JP3362954B2 - 機械式過給機付エンジンにおける過給圧算出方法および吸気系の設計方法 - Google Patents

機械式過給機付エンジンにおける過給圧算出方法および吸気系の設計方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械式過給機付エンジ
ンの過給圧をコンピュータシミュレーションにより演算
する方法とそれに基づく吸気系の設計方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】最近、自動車のエンジン等の性能評価、
設計等のため、コンピュータシミュレーションにより状
態量を算出するような方法が提案されている。例えば、
特開平3−95681号公報には、エンジンとスタータ
とをバネ要素と振動要素とからなる振動系に置き換え、
振動系をモデル化して、固有振動数の解析、モーダル質
量等の演算、既に知られている振動系の単体特性の利用
などにより、振動特性を求めるようにしたシミュレーシ
ョン方法が示されている。
【0003】また、文献「マツダ技報(1988 NO
6)」には、シリンダ、サージタンク、エアクリーナお
よびこれらの間の吸気管等からなるエンジンの吸気系に
つき、各部の圧力、温度、流量等をコンピュータシミュ
レーションにより求める方法が示されている。この方法
は、上記吸気系を管モデル、容器モデル、境界モデル等
のサブモデルの組合せとしてモデル化し、その各サブモ
デルについて状態量の演算を行なう。例えば、管モデル
については壁面摩擦係数、曲がり損失、管壁との熱交換
等を考慮した質量、運動量、エネルギーの各保存式を基
にして、管を等分割した各分割点での状態量から微少時
間後の状態量を求め、容器モデルについてはエネルギー
平衡式に基づいて容器内の状態量の変化等を求めるとい
うような演算を行なう。そして、各モデルについての演
算を、相互に演算値を反映させつつ状態量が収束するま
で繰返し行なうようにしている。
【0004】このようなシミュレーションによると、設
計段階において諸元の設定、変更等を行なう場合に、そ
の都度試作して試験的に状態量を調べるようにしなくと
も、演算によって状態量が求められるため、状態量に基
づく吸気系の評価およびそれに応じた諸元の決定等を簡
単に行なうことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の文献
「マツダ技報(1988 NO6)」は、自然吸気エン
ジンの吸気系モデルについてのシミュレーションを示し
ているが、吸気通路に機械式過給機が設けられている機
械式過給機付エンジンにおいては、過給機の吐出圧力
(過給圧)および吐出温度を考慮する必要がある。そこ
で、上記吸気系モデルの管端に過給圧、温度を与えるこ
とで演算を行なうことが可能となるが、上記過給圧を求
めることが従来では難しかった。
【0006】つまり、リショルム型過給機等の複雑な形
状の機械式過給機では、演算によるだけで過給圧を求め
ることは困難である。また、機械式過給機を吸気系に組
み込んだ試作機について試験を行なえば過給圧が実測で
きるが、吸気系の諸元を変える毎に試作機を作って試験
を行なうというのでは非常に手間がかかるものとなり、
シミュレーションを行なうことの効果が損なわれる。
【0007】また、過給機単体について試験的に特性を
求めることは比較的容易に可能であるが、吸気系に機械
式過給機を組み込んだ状態における過給圧は、エンジ
ン、吸気系の状態が関係するため、過給機単体の特性だ
けでは決まらない。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑み、機械式過給
機付エンジンにおける過給圧をシミュレーションによっ
て容易に、しかも精度良く求めることができる機械式過
給機付エンジンの過給圧算出方法を提供し、またこの方
法を利用して吸気系の設計を簡単に行なうことができる
設計方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る機械式過
給機付エンジンの過給圧算出方法は、機械式過給機付エ
ンジンのシミュレーションモデルを用いて過給圧を算出
する方法であって、機械式過給機を除く吸気管、燃焼室
等からなる吸気系を管モデル、容器モデル等のサブモデ
ルの組み合わせとしてモデル化し、この吸気系モデルに
ついて各部の圧力、流量、温度等の状態量を求める吸気
系状態量演算処理を行なう一方、機械式過給機を吸入側
と吐出側の2つの容器にモデル化し、この過給機吸入側
および吐出側の各モデルにつき、容器内の圧力を仮定し
て、この各容器と吸気管との接続部分における状態量の
関係式により吸入流量および吐出流量を演算し、この演
算を上記各圧力の仮定値を更新しつつ繰返し行なうこと
により、これらの流量演算値が互いに等しくなり、か
つ、この流量演算値と予め調べられた過給機単体の特性
を示す過給機特性データによる吐出流量とが同一圧力
比、同一過給機回転数の条件下で等しくなる状態を探索
し、この状態となったときの上記各仮定値および過給機
特性データから過給機モデルについての吐出圧力を含む
状態量を求め、この過給機モデルについての状態量を求
める過給機状態量演算処理と上記吸気系状態量演算処理
とを、同一過給機回転数条件下で、相互に演算結果を刻
々と反映させつつ、状態量が収束するに至るまで一定の
想定時間毎に繰り返すことにより、過給圧およびその他
の状態量を求めるようにしたものである。
【0010】この方法において、上記過給機特性データ
は、各種過給機回転数毎の圧力比と吐出流量との関係お
よびこれらと過給機での温度変化量との関係を示すもの
であり、上記過給機状態量演算処理で求められる過給機
モデルについての状態量には上記過給機特性データに基
づいて求められる吐出温度が含まれているものであるこ
とが好ましい(請求項2)。
【0011】また、上記吸気系モデルの中にサブモデル
の一つとしてインタークーラの容器モデルを有し、イン
タークーラの放熱量を与えて容器モデルについての演算
によりインタークーラの状態量を求めるものであること
が好ましい(請求項3)。
【0012】請求項4に係る吸気系の設計方法は、請求
項1乃至3のいずれかに記載の過給圧算出方法によって
過給圧を求める処理を、吸気系の諸元を種々変えてそれ
ぞれ行ない、過給圧が適正となる吸気系の諸元を選び出
すようにしたものである。
【0013】この方法において、過給圧が最も低くなる
吸気系の諸元を選び出すようにすることが好ましい(請
求項5)。
【0014】請求項6に係る吸気系の設計方法は、機械
式過給機付エンジンのシミュレーションモデルに、吸気
圧力波伝播経路を変更可能にする可変吸気手段を組み込
み、この可変吸気手段の状態が異なる各場合につき、請
求項1乃至3のいずれかに記載の過給圧算出方法により
種々のエンジン回転数における過給圧を求め、この過給
圧の演算データに基づいて上記可変吸気手段を切換える
べきエンジン回転数を求めるようにしたものである。
【0015】請求項7に係る吸気系の設計方法は、請求
項3に記載の過給圧算出方法によって求めた状態量に基
づき、インタークーラの諸元を設定するようにしたもの
である。
【0016】
【作用】上記請求項1に係る過給圧算出方法によると、
試作して試験的に調べておくデータとしては過給機単体
の特性を示す過給機特性データがありさえすれば、上記
過給機モデルを用いた上記過給機状態量演算処理により
過給機吐出圧力(過給圧)を含む過給機の状態量が求め
られ、また、過給機を除く吸気系モデルについては上記
吸気系状態量演算処理により状態量が求められる。そし
て、上記過給機状態量演算処理と上記吸気系状態量演算
処理とが同一過給機回転数条件下で相互に演算結果が反
映されつつ繰り返されることにより、過給圧等が精度良
く求められる。
【0017】この方法において、請求項2記載のように
すると、過給機吐出温度が加味されて高精度に過給圧等
が求められる。また、請求項3記載のようにすると、イ
ンタークーラについての状態量も精度良く求められる。
【0018】上記請求項4に係る設計方法によると、上
記過給圧算出方法が利用されて、適正な過給圧が得られ
るような吸気系の設計が容易に行なわれる。とくに請求
項5記載のようにすると、過給の効率を最も高めること
ができる吸気系の諸元が得られる。
【0019】上記請求項6に係る設計方法によると、可
変吸気手段を組み込んだ機械式過給機付エンジンにおい
て上記可変吸気手段を切換えるべきエンジン回転数が適
正に求められる。
【0020】上記請求項7に係る設計方法によると、イ
ンタークーラの設計が適切に行なわれる。
【0021】
【実施例】先ず、機械式過給機付エンジンの過給圧算出
方法の実施例を、図1〜図8を参照しつつ説明する。
【0022】図1は機械式過給機付エンジンのシミュレ
ーションモデルの一例を示している。このシミュレーシ
ョンモデルは、機械式過給機1、インタークーラ2、サ
ージタンク3、エンジンの各シリンダ4、機械式過給機
1より上流側の吸気管5、機械式過給機1とインターク
ーラ2との間の吸気管6、インタークーラ2とサージタ
ンク3との間の吸気管7、およびサージタンク3と各シ
リンダ4との間の吸気管8からなる吸気系をモデル化し
たものである。
【0023】このシミュレーションモデルおいて、機械
式過給機1を除く部分の吸気系モデル9は、管モデル、
容器モデル等サブモデルの組み合わせとしてモデル化さ
れている。つまり、この吸気系モデル9は、上記各吸気
管5,6,7,8を表す管モデルと、上記インタークー
ラ2、サージタンク3、各シリンダ4等を表す容器モデ
ルと、管と容器(インタクーラ、サージタンク、シリン
ダ)との境界部分のモデルとを含んでいる。そして、こ
の吸気系モデルを用いて後述のような吸気系状態量演算
処理を行う。
【0024】また、上記機械式過給機1は、図2に示す
ように、吸入部側と吐出部側の2つの容器1a,1bに
モデル化する。つまりこの過給機モデルは、吸入側の容
器1aと上流側の吸気管5との接続部分を表す吸入側モ
デル11と、吐出側容器1bと下流側の吸気管6との接
続部分を表す吐出側モデル12とに分けられている。そ
して、この過給機モデルを用いて後述のような過給機状
態量演算処理を行う。
【0025】図3は演算処理の概略手順を示す説明図で
ある。この図に示すように、演算処理にあたっては、先
ず吸気系モデルおよび過給機モデルにおける各部の圧
力、温度等の状態量の初期値を設定する(ステップS
1)。この初期値としては任意の値を設定すれば良く、
例えば吸気管の圧力は大気圧とし、シリンダ内の圧力は
シリンダ毎に吸気行程、圧縮行程等を想定した適当な値
とすればよい。このように初期値を任意に設定しておい
ても、後述のように演算処理が繰り返されるときによ
り、各状態量は定常運転に相当する状態の値に収束す
る。
【0026】次に、時間経過を想定するための時間設定
(ステップS2)を行なった上で、吸気系状態量演算処
理として、上記各管モデルについての演算処理(ステッ
プS3)と、上記各容器モデルについての演算処理(ス
テップS4)と、管と容器との境界部分のモデルについ
ての演算処理(ステップS5)とを行なう一方、過給機
モデルについての過給機状態量演算処理(ステップS
6)を行なう。そして、これらステップS3〜S6の各
演算処理を行なうと、ステップS2に戻って時間設定に
より一定微小時間だけ経過した時点を想定した上で、再
びステップS3〜S6の各演算処理を行なう。このよう
にして、各状態量が収束するに至るまで、一定の微少な
想定時間間隔で上記各演算処理を繰り返し行なう。
【0027】上記ステップS3の演算処理では、次のよ
うにして管内の各部の状態量を求める。
【0028】すなわち、管モデルには、壁面摩擦係数、
曲がり損失、管壁との熱交換を考慮して、次のような質
量、運動量、エネルギーの各保存式を適用する。
【0029】
【数1】
【0030】上記(1)〜(3)式を変形することによ
り、次のような状態量変化を表す特性方程式を得る。
【0031】
【数2】
【0032】上記(4)式は圧力伝播の軌跡、(5)式
は(4)式に沿っての変化、(6)式は粒子の移動軌
跡、(7)式は(6)式に沿っての変化である。
【0033】そして、管を等分割し、ある時刻における
各分割点での状態量(P,ρ,u,T)が既知であると
すれば、上記(4)〜(7)を差分近似した後、連立さ
せて解くことにより、微少時間後の各状態量を求めるこ
とができる。
【0034】上記ステップS4の演算処理では、次のよ
うにして容器の状態量の変化を求める。
【0035】すなわち、容器内では、次のエネルギー平
衡式が成り立つ。
【0036】
【数3】
【0037】この式において、Σ(CpTdG/dt)
は容器に流入するガスのエネルギー、dQ/dtは壁面
からの伝達熱量や燃焼による発熱量等、d(CvGT)
/dtは内部エネルギーの変化、APdV/dtは外部
から受ける仕事量である。
【0038】この式を解くことにより、容器内の状態量
の変化を求めることができる。
【0039】なお、とくにインタークーラのモデルにつ
いては、体積変化はないので、
【0040】
【数4】
【0041】を解くことにより、インタークーラ内の状
態量の変化を求めることができる。
【0042】また、上記ステップS5の境界モデルにつ
いての演算処理では、容器から管に空気が流れる部分に
ついては後記の過給機吐出側モデルについての演算と同
様の演算を行ない、管から容器に空気が流れる部分につ
いては後記の過給機吸入側モデルについての演算と同様
の演算を行なうことにより、管端における圧力、流量、
温度等の状態量を求める。もっとも、後述のように過給
機吐出側モデル、過給機吸入側モデルの各演算では容器
内の圧力を仮定する必要があるが、ステップS5の演算
において容器内の圧力が上記容器モデルの演算等によっ
て与えられるので、管端の状態量を直接的に求めること
ができる。
【0043】また、前記のステップS6の過給機状態量
演算処理では、図2に示す過給機モデルを用いるととも
に、予め調べられた図5のような上記過給機単体の特性
のデータを利用する。この過給機単体の特性のデータ
は、予め使用する機械式過給機を定常流試験することに
よって得られる。つまり、機械式過給機を試作してその
吸入側および吐出側に可変絞りを取付け、過給機を種々
の回転数で作動させ、かつ絞りを種々変えた場合につい
てそれぞれ、圧力比(吐出圧力と吸入圧力との比)、吐
出流量、温度変化量(吐出側温度と吸入側温度との差)
等を計測に基づいて求め、これらの関係を調べる。これ
により、種々の過給機回転速度における圧力比と吐出流
量との関係、およびこれらと上記温度変化量との関係を
表す図5のような過給機特性データのマップを得る。
【0044】そして、上記過給機状態量演算処理を具体
的には図4に示すように行なう。
【0045】すなわち、先ず上記過給機モデルのうちの
吐出側モデル12につき、容器1b内の圧力Pvoを仮定
し(ステップS11)、後述の演算処理により吐出側の流
量Mo を求める(ステップS12)。次いで、上記吸入側
モデル11につき、容器1a内の圧力Pviを仮定し(ス
テップS13)、後述の演算処理により吸入側の流量Mi
を求める(ステップS14)。
【0046】そして、過給機の吸入流量と吐出流量とは
等しいはずであるから、上記ステップS12とステップ
S14とでそれぞれ求めた上記流量Mo ,Mi が等しい
か否かを調べ(ステップS15)、等しくなければ、上
記吸入側モデル11における容器1aの圧力Pviの仮定
値を変更した上で、改めて吸入側モデル11についての
演算処理により吸入側の流量Miを求める。このように
して、上記圧力Pviの仮定値を変更しつつ、ステップS
13,S14を繰り返すことにより、上記流量Mo ,M
i が等しくなる状態を探索する。
【0047】上記流量Mo ,Mi が等しい状態が得られ
ると、演算処理で求められる吐出圧力(吐出側の管端圧
力)Ppoと吸入圧力(吸入側の管端圧力)Ppiとから、
圧力比Pr を求める(ステップS16)。そして、図5
に示す過給機特性データのマップから、上記ステップS
16で求めた圧力比と設定した過給機回転速度とに応じ
た吐出流量Mmap を求め(ステップS17)、上記ステ
ップS12で求めた吐出流量Mo と上記特性マップから
求めた吐出流量Mmap とを比較する(ステップS1
8)。
【0048】この場合、同一回転数における圧力比と吐
出流量との関係としては、図2に示す過給機モデルを用
いた後述の演算処理によると、図6に線15で示すよう
に圧力比が高くなるにつれて吐出流量が増加するが、実
際には圧力比が高くなると吐出側から吸入側へのリーク
量が増えるので、上記特性マップによると、図6に線1
6で示すように圧力比が高くなるにつれて吐出流量が減
少する。そして、上記両線15,16は一点において交
差し、その交点では、上記過給機モデルを用いた演算に
よる圧力比、吐出流量が特性マップによるものと合致す
ることとなる。
【0049】そこで上記交点を探索すべく、過給機モデ
ルを用いた演算による吐出流量Moと特性マップによる
吐出流量Mmap とが同一過給機回転速度、同一圧力比の
条件下で等しいか否かを調べ、等しくなければ、上記吐
出側モデルにおける容器の圧力Pvoの仮定値を変更した
上で、改めてステップS11〜S18の処理を行ない、
Mo =Mmap となるまで、ステップS11〜S18の処
理を繰り返す。
【0050】Mo =Mmap となった場合には、演算処理
により求められる吸入側温度(過給機吸入側の管端の温
度)Tpiと、過給機回転速度、圧力比および吐出流量に
応じて図5の特性マップから求められる温度差とに基づ
き、吐出側温度(過給機吐出側の管端の温度)Tpoを求
める(ステップS19)。また、これ以外の管端の状態
量である吐出圧力Ppo等については、演算処理(ステッ
プS12およびステップS14)による最終的な演算値
をもって決定する(ステップS20)。
【0051】この過給機状態量演算処理において、過給
機吐出側モデルについての演算処理および過給機吸入側
モデルについての演算処理は、次のように行なわれる。
なお、吐出側モデルにおいては、容器内の圧力をPvo、
同温度をTvo、絞り(容器の管との間)の圧力をPto、
同温度をTto、同流速をuto、同断面積をAto、過給機
直下流の管端の圧力をPpo、同温度をTpo、同流速をu
po、同断面積をApoとする。また、吸入側モデルにおい
ては、容器内の圧力をPvi、同温度をTvi、絞り(容器
の管との間)の圧力をPti、同温度をTti、同流速をu
ti、同断面積をAti、過給機直上流の管端の圧力をPp
i、同温度をTpi、同流速をupi、同断面積をApiとす
る。
【0052】吐出側モデルについては、容器内の圧力P
voを仮定しておく。
【0053】この吐出側モデルにおいては、次のエネル
ギー、質量の各保存式が成り立つ。
【0054】
【数5】
【0055】容器から絞りへは断熱変化を仮定すると、
次式が成り立つ。
【0056】
【数6】
【0057】管端が亜音速の場合は前記(5)式を適用
し、音速の場合は次式を適用する。
【0058】
【数7】
【0059】また、絞りにおいて亜音速の場合は次の
(12)式、音速の場合は(13)式が成り立つ。
【0060】
【数8】
【0061】上記(8)〜(13)式と(4)〜(7)
式を連立して解くことにより、管端における状態量(P
po,Tpo,upo)を求めることができる。
【0062】一方、吸入側モデルについては、容器内の
圧力Ppiを仮定しておく。
【0063】この吸気側モデルの演算も吐出側モデルと
ほぼ同様であり、次のエネルギー、質量の各保存式が成
り立つ。
【0064】
【数9】
【0065】管から絞りへは断熱変化を仮定すると、次
式が成り立つ。
【0066】
【数10】
【0067】また、絞りにおいて亜音速の場合は次の
(17)式、音速の場合は(18)式が成り立つ。
【0068】
【数11】
【0069】上記(14)〜(18)式と(4)〜
(7)式を連立して解くことにより、管端における状態
量(Ppi,Tpi,upi)を求めることができる。
【0070】このような過給機状態量演算処理における
吐出側モデルおよび吸入側モデルの演算では、吸気系状
態量演算処理における菅モデルの演算が反映されてい
る。また、過給機状態量演算処理により求められた菅端
の状態量は、図3に示した各演算処理の繰り返しの中
で、次回の菅モデルの演算等に反映される。
【0071】このようにして、図3中のステップSの各
処理からなる吸入系状態量演算処理と図4のステップS
11〜S20を内容とするステップS6とを、相互に演
算結果を刻々と反映させつつ、各状態量が収束する状態
に至るまで、繰り返し行うことにより、過給圧(吐出圧
力)をおよびその他の状態量を求める。
【0072】以上のような方法によると、試験により調
べておくデータとしては図5に示すような過給機単体の
特性試験によるデータさえあれば、機械式過給機1およ
びエンジンの諸元から、コンピュータシミュレーション
により過給圧等の状態量が簡単に、しかも精度良く求め
られる。
【0073】つまり、機械式過給機1を除く吸気系につ
いては、従来技術の中でも説明したように、管モデル、
容器モデル等の組合せとしてモデル化し、シミュレーシ
ョンにより状態量を演算する手法を既に提案している
が、吸気系に機械式過給機を組み込んだ機械式過給機付
エンジンにおいては、過給機内部での圧力変化、温度変
化があるために、上記手法によるだけでは過給機の状態
量を求めることができない。一方、過給機単体について
の各種過給機回転速度における圧力比と吐出流量との関
係やこれらと温度との関係等の特性は、予め試験によっ
て調べておくことができるが、吸気系に組み込んだ状態
における過給圧等の状態量は、過給機の特性だけでは決
まらない。
【0074】そこで、当実施例の方法では、過給機1を
図2のようにモデル化し、その吸気側モデル11および
吐出側モデル12につき、容器内圧力を仮定して状態量
を演算し、その仮定値を変更して演算を繰り返しつつ、
吸入流量と吐出流量とが等しくなる状態を探索し、さら
に上記過給機単体特性の試験によるデータとの比較に基
づき、同一過給機回転速度の条件下で演算による吐出量
および圧力比が試験によるデータ(図5の特性マップ)
による値と合致する状態を探索するようにしている。し
かも、この過給機状態量演算処理と吸気系状態量演算処
理とを相互に反映させつつ繰り返している。従って、過
給機の特性と吸気系の諸条件とに応じた過給圧等の状態
量が精度良く求められることとなる。
【0075】そして、予めエンジン回転速度を想定して
図3,図4に示す演算処理を状態量が収束するまで繰り
返すことによりそのエンジン回転速度での過給圧等の状
態量が求められ、各種エンジン回転速度についてこのよ
うなシミュレーションを行なうことによりエンジン回転
速度と過給圧等との対応関係が求められる。図7は充填
量、過給機吐出圧力(過給圧)および過給機吐出温度に
つき、種々のエンジン回転速度での上記シミュレーショ
ンによる計算値と試作機についての実測値とを示し、こ
の図のように、上記計算値は実測値に充分に近似する。
【0076】また、前記の図3,図4の演算処理で状態
量が収束するまでの過程における状態量は、過渡時にお
ける状態量に相当するので、例えば図8に示すようなシ
ミュレーションデータを調べることにより、機械式過給
機付エンジンの過渡性能も知ることができる。すなわ
ち、図8は、機械式過給機下流の吸気通路容積等の諸元
が異なる種々の吸気系につき、上記シミュレーションに
より求められる過給圧の変化を示しており、過給圧が収
束に至るまでのエンジンサイクル数および過給圧の収束
値が吸気系の諸元によって変化することがわかり、この
図に示すようなシミュレーションデータにより、過給効
率、過渡性能等を調べることができる。
【0077】次に、上記のような過給圧算出方法を利用
した吸気系の設定方法を説明する。
【0078】図9は吸気系設定手順の一例を示す。この
手順を説明すると、先ずエンジン排気量、シリンダ径、
ピストンストローク、圧縮比等のエンジン主要諸元を設
定し(ステップS21)、また吸気系については吸気管
長、断面積、バルブタイミング等の諸元を設定する(ス
テップS22)。一方、機械式過給機1については容
量、耐熱限界等の諸元を設定する(ステップS23)。
そして、この過給機1を試作し、これについて前記のよ
うな定常流試験を行ない、その特性についての前記図5
のような過給機特性データのマップを作成する(ステッ
プS24)。
【0079】上記各諸元の設定の次には、過給機のプー
リ比を設定する(ステップS25)。
【0080】このような各諸元、プーリ比の設定の後、
前述のようなシミュレーションにより過給圧等の状態量
を演算する(ステップS26)。そして、上記演算に基
づいて求められた過給機吐出温度がエンジンおよび過給
機の信頼性の面で適正範囲内にあるか否かを調べ、適正
範囲内にある場合(OK)は後記ステップS30に移
る。上記吐出温度がエンジンにとって過度に高くなる場
合(NG)は、インタークーラ放熱量が吐出温度に対し
て適当(充分に温度を引き下げる程度)か否かを調べ
(ステップS27)、ここで適当と判定した場合もステ
ップS30に移る。
【0081】吐出温度に対してインタークーラ放熱量が
不充分であれば、ステップS22に戻って吸気系諸元を
変更した上で、改めてステップS25以下の処理を行な
う。なお、インタークーラ放熱量が不充分な場合に、イ
ンタークーラ諸元の変更(ステップS29)を行うよう
にしてもよい。また、上記吐出温度が過給機の信頼性の
面からみて高すぎる場合には、必要に応じて過給機の諸
元を変更する。
【0082】ステップS30では、過渡特性が要求に適
合する程度か否かを調べ、適合すればステップS31に
移る。要求に適合しない場合は、ステップS22に戻っ
て吸気系諸元を変更した上で改めてステップS25以下
の処理を行ない、また必要に応じて過給機諸元を変更す
る。
【0083】ステップS31では、吐出圧力がエンジン
性能等にとって適正か否かを調べ、適正でなければ、ス
テップS22に戻って吸気系諸元を変更した上で改めて
ステップS25以下の処理を行ない、また必要に応じて
過給機諸元を変更する。
【0084】吐出圧力が適正になれば、そのときの吸気
系等の諸元を採択して、これをもって最終的な諸元を決
定する(ステップS32)。
【0085】このような設計手順において、ステップS
31,S32での吐出圧力の判別に基づく諸元決定にお
いては、吸気系諸元を種々変化させた各場合のシミュレ
ーションの演算結果を調べ、そのうちで吐出圧力の最も
低い場合を適正とし、この場合の吸気諸元を選択するよ
うにすることが望ましい。その理由を図10に示す。
【0086】図10は圧力比をパラメータとして体積効
率と過給機回転速度との関係を示している。この図のよ
うに、高速域では圧力比が変わっても体積効率はほぼ同
じであるが、低速域では、圧力比が低くなるにつれて体
積効率が高くなる。つまり、同一過給条件下における圧
力比は吸気系によって変わるが、この圧力比をできるだ
け小さくする(吐出圧力をできるだけ低くする)ように
吸気系を設定することにより、過給の効率が高められ、
充填量が向上されることとなる。
【0087】また、吸気の動的効果が得られるエンジン
回転数域を変更可能とすべく圧力波伝播経路を変更可能
とする可変吸気手段が機械式過給機付エンジンに吸気系
に具備されている場合には、上記可変吸気手段の切換え
を行なうエンジン回転数の設定も前記のシミュレーショ
ンによる算出方法を利用して効果的に行なうことができ
る。これを図11〜図13によって説明する。
【0088】図11は可変吸気手段を備えた吸気系のモ
デルの一例を示している。この図に例示したモデルで
は、V型エンジンの一方のバンクの各シリンダ21Aに
通じる独立吸気通路22Aが第1集合吸気通路23A
に、また他方のバンクの各シリンダ21Bに通じる独立
吸気通路22Bが第2集合吸気通路23Bにそれぞれ接
続され、両集合吸気通路23A,23Bが上流側で接続
されるとともに、両集合吸気通路23A,23Bを連通
する連通路24とこの連通路24を開閉するバルブ25
とが設けられている。
【0089】この例によると、上記バルブ25が開かれ
たときには、各シリンダ21A,21bと集合吸気通路
23A,23Bとの間の独立吸気通路22A,22Bに
おける圧力伝播により高速域で慣性効果が得られ、上記
バルブ25が閉じられたときには、両集合吸気通路23
A,23Bの上流側集合部までにわたる部分の圧力振動
により低速域で共鳴効果が得られる。
【0090】図12には、図11に示す構造で過給機を
有しない吸気系のモデルにおいて、エンジン回転数に応
じた充填効率の変化を、上記バルブ25を開いた場合
(図11(a))と閉じた場合(図11(b))とにつ
いてそれぞれ、実線と破線とで示している。この図のよ
うに、低速域ではバルブ25を閉じることにより共鳴効
果で充填効率が高められ、高速域ではバルブを開くこと
により慣性効果で充填効率が高められることとなり、図
中のN1がバルブ26の開閉を切換えるべきエンジン回
転数となる。
【0091】また、図13は、図11のような構造の吸
気系の上流に機械式過給機1を設けたものにおいて、エ
ンジン回転数に応じた充填効率、吐出圧力、吐出温度お
よび過給機駆動損失平均有効圧力を、上記バルブ25を
開いた場合と閉じた場合とについてそれぞれ、実線と破
線とで示している。
【0092】この図に示すように、低速域では、バルブ
を閉じる方が充填効率を高め得るとともに吐出圧力、吐
出温度および過給機駆動損失平均有効圧力を低く抑える
ことができる。一方、高速域では、バルブの開、閉いず
れの状態でも過給で充填されるために充填量はほぼ同じ
になるが、バルブを開く方が吐出圧力、吐出温度および
過給機駆動損失平均有効圧力を低く抑えることができ
る。
【0093】従って、機械式過給機付エンジンでも可変
吸気手段のバルブ25を低速域で閉じ、高速域で開くよ
うにすればよいが、過給機を有しない吸気系による場合
(図12)と比べ、吸気温度が高くなることから慣性、
共鳴の同調回転数がずれ、バルブ25の開閉を切換える
べきエンジン回転数N2が変わってくる。このため、過
給機を有しない吸気系モデルに基づいて求めたバルブ切
換回転数N1を過給機付エンジンに適用することは妥当
でない。
【0094】そこで、バルブ切換回転数N2の設定にあ
たっても、前記のシミュレーションによる過給圧等の演
算結果を利用することが有効となる。つまり、図11に
示す構造の吸気系の上流に機械式過給機を備えたモデル
において、上記バルブ25を開いた状態とバルブ25を
閉じた状態とについてそれぞれ、前記の図3,図4に示
すような方法により各種状態量を求めて、図13のよう
なエンジン回転数と各種状態量との関係を調べ、これに
基づいてバルブ切換回転数N2を求める。これにより、
可変吸気手段の切換点を精度良く設定することができ
る。
【0095】
【発明の効果】以上のように、本発明の過給圧算出方法
は、機械式過給機を除く吸気系については管モデル、容
器モデル等の組み合わせとして状態量を求める一方、機
械式過給機については、吸入側と吐出側とに分けてモデ
ル化し、それぞれ容器の圧力を仮定して吸入流量及び吐
出流量を演算し、この演算を上記各圧力の仮定値を更新
しつつ繰返し行なうことにより、これらの流量演算値が
互いに等しくなり、かつ、この流量演算値と予め調べら
れた過給機単体の特性を示す過給機特性データによる吐
出流量とが同一圧力比、同一過給機回転数の条件下で等
しくなる状態を探索し、この状態となったときの上記各
仮定値および過給機特性データから過給機モデルについ
ての吐出側圧力を含む状態量を求め、この過給機状態量
演算処理と上記吸気系状態量演算処理とを相互に反映さ
せつつ繰り返すことにより、過給圧およびその他の状態
量を求めるようにしている。このため、過給機単体につ
いての特性のデータがありさえすれば、設計段階におい
てコンピュータシミュレーションモデルににより簡単
に、しかも精度良く過給圧およびその他の状態量を求め
ることができる。
【0096】また、このような過給圧算出方法によって
過給圧を求める処理を、吸気系の諸元を種々変えてそれ
ぞれ行なって、過給圧が適正となる吸気系の諸元を選び
出し、例えば過給圧が最も低くなる吸気系の諸元を選び
出すことにより、高い過給効率が得られるような吸気系
の設計を簡単に行うことができる。
【0097】また、機械式過給機付エンジンのシミュレ
ーションモデルに可変吸気手段を組み込み、この可変吸
気手段の状態が異なる各場合につき、上記過給圧算出方
法により種々のエンジン回転数における過給圧を求め、
これに基づいて上記可変吸気手段を切換えるべきエンジ
ン回転数を求めるようにすると、上記可変吸気手段の設
定を適正に行うことができる。
【0098】上記過給圧算出方法によってインタークー
ラを含む吸気系の状態量を求め、これに基づき、インタ
ークーラの諸元を設定するようにすれば、インタークー
ラの設計も簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】機械式過給機付エンジンのシミュレーションモ
デルを示す図である。
【図2】過給機モデルを示す図である。
【図3】過給圧算出方法の全体の手順を概略的に示す図
である。
【図4】過給機状態量演算処理の手順を示す図である。
【図5】過給機特性データのマップを示す図である。
【図6】圧力比および吐出流量の演算値と過給機特性デ
ータによる値との関係を示す図である。
【図7】充填効率、吐出圧力、吐出温度についての計算
値および実測値を示すグラフである。
【図8】過給圧の計算値の変化を示すグラフである。
【図9】設計方法の手順を示す図である。
【図10】過給機回転速度と体積効率との関係を示すグ
ラフである。
【図11】可変吸気手段を含む吸気系を示し、(a)は
バルブを開いた状態、(b)はバルブを閉じた状態をそ
れぞれ示す図である。
【図12】自然吸気エンジンにおいて可変吸気手段のバ
ルブを開いた場合と閉じた場合とにつき、種々のエンジ
ン回転速度での充填効率を示すグラフである。
【図13】機械式過給機付エンジンにおいて可変吸気手
段のバルブを開いた場合と閉じた場合とにつき、種々の
エンジン回転速度での充填効率、吐出圧力、吐出温度、
過給機駆動損失平均有効圧力を示すグラフである。
【符号の説明】
1 機械式過給機 2 インタークーラ 3 サージタンク 4 シリンダ 5,6,7,8 吸気管

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械式過給機付エンジンのシミュレーシ
    ョンモデルを用いて過給圧を算出する方法であって、機
    械式過給機を除く吸気管、燃焼室等からなる吸気系を管
    モデル、容器モデル等のサブモデルの組み合わせとして
    モデル化し、この吸気系モデルについて各部の圧力、流
    量、温度等の状態量を求める吸気系状態量演算処理を行
    なう一方、機械式過給機を吸入側と吐出側の2つの容器
    にモデル化し、この過給機吸入側および吐出側の各モデ
    ルにつき、容器内の圧力を仮定して、この各容器と吸気
    管との接続部分における状態量の関係式により吸入流量
    および吐出流量を演算し、この演算を上記各圧力の仮定
    値を更新しつつ繰返し行なうことにより、これらの流量
    演算値が互いに等しくなり、かつ、この流量演算値と予
    め調べられた過給機単体の特性を示す過給機特性データ
    による吐出流量とが同一圧力比、同一過給機回転数の条
    件下で等しくなる状態を探索し、この状態となったとき
    の上記各仮定値および過給機特性データから過給機モデ
    ルについての吐出圧力を含む状態量を求め、この過給機
    モデルについての状態量を求める過給機状態量演算処理
    と上記吸気系状態量演算処理とを、同一過給機回転数条
    件下で、相互に演算結果を刻々と反映させつつ、状態量
    が収束するに至るまで一定の想定時間毎に繰り返すこと
    により、過給圧およびその他の状態量を求めることを特
    徴とする機械式過給機付エンジンにおける過給圧算出方
    法。
  2. 【請求項2】 上記過給機特性データは、各種過給機回
    転数毎の圧力比と吐出流量との関係およびこれらと過給
    機での温度変化量との関係を示すものであり、上記過給
    機状態量演算処理で求められる過給機モデルについての
    状態量には上記過給機特性データに基づいて求められる
    吐出温度が含まれていることを特徴とする請求項1記載
    の機械式過給機付エンジンにおける過給圧算出方法。
  3. 【請求項3】 上記吸気系モデルの中にサブモデルの一
    つとしてインタークーラの容器モデルを有し、インター
    クーラの放熱量を与えて容器モデルについての演算によ
    りインタークーラの状態量を求めることを特徴とする請
    求項1または2記載の機械式過給機付エンジンにおける
    過給圧算出方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の過給
    圧算出方法によって過給圧を求める処理を、吸気系の諸
    元を種々変えてそれぞれ行ない、過給圧が適正となる吸
    気系の諸元を選び出すことを特徴とする吸気系の設計方
    法。
  5. 【請求項5】 過給圧が最も低くなる吸気系の諸元を選
    び出すことを特徴とする請求項4記載の吸気系の設計方
    法。
  6. 【請求項6】 機械式過給機付エンジンのシミュレーシ
    ョンモデルに、吸気圧力波伝播経路を変更可能にする可
    変吸気手段を組み込み、この可変吸気手段の状態が異な
    る各場合につき、請求項1乃至3のいずれかに記載の過
    給圧算出方法により種々のエンジン回転数における過給
    圧を求め、この過給圧の演算データに基づいて上記可変
    吸気手段を切換えるべきエンジン回転数を求めることを
    特徴とする吸気系の設計方法。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の過給圧算出方法によっ
    て求めた状態量に基づき、インタークーラの諸元を設定
    することを特徴とする吸気系の設計方法。
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