜磁
場の印加方向を放射状に変化させて測定を繰り返し、各
方向について拡散の制限壁の間隔を計算することによっ
て前記目的を達成する。すなわち、励起高周波パルスと
信号サンプリングの間、好ましくは励起高周波磁場パル
スと反転高周波磁場パルスの間、及び反転高周波磁場パ
ルスと信号サンプリングの間に互いに補償する拡散傾斜
磁場を印加し、核磁気共鳴信号強度の減衰率から検査対
象に含まれる分子の拡散係数を求め、該拡散係数から分
子の平均移動距離を求めて前記検査対象の微細構造を測
定する核磁気共鳴を用いた検査方法において、前記拡散
傾斜磁場の印加方向を放射状に変化させ、各印加方向で
の分子の平均移動距離から該印加方向における微細構造
の間隔を測定することを特徴とする。
【0011】検査対象の特定の平面での断面構造を測定
する場合には、拡散傾斜磁場の印加方向をその平面内で
放射状に変化させる。その平面の内、半平面内でのみ拡
散傾斜磁場の印加方向を変化させてもよい。検査対象の
三次元的な微細構造を測定する場合には、拡散傾斜磁場
の印加方向を三次元空間内で放射状に変化させる。ま
た、半空間内でのみ拡散傾斜磁場の印加方向を変化させ
てもよい。
【0012】拡散傾斜磁場の印加方向を放射状に変化さ
せるとき、印加方向の角度が等間隔を成すように変化さ
せるのが有利である。拡散傾斜磁場の印加方向を変化さ
せるとき、反転した関係にある二方向のうち一方向につ
いてのみ測定を行ってもよい。拡散傾斜磁場の印加方向
を変化させるとき、反転した二方向を含むように変化さ
せてもよい。このとき、二つのデータから、拡散傾斜磁
場とそれ以外の磁場の傾斜成分との交叉成分の影響を除
去することができる。また、二つのデータから該交叉成
分の影響を計算することができる。
【0013】拡散傾斜磁場の各印加方向について該拡散
傾斜磁場の印加時間間隔を変化させて拡散係数を測定
し、該拡散係数と該印加時間間隔との関係から該方向で
の制限壁の間隔を計算してもよい。拡散傾斜磁場の波形
として、バイポーラーパルスを用いてもよい。測定され
た微細構造の間隔は、極座標系又は球座標系にプロット
することができる。また、微細構造の複数の間隔が測定
される場合、その間隔に含まれる分子数の比で濃淡付け
を行ってもよい。
【0014】拡散傾斜磁場の印加方向を放射状に変化さ
せ、検査対象からの磁気共鳴信号を分子種毎に分離する
スペクトロスコピー技術と組み合わせると、特定の分子
種の拡散を制限する微細構造の形状を測定することがで
きる。拡散傾斜磁場の印加方向を放射状に変化させ、画
像化技術と組み合わせると微細構造の形状の空間分布を
測定することができる。画像化のために印加する傾斜磁
場の一つとして、振動傾斜磁場を用いる高速画像化技術
を組み合わせると有利である。
【0015】また、本発明による核磁気共鳴を用いた検
査装置は、静磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段と、高
周波磁場発生手段と、検査対象からの核磁気共鳴信号を
検出する信号検出手段と、該信号検出手段からの検出信
号について演算を行なう演算手段と、該演算手段による
演算結果の出力手段と、前記傾斜磁場の印加方向を放射
状に変更する手段と、各印加方向での分子の拡散を制限
する検査対象中の微細構造の間隔を測定する手段とを備
えることを特徴とする。
【0016】
【作用】拡散傾斜磁場の印加方向を放射状に変化させる
ことで、全方向について制限壁の間隔を測定することが
でき、その測定値から微細構造の形状を得ることができ
る。図15に、前述した十字型の微細構造をもつものを
検査対象とした例を示す。この場合、従来技術とは異な
り、全方向について制限壁の間隔が測定できるため、微
細構造の形状を得ることができる。
【0017】検査対象のある平面での断面構造を測定す
る場合には、拡散傾斜磁場の印加方向を該平面内で放射
状に変化させることで、断面構造の形状が得られる。検
査対象の三次元的な微細構造を測定する場合には、拡散
傾斜磁場の印加方向を三次元空間内で放射状に変化させ
ることで、三次元的な微細構造の形状が得られる。
【0018】拡散傾斜磁場の印加方向を放射状に変化さ
せるとき、該印加方向の成す角度が等間隔になるように
することで、拡散傾斜磁場の制御及びデータ処理を容易
にすることができる。拡散傾斜磁場の印加方向を反転し
た二つのデータには、拡散傾斜磁場による信号減衰の影
響が等しく含まれる。このため、二つのデータのうち、
一つを測定すればよい。特に断面構造を測定する場合に
は半平面内に、三次元的な微細構造を測定する場合には
半空間内に、拡散傾斜磁場の印加方向を制限すること
で、拡散傾斜磁場の制御やデータ処理を容易にすること
ができる。
【0019】拡散傾斜磁場の印加方向を反転した二つの
データには、拡散傾斜磁場による信号減衰の影響が等し
く含まれるが、拡散傾斜磁場と他の磁場の傾斜成分との
交叉成分の影響は異なって含まれる。このため、二つの
データを測定し比較することで、交叉成分の影響を除去
することができる。また、二つのデータの違いから交叉
成分の影響を計算することができる。特に静磁場不均一
を計算することができる。
【0020】拡散傾斜磁場の印加時間間隔が固定されて
いる場合、測定できる制限壁の間隔には上限がある。こ
の印加時間間隔を変化させることで、測定可能な制限壁
の間隔の範囲を広げることができ、また、その測定精度
を向上させることができる。特に拡散傾斜磁場の波形と
してバイポーラーパルスを用いることで、拡散時間を短
縮することができ、制限壁の間隔が狭い場合に測定精度
を向上させることができる。
【0021】また、バイポーラーパルスには組織灌流の
うちの定常流や、拡散傾斜磁場と他の磁場の傾斜成分と
の交叉成分を除去する効果もある。検査対象からの磁気
共鳴信号を分子種毎に分離するスペクトロスコピー技術
と組み合わせることで、特定の分子種の拡散を制限する
微細構造の形状を測定することができる。
【0022】拡散傾斜磁場の印加方向を放射状に変化さ
せ、画像化技術と組み合わせることで、微細構造の形状
の空間分布を測定することができる。この際、高速画像
化技術と組み合わせることで測定時間を短縮することが
できる。特に画像化のために印加する傾斜磁場の一つと
して振動傾斜磁場を用いる高速画像化技術では、一回の
測定で一枚の画像を得ることができるために測定時間を
大幅に短縮できる。
【0023】検査対象からの磁気共鳴信号を分子種毎に
分離し、かつ画像化を同時に行うスペクトロスコピック
イメージング技術と組み合わせることで、特定の分子種
の拡散を制限する微細構造の形状の空間分布を測定する
ことができる。この際、高速スペクトロスコピックイメ
ージング技術と組み合わせることで測定時間を短縮する
ことができる。特に分子種の分離又は画像化のために印
加する傾斜磁場の一つとして振動傾斜磁場を用いる高速
スペクトロスコピックイメージング技術では一回の測定
で複数の情報を得ることができるために測定時間を大幅
に短縮することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明による核磁気共鳴を用いた検査装置
(以下、単に検査装置という)の概略構成図である。図
1において、1は静磁場H0 を発生する磁石、2は検査
対象、3は高周波磁場の発生と検査対象2から生じる磁
気共鳴信号の検出のためのコイル、4,5,6はそれぞ
れX方向、Y方向及びZ方向の傾斜磁場を発生させるた
めの傾斜磁場発生コイルである。7は上記各傾斜磁場発
生コイル4,5,6に電流を供給するためのコイル駆動
装置である。8は測定されたデータの演算を行うための
計算機、9は計算機8での演算結果を表示するためのC
RTディスプレイである。
【0025】次に本検査装置の動作の概要を説明する。
検査対象2の核スピンを励起する高周波磁場H1 は、シ
ンセサイザ10により発生させた高周波を変調装置11
で波形整形、電力増幅し、コイル3に電流を供給するこ
とにより発生させる。コイル駆動装置7から電流を供給
された傾斜磁場発生コイル4,5,6は傾斜磁場を発生
し、検査対象2からの磁気共鳴信号を変調する。該変調
信号はコイル3により受信され、増幅機12で増幅、検
波装置13で検波された後、計算機8に入力される。計
算機8は演算後、演算結果をCRTディスプレイ9に表
示する。なお、計算機8は、予めプログラムされたタイ
ミング、強度で装置各部が動作するように制御を行う。
そのプログラムの内、特に高周波磁場、傾斜磁場、信号
受信のタイミングや強度を記述したものはパルスシーケ
ンスと呼ばれる。
【0026】図2に、本発明によるパルスシーケンスの
一例を示す。励起高周波磁場パルス14を印加し測定対
象に核磁気共鳴現象を誘起する。励起高周波磁場パルス
としては典型的にはπ/2−パルスが用いられる。反転
高周波磁場パルス15を印加することでスライス内の磁
化を反転する。発生したエコーはADサンプリング16
にて、データとして格納される。
【0027】また励起高周波磁場パルス14と反転高周
波磁場パルス15との間、及び反転高周波磁場パルス1
5とサンプリング16との間に互いに補償する二つの拡
散傾斜磁場を印加する。該拡散傾斜磁場は、傾斜磁場発
生コイル4から発生するX方向の傾斜磁場17,18、
傾斜磁場発生コイル5から発生するY方向の傾斜磁場1
9,20、及び傾斜磁場発生コイル6から発生するZ方
向の傾斜磁場21,22の合成として与えられる。この
二つの拡散傾斜磁場を強度の時間積分が等しくなるよう
に調整する。
【0028】このとき、もし拡散運動がなければ、第1
番目の拡散傾斜磁場でディフェーズされた核スピンの位
相は、第2番目の拡散傾斜磁場で完全にリフェーズさ
れ、拡散傾斜磁場が印加されない場合と比較して信号強
度は減衰しない。しかし、拡散運動があれば完全にリフ
ェーズできなくなるために、その激しさに応じた割合で
信号強度が減衰する。この減衰率から拡散係数を計算す
るデータ処理については後で説明する。
【0029】拡散傾斜磁場の印加方向を放射状に変化さ
せて測定を繰り返す。ここで、ある平面での二次元断面
構造を測定する場合には次のようにする。説明の簡略化
のため、XY平面での断面構造を測定する場合について
説明する。なお、該平面はXY平面に限るものではな
く、任意の平面が可能である。図3に拡散傾斜磁場の印
加方向と印加強度のグラフを示す。横軸はX方向の傾斜
磁場印加強度Gx、縦軸はY方向の傾斜磁場印加強度G
yを表す。矢印は合成された拡散傾斜磁場の印加強度と
印加方向を表す。図3に示すように、拡散傾斜磁場の印
加方向を、放射状にXY平面内で変化させる。印加強度
は同一方向について少なくとも2回変化させる。これ
は、その方向での拡散係数を計算するためで、測定精度
を向上する場合又は制限壁の構造が複雑で複数の拡散係
数を求める必要がある場合には印加強度を変化させる回
数を増加する。
【0030】同一方向について拡散傾斜磁場の印加強度
を2回以上変化させる代わりに、印加強度が0の場合を
1回測定しておき、各方向について少なくとも1回ずつ
測定してもよい。この場合、印加強度0の場合のデータ
を共通に使用できるため、測定時間を短縮することがで
きる。また、印加強度0の場合を1回多く測定するだけ
で、全方向共通に使用できるデータが増加することにな
り、全ての方向の拡散係数の測定精度を向上させること
ができる。
【0031】図3は、全平面を覆うように拡散傾斜磁場
を変化させる場合を示しているが、半平面だけを覆うよ
うにしてもよい。拡散傾斜磁場の印加方向を反転して
も、拡散傾斜磁場印加による信号の減衰率への影響は変
化せず、一方だけを測定すれば十分である。この場合、
印加回数をほぼ半分に減らすことができるため、測定時
間を短縮することができる。なお、印加方向を反転した
二方向のどちらか一方向を測定すればこの効果は得られ
るため、印加方向は必ずしも半平面内に限られない。
【0032】全平面を覆うように印加方向を変化させる
場合には、静磁場不均一や拡散傾斜磁場以外の傾斜磁場
の影響を除去することができる。拡散傾斜磁場の印加方
向と同方向に静磁場不均一の傾斜成分が存在する場合、
又は他の傾斜磁場が印加される場合には、信号が強く減
衰し、逆方向の場合には信号があまり減衰しない。この
ため拡散傾斜磁場の印加方向の反転に伴い、測定される
拡散係数が異なる。この影響は信号の幾何平均を計算す
ることにより、ほぼ除去される。また、拡散係数を計算
した後でも、該拡散係数の平均を計算することにより、
この影響はほぼ除去される。また、逆に反転した二つの
データの違いから、この影響を計算することができる。
【0033】平面の覆い方として、印加方向の間隔が等
角度をなすように変化させると、傾斜磁場の制御及び後
で説明するデータ処理が容易になる。微細構造の三次元
的な形状を測定する場合は、拡散傾斜磁場の印加方向を
三次元空間内で放射状に変化させればよい。他の細部に
ついては、二次元の場合と同様である。
【0034】次に、データ処理について説明する。ま
ず、微細構造の形状が単純で、各方向について制限壁の
間隔が一意に決まる場合について説明する。各拡散傾斜
磁場強度Gに対応する傾斜磁場因子b[s/m2 ]を次
の(1)式を用いて計算する。
【0035】 b=γ22δ2(Δ−δ/3) (1) ただし、γは磁気回転比[rad/T]、Δ,δは図1
4に示した時間[s]である。各拡散傾斜磁場について
信号強度をS(b)とすると次の(2)式が成立する。 S(b,θ)=S(0,θ)exp〔−D(θ)b〕 (2) ただし、D(θ)は拡散傾斜磁場印加方向θでの拡散係数
[m2 /s]、bは拡散傾斜磁場強度Gのときの傾斜磁
場因子である。(2)式でカーブフィッティングを行
い、拡散係数D(θ)を計算する。分子の平均移動距離r
(θ)と拡散係数D(θ)との間には、次の(3)式が成立
する。
【0036】 r(θ)=〔2D(θ)td1/2 (3) ただし、平均移動距離とは、拡散時間td=(Δ−δ/3)
の間に分子が移動した距離の自乗平均の平方根である。
この(3)式を用いて平均移動距離r(θ)を計算し、こ
のr(θ)を方向θでの制限壁の間隔とする。微細構造の
形状が複雑で、制限壁の間隔が各方向について一意に決
まらない場合には、(2)式の代わりに次の(4)式を
用いて、データのフィッティングを行う。
【0037】
【数1】
【0038】ここで、nは求める制限壁の間隔の個数、
i(θ)は拡散係数Di(θ)に対応する分子からのb=0
の場合の信号量を表す。明らかに測定データ数はnより
大きくなければならず、測定方法の箇所で説明した拡散
傾斜磁場の印加強度の変化回数をnよりも多くする必要
がある。また、Dn(θ)は拡散傾斜磁場印加方向θでの
拡散係数[m2 /s]、bは拡散傾斜磁場強度Gのとき
の傾斜磁場因子である。分子の平均移動距離rn(θ)
を、次の(5)式を用いて計算する。
【0039】 ri(θ)=〔2Di(θ)td1/2 (5) このrn(θ)を、方向θでの制限壁の間隔とする。ま
た、制限壁の間隔を正確に測定するには次のようにす
る。まず、測定の段階で上記説明の拡散傾斜磁場の強度
を変化させることに加えて、拡散傾斜磁場の印加時間間
隔を変化させ、拡散時間tdを変化させたデータを取得
する。各tdについて上と同様に拡散係数D(θ,td)を
計算する。上と同様にして分子の平均移動距離r(θ,t
d)を計算する。制限壁がなければr(θ,td)とtd には
比例関係が成り立つが、制限壁がある場合、図4に示す
ように停滞する点が生じる。このときの平均移動距離を
制限壁の間隔とする。
【0040】拡散時間td を短くするとき、図5に示す
バイポーラーパルスを拡散傾斜磁場として用いてもよ
い。この場合、反転高周波磁場パルスを省略することが
可能となり、拡散時間を短縮できる。また、バイポーラ
ーパルスには、組織灌流のうちの定常流や、拡散傾斜磁
場と他の磁場の傾斜成分との交叉成分の影響を除去する
効果があるため、拡散時間を短縮する以外に、これらを
目的とした使用も可能である。
【0041】次に微細構造の形状の表現方法について説
明する。二次元断面構造を示すには極座標系、三次元構
造を示すには球座標系に、この(r(θ)/2,θ)をプロ
ットし、微細構造の形状を表現する。図6に十字型をし
た微細構造の二次元断面構造を表現した例を示す。横軸
はX、縦軸はYを表す。制限壁の間隔がr1(θ)とr
2(θ)の二種類からなっている場合を示している。
【0042】また、複数の制限壁の間隔を表現する場
合、(4)式で得られたAi(θ)で重み付けをした表現
をしてもよい。例えば、図7に示すように、原点とプロ
ットした点とを結ぶ線分を濃淡で表す。Ai(θ)は間隔
i(θ)に対応する信号量を示している。これは緩和時
間などが等しい場合には、その間隔に含まれる分子の個
数の比にあたり、制限壁の形状の割合が表現できる。
【0043】ここで、拡散傾斜磁場の印加方向を反転し
て、θと−θについて測定した場合には、r(θ)とr
(−θ)の平均ra(θ)を計算し、座標(ra(θ)/2,θ)
と(r a(θ)/2,−θ)にプロットしてもよい。この場
合、平均をとることで拡散傾斜磁場と他の磁場の傾斜成
分との交叉成分は除去される。また、拡散係数を計算す
る前にθ方向の信号強度S(b,θ)と−θ方向の信号強
度S(b,−θ)との幾何平均を計算し、あとは同様に制
限壁の間隔を計算しても、この影響を除去できる。
【0044】逆に平均をとらずにプロットした場合に
は、交叉成分の影響でr(θ)とr(−θ)の中心c(θ)が
原点からずれる。図8に、十字型をした微細構造を例
に、この概略図を示す。中心部にある楕円形の軌跡はc
(θ)をプロットしたものである。この図では、Xの正方
向に他の磁場の傾斜成分があることが判る。特に、他の
傾斜成分との交叉成分を排除すれば、静磁場の傾斜成分
が得られる。これを、後で説明する画像化技術と組み合
わせた方法で実行すれば、静磁場の空間的不均一が得ら
れる。
【0045】上記方法をスペクトロスコピーと組み合わ
せることで、NAA(アセチルアスパルテート)、コリ
ン、クレアチン等、特定の分子種についてのみ制限壁と
なる微細構造を測定することができる。データ測定方法
は上に説明したとおりである。データ処理としては、ま
ず測定データにフーリエ変換を施す。分子種は固有の磁
気共鳴周波数を持っているため、これにより、各分子種
からの信号を分離できる。後は、各分子種について前述
したデータ処理及び微細構造の表現を行う。
【0046】上記方法を画像化技術と組み合わせること
で、微細構造の形状の空間的な分布を測定することがで
きる。図9にそのパルスシーケンスの一例を示す。ただ
し、組み合わせる画像化技術はこれに限らない。スライ
ス傾斜磁場23の印加とともに励起高周波磁場パルス1
4を印加し、対象物体内のあるスライス内に核磁気共鳴
現象を誘起する。励起高周波磁場パルスとしては典型的
にはπ/2−パルスが用いられる。核スピンの位相にY
方向の位置情報を付加するためのエンコード傾斜磁場2
7を印加する。このエンコード傾斜磁場の強度はプログ
ラムに従って変更されながら複数回測定が繰り返され
る。リードアウト傾斜磁場26の印加によってエコーピ
ークにずれが生じないように一旦、核スピン位相をディ
フェーズしておくための傾斜磁場25を所定時間印加し
ておく。
【0047】次にスライス傾斜磁場24の印加とともに
反転高周波磁場パルス15を印加することでスライス内
の磁化を反転する。反転高周波磁場パルスとしては典型
的にはπ−パルスが用いられる。X方向の位置情報を付
加するためのリードアウト傾斜磁場26を印加し、エコ
ーを生じさせる。発生したエコーはADサンプリング1
6にて、データとして格納される。
【0048】励起高周波磁場パルス14と反転高周波磁
場パルス15との間、及び反転高周波磁場パルス15と
サンプリング23との間に互いに補償する二組の拡散傾
斜磁場を印加する。この拡散傾斜磁場は、傾斜磁場発生
コイル4から発生するX方向の傾斜磁場17,18、傾
斜磁場発生コイル5から発生するY方向の傾斜磁場1
9,20、及び傾斜磁場発生コイル6から発生するZ方
向の傾斜磁場21,22の合成として与えられる。この
二つの拡散傾斜磁場を強度の時間積分が等しくなるよう
に調整する。拡散傾斜磁場の印加方向を放射状に変化さ
せて測定を繰り返す。この変化方法については前述のと
おりである。
【0049】データ処理は、像再構成処理により一連の
画像を計算した後、各画素において前述のデータ処理を
行う。この結果、図6,7,8に示したような微細構造
の形状の表現が各画素において得られる。図10に他の
画像化技術との組み合せの例として、振動傾斜磁場を用
いる高速画像化技術と組み合わせたパルスシーケンスを
示す。高速画像化技術と組み合わせることにより、測定
時間を短縮することが可能になる。また、拡散傾斜磁場
の変化回数を増加させる時間的な余裕が生じるため、制
限壁の間隔の測定精度向上、微細構造の描出能の向上な
どが可能になる。
【0050】動作の概要を説明する。スライス傾斜磁場
23の印加とともに励起高周波磁場パルス14を印加
し、対象物体内のあるスライス内に核磁気共鳴現象を誘
起する。励起高周波磁場パルスとしては典型的にはπ/
2−パルスが用いられる。振動リードアウト傾斜磁場2
9の印加によってエコーピークにずれが生じないように
一旦、核スピン位相をディフェーズしておくための傾斜
磁場28を所定時間印加しておく。エンコード傾斜磁場
31の印加によってエコーピークにずれが生じないよう
に一旦、核スピン位相をディフェーズしておくための傾
斜磁場30を所定時間印加しておく。
【0051】次に、スライス傾斜磁場24の印加ととも
に反転高周波磁場パルス15を印加することでスライス
内の磁化を反転する。反転高周波磁場パルスとしては典
型的にはπ−パルスが用いられる。X方向の位置情報を
付加する振動リードアウト傾斜磁場29を印加し、その
反転と共にY方向の位置情報を付加するためのパルス状
のエンコード傾斜磁場31を印加して、エコーを生じさ
せる。発生したエコーはADサンプリング16にて、デ
ータとして格納される。
【0052】励起高周波磁場パルス14と反転高周波磁
場パルス15との間、及び反転高周波磁場パルス15と
サンプリング23との間に互いに補償する二組のの拡散
傾斜磁場を印加する。該拡散傾斜磁場は、傾斜磁場発生
コイル4から発生するX方向の傾斜磁場17,18、傾
斜磁場発生コイル5から発生するY方向の傾斜磁場1
9,20、及び傾斜磁場発生コイル6から発生するZ方
向の傾斜磁場21,22の合成として与えられる。この
二つの拡散傾斜磁場を強度の時間積分が等しくなるよう
に調整する。拡散傾斜磁場の印加方向を前述のとおり、
放射状に変化させて測定を繰り返す。データ処理、微細
構造の表現方法については前述のとおりである。
【0053】上記方法をスペクトロスコピックイメージ
ングと組み合わせることで、特定の分子種にのみ制限壁
となる微細構造の形状の空間的な分布を測定することが
できる。図11に、そのパルスシーケンスの一例を示
す。ただし、組み合わせるスペクトロスコピックイメー
ジング技術はこれに限らない。図2に示したパルスシー
ケンスと動作はほぼ同様である。異なる点は位置情報を
付加するためのエンコード傾斜磁場32,33をプログ
ラムに従って強度を変化させながら測定を繰り返す点で
ある。データ処理については、測定データに3次元フー
リエ変換を施して像再構成を行い、一連のスペクトロス
コピックイメージを計算した後、前述のデータ処理を各
画素について行う。この結果、各分子種について制限壁
となる微細構造の形状の空間分布が測定できる。
【0054】図12に、他のスペクトロスコピックイメ
ージング技術との組み合せた例として、振動傾斜磁場を
用いる高速スペクトロスコピックイメージング技術と組
み合わせたパルスシーケンスを示す。スライス傾斜磁場
23の印加とともに励起高周波磁場パルス14を印加
し、対象物体内のあるスライス内に核磁気共鳴現象を誘
起する。励起高周波磁場パルスとしては典型的にはπ/
2−パルスが用いられる。振動リードアウト傾斜磁場3
5の印加によってエコーピークにずれが生じないように
一旦、核スピン位相をディフェーズしておくための傾斜
磁場34を所定時間印加しておく。核スピンの位相にY
方向の位置情報を付加するためのエンコード傾斜磁場3
6を印加する。このエンコード傾斜磁場の強度はプログ
ラムに従って変更されながら複数回測定が繰り返され
る。
【0055】次に、スライス傾斜磁場24の印加ととも
に反転高周波磁場パルス15を印加することでスライス
内の磁化を反転する。反転高周波磁場パルスとしては典
型的にはπ−パルスが用いられる。X方向の位置情報と
化学シフト情報を付加する振動リードアウト傾斜磁場3
5を印加し、エコーを生じさせる。発生したエコーはA
Dサンプリング16にて、データとして格納される。
【0056】励起高周波磁場パルス14と反転高周波磁
場パルス15との間、及び反転高周波磁場パルス15と
サンプリング23との間に互いに補償する二組のの拡散
傾斜磁場を印加する。該拡散傾斜磁場は、傾斜磁場発生
コイル4から発生するX方向の傾斜磁場17,18、傾
斜磁場発生コイル5から発生するY方向の傾斜磁場1
9,20、及び傾斜磁場発生コイル6から発生するZ方
向の傾斜磁場21,22の合成として与えられる。この
二つの拡散傾斜磁場を強度の時間積分が等しくなるよう
に調整する。拡散傾斜磁場の印加方向を放射状に変化さ
せて測定を繰り返す。この変化方法については前述のと
おりである。データ処理、微細構造の表現についても前
述のとおりである。
【0057】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、対象物体内の分子拡散を制限する微細構造の形
状を測定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する際に用いられる装置構成の一
例を示す図。
【図2】本発明によるパルスシーケンスの一例を示す
図。
【図3】本発明による拡散傾斜磁場の変化方法を示す
図。
【図4】拡散時間と分子の平均移動距離との関係を示す
グラフ。
【図5】バイポーラーパルスを示す図。
【図6】本発明によって得られる二次元断面構造の表現
例。
【図7】本発明によって得られる二次元断面構造の表現
例。
【図8】本発明によって得られる拡散傾斜磁場と他の傾
斜磁場の傾斜成分との交叉成分を表現した例。
【図9】画像化技術と組み合わせたパルスシーケンスの
一例を示す図。
【図10】高速画像化技術と組み合わせたパルスシーケ
ンスの一例を示す図。
【図11】スペクトロスコピックイメージング技術と組
み合わせたパルスシーケンスの一例を示す図。
【図12】高速スペクトロスコピックイメージング技術
と組み合わせたパルスシーケンスの一例を示す図。
【図13】従来技術での拡散傾斜磁場の印加方向を示す
図。
【図14】従来技術を用いて、十字型をした微細構造を
測定する場合の模式図。
【図15】本発明によって、十字型をした微細構造を測
定する場合の模式図。
【符号の説明】 1…静磁場発生用磁石 2…検査対象 3…高周波磁場発生及び信号検出用コイル 4,5,6…傾斜磁場発生用コイル 7…コイル駆動装置 8…計算機 9…CRTディスプレイ 10…シンセサイザ 11…変調装置 12…増幅器 13…検波装置 14…励起高周波磁場パルス 15…反転高周波磁場パルス 16…ADサンプリング 17,18,19,20,21,22…拡散傾斜磁場
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鍋島 貴之 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 山本 悦治 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起高周波磁場パルスと信号サンプリン
    グの間に互いに補償する拡散傾斜磁場を印加し、核磁気
    共鳴信号強度の減衰率から検査対象に含まれる分子の拡
    散係数を求め、該拡散係数から分子の平均移動距離を求
    めて前記検査対象の微細構造を測定する核磁気共鳴を用
    いた検査方法において、 前記拡散傾斜磁場の印加方向を放射状に変化させ、各印
    加方向での分子の平均移動距離から該印加方向における
    微細構造の間隔を測定することを特徴とする核磁気共鳴
    を用いた検査方法。
  2. 【請求項2】 励起高周波磁場パルスと反転高周波磁場
    パルスの間、及び反転高周波磁場パルスと信号サンプリ
    ングの間に互いに補償する拡散傾斜磁場を印加し、核磁
    気共鳴信号強度の減衰率から検査対象に含まれる分子の
    拡散係数を求め、該拡散係数から分子の平均移動距離を
    求めて前記検査対象の微細構造を測定する核磁気共鳴を
    用いた検査方法において、 前記拡散傾斜磁場の印加方向を放射状に変化させ、各印
    加方向での分子の平均移動距離から該印加方向における
    微細構造の間隔を測定することを特徴とする核磁気共鳴
    を用いた検査方法。
  3. 【請求項3】 前記拡散傾斜磁場の印加方向を所定の平
    面内で放射状に変化させることにより、該平面内での検
    査対象の断面構造を測定することを特徴とする請求項1
    又は2記載の核磁気共鳴を用いた検査方法。
  4. 【請求項4】 前記拡散傾斜磁場の印加方向を、半平面
    内でのみ変化させることを特徴とする請求項3記載の核
    磁気共鳴を用いた検査方法。
  5. 【請求項5】 前記拡散傾斜磁場の印加方向を三次元空
    間内で放射状に変化させることにより、検査対象の三次
    元的な微細構造を測定することを特徴とする請求項1又
    は2記載の核磁気共鳴を用いた検査方法。
  6. 【請求項6】 前記拡散傾斜磁場の印加方向を、三次元
    空間の内、半空間内でのみ変化させることを特徴とする
    請求項5記載の核磁気共鳴を用いた検査方法。
  7. 【請求項7】 前記拡散傾斜磁場の印加方向を、該印加
    方向の間隔が等角度を成すように変化させることを特徴
    とする請求項1〜6のいずれか1項記載の核磁気共鳴を
    用いた検査方法。
  8. 【請求項8】 前記拡散傾斜磁場の印加方向を変化させ
    るとき、反転した関係にある二方向についてはそのうち
    一方向についてのみ測定を行うことを特徴とする請求項
    1又は2記載の核磁気共鳴を用いた検査方法。
  9. 【請求項9】 前記拡散傾斜磁場の印加方向を反転した
    測定を行い、測定された二つのデータに演算を加えて、
    前記拡散傾斜磁場以外の磁場の傾斜成分の影響を除去す
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の核磁気共鳴を
    用いた検査方法。
  10. 【請求項10】 前記拡散傾斜磁場の印加方向を反転し
    た測定を行い、測定された二つのデータから前記拡散傾
    斜磁場以外の磁場の傾斜成分を計算することを特徴とす
    る請求項1又は2記載の核磁気共鳴を用いた検査方法。
  11. 【請求項11】 前記2つの拡散傾斜磁場の印加時間間
    隔を変化させて複数回の測定を行い、前記印加時間間隔
    を長くしても前記拡散係数から求めた分子の平均移動距
    離が略一定値となるとき、該一定値を微細構造の間隔と
    することを特徴とする請求項1又は2記載の核磁気共鳴
    を用いた検査方法。
  12. 【請求項12】 前記拡散傾斜磁場の波形としてバイポ
    ーラーパルスを用いることを特徴とする請求項1又は2
    記載の核磁気共鳴を用いた検査方法。
  13. 【請求項13】 測定された微細構造の間隔を極座標系
    又は球座標系にプロットすることを特徴とする請求項1
    〜12のいずれか1項記載の核磁気共鳴を用いた検査方
    法。
  14. 【請求項14】 測定された微細構造の複数の間隔を、
    該間隔に対応する信号量の比で濃淡付けすることを特徴
    とする請求項13記載の核磁気共鳴を用いた検査方法。
  15. 【請求項15】 前記核磁気共鳴信号を分子種毎に分離
    し、各分子種の拡散を制限する微細構造の形状を測定す
    ることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項記載
    の核磁気共鳴を用いた検査方法。
  16. 【請求項16】 更に前記励起高周波磁場パルスと前記
    信号サンプリングの間に前記核磁気共鳴信号の周波数又
    は位相を場所に応じて異ならせる画像化のための傾斜磁
    場を印加し、分子の拡散を制限する微細構造の形状の空
    間分布を測定することを特徴とする請求項1〜14のい
    ずれか1項記載の核磁気共鳴を用いた検査方法。
  17. 【請求項17】 前記画像化のための傾斜磁場の一つと
    して振動傾斜磁場を用いることを特徴とする請求項16
    記載の核磁気共鳴を用いた検査方法。
  18. 【請求項18】 静磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段
    と、高周波磁場発生手段と、検査対象からの核磁気共鳴
    信号を検出する信号検出手段と、該信号検出手段からの
    検出信号について演算を行なう演算手段と、該演算手段
    による演算結果の出力手段と、前記傾斜磁場の印加方向
    を放射状に変更する手段と、各印加方向での分子の拡散
    を制限する検査対象中の微細構造の間隔を測定する手段
    とを備えることを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装
    置。
JP10998194A 1994-05-24 1994-05-24 核磁気共鳴を用いた検査装置 Expired - Fee Related JP3457999B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10998194A JP3457999B2 (ja) 1994-05-24 1994-05-24 核磁気共鳴を用いた検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10998194A JP3457999B2 (ja) 1994-05-24 1994-05-24 核磁気共鳴を用いた検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07313487A true JPH07313487A (ja) 1995-12-05
JP3457999B2 JP3457999B2 (ja) 2003-10-20

Family

ID=14524063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10998194A Expired - Fee Related JP3457999B2 (ja) 1994-05-24 1994-05-24 核磁気共鳴を用いた検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3457999B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0844491A1 (en) * 1996-11-26 1998-05-27 Picker International, Inc. Apparatus for and a method of diffusion-sensitized magnetic resonance imaging
JP2002209871A (ja) * 2001-01-22 2002-07-30 Hitachi Medical Corp 磁気共鳴イメージング装置
JP2014223546A (ja) * 2008-05-26 2014-12-04 インスティチュート フィジキ ジャドロウエジ パン アイエム. ヘンリカ ニーウドニクザンスキエゴINSTYTUT FIZYKI JADROWEJ PAN im. HENRYKA NIEWODNICZANSKIEGO Mriで用いられる拡散テンソルイメージングパルスシーケンスのキャリブレーション用異方性拡散ファントム
JP2015104489A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー 磁気共鳴装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5384032B2 (ja) * 2008-05-29 2014-01-08 株式会社日立製作所 磁気共鳴装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0844491A1 (en) * 1996-11-26 1998-05-27 Picker International, Inc. Apparatus for and a method of diffusion-sensitized magnetic resonance imaging
US5833609A (en) * 1996-11-26 1998-11-10 Picker International, Inc. Rotating diffusion MR imaging reduced motion artifacts
JP2002209871A (ja) * 2001-01-22 2002-07-30 Hitachi Medical Corp 磁気共鳴イメージング装置
JP4558219B2 (ja) * 2001-01-22 2010-10-06 株式会社日立メディコ 磁気共鳴イメージング装置
JP2014223546A (ja) * 2008-05-26 2014-12-04 インスティチュート フィジキ ジャドロウエジ パン アイエム. ヘンリカ ニーウドニクザンスキエゴINSTYTUT FIZYKI JADROWEJ PAN im. HENRYKA NIEWODNICZANSKIEGO Mriで用いられる拡散テンソルイメージングパルスシーケンスのキャリブレーション用異方性拡散ファントム
JP2016147094A (ja) * 2008-05-26 2016-08-18 アカデミア ゴルニツォ−ハットニツァ アイエム. スタニスラワ スタシツァ ダブリュー クラクフィ Mriで用いられる拡散テンソルイメージングパルスシーケンスのキャリブレーション方法
JP2015104489A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー 磁気共鳴装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3457999B2 (ja) 2003-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5189203B2 (ja) 磁気共鳴装置
US7706857B2 (en) Methods and apparatus for mapping internal and bulk motion of an object with phase labeling in magnetic resonance imaging
JP5719968B2 (ja) Mrデータを収集する方法及び装置
JP3369688B2 (ja) 核磁気共鳴を用いた検査装置
US5588431A (en) Inversion recovery MRI
JPH0351176B2 (ja)
JPS61234342A (ja) 核磁気共鳴を用いた検査装置
US6906515B2 (en) Magnetic resonance imaging device and method
US7233818B1 (en) Methods and apparatus for mapping internal and bulk motion of an object with phase labeling in magnetic resonance imaging
JPS59132346A (ja) 核磁気共鳴方法および装置
JP2001299721A (ja) 磁場測定方法、勾配コイル製造方法、勾配コイルおよび磁気共鳴撮影装置
JP4493763B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置及び画像サイズ可変装置
JPH11322A (ja) 磁気共鳴映像法(mri)における横方向緩和速度への可逆性寄与分測定方法
JP3585139B2 (ja) 磁気共鳴診断装置における流速計算装置
JP3457999B2 (ja) 核磁気共鳴を用いた検査装置
JP3588690B2 (ja) 磁気共鳴装置
JP2607466B2 (ja) 核磁気共鳴を用いた検査装置
EP0153703A2 (en) NMR imaging apparatus
JPS6266846A (ja) 化学シフト値を用いたnmr検査装置
JPH0244219B2 (ja)
US5065097A (en) Testing method and apparatus by use of nmr
JP2695594B2 (ja) Mri装置
JPH09187436A (ja) 磁気共鳴診断装置における3次元血流速度画像投影方法
JPH0252499B2 (ja)
JPS63288144A (ja) 核磁気共鳴による流れの情報を得る方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090801

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100801

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130801

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees