JPH07311127A - 液体試料連続測定装置及び測定方法 - Google Patents

液体試料連続測定装置及び測定方法

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JPH07311127A
JPH07311127A JP6238264A JP23826494A JPH07311127A JP H07311127 A JPH07311127 A JP H07311127A JP 6238264 A JP6238264 A JP 6238264A JP 23826494 A JP23826494 A JP 23826494A JP H07311127 A JPH07311127 A JP H07311127A
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昭夫 刈米
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Abstract

(57)【要約】 【目的】分析機器にとって障害となる溶液試料中の微小
固形分、タンパク質、汚染性物質などを排除し、測定対
象成分を迅速かつ精度よく分析機器で測定可能。 【構成】送液手段9、10によって試料14とキャリア
13のろ過セル8への送液開始後一定の時間が経過後、
ろ過セル8において被測定液中の試料の少なくとも一部
が半透膜7を介してキャリア中へ安定に移動して得られ
たキャリアを注入器20によって検出器21に注入させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分析機器にとって障害
となる微小固形分、タンパク質、汚染性物質などを有す
る試料を迅速に処理、測定できる、特に、培養液、発酵
液等のオンライン測定に好適な液体試料連続測定装置及
び測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、試料中の被検出物質を定量す
る方法としては、試料の一定量を連続する流れの中に注
入し、フローセルを備える分光光度計、原子吸光分析
計、または電気化学検出器等に導くフローインジェクシ
ョン分析法や試料を一定間隔の気泡で分節することで前
後の溶液と分離して検出器に送る気泡分節による流れ分
析法が知られている。
【0003】これらの分析法は分析時間が短く、高精度
な分析が可能であり、しかも測定に関してこれまで人間
が行ってきた混合、分離、化学反応等の操作を連続する
流れの中で得ることができるなどの利点がある。特にフ
ローインジェクション分析法は試料の必要量が少なく、
気泡分節のような厳密な気泡の挿入・排除のための複雑
な機構を要せず、簡単な機構で装置自体が小さいなどの
特徴を有する。
【0004】近年は、フローインジェクション分析法に
よる分析機器に自動的に試料を微量注入する装置として
オートサンプラーを組み合せ、分析の自動化が行われて
いる。しかし、試料が培養液、発酵液等のように微小固
形分、タンパク質、汚染性物質などを含有する場合に
は、分析機器に様々なトラブルを発生させため分析の自
動化の推進を困難なものとしている。
【0005】例えば、機器の配管内への固形物の付着や
汚染によって管をつまらせ、異常高圧などの原因とな
る。またこれらの問題が起きる以前にも例えばオートサ
ンプラーであれば、試料の吸引ミス、秤量誤差、稼働接
液部材の損傷などを引き起こしうる。また、分析機器で
あれば検出部への汚濁物の付着による感度変動を引き起
こす。
【0006】特に酵素等の生体関連物質を利用した分析
機器の場合、タンパク質や微生物などの付着により酵素
失活の原因となりうる。そのためこのような試料は、オ
ートサンプラーに試料を導入する前に、あらかじめ遠心
分離やろ過を行う必要があり、多大な時間と手間を費や
すことになる。さらに、試料が分析機器の定量可能な濃
度範囲を越える場合には、試料を予め希釈する操作が必
要である。具体的には試料と希釈液を各々一定量ずつ分
取し、混合、撹拌して均一な濃度の溶液とする操作であ
るが、これもまた繁雑で長時間の処理が必要となる。ま
た、使用する器具、容器による誤差や人的誤差が加わっ
てしまうという問題がある。これら希釈に要する一連の
操作を、そのまま機械動作に置き換えた方式の希釈装置
も知られているが、複雑な構成や処理に要する時間の長
さの点で難点がある。
【0007】特に培養液、発酵液など刻々と変化する溶
液中の特定成分濃度を連続的に分析するいわゆるオンラ
イン計測を行う場合、試料に含有される微小固形分、タ
ンパク質など分析機器に関する障害を排除することはも
ちろん適切な希釈を迅速に行いかつ精度のよい分析を可
能としなくてはならない。透析膜を用い、試料液から微
小固形分やタンパク質を分離し、拡散可能な低分子化学
種のみを分析器機に供給することが可能である。例え
ば、血液を注入器で一定量秤量および緩衝液流に注入
後、透析器に通して血液中のタンパク質が検出器に入ら
ぬようにして、透過したグルコース量を測定する方法が
知られている(特公昭61−20279号)。この場
合、透析膜におけるグルコースの部分的な透過は、希釈
効果をも兼ねている。
【0008】しかしながら、この方法においては、試料
を送液する速度の変動等の透析条件の微妙な変化に起因
して透過後の低分子物質の分散パターンの変動が大きく
なるため、透析膜での透析状態の再現性が低く、計測精
度面で大きな難点がある。更に、少量の試料が透析器の
膜に瞬間的に接するために、透析膜での透過状態の再現
性が低い。注入器自体に試料原液が供給されることか
ら、注入装置の汚染も避けがたくなる。このことは試料
の秤量部分である注入器における固形物やタンパク質の
付着に伴い秤量が変化してしまう問題をも引き起こす。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、分析機器にとって障害となる溶液試料中の微
小固形分、タンパク質、汚染性物質などを排除し、測定
対象成分を迅速かつ精度よく分析機器で測定可能であ
り、特に培養液、発酵液等のオンライン測定に好適な液
体試料連続測定装置及び測定方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の液体試料連続測
定装置は、半透膜を介して接する試料通液路とキャリア
通液路を有するろ過セル、試料を含む被測定液をろ過セ
ルの試料通液路に一定の流速で送液する測定液送液手段
を含む測定液送液系統、ろ過セルのキャリア通液路中に
キャリアを一定の流速で送液するキャリア送液手段を含
むキャリア送液系統、ろ過セルのキャリア通液路出口が
接続されてキャリアを断続的に検出器に注入する注入器
及び両送液手段の送液開始後一定の時間が経過後、ろ過
セルにおいて被測定液中の試料の少なくとも一部が半透
膜を介してキャリア中へ安定に移動して得られたキャリ
アを注入器によって検出器に注入させる機能を備えた制
御部を具備する。
【0011】また、希釈液を送液するための希釈液送液
系統を接続する合流部を測定液送液系統の途中に設ける
と良い。合流部が測定液送液系統の測定液送液手段の上
流側に設けられ、該合流部が試料液導入口と希釈液導入
口と導出口を有し、前記各導入口のうち一方が導出口と
流路導通する時には他方は導出口と流路導通しない排他
型バルブ部であり、前記制御部が該排他型バルブ部にお
ける各導入口について個々の時間幅で導出口に流路導通
するように順次切り替えて繰り返し制御する機能を更に
備えても良い。合流部が測定液送液系統の測定液送液手
段の下流側に設けられ、希釈液送液系統が合流部に一定
の流速で希釈液を送液する希釈液送液手段を備えるるこ
とも良い。
【0012】本発明の液体試料連続測定方法は、半透膜
を介して接する試料通液路とキャリア通液路を有するろ
過セルの試料通液路に接続された測定液送液系統によっ
て試料を含む被測定液を一定の流速で送液する工程、前
記ろ過セルのキャリア通液路に接続されたキャリア送液
系統によってキャリアを一定の流速で送液する工程、被
測定液及びキャリアの送液開始後一定の時間が経過後、
前記ろ過セルのキャリア通液路出口が接続された注入器
によって、ろ過セルにおいて被測定液中の試料の少なく
とも一部が半透膜を介してキャリア中へ安定に移動して
得られたキャリアを検出器に注入する工程を備える。
【0013】
【作用】測定液送液系統では試料を含む被測定液がろ過
セルの試料通液路に一定の流速で測定液送液手段によっ
て送液される。また同様にキャリア送液系統ではキャリ
アがキャリア通液路に一定の流速でキャリア送液手段に
よって送液される。ろ過セルでは試料通液路を流れる被
測定液中の試料の少なくとも一部がキャリア通液路を流
れるキャリア中に半透膜を介して移動する。
【0014】この移動は被測定液とキャリアがそれぞれ
一定の流速で送液されているので、ある程度時間がたて
ば、十分安定に行われるようになる。制御部がこのよう
に安定な移動が行われて得られたキャリアを適切な時期
に、すなわち両送液手段の送液開始後ある程度一定の時
間が経過後、注入器によって検出器に注入する。つま
り、ろ過セルでの試料の移動が一定の濃度を有する一定
流速で送液される被測定液と一定流速で送液されるキャ
リアの間で行われるので、その送液時間をある程度とれ
ば安定な移動が得られる。すなわち、十分な量の試料が
半透膜に定常的に安定するまで必要なだけ長く接するよ
うに制御できるために、半透膜での移動状態の再現性が
高くなる。結局、本発明では、区分化された試料が半透
膜に瞬間的に接触されるのとは異なり、試料がろ過セル
の試料通液路中を満した状態で測定対象成分を透過させ
るため、キャリア通液路への透過状態が平均化され、再
現性の高い計測を可能とする。更に、試料通液路側に注
入器を接続していないので測定の誤差等を与えやすい注
入器が汚染されにくくなっている。
【0015】ろ過セルでは試料通液路を流れる被測定液
中の試料の少なくとも一部がキャリア通液路を流れるキ
ャリア中に半透膜を介して移動する。このようにして試
料を含んだキャリアが注入器によって検出器に注入され
る。これは詳細にいうと、注入器でキャリアが検出器用
のキャリアに注入されて、注入器の後に接続された検出
器によって測定されるということである。このようにし
て一つの試料の測定工程が完了する。
【0016】試料の通液方向とキャリアの通液方向は、
同じ方向あるいは逆方向で膜の両側で平行に流れるよう
にする。本発明でいう半透膜は溶液や分散系中の一部の
成分は通すが、他の成分は通さないような膜をいう。例
えば、試料に含まれる物質のうち、検出器に不都合な微
小固形分やタンパク質などの巨大分子を通さず、低分子
である測定対象成分を透過しうる膜として再生セルロー
ス系膜、ポリサルホン系膜、フッ素樹脂膜、カーボネー
ト膜等が挙げられる。
【0017】部分的に半透膜を介して平行に接する試料
通液路とキャリア通液路を有する構造体がろ過セルであ
る。ろ過セルは、鏡面対称の位置に溝を有する二つのブ
ロック一対から形成され、また各ブロックの溝の両端は
それぞれ、ブロック外側に設けたセルへの出入口に向っ
て流路をなすように貫通されている。そして、二つのブ
ロックを溝どうしが向いあうようにあわせ、その溝が向
いあう部分に半透膜が挟まれた構造とする。試料の通液
方向とキャリアの通液方向は、同じ方向あるいは逆方向
で膜の両側で平行に流れるようにする。ろ過セルの溝
は、その有効面積(たとえば、流れ方向の長さと流れ方
向に垂直方向で膜と平行方向の幅の積)を大きくするこ
とで、キャリアに透過する成分の積算量が増加する。ま
た、この有効面積が大きいと、ポンプ脈動などに起因す
る変動要因を緩和するろ過の均一効果を得ることができ
るが、過度に大きいと試料や標準液を切り換えた場合、
置換に要する時間が長くなる。したがって、この有効面
積の大きさは、後段の検出器の検出濃度範囲にあわせた
寸法にするとよい。
【0018】特に、溝の幅に関しては過度に広いと半透
膜の膜面が揺らぎ、また狭すぎると試料に含まれる微小
固形分等がつまるためこれらの現象が生じない範囲で設
定されなければならず、0.5〜5mmの範囲とするの
が好ましい。また、溝の深さについても幅と同程度とす
るのが好ましいが、試料側とキャリア側の深さは異なっ
てもよく、液体の流れる方向を法線とした溝の断面の形
状についても矩形、半円、半楕円などの形状とすること
が可能である。また、溝の流れ方向の流路形状は、直線
状、らせん状、屈曲状など種々の形状とすることができ
るが、液流が部分的に滞留したり、流路が部分的に狭く
なることがないような形状であることが望ましい。
【0019】本発明において試料通液路へ導く試料は、
実際の被検体溶液および検出器に校正が必要な場合の標
準液も含むものである。従って、検出機器の校正を行う
ために、複数の試料液や標準液を、順次切り替えるため
の切替え手段としてバルブを配置する。このバルブとし
ては3方の切り替え機能を有する3方バルブがよく使用
される。また標準液等を複数供給可能なように3方バル
ブを複数配置して使用される。
【0020】また、試料や検出器の校正にもちいる標準
液とは別に、ろ過セルおよびその前後の配管を洗浄する
ために蒸留水などを洗浄液として同様に配置することも
可能である。試料液を試料通液路に通液するための測定
液送液手段となる試料液搬送ポンプ及びキャリアを前記
ろ過セルのキャリア通液路に通液するためのキャリア送
液手段となるキャリア搬送ポンプとしては、プランジャ
ー式ポンプ、ギアードポンプ、ペリスタリックポンプな
ど従来より知られる各種ポンプを使用可能である。
【0021】試料液搬送ポンプは、微小固形物や付着物
に対する耐性を有するポンプが望ましく、ペリスタリッ
クポンプを使用することがより好ましい。試料液搬送ポ
ンプの位置は、ろ過セルの試料通液路の試料供給側又は
排出側の位置に配置可能であるが、前者の位置に配置し
た場合には、試料と希釈液のいっそうの撹拌効果が得ら
れる点およびろ過セルの試料通液路内を減圧とせずに気
泡を生じさせない点で望ましい。
【0022】また、キャリア搬送ポンプにおいても、ろ
過セルへのキャリア供給側あるいはろ過セルのキャリア
通液路の排出側に配置可能であるが、試料液搬送ポンプ
と同様にろ過セルのキャリア通液路内で気泡を生じさせ
ないために、前者の位置に配置することが望ましい。本
発明で使用する各ポンプは、ひとつの送液をなし得る機
構を有するものであり、1つの動力源で、同軸で回転す
るローラーで同時に多連のチューブを動作可能なペリス
タリックポンプである場合は、当然、一台で複数のポン
プと同等である。
【0023】キャリア通液路のキャリアの通過速度は、
単位時間に透過する測定対象成分をどれだけのキャリア
量に受けるかを設定し得る。すなわち、ろ過セルにおけ
る希釈の大きさを変化させ得る。たとえば、キャリアの
通液速度が速くなればなるほど希釈倍率は増大し、逆に
遅くするほど希釈倍率は低下するため、キャリアの通過
速度によってろ過セルを出たキャリア中の測定対象成分
の濃度を適宜調節可能である。
【0024】またキャリア搬送ポンプはこれらの特性か
ら、ろ過セルにおいて安定した希釈率を保持するために
送液の安定性・精度にすぐれたポンプを使用することが
望まれる。本発明におけるキャリアとしては、例えば蒸
留水や各種緩衝液などを使用できるが、検出に必要とさ
れる試薬などを添加して使用することも可能である。
【0025】本発明において、ろ過セルのキャリア通液
路から排出される試料の分析対象物を含有するキャリア
は、後段に検出器を接続した注入器に試料として送ら
れ、検出器で検出するようにしている。尚、注入器と
は、一定量の試料を秤量し、検出器への連続した流れの
中に注入するものであり、オートサンプラーなどで一般
に採用されている6方切り替えバルブなどの機構を用い
た装置のことである。
【0026】以上のような構成では試料中の測定対象成
分の濃度が比較的低い限られた範囲にある時に限って、
半透膜を透過する比率(以降、透過率と記述する)をほ
ぼ一定に保つことができる。その範囲を越えて比較的濃
い濃度領域に入ると透過率が低下するという問題が生ず
ることが判明した。そのため、測定対象成分濃度の比較
的高い試料であっても、正確な測定が可能となる構成に
ついて更に検討を行った。
【0027】仮に複数の濃度の標準液を用いて試料濃度
と透過試料を含有するキャリア側の試料濃度の多点によ
る高次曲線の関係を求めることで高濃度の領域まで試料
中の測定対象成分の濃度を定量するとしても、定量まで
を高速に計測する必要があるオンライン計測のような場
合は、多数の標準液をあらかじめ計測する点および複数
の標準液を用意する点で校正時間が長く操作が煩雑にな
る等の欠点がある。
【0028】そのような欠点を持たない液体試料連続測
定装置として、更に希釈液送液系統を接続する合流部を
測定液送液系統の途中に設けた。このような構成によれ
ば、半透膜と試料を接触させる前に試料に希釈液を加え
て希釈して、元の試料の測定対象成分濃度に比例した処
理液を供給し、測定することが可能となる。すなわち、
測定対象成分の濃度が低濃度から高濃度まで広範囲にわ
たる場合であっても、元の試料の測定対象成分の濃度に
比例して測定対象成分が透過されて得られる処理液を供
給、測定することを可能とするものである。
【0029】以上のような合流部の一形態としては、合
流部が測定液送液系統の測定液送液手段の上流側に設け
られるものがある。この場合、合流部は試料液導入口と
希釈液導入口と導出口を有し、前記各導入口のうち一方
が導出口と流路導通する時には他方は導出口と流路導通
しない排他型バルブ部であり、更に制御部が該排他型バ
ルブ部における各導入口について個々の時間幅で導出口
に流路導通するように順次切り替えて繰り返し制御する
機能を備えることになる。
【0030】この排他型バルブ部とは、試料液導入口と
希釈液導入口の2つの導入口と1つの導出口を有し、1
つの導入口が導出口と流路導通する時には他の導入口は
導出口と流路導通しない3方バルブまたは複数の開閉バ
ルブまたはこれらの組み合せによって構成され得るもの
である。なお、本発明で言う排他とは、導出口に流路導
通し得る導入口は同時に2つ以上選択されないことを意
味するものである。
【0031】バルブの駆動方式は、電磁式、空気圧力式
等が挙げられるが、応答時間が短い点や開閉精度、動力
源が小型である点から電磁式が好ましく、普通、ダイア
フラム弁を用いた電磁式のバルブが用いられる。
【0032】排他型バルブ部における各々の導入口につ
いての流路導通時間、順次切り替え、繰り返しなどの制
御は制御部によって行われる。排他型バルブ部の導入口
を切り替える周期は、短いほど均一に混合され得るが、
バルブの応答速度以下にすると正確な比率で混合するこ
とはできない。電磁式バルブの場合、動作時間が一般に
10msec程度であるため、基本的に流路導通の切り
替え周期は約50msecから10secの範囲で、ま
た流路導通時間は約50msecから10secの範囲
で制御される。
【0033】流路導通時間は0msecとして、流路導
通時間の比率を100:0または0:100に設定し、
試料液あるいは希釈液の一方の溶液だけを選択的に連続
して供給することも可能である。例えば、配管内および
試料貯留容器内を洗浄する必要がある系では、一定時間
連続して清浄な希釈液側を流路導通させ、また、試料槽
から排他型バルブ部への試料搬送を速く行う場合には、
一定時間連続して試料を流路導通するように制御する。
【0034】本構成においては、装置の停止時に全ての
流路が閉状態となるように、各配管に開閉バルブを配置
することができる。また、排他型バルブ部が複数の開閉
バルブで構成される場合には、全ての導入口が導出口と
流路導通しないようにして、流路を閉状態にすることも
できる。
【0035】排他型バルブ部の試料導入口に導く試料
は、実際の被検体溶液および分析機器に校正が必要な場
合の標準液も含むものである。従って、試料液導入口の
前段では、検出機器の校正を行うために試料液と標準液
を切り替える排他型バルブ部と同様の3方の切り替え装
置を配置することができ、また標準液を複数供給可能な
ように3方の切り替え装置を複数配置することができ
る。
【0036】排他型バルブ部では、2つの導入口をそれ
ぞれ導出口に流路的に時間配分して導通させて試料液と
希釈液を混合するが、試料液と希釈液をこの単一のポン
プで吸入するため、正確な2液の混合液を形成すること
ができる。
【0037】以上のような合流部の別の一形態として
は、合流部が測定液送液系統の測定液送液手段の下流側
に設けられものである。この場合、希釈液送液系統が合
流部に一定の流速で希釈液を送液する希釈液送液手段と
して希釈液搬送ポンプを更に備えた装置となる。この場
合は、その希釈液搬送ポンプとしては前出の試料液搬送
ポンプに使用されるポンプが適宜使用可能である。
【0038】試料を含む測定液と希釈液の合流比率、即
ちろ過セルへ導かれる前の希釈倍率は、試料液搬送ポン
プと希釈液搬送ポンプの2つのポンプの流速比によって
容易に調整することができる。また希釈液の合流によっ
て全流量が増加するので当然試料の搬送速度が増加する
ため、ろ過セル内の試料の置換が早くなり、ろ過セル内
部での汚れやつまりが起りにくくなるという利点を有す
る。
【0039】
【実施例】以下に図に示す実施例に基づいて、本発明の
液体試料連続測定装置の構成を詳細に説明する。なお、
単に%と表記したものは重量%を表す。 〔実施例1〕図1は本発明の液体試料連続測定装置を、
溶液中のグルコース濃度を測定するためのフローインジ
ェクション分析装置に適用した第1の実施例の系統図で
ある。
【0040】試料液(14)、標準液(15)および洗
浄液(3)は3方の電磁バルブ(24)および(25)
で、いずれか一つの液が選択され試料液搬送ポンプ
(9)によってろ過セル(8)の試料通液路(5)に供
給される。以上で測定液送液系統が構成される。また、
キャリア(13)がキャリア搬送ポンプ(10)によっ
てろ過セル(8)のキャリア通液路(6)に供給され
る。以上でキャリア送液系統が構成される。
【0041】ろ過セル(8)は、内部で部分的に半透膜
を介して平行に接する試料通液路(5)とキャリア通液
路(6)を有しており、低分子の測定対象成分の一部が
試料通液路(5)からでキャリア通液路(6)に透過し
て、注入器で構成される試料注入部(20)に運ばれそ
こで5μlが秤量され、検出器(21)に注入される。
【0042】この工程を詳細に説明すると、試料を含む
被測定液である試料液(14)がろ過セル(8)の試料
通液路(5)一定の流速で測定液送液手段である試料液
搬送ポンプ(9)によって送液される。また同様にキャ
リア(13)がキャリア送液手段であるキャリア搬送ポ
ンプ(10)によってキャリア通液路(6)に一定の流
速で送液される。この状態で、ろ過セル(8)では試料
通液路(5)を流れる被測定液中の試料の少なくとも一
部がキャリア通液路(6)を流れるキャリア中に半透膜
である半透膜(7)を介して移動する。
【0043】この移動は被測定液とキャリアがそれぞれ
一定の流速で送液されているので、ある程度時間がたて
ば、十分安定に行われるようになる。制御部(11)が
このように安定な移動が行われて得られたキャリアを適
切な時期に、すなわち両ポンプの送液開始後ある程度一
定の時間が経過後、試料注入部(20)によって緩衝液
中に注入する。注入された試料は試料注入部(20)の
後に接続された検出器(21)によって測定される。こ
のような一定の時間はあらかじめ装置を種々の条件(試
料やキャリアの流量、濃度、配管等)で試験して、それ
ぞれの場合に応じて設定しておく。つまり、ろ過セルで
の試料の移動が一定の濃度を有する一定流速で送液され
る被測定液と一定流速で送液されるキャリアの間で行わ
れるので、その送液時間をある程度とれば安定な移動が
得られる。すなわち、十分な量の試料が半透膜に定常的
に安定するまで必要なだけ長く接するように制御できる
ために、半透膜での移動状態の再現性が高くなる。試料
注入部(20)から検出器(21)への試料の搬送は、
緩衝液搬送ポンプ(19)による検出器用の緩衝液(1
8)によって行なわれ、検出済みの液は廃液ボトル(2
2)に排出される。このように制御部(11)は各ポン
プ(9)(10)(11)、バルブ(24)(25)及
び試料注入部(20)の動作を制御するものでマイクロ
コンピュータと必要な入出力装置等の周辺器機によって
構成されるものである。
【0044】なお試料液搬送ポンプ(9)、キャリア搬
送ポンプ(10)はいずれもれペリスタリックポンプを
用い、それぞれ流速を、1.0ml/min、0.75
ml/minとした。また緩衝液搬送ポンプ(19)に
はプランジャー式ポンプを用い、流速を1.0ml/m
inとした。ろ過セル(8)において半透膜(7)の両
側のキャリア通液路(6)および試料通液路(5)を形
成する2つのそれぞれのブロックの溝の形状は、深さ
0.5mm、幅2mmの矩形断面とし、長さ40mmと
し、半透膜として分画分子量300,000のスペクト
ラ/ポアCEタイプ(Spectrum Medica
l Industries, Inc 製)の透析膜を
使用した。
【0045】なお緩衝液は100mMリン酸ナトリウム
緩衝液(pH6)とし、キャリア(13)および洗浄液
(3)には蒸留水を使用した。検出器(21)は、37
℃に保持された恒温槽の内部にフローセルが配置されて
いる。また、このフローセル中にはグルコース検出用の
固定化酵素電極、Ag/AgCl参照電極が配置され、
さらにフローセル中の液に接しステンレス製接続継手で
構成される対極が隣接する。なおポテンシオスタットで
固定化酵素電極に、Ag/AgCl参照電極に対して+
0.6Vの電圧が印加され、注入された試料のグルコー
ス量に基づいて出力される電流値を得て、その電流値の
波形のピーク高さを応答値として検出する。
【0046】以下に上記グルコース検出用の固定化酵素
電極の製造方法を示す。直径2mmの白金線の側面を熱
収縮テフロンで被覆し、その線の一端をやすりおよび1
500番のエメリー紙で平滑に仕上げる。この白金線を
作用極、1cm角型白金板を対極、飽和カロメル電極
(以下SCEと略す)を参照極として、0.1M硫酸
中、+2.0Vで5分間の電解処理を行う。その後白金
線をよく水洗し、40℃で10分間乾燥し、10%γ−
アミノプロピルトリエトキシシランの無水トルエン溶液
に1時間浸漬後、洗浄した。このアミノシラン化した白
金線上に酵素を以下のようにして固定化した。
【0047】グルコースオキシダーゼ(シグマ社製、タ
イプII)5mg、および牛血清アルブミン(シグマ社
製、Fraction V)5mgを100mMリン酸
ナトリウム緩衝液(pH7)1mlに溶解し、グルタル
アルデヒドを0.2%になるように加える。この混合液
を手早く先に用意した白金線上に5μlのせ、40℃で
15分間乾燥硬化後、100mMリン酸ナトリウム緩衝
液(pH6)中に保存したものを使用した。 〔第1の実施例の効果〕ろ過セルで溶液試料中の微小固
形分、タンパク質、汚染性物質などを排除し、迅速かつ
精度よく分析することができる。
【0048】〔実施例2〕図2は本発明の液体試料連続
測定装置を、溶液中のグルコース濃度を測定するための
フローインジェクション分析装置に適用した第2の実施
例の系統図である。図中実施例1と同一の図番で示した
部材は実施例1において使用したものと同一であるので
その説明等を省略している。
【0049】本実施例では測定液送液系統と後述の希釈
液送液系統を接続する合流部となる三方電磁バルブで構
成されている排他型バルブ部(4)を有していることが
大きな特徴である。希釈液送液系統として希釈液(1
2)が希釈液導入口(2)に接続されている。試料(1
4)又は標準液(15)が試料液導入口(1)に接続さ
れる。すなわち、試料液導入口(1)の前段では分析機
器を校正する際には標準液(15)が、また定量を行う
際には試料(14)に接続されるように、排他型バルブ
部(4)と同様の試料切り替えバルブ(17)が配置さ
れる。この試料(14)、標準液(15)、試料切り替
えバルブ(17)、試料液搬送ポンプ(9)で測定液送
液系統が構成されていることになる。
【0050】排他型バルブ部(4)の導出口(3)から
ろ過セル(8)に送液を行う試料液搬送ポンプ(9)
は、ペリスタリックポンプを用い1ml/minの流速
で吸引、送液が行われる。制御部(11)は実施例1に
おいて説明したような制御機能に加えて、排他型バルブ
部(4)の実質的な駆動および制御を行うものであり、
排他型バルブ部(4)における駆動電圧の印加をON、
OFFして各々の導入口について、個々の時間幅で導出
口(3)に流路導通9るように順次切り替えて、繰り返
し制御を行う。
【0051】三方電磁バルブがON時には試料液導入口
(1)と導出口(3)が,またOFF時には希釈液導入
口(2)と導出口(3)が流路導通するようにして、O
FF→ON→OFFを繰り返し、その切り替え周期を1
秒とし、ON:OFFの時間比率を1:3として、時間
幅の比率に相当する混合比率を得た。試料液と希釈液を
それぞれの導入口に接続した場合、試料液導入口(1)
と導出口(3)の流路導通、希釈液導入口(2)と導出
口(3)の流路導通に関する流路導通時間を設定し、そ
の比率によって所定の混合比を得る。
【0052】ろ過セル(8)内部は、キャリア通液路
(6)と試料通液路(5)が部分的に半透膜(7)を挟
んで対向しており、キャリア搬送ポンプ(10’)とし
てプランジャー式ポンプを用い、流速0.75ml/m
inでキャリア(13)がキャリア通液路(6)に送ら
れ、試料通液路(5)から半透膜(7)を通じて透過し
てくる測定対象成分を受給して試料注入部(20)に送
液される。また試料通液路(5)を通る液流は廃液ボト
ル(16)に蓄えられる。
【0053】試料注入部(20)では5μlが秤量さ
れ、ポンプ(19)による緩衝液(18)のボトルから
検出器(21)への送液流の中に注入される。なお緩衝
液(18)は100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH
6)を使用し、希釈液(12)およびキャリア(13)
には蒸留水を使用した。
【0054】標準液(15)として1000mMまでの
グルコース標準液を順次、使用して応答値を計測した結
果を図3のBに示す。また比較のために、希釈液(1
2)および排他型バルブ部(4)を省略し、直接、切り
替えバルブ部(17)から試料液搬送ポンプ(9)に接
続した場合、これは実施例1の構成に相当するが、この
構成について同様の標準液を用いて計測した結果を図3
のAに示す。
【0055】また、参考のために試料注入部(20)に
低濃度の標準液を直接注入した場合の応答値を図4に示
す。図4に示すように500nA相当のグルコース溶液
を計測した場合には、濃度とその応答値の関係が直線に
なっている。
【0056】しかしながら、図3のAに示すように、高
濃度のグルコース溶液を直接ろ過セル(8)に通液した
場合、元のグルコース溶液の濃度がある濃度を越える
と、グルコースの一部が透過したキャリアの応答値がグ
ルコース濃度に比例していなかった。すなわち透過率が
低下していた。
【0057】この第2の実施例の液体試料連続測定装置
のように、高濃度の試料を排他型バルブ部(4)で希釈
をおこなってから、ろ過セル(8)の試料通液路(5)
に通液することで、図3のBのように高濃度領域まで応
答値と溶液に含まれる測定対象成分濃度の直線性が得ら
れる。つまり、図3のAから分かるように実施例1の構
成ではグルコース濃度が200mM以下のような比較的
低濃度の範囲において直線性が得られているが、それ以
上の濃度では非直線になる。このように、実施例1の構
成では測定対象の濃度範囲が比較的低濃度に限られてい
たのに対して本実施例2の構成ではより高い濃度の測定
対象を計測可能にしていることが図3のBから分か
る。。なお、同様に試料としてヨーグルトを通液してグ
ルコース量を測定したが24時間にわたり感度低下等は
認められず再現性の良い結果が得られた。
【0058】〔第2の実施例の効果〕ろ過セルで溶液試
料中の微小固形分、タンパク質、汚染性物質などを排除
し、しかもろ過セルの前段で混合・希釈することによっ
て、広濃度範囲の測定対象成分を迅速かつ精度よく分析
することができる。しかも、排他型バルブ部で2つの導
入口をそれぞれ導出口に流路的に時間配分して導通させ
て、しかも単一のポンプで吸入するため、安定で正確な
試料の希釈が可能となり、分析機器の測定感度にあわせ
て混合・希釈比率を容易に設定できる。
【0059】〔実施例3〕図5は本発明の液体試料連続
測定装置を、溶液中のグルコース濃度を測定するための
フローインジェクション分析装置に適用した第3の実施
例の系統図である。図中実施例1、2と同一の図番で示
した部材は実施例1、2において使用したものと同一で
あるのでその説明等を省略している。
【0060】本実施例は測定液送液系統と希釈液送液系
統を接続する合流部(4’)を有していることが大きな
特徴である。この合流部(4’)は単なるT字管で構成
されているものである。試料液(14)、標準液(1
5)および洗浄液(3)は3方の電磁バルブ(1)およ
び(2)で、いずれか一つの液が選択され試料液搬送ポ
ンプ(9)によって合流部(4’)に供給される。以上
が測定液送液系統となる。希釈液搬送ポンプ(11)に
よって送られてくる希釈液(12)も合流部(4’)に
供給される。以上が希釈液送液系統となる。ろ過セル
(8)の試料通液路(5)へは、合流部(4’)で合流
して希釈された試料が供給され、またキャリア(13)
がキャリア搬送ポンプ(10)によってろ過セル(8)
のキャリア通液路(6)に供給される。
【0061】ろ過セル(8)は、内部で部分的に半透膜
を介して平行に接する試料通液路(5)とキャリア通液
路(6)を有しており、低分子の測定対象成分の一部が
試料通液路(5)から半透膜(7)を介してキャリア通
液路(6)に透過して、試料注入部(20)に運ばれて
一定量が検出器(21)に注入される。ろ過セルと 検
出器(21)への試料の搬送は、緩衝液搬送ポンプ(1
9)による緩衝液(18)によって行なわれ、検出済み
の液は廃液ボトル(22)に排出される。
【0062】なお希釈液搬送ポンプ(23)、試料液搬
送ポンプ(9)、キャリア搬送ポンプはいずれもペリス
タリックポンプを用い、それぞれ流速を3.5ml/m
in、1.0ml/min、1.0ml/minとし
た。また緩衝液搬送ポンプ(19)にはプランジャー式
ポンプを用い、流速を1.0ml/minとした。
【0063】ろ過セル(8)は実施例1で使用したもの
とほぼ同様であるが、試料通液路(5)を形成する2つ
のそれぞれのブロックの溝の形状の内長さが120mm
であること以外は同一の構成のものを使用した。なお緩
衝液は100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6)と
し、キャリア(13)も同じものをもちいた。また希釈
液(12)および洗浄液(3)には蒸留水を使用した。
【0064】標準液として1000mMまでのグルコー
ス標準液を順次、使用して応答値を計測した結果を図6
のBに示す。また比較のために、希釈液(12)を合流
させずに、直接、試料をろ過セル(8)に供給した場
合、これも実施例1の構成にほぼ相当するが、この構成
について同様の標準液を用いて計測した結果を図6のA
に示す。
【0065】また、試料注入部(20)に低濃度の標準
液を直接注入した場合の応答値を図7に示す。図7に示
すように500nA相当のグルコース溶液を計測した場
合には、濃度とその応答値の関係が直線になっている。
しかしながら、図6のAに示すように、高濃度のグルコ
ース溶液を直接ろ過セル(8)に通液した場合、元のグ
ルコース溶液の濃度がある濃度を越えると、グルコース
の一部が透過したキャリアの応答値がグルコース濃度に
比例していないこと、すなわち透過率が低下していた。
【0066】この第3の実施例の液体試料連続測定装置
のように、高濃度の試料を希釈液の合流により希釈をお
こなってから、ろ過セル(8)の試料通液路に通液する
ことで、図6のBのように高濃度領域まで応答値と溶液
に含まれる測定対象成分濃度の直線性が得られる。また
同様に試料としてヨーグルトを通液してグルコース量を
測定したが24時間にわたり感度低下等は認められず再
現性の良い結果が得られた。
【0067】〔第3の実施例の効果〕ろ過セルで溶液試
料中の微小固形分、タンパク質、汚染性などの排除し、
しかもろ過セルの前段で混合・希釈することによって、
広濃度範囲の測定対象成分を迅速かつ精度よく分析する
ことが可能となる。また希釈液の合流によって希釈とと
もに試料の搬送速度が増加するため、ろ過セル内の試料
の置換が早くなり分析時間を短縮でき、ろ過セル内部で
の汚れやつまりが起りにくくなる。
【0068】
【発明の効果】溶液試料中の微小固形分、タンパク質、
汚染性物質などを排除し、広濃度範囲の測定対象成分を
迅速かつ精度よく分析機器で測定可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の液体試料連続測定装置を、溶液
中のグルコース濃度を測定するためのフローインジェク
ション分析装置に適用した第1の実施例の系統図。
【図2】図2は本発明の液体試料連続測定装置を、溶液
中のグルコース濃度を測定するためのフローインジェク
ション分析装置に適用した第2の実施例の系統図。
【図3】図3は第1及び第2の実施例の液体試料連続測
定装置によってグルコースの各高濃度標準液を順次使用
して応答値を計測し、もとのグルコース濃度と応答値の
関係を示すグラフ。
【図4】図4は第2の実施例の液体試料連続測定装置に
おいて試料注入部より既知濃度の低濃度グルコース標準
液を直接注入した場合のグルコース濃度と応答値の関係
を示すグラフである。
【図5】図5は本発明の液体試料連続測定装置を、溶液
中のグルコース濃度を測定するためのフローインジェク
ション分析装置に適用した第3の実施例の系統図。
【図6】図6は第3の実施例の液体試料連続測定装置に
よってグルコースの各高濃度標準液を順次使用して応答
値を計測し、もとのグルコース濃度と応答値の関係を示
すグラフ。尚、図6中、Bはろ過セル(8)で希釈液
(12)との合流部(4)を省略して、希釈を行わずに
直接、ろ過セル(8)の試料通液部(5)に試料側の溶
液を通液した場合の計測結果を示す。
【図7】図7は第3の実施例の液体試料連続測定装置に
おいて試料注入部より既知濃度の低濃度グルコース標準
液を直接注入した場合のグルコース濃度と応答値の関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
4,4’ 合流部 5 試料通液路 6 キャリア通液路 7 半透膜 8 ろ過セル 9 試料液搬送ポンプ 10、10’ キャリア搬送ポンプ 11 制御部 12 希釈液 13 キャリア 14 試料 15 標準液 18 緩衝液 19 緩衝液搬送ポンプ 20 試料注入部 21 検出器 23 希釈液搬送ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 27/416 // C12Q 1/26 6807−4B 1/54 6807−4B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半透膜を介して接する試料通液路とキャリ
    ア通液路を有するろ過セル、 試料を含む被測定液をろ過セルの試料通液路に一定の流
    速で送液する測定液送液手段を含む測定液送液系統、 ろ過セルのキャリア通液路中にキャリアを一定の流速で
    送液するキャリア送液手段を含むキャリア送液系統、 ろ過セルのキャリア通液路出口が接続されてキャリアを
    断続的に検出器に注入する注入器及び両送液手段の送液
    開始後一定の時間が経過後、ろ過セルにおいて被測定液
    中の試料の少なくとも一部が半透膜を介してキャリア中
    へ安定に移動して得られたキャリアを注入器によって検
    出器に注入させる機能を備えた制御部を具備する液体試
    料連続測定装置。
  2. 【請求項2】希釈液を送液するための希釈液送液系統を
    接続する合流部を測定液送液系統の途中に設けた請求項
    1記載の液体試料連続測定装置。
  3. 【請求項3】前記合流部が測定液送液系統の測定液送液
    手段の上流側に設けられ、該合流部が試料液導入口と希
    釈液導入口と導出口を有し、前記各導入口のうち一方が
    導出口と流路導通する時には他方は導出口と流路導通し
    ない排他型バルブ部であり、前記制御部が該排他型バル
    ブ部における各導入口について個々の時間幅で導出口に
    流路導通するように順次切り替えて繰り返し制御する機
    能を更に備えた請求項2記載の液体試料連続測定装置。
  4. 【請求項4】前記合流部が測定液送液系統の測定液送液
    手段の下流側に設けられ、希釈液送液系統が合流部に一
    定の流速で希釈液を送液する希釈液送液手段を備える請
    求項2記載の液体試料連続測定装置。
  5. 【請求項5】半透膜を介して接する試料通液路とキャリ
    ア通液路を有するろ過セルの試料通液路に接続された測
    定液送液系統によって試料を含む被測定液を一定の流速
    で送液する工程、 前記ろ過セルのキャリア通液路に接続されたキャリア送
    液系統によってキャリアを一定の流速で送液する工程、 被測定液及びキャリアの送液開始後一定の時間が経過
    後、前記ろ過セルのキャリア通液路出口が接続された注
    入器によって、ろ過セルにおいて被測定液中の試料の少
    なくとも一部が半透膜を介してキャリア中へ安定に移動
    して得られたキャリアを検出器に注入する工程、 を備えた液体試料連続測定方法。
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