JPH0730746U - 椅子兼用型ザック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハイキングや登山あるいは野外キャンプの際
に使用して好適な椅子兼用型のザックを提供する。 【構成】 ザック本体１における背負面４の下端部に、
シート部材３の一側部を取付ける。シート部材３の自由
端６側の内面とザック本体１の背負面４の上端部に一対
の係着具７Ａ，７Ｂをそれぞれ付設する。シート部材３
の自由端６側両端とザック本体１の背負面４上部両端の
間に長さ調節自在なテープ状部材８，８を取付けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はハイキングや登山あるいは野外キャンプ等の際に使用して好適な椅子 兼用型のザックに関するものである。

【０００２】

【考案の目的】

ハイキングや登山の際には所定時間行動後休憩をとることが多い。しかしなが ら、休憩場所に適当な寄り掛かることのできる立木や岩等がない場合には体を楽 にして休憩することができないと共に、休憩の都度尻の下に敷くシート類をザッ ク本体の内部から取り出さなければならず大変に煩わしいものであった。 また、野外キャンプ等に際しては野営地において腰掛けることが多く、そのた め従来はランタンや炊事道具のような野営道具の他に折り畳み式の簡易椅子をザ ック本体内に入れて携行することがあったが、これによると荷物の量が増加して 負担が大きくなるという不具合があった。

【０００３】 本考案者は前記した従来の不具合点を解決すべく種々検討した結果、背負い具 としてのザックに着目し、当該ザックに本来の収納機能の他に、椅子としての機 能、すなわち腰掛け、且つ背当てに寄り掛かることのできる機能を付加すれば、 別途にシート類や折り畳み式の簡易椅子を携行する必要がなくなり、休憩の都度 シート類を取り出す手間も省くことができることを見出し本考案を完成するに到 った。 従って、本考案の目的は、ザック本体に展開状態において座部となるシート部 材を付設し、休憩場所に寄り掛かることのできるようなものがない場合でも体を 楽にして休憩をとることができるようにすると共に、野営地においても椅子とし て有効に使用し得るようになした椅子兼用型のザックを提供することにある。

【０００４】

【考案の構成】

前記目的を達成するための本考案の構成を詳述すれば、請求項１に係る考案は 、ザック本体における背負面の下端部に、展開したとき座部となる矩形状乃至方 形状をなすシート部材の一側部を縫着等により取付けると共に、当該シート部材 の自由端側の内面とザック本体の背負面の上端部に一対の係着具を付設し、且つ 前記シート部材の自由端側両端とザック本体の背負面上部両端の間に長さ調節自 在なテープ状部材を縫着等でそれぞれ取付けたことを特徴とする椅子兼用型ザッ クであり、また、請求項２に係る考案は、シート部材を袋状に形成し、当該袋状 シート部材の内部にクッション材を封入してなる請求項１記載の椅子兼用型ザッ クである。

【０００５】 本考案によれば、背負って徒行の際にはシート部材の自由端側を一対の係着具 によってザック本体の背負面の上部に係着させておくことができ、この状態では 何ら通常のザック本体と変わるところがないと共に、シート部材を袋状となし、 当該袋状シート部材の内部にクッション材を封入した場合には徒行者の背中に当 該クッション材が作用して非常に背負い易いザックとなるものである。 一方、休憩時や野営地においては、ザック本体を置いてから背負面に係着して あるシート部材の自由端側をザック本体から引き離し、シート部材をグラウンド に展開させる。そして、シート部材の自由端側両端に取付けてあるテープ状部材 の長さを適宜調節してザック本体との角度を設定し、シート部材の上に腰掛ける ものであり、その際シート部材には腰掛ける者の体重が掛かるので、テープ状部 材にテンションが掛かりザック本体を引っ張る力が作用するので、腰掛ける者は その背中をザック本体に寄り掛けることができるものである。 したがって、本考案によれば一種の座椅子と同様の機能を奏することとなり、 野営地や登山中の休憩時に非常に大きな効果を発揮するものである。なお、休憩 場所が傾斜地のような場合には少々高い位置に前記したようにしてシート部材を 展開させれば、通常の椅子と同じようにして腰掛けることもできるものである。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案椅子兼用型ザックの具体的構成を図示の実施例に基づき詳細に説 明する。 図１はシート部材を展開した状態の本考案椅子兼用型ザックの一実施例を示す 斜視図、図２は図１のＡ−Ａ線に沿った断面図、図３はシート部材をザック本体 の背負面に係着した状態の本考案椅子兼用型ザックの一実施例を示す斜視図であ り、図中１は背負いベルト２によって背負うことができるようになしたザック本 体を示す。

【０００７】 ３は背負いベルト２の付設されたザック本体１における背負面４に開閉可能に 付設したシート部材である。シート部材３はザック本体１の背負面４の全体を覆 い得るだけの大きさに形成するとよく、背負面４が矩形状をなしている場合には 、これに対応してシート部材３も矩形状に形成するとよいものである。 なお、図示する実施例ではザック本体１の背負面４が矩形状となっているので 、これに対応するようシート部材３も矩形状としてあるが、背負面４が方形状と なっている場合にはこれに対応するようシート部材３の形状も方形状にするもの である。しかしながら、シート部材３の形状は特に重要ではなく、矩形状をなす ザック本体１の背負面４に対し、方形状のシート部材３を付設するようにしても よいのは勿論である。 シート部材３はたとえば厚手の帆布等からなる単層状のものとしてもよいが、 図２に示すようにシート部材３を袋状に形成し、当該袋状シート部材３内に合成 樹脂発泡体等からなるクッション材５を封入した複層状のものとしてもよいもの である。また、特に図示しないがザック本体１の背負面４の内側にも合成樹脂発 泡体等からなるクッション材を添着しておくと、後述するように寄り掛かったと きの感触が一層良好となるものである。

【０００８】 前記したシート部材３は、その一側部をザック本体１の背負面４の下端部に縫 着、あるいは場合により溶着等により取付ける。そして、シート部材３の自由端 ６をザック本体１の背負面４の上部に係着させるため、シート部材３の自由端６ 側の内面と、ザック本体１の背負面４の上端部に、対となる係着具７Ａ，７Ｂを 付設する。係着具７Ａはたとえば先端を鉤状に折り曲げた雄係着子の多数を植設 したものとなし、一方、係着具７Ｂは前記雄係着子が係着し得る雌係着片となし た所謂マジックファスナー（登録商標）が好適に用いられるが、単純なスナップ ボタンのようなものとしてもよいのは勿論である。また、図示する実施例ではシ ート部材３の自由端６側の左右に分けて係着具７Ａ，７Ａを付設すると共に、こ れに対応するよう背負面４の上部にも係着具７Ｂ，７Ｂを分断して付設するよう にしているが、シート部材３の自由端６に沿って長尺状となした係着具７Ａを付 設し、且つザック本体１の背負面４の上部にも長尺状となした係着具７Ｂを付設 するようにしてもよいのは勿論である。

【０００９】 次に、図中の８は前記シート部材３の自由端６側の左右両端と、ザック本体１ の背負面４の上部両端の間に掛け渡したテープ状部材であり、当該テープ状部材 ８は公知のコキ９等により長さの調節が自在となっている。このテープ状部材８ ，８は、展開したシート部材３に腰掛けてザック本体１の背負面４に寄り掛かる とき、ザック本体１を安定させる機能を果たすものである。すなわち、シート部 材３に腰掛けるに際し、テープ状部材８，８がシート部材３とザック本体１の間 に介在しない場合には、寄り掛かろうとするとザック本体１は後方に倒れてしま うが、展開状態のシート部材３とザック本体１の間に前記したようにテープ状部 材８，８を掛け渡してあると、腰掛ける者の体重がシート部材３に掛かるのでテ ープ状部材８，８がザック本体１を支承することとなり、ザック本体１は安定状 態となり腰掛ける者の背中を受け止めるので登山者は楽な姿勢で休憩をとること ができるようになるものである。

【００１０】 その他、図中の１０はザック本体１の背負面４の上部中央付近に取付けたテー プ収納バンドであり、ザックとして使用する際に前記テープ状部材８，８をこの 収納バンド１０により纏めておき、テープ状部材８，８がザック本体１外にはみ 出るのを防止する作用をなす。

【００１１】 本考案は以上のような構成からなり、たとえばハイキング中に休憩をとろうと するときには、ザック本体１を置いてから背負面４に係着してあるシート部材３ の自由端６側をザック本体１から引き離し、シート部材３をグラウンドに展開さ せる。そして、シート部材３の自由端６側両端に取付けてあるテープ状部材８， ８の長さをコキ９等の調節によりザック本体１との角度を設定し、シート部材３ の上に腰掛けるものであり、その際シート部材３には腰掛ける者の体重が掛かる ので、テープ状部材８，８にテンションが掛かりザック本体１を引っ張る力が作 用するので、腰掛ける者はその背中をザック本体１の背負面４に寄り掛けること ができるものである。なお、シート部材３の内部にクッション材５を封入すると 共に、ザック本体１の背負面４の内側にもクッション材を添着した場合には、非 常に座り心地が良好となり、楽な姿勢で体を休めることができるものである。

【００１２】

【考案の効果】

このように、本考案はザック本体に本来の収納機能の他に椅子としての機能を 付加したもので、休憩場所に適当な寄り掛かることのできる立木や岩等がない場 合でも、簡単且つ迅速にシート部材をザック本体の背負面から外して展開させ背 中をザック本体の背負面に寄りかけて楽な姿勢で休憩をとることができるもので ある。また、従来のように休憩の都度尻に敷くシート類をザック本体から取り出 すという手間を省くことができると共に、シート部材内にクッション材を封入し た場合にはザックとして背負う場合、当該クッション材が背中に作用して非常に 背負い易いザックとなるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】シート部材を展開した状態の本考案ザックの一
実施例を示す斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿った断面図である。

【図３】シート部材をザック本体の背負面に係着させた
状態の本考案ザックの一実施例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１：ザック本体 ２：背負いベルト ３：シート部材 ４：背負面 ５：クッション材 ６：自由端 ７Ａ：係着具 ７Ｂ：係着具 ８：テープ状部材 ９：コキ １０：テープ収納バンド

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ザック本体における背負面の下端部に、
   展開したとき座部となる矩形状乃至方形状をなすシート
   部材の一側部を縫着等により取付けると共に、当該シー
   ト部材の自由端側の内面とザック本体の背負面の上端部
   に一対の係着具を付設し、且つ前記シート部材の自由端
   側両端とザック本体の背負面上部両端の間に長さ調節自
   在なテープ状部材を縫着等でそれぞれ取付けたことを特
   徴とする椅子兼用型ザック。
2. 【請求項２】 シート部材を袋状に形成し、当該袋状シ
   ート部材の内部にクッション材を封入してなる請求項１
   記載の椅子兼用型ザック。