JPH073073A - 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法

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JPH073073A
JPH073073A JP14769593A JP14769593A JPH073073A JP H073073 A JPH073073 A JP H073073A JP 14769593 A JP14769593 A JP 14769593A JP 14769593 A JP14769593 A JP 14769593A JP H073073 A JPH073073 A JP H073073A
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JP
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specific gravity
thermoplastic elastomer
thickness
glass balloon
elastomer composition
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JP14769593A
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Inventor
Takahiro Iino
恭弘 飯野
Yasusuke Matsushima
庸介 松島
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 肉薄部分を有する製品においても、比重を低
下させることができるとともに、剪断応力が加わる成形
方法によっても、比重の小さい製品を製造することので
きる熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法を
提供する。 【構成】 ショア押込硬度が、55D以下の熱可塑性エ
ラストマーに、真比重が0.7以下で、耐圧強度が50
kg/cm2 以上の軽量フィラーを配合した熱可塑性エラス
トマー組成物とその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車などの車両分
野、電機・家電・OA機器分野、建築・土木分野、スポ
ーツ製品分野などにおいて、好適に使用される軽量でか
つ強度の高い熱可塑性エラストマー組成物およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【先行技術】近年、エネルギーの省力化などの目的で、
材料の軽量化が要求されている。たとえば、自動車分野
においては、CAFE規制により、車両の一層の軽量化
のため、車両を構成する材料の軽量化が急務となってい
る。このような材料の軽量化のための方法として、材料
自体の比重を低下させる方法が提案されている。
【0003】たとえば、射出成形時に、発泡剤により、
材料を発泡構造とし、または、ガスを導入して、材料を
中空構造とすることにより、材料の比重を低下させた
り、あるいは、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂
などの熱硬化性樹脂に、ガラスバルーンなどの軽量フィ
ラーを配合することにより、材料の比重を低下させる方
法が提案されている。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、射出成
形時に、発泡剤により、材料を発泡構造とし、または、
ガスを導入して、材料を中空構造とすることにより、材
料の比重を低下させる方法は、材料の厚さが、たとえ
ば、1mm以下の肉薄部分を有する製品にあっては、その
部分を、発泡構造あるいは中空構造とするができず、十
分に、材料を軽量化することができないという問題点を
有している。
【0005】また、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂などの熱硬化性樹脂に、ガラスバルーンなどの軽量
フィラーを配合することにより、材料の比重を低下させ
る方法は、剪断応力が加わる射出成形や押出成形に適用
すると、ガラスバルーンなどの軽量フィラーが破壊され
るため、十分に、材料を軽量化することができず、その
利用範囲が制限されるという問題があった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、肉薄部分を有する製品におい
ても、比重を低下させることができるとともに、剪断応
力が加わる成形方法によっても、比重の小さい製品を製
造することのできる熱可塑性エラストマー組成物および
その製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【発明の構成】本発明者は、本発明のかかる目的を達成
するため、鋭意研究を重ねた結果、ショア押込硬度55
Dが以下の熱可塑性エラストマーに、真比重が0.7以
下で、耐圧強度が50kg/cm2 以上の軽量フィラーを配
合した熱可塑性エラストマー組成物により、製品を製造
する場合には、剪断応力が加わる射出成形または押出成
形によって成形しても、配合された軽量フィラーが破壊
することなく、肉薄部分を有する製品を製造することが
できることを見出し、かかる知見に基づき、本発明の前
記目的を、ショア押込硬度が55D以下の熱可塑性エラ
ストマーに、真比重が0.7以下で、耐圧強度が50kg
/cm2 以上の軽量フィラーを配合した熱可塑性エラスト
マー組成物、および、溶融混練により、ショア押込硬度
が55D以下の熱可塑性エラストマーに、真比重が0.
7以下で、耐圧強度が50kg/cm2以上の軽量フィラー
を配合して、熱可塑性エラストマー組成物を製造するこ
とによって達成した。
【0008】本発明の好ましい実施態様においては、前
記熱可塑性エラストマーが、ウレタンを主成分として含
んでいる。本発明のさらに別の好ましい実施態様におい
ては、前記軽量フィラーが、ガラスバルーンを含んでい
る。本発明において用いられる熱可塑性エラストマーと
しては、ショア押込硬度が55D以下であれば足り、格
別に限定されるものではないが、好ましくは、ウレタン
を主成分として含むウレタン系エラストマー、ポリエチ
レン、ポリプロピレンなどを主成分として含むオレフィ
ン系エラストマー、スチレンを主成分として含むスチレ
ン系エラストマーもしくはその水素添加物、塩化ビニル
を主成分として含む塩化ビニル系エラストマー、ポリエ
ステルを主成分とするポリエステル系エラストマー、ポ
リアミドを主成分として含むポリアミド系エラストマー
からなる群から選ばれる一種のエラストマーまたは二種
以上のエラストマー混合物が挙げられる。ウレタン系エ
ラストマーとしては、エーテル系、エステル系、ポリカ
ーボネート系が好ましく使用し得る。
【0009】エラストマーのショア押込硬度が55Dを
越えると、ペレット状のエラストマーの硬度自体が高い
ために、フィラーの耐圧強度が50kg/cm2 以上であっ
ても、剪断応力により、配合されたフィラーが、ペレッ
ト間に挟まれて、押し潰されるため、フィラーの破壊が
生ずる。本発明において、エラストマーには、必要に応
じて、難燃剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、紫外
線吸収剤、可塑剤などの各種添加剤を加えてもよい。
【0010】本発明において使用し得る難燃剤として
は、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、五酸化アンチモン、酸化ジルコニウムなど
の無機系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、含ハロゲン
リン酸エステル系難燃剤などのリン系難燃剤、臭素系難
燃剤、塩素化パラフィン、パークロロシクロデカンなど
の塩素系難燃剤が挙げられる。
【0011】本発明において使用可能な酸化防止剤とし
ては、光安定剤、金属不活性剤、オゾン劣化防止剤など
の連鎖開始阻止剤、フェノール系抗酸化剤、アミン系抗
酸化剤などのラジカル捕捉剤、硫黄系拡酸化剤、リン系
拡酸化剤などの過酸化物分解剤が挙げられる。本発明に
使用可能な帯電防止剤としては、各種界面活性剤や官能
基を有するポリマーが挙げられる。
【0012】本発明において、着色剤としては、顔料、
染料のいずれも使用可能であり、使用可能な顔料として
は、難溶性アゾレーキなどのアゾ系有機顔料、フタロシ
アニンブルーなどのフタロシアニン系有機顔料、アント
ラキノン系などのスレン系有機顔料、塩基性染料系など
の染色レーキ系有機顔料、その他の有機顔料、チタン系
などの酸化物系無機顔料、黄鉛などのクロム酸モリブデ
ン酸系無機顔料、カドミウムイエローなどの硫化物セレ
ン化物系無機顔料、紺青などのフェロシアン系無機顔
料、その他の無機顔料が挙げられ、使用可能な染料とし
ては、アゾ系、アンスラキン系、キノフタロン系などの
油溶性染料や水溶性染料が挙げられる。
【0013】本発明において使用可能な紫外線吸収剤と
しては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾト
リアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレー
ト系の紫外線吸収剤が挙げられる。本発明において使用
可能な可塑剤としては、フタル酸系可塑剤、脂肪酸系可
塑剤、リン酸系可塑剤、アジピン酸系可塑剤、ポリエス
テル系可塑剤、エポキシ系可塑剤が挙げられる。
【0014】本発明において、軽量フィラーとしては、
真比重が0.7以下で、耐圧強度が50kg/cm2 以上の
フィラーであれば、格別に限定されるものではない。真
比重が0.7を越えると、最終製品の比重を低下させる
効果が少なく、また、耐圧強度が50kg/cm2 未満の場
合には、軽量フィラーを、熱可塑性エラストマーに溶融
混練するときに、その工程で、ガラスバルーンが破壊
し、最終製品の比重が高くなってしまうという問題があ
る。
【0015】本発明において使用し得る軽量フィラーと
しては、ケイ酸系無機質バルーン、非ケイ酸系無機質バ
ルーン、熱硬化性有機質バルーン、熱可塑性有機質バル
ーンが好ましく使用され、とくに、ガラスバルーン、シ
ラスバルーン、フライアッシュバルーン、パーライトバ
ルーン、シリカバルーンなどのケイ酸系無機質バルーン
などが挙げられる。これらの軽量フィラーのうちでは、
ガラスバルーンが最も好ましい。さらに、真比重が0.
28〜0.6の範囲内にあり、粒子表面の多孔度が小さ
く、滑らかで均一であり、粒子表面が濡れやすいガラス
バルーンが最も好ましく使用し得る。真比重が0.28
未満では、ガラスバルーンの耐圧強度が50kg/cm2
満となることが多く、熱可塑性エラストマーに溶融混練
する場合には、その工程で、ガラスバルーンが破壊し、
最終製品の比重が高くなってしまい、好ましくなく、他
方、真比重が0.6を越えると、最終製品の比重の低下
量が、必ずしも十分ではない。
【0016】軽量フィラーとして、ガラスバルーンを使
用するときは、ガラスバルーンの平均粒子径が100μ
m以下であることが望ましい。平均粒子径が100μm
を越えると、ガラスバルーンを、熱可塑性エラストマー
に溶融混練する場合には、破壊が著しく、最終製品の比
重が高くなってしまい、好ましくない。軽量フィラーの
熱可塑性エラストマーへの配合量は、とくに限定されな
いが、配合物全体に対して、5〜60容積%の軽量フィ
ラーを配合されることが望ましい。配合量が、5容積%
未満では、最終製品の比重を低下させる効果が小さく、
他方、配合量が、60容積%を越えると、軽量フィラー
を熱可塑性エラストマーへ配合することが困難になるこ
とがある。
【0017】本発明において、熱可塑性エラストマー組
成物は、溶融混練により、ショア押込硬度が55D以下
の熱可塑性エラストマーに、真比重が0.7以下で、耐
圧強度が50kg/cm2 以上の軽量フィラーを配合するこ
とにより、製造される。本発明の一つの実施態様におい
ては、単軸または二軸押出機により、熱可塑性エラスト
マーと軽量フィラーを、溶融混練して、ペレット化し
て、ペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を製造
し、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを射出成形
して、最終製品が得られる。
【0018】本発明の別の実施態様においては、射出成
形機に、直接、熱可塑性エラストマーと軽量フィラーを
投入し、射出成形の計量工程、すなわち、スクリューが
回転して、樹脂をノズル先端に輸送する際に、溶融混練
して、成形し、最終製品が得られる。本発明によれば、
厚さ1mm以下の薄い肉厚を有する部分を有する製品にお
いても、比重を低下させることのできる熱可塑性エラス
トマー組成物を得ることが可能になる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の効果を、より一層明瞭なもの
とするため、実施例を掲げる。 実施例1 ショア押込硬度が79Aで、比重が1.12のウレタン
系熱可塑性エラストマー(エーテル系)および真比重が
0.38で、耐圧強度が281kg/cm2 のガラスバルー
ンを、押出機に投入し、シリンダ温度160〜200
℃、スクリュー回転数100rpmで、溶融混練の後、
ペレット化して、直径2mm、高さ5mmの円柱状の熱可塑
性エラストマー組成物からなるペレットを得た。この熱
可塑性エラストマー組成物のペレットを、シリンダ温度
180〜200℃、スクリュー回転数50rpm、最大
圧力140kg/cm2 で、射出成形して、その一部に、厚
さ0.5mmの薄肉部を有する全体的な厚さが2.5mmの
平板成形体を成形した。この時のガラスバルーンの平板
成形体に対する含有量は、20容積%であった。
【0020】こうして成形された平板成形体の比重を調
べたところ、厚さ0.5mmの薄肉部も、厚さが2.5mm
の肉厚部も、ともに、1.04であり、比重が、均一に
低下されていることが判明した。また、電子顕微鏡によ
り、350倍に拡大し、薄肉部および肉厚部を目視によ
って観察したところ、剪断応力が加わる射出成形により
成形されたにもかかわらず、ガラスバルーンの破壊は認
められなかった。 実施例2 ショア押込硬度が79Aで、比重が1.12のウレタン
系熱可塑性エラストマー(エーテル系)および真比重が
0.38で、耐圧強度が281kg/cm2 のガラスバルー
ンを、射出成形機に、直接投入し、シリンダ温度180
〜200℃、スクリュー回転数50rpm、最大圧力1
40kg/cm2 で、射出成形し、その一部に、厚さ0.5
mmの薄肉部を有する全体的な厚さが2.5mmの平板成形
体を成形した。このときのガラスバルーンの平板成形体
に対する含有量は、20容積%であった。
【0021】こうして成形された平板成形体の比重を調
べたところ、厚さ0.5mmの薄肉部も、厚さが2.5mm
の肉厚部も、ともに、1.04であり、比重が、均一に
低下していることが判明した。また、電子顕微鏡によ
り、350倍に拡大し、薄肉部および肉厚部を目視によ
って観察したところ、剪断応力が加わる射出成形により
成形されたにもかかわらず、ガラスバルーンの破壊は認
められなかった。 実施例3 ショア押込硬度が80Aで、比重が0.97のオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーおよび真比重が0.38で、
耐圧強度が281kg/cm2 のガラスバルーンを、射出成
形機に、直接投入し、シリンダ温度180〜200℃、
スクリュー回転数50rpm、最大圧力140kg/cm2
で、射出成形し、その一部に、厚さ0.5mmの薄肉部を
有する全体的な厚さが2.5mmの平板成形体を成形し
た。このときのガラスバルーンの平板成形体に対する含
有量は、20容積%であった。
【0022】こうして成形された平板成形体の比重を調
べたところ、厚さ0.5mmの薄肉部も、厚さが2.5mm
の肉厚部も、ともに、0.93であり、比重が、均一に
低下していることが判明した。また、電子顕微鏡によ
り、350倍に拡大し、薄肉部および肉厚部を目視によ
って観察したところ、剪断応力が加わる射出成形により
成形されたにもかかわらず、ガラスバルーンの破壊は認
められなかった。 実施例4 ショア押込硬度が80Aで、比重が0.90の水素添加
されたスチレン系熱可塑性エラストマーおよび真比重が
0.38で、耐圧強度が281kg/cm2 のガラスバルー
ンを、射出成形機に、直接投入し、シリンダ温度180
〜200℃、スクリュー回転数50rpm、最大圧力1
40kg/cm2 で、射出成形し、その一部に、厚さ0.5
mmの薄肉部を有する全体的な厚さが2.5mmの平板成形
体を成形した。このときのガラスバルーンの平板成形体
に対する含有量は、20容積%であった。
【0023】こうして成形された平板成形体の比重を調
べたところ、厚さ0.5mmの薄肉部も、厚さが2.5mm
の肉厚部も、ともに、0.86であり、比重が、均一に
低下していることが判明した。また、電子顕微鏡によ
り、350倍に拡大し、薄肉部および肉厚部を目視によ
って観察したところ、剪断応力が加わる射出成形により
成形されたにもかかわらず、ガラスバルーンの破壊は認
められなかった。 実施例5 ショア押込硬度が53D(98A)で、比重が1.12
のウレタン系熱可塑性エラストマー(エーテル系)およ
び真比重が0.60で、耐圧強度が703kg/cm2 のガ
ラスバルーンを、射出成形機に、直接投入し、シリンダ
温度180〜200℃、スクリュー回転数50rpm、
最大圧力140kg/cm2 で、射出成形し、その一部に、
0.5mmの厚さの薄肉部を有する全体的な厚さが2.5
mmの平板成形体を成形した。このときのガラスバルーン
の平板成形体に対する含有量は、20容積%であった。
【0024】こうして成形された平板成形体の比重を調
べたところ、厚さ0.5mmの薄肉部も、厚さが2.5mm
の肉厚部も、ともに、1.04であり、比重が、均一に
低下していることが判明した。また、電子顕微鏡によ
り、350倍に拡大し、薄肉部および肉厚部を目視によ
って観察したところ、剪断応力が加わる射出成形により
成形されたにもかかわらず、ガラスバルーンの破壊は認
められなかった。 実施例6 ショア押込硬度が79Aで、比重が1.12のウレタン
系熱可塑性エラストマー(エーテル系)および真比重が
0.25で、耐圧強度が52.5kg/cm2 のガラスバル
ーンを、射出成形機に、直接投入し、シリンダ温度18
0〜200℃、スクリュー回転数50rpm、最大圧力
140kg/cm2 で、射出成形し、その一部に、0.5mm
の厚さの薄肉部を有する全体的な厚さが2.5mmの平板
成形体を成形した。このときのガラスバルーンの平板成
形体に対する含有量は、20容積%であった。
【0025】こうして成形された平板成形体の比重を調
べたところ、厚さ0.5mmの薄肉部も、厚さが2.5mm
の肉厚部も、ともに、0.95であり、比重が、均一に
低下していることが判明した。また、電子顕微鏡によ
り、350倍に拡大し、薄肉部および肉厚部を目視によ
って観察したところ、剪断応力が加わる射出成形により
成形されたにもかかわらず、ガラスバルーンの破壊は認
められなかった。 比較例1 ショア押込硬度が79Aで、比重が1.12のウレタン
系熱可塑性エラストマー(エーテル系)に、発泡剤であ
るアゾジカルボアミド2重量部を配合し、シリンダ温度
180〜200℃、スクリュー回転数50rpm、最大
圧力140kg/cm2 で、射出成形し、その一部に、厚さ
0.5mmの薄肉部を有する全体的な厚さが2.5mmの平
板成形体を成形した。
【0026】こうして成形された平板成形体の比重を調
べたところ、厚さが2.5mmの肉厚部の比重は1.02
と低下していたが、厚さ0.5mmの薄肉部の比重は1.
10で、十分に低下をしてはおらず、電子顕微鏡によ
り、350倍に拡大し、薄肉部を目視によって観察した
ところ、発泡が不十分であることが判明した。 比較例2 ショア押込硬度が57Dで、比重が1.15のウレタン
系熱可塑性エラストマー(エーテル系)および真比重が
0.38で、耐圧強度が281kg/cm2 のガラスバルー
ンを、射出成形機に、直接投入し、シリンダ温度180
〜200℃、スクリュー回転数50rpm、最大圧力1
40kg/cm2 で、射出成形し、その一部に、厚さ0.5
mmの薄肉部を有する全体的な厚さが2.5mmの平板成形
体を成形した。このときのガラスバルーンの平板成形体
に対する含有量は、20容積%であった。
【0027】こうして成形された平板成形体の比重を調
べたところ、厚さ0.5mmの薄肉部も、厚さが2.5mm
の肉厚部も、ともに、1.18であり、比重が、均一に
増大していることが判明した。また、電子顕微鏡によ
り、350倍に拡大し、薄肉部および肉厚部を目視によ
って観察したところ、剪断応力が加わったため、薄肉部
および肉厚部において、ガラスバルーンの破壊が認めら
れた。 比較例3 ショア押込硬度が57Dで、比重が1.15のウレタン
系熱可塑性エラストマー(エーテル系)および真比重が
0.60で、耐圧強度が703kg/cm2 のガラスバルー
ンを、射出成形機に、直接投入し、シリンダ温度180
〜200℃、スクリュー回転数50rpm、最大圧力1
40kg/cm2 で、射出成形し、その一部に、厚さ0.5
mmの薄肉部を有する全体的な厚さが2.5mmの平板成形
体を成形した。このときのガラスバルーンの平板成形体
に対する含有量は、20容積%であった。
【0028】こうして成形された平板成形体の比重を調
べたところ、厚さ0.5mmの薄肉部も、厚さが2.5mm
の肉厚部も、ともに、1.18であり、比重が、均一に
増大していることが判明した。また、電子顕微鏡によ
り、350倍に拡大し、薄肉部および肉厚部を目視によ
って観察したところ、剪断応力が加わったため、薄肉部
および肉厚部において、ガラスバルーンの破壊が認めら
れた。 比較例4 ショア押込硬度が79Aで、比重が1.12のウレタン
系熱可塑性エラストマー(エーテル系)および真比重が
0.125で、耐圧強度が17.6kg/cm2 のガラスバ
ルーンを、射出成形機に、直接投入して、シリンダ温度
180〜200℃、スクリュー回転数50rpm、最大
圧力140kg/cm2 で、射出成形し、その一部に、厚さ
0.5mmの薄肉部を有する全体的な厚さが2.5mmの平
板成形体を成形した。この時のガラスバルーンの平板成
形体に対する含有量は、20容積%であった。
【0029】こうして成形された平板成形体の比重を調
べたところ、厚さ0.5mmの薄肉部も、厚さが2.5mm
の肉厚部も、ともに、1.40であり、比重が、均一に
増大していることが判明した。また、電子顕微鏡によ
り、350倍に拡大し、薄肉部および肉厚部を目視によ
って観察したところ、剪断応力が加わったため、薄肉部
および肉厚部において、ガラスバルーンの破壊が認めら
れた。
【0030】以上の実施例および比較例から、ショア押
込硬度が55D以下の熱可塑性エラストマーに、真比重
が0.7以下で、耐圧強度が50kg/cm2 以上の軽量フ
ィラーを配合して得られた熱可塑性エラストマー組成物
を、射出成形して得られた最終製品は、剪断応力が加わ
る射出成形により成形しているにもかかわらず、軽量フ
ィラーの破壊は認められず、また、厚さ0.5mmの薄肉
部においても、肉厚部と同様に、比重が低下することが
判明した。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、肉薄部分を有する製品
においても、比重を低下させることができるとともに、
剪断応力が加わる成形方法によっても、比重の小さい製
品を製造することのできる熱可塑性エラストマー組成物
およびその製造方法を提供することが可能になる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ショア押込硬度が55D以下の熱可塑性
    エラストマーに、真比重が0.7以下で、耐圧強度が5
    0kg/cm2 以上の軽量フィラーを配合したことを特徴と
    する熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性エラストマーが、ウレタン
    を主成分として含んでいることを特徴とする請求項1に
    記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 前記軽量フィラーが、ガラスバルーンを
    含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の
    熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 溶融混練により、ショア押込硬度が55
    D以下の熱可塑性エラストマーに、真比重が0.7以下
    で、耐圧強度が50kg/cm2 以上の軽量フィラーを配合
    して、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱可塑
    性エラストマー組成物を製造することを特徴とする熱可
    塑性エラストマー組成物の製造方法。
JP14769593A 1993-06-18 1993-06-18 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法 Pending JPH073073A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006002120A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Nippon Polyester Co Ltd アンチブロッキング板材又はフィルム
US7275738B2 (en) 2004-04-14 2007-10-02 Tokai Rubber Industries, Ltd. Cylindrical fluid-filled vibration damping device
JP2007277485A (ja) * 2006-04-11 2007-10-25 Riken Technos Corp 自動車用樹脂シート

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