JPH07308897A - 紙製オイルパックの穴明け器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車用のエンジンオイルが詰めてある紙製
オイルパックを簡易に開封し、安全、確実に、かつ迅速
にオイルピッチャーのような注油器に移すことができる
穴明け器である。 【構成】 開閉自在な蓋体６を有する箱状の容器本体７
と、これを支える脚体８とで構成され、容器本体７に
は、紙製オイルパック１を開封する切刃機構１０と紙製
オイルパック１を載置する支持機構１１などを備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、紙製オイルパックの穴
明け器に係り、詳しくは紙製オイルパックを簡易に開封
し、オイルを残さずに安全、確実に、かつ迅速にオイル
ピッチャーなどの注油器に移すことができる作業性に優
れた紙製オイルパックの穴明け器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から自動車のエンジンオイルは、金
属製の缶に詰めて市販されている。しかし、近時、環
境、省資源などの観点から紙製パックに詰めたオイルパ
ックが普及しており、例えば、図１３に示すような１リ
ットル詰めの紙製オイルパック１が知られている。

【０００３】この紙製オイルパック１は、上端面に開封
用の耳部２，２が形成されており、オイル交換の場合、
一方の耳部２を刃物で切取り、図示省略のオイルピッチ
ャーに紙製オイルパック１内のオイルを移して注油して
いる。

【０００４】ところで、この耳部２の切取りは、ハサ
ミ、カッターなどの刃物による手作業であり、次のよう
な不都合、不便さがある。 耳部２を刃物で切取り、オイルをオイルピッチャー
に移す作業となり、安全性、迅速性、簡易性が問題とな
る。 刃物が必要で、同様な問題がある。 耳部２を完璧に切取らないと、オイルピッチャーに
移すのに邪魔になり、またオイルを漏らすなど安全性、
迅速性が問題となる。 耳部２をきれいに切取らないと、その切り口に切り
カスが残り、オイルにカスが混入し、オイル性能が低下
する。 オイルに粘性があり、紙製オイルパックからオイル
ピッチャーに移すのに時間がかかる。また、オイルを残
さず移すことは難しく、迅速性、簡易性が問題となり、
残量が多い紙製オイルパックは、防火上危険性がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
課題を解決するために創作されたもので、紙製オイルパ
ックを簡易に開封し、オイルを残さずに安全、確実に、
かつ迅速にオイルピッチャーなどの注油器に移すことが
できる作業性に優れた紙製オイルパックの穴明け器を提
供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の紙製オイルパックの穴明け器は、上面を開
口部とした平面四角形状の箱状の容器本体と、これを支
える脚体とで構成され、この開口部に被せる蓋体と容器
本体とを蝶番と共に、左右の連結杆の一端部は蓋体と、
他端部は左右の側板の内側に設けた水平状の案内板の凹
溝に滑動する前方の軸体とにそれぞれ連結させて構成し
た開閉機構と、前後の側板の下方に平行に配した取付杆
の前方と中央部とに刃部を後方の側板側に向け、かつ当
接板を介在させた一対の切刃をそれぞれ固定させて構成
した切刃機構と、平板の一端側を直角状の折曲部を介し
て設けられた折曲片の先端部に直角状の折返片を形成す
ると共に、前記切刃にそれぞれ対応する窓孔が折曲部に
設けられた支持台を前記切刃機構の上方位置で直交状
に、かつ折曲部を下方に向け、案内板の凹溝に滑動する
前後の軸体を有する作動杆に取付具を介して固定させて
構成した支持機構と、底板の注出口に調整用のハンドル
とを備えたことを特徴としている。

【０００７】また、本発明は、上面を開口部とした平面
四角形状の箱状の容器本体と、これを支える脚体とで構
成され、この容器本体の底部近くに多孔板を配置し、か
つ多孔板の各隅部に尖った傾斜面に刃部を形成した複数
の切刃をそれぞれ立設させて構成した切刃機構と、多孔
板上に平面十字状の仕切板を介して区分された収納部
と、底板の注出口に調整用のハンドルとを備えたことを
特徴としている。

【０００８】そして、本発明の容器本体の底部は、角錐
形状に形成し、注出口を構成したことを特徴とするもの
である。

【０００９】

【作用】本発明の請求項１記載の穴明け器によれば、蓋
体を開放して支持機構を構成する支持台に、計４個の紙
製オイルパック（１個でも可）を横倒状に並べ、蓋体を
閉じる。この蓋体の閉鎖に伴って、支持機構は切刃機構
の上方を直交状に前方（前方の側板側）に移動し、支持
台上に置かれ、かつ窓孔から露出している紙製オイルパ
ックの折曲部は、当接板の上端面で押えられると共に、
一対の切刃で２条の切込みが形成され、この切込み両側
に変形状の切込口からオイルは底部に流出し、注出口を
開放させてオイルをオイルピッチャーに移すことができ
る。

【００１０】請求項２記載の本発明によれば、仕切板で
区分された収納部に紙製オイルパックを底面側から挿入
し、底面が切刃機構に当接した状態で、強い力で下方に
押圧すると、底面は切刃機構の切刃で複数条の切込みが
形成され、この切込みを有する切込み口から、オイルは
底部に流出させる。また、本発明は請求項３記載のよう
に傾斜形状に底部を構成することにより、オイルを残さ
ずにオイルピッチャーに移すことができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図１〜図５は、本発明の第１実施例であり、
図１は、その概略斜視図、図２は、同側面図、図３は、
同要部の縦断面図、図４は、切刃機構の説明図、図５
は、切刃機構と支持機構との関係を示す説明図である。

【００１２】第１実施例の紙製オイルパックの穴明け器
５は、開閉自在な蓋体６を有する箱状の容器本体７と、
これを支える脚体８，８，…とに大別され、容器本体７
は、蓋体６を開閉させる開閉機構９と、紙製オイルパッ
ク１を開封する切刃機構１０と、紙製オイルパック１を
載置する支持機構１１とを備えている。

【００１３】容器本体７の構成を説明すると、この容器
本体７は、平面四角形状であり、長方形状の側板１２
ａ，１２ｂ，…で構成される側部１３と、三角形状の底
板１４ａ，１４ｂ，…で構成される角錐形状の底部１５
とで形成され、その注出口１６にハンドル１７が設けら
れている。なお、１８は開口部であり、底部１５は、一
方側に傾斜状に形成してもよい。

【００１４】開閉機構９は、蓋体６の一側端部と後方の
側板１２ｃとに蝶番１９，１９を取付けると共に、左右
の連結杆２０，２０を介在させて蓋体６が開閉自在に構
成されている。つまり、各連結杆２０の一端部は、蓋体
６の両側下端部の支持具２１にピン２２を介して取付け
られ、他端部は、左右の側板１１ｂ，１１ｄの内側に水
平状に設けられた案内板２３の凹溝２４に軸体２５が滑
動自在にピン２６を介して取付けられている。２７は、
蓋体６の把部である。

【００１５】容器本体７は、鉄材、ステンレス材、アル
ミニウム材などの金属材を適宜選択して使用するが、後
記するように紙製オイルパック１を開封するのに所定押
圧力が必要であり、蓋体６はある程度重量のある材料が
好ましく、耐久性を考えると金属材が最適である。勿
論、木製やプラスチック製などの蓋体６も使用できる。

【００１６】次に、切刃機構１０の構成を説明する。３
０，３０は、側部１２の下方に平行に設けた角状の金属
製取付杆である。つまり、側板１２ａ，１２ｃの下方に
間隔を設けて設置させてあり、この各取付杆３０，３０
の先端側（側板１２ａ側）と中央部とに、その刃部３１
を側板１２ｃ側に向けて一対の切刃３２，３２，…を計
４組傾斜状に設けてある。具体的には、例えば取付杆３
０の両側面に切刃３２の基端部を金具３３と介在させて
緊締具３４により固定させてある。なお、この実施例で
は、図示のように長方形の切刃３２を使用しているが、
多角形、円形などの任意な切刃を使用できる。

【００１７】３５は、一対の切刃３２，３２間に立設さ
せた当接板であり、取付枠３０の上面に折曲部３６が緊
締具３７を介して固定されている。この当接板３５は、
鉄材、ステンレス材、アルミニウム材などの金属材を選
択使用でき、プラスチック材なども使用できる。この図
示例は、四角形状であるが、三角形、円形、多角形など
の形状でもよく、また、当接板３５は、切刃３２より若
干低い高さ寸法であるが、同等の寸法或いは高い寸法で
もよい。

【００１８】支持機構１１の構成を説明すると、この支
持機構１１は、蓋体６の開閉操作に対応して、前後方
向、つまり前方の側板１２ａと後方の１２ｃとの間を前
記切刃機構１０の上方で、かつ直交状に往復移動できる
構成となっている。この具体例を説明すると、４０，４
０は、開封する紙製オイルパック１をそれぞれ２個ずつ
載置させる支持台であり、平板４１の一端側を直角状に
折曲させた折曲片４２の先端部が、さらに直角状に内側
に折曲させた短尺な折返片４３を形成してある。そし
て、この折返片４３側を後方の側板１１ｃ側に向け、か
つその折曲部４４を下方に向け略Ｖ字形状に配して互い
に間隔を設けて平行になるように、支持台４０，４０を
配し、その両端を作動杆４５に金具４６を介して緊締具
４７により固定させてなる。４８，４８は支持台４０の
折曲部４４両側にそれぞれ形成させた窓孔である。

【００１９】この作動杆４５は、前記する案内板２３の
凹溝２４に嵌挿させてある前方の軸体２５にピン２６を
介して連結させ、前記するように蓋体６の開閉操作によ
り、この支持台４０，４０は、容器本体７内において、
その前後方向（側板１１ａと１１ｃの間）に切刃機構９
の上方で、かつ直交状に往復移動する。この移動によ
り、支持台４０，４０にそれぞれ設けられた窓孔４８，
４８，…には、その切刃機構９の切刃３２，３２が突出
し、支持台４０にそれぞれ載置され、窓孔４８から露出
している紙製オイルパック１の隅角部３は、一対の切刃
３２，３２で２条の切込み５０，５０が形成される。

【００２０】これと共に、当接板３５の上端部が、隅角
部３を押さえ、隅角部３の切込み５０，５０で形成され
る切込片５１の両側に、図１１に示すような変形状の切
込口５２が形成され、この切込口５２からオイルが流出
し、容器本体７の底部１５に流れ、ハンドル１７操作で
ピッチャー５３にオイルを移すことができる。

【００２１】図６〜図１０は、本発明の第２実施例を示
し、図６は、その概略斜視図、図７は、同要部の平面
図、図８は、同側面図、図９は、同切刃機構の斜視図、
図１０は、同切刃の説明図である。

【００２２】図において、６０は、第２実施例の紙製オ
イルパックの穴明け器であり、開口部６１を設けた箱状
の容器本体６２と、これを支える脚体６３，６３，…と
に大別され、容器本体６０は、紙製オイルパック１を開
封する切刃機構６４と、仕切板６５で区分される収納部
６６と、多孔板６７とを備えている。

【００２３】容器本体６２は、図示のように平面四角形
状であり、長方形状の側板６８，６８，…で側部６９
を、三角形状の底板７０，７０，…で角錐形状の底部７
１に構成され、注出口７２にハンドル７３が形成されて
いる。この容器本体６２は、前記容器本体７とは同様な
金属材で構成されている。

【００２４】切刃機構６４は、前記容器本体６２の底部
７１側に配置した多孔板６７上の各隅部にそれぞれ立設
させてあり、図示のように多数個の切刃７５，７５，…
群から構成させてある。図示では、尖った傾斜面に刃部
７４を設けた切刃７５を５枚一組として構成されてい
る。なお、刃部７４は内部側に向けてあるが、任意な設
計事項である。

【００２５】仕切板６５は、紙製オイルパック１の収納
部６６を構成するための仕切りで、平面十字状に板体６
５ａ，６５ｂ，…により構成されている。この仕切板６
５は、金属材を使用するのが好ましいが、プラスチック
材を使用してもよい。

【００２６】脚体６３は、図示の場合、２本のパイプを
それぞれ折曲げて構成され、下端部に補助材７６を配し
てあるが、脚体６３の構成は任意な設計事項である。

【００２７】この第２実施例の場合、前記する第１実施
例と異なり、仕切板６５の区分に従って、紙製オイルパ
ック１の底部４（或いは上部）を切刃機構６４上に配
し、紙製オイルパック１を強く下方に押下げることによ
り、切刃機構６４を構成する切刃７５群で、底部４に切
込口７７が形成され、オイルを容器本体６２に流出させ
ることができる。底部７１のオイルは、ハンドル７３を
操作して注出口７２からピッチャー５３にオイルを安
全、確実に移すことができる。この底部４に形成される
切込口７７は図１２に示すような形状となる。

【００２８】

【発明の効果】本発明は、以上の構成であれば、紙製オ
イルパックは、切刃機構により簡易に開封され、底部の
注出口からオイルピッチャーなどの注油器に安全、確実
に、かつ迅速に移すことができ、作業能率に優れたもの
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す概略斜視図。

【図２】同側面図。

【図３】同要部の縦断面図。

【図４】切刃機構の説明図。

【図５】切刃機構と支持機構との関係を示す説明図。

【図６】本発明の第２実施例の概略斜視図。

【図７】同平面図。

【図８】同側面図。

【図９】同切刃機構の斜視図。

【図１０】同切刃の説明図。

【図１１】紙製オイルパックの開封状態を示す説明図。

【図１２】同異なる開封状態を示す説明図。

【図１３】従来の開封の一例を示す説明図。

【符号の説明】

１ 紙製オイルパック ６ 蓋体 ７ 容器本体 ８ 脚体 １０ 切刃機構 １１ 支持機構

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面を開口部とした平面四角形状の箱状
   の容器本体と、これを支える脚体とで構成され、この開
   口部に被せる蓋体と容器本体とを蝶番と共に、左右の連
   結杆の一端部は蓋体と、他端部は左右の側板の内側に設
   けた水平状の案内板の凹溝に滑動する前方の軸体とにそ
   れぞれ連結させて構成した開閉機構と、前後の側板の下
   方に平行に配した取付杆の前方と中央部とに刃部を後方
   の側板側に向け、かつ当接板を介在させた一対の切刃を
   それぞれ固定させて構成した切刃機構と、平板の一端側
   を直角状の折曲部を介して設けられた折曲片の先端部に
   直角状の折返片を形成すると共に、前記切刃にそれぞれ
   対応する窓孔が折曲部に設けられた支持台を前記切刃機
   構の上方位置で直交状に、かつ折曲部を下方に向け、案
   内板の凹溝に滑動する前後の軸体を有する作動杆に取付
   具を介して固定させて構成した支持機構と、底板の注出
   口に調整用のハンドルとを備えたことを特徴とする紙製
   オイルパックの穴明け器。
2. 【請求項２】 上面を開口部とした平面四角形状の箱状
   の容器本体と、これを支える脚体とで構成され、この容
   器本体の底部近くに多孔板を配置し、かつ多孔板の各隅
   部に尖った傾斜面に刃部を形成した複数の切刃をそれぞ
   れ立設させて構成した切刃機構と、多孔板上に平面十字
   状の仕切板を介して区分された収納部と、底板の注出口
   に調整用のハンドルとを備えたことを特徴とする紙製オ
   イルパックの穴明け器。
3. 【請求項３】 容器本体の底部は、角錐形状に形成し、
   注出口を構成したことを特徴とする請求項１または２記
   載の紙製オイルパックの穴明け器。