JPH07308031A - 二次電池の充電装置 - Google Patents

二次電池の充電装置

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Publication number
JPH07308031A
JPH07308031A JP10001094A JP10001094A JPH07308031A JP H07308031 A JPH07308031 A JP H07308031A JP 10001094 A JP10001094 A JP 10001094A JP 10001094 A JP10001094 A JP 10001094A JP H07308031 A JPH07308031 A JP H07308031A
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JP
Japan
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battery
temperature
charging
charging current
voltage
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Application number
JP10001094A
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English (en)
Inventor
Toshinori Ishigaki
俊典 石垣
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FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 【構成】二次電池の温度と電圧をA/D変換器41,4
2と電池温度計算部43および電池電圧検出部44を介
して求め、さらに二次電池の温度微分を温度微分計算部
46により計算し、その温度微分値が所定値に達したこ
とをもって満充電として判定したとき急速充電を停止さ
せる充電装置において、電池温度および電池電圧と最適
急速充電電流の関係を格納した最適急速充電電流テーブ
ル49を設け、この最適急速充電電流テーブル49を用
いて電池温度および電池電圧から最適急速充電電流を決
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二次電池の充電装置に係
り、特にニッケルカドミウム二次電池や、ニッケル水素
二次電池などのアルカリ二次電池の急速充電に適した充
電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】二次電池を短時間で充電するための急速
充電器においては、急速充電時に例えば一定の充電電流
を電池に流す方法がとられている。図16は従来の急速
充電器の充電特性であり、充電開始時の電池温度が25
℃のときの充電電流と電池電圧VB および電池温度TB
の時間変化を示している。同図に示すように、1.0C
の一定電流で急速充電が行われる。この充電の進行に伴
い電池電圧VB および電池温度TB は徐々に上昇し、破
線で示す満充電に近づいた時点で電池温度TB は急激に
上昇する。そこで、電池温度TB の単位時間当たりの上
昇量(温度微分)が例えば1℃/分に達したことをもっ
て満充電と判定し、急速充電を停止させ、引き続きトリ
クル充電に移行する。
【0003】このような従来の急速充電器では、電池温
度が十分に低く、かつ電池の充電容量が少ないために、
急速充電電流として1.0Cより大きい例えば2.0C
を流すことによって急速充電時間を短縮できる状況で
も、1.0Cという一定の急速充電電流を流しているた
め、急速充電時間は短縮されないという問題がある。
【0004】一方、充電電流が1.0Cでも電池温度が
例えば40℃と高い状態で急速充電を開始したときは、
充電末期(充電容量が100%に近付いた時)では電池
温度が55℃にも達する。この場合、図6に示した充電
温度(充電時の電池温度)と充電容量との関係から明ら
かなように、充電温度が40℃〜55℃での充電では放
電容量(充電容量)が少なくなってしまうという問題が
ある。また、このように電池温度が充電時に高くなるこ
とは、電池のサイクル寿命を短くする結果ともなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように一定の
充電電流で急速充電を行う従来の急速充電器では、電池
温度が低い場合には急速充電時間が長くなり、また電池
温度が高い場合には充電により電池温度がさらに上がる
ことにより充電容量が大きくとれず、しかもサイクル寿
命が短くなるという問題があった。
【0006】本発明は、このような従来の急速充電器の
問題点を解消するためになされたもので、電池温度が低
い場合の急速充電時間を短縮でき、また電池温度が高い
場合でも充電容量を大きくできるとともにサイクル寿命
を損なうことがない二次電池の充電装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る二次電池の
充電装置は、二次電池の温度を検出する温度検出手段
と、前記温度検出手段により検出された温度に応じて急
速充電電流を増減させ制御する充電制御手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0008】また、本発明に係る二次電池の充電装置
は、さらに二次電池の電圧を検出する電圧検出手段を有
し、充電制御手段は前記温度検出手段により検出された
温度および前記電圧検出手段により検出された電圧によ
り最適急速充電電流を決定して急速充電電流を制御する
構成としたことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明では、二次電池の温度に応じて急速充電
電流が制御される。すなわち、電池温度が比較的低いと
きは急速充電電流を大きくすることにより、急速充電時
間を短縮する。一方、電池温度が比較的高いときは急速
充電電流を小さくすることにより、電池の温度上昇を抑
えて充電容量を大きくとり、かつ電池のサイクル寿命を
短くすることがないようにする。
【0010】また、本発明では電池温度から許容充電電
流を認識し、電池電圧から各電池温度での充電容量を認
識して、これらに基づいて最適急速充電電流を決定する
ことにより、各電池温度において電池の温度上昇を抑え
かつ充電容量を考慮した最適な急速充電電流で充電を行
うことができる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明に係る実施例を示す二次電池の充
電装置の回路構成図である。図1において、電池パック
1はアルカリ二次電池などの二次電池(以下、単に電池
という)2と、この電池2の近傍に配置された温度測定
用のサーミスタ3を筐体内に設けたものである。図1
は、この電池パック1が充電装置4にセットされた状態
を示している。なお、電池パック1が組み込まれた携帯
電話機その他の機器を充電装置4にセットするようにし
てもよい。
【0012】充電装置4は、次のように構成されてい
る。充電装置4には商用交流電源5(例えば100V)
からの電力が入力され、ノイズ除去のためのフィルタ6
を介して整流平滑回路7により直流化された後、トラン
ス8の一次側に与えられる。トランス8の一次側には、
パワーMOSトランジスタからなるスイッチングトラン
ジスタ9が抵抗10を介して接続されている。スイッチ
ングトランジスタ9は、PWM(パルス幅変調)回路1
1の出力によってスイッチングされる。これによりトラ
ンス8の一次側にパルス電流が流れ、トランス8の二次
側にエネルギーが伝達される。トランス8の二次側に生
じた出力は、整流平滑回路12により直流化された後、
急速充電用トランジスタ13、またはトリクル充電用ト
ランジスタ14と抵抗15の直列回路を通り、さらに逆
流防止用ダイオード16を介して、電池2に充電電流と
して供給される。なお、整流平滑回路12の出力はフォ
トカプラ17の発光素子18にも供給され、フォトカプ
ラ17の受光素子19の出力はPWM回路11に入力さ
れる。
【0013】マイクロコントローラ20は、マイクロコ
ンピュータを主体として構成され、急速充電用トランジ
スタ13、トリクル充電用トランジスタ14、フォトカ
プラ17およびLED31の制御を行うものである。こ
のマイクロコントローラ20には、抵抗21とサーミス
タ3との接続点の電圧(以下、サーミスタ電圧という)
Vtと、抵抗22,23により電池2の電圧VB を分圧
した電圧(以下、電池電圧分圧値という)Vbが入力さ
れている。
【0014】抵抗24〜29および演算増幅器30は、
充電電流を一定にする制御を行うために設けられてい
る。演算増幅器30の反転入力端子には、充電路に直列
に挿入されて充電電流を検出する抵抗24の端子電圧が
抵抗27を介して入力され、非反転入力端子には+5V
の電源電圧を抵抗25,26により分圧した電圧(基準
電圧)が抵抗28を介して入力される。抵抗25,2
6,28の接続点Aには、マイクロコントローラ20の
ポートP0と、ポートP1〜P3に一端が接続された抵
抗28a〜28cの他端が接続されている。演算増幅器
30の反転入力端子と出力端子との間には抵抗29が接
続され、抵抗27と抵抗29により演算増幅器30の利
得が決定される。演算増幅器30の出力端子は、フォト
カプラ17の発光素子18の整流平滑回路12の出力端
子に接続された側と反対側に接続されている。このよう
な構成により、演算増幅器30の反転入力端子と非反転
入力端子の電位が等しくなるようにフィードバック制御
が施される。
【0015】例えば、電池2の充電電流が大きく、電流
検出用抵抗24の端子電圧が大きいときは、演算増幅器
30の非反転入力端子より反転入力端子の方が高電位と
なるため、演算増幅器30の出力電圧は低くなり、発光
素子18に流れる電流が増大する。この結果、PWM回
路11の出力パルス幅、つまりスイッチングトランジス
タ9のオン時間幅が短くなり、トランス8の二次側に伝
達されるエネルギーが減少して、充電電流が小さくな
る。
【0016】逆に、電池2の充電電流が小さいときは、
演算増幅器30の非反転入力端子より反転入力端子の方
が低電位となるため演算増幅器30の出力電圧は高くな
り、発光素子18に流れる電流が減少するため、PWM
回路11の出力パルス幅、つまりスイッチングトランジ
スタ9のオン時間幅が長くなり、トランス8の二次側に
伝達されるエネルギーが増加することにより、充電電流
は大きくなる。
【0017】このようにして、充電電流に応じた抵抗2
4の端子電圧と抵抗25,26により得られた基準電圧
とが等しくなるようにフィードバック制御が行われ、充
電電流が定電流制御される。
【0018】ここで、マイクロコントローラ20のポー
トP0からは充電スタート信号53が出力され、ポート
P1〜P3からは急速充電時に流すべき電流(急速充電
電流)に応じた急速充電電流制御信号54a〜54cが
出力される。急速充電電流は例えば3.0C,,2.0
C,1.0C,0.6Cとする。ポートP0が“H”レ
ベルとなると急速充電が開始され、A点の電圧が0から
+電圧になることにより電池2に充電電流が流れ始め
る。
【0019】今、ポートP1〜P3が全て“H”レベル
とすると、A点の電圧は+5Vを抵抗25,26で分圧
した電圧となって最も高電圧となり、A点の電圧とB点
の電圧とが等しくなるようにフィードバックがかかる。
この場合、急速充電電流が3.0Cとなるように抵抗2
5,26,27の値を設定する。次に、ポートP1〜P
3のうちP1のみを“L”レベルにすると、A点の電圧
は+5Vを抵抗26と、抵抗25,28aを並列接続し
たときの分圧電圧となり、急速充電電流が3.0Cのと
きの電圧より下がる。このとき、急速充電電流が2.0
Cとなるように抵抗28aの値を設定する。次に、ポー
トP1〜P3のうちP2のみを“L”レベルにすると、
A点の電圧は+5Vを抵抗26と、抵抗25,28bを
並列接続したときの分圧電圧となり、このとき急速充電
電流が1.0Cとなるように抵抗28bの値を設定す
る。同様に、ポートP1〜P3のうちP3のみを“L”
レベルにすると、A点の電圧は+5Vを抵抗26と、抵
抗25,28cを並列接続したときの分圧電圧となり、
このとき急速充電電流が0.6Cとなるように抵抗28
cの値を設定する。
【0020】このように、ポートP1〜P3を全て
“H”レベルとするか、または選択的に“L”レベルと
することにより、急速充電電流を3.0C,2.0C,
1.0C,0.6Cの4段階に切り替えることができ
る。
【0021】一方、急速充電により電池2が満充電近く
になると、電池温度が急激に上昇する。そこで、後述す
るように電池2の単位時間当たりの上昇量(温度微分)
が例えば1℃/分に達した時点で満充電と判定し、ポー
トP0を“L”レベルとすることにより、急速充電電流
を停止させる。
【0022】マイクロコントローラ20は、マイクロコ
ンピュータを用いたソフトウェア処理によって制御を行
うものである。図2に、マイクロコントローラ20の機
能ブロック図を示す。
【0023】図2において、サーミスタ電圧Vtおよび
電池電圧分圧値VbはA/D変換器41,42によりそ
れぞれディジタル値に変換された後、電池温度計算部4
3および電池電圧検出部44にそれぞれ入力され、電池
温度TB および電池電圧VBが求められる。電池温度計
算部43の出力は、電池温度判定部45と温度微分計算
部46に入力される。電池温度判定部45は、電池電圧
がどのような温度範囲にあるかを判定するものである。
温度微分計算部46は、電池の温度微分、つまり単位時
間当たりの温度上昇量を求めるものである。電池電圧検
出部44の出力は、電池状態判定部47に入力される。
電池状態判定部47は、電池電圧から電池2が正常かど
うかを判定するものである。A/D変換器41の出力
は、電池パックセット検出部48にも入力される。電池
パックセット検出部48は、電池パック1が充電装置4
にセットされているかどうかを検出するものである。
【0024】A/D変換器41、電池温度判定部45、
温度微分計算部46、電池状態判定部47および電池パ
ックセット検出部48の出力は充電制御部50に入力さ
れ、充電制御部50はこれらの出力に基づいて、急速充
電用トランジスタ13への急速充電制御信号51、トリ
クル充電用トランジスタ14へのトリクル充電制御信号
52、およびポートP0への充電スタート信号53を発
生する。
【0025】さらに、充電制御部50は電池温度計算部
43で求められた電池温度と、電池電圧検出部44で検
出された電池電圧に基づいて最適急速充電電流テーブル
49を用いて急速充電時の最適急速充電電流を決定し、
それに基づいてポートP1〜P3への急速充電電流制御
信号54a〜54cを発生する。
【0026】次に、図3に示すフローチャートを参照し
て本実施例の動作を説明する。まず、サーミスタ電圧V
tがA/D変換器41を介して読み込まれる(ステップ
101)。電池パック1が充電装置4にセットされる
と、サーミスタ電圧Vtはそれまでの+5Vからサーミ
スタ3と抵抗21との分圧によって低下する。ここで、
サーミスタ電圧Vtが所定値(例えば、4.8V)以下
になると、電池パックセット検出部48によって電池パ
ック1が充電装置4にセットされたことが検出される
(ステップ102)。
【0027】ステップ102において電池パック1のセ
ットが検出されると、電池温度計算部43によりサーミ
スタ電圧Vtが温度データに変換されて電池温度TB が
計算され(ステップ103)、次いで電池温度判定部4
5により電池温度TB が0℃以上、かつ40℃以下の範
囲にあるかどうかが判定される(ステップ104)。電
池温度TB が0℃≦TB ≦40℃の範囲に入ると、引き
続いて充電制御部50から出力されるトリクル充電制御
信号52が“L”レベルとなることにより、トリクル充
電用トランジスタ14がオンとなって、トリクル充電が
行われる(ステップ105)。この後、電池電圧分圧値
VbがA/D変換器42を介して読み込まれ(ステップ
106)、電池電圧検出部44により電池電圧VB が求
められ、さらに電池状態判定部47によって電池電圧V
B から電池2が正常かどうかが判定される(ステップ1
07)。具体的には、単セル当りの電池電圧VB が1.
0≦VB ≦1.7Vの範囲内のとき電池2は正常と判定
される。ここで、電池2が正常でなければ処理は終了
し、急速充電は行われない。
【0028】電池2が正常の場合は、読み込まれた電池
温度VB と電池電圧VB に基づいて最適急速充電電流が
決定される(ステップ108)。そして、充電制御部5
0から出力される急速充電制御信号51が“L”レベル
となることによって、急速充電用トランジスタ13がオ
ンになると共に、充電スタート信号53が“L”レベル
とされ、さらにステップ108で決定された最適急速充
電電流に従って、ポートP1〜P0のレベルが設定され
ることによって、急速充電が行われる(ステップ10
9)。この間、LED31がマイクロコントローラ20
により制御されて点灯し、急速充電が行われていること
を示す。また、この急速充電中、充電電流は前述したフ
ィードバック制御によって一定に保たれる。さらに、こ
の急速充電中電池温度VB と電池電圧VB が繰り返し読
み込まれ、それに基づいて最適急速充電電流が更新され
る。
【0029】そして、この急速充電の間、温度微分計算
部46によって電池温度TB の温度微分、つまり単位時
間(例えば1分)当たりの温度上昇量が計算され、この
温度微分値が所定値(例えば1℃/分)以上となると電
池2は満充電と判定される(ステップ110)。電池2
が満充電と判定されると、急速充電制御信号51および
充電スタート信号53が共に“H”レベルとなることに
より、急速充電は終了する。
【0030】次に、最適急速充電電流の決定方法につい
て具体的に説明する。本実施例における最適急速充電電
流の決定に関する基本的な考え方は、(1) 急速充電電流
を例えば1.0C以上流すことのできる領域では、急速
充電電流をそれより大きくして急速充電時間を短縮す
る、(2) 電池温度が上昇し過ぎるときは、充電容量が少
なくなり、かつサイクル寿命が短くなるため、逆に充電
電流を小さくして電池温度が上がらないようにする、と
いうものである。
【0031】図4は、電池の充電容量による許容充電電
流の変化を電池温度をパラメータとして示したものであ
る。同図に示されるように、電池温度により許容充電電
流が変化する。例えば電池温度が低い領域(0℃,5
℃)では、許容充電電流は小さい。これは充電電流を流
した時のガス発生に対し、電極へのガス吸収の化学反応
速度が温度が低いほど低下するためである。また、充電
容量が80%以上の領域ではガス発生が多くなって電池
の内圧が増加し、開弁となる可能性が出てくるためであ
る。ここで言えることは、電池温度が5℃〜0℃といっ
た低温になるほど充電電流を小さくする必要があるこ
と、80%以上の充電容量では充電電流を減少させない
とガス発生による内圧増加による開弁の可能性が生じて
くるということである。
【0032】図5の曲線500は、各電池温度に対する
許容充電電流の変化を示したものである。同図に示され
るように、電池温度が−10℃〜0℃の温度域では充電
電流を流した時のガス発生の吸収が低温のために少ない
ので内圧が上がり、開弁の可能性が高いことから、許容
充電電流は小さい。電池温度が40℃以上で許容充電電
流が減少するのは、高温になるほど充電効率の悪化と発
熱により許容充電電流が制限されることによる。また、
図5の曲線500が15℃より0℃に向かって充電電流
が下がっているのは、充電電流によるガス発生の吸収反
応が電池温度により影響されるためであり、0℃に近付
くほどガス吸収反応が遅くなるために、充電電流が大き
いとガス発生量の方がガス吸収を上回るため、電池内圧
が上がり開弁となるからである。なお、図5の直線50
1〜504は、本発明における各電池温度でのある安全
を見たマージンを持った許容充電電流を示している。
【0033】図6は、充電温度に対する放電容量の変化
を充電電流をパラメータとして示したものである。同図
に示されるように、充電時の周囲温度が30℃を越える
と充電容量(放電容量に等しい)が100%とれなくな
る。充電温度60℃では充電電流3Cで80%、1Cで
70%しか充電容量はとれなくなる。図6によれば、充
電容量は充電電流が大きいほど多くとれることを示して
いるが、電池温度が高温になるほど(特に45℃以上)
充電容量が十分にとれなくなるので、充電電流の制御に
際して電池温度が高い時は充電電流を小さくし、電池温
度を上げないようにする必要がある。なお、図9で急速
充電電流と電池温度との関係を示すように、充電電流が
小さいと電池温度上昇が少ない。
【0034】図7は、充電量と電池電圧の関係を充電電
流をパラメータとして示したものである。また図8は、
充電量と電池電圧の関係を電池温度をパラメータとして
示したものである。これら図7および図8の特性は、あ
る電池温度、ある充電電流での電池電圧より充電容量を
知り、それに基づいて最適急速充電電流を決定し、急速
充電電流の切り替え制御を行うために使用される。
【0035】図9は、充電電流を可変したときの充電時
間と電池温度の関係を示したものである。同図に示され
るように、充電電流を大きくするほど電池温度の上昇は
大きくなり、その温度上昇は満充電に近付くほど顕著と
なる。
【0036】以上のことを踏まえて、図3に示したフロ
ーチャートにおける最適急速充電電流決定ステップ10
8の処理について詳しく説明する。図10〜図12は、
図3の最適急速充電電流決定ステップ108〜満充電判
定ステップ110の処理内容をより詳しく示すフローチ
ャートであり、図13〜図15は、本実施例で使用する
電池温度に応じた種々の充電電流パターンの急速充電特
性を示している。
【0037】まず、図10に示すように電池温度TB を
読み込み、0℃≦TB ≦15℃の範囲に入るか否かを調
べる(ステップ202)。電池温度TB が0℃≦TB ≦
15℃の範囲に入ると、図13に示す第1の充電電流パ
ターンIで急速充電を行う(ステップ203)。この場
合、充電電流として0.6Cの定電流を流し、この状態
で電池電圧VB と電池温度TB を読み込んだ後、電池電
圧VB の温度補正を行う。すなわち、読み込んだ電池電
圧VB を20℃において0.6Cの定電流で充電を行っ
たときの電池電圧として補正する。
【0038】次に、TB <3℃か否かを調べ(ステップ
204)、TB <3℃であれば引き続き1.0V≦VB
≦1.7Vか否かを調べ(ステップ205)、VB が
1.0V≦VB ≦1.7Vの範囲に入っていればステッ
プ202に戻り、この範囲に入っていなければVB が異
常と判断して充電エラー処理を行う。但し、このステッ
プ205の判定結果では、充電電流の切り替えを行わな
い。何故なら、図5の0℃〜3℃の範囲では直線501
に示されるように0.6Cの充電電流しか流せないから
である。また、この0.6Cの充電電流は図13の期間
t1に対応している。0.6Cの充電電流が流れると、
図13に示されるように電池温度TB は低いながらも次
第に上昇していき、電池電圧VB も上昇していく。
【0039】そして、TB =3℃になると、処理はステ
ップ204からステップ206に移り、3℃≦TB ≦7
℃か否かを調べる。通常、TB は3℃≦TB ≦7℃の範
囲に入るため、処理はステップ207に進み、1.0C
の充電電流を流してTB を計算し、VB を読み込んで先
と同様にVB の温度補正を行う。なお、図5の直線50
2より、TB =3℃〜7℃の範囲では1.0Cの充電電
流を流してもよい。
【0040】ステップ206においてTB が3℃≦TB
≦7℃の範囲に入らない場合には、ステップ208に移
り、さらにTB が7℃≦TB ≦14℃の範囲に入るか否
かを調べる。そして、TB がこの範囲にも入らない場合
には、次にステップ209で1.0℃≦VB ≦1.7V
の範囲にあるか否かによって電池電圧VB の異常を調
べ、この範囲に入ればステップ206に戻り、入らなけ
れば充電エラー処理を行う。なお、ステップ206〜2
09のループは、図13の期間t2に対応している。こ
の期間t2では、TB およびVB は共に上昇している。
【0041】ステップ208においてTB <7℃になる
と、処理は図11のステップ210に進み、今度は図1
3の期間t3に示されるように2.0Cの充電電流を流
してTB を計算し、VB を読み込んでVB の温度補正を
行う。次いで、ステップ211において1.45V≦V
B となったとき、図7より充電電流2.0C、TB =2
0℃での電池電圧はVB =1.45Vは充電容量が75
%であることを意味するため、充電容量が75%以上で
は充電電流を1.0Cとする(ステップ215)。そし
て、充電容量が100%で電池温度の温度微分が1℃/
分以上となったことをもって満充電と判定する。
【0042】TB が15℃以上になる前でも、VB ≧
1.5Vになると充電容量が75%以上になるため、ス
テップ213で3.0Cの充電電流を流すことなくステ
ップ215に進む。通常はステップ212でTB >15
℃となるため、ステップ213に進み、図13の期間t
4で示されるように3.0Cの充電電流を流し、TB を
計算し、VB を読み込んで先と同様にVB の温度補正を
行う。
【0043】そして、ステップ214でVB ≦1.48
Vか否かを調べ、VB ≦1.48Vであれば(これは図
7より充電電流3.0C、VB ≦1.48Vでの充電容
量は75%を意味する)ステップ215に進み、1.0
Cの充電電流を流す。すなわち、図13の期間t4から
t5に移る。この期間t5では電池温度TB は図13に
示されるように急激な上昇を示し、温度微分が1℃/分
を越えて満充電が判定されるため、充電電流1.0Cの
供給を停止し、図13の期間t6に示されるトリクル充
電に移行する。
【0044】以上が電池温度TB が15℃以下の場合の
急速充電動作である。この場合、図13に示されるよう
に電池温度が上がるに従って充電電流を大きくすること
によよって、短時間の急速充電を可能とする。
【0045】次に、電池温度TB が15℃<TB ≦40
℃の場合の急速充電動作について説明する。図10のス
テップ201で0℃≦TB ≦15℃の範囲に入らない場
合は図12のステップ216に進み、15℃≦TB ≦4
0℃の範囲に入るか否かを調べる。ここでは、TB >1
5℃であるため、最初から図14に示す第2の充電電流
パターンIIで期間t1に示されるように3.0Cという
大きな充電電流を流して電池電圧VB を読み込み、電池
温度TB を計算し、先と同様にVB の温度補正を行う
(ステップ217)。このとき、TB およびVB は共に
上昇する。
【0046】次に、ステップ218でVB ≧1.45V
か否かを調べ(これは、図7において3.0C、20
℃、50%充電容量か否かを調べることに相当する)、
VB ≧1.45Vであればステップ219に進み、2.
0Cの充電電流を流して電池電圧VB を読み込み、電池
温度TB を計算し、先と同様にVB の温度補正を行う。
続いて、ステップ220で充電電流2.0C、電池温度
20℃、充電容量75%に相当するVB ≦1.47Vか
否かを調べ、VB ≦1.47Vでなければステップ21
9に戻る。このステップ219〜220のループは、図
14の期間t2に相当する。
【0047】そして、ステップ220でVB ≦1.47
Vになるとステップ221に進み、1.0Cの充電電流
を流して電池温度TB を計算し、電池電圧VB を読み込
み、先と同様にVB の温度補正を行い、さらに1.0C
の充電電流を流す(ステップ222)。この状態で、電
池温度の温度微分が1℃/分以上か否かを調べて満充電
を判定する。
【0048】以上が電池温度TB が15℃≦TB ≦40
℃の場合の急速充電動作である。この場合、図14に示
されるように最初から3.0C、2.0Cといった大電
流で充電を行うため、25分という短時間で急速充電が
可能となっている。
【0049】次に、電池温度TB が40℃<TB ≦45
℃の場合の急速充電動作について説明する。図12のス
テップ216で15℃<TB ≦40℃の範囲に入らない
場合はステップ223に進み、40℃<TB ≦45℃の
範囲に入るか否かを調べる。ここではTB >40℃であ
るため、図15に示す第3の充電電流パターンIII で期
間t1に示されるように0.6Cという比較的小さな充
電電流を流し、電池電圧VB を読み込み、電池温度TB
を計算し、先と同様にVB の温度補正を行うことによ
り、電池の温度上昇を避けるようにする。なお、充電電
流を0.6C以下にしてもよく、その場合は充電時間が
長くなるが、電池の温度上昇はより小さくなる。
【0050】次に、ステップ225でVB ≧1.41V
か否かを調べ(これは、図7において、0.6C、20
℃で75%充電容量か否かを調べることに相当する)、
VB≧1.41Vであればステップ222に進み、1.
0Cの充電電流を流し、電池温度の温度微分が1℃/分
以上か否かを調べて満充電を判定する。
【0051】次に、図10〜図12のフローチャート上
における電池電圧VB の温度補正の具体的な方法につい
て説明する。この電池電圧の温度補正は、前述したよう
に読み込んだ電池電圧を例えば20℃での電池電圧に補
正することを意味する。例えば、図8は0.6Cの充電
電流電流での充電容量と電池電圧との関係を電池温度を
パラメータとして示したものである。図2中の最適急速
充電電流テーブル49には、3Cの充電電流、50%充
電容量、15℃,20℃,30℃,40℃の各電池温度
での電池電圧を格納しておく。また、2C,1C,0,
6Cの各充電電流での75%充電容量、0℃,10℃,
20℃,30℃,40℃,50℃の各電池温度での電池
電圧も同様に最適急速充電電流テーブル49に格納して
おく。そして、各電池温度と電池電圧との相関をとり、
20℃に換算した電池電圧を求め、図10〜図12のフ
ローチャート上でのVB と比較するようにする。
【0052】また、図10〜図12のフローチャートで
の図3のステップ110に相当する満充電の判定は、充
電容量75%で常に1.0Cの充電電流を流して温度微
分を検知することで行っている。これは、1.0C以上
の充電電流で満充電にすると、充電容量100%近くに
なると電池内部でのガス発生が大きくなるためであり、
許容充電電流が図4に示したように充電容量80〜10
0%で減少していることと、温度微分として1℃/分が
安定して得られるためには、充電容量75%の時点で充
電電流を1.0Cに切り替え、ある程度の時間にわたり
1.0Cの充電電流で充電する必要があるからである。
【0053】さらに、上記説明では温度微分が1℃/分
になったか否かによる満充電の判定を充電容量が75%
の以降行ったが、温度微分の検出による満充電の判定を
充電容量が0〜100%の全ての領域において行うとき
は、図9に充電電流が3.0C,2.0C,1.0C,
0.6Cのときの電池の温度上昇特性を示したように、
各充電電流の値によって、1分間当たりの温度上昇量が
1℃のみでなく、例えば充電電流3.0Cのときは2.
0℃/分、充電電流が2Cのときは1.5℃/分のよう
に温度微分値を可変して満充電を判定することが好まし
い。
【0054】なお、上記実施例では電池温度を0〜15
℃、15〜40℃、40〜45℃の温度域に分け、それ
ぞれの温度域において図13、図14、図15にそれぞ
れ示した一定の充電電流パターンを設定するようにした
が、図4〜図9から分かるように電池温度と充電容量に
より最適の充電電流を流す論理を採用することも可能で
ある。
【0055】また、図2ではマイクロコントローラ20
の出力ポートで抵抗24a〜24cを選択的に用いるこ
とにより充電電流を可変するようにしたが、充電電流の
可変は別の構成で行ってもよい。さらに、充電電流の可
変ステップ数も、3.0C,2.0C,1.0C,0.
6Cの4段階に限らず、2段階または3段階、あるいは
5段階以上であってもよい。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば電
池温度が比較的低いときは急速充電電流を大きくしする
ことで急速充電時間を短縮し、電池温度が比較的高いと
きは急速充電電流を小さくすることで電池の温度上昇を
抑えて充電容量を大きくとり、かつ電池のサイクル寿命
を短くすることがないようにすることができる。
【0057】さらに、電池温度から許容充電電流を認識
し、電池電圧から各電池温度での充電容量を認識して、
これらに基づいて最適急速充電電流を決定することによ
り、各電池温度において電池の温度上昇を抑えかつ充電
容量を考慮した最適な急速充電電流で充電を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る二次電池の充電装置の
回路構成図
【図2】図1におけるマイクロコントローラの機能ブロ
ック図
【図3】同実施例の動作を説明するためのフローチャー
【図4】電池の充電容量による許容充電電流の変化を電
池温度をパラメータとして示す図
【図5】各電池温度に対する許容充電電流の変化と各電
池温度でのマージンを持った許容充電電流を示す図
【図6】充電電流に対する放電容量の変化を充電電流を
パラメータとして示す図
【図7】充電容量と電池電圧の関係を電池電圧を充電電
流をパラメータとして示す図
【図8】充電容量と電池電圧の関係を電池温度をパラメ
ータとして示す図
【図9】充電電流を可変したときの充電時間と電池温度
の関係を示す図
【図10】図3の最適急速充電電流決定ステップおよび
満充電判定ステップの処理内容の一部を詳細に示すフロ
ーチャート
【図11】図3の最適急速充電電流決定ステップおよび
満充電判定ステップの処理内容の他の一部を詳細に示す
フローチャート
【図12】図3の最適急速充電電流決定ステップおよび
満充電判定ステップの処理内容のさらに別の一部を詳細
に示すフローチャート
【図13】同実施例における第1の充電電流パターンを
有する電池温度に応じた急速充電特性を示す図
【図14】同実施例における第2の充電電流パターンを
有する電池温度に応じた急速充電特性を示す図
【図15】同実施例における第3の充電電流パターンを
有する電池温度に応じた急速充電特性を示す図
【図16】従来の急速充電特性を示す図
【符号の説明】
1…電池パック 2…二次電池 3…サーミスタ 4…充電装置 5…商用交流電源 6…フィルタ 7…整流平滑回路 8…トランス 9…スイッチングトランジスタ 11…パルス幅変調
回路 12…整流平滑回路 13…急速充電用
トランジスタ 14…トリクル充電用トランジスタ 16…逆流防止用
ダイオード 17…フォトカプラ 20…マイクロコ
ントローラ 30…演算増幅器 32…放電用トラ
ンジスタ 41…A/D変換器 42…A/D変換
器 43…電池温度計算部 44…電池電圧検
出部 45…電池温度判定部 46…温度微分計
算部 47…電池状態判定部 48…電池パック
セット検出部 49…最適急速充電電流テーブル 50…充電制御部 51…急速充電制御信号 52…トリクル充
電制御信号 53…充電スタート信号 54a〜54c…
急速充電電流制御信号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二次電池を急速充電する機能を備えた充電
    装置において、 前記二次電池の温度を検出する温度検出手段と、 前記温度検出手段により検出された温度に応じて急速充
    電電流を増減させ制御する充電制御手段とを備えたこと
    を特徴とする二次電池の充電装置。
  2. 【請求項2】二次電池を急速充電する機能を備えた充電
    装置において、 前記二次電池の温度を検出する温度検出手段と、 前記二次電池の電圧を検出する電圧検出手段と、 前記温度検出手段により検出された温度および前記電圧
    検出手段により検出された電圧により最適急速充電電流
    を決定して急速充電電流を増減させ制御する充電制御手
    段とを備えたことを特徴とする二次電池の充電装置。
JP10001094A 1994-05-13 1994-05-13 二次電池の充電装置 Pending JPH07308031A (ja)

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