JPH07310556A - 圧力波過給機付エンジンの過給状態算出方法および圧力波過給機付エンジンの設計方法 - Google Patents

圧力波過給機付エンジンの過給状態算出方法および圧力波過給機付エンジンの設計方法

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JPH07310556A
JPH07310556A JP10547594A JP10547594A JPH07310556A JP H07310556 A JPH07310556 A JP H07310556A JP 10547594 A JP10547594 A JP 10547594A JP 10547594 A JP10547594 A JP 10547594A JP H07310556 A JPH07310556 A JP H07310556A
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pressure wave
wave supercharger
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supercharger
pressure
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Application number
JP10547594A
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English (en)
Inventor
Yasuhide Yano
康英 矢野
Tadashi Nakagawa
正 中川
Kazuya Yokota
和也 横田
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧力波過給機付エンジンにおける過給状態を
シミュレーションによって容易に、しかも精度良く求め
る。またこの方法を利用して圧力波過給機付エンジンの
設計を簡単に行なうことができるようにする。 【構成】 圧力波過給機付エンジンの吸気系、燃焼室、
排気系をサブモデルの組み合わせとしてモデル化し、こ
れらのサブモデルについての圧力等の状態量の演算処理
を行う一方、セル相当パイプ33と各ポート相当部35
〜38とこれらの間に設けた可変絞り41A〜41Dと
を有して実際の圧力波過給機の作動に対応するように上
記可変絞りを開閉させるようにした圧力波過給機モデル
31について状態量の演算処理を行い、これらの演算処
理を同一運転条件下で相互に演算結果を反映させつつ繰
り返し、圧力波過給機の吸気吐出側の圧力状態を求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧力波過給機付エンジ
ンの過給状態をコンピュータシミュレーションにより演
算する方法とそれに基づく圧力波過給機付エンジンの設
計方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、自動車のエンジン等の開発段階で
の性能評価、設計等のため、コンピュータシミュレーシ
ョンにより状態量を算出するような方法が提案されてい
る。例えば、特開平3−95681号公報には、エンジ
ンとスタータとをバネ要素と振動要素とからなる振動系
に置き換え、振動系をモデル化して、固有振動数の解
析、モーダル質量等の演算、既に知られている振動系の
単体特性の利用などにより、振動特性を求めるようにし
たシミュレーション方法が示されている。
【0003】また、文献「マツダ技報(1988 NO
6)」には、シリンダ、サージタンク、エアクリーナお
よびこれらの間の吸気管等からなるエンジンの吸気系に
つき、各部の圧力、温度、流量等をコンピュータシミュ
レーションにより求める方法が示されている。この方法
は、上記吸気系を管モデル、容器モデル、境界モデル等
のサブモデルの組合せとしてモデル化し、その各サブモ
デルについて状態量の演算を行なう。例えば、管モデル
については壁面摩擦係数、曲がり損失、管壁との熱交換
等を考慮した質量、運動量、エネルギーの各保存式を基
にして、管を等分割した各分割点での状態量から微少時
間後の状態量を求め、容器モデルについてはエネルギー
平衡式に基づいて容器内の状態量の変化等を求めるとい
うような演算を行なう。そして、各モデルについての演
算を、相互に演算値を反映させつつ状態量が収束するま
で繰返し行なうようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の文献
「マツダ技報(1988 NO6)」は、自然吸気エン
ジンの吸気系モデルについてのシミュレーションを示し
ているが、圧力波過給機付エンジンにおいては、設計段
階等で圧力波過給機の過給状態を調べることが必要とな
る。しかし、従来では圧力波過給機の過給状態を計算に
よって求めることが難しかった。
【0005】つまり、上記圧力波過給機は、吸気導入ポ
ート、吸気吐出ポート、排気導入ポート及び排気吐出ポ
ートが設けられたケース内に、軸方向に貫通する多数の
セルを有するロータを装備し、このロータの回転によ
り、上記排気導入ポートからセルに導入にされる排気ガ
スの圧力波で吸気の過給が行われるようになっている
が、過給機内部の圧力波の伝播、ガスの流動等は複雑な
ものであって、単純な計算で過給状態を求めることはで
きない。また、この圧力波過給機については効果的なシ
ミュレーションモデルが開発されていなかった。
【0006】このため、従来では圧力波過給機付エンジ
ンの試作機に作って実験的に過給状態を調べ、試行錯誤
を繰り返して開発を行っており、試作及び実験に多大の
労力、時間が費やされていた。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑み、圧力波過給
機付エンジンにおける過給状態をシミュレーションによ
って容易に、しかも精度良く求めることができる圧力波
過給機付エンジンの過給状態算出方法を提供し、またこ
の方法を利用して圧力波過給機付エンジンの設計を簡単
に行なうことができる設計方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る圧力波過
給機付エンジンの過給状態算出方法は、軸方向に貫通す
る多数のセルを有するロータがケース内に回転可能に支
持されるとともに上記ケースに吸気導入ポート、吸気吐
出ポート、排気導入ポート及び排気吐出ポートが設けら
れた圧力波過給機と、上記吸気導入ポート及び吸気吐出
ポートに連なる上流側及び下流側の吸気系と、燃焼室
と、上記排気導入ポート及び排気吐出ポートに連なる上
流側及び下流側の排気系とで構成される圧力波過給機付
エンジンをモデル化したシミュレーションモデルを用い
て過給状態を算出する方法であって、上記上流側及び下
流側の吸気系、燃焼室、上流側及び下流側の排気系を管
モデル、容器モデル等のサブモデルの組み合わせとして
モデル化し、これらのサブモデルについての状態量を演
算することにより上記圧力波過給機の各ポートに対する
吸・排気管の各接続部分の少なくとも圧力状態を予測す
る過給機関連部状態量演算処理を行なう一方、上記圧力
波過給機のセルを管としてモデル化したセル相当パイプ
と、上記各ポートをモデル化した各ポート相当部と、上
記セル相当パイプと上記各ポート相当部との境界部分に
設けた可変絞りとを有する圧力波過給機モデルを設定
し、上記可変絞りにより実際の圧力波過給機の作動に対
応するように上記各ポート相当部に対して上記各セル相
当パイプを開閉させつつ、圧力波過給機モデルの状態量
を演算する過給機状態量演算処理を行い、この過給機状
態量演算処理と上記過給機関連部状態量演算処理とを、
同一運転条件下で、相互に演算結果を反映させつつ繰り
返すことにより、圧力波過給機の吸気吐出側の圧力状態
を求めるようにしたものである。
【0009】この方法において、圧力波過給機モデルに
おけるセル相当パイプの本数を実際の圧力波過給機のセ
ル数よりも少なくし、上記セル相当パイプの断面積を実
際のセルの断面積よりも大きくするように設定すること
が好ましい(請求項2)。
【0010】さらに、圧力波過給機モデルにおける可変
絞りを圧力波過給機のロータ回転角度に同期させて開閉
作動させるとともに、この可変絞りの全開時の開口面積
を、実際のセルの断面積よりも大きいセル相当パイプの
断面積に対応させ、かつ、可変絞りの開度変化を急速に
行わせて、可変絞りの開閉タイミングを実際の圧力波過
給機における各ポートに対するセルの開閉タイミングに
対応させるようにすることが好ましい(請求項3)。
【0011】請求項4に係る圧力波過給機付エンジンの
過給状態算出方法は、上記過給機状態量演算処理及び過
給機関連部状態量演算処理によって圧力波過給機の各ポ
ートに連なる管の圧力、流量等の状態量を算出し、これ
に基づき、圧力波過給機の吸気吐出側の圧力状態に加え
て掃気状態を求めるようにしたものである。
【0012】また、請求項5に係る圧力波過給機付エン
ジンの設計方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の
過給状態算出方法によって圧力波過給機の吸気吐出側の
圧力状態を求める処理を、圧力波過給機付エンジンの諸
元を種々変えて行い、上記圧力状態が適正となる圧力波
過給機付エンジンの諸元を選び出すようにしたものであ
る。
【0013】請求項6に係る圧力波過給機付エンジンの
設計方法は、請求項4記載の過給状態算出方法によって
圧力波過給機の吸気吐出側の圧力状態及び掃気状態を求
める処理を、圧力波過給機付エンジンの諸元を種々変え
て行い、上記圧力状態及び掃気状態が適正となる圧力波
過給機付エンジンの諸元を選び出すようにしたものであ
る。
【0014】
【作用】上記請求項1に係る過給状態算出方法による
と、吸気系、燃焼室、排気系がモデル化されるとともに
圧力波過給機がモデル化され、コンピュータシミュレー
ションによる過給状態の算出が可能となる。とくに上記
圧力波過給機モデルは、セルを管としてモデル化したセ
ル相当パイプと各ポート相当部との境界部分に可変絞り
を設定し、この可変絞りによって各ポート相当部に対し
てセル相当パイプを開閉させるようにしていることによ
り、圧力波過給機の三次元的な動作が一次元的にものに
擬制され、過給状態の算出が容易になる。
【0015】この方法において、圧力波過給機モデルに
おけるセル相当パイプの本数を実際の圧力波過給機のセ
ル数よりも少なくし、上記セル相当パイプの断面積を実
際のセルの断面積よりも大きくするように設定すること
により、計算量が減少して計算時間が短縮される。
【0016】この場合、上記可変絞りの全開時の開口面
積を上記セル相当パイプの断面積に対応させて大きく
し、かつ、可変絞りの開度変化を急速に行わせて、可変
絞りの開閉タイミングを実際の圧力波過給機における各
ポートに対するセルの開閉タイミングに対応させるよう
にすることにより、計算の精度が確保される。
【0017】上記請求項4に係る過給状態算出方法によ
ると、圧力波過給機の吸気吐出側の圧力状態に加えて掃
気状態もコンピュータシミュレーションによって求めら
れる。 上記請求項5に係る設計方法によると、コンピ
ュータシミュレーションによる過給状態算出に基づき、
適正な過給状態が得られるような圧力波過給機付エンジ
ンの設計が容易に行われる。
【0018】また、上記請求項6に係る設計方法による
と、コンピュータシミュレーションによる過給状態算出
に基づき、過給、掃気性能が良好に得られるような圧力
波過給機付エンジンの設計が容易に行われる。
【0019】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0020】図1は圧力波過給機付エンジンの一例を示
し、図2は圧力波過給機1を展開図で示している。これ
らの図において、圧力波過給機1は、軸方向に貫通する
多数のセル3を有するロータ2と、このロータ2を回転
可能に支持するケース4とを備え、ケース4の一側壁に
は吸気導入ポート5及び吸気吐出ポート6が形成され、
ケース4の他側壁には排気導入ポート7及び排気吐出ポ
ート8が形成されている。
【0021】上記圧力波過給機1の吸気導入ポート5に
は上流側吸気系の吸気管10が接続され、吸気吐出ポー
ト6には下流側吸気系の吸気管11が接続されている。
下流側吸気系にはインタークーラ12、サージタンク1
3等が配設され、サージタンク13の下流の分岐吸気管
14はエンジン本体15の各シリンダの燃焼室16に接
続されている。また、上記圧力波過給機1の排気導入ポ
ート7には上流側排気系の排気管18が接続され、排気
吐出ポート8には下流側排気系の吸気管19が接続され
ている。上記上流側排気系の排気管18は、分岐排気管
17を介してエンジン本体15の各シリンダの燃焼室1
6に接続されている。
【0022】上記圧力波過給機1は、一般に知られてい
るように、次のような動作によって過給を行う。すなわ
ち、上記ロータ2の回転に伴い、先ずセル3が排気導入
ポート7に対して開かれることにより排気ガスがセル3
内に導入されて排気圧力がセル3内を吸気側へ伝播し、
次いで上記セル3が吸気吐出ポート6に対して開かれる
ことにより上記排気圧力でセル3内の新気が吸気吐出ポ
ート6に吐出される。さらに、セル3が上記排気導入ポ
ート7及び吸気吐出ポート6に対して順次閉じられた後
に、排気吐出ポート8及び吸気導入ポート5に対して順
次開かれることにより、セル3内の排気ガスが排気吐出
ポート8に排出されるとともに新気が吸気導入ポート5
からセル3内に導入される。
【0023】そして、理想状態では、セル3内の圧力波
の伝播が図2中に線A1〜A9で示すように行われると
ともに、セル3内の新気と排気ガスとの境界が同図中に
線Bで示すようになる。すなわち、この理想状態では、
排気導入ポート7から伝播される圧力波A1がセル3の
吸気側端部に達したときにセル3が吸気吐出ポート6に
対して開かれるというように、この圧力波A1や他の各
圧力波(反射波、膨張波等)A2〜A9の伝播と各ポー
ト5〜8に対するセル3の開閉タイミングとが所定の対
応関係となり、また、新気と排気ガスとの境界(線B)
はセルの吸気側端部までは達せず、かつ、セル3が排気
吐出ポート8を通過する間にセル内の排気ガスが完全に
排出される状態となる。
【0024】なお、図2に示す圧力波過給機1には、上
記構造に加え、上記理想状態もしくはこれに近い状態が
得られる運転域以外の運転域での過給作用の低下等を補
うため、ケース4の内壁面に、凹部からなる各種のポケ
ット21〜23が設けられている。すなわち、吸気吐出
ポート6の手前(図において上方)に圧縮ポケット21
が、排気導入ポート7の後方(図において下方)にガス
ポケット22が、吸気吐出ポート6の後方に膨張ポケッ
ト23がそれぞれ設けられており、上記圧縮ポケット2
1は低回転側の領域で過給効率の低下を補い、上記ガス
ポケット22及び膨張ポケット23は軽負荷域で掃気作
用を高めるものである。また、上記ガスポケット22と
上記排気導入ポート7との間には、両者間の排気ガスの
流通を調整するための絞り24が設けられている。これ
らのポケット21〜23及び絞り24は従来から知られ
たものであるため、詳細なメカニズムの説明は省略す
る。
【0025】また、図3は図1に示すような圧力波過給
機付エンジンをモデル化したシミュレーションモデルを
示している。このシミュレーションモデルおいて、圧力
波過給機1の上流側及び下流側の吸気系と、燃焼室16
と、圧力波過給機1の上流側及び下流側の排気系とにつ
いては、管モデル、容器モデル等のサブモデルの組み合
わせとしてモデル化されている。つまり、これらの部分
のモデルは、上記吸気管10,11、分岐吸気管14、
分岐排気管17、排気管18,19等を表す管モデル
と、上記インタークーラ12、サージタンク13、各シ
リンダの燃焼室16等を表す容器モデルと、管と容器と
の境界部分を表す境界モデルとを含んでいる。そして、
これらのサブモデルについて後述のような演算処理が行
われる。
【0026】また、上記圧力波過給機1をモデル化した
圧力波過給機モデル31は、次のようになっている。
【0027】すなわち、圧力波過給機モデル31は、上
記セル3を管としてモデル化したセル相当パイプ33
と、上記各ポート5〜8を容積ゼロの容器としてモデル
化したポート相当部35〜38とを含み、上記各セル相
当パイプ33と各ポート相当部35〜38との境界部分
40に、セル相当パイプ33を各ポート相当部35〜3
8に対してそれぞれ開閉させる可変絞り41A〜41D
を有している。上記各可変絞り41A〜41Dは全閉か
ら全開まで開度変化する。そして、実際の圧力波過給機
1ではロータ2の回転に伴いセル3が上記各ポート5〜
8に対して開閉されるが、これに対応するように、上記
各可変絞り41A〜41Dがロータ回転角度に同期して
開閉作動するものとしている。このようにして、圧力波
過給機1を一次元的に解析することができるようにモデ
ル化している。
【0028】この圧力波過給機モデル31をより具体的
に説明すると、上記セル相当パイプ33は実際の圧力波
過給機1のセル数と同数に設定しておいてもよいが、特
に当実施例では計算を簡単にするため、上記セル相当パ
イプ33の本数を実際のセル数よりも大幅に少なくし、
図示の例では4本としている。そして、圧力波過給機1
のセル数をこのように少なくすると仮定すると、個々の
セル3の断面積は大きくなる(図4参照)ことから、こ
れに相当する程度にセル相当パイプ33の断面積を大き
く設定している。
【0029】また、上記各可変絞り41A〜41Dの全
開時の開口面積も上記セル相当パイプ33の断面積に対
応させてを大きくしている。ただし、図4に実線で示す
ように単にセル3の数を少なくしてセル3の断面積を大
きくすると仮定したものを考えると、セル3が吸気側の
両ポート5,6に跨って開口したり排気側の両ポート
7,8に跨って開口したりするという状態が生じ、例え
ば吸気側の両ポート5,6に対するセル3の開度は図5
に二点鎖線で示すようになり、吸気吐出ポート6に対す
る開状態の期間と吸気導入ポート5に対する開状態の期
間とがラップする等、正常な作動状態が得られなくな
る。
【0030】そこで、図5中に実線で示すように、可変
絞り41A,41Bの全閉、全開の間の開度変化を二点
鎖線で示したものと比べて急速に行わせることにより、
全開時の開口面積を大きくしながら、可変絞り41A,
41Bの開閉作動をタイミング的にはセル3の面積を小
さくした場合(図4中の破線)に対応するようにして、
実際の圧力波過給機1の作動状態に近づけるようにして
いる。可変絞り41C,41Dについても同様である。
【0031】そして、上記各可変絞り41A〜41Dの
開閉タイミングはエンジンのクランク角(圧力波過給機
のロータの回転角)に同期させ、例えばエンジンと圧力
波過給機の回転数比を1:4とした場合は、図6に示す
ように、クランク角で90°(ロータ回転角で360
°)の間において、各可変絞り41A〜41Dが所定タ
イミングで開閉作動を行うようにしている。すなわち、
排気側では可変絞り41Cが排気導入ポート7に対する
セル開口期間に相当する期間だけ開くとともにこれと所
定間隔をおいて可変絞り41Dが排気吐出ポート8に対
するセル開口期間に相当する期間だけ開き、吸気側では
可変絞り41Bが吸気吐出ポート6に対するセル開口期
間に相当する期間だけ開くとともにこれと所定間隔をお
いて可変絞り41Aが吸気導入ポート5に対するセル開
口期間に相当する期間だけ開く。そして、各可変絞り4
1A〜41Dの開閉タイミングが第1〜第4のセル相当
パイプ33で一定量ずつずれるように設定している。
【0032】図7は上記シミュレーションモデルを用い
た演算処理の概略手順を示す説明図である。この図に示
すように、演算処理にあたっては、先ず上記シミュレー
ションモデルにおける各部の圧力、温度等の状態量の初
期値を設定する(ステップS1)。この初期値としては
任意の値を設定すれば良く、例えば吸気管の圧力は大気
圧とし、燃焼室内の圧力はシリンダ毎に吸気行程、圧縮
行程等を想定した適当な値とすればよい。このように初
期値を任意に設定しておいても、後述のように演算処理
が繰り返されることにより、状態量は定常運転に相当す
る状態の値に収束する。
【0033】次に、時間経過を想定するための時間設定
(ステップS2)を行なった上で、上流側及び下流側の
吸気系と、燃焼室16と、上流側及び下流側の排気系と
を構成する部分の各サブモデルについて状態量を演算す
る過給機関連部状態量演算処理(ステップS3)を行う
一方、圧力波過給機モデル31について状態量を演算す
る過給機状態量処理(ステップS4)を行う。
【0034】上記ステップS3での演算処理は、圧力波
過給機の各ポートに対する吸・排気管の接続部分の少な
くとも圧力状態を予測して、これを圧力波過給機モデル
についての演算処理に反映させるためのものであり、具
体的には、前述のような各管モデル、各容器モデル、各
境界モデル等につき、次のようにして状態量を求める。
【0035】管モデルについての演算 管モデルには、壁面摩擦係数、曲がり損失、管壁との熱
交換を考慮して、次のような質量、運動量、エネルギー
の各保存式を適用する。
【0036】
【数1】
【0037】上記(1)〜(3)式を変形することによ
り、次のような状態量変化を表す特性方程式を得る。
【0038】
【数2】
【0039】上記(4)式は圧力伝播の軌跡、(5)式
は(4)式に沿っての変化、(6)式は粒子の移動軌
跡、(7)式は(6)式に沿っての変化である。
【0040】そして、管を等分割し、ある時刻における
各分割点での状態量(P,ρ,u,T)が既知であると
すれば、上記(4)〜(7)を差分近似した後、連立さ
せて解くことにより、微少時間後の各状態量を求めるこ
とができる。
【0041】容器モデルの演算 容器内では、次のエネルギー平衡式が成り立つ。
【0042】
【数3】
【0043】この式において、Σ(CpTdG/dt)
は容器に流入するガスのエネルギー、dQ/dtは壁面
からの伝達熱量や燃焼による発熱量等、d(CvGT)
/dtは内部エネルギーの変化、APdV/dtは外部
から受ける仕事量である。
【0044】この式を解くことにより、容器内の状態量
の変化を求めることができる。
【0045】境界モデルの演算 境界モデルについては、容器から管に気体が流出する場
合と、管から容器に気体が流入する場合とを説明する。
なお、境界モデルにおいては、容器内の圧力をPv、同
温度をTv、絞り(容器の管との間)の圧力をPt、同温
度をTt、同流速をut、同断面積をAt、管端の圧力を
p、同温度をTp、同流速をup、同断面積をApとす
る。
【0046】容器から管に気体が流出する場合において
は、次のエネルギー、質量の各保存式が成り立つ。
【0047】
【数4】
【0048】容器から絞りへは断熱変化を仮定すると、
次式が成り立つ。
【0049】
【数5】
【0050】管端が亜音速の場合は前記(5)式を適用
し、音速の場合は次式を適用する。
【0051】
【数6】
【0052】また、絞りにおいて亜音速の場合は次の
(12)式、音速の場合は(13)式が成り立つ。
【0053】
【数7】
【0054】上記(8)〜(13)式と(4)〜(7)
式を連立して解くことにより、管端における状態量(P
p,Tp,up)を求めることができる。
【0055】また、管から容器に気体が流入する場合に
おいては、次のエネルギー、質量の各保存式が成り立
つ。
【0056】
【数8】
【0057】管から絞りへは断熱変化を仮定すると、次
式が成り立つ。
【0058】
【数9】
【0059】また、絞りにおいて亜音速の場合は次の
(17)式、音速の場合は(18)式が成り立つ。
【0060】
【数10】
【0061】上記(14)〜(18)式と(4)〜
(7)式を連立して解くことにより、管端における状態
量(Pp,Tp,up)を求めることができる。
【0062】これら〜のような演算を上記ステップ
S3で各サブモデルについて行う。
【0063】一方、上記ステップS4での演算処理とし
ては、各セル相当パイプ33について上記管モデルの演
算を行うとともに、上記可変絞り41A〜41Dを設け
た境界部分について境界モデルの演算を行う。
【0064】このような過給機関連部状態量演算処理
(ステップS3)と過給機状態量演算処理(ステップS
4)とを同一運転条件下で行い、かつ、相互に演算結果
を反映させつつ、定常状態に至るまで繰り返し行うこと
により、圧力波過給機の吸気吐出側の圧力状態等を求め
る。
【0065】以上のような過給状態算出方法によると、
圧力波過給機付エンジンにおける過給圧(圧力波過給機
1の吸気吐出側圧力)等をコンピュータシミュレーショ
ンによって容易に、しかも精度良く算出することができ
る。
【0066】つまり、圧力波過給機1における圧力波の
伝播速度(音速)には過給機内部の温度等が関係し、さ
らに過給機内部の圧力状態、密度分布、ガス流動状態等
が吐出側圧力に関係するので、シミュレーションによら
ずに単純計算で過給圧等を予測することは困難である。
そこで、吸気系、燃焼室及び排気系と圧力波過給機1と
をモデル化したシミュレーションモデルを用いて解析し
ている。
【0067】とくにこのようなシミュレーション解析を
行う場合に、実際の圧力波過給機1はロータ2が回転す
ることにより各ポート5〜8とセル3との位置関係が変
化するという三次元的作動を行うものであるが、圧力波
過給機モデル31では、セル3を管としてモデル化した
セル相当パイプ33と各ポート相当部35〜38との境
界部分に可変絞り41A〜41Dを設定し、この可変絞
り41A〜41Dによって各ポート相当部35〜38に
対してセル相当パイプ33を開閉させることにより、圧
力波過給機1の作動を一次元的に擬制している。このた
め、一次元計算により過給圧等を算出することができ、
三次元計算等による場合と比べて計算を大幅に簡単に
し、コンピュータによる計算時間を短縮することがで
る。
【0068】とくに当実施例では、上記セル相当パイプ
33の本数を実際の圧力波過給機1のセル数よりも少な
くすることにより、計算を一層簡単にして計算時間を短
縮することができるようにしている。しかも、セル相当
パイプ33の本数を少なくすることに対応してセル相当
パイプ33の断面積及び可変絞り41A〜41Dの全開
開口面積を大きくしながら、可変絞り41A〜41Dの
開度変化を急速に行わせるようにしてその開閉タイミン
グを調整し、実際の圧力波過給機1の作動状態に近づけ
るようにしているため、計算の精度を確保することがで
きる。
【0069】なお、図3中に示す圧力波過給機モデル1
は、セル3をモデル化したセル相当パイプ33と、各ポ
ート5〜8をモデル化したポート相当部35〜38と、
これらの間の可変絞り41A〜41Dとで構成されてい
るが、図2に示す圧力波過給機1における各ポケット2
1〜23も含めた圧力波過給機モデルを作成すれば、各
ポケット21〜23の影響も考慮することができる。つ
まり、上記圧力波過給機モデル31にポケット相当部を
加えるとともに、上記セル相当パイプ33と各ポケット
相当部との間にも可変絞りを設定して、この可変絞りに
より各ポケット21〜23に対してセル相当パイプ33
を開閉させるようにし、この部分を含めた圧力波過給機
1の演算処理を行うにすればよい。
【0070】また、当実施例の方法によると、圧力波過
給機1の各ポート5〜8に連なる管10,11,18,
19の圧力状態、流量等も計算することができる。従っ
て、例えば吸気導入側と吸気吐出側との流量差を求め、
これによって吸気導入ポート5から排気吐出ポート8へ
の新気の流出を調べる等により、セル3内の掃気状態を
調べることもできる。
【0071】さらに、過給機内部の状態量も計算され、
これを解析することによっても過給及び掃気等の状態を
調べることができるものであり、その一例を図8に示
す。この図は、過給機内部の状態量の計算値をコンピュ
ータ処理でグラフィック化したものであって、密度勾配
をマップ的に表しており、密度勾配の大きい部分B’は
排気ガスと新気との境界であり、また、排気側と吸気側
とにわたって斜めに直線的に表れる密度勾配のライン
A’は圧力波の伝播を示すものである。
【0072】この図に示す場合は、排気ガスと新気との
境界及び圧力波の伝播が前記の図2中に示した理想状態
に近く、過給及び掃気等が良好に行われていることとな
る。なお、この場合とは過給機回転数を変えて計算を行
った場合、密度勾配が変化して上記の排気ガスと新気と
の境界を示す部分や圧力波の伝播を示す部分がずれる。
そして、上記排気ガスと新気との境界が吸気側にずれる
と掃気が悪くなり、また圧力波の伝播が理想状態からず
れると過給効率が悪くもので、これらのことがグラフィ
ック化した計算結果からわかる。
【0073】次に、上記のような過給状態算出方法を利
用した圧力波過給機付エンジンの設計方法を説明する。
【0074】図9は圧力波過給機付エンジンの設計方法
の一例を示す。この方法の手順を説明すると、先ずエン
ジン排気量、エンジン回転範囲等のエンジン主要諸元を
設定する(ステップS11)。
【0075】続いて圧力波過給機1の諸元を暫定的に設
定する(ステップS12)。具体的には、要求されるエ
ンジンの最適チューニング回転数(過給効率を最も高め
る回転数)を、例えば最高回転数の3/4程度に定め、
この最適チューニング回転数に応じて圧力波過給機1の
ロータ長及びエンジンと圧力波過給機との回転数比(プ
ーリ比)を設定する。また、エンジンの最高回転数での
要求充填量に相当する必要空気流量に応じ、圧力波過給
機1の容量に関係するロータ径を設定する。さらに、圧
力波過給機1の各ポート5〜8及びポケット21〜23
の配置、大きさ等を設定する。
【0076】これらの設定の次には、前記のような圧力
波過給機付エンジンのシミュレーションモデルを作成
し、このモデルを用いて前記の図7に示したような演算
処理を行う(ステップS13)。この場合、本例では、
上記各ポケット21〜23を考慮したシミュレーション
モデルの作成及び演算処理を行うこととする。また、エ
ンジン回転数及びエンジン負荷が異なる種々の運転条件
下において上記演算処理を行う。
【0077】そしてこの演算結果に基づき、過給性能等
が良好に得られているかどうかを判定して、良好でなけ
れば圧力波過給機1の諸元を変更するものとし、具体的
にはステップS14〜ステップS22で次のような処理
を行う。
【0078】すなわち、ステップS14では、上記最適
チューニング回転数での過給圧(圧力波過給機吐出側の
圧力)を調べ、例えば予め設定した値以上であるか否か
の判定により、上記最適チューニング回転数で必要な過
給圧が得られているか否かを判定する。この判定がNO
であれば、排気導入ポート7からの圧力波が吸気吐出ポ
ート6に充分に作用していないので、これらのポート
6,7の面積配分及びポート位置を変更し(ステップS
15)、上記シミュレーションモデルの作成及び演算処
理(ステップS13)を改めて行う。そして、ステップ
S13〜S15を、ステップS14の判定がYESとな
るまで繰り返す。
【0079】ステップS14の判定がYESとなれば、
ステップS16で、低速高負荷時の過給圧を調べ、これ
が要求を満足する程度に得られているか否かを判定す
る。この判定がNOであれば、低速域での過給圧の低下
を補うために設けられている圧縮ポケット21の容積及
び位置を変更し(ステップS17)、上記シミュレーシ
ョンモデルの作成及び演算処理(ステップS13)を改
めて行い、またこれにより最適チューニング回転数での
過給圧が変化する可能性があるのでステップS14の判
定とそれに応じた処理も改めて行う。そして、ステップ
S13〜S17を、ステップS16の判定がYESとな
るまで繰り返す。
【0080】ステップS16の判定がYESとなれば、
ステップS18で、軽負荷時に掃気が良好に行われてい
るか否かを判定する。この掃気の調べ方としては、例え
ば過給機の吸気吸気導入側と吸気吐出側との流量差を調
べることにより吸気導入ポート5から排気吐出ポート8
へ空気が流れているかどうかを調べる。この判定がNO
であれば、軽負荷時の掃気性に関係する上記ガスポケッ
ト22及び膨張ポケット23の容積及び位置を変更し
(ステップS19)、上記シミュレーションモデルの作
成及び演算処理(ステップS13)及びそれ以降の処理
を改めて行う。そして、ステップS13〜S19を、ス
テップS18の判定がYESとなるまで繰り返す。
【0081】ステップS18の判定がYESとなれば、
ステップS20で、高速、高負荷時に掃気が良好に行わ
れているか否かを判定する。この判定がNOであれば、
上記排気導入ポート7とガスポケット22との間の絞り
量を変更し(ステップS21)、上記シミュレーション
モデルの作成及び演算処理(ステップS13)及びそれ
以降の処理を改めて行う。そして、ステップS13〜S
21を、ステップS20の判定がYESとなるまで繰り
返す。
【0082】ステップS20の判定がYESとなれば、
ステップS22で、エンジンの全運転域で目標トルクが
達成されているか否かを判定する。この判定がNOであ
れば、ステップS12に戻って圧力波過給機1の諸元を
設定し直し、例えばロータ径やポート5,8の面積、配
置等を変更する。さらにステップS13移行の処理も改
めて行う。そして、ステップS12〜S22を、ステッ
プS22の判定がYESとなるまで繰り返す。
【0083】ステップS14,S16,S18,S2
0,S22の各判定がすべてYESとなったときには、
そのときの諸元を採択し、これをもって最終的な諸元を
決定する。
【0084】このようにして、チューニング回転数での
必要な過給圧、低速高負荷での要求過給圧、軽負荷時や
高速高負荷時掃気性、全域での目標トルク等を全て満足
する圧力波過給機付エンジンの設計が、コンピュータシ
ミュレーションに基づいて容易に行われることとなる。
【0085】なお、圧力波過給機付エンジンの設計方法
は上記実施例に限定されるものではない。例えば、上記
実施例においてステップS14,S15では最適チュー
ニング回転数で必要な過給圧が得られるようになるまで
ポート6,7の面積配分及びポート位置を変更している
が、ポート6,7の面積配分及びポート位置等の諸元を
種々変えてそれぞれ演算した過給圧を比較し、過給圧が
最大となる諸元を選択するようにしてもよい。
【0086】
【発明の効果】以上のように、本発明の過給状態算出方
法は、圧力波過給機付エンジンにおける上流側及び下流
側の吸気系、燃焼室、上流側及び下流側の排気系をサブ
モデルの組み合わせとしてモデル化し、これらのサブモ
デルについての状態量の演算処理を行なう一方、圧力波
過給機をモデル化した圧力波過給機モデルについての状
態量の演算処理を行い、これら演算処理を同一運転条件
下で相互に演算結果を反映させつつ繰り返すことによ
り、圧力波過給機の吸気吐出側の圧力状態を求めるよう
にしているため、圧力波過給機付エンジンの過給状態を
コンピュータシミュレーションによって算出することが
できる。とくに、上記圧力波過給機モデルは、セルを管
としてモデル化したセル相当パイプと各ポート相当部と
の境界部分に可変絞りを設定し、この可変絞りによって
各ポート相当部に対してセル相当パイプを開閉させるよ
うにすることにより、圧力波過給機の三次元的な動作を
一次元的にものに擬制しているため、過給状態の算出を
容易に行うことができる。
【0087】また、この方法において、圧力波過給機モ
デルにおけるセル相当パイプの本数を実際の圧力波過給
機のセル数よりも少なくし、上記セル相当パイプの断面
積を実際のセルの断面積よりも大きくするように設定す
れば、計算量を少なくして計算時間を短縮することがで
きる。
【0088】この場合、上記可変絞りの全開時の開口面
積を上記セル相当パイプの断面積に対応させて大きく
し、かつ、可変絞りの開度変化を急速に行わせて、可変
絞りの開閉タイミングを実際の圧力波過給機における各
ポートに対するセルの開閉タイミングに対応させるよう
にすれば、上記のように計算時間の短縮を図りつつ、精
度良く過給状態を算出することができる。
【0089】また、圧力波過給機の吸気吐出側の圧力状
態に加えて掃気状態も求めるようにすれば、掃気性も含
めた圧力波過給機の性能を評価することができる。
【0090】また、上記のような過給状態算出方法によ
って圧力波過給機の吸気吐出側の圧力状態を求める処
理、あるいは上記圧力状態及び掃気状態を求める処理
を、圧力波過給機付エンジンの諸元を種々変えて行い、
上記圧力状態等が適正となる圧力波過給機付エンジンの
諸元を選び出すようにすれば、効果的な圧力波過給機付
エンジンの設計を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧力波過給機付エンジンの概略図である。
【図2】圧力波過給機の展開図である。
【図3】本発明の一実施例において用いる圧力波過給機
付エンジンのシミュレーションモデルを示す図である。
【図4】圧力波過給機のセル数を少なくすると仮定した
場合の動作状態を示す説明図である。
【図5】シミュレーションモデルにおける可変絞りの開
度変化を示す図である。
【図6】シミュレーションモデルにおける各可変絞りの
開閉タイミングを示す図である。
【図7】本発明の一実施例による過給状態演算処理の手
順を示す図である。
【図8】シミュレーションによる計算値をコンピュータ
処理によりグラフィック化したものを示す図である。
【図9】設計方法の手順を示す図である。
【符号の説明】
1 圧力波過給機 2 ロータ 3 セル 4 ケース 5 吸気導入ポート 6 吸気吐出ポート 7 排気導入ポート、 8 排気吐出ポート 10,11 吸気管 16 燃焼室 18,19 排気管 31 圧力波過給機モデル 33 セル相当パイプ 35,36,37,38 ポート相当部 41A,41B,41C,41D 可変絞り

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に貫通する多数のセルを有するロ
    ータがケース内に回転可能に支持されるとともに上記ケ
    ースに吸気導入ポート、吸気吐出ポート、排気導入ポー
    ト及び排気吐出ポートが設けられた圧力波過給機と、上
    記吸気導入ポート及び吸気吐出ポートに連なる上流側及
    び下流側の吸気系と、燃焼室と、上記排気導入ポート及
    び排気吐出ポートに連なる上流側及び下流側の排気系と
    で構成される圧力波過給機付エンジンをモデル化したシ
    ミュレーションモデルを用いて過給状態を算出する方法
    であって、上記上流側及び下流側の吸気系、燃焼室、上
    流側及び下流側の排気系を管モデル、容器モデル等のサ
    ブモデルの組み合わせとしてモデル化し、これらのサブ
    モデルについての状態量を演算することにより上記圧力
    波過給機の各ポートに対する吸・排気管の各接続部分の
    少なくとも圧力状態を予測する過給機関連部状態量演算
    処理を行なう一方、上記圧力波過給機のセルを管として
    モデル化したセル相当パイプと、上記各ポートをモデル
    化した各ポート相当部と、上記セル相当パイプと上記各
    ポート相当部との境界部分に設けた可変絞りとを有する
    圧力波過給機モデルを設定し、上記可変絞りにより実際
    の圧力波過給機の作動に対応するように上記各ポート相
    当部に対して上記各セル相当パイプを開閉させつつ、圧
    力波過給機モデルの状態量を演算する過給機状態量演算
    処理を行い、この過給機状態量演算処理と上記過給機関
    連部状態量演算処理とを、同一運転条件下で、相互に演
    算結果を反映させつつ繰り返すことにより、圧力波過給
    機の吸気吐出側の圧力状態を求めることを特徴とする圧
    力波過給機付エンジンの過給状態算出方法。
  2. 【請求項2】 圧力波過給機モデルにおけるセル相当パ
    イプの本数を実際の圧力波過給機のセル数よりも少なく
    し、上記セル相当パイプの断面積を実際のセルの断面積
    よりも大きくしたことを特徴とする請求項1記載の圧力
    波過給機付エンジンの過給状態算出方法。
  3. 【請求項3】 圧力波過給機モデルにおける可変絞りを
    圧力波過給機のロータ回転角度に同期させて開閉作動さ
    せるとともに、この可変絞りの全開時の開口面積を、実
    際のセルの断面積よりも大きいセル相当パイプの断面積
    に対応させ、かつ、可変絞りの開度変化を急速に行わせ
    て、可変絞りの開閉タイミングを実際の圧力波過給機に
    おける各ポートに対するセルの開閉タイミングに対応さ
    せるようにしたことを特徴とする請求項2記載の圧力波
    過給機付エンジンの過給状態算出方法。
  4. 【請求項4】 過給機状態量演算処理及び過給機関連部
    状態量演算処理によって圧力波過給機の各ポートに連な
    る管の圧力、流量等の状態量を算出し、これに基づき、
    圧力波過給機の吸気吐出側の圧力状態に加えて掃気状態
    を求めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
    記載の圧力波過給機付エンジンの過給状態算出方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の過給
    状態算出方法によって圧力波過給機の吸気吐出側の圧力
    状態を求める処理を、圧力波過給機付エンジンの諸元を
    種々変えて行い、上記圧力状態が適正となる圧力波過給
    機付エンジンの諸元を選び出すことを特徴とする圧力波
    過給機付エンジンの設計方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の過給状態算出方法によっ
    て圧力波過給機の吸気吐出側の圧力状態及び掃気状態を
    求める処理を、圧力波過給機付エンジンの諸元を種々変
    えて行い、上記圧力状態及び掃気状態が適正となる圧力
    波過給機付エンジンの諸元を選び出すことを特徴とする
    圧力波過給機付エンジンの設計方法。
JP10547594A 1994-05-19 1994-05-19 圧力波過給機付エンジンの過給状態算出方法および圧力波過給機付エンジンの設計方法 Pending JPH07310556A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1375858A1 (de) * 2002-06-28 2004-01-02 Swissauto Engineering S.A. Verfahren zur Regelung einer Verbrennungsmaschine mit einer gasdynamischen Druckwellenmaschine
EP1375859A3 (de) * 2002-06-28 2006-01-04 Swissauto Engineering S.A. Verfahren zur Regelung einer Verbrennungsmaschine mit einer Gasdynamischen Druckwellenmaschine

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1375859A3 (de) * 2002-06-28 2006-01-04 Swissauto Engineering S.A. Verfahren zur Regelung einer Verbrennungsmaschine mit einer Gasdynamischen Druckwellenmaschine
US6988493B2 (en) 2002-06-28 2006-01-24 Swissauto Engineering S.A. Method for the control of an internal combustion engine combined with a gas-dynamic pressure wave machine

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