JPH07307116A - 通信ケーブル - Google Patents

通信ケーブル

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JPH07307116A
JPH07307116A JP6003795A JP6003795A JPH07307116A JP H07307116 A JPH07307116 A JP H07307116A JP 6003795 A JP6003795 A JP 6003795A JP 6003795 A JP6003795 A JP 6003795A JP H07307116 A JPH07307116 A JP H07307116A
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JP
Japan
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unit
pairs
twist
pair
pitch
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Pending
Application number
JP6003795A
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English (en)
Inventor
Yasushi Horie
靖 堀江
Kazuo Chiba
一夫 千葉
Kunio Negishi
邦夫 根岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP6003795A priority Critical patent/JPH07307116A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 100Mbps程度の高速データ通信、高周
波通信に対応しつつ、各ユニットに特にシールドを施す
ことなく漏話特性を向上する。 【構成】 通信ケーブル10は、6つのユニット12A
乃至12Fを集合撚りして形成される。各ユニット12
A乃至12Fは、2心の絶縁電線16を撚り合わせて成
る4つの対14A乃至14Dを隣り合う対14が異なる
撚りピッチとなるように撚り合わせて形成される。隣り
合う2つのユニット12間及び1ユニットおきの2つの
ユニット12間における複数の対14の撚りピッチの関
係は、所定の数式を満足するように選択されて設定され
ている。かつ、隣り合うユニット12のうち任意に選択
された対14は相互に異なる撚りピッチで撚り合わされ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速データ通信等に用
いられる通信ケーブルに関し、複数の対を集合して成る
ユニットを集合撚りして形成されているユニットタイプ
の通信ケーブルの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば事務所やビル内等のように地域的
に限定された範囲で用いられる通信ケーブルとしては、
一般に、主に音声信号を伝送する屋内線若しくは構内ケ
ーブル、又は20Mbpsまでのコンピュータネットワ
ーク(LAN)用に開発された複数の対を撚り合わせて
成る通信ケーブルが用いられている。これらの通信ケー
ブルにおいては、従来、隣り合う対を異なる撚りピッチ
で撚り合わせたり、各対の撚りピッチ間の関係が整数倍
とならないように設定することにより、漏話特性の向上
を図っていた。
【0003】ここに、近年、事務所や商用ビルディング
等の構内配線システムにおいても、100Mbps程度
の高速データ伝送の要求が高まってきている。このよう
な高速データ通信に用いる通信ケーブルについては、E
IA/TIA(米国電子工業会/米国通信工業会)によ
り標準規格が定められており、特に、100Mbpsま
でのデータ伝送に使用できる電線については、そのカテ
ゴリー5において複数の対を撚り合わせて成るユニット
を集合撚りした非シールドのユニットタイプケーブルの
性能仕様で最低限の性能に関する標準規格が定められて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来技術の
複数の対を撚り合わせて成る通信ケーブルでは、100
Mbps程度又はそれ以上の高周波、例えば、非同期転
送モードのコンピュータネットワーク(ATM LA
N)において必要な150Mbps程度の高速データ通
信やケーブルテレビ(CATV)等の画像通信の高周波
通信に要求される特性を得ることができず、結局高速デ
ータ通信や高周波通信に必要な特性を得るためには、こ
のような複数の対を撚り合わせて成る通信ケーブルを1
ユニットとし、このユニットを複数組集合撚りしてユニ
ットタイプのケーブルとする必要がある。
【0005】しかし、従来技術のような単に隣り合う対
を異なる撚りピッチで撚り合わせて成るユニットを複数
組集合撚りしてユニットタイプの通信ケーブルを製造し
ても、あるユニットを構成する対の撚りピッチと、隣り
合うユニットを構成する対の撚りピッチとが等しくなる
と、充分な漏話特性を得ることができず、EIA/TI
A(米国電子工業会/米国通信工業会)で定める標準規
格における漏話特性をクリアすることができない。すな
わち、ユニットタイプのケーブルにおいては、1つのユ
ニット内における対の関係だけではなく、あるユニット
を構成する対と、そのユニットと隣り合うユニットを構
成する対との間の撚りピッチの関係、また、対の撚りピ
ッチの値によっては、1ユニットおき、あるいは、2ユ
ニットおきのユニットを構成する対との間の撚りピッチ
の関係まで考慮する必要がある。
【0006】この場合、各ユニット毎にシールドを施し
て各ユニット間における絶縁性を確保することにより、
あるユニットを構成する対と隣り合うユニットを構成す
る対との間等のユニット間における対の撚りピッチの関
係まで考慮することなく、漏話特性の向上を図ることが
考えられるが、このようにすると、通信ケーブルの直径
が大きく、また、重量も重くなる上に、通信ケーブルに
ある程度必要とされる可撓性に欠ける問題点が生じ、更
にはコストアップにもつながる。
【0007】従って、ユニットタイプの通信ケーブルに
おいては、細径、軽量で充分な可撓性を備えつつ、高速
データ通信や高周波通信において充分な漏話特性を得る
ためには、複数のユニット間における対の撚りピッチを
考慮するのが最良であるが、従来は、このような点につ
き充分に対応することができず、100Mbps程度の
高速データ通信において、充分な漏話特性を得ることは
できなかった。特に、ユニットタイプの通信ケーブルに
おいて、複数のユニット間における対の撚りピッチを考
慮するにしても、どの程度の値の撚りピッチで組み合わ
せれば最適な漏話特性を得ることができるかについて
は、確固たる提案がなされていなかったのが現状であ
る。
【0008】更に、複数の対を有する通信ケーブルにつ
いては、ISO/IEC(国際標準化機構/国際電気標
準会議)により、EIA/TIA(米国電子工業会/米
国通信工業会)で定める100Mbpsの高速データ通
信に用いることができる電線の標準規格(カテゴリー
5)における漏話減衰量に対し、規格値+〔6+10lo
g (n+1):nはあるユニットが隣接するユニットの
数を示す〕dB程度のマージンを設けるべき旨が提案さ
れており、同時に発信された信号からの多重漏話特性に
対し、一層厳しい要求がなされている。
【0009】本発明の目的は、上記の欠点を回避し、複
数の対を撚り合わせて形成された複数のユニットを集合
して用い100Mbps以上の高周波の高速データ通信
や高周波通信に対応する場合において、細径、軽量で充
分な可撓性を備えつつ、充分な漏話特性を確保すること
ができる通信ケーブルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するための第1の手段として、複数の対を隣り合う
対が異なる撚りピッチとなるように撚り合わせて成る複
数のユニットを隣り合うユニットが異なる撚りピッチと
なるように集合撚りして形成されている通信ケーブルに
おいて、これらの複数のユニットのうち任意に選択され
た隣り合う2つのユニットUi 、Uj と、また、任意に
選択された1ユニットおきの2つのユニットUi 、Uk
に着目した場合に、ユニットUi を構成する複数の対の
うち任意に選択された対Ti の撚りピッチPi と、ユニ
ットUj を構成する複数の対のうち任意に選択された対
j の撚りピッチPj とが異なり、かつ、撚りピッチP
iと撚りピッチPj とが共に、下記の数式(1)及び数
式(2)、又は数式(1)及び数式(3)を満足する領
域から選択され、また、撚りピッチPi とユニットUk
を構成する複数の対のうち任意に選択された対Tk の撚
りピッチPk が下記の数式(4)に示す前提条件に該当
する場合には、更に、撚りピッチPi と撚りピッチPk
とが共に、下記の数式(4)を満足する領域から選択さ
れて撚り合わされていることを特徴とする通信ケーブル
を提供するものである。 数式(1) Pix×Pjx/d2 ≦7 数式(2) 144<Piy×Pjy/d2 ≦413の場合
には、 Piy>PjyであればPiy/Pjy≧1.25 Piy<PjyであればPiy/Pjy≦0.8 数式(3) Piy×Pjy/d2 ≦144の場合には、 Piy>PjyであればPiy/Pjy≧1.09 Piy<PjyであればPiy/Pjy≦0.92 数式(4)前提条件としてPiy/d>16.4、Pky
d>16.4である場合には、 Piy>PkyであればPiy/Pky≧1.04 Piy<PkyであればPiy/Pky≦0.96 ここに、上記の数式(1)乃至数式(4)において、P
ix、Pjxは、それぞれ対Ti の撚りピッチPi のユニッ
ト径方向成分及び対Tj の撚りピッチPj のユニット径
方向成分であり、Piy、Pjy、Pkyは、それぞれ、対T
i の撚りピッチPi のユニット長手方向成分、対Tj
撚りピッチPj のユニット長手方向成分及び対Tk の撚
りピッチPk のユニット長手方向成分であり、また、d
は、複数の対を構成する絶縁電線の外径である。なお、
以下に述べる課題解決手段においても、撚りピッチを示
すPの後に付される小文字のy は、その撚りピッチPに
ついてのユニット長手方向成分を示している。
【0011】この第1の課題解決手段において、数式
(1)乃至数式(3)は、隣り合う2つのユニット間に
おける対の撚りピッチの関係に関するものである。一
方、数式(4)は、1ユニットおきの2つのユニット間
における対の撚りピッチの関係に関するものであるが、
この数式(4)は、上記のように、Piy/d>16.
4、Pky/d>16.4である場合にのみ、満足するこ
とが要求される条件であり、撚りピッチPi 又は撚りピ
ッチPk のいずれか一方又は双方が、この前提条件に該
当しない場合には、必ずしも満足することは要求されな
い限定的な条件である。換言すると、この数式(4)
は、Piy/d>16.4、Pky/d>16.4である場
合以外の対の撚りピッチの関係については、特に特定は
していない。従って、撚りピッチPi と撚りピッチPk
のいずれか一方又は双方がPiy/d≦16.4、Pky
d≦16.4である場合には、その撚りピッチPi 、P
k の関係については、数式(1)及び数式(2)、又は
数式(1)及び(3)までを満足すれば、この第1の課
題解決手段の要件を具備し、第1の課題解決手段の範囲
に含まれるものとなる。
【0012】また、本発明は、上記の課題を解決するた
めの第2の手段として、上記の第1の課題解決手段にお
いて、更に、対の撚りピッチが下記の条件(1)乃至条
件(4)を満足していることを特徴とする通信ケーブル
を提供するものである。
【0013】まず、条件(1)として、ユニットUi
構成する複数の対のうち任意に選択された対Ti の撚り
ピッチPi は、Piy/d≦16.4の領域から選択され
る。すなわち、このユニットUi においては、いずれの
対の撚りピッチをとってもPiy/d≦16.4であると
いうことであるから、全ての対の撚りピッチがPiy/d
≦16.4を満足する領域から選択されていることにな
る。
【0014】次に、条件(2)として、上記の条件
(1)を満足するユニットUi に隣り合うユニットUj
を構成する複数の対の撚りピッチPj については、この
ユニットUj を構成する複数の対のうちの1つの対Tja
の撚りピッチPjaは、条件(1)を満足するユニットU
i を構成する複数の対の撚りピッチPi のうちの最小値
i(min)よりも小さくなるように設定され(Pi(min)
ja)、且つ、撚りピッチPjaと撚りピッチPi のうち
の最小値Pi(min)との関係が、上述した数式(3)のP
i(min)y /Pjay ≧1.09を満足するように設定され
ている。一方、このユニットUj を構成する複数の対の
うちの上記の1つの対Tja以外の対の撚りピッチP
jRは、Pi <PjRとし、且つ、撚りピッチPjRと撚りピ
ッチPi との関係が、上述した数式(2)のPiy/P
jRy ≦0.8を満足するように設定されている。すなわ
ち、この条件(2)により特定されるユニットUj は、
ユニットUi を構成する複数の対の撚りピッチのうちの
最小値Pi(min)よりも小さい撚りピッチを有する対を1
つだけ含め、それ以外の対の撚りピッチPjRは、全てユ
ニットUi を構成するどの対の撚りピッチよりも大きく
設定したものである。この場合、ユニットUj を構成す
る対の撚りピッチのうちの最小値Pj(min)(Pja)は、
全ての対の撚りピッチがPiy/d≦16.4の領域から
選択されているユニットUi を構成する対の撚りピッチ
のうちの最小値Pi (min) よりも小さく設定されている
のであるから、ユニットUj を構成する対の撚りピッチ
のうちの最小値Pj( min)(Pja)も、Pj(min)/d≦1
6.4を満足する領域から選択されていることになる。
【0015】更に、条件(3)として、上述した条件
(1)を満足するユニットUi から1ユニットおき毎に
配置されるユニットUi1乃至ユニットUinの各々は、ユ
ニットUi を構成する複数の対の撚りピッチとそれぞれ
同じ撚りピッチを有する複数の対から成っている。すな
わち、ユニットUi1乃至ユニットUinは、全く同一の撚
りピッチ構成を有し、例えば、ユニットUi を構成する
複数の対の撚りピッチが、それぞれ、9mm、10m
m、11mm、11.9mmである場合(4対の場合)
には、ユニットUi1乃至ユニットUinを構成する複数の
対の撚りピッチも、全て、9mm、10mm、11m
m、11.9mmとなる。従って、ユニットUi から1
ユニットおき毎に配置される複数のユニットUi1乃至ユ
ニットUinを構成する複数の対の撚りピッチは、全て条
件(1)を満足し、これらのユニットUi 乃至ユニット
inのいずれをユニットUi としても、この条件(3)
に示す関係は成立する。このため、この条件(3)よ
り、ユニットUi 乃至ユニットUinのうちのいずれをと
っても、ユニットUi として考えることができる。
【0016】最後に、条件(4)として、上述した条件
(2)を満足するユニットUj から1ユニットおきの位
置にあるユニットUj1を構成する複数の対の撚りピッチ
j1については、ユニットUj1を構成する複数の対の撚
りピッチPj1のうちの最小値Pj1(min) は、撚りピッチ
j のうちの最小値Pj(min)である撚りピッチPjaと同
一となるように設定され(Pj(min)=Pj1(min) )、且
つ、ユニットUj1を構成する複数の対の撚りピッチPj1
のうちの最小値Pj1(min) 以外の撚りピッチPj1R と条
件(2)を満足するユニットUj を構成する複数の対の
撚りピッチPjのうちの最小値Pj(min)である撚りピッ
チPja以外の撚りピッチPjRとの関係が、上述した数式
(4)のPjRy >Pj1RyであればPjRy /Pj1Ry≧1.
04、P jRy <Pj1RyであればPjRy /Pj1Ry≦0.9
6を満足するように設定されている。この場合におい
て、条件(2)を満足するユニットUj から1ユニット
おき毎に配置されるユニットUj1乃至ユニットUjnのう
ち任意に選択された1ユニットおきの2つのユニットの
組み合わせ(例えば、ユニットUj1とユニットUj2、ユ
ニットUj2とユニットUj3等)においても、一方のユニ
ットを構成する複数の対の撚りピッチと他方のユニット
を構成する複数の対の撚りピッチとの関係が、この条件
(4)を満足するように設定されている。
【0017】この第2の課題解決手段は、特に、条件
(2)から解るように、隣り合う2つのユニット間にお
いて、一方のユニットUj に比較的短い撚りピッチを有
する対を1つ設定した場合の対の撚りピッチの選択領域
を示したものである。この場合において、上記の各条件
のうち、条件(2)は、隣り合うユニット間における対
の撚りピッチの関係に関するものであり、また、条件
(3)と条件(4)は、1ユニットおきの2つのユニッ
ト間における対の撚りピッチの関係に関するものであ
る。この第2の課題解決手段により特定される通信ケー
ブルは、全体で見た場合には、図6(B)に示すよう
に、具体的に6つのユニット12A乃至12Fを有する
通信ケーブル10を例に説明すると、条件(1)を満足
するユニットUi(図6(B)のユニット12A)を基
礎に考えた場合、条件(3)より、このユニットUi
全く同タイプのユニットが1ユニットおき毎に配置され
(図6(B)のユニット12C、ユニット12E)、ま
た、条件(2)より、ユニットUiの隣りにユニットUj
(図6(B)のユニット12B)が配置され、また、
条件(4)より、このユニットUj から1ユニットおき
にユニットUj1、ユニットUj2(図6(B)のユニット
12D、ユニット12F)が配置されて構成されてい
る。
【0018】この場合において、条件(2)は、条件
(1)を満足するユニットUi (ユニットUi1乃至ユニ
ットUinを含む)と、このユニットUi に隣り合うユニ
ットUj 、Uj1、Uj2との間の対の撚りピッチの関係に
関するものであるため、図6(B)を例に説明すると、
ユニット12Aとユニット12B又はユニット12F
間、ユニット12Cとユニット12B又はユニット1
2D間、ユニット12Eとユニット12D又はユニッ
ト12F間のいずれにおいても成立する。また、条件
(4)も、その後段に示すように、条件(2)を満足す
るユニットUj から1ユニットおき毎に配置されるユニ
ットUj1及びユニットUj2の3つのユニットのうち任意
に選択された1ユニットおきの2つのユニットの組み合
わせ(ユニットUj とユニットUj1間、ユニットUj1
ユニットUj2間、ユニットUj2とユニットUj 間)にお
ける対の撚りピッチの関係に関するものであるため、図
6(B)を例に説明すると、ユニット12Bとユニッ
ト12D間、ユニット12Dとユニット12F間、
ユニット12Fとユニット12B間の全てにおいて成立
する。
【0019】なお、この第2の課題解決手段において、
条件(3)及び条件(4)は、いずれも1ユニットおき
の2つのユニット間における対の撚りピッチの関係に関
するものではあるが、この第2の課題解決手段において
は、条件(1)に示すように、ユニットUj を構成する
複数の対の撚りピッチは全てPiy/d≦16.4であ
り、またユニットUj から1ユニットおき毎に配置され
るユニットUj1及びユニットUj2も、条件(3)及び条
件(4)より、各々を構成する複数の対の中に、Pj1y
/d≦16.4、Pj2y /d≦16.4となる撚りピッ
チを有する対が1対は含まれており、第2の課題解決手
段は、これらの比較的短い撚りピッチと他の撚りピッチ
との関係についても特定している。すなわち、この第2
の課題解決手段は、上記の第1の課題解決手段の範囲内
において、第1の課題解決手段の数式(4)では特に限
定していない領域、具体的には1ユニットおきの2つの
ユニット間におけるユニット長手方向成分と絶縁電線の
外径(d)との比が16.4以下となる撚りピッチと他
の撚りピッチとの関係について、更に特定したものであ
る。従って、上記第1の課題解決手段の範囲内のもので
あるから、隣り合う2つのユニットUi とユニットUj
(ユニットUi とユニットユニットUj1乃至ユニットU
jnを含む)との間(例えば、図6(B)に示すユニット
12Bとユニット12C等)における撚りピッチの関係
は、数式(1)は勿論のこと、条件(2)に示すよう
に、第1の課題解決手段における数式(2)又は数式
(3)のいずれかを満足する必要があり、また、1ユニ
ットおきの2つのユニット間(例えば、図6(B)に示
すユニット12Bとユニット12D等)における撚りピ
ッチの関係も、条件(4)に示すように、ユニット長手
方向成分と絶縁電線の外径(d)との比が16.4以下
となる撚りピッチを含む場合を除き、数式(4)を満足
する必要がある。
【0020】更に、本発明は、上記の課題を解決するた
めの第3の手段として、上述した第1の課題解決手段に
おいて、更に、対の撚りピッチが、下記の条件(5)乃
至条件(8)を満足していることを特徴とする通信ケー
ブルを提供するものである。
【0021】まず、条件(5)として、ユニットUi
構成する複数の対のうち任意に選択された対Ti の撚り
ピッチPi は、Piy/d≦16.4の領域から選択され
る。この条件(5)は、上記の第2の課題解決手段にお
ける条件(1)と同じ条件である。
【0022】次に、条件(6)として、上記の条件
(5)を満足するユニットUi に隣り合うユニットUj
を構成する複数の対の撚りピッチPj については、この
ユニットUj を構成する複数の対のうちの2つの対
ja、Tjbの撚りピッチPja、Pjbは、条件(5)を満
足するユニットUi を構成する複数の対の撚りピッチP
i のうちの最小値Pi(min)よりも小さくなるように設定
され(Pi(min)>Pja、Pi(mi n)>Pjb)、且つ、撚り
ピッチPjaと撚りピッチPi のうちの最小値Pi(min)
の関係及び撚りピッチPjbと撚りピッチPi のうちの最
小値Pi(min)との関係が、それぞれ、上述した数式
(3)のPi(min)y /Pjay ≧1.09、Pi(min)y
jby ≧1.09を満足するように設定されている。一
方、このユニットUjを構成する複数の対のうちの2つ
の対Tja及び対Tjb以外の対の撚りピッチPjRは、Pi
<PjRとし、且つ、撚りピッチPjRと撚りピッチPi
の関係が、上述した数式(2)のPiy/PjRy ≦0.8
を満足するように設定されている。すなわち、この条件
(6)により特定されるユニットUj は、上記の第2の
課題解決手段における条件(2)ではユニットUi を構
成する複数の対の撚りピッチのうちの最小値Pi(min)
りも小さい撚りピッチを有する対を1つだけ含めたのに
対し、このような短い撚りピッチを有する対を2つ含め
たものであり、それ以外の対の撚りピッチPjRは、上記
第2の課題解決手段における条件(2)と同様に、全て
ユニットUi を構成するどの対の撚りピッチよりも大き
く設定したものである。従って、この場合も、ユニット
j を構成する対の撚りピッチのうちの撚りピッチPja
及び撚りピッチPjbは、それぞれ、Pja/d≦16.
4、Pjb/d≦16.4を満足する領域から選択されて
いることになる。
【0023】更に、条件(7)として、上述した条件
(5)を満足するユニットUi から1ユニットおき毎に
配置されるユニットUi1乃至ユニットUinの各々は、ユ
ニットUi を構成する複数の対の撚りピッチとそれぞれ
同じ撚りピッチを有する複数の対から成っている。この
条件(7)も、上記の第2の課題解決手段における条件
(3)と同じ条件である。
【0024】最後に、条件(8)として、上述した条件
(6)を満足するユニットUj から1ユニットおきの位
置にあるユニットUj1を構成する複数の対の撚りピッチ
j1については、ユニットUj1を構成する複数の対のう
ちの2つの対Tj1a 、Tj1bの撚りピッチPj1a 、Pj1b
は、それぞれ、条件(5)を満足するユニットUiを構
成する複数の対の撚りピッチPi のうちの最小値P
i(min)よりも小さく設定された2つの対Tja、Tjbの撚
りピッチPja、Pjbと同一となるように設定され(Pja
=Pj1a 、Pjb=Pj1b )、且つ、ユニットUj1を構成
する複数の対の撚りピッチPj1のうちの撚りピッチP
j1a 、Pj1b 以外の撚りピッチPj1R と条件(6)を満
足するユニットUj を構成する複数の対の撚りピッチP
j のうちの撚りピッチPja、Pjb以外の撚りピッチPjR
との関係が、数式(4)のPjRy >Pj1RyであればP
jRy /Pj1Ry≧1.04、PjRy <Pj1RyであればP
jRy /Pj1 Ry≦0.96を満足するように設定されてい
る。この場合において、条件(6)を満足するユニット
j から1ユニットおき毎に配置されるユニットUj1
至ユニットUjnのうち任意に選択された1ユニットおき
の2つのユニットの組み合わせにおいても、一方のユニ
ットを構成する複数の対の撚りピッチと他方のユニット
を構成する複数の対の撚りピッチとの関係が、この条件
(8)を満足するように設定されている。この条件
(8)は、上述した第2の課題解決手段における条件
(4)に対応するものである。
【0025】この第3の課題解決手段は、特に条件
(6)から解るように、隣り合う2つのユニット間にお
いて、一方のユニットUj に比較的短い撚りピッチを有
する対を2つ設定した場合の撚りピッチの選択領域を示
したものであり、この短い撚りピッチを2つ設定したと
いう点を除き、実質的に第2の課題解決手段と同様であ
る。従って、ユニットの配列状態、また、どの条件がど
のユニットの組み合わせに適用されるのかという条件の
適用関係、更には、第1の課題解決手段との関係は、上
記第2の課題解決手段とほぼ同様である。
【0026】
【作用】複数の対の撚りピッチをこのように数値限定す
ると、あるユニットを構成する対と、このユニットと隣
り合うユニットを構成する対の撚りピッチが必ず異な
り、しかも各対が実験の結果得られた最適な値の撚りピ
ッチで撚り合わされているため、100Mbps程度又
はそれ以上の高周波の高速データ通信や高周波通信に対
応しつつ、各ユニットに特にシールドを施すことなく充
分な漏話特性を得ることができる。
【0027】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明
すると、図1は本発明の通信ケーブル10を示し、この
通信ケーブル10は、必要に応じて設けられる介在34
を介して複数のユニット12を集合撚りして押巻き36
により被覆し、この押巻き36の上にシース38を被覆
して形成されている。すなわち、本発明の通信ケーブル
10は、いわゆるユニットタイプの通信ケーブルであ
り、EIA/TIA(米国電子工業会/米国通信工業
会)で定める100Mbps程度の高速データ通信に使
用できる電線の標準規格に対応することができるもので
ある。従って、本発明の通信ケーブル10は、近年要求
が高まっている商用ビルディング等の構内配線システム
における高速データ通信に対応することができる。な
お、図1に示す実施例では、通信ケーブル10は、6つ
のユニット12A乃至12Fから成っているが、必要に
応じて他の適宜な数としてもよい。
【0028】複数のユニット12A乃至12Fの各々
は、図1及び図2に示すように、複数の対14を撚り合
わせて形成されている。図1及び図2に示す実施例で
は、各ユニット12A乃至12Fは、4つの対14A乃
至14Dから成っているが、必要に応じて他の適宜な数
としてもよい。このように6つのユニット12A乃至1
2Fの各々は、4つの対14A乃至14Dから成ってい
るため、図1に示す通信ケーブル10は、計24の対1
4を有している。
【0029】この複数のユニット12は、隣り合うユニ
ット12が異なる撚りピッチとなるように撚り合わされ
ている。ここに、本発明において、ユニット12の撚り
ピッチとは、各ユニット12を構成する4つの対14A
乃至14Dを撚り合わせるピッチをいう。
【0030】各対14は、図2に示すように、2心の絶
縁電線16を撚り合わせて形成されている。この絶縁電
線16は、図3に示すように、導体18に絶縁層20を
被覆して形成される。この導体18としては、例えば、
軟銅線等を用いることができ、また、絶縁層20は、例
えばポリエチレン等から形成することができる。
【0031】これらの4つの対14A乃至14Dは、漏
話が生じないよう、隣り合う対14が異なる撚りピッチ
となるように撚り合わされている。従って、例えば、図
1及び図2に示す隣り合う対14Aと対14Bの一方の
対14Aの撚りピッチPA と他方の対14Bの撚りピッ
チPB は異なり、このことは対14Bと対14C、対1
4Cと対14D、また対14Dと対14Aとの間でも成
立する。すなわち対14Aの撚りピッチをPA 、対14
Bの撚りピッチをPB 、対14Cの撚りピッチをPC
対14Dの撚りピッチをPD とした場合、PA ≠PB
B ≠PC 、PC ≠PD 、PD ≠PA が常に成立する。
なお、本発明において、対14の撚りピッチとは、各対
14を構成する2心の絶縁電線16を撚り合わせるピッ
チをいう。
【0032】本発明においては、複数のユニット12の
うち任意に選択された隣り合う2つのユニットUi 、U
j のうち、一方のユニットUi を構成する複数の対14
のうち任意に選択された対Ti の撚りピッチPi と、他
方のユニットUj を構成する複数の対14のうち任意に
選択された対Tj の撚りピッチPj とが共に、144<
iy×Pjy/d2 ≦413となる対14の組み合わせに
ついては、下記の数式(1)及び数式(2)を、またP
iy×Pjy/d2 ≦144となる対14の組み合わせにつ
いては下記の数式(1)及び数式(3)を満足する領域
から選択されている。ユニット径方向成分Pix、Pjx
ついては、 数式(1) Pix×Pjx/d2 ≦7 また、ユニット長手方向成分Piy、Pjyについては、 数式(2) 144<Piy×Pjy/d2 ≦413の場合
には、 Piy>PjyであればPiy/Pjy≧1.25 Piy<PjyであればPiy/Pjy≦0.8 数式(3) Piy×Pjy/d2 ≦144の場合には、 Piy>PjyであればPiy/Pjy≧1.09 Piy<PjyであればPiy/Pjy≦0.92
【0033】また、本発明においては、複数のユニット
12のうち任意に選択された1ユニットおきの2つのユ
ニットUi 、Uk のうち、一方のユニットUi を構成す
る複数の対14のうち任意に選択された対Ti の撚りピ
ッチPi と、他方のユニットUk を構成する複数の対1
4のうち任意に選択された対Tk の撚りピッチPk が双
方とも、Piy/d>16.4、Pky/d>16.4であ
る場合には、更に、撚りピッチPi と撚りピッチPk
が共に、下記の数式(4)を満足する領域から選択され
ている。ユニット長手方向成分Piy、Pkyについて、 数式(4)前提条件としてPiy/d>16.4、Pky
d>16.4である場合には、 Piy>PkyであればPiy/Pky≧1.04 Piy<PkyであればPiy/Pky≦0.96
【0034】本発明においては、隣り合う2つのユニッ
トUi 、Uj 間においては、上記の数式(1)及び数式
(2)、又は数式(1)及び数式(3)のいずれかを、
また、1ユニットおきの2つのユニットUi 、Uk 間に
おいては、上記の数式(4)の前提条件に該当する場合
には、更に、上記の数式(4)を、同時に満足する領域
から対14の撚りピッチが選択される。従って、例え
ば、ユニットUi を構成する複数の対14のうちのある
対Ti の撚りピッチについては、隣り合うユニットUj
を構成する複数の対14の撚りピッチとの関係において
は、数式(1)及び(2)、又は数式(1)及び数式
(3)のいずれかを、また、1ユニットおきのユニット
k を構成する複数の対14の撚りピッチとの関係にお
いては、該当する場合には、数式(4)を満足する必要
がある。
【0035】なお、この場合、1ユニットおきの2つの
ユニットUi 、Uk に関する数式(4)は、上記のよう
に、関係を考慮すべき2つの撚りピッチPi 、Pk が共
にPiy/d>16.4、Pky/d>16.4と比較的大
きい撚りピッチの組み合わせである場合にのみ、満足す
ることが要求される条件であり、撚りピッチPi 又は撚
りピッチPk のいずれか一方又は双方が、この前提条件
に該当しない場合には、必ずしも満足することは要求さ
れない限定的な条件である。換言すると、この数式
(4)は、Piy/d>16.4、Pky/d>16.4で
ある場合以外の対の撚りピッチの関係については、特に
特定はしていない。従って、撚りピッチPiと撚りピッ
チPk のいずれか一方又は双方がPiy/d≦16.4、
ky/d≦16.4である場合には、その撚りピッチP
i 、Pk の関係については、数式(1)及び数式
(2)、又は数式(1)及び(3)までを満足すれば、
この本発明の要件を具備し、本発明の範囲に含まれるも
のとなる。よって、検討すべき撚りピッチの組み合わせ
毎に、上記の数式(1)乃至数式(4)の適用関係をま
とめると、次の表1の通りになり、本発明においては、
この表1に示す関係のいずれかを満足すればよい。
【0036】
【表1】
【0037】ここに、上記の数式(1)乃至数式(4)
において、Pix及びPjxは、図4に示すように、それぞ
れ、対Ti の撚りピッチPi のユニット径方向成分又は
対Tj の撚りピッチPj のユニット径方向成分を示し、
また、Piy、Pjy及びPkyは、同じく図4に示すよう
に、それぞれ、対Ti の撚りピッチPi のユニット長手
方向成分、対Tj の撚りピッチPj のユニット長手方向
成分又は対Tk の撚りピッチPk のユニット長手方向成
分を示す。なお、同じくdは、対14を構成する絶縁電
線16の外径を示す。また、本明細書中において、撚り
ピッチを示すPの後に付される小文字のx 、また同じく
小文字のy は、いずれも、上記と同様に、その撚りピッ
チPについてのユニット径方向成分、又はユニット長手
方向成分を示す。
【0038】このように、本発明においては、対Ti
撚りピッチPi 及び対Tj の撚りピッチPj について
は、ユニット径方向成分と、ユニット長手方向成分との
2つに分解して、また対Tk の撚りピッチPk について
は、ユニット長手方向成分に変換して考える。ここに、
対Ti の撚りピッチPi のユニット径方向成分Pixは、
図4に示すように、対Ti を有するユニットUi の撚り
ピッチをPuiとおき、またユニットUi の外径をDui
おくと、Pix=〔πDui/[Pui 2 +(πDui2
1/2 〕×Pi (数式(5))により求めることができ、
また、対Ti の撚りピッチPi のユニット長手方向成分
iyは、Piy=〔Pui/[Pui 2 +(πDui2
1/2 〕×Pi (数式(6))により、求めることができ
る。
【0039】また、対Tj の撚りピッチPj のユニット
径方向成分Pjx、及びユニット長手方向成分Pjyも、対
j を有するユニットUj の撚りピッチをPujとおき、
またユニットUj の外径をDujとおき、上記数式(5)
及び数式(6)のPuiをPujに、またDuiをDujに置き
換えて、同様に求めることができる。同様にして、対T
k の撚りピッチPk のユニット長手方向成分も、対Tk
を有するユニットUkの撚りピッチをPukとおき、また
ユニットUk の外径をDukとおき、上記数式数式(6)
のPuiをPukに、またDuiをDukに置き換えて、求める
ことができる。
【0040】複数の対14の撚りピッチをこのように数
値限定して設定すると、後に述べる実験例及び実施例か
ら解るように、100Mbps程度又はそれ以上の高周
波の高速データ通信や高周波通信に用いる場合において
も、充分な漏話特性を得ることができる。
【0041】上記の数式(1)乃至数式(3)、すなわ
ち、隣り合う2つのユニット12間における対14の撚
りピッチの関係について、例えば、図1を例に説明する
と、ユニット12Aを構成する複数の対14のうち任意
に選択された対14Aの撚りピッチPA と、このユニッ
ト12Aと隣り合うユニット12Bを構成する複数の対
14のうち任意に選択された対14Bの撚りピッチPB
とが共に、対14Aの撚りピッチPA を、そのユニット
径方向成分PAxとユニット長手方向成分PAyとに、ま
た、対14Bの撚りピッチPB を、そのユニット径方向
成分PBxとユニット長手方向成分PByとに分解して考
え、また、この図1に示す各対14を構成する絶縁電線
16の外径をdとおいた場合に、対14Aと対14Bと
の組み合わせが144<PAy×PBy/d2 ≦413とな
る場合には、下記の数式(1)´及び数式(2)´を、
Ay×PBy/d2 ≦144となる場合には、下記の数式
(1)´及び数式(3)´を満足する領域から選択され
ている。ユニット径方向成分PAx、PBxについては、 数式(1)´ PAx×PBx/d2 ≦7 また、ユニット長手方向成分PAy、PByについては、 数式(2)´ 144<PAy×PBy/d2 ≦413であ
れば、 PAy>PByの場合にはPAy/PBy≧1.25 PAy<PByの場合にはPAy/PBy≦0.8 数式(3)´ PAy×PBy/d2 ≦144であれば、 PAy>PByの場合にはPAy/PBy≧1.09 PAy<PByの場合にはPAy/PBy≦0.92
【0042】なお、既に述べたように、他の隣り合うユ
ニット12Aとユニット12F、ユニット12Bとユニ
ット12C、ユニット12Cとユニット12D、ユニッ
ト12Dとユニット12E、ユニット12Eとユニット
12Fとの間でも、それぞれ任意に選択された対14の
撚りピッチを、ユニット径方向成分と、ユニット長手方
向成分とに分解して、上記数式(1)´乃至数式(3)
´にあてはめて、選択する。また、この場合、各ユニッ
ト12を構成する複数の対14、図示の実施例では4つ
の対14A乃至対14Dの各対14毎に、この関係を満
足する必要があるため、上記の数式(1)´乃至数式
(3)´は、2つの隣り合うユニット12間における4
つの対14A乃至対14Dの組み合わせの全てについて
検討を要する。従って、例えば、ユニット12Aとユニ
ット12Bとの間では、上述したユニット12Aの対1
4Aとユニット12Bの対14Bを含め、全部で、計1
6通りの対の組み合わせ(例えば、他にユニット12A
の対14Bとユニット12Bの対14C等)の全てにつ
き、上記数式(1)´及び数式(2)´、又は数式
(1)´及び数式(3)´を満足している必要がある。
【0043】次に、上記数式(4)、すなわち、1ユニ
ットおきの2つのユニット12間における対14の撚り
ピッチの関係について、同じく図1を例に説明すると、
上述したユニット12Aを構成する複数の対14のうち
任意に選択された対14Aの撚りピッチPA と、このユ
ニット12Aと1ユニットおきにあるユニット12Cを
構成する複数の対14のうち任意に選択された対14C
の撚りピッチPC とが共に、対14Aの撚りピッチPA
を、そのユニット長手方向成分PAyに、また、対14C
の撚りピッチPC を、そのユニット長手方向成分PBy
変換して考えた場合に、対14Aの撚りピッチPA がP
Ay/d>16.4で、対14Cの撚りピッチPC もPCy
/d>16.4である場合には、更に、撚りピッチPA
と撚りピッチPC とが、共に下記の数式(4)´を満足
する領域から選択されている。 数式(4)´ 前提条件としてPAy/d>16.4、P
Cy/d>16.4である場合には、 PAy>PCyであればPAy/PCy≧1.04 PAy<PCyであればPAy/PCy≦0.96
【0044】この数式(4)´も、他の1ユニットおき
のユニット12Aとユニット12E、ユニット12Bと
ユニット12D、ユニット12Bとユニット12F、ユ
ニット12Cとユニット12E、ユニット12Dとユニ
ット12Fとの間でも、それぞれ任意に選択された対1
4の撚りピッチを、ユニット長手方向成分に変換して、
上記数式(4)´の前提条件に該当する場合には、数式
(4)´にあてはめて、選択する。また、この場合も、
各ユニット12を構成する複数の対14、図示の実施例
では4つの対14A乃至対14Dの各対14毎に、数式
(4)´の前提条件に該当する場合には、この関係を満
足する必要があるため、上記の数式(4)´は、1ユニ
ットおきの2つのユニット12間における4つの対14
A乃至対14Dの組み合わせの全てについて検討を要す
る。従って、例えば、ユニット12Aとユニット12C
との間では、上述したユニット12Aの対14Aとユニ
ット12Cの対14Cを含め、全部で、計16通りの対
の組み合わせ(例えば、他にユニット12Aの対14B
とユニット12Cの対14D等)の全てにつき、数式
(4)´の前提条件に該当する場合には、上記数式
(4)を満足している必要がある。なお、この数式
(4)´は、上述したように、検討すべき撚りピッチの
組み合わせが、共にPAy/d>16.4、PCy/d>1
6.4である場合にのみ満足する必要があるため、上述
した対14Aの撚りピッチPA と対14Cの撚りピッチ
C のいずれか一方又は双方がPAy/d≦16.4、P
Cy/d≦16.4である場合には、この撚りピッチPA
と撚りピッチPC との関係については、この数式(4)
´を満足する必要はなく、ユニット12Aを構成する複
数の対14のうち任意に選択された対14Aの撚りピッ
チPA は、前述した隣り合うユニット12Bを構成する
複数の対14との関係において、数式(1)及び数式
(2)、又は数式(1)及び数式(3)をのいずれか満
足すればよい。
【0045】以上より、本発明に示す対14の撚りピッ
チの選択領域を満足するように、対14の撚りピッチを
選択する場合には、ある1つの対14を検討対象とする
と、その対14を含むユニット12と隣り合うユニット
12を構成する複数の対14との関係においては、上記
数式(1)及び数式(2)、又は数式(1)及び数式
(3)のいずれかを満足させる必要があり、次いで、1
ユニットおきのユニット12を構成する複数の対14と
の関係においては、上記の検討対象である1つの対14
の撚りピッチ、及び1ユニットおきのユニット12のう
ちの他方の対14の撚りピッチの両方がPiy/d>1
6.4、Pky/d>16.4であるか検討し、該当する
場合には、更に上記数式(4)を満足するように撚りピ
ッチを選択し、該当しない場合には上記隣り合うユニッ
ト12を構成する複数の対14との関係までを考慮すれ
ばよく、それ以上の検討はしなくてもよい。
【0046】また、本発明の通信ケーブル10において
は、これらの複数のユニット12のうち任意に選択され
た隣り合う2つのユニットUi 、Uj のうち一方のユニ
ットUi を構成する複数の対14のうち任意に選択され
た対Ti と他方のユニットUj を構成する複数の対14
のうち任意に選択された対Tj とが異なる撚りピッチで
撚り合わせられている。
【0047】従って、例えば、図1を例に説明すると、
ユニット12Aを構成する複数の対14のうち任意に選
択された対14Aと、このユニット12Aと隣り合うユ
ニット12Bを構成する複数の対14のうち任意に選択
された対14A及びユニット12Fを構成する複数の対
14のうち任意に選択された対14Aとの撚りピッチが
異なるように設定する必要がある。これは、ユニット1
2Aの対14Aと、ユニット12Bの対14A及びユニ
ット12Fの対14Aとが隣り合った場合に、漏話特性
が低下するのを防止するためである。なお、他の隣り合
うユニット12Bとユニット12C、ユニット12Cと
ユニット12D、ユニット12Dとユニット12E、ユ
ニット12Eとユニット12Fの中の任意に選択された
対14の撚りピッチを異ならせることは勿論である。
【0048】この場合、図5に示すように、ユニット1
2を、所定の撚りピッチで撚り合わされた対14を有す
るタイプIと、このタイプIの撚りピッチと異なる撚り
ピッチで撚り合わされた対14を有するタイプIIの2
種類設定し、これらのタイプIのユニット12とタイプ
IIのユニット12とを、交互に配置することにより、
全ての隣り合うユニット12間で、対14の撚りピッチ
が異なるように調整することが考えられる。しかし、本
発明においては、より良好な漏話特性を得るために、隣
り合う2つのユニット12間のみならず、1ユニットお
きの2つのユニット12間における対14の撚りピッチ
まで考慮する必要がある。
【0049】この1ユニットおきの2つのユニット12
間における対14の撚りピッチの関係においては、一般
に、関係を考慮すべき2つの対14の撚りピッチが共に
大きい場合に漏話特性が低下する傾向にあることから、
特に、上記数式(4)の前提条件ともなっている対14
の撚りピッチが共にPiy/d>16.4、Pky/d>1
6.4と比較的大きい撚りピッチの組み合わせとなる場
合の関係が問題となる。そこで、まず、図6(A)に示
すように、ユニット12を構成する複数の対14の撚り
ピッチが全てPiy/d≦16.4となるように設定され
たユニット12をタイプIとし、一方、このタイプIの
ユニット12を構成する複数の対14の撚りピッチと異
なるように対14の撚りピッチが設定され、Pjy/d>
16.4となる撚りピッチを有する対14を含むユニッ
ト12をタイプIIとし、これらのタイプIのユニット
12とタイプIIのユニット12を基本に考える。この
場合、上記の通り、単にこれらの2種類のユニットを、
図5に示すように、交互に配置していくと、1ユニット
おきの2つのユニット12間の対14の撚りピッチを考
えた場合、タイプI同士のユニット12間においては共
に対14の撚りピッチがPiy/d≦16.4であるため
漏話特性につき問題は生じないが、タイプII同士のユ
ニット12間においては、Pjy/d>16.4となる対
14の撚りピッチのうち、特に同じ値の対14の撚りピ
ッチの関係にあっては、上記数式(4)を満足すること
ができなくなる。従って、このタイプIIのユニット1
2を構成する複数の対14の撚りピッチに対し、更に、
上記数式(4)を満足するように対14の撚りピッチを
選択したタイプIII のユニット12を設定し、また、こ
のタイプIII のユニット12を構成する複数の対14の
撚りピッチに対し、更に数式(4)を満足するように対
14の撚りピッチを選択したタイプIVのユニット12を
設定し、これらの計4種類のユニット12を、図6
(A)に示すように、タイプI→タイプII→タイプI
→タイプIII →タイプI→タイプIVの順に配置する。な
お、図6(A)に示す実施例では、6つのユニット12
を有する通信ケーブル10を例に説明したため、計4種
類のユニット12を設定したが、例えば、8つのユニッ
ト12を有する通信ケーブル10にあっては、計5種類
のユニット12とする等、他のユニット数とする場合に
は、そのユニット数に応じて、適宜ユニット12の種類
数を設定すればよい。
【0050】このように、タイプI(図6(A)参照)
と、このタイプI(図6(A)参照)に対して上記数式
(1)及び数式(2)、又は数式(1)及び数式(3)
のいずれかを満足するように対14の撚りピッチが選択
され、かつ、前提条件に該当する場合には、相互に、上
記数式(4)を満足するように対14の撚りピッチが選
択されたタイプII乃至タイプIV(図6(A)参照)の
計4種類のユニット12を設定して、図6(A)の如く
配置することにより、隣り合う2つのユニット12間に
おいて全ての対14の撚りピッチを異ならせることがで
きると共に、1ユニットおきの2つのユニット12間に
おける対14の撚りピッチの関係も、共にPjy/d>1
6.4である撚りピッチの場合に、数式(4)を満足す
ることができ、その結果、相互に異なる撚りピッチとす
ることができる。例えば、図1において、ユニット12
Aを構成する複数の対14のうち任意に選択された対1
4Aの撚りピッチPA と、このユニット12Aと隣り合
うユニット12Bを構成する複数の対14のうち任意に
選択された対14Aとの撚りピッチPA は常に異なるこ
とになり、また、ユニット12Bを構成する複数の対1
4のうち任意に選択された対14Bの撚りピッチPB
と、このユニット12Bから1ユニットおきの位置にあ
るユニット12Dを構成する複数の対14のうち任意に
選択された対14Dの撚りピッチPD が、共にPBy/d
>16.4、PDy/d>16.4である場合には、これ
らの撚りピッチPB と撚りピッチPD の値は異なると同
時に上記の数式(4)に示す関係を満足している。
【0051】次に、上述した数式(1)乃至数式(4)
を導いた過程を、表2及び表3に示す実験例を参照して
詳細に説明する。
【0052】
【表2】
【0053】この表2は、対14のピッチ数の最適な設
定値を得るために設定した様々な実験例の通信ケーブル
10の性能仕様を示したものである。すなわち、表2に
示すように、外径0.511mmの軟銅線から成る導体
に、低密度ポリエチレンから成る外径0.92mmの絶
縁層を被覆した絶縁電線16から成る4つの対14を用
いて、図1に示すように6つのユニット12(ユニット
12の外径3.77mm)を介在34を介して集合撚り
して成る通信ケーブル10を製造した。また、この場合
において、4つの対14A乃至14Dの撚りピッチ、す
なわちそれぞれの対14を構成する2心の絶縁電線16
を撚り合わせるピッチを、タイプIについては、それぞ
れ10mm、14mm、18mm、22mmに、タイプ
IIについては、それぞれ12mm、16mm、20m
m、24mmに設定して、同一ユニット12内における
隣り合う対14の撚りピッチ及び隣接するユニット12
間における対14の撚りピッチを異ならせた上で、図5
に示すように、タイプIとタイプIIの2種類のユニッ
ト12を交互に配列した。
【0054】
【表3】
【0055】以上の条件の下で、各ユニット12内の4
つの対14A乃至14Dを、表3に示すように、(1)
タイプIについては30mm、タイプIIについては4
0mm(実験例1)、(2)タイプIについては50m
m、タイプIIについては60mm(実験例2)、
(3)タイプIについては70mm、タイプIIについ
ては90mm(実験例3)、(4)タイプIについては
110mm、タイプIIについては130mm(実験例
4)の、4つの組み合わせの撚りピッチで撚り合わせて
8通りの各ユニット12を構成し、隣り合うユニット1
2とは異なる撚りピッチとなるように複数の対14を相
互に撚り合わせてユニット撚りとし、4つの実験例を設
定した。なお、いずれの実験例においても、6つのユニ
ット12は、表2に示すように、全て210mmの撚り
ピッチで集合撚りした。
【0056】次いで、この表2及び表3に示す4つの実
験例について、それぞれ隣り合うユニット12間(表2
及び表3のタイプIとタイプII間)における全ての対
14の組み合わせにつき、近端漏話減衰量を測定した。
【0057】
【表4】
【0058】このようにして各実験例につき得られた近
端漏話減衰量を、表4に示すEIA/TIA(米国電子
工業会/米国通信工業会)の100Mbpsの高速デー
タ通信に用いることができる電線の標準規格(カテゴリ
ー5)に照らして、評価を行った。評価方法は、表2に
示すタイプIのユニット12を構成する4つの対乃至
と、タイプIIのユニット12を構成する4つの対
乃至との間の全ての組み合わせ(例えば、対と対
、対と対、対と対、対と対等の組み合わ
せ)につき得られた近端漏話減衰量の測定値から、表4
に示す規格値+11dBの値を引いた値を算出し、これ
を各組み合わせにつき表4に示す標準規格の全周波数帯
域(表4に示す12の周波数)にわたって求めた。そし
て、最悪の場合でも表4に示す規格値+11dBをクリ
アすることができるかが問題となるため、対14の各組
み合わせにつき、全周波数帯域において得られた12通
りの近端漏話減衰量の中から、最小値をもって、各組み
合わせの漏話レベルとした。
【0059】なお、この場合、表4に示す規格値に、+
11dBを加算した値をもって評価の基準としたのは、
多重漏話を考慮した場合のマージンとして適当だからで
ある。すなわち、この+11dBという値は、上述した
ISO/IEC(国際標準化機構/国際電気標準会議)
による提案である、規格値+〔6+10log (n+
1)〕dBに、n=2を代入し、6+10log (2+
1)=10.77≒11より算出したものである。この
場合、変数nは、あるユニット12が隣り合うユニット
12の数であるため、表2により特定される通信ケーブ
ル10においては、図1を例に説明すると、あるユニッ
ト12Aが、隣り合うのは、ユニット12Bとユニット
12Fの2つであることから、n=2となる。従って、
図1と異なり、例えば中心に介在34の代わりにユニッ
ト12を配置した場合には、あるユニット12が隣り合
うユニット12の数は、3つであるからn=3となる。
【0060】以上のようにして種々の実験をし、その結
果得られた評価を、図7乃至図9に示した。
【0061】この場合、実験の結果得られた漏話レベル
を、各対14の撚りピッチの組み合わせとの関係で考え
て評価を行うに際し、撚り合わされているためにユニッ
ト12内において斜めに走査している対14の撚りピッ
チPを、図4に示すように、ユニット径方向成分(図4
のPix、Pjx参照)と、ユニット長手方向成分(図4の
iy、Pjy参照)とに分解して考えた。すなわち、表2
に示す実験例において、隣り合うタイプIのユニット1
2と、タイプIIのユニット12について、タイプIの
ユニットUI を構成する対TI の撚りピッチをPI 、タ
イプIIのユニットUIIを構成する対TIIの撚りピッチ
をPIIとし、対TI の撚りピッチPI をユニット径方向
成分PIxとユニット長手方向成分PIyとに、また、対T
IIの撚りピッチPIIをユニット径方向成分PIIx とユニ
ット長手方向成分PIIy とに分解して考えて、種々の評
価を行った。
【0062】まず、図7は横軸にタイプIのユニットU
I を構成する対TI の撚りピッチPI のユニット径方向
成分PIxと、タイプIIのユニットUIIを構成する対T
IIの撚りピッチPIIのユニット径方向成分PIIx との積
(PIx×PIIx )をとり、縦軸に対14の各組み合わせ
につき得られた近端漏話減衰量の測定値から表4に示す
規格値+11dBを引いた値の全周波数帯域の中での最
小値をとって、各実験例における対14の組み合わせの
近端漏話減衰量の評価を示したものである。従って、こ
の図7において、縦軸がOdBの時には、測定値と規格
値+11dBとの間に差がなく、測定値=規格値+11
dBであったことを示し、規格値+11dBという基準
をクリアしていることになる。しかもこの場合、図7に
おける各プロットは、対14の各組み合わせにつき、全
周波数帯域において得られた近端漏話減衰量の中での最
小値を示しているため、このプロットが縦軸のOdB以
上にある場合には、その対14の組み合わせにおいて
は、他の全ての周波数帯域においても規格値+11dB
という基準をクリアすることを示している。
【0063】この図7の斜線領域に示すように、PIx×
IIx ≦6の領域内であれば、規格値+11dBという
基準をクリアする対14の組み合わせを、ある程度確保
することができることが判明した。そこで、これを対1
4を構成する絶縁電線16の外径dとの関係で条件付け
するため、このPIx×PIIx ≦6(任意に選択された対
i 、Tj の撚りピッチPi 、Pj とするとPix×Pjx
≦6)を、対14を構成する絶縁電線16の外径dの2
乗で割ることにより、PIx×PIIx /d2 ≦7(同じ
く、Pix×Pjx/d2 ≦7)という数式(1)を導いた
のである。この図7に示す斜線領域においては、未だ縦
軸がOdB未満となる(すなわち、規格値+11dBと
いう基準をクリアしない)対14の組み合わせも含まれ
ているが、これは、表2に示す各実験例における対14
の撚りピッチの組み合わせが、数式(2)又は数式
(3)という他の条件をも満足しているとは限らないか
らである。従って、この図7からは、同時に、この数式
(1)のみを満足するだけでは足りず、規格値+11d
Bという基準を完全にクリアするためには、他の条件を
も考慮する必要があることが解る。
【0064】そこで、次に、図8において、横軸にタイ
プIのユニットUI を構成する対TI の撚りピッチPI
のユニット長手方向成分PIyと、タイプIIのユニット
IIを構成する対TIIの撚りピッチPIIのユニット長手
方向成分PIIy との積(PIy×PIIy )をとり、縦軸に
対14の各組み合わせにつき得られた近端漏話減衰量の
測定値から表4に示す規格値+11dBを引いた値の全
周波数帯域の中での最小値をとって、各実験例における
対14の組み合わせの近端漏話減衰量の評価を示した。
従って、この図8においても、縦軸がOdBの時には、
測定値と規格値+11dBとの間に差がなく、測定値=
規格値+11dBであったことを示し、規格値+11d
Bという基準をクリアしていることになる。また、この
図8においても、図7と同様に、各プロットは、対14
の各組み合わせにつき、全周波数帯域において得られた
近端漏話減衰量の中での最小値を示しているため、プロ
ットが縦軸のOdB以上にある場合には、その対14の
組み合わせにおいては、他の全ての周波数帯域において
も規格値+11dBという基準をクリアすることを示し
ている。
【0065】この図8の斜線領域に示すように、PIy×
IIy ≦350の領域内であれば、規格値+11dBと
いう基準をクリアする対14の組み合わせを、ある程度
確保することができることが判明した。そこで、これを
対14を構成する絶縁電線16の外径dとの関係で条件
付けするため、このPIy×PIIy ≦350(任意に選択
された対Ti 、Tj の撚りピッチPi 、Pj とするとP
iy×Pjy≦350)を、対14を構成する絶縁電線16
の外径d(d=0.92mm)の2乗で割ることによ
り、数式(2)のうちのPIy×PIIy /d2 ≦413
(任意に選択された対Ti 、Tj の撚りピッチPi 、P
j とすると、Piy×Pjy/d2 ≦413)という条件を
導いたのである。この図8に示す斜線領域においても、
未だ縦軸がOdB未満となる(すなわち、規格値+11
dBという基準をクリアしない)対14の組み合わせも
含まれているが、これも表2に示す各実験例における対
14の撚りピッチの組み合わせが、未だ数式(1)、ま
た、その他の必要条件を満足しているとは限らないから
である。従って、この図8からは、同時に、この数式
(2)のうちの条件のひとつとして掲げられるPiy×P
jy/d2 ≦413という数式のみを満足するだけでは足
りず、規格値+11dBという基準を完全にクリアする
ためには、数式(1)をも考慮する必要があることは勿
論のこと、このPiy×Pjy/d2 ≦413という数式を
前提条件として、更に他の条件を模索する必要があるこ
とが解る。
【0066】そこで、通常、近端漏話は、対14の撚り
ピッチの比によって左右されると考えられるため、タイ
プIのユニットUI を構成する対TI の撚りピッチPI
のユニット長手方向成分PIyと、タイプIIのユニット
IIを構成する対TIIの撚りピッチPIIのユニット長手
方向成分PIIy との比(PIy/PIIy )と、近端漏話減
衰量との関係を調べてみた。すなわち、図9において、
横軸にPIy/PIIy をとり、縦軸に、上記の図7及び図
8と同じく、対14の各組み合わせにつき得られた近端
漏話減衰量の測定値から表4に示す規格値+11dBを
引いた値の全周波数帯域の中での最小値をとって、各実
験例における対14の組み合わせによる近端漏話減衰量
の評価を示した。この図9においても、縦軸がOdB以
上である場合には、その対14の組み合わせにおいて
は、どの周波数帯域においても規格値+11dBという
基準をクリアすることを示している。
【0067】また、この図9の横軸は、PIy/PIIy
示しているため、横軸が1より小さい場合には、PIy
IIy であることを示し、横軸が1より大きい場合に
は、PIy>PIIy であることを示す。なお、対14の撚
りピッチは、表2に示すように、全て異なるように設定
しているため、表2に示す実験例においてPIy/PIIy
=1となることはあり得ず、図9においても、横軸の1
の値上には、プロットはない。
【0068】この図9の斜線領域に示すように、PIy
IIy の範囲内においてはPIy/PIIy ≦0.8(任意
に選択された対Ti 、Tj の撚りピッチPi 、Pj とす
るとPiy/Pjy≦0.8)を、またPIy>PIIy の範囲
内においてはPIy/PIIy ≧1.25(同じく、Piy
jy≧1.25)を満足する領域内から対14の撚りピ
ッチを選択すれば、ある程度規格値+11dBという基
準をクリアすることができるのが解る。従って、ユニッ
ト長手方向成分については、上述した図8より導かれた
Iy×PIIy /d2 ≦413(任意に選択された対T
i 、Tj の撚りピッチPi 、Pj とするとPiy×Pjy
2 ≦413)という前提条件の下で、更に、この対1
4の撚りピッチの比まで考慮すれば、充分な漏話特性を
得ることができると考えられる。このようにして、Piy
×Pjy/d2 ≦413の場合には、Piy>Pjyであれば
iy/Pjy≧1.25、Piy<PjyであればPiy/Pjy
≦0.8という数式(2)の範囲に含まれる領域を導い
たのである。もっとも、この場合も斜線領域内におい
て、未だ縦軸がOdB未満となる対14の組み合わせが
含まれているのは、図9に示されているデータが、未だ
数式(1)と、数式(2)の前提条件であるPiy×Pjy
/d2 ≦413という他の条件を満足しているとは限ら
ないからである。従って、この図9からは、同時に、単
に、この『Piy>PjyであればPiy/Pjy≧1.25、
iy<PjyであればPiy/Pjy≦0.8』という領域の
みを満足するだけでは足りず、規格値+11dBという
基準を完全にクリアするためには、この条件を『Piy×
jy/d2 ≦413の場合には』という前提条件の下で
満足し、また、他の条件をも考慮する必要があることが
解る。
【0069】また、ここで図9に着目すると、0.8<
Iy/PIIy <1.25の範囲内、すなわち、上述した
数式(2)中の条件から外れる範囲内においても、縦軸
が0dB以上の箇所にプロットが示され、規格値+11
dBという基準をクリアしているデータがある。これ
は、実験例1乃至実験例4において様々に設定された対
14の撚りピッチの中で、短い撚りピッチの組み合わせ
の場合であり、従って、PIy×PIIy の値がある程度小
さい場合には、数式(2)の中の「PIy>PIIyであれ
ばPIy/PIIy ≧1.25、PIy<PIIy であればPIy
/PIIy ≦0.8」という条件より、対14の撚りピッ
チのユニット長手方向成分の比(PIy/PIIy )が1倍
に近い領域でも、ある程度、規格値+11dBという基
準をクリアすることができる対14の組み合わせが存在
することが推測される。
【0070】そこで、更に、規格値+11dBという基
準をクリアすることができる領域を探るため、(1)タ
イプIのユニットUI を構成する対TI の撚りピッチP
I を、PI =8.5mmに設定した場合(実験例5)
と、(2)対TI の撚りピッチPI と対TIIの撚りピッ
チPIIとが共に10.0mm以上の対TI と対TIIの組
み合わせの場合(実験例6)とを考え、これらの対TI
と、タイプIIのユニットUIIを構成する対TIIと組み
合わせにおいて、対TIIの撚りピッチPII(そのユニッ
ト長手方向成分はPIIy )を変えて、PIy×PIIy の値
を種々設定し、図10に示すように、各ケースにおける
2つのユニット12間(タイプIのユニットUI と、タ
イプIIのユニットUII間)における対14の撚りピッ
チのユニット長手方向成分の比(PIy/PIIy )を横軸
にとり、対14の各組み合わせ(TI とTIIの組み合わ
せ)につき得られた近端漏話減衰量の測定値から表4に
示す規格値+11dBを引いた値の全周波数帯域の中で
の最小値を縦軸にとって、各ケースにおける対14の撚
りピッチのユニット長手方向成分の比(PIy/PIIy
と、近端漏話減衰量との関係を調べた。
【0071】この図10において、まず、PIy>PIIy
の場合(すなわち、横軸が1より大きい場合)におい
て、縦軸が全て0dB以上(すなわち、規格値+11d
Bという基準をクリアすること)となる撚りピッチのユ
ニット長手方向成分の比(PIy/PIIy )の境界線を求
めたところ、点線A(図10参照)に示すように、PIy
/PIIy ≧1.09の範囲内であれば、規格値+11d
Bという基準をクリアすることができることが判明し
た。すなわち、図10に示すように、PIy>PIIy(任
意に選択された対Ti 、Tj の撚りピッチPi 、Pj
すると、Piy>Pjy)の場合、PIy/PIIy <1.09
の範囲内においては、縦軸が0dB未満となり規格値+
11dBという基準をクリアすることができず(図10
のプロットe、f、k参照)、一方、PIy/PIIy
1.09(同じく、Piy/Pjy≧1.09)の範囲内に
おいては、規格値+11dBという基準をクリアしてい
ることが解る(図10のプロットa乃至d、g乃至j参
照)。
【0072】また、対TI の撚りピッチPI と、対TII
の撚りピッチPIIとの関係における近端漏話減衰量の測
定値は、対TI を誘導側(発信側)の対14とし対TII
を被誘導側(受信側)の対14とした場合の測定値と、
逆に、対TI を被誘導側(受信側)の対14とし対TII
を誘導側(発信側)の対14とした場合の測定値とで等
しくなる。このことから、PIy>PIIy の場合には、P
Iy/PIIy ≧1.09であれば規格値+11dBという
基準をクリアするということは、その逆のPIy<PIIy
(任意に選択された対Ti 、Tj の撚りピッチPi 、P
j とすると、Piy<Pjy)の場合には、この1.09と
いう数値の逆数、すなわち0.92をとって、PIy/P
IIy ≦0.92(同じく、Piy/Pjy≦0.92)の範
囲内であれば、同様に、規格値+11dBという基準を
クリアすることができると考えられる。
【0073】また、この場合、規格値+11dBという
基準をクリアすることができる範囲を最も広く捉えるた
めには、撚りピッチのユニット長手方向成分の比(PIy
/PIIy )がPIy/PIIy ≧1.09の範囲内で最も小
さい場合(すなわち、1.09の場合)で、かつ、最悪
の場合でも規格値+11dBという基準をクリアすれば
よいため、規格値+11dB以上の範囲内で近端漏話減
衰量の値が最も低い(すなわち、縦軸が0dBに近い)
場合に着目すればよく(すなわち、縦軸の0dB上の線
と、横軸の1.09の値上の線との交点に着目する)、
図10において、この縦軸の0dB上の線と横軸の1.
09の値上の線との交点に最も近いデータを探ったとこ
ろ、PIy×PIIy /d2 =144のプロットd(図10
参照)であった。従って、PIy×PIIy /d2 ≦144
(任意に選択された対Ti 、Tjの撚りピッチPi 、Pj
とすると、Piy×Pjy/d2 ≦144)の範囲内で
は、この「PIy>PIIy の場合にはPIy/PIIy ≧1.
09、PIy<PIIy の場合にはPIy/PIIy ≦0.9
2」という条件を満たせば、規格値+11dBという基
準をクリアして、良好な漏話特性を得ることができるの
が解る。
【0074】このようにして、『Piy×Pjy/d2 ≦1
44の場合には、Piy>PjyであればPiy/Pjy≧1.
09、Piy<PjyであればPiy/Pjy≦0.92』とい
う数式(3)を導いたのである。また、この場合、Piy
×Pjy/d2 ≦144の範囲内においては、このように
数式(3)の条件に委ねた方が、規格値+11dBとい
う基準をクリアすることができる対14の組み合わせを
広く包括することができるため、数式(2)の前提条件
として導かれた『Piy×Pjy/d2 ≦413』という範
囲内から、『Piy×Pjy/d2 ≦144』という領域を
除いて、『144<Piy×Pjy/d2 ≦413の場合に
は』という数式(2)の前提条件を導いたのである。こ
のことは、図10において、PIy×PIIy /d2 ≦14
4の範囲に限定して着目した場合、PI =8.5と比較
的短い撚りピッチを設定しPIy×PIIy がある程度小さ
くなる組み合わせを設定した実験例5(図10の中白点
○で示されるプロット参照)の方が、実験例6(図10
の中黒点●で示されるプロット参照)に比べ、縦軸が0
dB以上で規格値+11dBという基準を満足している
プロットが、多いことからも解る(実験例6について
は、プロットdの1つのみであるのに対して、実験例5
については、プロットg、h、i、jの4つであ
る。)。
【0075】以上の点を踏まえて、再度、図10に着目
すると、縦軸が0dB以上で規格値+11dBという基
準をクリアする各プロット(図10のプロットa乃至
d、プロットg乃至j参照)のうち、PIy×PIIy /d
2 の値が144を超え、「PIy×PIIy /d2 ≦14
4」という条件を満たさないプロットが、図10に含ま
れている(図10のプロットa、b、c参照)。このよ
うに、数式(3)の前提条件を満たしていないにも拘ら
ず、規格値+11dBという基準をクリアしているプロ
ットが図10中に存在するが、これらのプロットa、
b、cについては、PIy×PIIy /d2 の値が、図10
に示すように、それぞれ、プロットaについては17
7、プロットbについては161、プロットcについて
は203で、「PIy×PIIy /d2 ≦144の場合に」
という数式(3)の条件からは外れるが、「144<P
Iy×PIIy /d2 ≦413の場合には」という数式
(2)の前提条件を満たし、かつ、プロットa、b、c
のいずれもがPIy/PIIy が1.25以上であるため、
「PIy>PIIy であればPIy/PIIy ≧1.25」とい
う数式(2)の条件を満足しており、従って、数式
(3)の範囲に包含する必要がない。
【0076】一方、縦軸が0dB以上で規格値+11d
Bという基準をクリアする他のプロット(図10のプロ
ットd、g、h、i、j参照)に着目すると、これらの
プロットは、いずれも、図10に示すように、PIy×P
IIy /d2 の値が144以下であるので、「PIy×P
IIy /d2 ≦144」という数式(3)の前提条件を満
たし、かつ、いずれのプロットもPIy/PIIy が、1.
09以上であるため、「PIy>PIIy であればPIy/P
IIy ≧1.09」という数式(3)の条件を満たしてい
る。従って、これらの場合には、この数式(3)の条件
を満足することによって、規格値+11dBという基準
をクリアしていることが解る。特に、数式(2)の一部
である「PIy×PIIy /d2 ≦413の場合には、PIy
>PIIy であればPIy/PIIy ≧1.25」という条件
を満たさない領域、すなわち、1.09≦PIy/PIIy
<1.25の領域であっても、この数式(3)によれ
ば、規格値+11dBという基準をクリアすることがで
きるプロット(図10のプロットd、i、j参照)を包
含することができることが解る。
【0077】なお、図10に示すプロットのうち、プロ
ットe、f、k(図10参照)については、いずれも、
縦軸が0dB以下となり規格値+11dBという基準を
クリアしていない。これは、プロットeとプロットkに
ついては、「PIy×PIIy /d2 ≦144」という数式
(3)の前提条件は満たすものの、PIy/PIIy の値が
1.09未満であるため、「PIy>PIIy であればPIy
/PIIy ≧1.09」という数式(3)の条件を満たさ
ないからであり、また、プロットfについては、「14
4<PIy×PIIy /d2 ≦413」という数式(2)の
前提条件は満たすものの、やはりPIy/PIIy の値が
1.25未満であるため、「PIy>PIIyであれば、P
Iy/PIIy ≧1.25」という数式(2)の条件を満た
さないからである。これらのことからも、数式(2)又
は数式(3)を満足しないと、規格値+11dBという
基準をクリアすることができないことが裏付けられる。
【0078】このように、図10に示す各プロットのう
ち、縦軸が0dB以上で規格値+11dBという基準を
クリアするプロットは、いずれも、本発明において導か
れた数式(2)又は数式(3)のいずれかを満たすこと
によって、規格値+11dBという基準をクリアしてい
ることが解る。また、このことからは、同時に、撚りピ
ッチのユニット長手方向成分に関して導かれた2つの数
式である、数式(2)と数式(3)は、ある対14の組
み合わせにおいて、Piy×Pjy/d2 が144超か以下
かによって、その適用範囲が区分けされているため、あ
る1つの対14の組み合わせに対して、これらの数式
(2)と数式(3)とが同時に成立することはあり得な
いことが解る。従って、これらの数式(2)又は数式
(3)は、各対14の組み合わせ毎に判断するものであ
り、1つの通信ケーブル10内において、任意に選択さ
れた対14の組み合わせの種類(その対14の組み合わ
せにおけるPiy×Pjy/d2 の値)によって、数式
(2)又は数式(3)のいずれを満足しているかを判断
すればよいか、決定することになる。
【0079】すなわち、1つの通信ケーブル10内にお
いて、数式(1)及び数式(2)を満たす対14の組み
合わせと、数式(1)及び数式(3)を満たす対14の
組み合わせとが混在していることがあり、本発明の適用
は、数式(1)及び数式(2)を満足している対14の
組み合わせのみを有する通信ケーブル10、又は数式
(1)及び数式(3)を満足している対14の組み合わ
せのみを有する通信ケーブル10に限られない。もっと
も、逆に、ある通信ケーブル10を構成する対14のう
ち、隣り合う2つのユニット12を構成する複数の対1
4の全ての組み合わせが、例えば、全て『144<Piy
×Pjy/d2 ≦413』という関係にある時は、その通
信ケーブル10においては、数式(1)及び数式(2)
のみが適用されることは勿論である。
【0080】隣り合う2つのユニット12間における対
14の撚りピッチの関係について定める数式(1)乃至
数式(3)は、以上のようにして、各々導かれたもので
あり、また、この図7乃至図10から、『144<Piy
×Pjy/d2 ≦413の場合には』数式(1)及び数式
(2)を、また、『Piy×Pjy/d2 ≦144の場合に
は』数式(1)及び数式(3)を満足するように
(Pix、Piy)及び(Pjx、Pjy)を数値限定して、対
14の撚りピッチPi 、Pj を選択しなければ、表4に
示す規格値+11dBという基準をクリアすることがで
きないことが解る。
【0081】次に、1ユニットおきの2つのユニット1
2間の対14の撚りピッチの関係について定める数式
(4)を導いた過程について説明する。具体的には、上
述した隣り合う2つのユニット12を構成する複数の対
14の撚りピッチの関係が上記数式(1)及び(2)、
又は数式(1)及び(3)を満足する種々の実験例を設
定し、これらの数式(1)乃至数式(3)を満足するこ
とを前提として上で、更にその領域内で、1つのユニッ
ト12内、1ユニットおきの2つのユニット12間、2
ユニットおきの2つのユニット12間においても、充分
な漏話特性を得ることができる対14の撚りピッチの値
を探った。
【0082】
【表5】
【0083】この実験例では、表5に示すように、外径
0.511mmの軟銅線から成る導体に、低密度ポリエ
チレンから成る外径0.94mmの絶縁層を被覆した絶
縁電線16から成る4つの対14を用いて、図1に示す
ように、6つのユニット12(ユニット12の外径3.
85mm)を介在34を介して集合撚りして成る24対
の通信ケーブル10を製造した。また、この場合におい
て、まず、実験例7については、4つの対14A乃至1
4Dの撚りピッチ、すなわちそれぞれの対14を構成す
る2心の絶縁電線16を撚り合わせるピッチは、数式
(1)及び数式(2)、又は数式(1)及び数式(3)
を満足するように、タイプIについては、それぞれ9.
0mm、10.0mm、11.0mm、12.0mm
に、タイプIIについては、それぞれ8.2mm、1
7.0mm、20.0mm、24.0mmに設定して、
同一ユニット12内における4つの対14の撚りピッチ
及び隣り合うユニット12間における対14の撚りピッ
チを全て異ならせて、タイプIとタイプIIのユニット
12を、図5に示すように、交互に配置した(表5参
照)。
【0084】また、表5に示すように、この場合、各ユ
ニット12内における4つの対14A乃至14D(表5
に示すタイプIの対乃至対、タイプIIの対乃至
対)は、タイプIについては140mm、タイプII
については160mmの2種類の撚りピッチ(ユニット
12の撚りピッチ)で撚り合わせて各ユニット12を構
成し、隣り合うユニット12と異なる撚りピッチで4つ
の対14A乃至14Dを相互に撚り合わせてユニット撚
りとした。なお、6つのユニット12は、表5に示すよ
うに、全て210mmのピッチで集合撚りした。また、
この実験例7においては、表5に示すように、対14は
全て左撚りに、またユニット12は全て右撚りに撚り合
わせた。
【0085】なお、この実験例7における各対乃至対
の撚りピッチを選定するに当たっては、まず、タイプ
IとタイプIIとで対14の撚りピッチが異なるよう
に、総体的にはタイプIよりタイプIIの対14の撚り
ピッチの方が大きくなるように設定した(表5参照)。
その上で、隣り合う2つのユニット12間においては、
一方のユニット12を構成する複数の対14の撚りピッ
チよりも小さい撚りピッチを有する対14を他方のユニ
ット12内にいくつか設定すると漏話特性が向上するた
め、表5に示すように、タイプIIのユニット12内
に、タイプIのユニット12を構成する4つの対乃至
対の撚りピッチよりも小さい撚りピッチを有する対
を1つだけ設定した。この場合、タイプIIのユニット
12を構成する4つの対乃至対のうちの3つ又は4
つの全ての撚りピッチについて、隣り合うタイプIのユ
ニット12の対乃至対の撚りピッチとの間で上記数
式(3)を満足するように小さい撚りピッチとすると、
撚りピッチが小さくなり過ぎ、減衰量が増大することか
ら、この実験例7では、対の1つのみを小さな撚りピ
ッチに設定し、それ以外の対乃至対の撚りピッチに
ついては、全て、タイプIのユニット12を構成する4
つの対乃至対の撚りピッチよりも、大きく設定し
た。
【0086】次いで、この表5に示す実験例7につき、
(1)1つのユニット12内(タイプI内及びタイプI
I内)における全ての対14の組み合わせ、(2)隣り
合う2つのユニット12間(タイプIとタイプII間)
における全ての対14の組み合わせ、(3)1ユニット
おきの2つのユニット12間(タイプIとタイプI間、
タイプIIとタイプII間)における全ての対14の組
み合わせ、(4)2ユニットおきの2つのユニット12
間(タイプIとタイプII間)における全ての対14の
組み合わせにつき、近端漏話減衰量を測定した。なお、
測定方法は、各対14の組み合わせにつき得られた近端
漏話減衰量の測定値から表4に示す規格値+11dBの
値を引いた値を算出し、これを各組み合わせにつき表4
に示す標準規格の全周波数帯域にわたって求め、最悪の
場合でも表4に示す規格値+11dBをクリアすること
ができるかが問題となるため、各周波数帯域において得
られた近端漏話減衰量の中から最小値をもって、その対
14の組み合わせの漏話レベルとした。
【0087】その結果、(1)1つのユニット12内、
(2)隣り合う2つのユニット12間、(4)2ユニッ
トおきの2つのユニット12間においては、全ての対1
4の組み合わせにつき、全周波数帯域にわたる近端漏話
減衰量の中の最悪値で、表4に示すEIA/TIAで定
める規格値+11dBという基準を充分にクリアするこ
とができた。これは、特に、(2)の隣り合う2つのユ
ニット12間における対14の関係にあっては、上記の
数式(1)及び数式(2)、又は数式(1)及び数式
(3)を満足しているからであると考えられる。
【0088】但し、(3)1ユニットおきの2つのユニ
ット12間における対14の組み合わせ(タイプIとタ
イプI間においては、対と対、対と対、対と
対、対と対等の計16通り、タイプIIとタイプ
II間においても、同様に、対と対、対と対、
対と対、対と対等の計16通り)においては、
比較的小さい撚りピッチを有する対14から構成された
タイプIとタイプIのユニット12間においては問題は
なかったものの、特に、タイプIIとタイプIIのユニ
ット12間において表4に示す規格値+11dBという
基準をクリアすることができない対14の組み合わせが
存在した。これは、この実験例7のように、2種類のユ
ニット12を交互に配置すると(表5参照)、1ユニッ
トおきの2つのユニット12は、タイプIとタイプI同
士、またタイプIIとタイプII同士の同一撚りピッチ
構成を有するユニット12の組み合わせとなるため(図
5参照)、全16通りの対14の組み合わせのうち、4
通りは、全く同一の撚りピッチを有する対14の組み合
わせになるためと考えられる。
【0089】具体的には、まず、図11に示すように、
横軸にタイプIのユニットUI を構成する対TI の撚り
ピッチPI のユニット長手方向成分PIyの積及びユニッ
トUIIを構成する対TIIの撚りピッチPIIのユニット長
手方向成分PIIy の積をとり、縦軸に対14の各組み合
わせにつき得られた近端漏話減衰量の測定値から表4に
示す規格値+11dBを引いた値の全周波数帯域の中で
の最小値をとって、対14の組み合わせの近端漏話減衰
量を評価した。
【0090】また、図12に示すように、横軸にタイプ
IのユニットUI を構成する対TIの撚りピッチPI
ユニット長手方向成分PIyとタイプIのユニットUI
構成する対TI の撚りピッチPI のユニット長手方向成
分PIyとの比、及びユニットUIIを構成する対TIIの撚
りピッチPIIのユニット長手方向成分PIIy とユニット
IIを構成する対TIIの撚りピッチPIIのユニット長手
方向成分PIIy との比をとり、縦軸に対14の各組み合
わせにつき得られた近端漏話減衰量の測定値から表4に
示す規格値+11dBを引いた値の全周波数帯域の中で
の最小値をとって、対14の組み合わせの近端漏話減衰
量を評価した。
【0091】この図11及び図12に示すように、プロ
ット●で示されるタイプIIとタイプIIのユニット1
2間における対14の組み合わせのうち、対と対、
対と対、対と対の組み合わせの同一の撚りピッ
チを有する対14間(すなわち、PIIy /PIIy =1)
で、ユニット長手方向成分PIIy の積(PIIy ×P
II y )が200を越えるもの(PIIy ×PIIy >20
0)については、表4に示す規格値+11dBという基
準をクリアすることができないことが判明した。一方、
図11及び図12において、プロット○で示される比較
的小さい撚りピッチを有する対乃至対から構成され
たタイプIとタイプIのユニット12間における対14
の組み合わせにあっては、いずれも、表4に示す規格値
+11dBという基準をクリアすることができ、特に、
図12から解るように、同一の撚りピッチを有する対1
4の組み合わせ(すなわち、PIy/PIy=1:具体的に
は、対と対、対と対、対と対、対と対
)であっても、表4に示す規格値+11dBという基
準を充分にクリアすることができた。また、タイプII
とタイプIIのユニット12間においても、図12から
解るように、小さい撚りピッチであれば、同一の撚りピ
ッチを有する対14の組み合わせ(具体的には、対と
対の組み合わせ)となっても、表4に示す規格値+1
1dBという基準を充分にクリアすることができた。こ
のことから、比較的小さい撚りピッチを有する対14の
組み合わせであれば、1ユニットおきの2つのユニット
12間においては、同一の撚りピッチを有する対14の
組み合わせとなっても充分な漏話特性を得ることができ
ることが解る。
【0092】また、ここで、図12に着目すると、対1
4の撚りピッチのユニット長手方向成分の比が、PIy
Iy、PIIy >PIIy の場合(すなわち、図12におい
て、横軸が1より大きい場合)には、PIy/PIy≧1、
04、PIIy /PIIy =1.04、一方、PIy<PIy
IIy <PIIy の場合(すなわち、図12において、横
軸が1より小さい場合)には、PIy/PIy≦0.96、
IIy /PIIy ≦0.96の領域内から対14の撚りピ
ッチを選択すれば、1ユニットおきの2つのユニット1
2間において良好な漏話特性を得ることができることが
解る。
【0093】更に、実験例8として、表5に示すよう
に、対14の撚りピッチを、数式(1)及び数式
(2)、又は数式(1)及び数式(3)を満足するよう
に、タイプIについては、実験例7と同じくそれぞれ
9.0mm、10.0mm、11.0mm、12.0m
mに、タイプIIについては、それぞれ16.0mm、
19.0mm、23.0mm、28.0mmに設定し、
他の条件は、実験例7と全く同一として、同じく(1)
1つのユニット12内(タイプI内及びタイプII内)
における全ての対14の組み合わせ、(2)隣り合う2
つのユニット12間(タイプIとタイプII間)におけ
る全ての対14の組み合わせ、(3)1ユニットおきの
2つのユニット12間(タイプIとタイプI間、タイプ
IIとタイプII間)における全ての対14の組み合わ
せ、(4)2ユニットおきの2つのユニット12間(タ
イプIとタイプII間)における全ての対14の組み合
わせにつき、近端漏話減衰量を測定した。この実験例8
においては、実験例7と異なり、タイプIIを構成する
4つの対乃至対の撚りピッチを、全て、タイプIを
構成する4つの対乃至対の撚りピッチよりも大きく
設定した。
【0094】そして、測定方法、評価方法とも実験例7
と同様にして行った結果、同様に、(1)1ユニット1
2内、(2)隣り合う2つのユニット12間、(4)2
ユニットおきの2つのユニット12間においては、いず
れの対14の組み合わせをとっても、表4に示す規格値
+11dBという基準をクリアすることができたもの
の、1ユニットおきの2つのユニット12間において
は、タイプIIとタイプIIのユニット12間では、や
はり、同一の撚りピッチを有する対14の組み合わせ
(すなわち、PIIy /PIIy =1)で、ユニット長手方
向成分PIIy の積(P IIy ×PIIy )が大きいものにつ
いては、表4に示す規格値+11dBという基準をクリ
アすることができなかった。
【0095】そこで、次に、1ユニットおきの2つのユ
ニット12間において、同一の撚りピッチを有する対1
4の組み合わせとなっても、充分な漏話特性を得ること
ができる撚りピッチの大きさの限界を求めることとし
た。具体的には、表2及び表3に示す実験例1乃至実験
例4と、表5に示す実験例7及び実験例8で、1ユニッ
トおきの2つのユニット12間における対14の組み合
わせのうち、同一の撚りピッチを有する対14の組み合
わせに関するデータのみを全て抜き出して、図13に示
した。この図13は、横軸にタイプIのユニットUI
構成する対TI の撚りピッチPI のユニット長手方向成
分PIyの積(PIy×PIy)と絶縁電線16の外径dの積
(d2 )との比、及びユニットUIIを構成する対TII
撚りピッチPIIのユニット長手方向成分PIIy の積(P
IIy ×PIIy )と絶縁電線16の外径dの積(d2 )と
の比をとり、縦軸に対14の各組み合わせにつき得られ
た近端漏話減衰量の測定値から表4に示す規格値+11
dBを引いた値の全周波数帯域の中での最小値をとっ
て、対14の組み合わせの近端漏話減衰量を評価したも
のである。なお、図13において、図8や図11と異な
り、横軸に、単なる撚りピッチのユニット長手方向成分
の積ではなく、これと絶縁電線16の外径dの積(d
2 )との比をとったのは、表2及び表3に示す実験例1
乃至実験例4と、表5に示す実験例7及び実験例8とで
は、絶縁電線16の外径dの値が、前者では0.92m
m、後者では0.94mmと異なることから(表2及び
表5参照)、同一条件下で近端漏話減衰量を評価するた
めである。また、この図13の横軸は、全て、同一の撚
りピッチのユニット長手方向成分の積(PIy×PIy又は
IIy×PIIy )と絶縁電線16の外径dの積(d2
絶縁電線の外径dの2乗)との比であるから、この横軸
の値の1/2乗が、その対14の撚りピッチのユニット
長手方向成分と絶縁電線16の外径dとの比(PIy/d
又はPIIy /d)となる。
【0096】この図13において、各プロットから特定
される同一の撚りピッチに関する特性曲線L1 (図13
参照)と、縦軸が0dBとなり表4に示す規格値+11
dBをクリアすることができる基準となる点線(図13
参照)との交点から、撚りピッチの大きさの限界を求め
たところ、図13に示すように、横軸が270(16.
2 )であることが解った。すなわち、図13に示すよ
うに、撚りピッチのユニット長手方向成分(PIy又はP
IIy )と絶縁電線16の外径dとの比(PIy/d又はP
IIy /d)が16.4以下である場合には、同一の撚り
ピッチを有する対14同士の組み合わせとなっても表4
に示す規格値+11dBという基準をクリアすることが
できるが、撚りピッチのユニット長手方向成分(PIy
はPIIy)と絶縁電線の外径dとの比((PIy/d又は
IIy /d)が16.4を越える場合には、同一の撚り
ピッチの有する対14同士の組み合わせでは、表4に示
す規格値+11dBという基準をクリアすることができ
ない。
【0097】このことから、1ユニットおきの2つのユ
ニット12間において、共にPIy/d>16.4、又は
共にPIIy /d>16.4である場合には(任意に選択
された1ユニットおきの2つのユニットUi 、Uk を構
成する複数の対のうち任意に選択された対Ti 、Tk
撚りピッチPi 、Pk とすると、『Piy/d>16.
4、Pky/d>16.4である場合には、』)、同一の
撚りピッチを有する対14の組み合わせとしてはなら
ず、必ず、異なる撚りピッチを有する対14の組み合わ
せとする必要がある。このようにして、数式(4)の前
提条件を導き出したのである。
【0098】また、この数式(4)の前提条件に該当す
るため、対14の撚りピッチの値を異ならせる必要があ
る場合、上述したように、図12から、対14の撚りピ
ッチのユニット長手方向成分の比が、PIy>PIy、P
IIy >PIIy の場合には、PIy/PIy≧1、04、P
IIy /PIIy ≧1.04(任意に選択された対Ti 、T
kの撚りピッチPi 、Pk とすると、Pi >Pk であれ
ばPIy/PIy≧1、04)、一方、PIy<PIy、PIIy
<PIIy の場合には、PIy/PIy≦0.96、PII y
IIy ≦0.96(任意に選択された対Ti 、Tk の撚
りピッチPi 、Pkとすると、Pi <Pk であればPIy
/PIy≦0.96)の領域内から対14の撚りピッチを
選択すれば、1ユニットおきの2つのユニット12間に
おいて良好な漏話特性を得ることができることが解る。
以上より、上記の数式(4)を導いたのである。
【0099】なお、『Piy/d>16.4、Pky/d>
16.4である場合』をあくまで前提条件としたのは、
前述した図11及び図12に示す実験例7の実験結果か
ら解るように、この前提条件に該当しない場合、具体的
には、Piy/d又はPky/dのいずれかが16.4以
下(すなわち、異なる撚りピッチの組み合わせ)である
場合(表5におけるタイプIIの対と、対乃至対
との間の組み合わせ)や、また、Piy/d及びPky
dの双方が16.4以下で、異なる撚りピッチの組み合
わせである場合(表5におけるタイプIの対と対等
の組み合わせ)は勿論のこと、同一の撚りピッチの組み
合わせである場合(表5におけるタイプIの対と対
、対と対等)であっても、上記数式(1)及び
(2)、又は数式(1)及び数式(3)のいずれかまで
を満足していれば、1ユニットおきの2つのユニット1
2間においても充分な漏話特性を得ることができるから
である。従って、これらの場合には、数式(1)乃至数
式(3)までを満足していれば、本発明の範囲に含まれ
ることとなる。
【0100】4つの数式は、以上のようにして、各々導
かれたものであるが、数式(1)乃至数式(3)を満足
するようにして設定された上記の表5に示す実験例7に
おいて、1ユニットおきの2つのユニット12間におい
て、表4に示す規格値+11dBという基準をクリアす
ることができなかった対14の組み合わせが存在したこ
とからも解るように、数式(4)の前提条件に該当する
対14の組み合わせにあっては、これらの数式(1)及
び数式(2)、又は数式(1)及び数式(3)のいずれ
かに加えて、更に、数式(4)も同時に満足しなければ
ならない。なお、このことから、1つの通信ケーブル1
0において、数式(1)乃至数式(3)までを満足すれ
ばよい対14の組み合わせと、更に数式(4)までを満
足しなければならない対14の組み合わせが混在してい
る。
【0101】また、以上の数式(1)乃至数式(4)を
導いた過程から、本発明に用いられる数式(1)乃至数
式(4)までを同時に満足するように、これらの数式を
通信ケーブル10に適用するためには、下記の条件
(1)乃至(4)を満足するように、対14の撚りピッ
チの関係及びユニット12の配置を特定すればよいこと
が判明した。
【0102】まず、条件(1)として、ユニットUi
構成する複数の対14のうち任意に選択された対Ti
撚りピッチPi は、Piy/d≦16.4の領域から選択
される。すなわち、このユニットUi においては、全て
の対14の撚りピッチをPiy/d≦16.4とする。こ
れは、全ての対14の撚りピッチを、Piy/d≦16.
4とすることにより、前述した通り、隣り合うユニット
j と異なる撚りピッチとし、また、隣り合うユニット
j を構成する複数の対14の撚りピッチとの関係、及
び1ユニットおきのユニットUk を構成する複数の対1
4の撚りピッチとの関係においても、良好な漏話特性を
得る上で有利だからである。
【0103】次に、条件(2)として、上記の条件
(1)を満足するユニットUi に隣り合うユニットUj
を構成する複数の対14の撚りピッチPj については、
このユニットUj を構成する複数の対14のうちの1つ
の対Tjaの撚りピッチPjaは、条件(1)を満足するユ
ニットUi を構成する複数の対14の撚りピッチPi
うちの最小値Pi(min)よりも小さくなるように設定され
(Pi(min)>Pja)、且つ、撚りピッチPjaと撚りピッ
チPi のうちの最小値Pi(min)との関係が、上述した数
式(3)のPi(min)y /Pjay ≧1.09を満足するよ
うに設定されている。一方、このユニットUj を構成す
る複数の対14のうちの上記の1つの対Tja以外の対1
4の撚りピッチPjRは、Pi <PjRとし、且つ、撚りピ
ッチPjRと撚りピッチPi との関係が、上述した数式
(2)のPiy/PjRy ≦0.8を満足するように設定さ
れている。
【0104】この条件(2)は、表5に示す実験例7の
設定に関し説明した通り、上記の条件(1)を満足する
ユニットUi を構成する複数の対14の撚りピッチのう
ちの最小値Pi(min)よりも小さい撚りピッチを有する対
14を1つだけ含めた方が、隣り合う2つのユニットU
i 、Uj 間において、近端漏話減衰量が向上することに
鑑みて、導いたものである。一方、ユニットUj を構成
する複数の対14のうち、例えば、4つの対14からユ
ニットUj が構成されている場合に、4つの対14の全
部又は3つ等、余りに多くの対14の撚りピッチを、ユ
ニットUi を構成する複数の対14との関係で数式
(3)を満足するように小さく設定すると、前述の通り
減衰量が増大することから、これらのPj(min)以外の対
14の撚りピッチPjRは、全てユニットUi を構成する
どの対14の撚りピッチよりも大きく設定した。このこ
とから、ユニットUi を構成する複数の対14の撚りピ
ッチPi との関係において、ユニットUj を構成する複
数の対14の撚りピッチPj のうち、上記撚りピッチP
jaについてのみユニットUi を構成する複数の対14の
撚りピッチPi のうちの最小値Pi (min) との関係で数
式(3)を満足するように設定し、他の撚りピッチPjR
についてはユニットUi を構成する複数の対14の全て
の撚りピッチPi との関係で数式(2)を満足するよう
に設定した。この場合、撚りピッチPjaについては、P
i(min)y >Pjay (Pj(min)y )であるから、数式
(3)のうちのPi(min)y /Pjay ≧1.09が適用さ
れ、また、他の撚りピッチPjRについてはPiy<PjRy
であるから、数式(2)のうちのPiy/PjRy ≦0.8
が適用されることになる。なお、最小値Pj(min)以外の
撚りピッチPjRは、全て、Piy/d≦16.4の範囲か
ら選択される撚りピッチPj よりも大きく設定されるた
め、PjRy /d>16.4となる。また、このユニット
i とユニットUj は、隣り合う2つのユニット12で
あるから、これらの対14の撚りピッチPi 、Pj は、
数式(1)を満足する必要があるのは勿論である。
【0105】更に、条件(3)として、上述した条件
(1)を満足するユニットUi から1ユニットおき毎に
配置されるユニットUi1乃至ユニットUinの各々は、ユ
ニットUi を構成する複数の対14の撚りピッチとそれ
ぞれ同じ撚りピッチを有する複数の対14から成ってい
る。すなわち、ユニットUi1乃至ユニットUinは、全く
同一の撚りピッチ構成を有し、例えば、ユニットUi
構成する複数の対14の撚りピッチが、それぞれ、9m
m、10mm、11mm、12.0mmである場合(図
1に示す4つの対14A乃至対14Dの場合)には、ユ
ニットUi1乃至ユニットUinを構成する複数の対14の
撚りピッチも、全て、9mm、10mm、11mm、1
2.0mmとなる。これは、前述した数式(4)を導く
過程で述べた通り、Piy/d≦16.4であれば、1ユ
ニットおきの2つのユニット12間においても、充分な
漏話特性を得ることができることから導かれたものであ
る。
【0106】最後に、条件(4)として、上述した条件
(2)を満足するユニットUj から1ユニットおきの位
置にあるユニットUj1を構成する複数の対14の撚りピ
ッチPj1については、ユニットUj1を構成する複数の対
14の撚りピッチPj1のうちの最小値Pj1(min) は、撚
りピッチPj のうちの最小値Pj(min)である撚りピッチ
jaと同一となるように設定され(Pj(min)=P
j1(min) )、且つ、ユニットUj1を構成する複数の対1
4の撚りピッチPj1のうちの最小値Pj1(min) 以外の撚
りピッチPj1R と条件(2)を満足するユニットUj
構成する複数の対14の撚りピッチPj のうちの最小値
j(min)である撚りピッチPja以外の撚りピッチPjR
の関係が、上述した数式(4)のPjRy >Pj1Ryであれ
ばPjRy /Pj1 Ry≧1.04、PjRy <Pj1Ryであれば
jRy /Pj1Ry≦0.96を満足するように設定されて
いる。この場合において、条件(2)を満足するユニッ
トUj から1ユニットおき毎に配置されるユニットUj1
乃至ユニットUjnのうち任意に選択された1ユニットお
きの2つのユニット12の組み合わせ(例えば、ユニッ
トUj1とユニットUj2、ユニットUj2とユニットU
j3等)においても、一方のユニット12を構成する複数
の対14の撚りピッチと他方のユニット12を構成する
複数の対14の撚りピッチとの関係が、この条件(4)
を満足するように設定されている。
【0107】この条件(4)は、まず、上記の数式
(4)を導く過程で述べた通り、1ユニットおきの2つ
のユニット12間においても、共にPjy/d≦16.
4、Pj1y/d≦16.4であれば、同一の撚りピッチ
の組み合わせとなっても充分な漏話特性を得ることがで
きることから、撚りピッチPj1のうちの最小値P
j1(min) は、撚りピッチPj のうちの最小値Pj(min)
ある撚りピッチPjaと同一となるように設定した(P
j(min)=Pj1(min) )。
【0108】一方、上記条件(2)で述べた通り、上記
条件(1)を満足するユニットUi(条件(3)より、
このユニットUi と同じ撚りピッチ構成とされたユニッ
トUi1を含む)と隣り合う関係上、これらのユニットU
j の撚りピッチPi (同じく撚りピッチPi1を含む)と
の関係で、数式(3)を満足するようにPjRy /d>1
6.4、Pj1Ry/d>16.4に設定されたそれ以外の
撚りピッチPjR、Pj1 R は、前述した数式(4)を導く
過程で述べた通り、共にPiRy /d>16.4、Pi1Ry
/d>16.4となるため、同一の撚りピッチとしては
ならず異ならせる必要があり、その結果、数式(4)が
適用される。しかも、この場合、1ユニットおきの2つ
のユニット12は、このユニットUj とユニットUj1
みならず、ユニットUj1とユニットUj2、ユニットUj2
とユニットUj3のように、ユニットUjnに至るまで、ユ
ニットUj を基準とした全ての1ユニットおきのユニッ
ト12間で成立させなければ、対14の撚りピッチの値
が同じとなり、近端漏話減衰量が表4に示す規格値+1
1dBをクリアすることができなくなる。すなわち、条
件(2)を満足するユニットUj から1ユニットおき毎
にあるユニットUj1乃至ユニットUjnは、条件(1)を
満足するユニットUi と異なり、同一の撚りピッチ構成
とすることはできず異なる種類のユニット12とする必
要がある。これらのことより、条件(4)を導いたので
ある。
【0109】以上の条件(1)乃至条件(4)より、具
体的に、6つのユニット12を有する通信ケーブル10
であれば、図6(A)に示すように、条件(1)を満足
するユニット12をタイプIとして1ユニットおき毎に
配置し、また、条件(2)を満足するユニット12をタ
イプIIとし、このタイプIIを基準に1ユニットおき
のユニット12をタイプIII と、同様にこのタイプIII
のユニット12から1ユニットおきのユニット12をタ
イプIVとして配置する。勿論、1ユニットおきの2つの
ユニット12であるタイプIIとタイプIVとの間でも、
条件(4)が成立する必要がある。
【0110】これを図1を例に説明すると、図1示すユ
ニット12A、ユニット12C、ユニット12Eをタイ
プIのユニット12とすると、ユニット12Aに隣り合
うユニット12BをタイプIIと、ユニット12Dをタ
イプIII と、ユニット12FをタイプIVとして、計4種
類のユニット12を設定することになる。この場合、タ
イプIであるユニット12A、ユニット12C、ユニッ
ト12Eについては、条件(1)より、対14A乃至対
14Dの撚りピッチPA 乃至撚りピッチPD が、いずれ
も、PAy/d≦16.4、PBy/d≦16.4、PCy
d≦16.4、PDy/d≦16.4となり、かつ条件
(3)より、これらのユニット12間では、PA =P
A 、PB =PB 、PC =PC 、PD =PD となる。
【0111】また、隣り合うタイプIのユニット12A
とタイプIIのユニット12Bとの間では、ユニット1
2Aの撚りピッチの最小値をPA と、ユニット12Bの
最小値をPB とすると、条件(2)より、PA >PB
で、且つ、PA /PB ≧1.09となる。タイプIIの
ユニット12Bの撚りピッチPB 以外の撚りピッチ
C、PD 、PA については、全てユニット12Aの撚
りピッチよりも大きくし、且つ、それぞれの撚りピッチ
C 、PD 、PA とタイプIのユニット12Aの撚りピ
ッチPA 乃至PD との関係が、それぞれ、PCy/PAj
至PDy≦0.8、PDy/PAj乃至PDy≦0.8、PAy
Aj乃至PDy≦0.8となる。このことは、勿論、ユニ
ット12Aとユニット12B間のみならず、他のユニ
ット12Aとユニット12F間、ユニット12Cとユ
ニット12B間、ユニット12Cとユニット12D
間、ユニット12Eとユニット12D間、ユニット
12Eとユニット12F間を含めた計6通りの全ての隣
り合うユニット12間で成立する。
【0112】タイプIIのユニット12B、タイプIII
のユニット12D、タイプIVのユニット12F間におい
ては、それぞれの撚りピッチの最小値をPB とすると、
ユニット12BのPB =ユニット12EのPB =ユニッ
ト12FのPB となる。またユニット12Bとユニッ
ト12D間、ユニット12Dとユニット12F間、
ユニット12Fとユニット12B間の全てにおいて、各
ユニット12における、この撚りピッチPB 以外の撚り
ピッチの関係(例えば、ユニット12Bの対14Aの撚
りピッチPA とユニット12Dの撚りピッチPA 等)
は、相互に異なり、数式(4)を満足する(同様に、ユ
ニット12BのPA >ユニット12DのPA であればユ
ニット12BのPA /ユニット12DのPA ≧1.0
4、ユニット12BのPA <ユニット12DのPA であ
ればユニット12BのPA /ユニット12DのPA
0.96)。以上のように、対14の撚りピッチを選択
すれば、隣り合う2つのユニット12間及び1ユニット
おきの2つのユニット12間において、対14の撚りピ
ッチの関係に関し得られる近端漏話減衰量が表4に示す
規格値+11dBという基準をクリアすることができる
と考えられる。
【0113】ここに、上記の条件(1)乃至条件(4)
では、条件(2)に示すように、隣り合う2つのユニッ
ト12間において、ユニットUi を構成する複数の対の
撚りピッチのうちの最小値Pi(min)よりも小さい撚りピ
ッチを有する対を1つだけ設定したが、このような短い
撚りピッチを有する対を2つ設定しても、同様に、良好
な漏話特性を得ることができると考えられることから、
次の条件(5)乃至条件(6)を満足するように、対1
4の撚りピッチの関係及びユニット12の配置を特定す
ればよいと考えられる。
【0114】まず、条件(5)として、ユニットUi
構成する複数の対14のうち任意に選択された対Ti
撚りピッチPi は、Piy/d≦16.4の領域から選択
される。この条件(5)は、上記の条件(1)と全く同
じ条件である。
【0115】次に、条件(6)として、上記の条件
(5)を満足するユニットUi に隣り合うユニットUj
を構成する複数の対14の撚りピッチPj については、
このユニットUj を構成する複数の対14のうちの2つ
の対Tja、Tjbの撚りピッチPja、Pjbは、条件(5)
を満足するユニットUi を構成する複数の対14の撚り
ピッチPi のうちの最小値Pi(min)よりも小さくなるよ
うに設定され(Pi(min)>Pja、Pi(min)>Pjb)、且
つ、撚りピッチPjaと撚りピッチPi のうちの最小値P
i(min)との関係及び撚りピッチPjbと撚りピッチPi
うちの最小値Pi(mi n)との関係が、それぞれ、上述した
数式(3)のPi(min)y /Pjay ≧1.09、P
i(min)y /Pjby ≧1.09を満足するように設定され
ている。一方、このユニットUj を構成する複数の対1
4のうちの2つの対Tja及び対Tjb以外の対14の撚り
ピッチPjRは、Pi <PjRとし、且つ、撚りピッチPjR
と撚りピッチPi との関係が、上述した数式(2)のP
iy/PjRy ≦0.8を満足するように設定されている。
【0116】更に、条件(7)として、上述した条件
(5)を満足するユニットUi から1ユニットおき毎に
配置されるユニットUi1乃至ユニットUinの各々は、ユ
ニットUi を構成する複数の対の撚りピッチとそれぞれ
同じ撚りピッチを有する複数の対14から成っている。
この条件(7)も、上記の条件(3)と全く同じ条件で
ある。
【0117】最後に、条件(8)として、上述した条件
(6)を満足するユニットUj から1ユニットおきの位
置にあるユニットUj1を構成する複数の対14の撚りピ
ッチPj1については、ユニットUj1を構成する複数の対
14のうちの2つの対Tj1a、Tj1b の撚りピッチPj1a
、Pj1b は、それぞれ、条件(5)を満足するユニッ
トUi を構成する複数の対14の撚りピッチPi のうち
の最小値Pi(min)よりも小さく設定された2つの対
ja、Tjbの撚りピッチPja、Pjbと同一となるように
設定され(Pja=Pj1a 、Pjb=Pj1b )、且つ、ユニ
ットUj1を構成する複数の対14の撚りピッチPj1のう
ちの撚りピッチPj1a 、Pj1b 以外の撚りピッチPj1R
と条件(6)を満足するユニットUj を構成する複数の
対14の撚りピッチPj のうちの撚りピッチPja、Pjb
以外の撚りピッチPjRとの関係が、数式(4)のPjRy
>Pj1RyであればPjRy /Pj1Ry≧1.04、PjRy
j1RyであればPjRy /Pj1Ry≦0.96を満足するよ
うに設定されている。この場合において、条件(6)を
満足するユニットUj から1ユニットおき毎に配置され
るユニットUj1乃至ユニットUjnのうち任意に選択され
た1ユニットおきの2つのユニット12の組み合わせに
おいても、一方のユニット12を構成する複数の対14
の撚りピッチと他方のユニット12を構成する複数の対
14の撚りピッチとの関係が、この条件(8)を満足す
るように設定されている。この条件(8)は、上述した
条件(4)に対応するものである。
【0118】これらの条件(5)乃至条件(6)から特
定される通信ケーブル10は、特に条件(6)から解る
ように、短い撚りピッチを2つ設定したという点を除
き、実質的に前述した条件(1)乃至条件(4)より特
定される通信ケーブル10と同様である。従って、ユニ
ット12の配列状態、また、どの条件がどのユニット1
2の組み合わせに適用されるのかという条件の適用関係
は、上記条件(1)乃至条件(4)により特定される通
信ケーブル10とほぼ同様である。従って、条件(5)
乃至条件(8)を満足するように対14の撚りピッチを
選択すれば、隣り合う2つのユニット12間及び1ユニ
ットおきの2つのユニット12間において、対14の撚
りピッチの関係に関し得られる近端漏話減衰量が、表4
に示す規格値+11dBという基準を満足することがで
きると考えられる。
【0119】そこで、次に、隣り合う2つのユニット1
2を構成する複数の対14の撚りピッチの組み合わせが
上記数式(1)及び数式(2)、又は数式(1)及び数
式(3)を満足し、また、1ユニットおきの2つのユニ
ット12を構成する複数の対14の撚りピッチの組み合
わせが、数式(4)の前提条件に該当する場合には、更
に数式(4)を満足するように対14の撚りピッチを選
択した、本発明の実施例について説明する。具体的に
は、上記の条件(1)乃至条件(4)を満足するよう
に、また、条件(5)乃至条件(8)を満足するように
して、数式(1)乃至数式(4)を満足するように設定
した。
【0120】
【表6】
【0121】この実施例1では、表6に示すように、外
径0.511mmの軟銅線から成る導体18に、低密度
ポリエチレンから成る外径0.96mmの絶縁層20を
被覆した絶縁電線16から成る4つの対14を用いて、
図1に示すように、6つのユニット12(ユニット12
の外径3.94mm)を介在34を介して集合撚りして
成る24対の通信ケーブル10を製造した。また、この
場合において、まず、実施例1については、4つの対1
4A乃至14Dの撚りピッチ、すなわちそれぞれの対1
4を構成する2心の絶縁電線16を撚り合わせるピッチ
は、数式(1)及び数式(2)、又は数式(1)及び数
式(3)のいずれか、及び数式(4)の前提条件に該当
する場合には、更に数式(4)を満足するように、タイ
プIについては、それぞれ9.0mm、10.0mm、
11.0mm、11.9mmに、タイプIIについて
は、それぞれ8.2mm、15.9mm、18.9m
m、22.9mmに、タイプIII については、それぞれ
8.2mm、17.1mm、20.0mm、24.8m
mに、タイプIVについては、それぞれ8.2mm、1
8.1mm、21.9mm、27.8mmに設定した。
従って、同一ユニット12内における4つの対14の撚
りピッチ及び隣り合うユニット12間における対14の
撚りピッチ、更には1ユニットおきの2つのユニット1
2間におけるPIy/d>16.4、PIIIy/d>16.
4、PIVy /d>16.4となる撚りピッチは全て異な
る。その上で、タイプIと、タイプII乃至タイプIVの
ユニット12を、図6(A)に示すように、交互に配置
した(表6参照)。この実施例1は、表6に示すタイプ
II乃至タイプIVの撚りピッチ及び上記ユニット12の
配置から解るように、上記の条件(1)乃至条件(4)
を満足するようにして設定されたものである。
【0122】また、表6に示すように、この場合、各ユ
ニット12内における4つの対14A乃至14D(表5
に示すタイプIの対乃至対、タイプIIの対乃至
対、タイプIII の対′乃至対′、タイプIVの対
″乃至対″)は、タイプIについては140mm、
タイプII乃至タイプIVについては160mmの2種類
の撚りピッチ(ユニット12の撚りピッチ)で撚り合わ
せて各ユニット12を構成し、隣り合うユニット12と
異なる撚りピッチで4つの対14A乃至14Dを相互に
撚り合わせてユニット撚りとした。なお、6つのユニッ
ト12は、表6に示すように、全て210mmのピッチ
で集合撚りした。また、この実施例1においては、表6
に示すように、対14は全て左撚りに、またユニット1
2は全て右撚りに撚り合わせた。
【0123】まず、この表6に示す実施例1につき、
(1)1つのユニット12内(タイプII内)における
全ての対14の組み合わせ、(2)隣り合う2つのユニ
ット12間(タイプIとタイプII間)における対14
の組み合わせ、また(3)1ユニットおきの2つのユニ
ット12間(タイプIIとタイプIII 間、タイプIII と
タイプIV間、タイプIIとタイプIV間)における対14
の組み合わせについて近端漏話減衰量を測定し、その結
果を図14乃至図18に示した。
【0124】すなわち、まず、図14は、表6に示す実
施例1についてのタイプIIのユニット12内における
全ての対14の組み合わせに関し得られた近端漏話減衰
量の測定値を示したものである。この図14から解るよ
うに、1つのユニット12内(タイプII内)において
はいずれの対14の組み合わせをとっても、全周波数帯
域にわたって近端漏話減衰量の最悪値がEIA(米国電
子工業会)で定める規格値を充分にクリアすることがで
きた。特に、タイプIIのユニット12内における対1
4の組み合わせの中で、8.2mmの撚りピッチを有す
る対14(表6の実施例1に関する対参照)を含む対
14の組み合わせについては、図14に示すように、E
IA(米国電子工業会)で定める規格値に対してほぼ1
0dB以上のマージンを有しており、充分良好な漏話特
性を有していることが解る。
【0125】次いで、図15に、実施例1についての隣
り合う2つのユニット12間(タイプIとタイプII
間)における対14の組み合わせに関し得られた近端漏
話減衰量の測定値を示した。この図15から解るよう
に、隣り合う2つのユニット12間においてもいずれの
対14の組み合わせをとっても、全周波数帯域にわたっ
て近端漏話減衰量の最悪値がEIA(米国電子工業会)
で定める規格値+11dBを充分にクリアすることがで
き、良好な漏話特性を得ることができた。このように、
本発明においては、最悪の場合でも、充分な漏話特性を
得ることができる。
【0126】更に、図16に、実施例1についての1ユ
ニットおきの2つのユニット12間のうちの、まずはタ
イプIIとタイプIII 間における対14の組み合わせに
関し得られた近端漏話減衰量の測定値を示した。この図
16から解るように、1ユニットおきの2つのユニット
12間においてもいずれの対14の組み合わせをとって
も、全周波数帯域にわたって近端漏話減衰量の最悪値が
EIA(米国電子工業会)で定める規格値+11dBを
充分にクリアすることができ、良好な漏話特性を得るこ
とができた。特に、ユニット長手方向成分と絶縁電線1
6の外径dとの比が、16.4を越える撚りピッチを有
する対14(表6に示すタイプIIの対乃至対)の
組み合わせの場合でも、本発明においては、数式(4)
を満足していることから、充分な漏話特性を得ることが
できるのが解った。
【0127】次いで、同じく実験例1についての1ユニ
ットおきの2つのユニット12間のうちの、タイプIII
とタイプIVの間における対14の組み合わせに関し得ら
れた近端漏話減衰量の測定値を図17に、またタイプIV
とタイプII間における対14の組み合わせに関し得ら
れた近端漏話減衰量の測定値を図18に示した。これら
の図17及び図18から解るように、他の1ユニットお
きの2つのユニット12間における対14の組み合わせ
についても、数式(4)を満足するように設定されてい
るため、良好な漏話特性を得ることができた。換言する
と、図16乃至図18から、この実施例1は、条件
(4)の後段に示すように、条件(2)を満足するタイ
プIIのユニット12から1ユニットおき毎に配置され
る全ての1ユニットおきの2つのユニット12間で、条
件(4)を満足するように、対14の撚りピッチが選択
されている。なお、同じく1ユニットおきの2つのユニ
ット12であっても、条件(1)を満足するタイプIと
タイプI間における対14の組み合わせについては、P
Iy/d≦16.4であるため、上記の数式(4)を導く
過程から解るように、問題なく表4に示す規格値+11
dBという値をクリアすることができると考えられる。
【0128】
【表7】
【0129】また、実施例2として、表7に示すよう
に、『Piy×Pjy/d2 ≦144の場合に、Piy>Pjy
であればPiy/Pjy≧1.09』という数式(3)の条
件を満たす対14の組み合わせを多く含めるように、短
い撚りピッチを有する対14をタイプII乃至タイプIV
内に2つ設定して(表7の実施例2に関するタイプII
の対及び対、タイプIII の対′及び対′、タイ
プIVの対″及び対″)、通信ケーブル10を製造し
た。具体的には、表7に示すように、4つの対14A乃
至14Dの撚りピッチは、タイプIについては、それぞ
れ、9.5mm、10.5mm、11.4mm、13.
5mmに、タイプIIについては、それぞれ、7.8m
m、8.6mm、17.1mm、20.0mmに、タイ
プIII については、それぞれ7.8mm、8.6mm、
18.0mm、21.9mmに、タイプIVについては、
それぞれ7.8mm、8.6mm、19.0mm、2
3.8mmに設定した。すなわち、この実施例2は、上
記の条件(5)乃至条件(8)を満足するように、対1
4の撚りピッチを選択したものである。なお、表7に示
すように、対14の撚りピッチ以外の条件は、実施例1
と実施例2との対14の撚りピッチの違いによる近端漏
話減衰量の差が明確となるように、全て実施例1の通信
ケーブル10と同じ仕様とした。
【0130】この表7に示す実施例2についても、実施
例1と同様に、(1)1つのユニット12内(タイプI
I内)における全ての対14の組み合わせ、(2)隣り
合う2つのユニット12間(タイプIとタイプII間)
における対14の組み合わせ、(3)1ユニットおきの
2つのユニット12間(タイプIIとタイプIII 間、タ
イプIII とタイプIV間、タイプIIとタイプIV間)にお
ける対14の組み合わせについて近端漏話減衰量を測定
したところ、いずれも、充分良好な漏話特性を得ること
ができ、実施例1に比べて、特に、1つのユニット内
(タイプII内)における漏話特性が向上したことが確
認された。この実施例2から、比較的短い撚りピッチを
有する対14を含めた方が、1つのユニット12内にお
ける近端漏話減衰量が向上することが解る。
【0131】
【表8】
【0132】なお、この表6に示す実施例1及び表7に
示す実施例2において、対14の撚りピッチを選択する
際の基準となるPIx×PIIx /d2 、PIx×PIIIx/d
2 、PIx×PIVx /d2 (すなわち、数式(1)の左
辺)、PIy×PIIy /d2 、PIy×PIIIy/d2 、PIy
×PIVy /d2 (すなわち、数式(2)及び数式(3)
の前提条件の左辺)、PIy/PIIy (又はPIy
IIIy、PIy/PIVy )(すなわち、数式(2)及び数
式(3)の中の条件の左辺)、また、1ユニットおきの
2つのユニット12間のPIIy /d>16.4、PIIIy
/d>16.4、PIVy/d>16.4となる対14の
組み合わせにおけるPIIy /PIIIy、PIIIy/PIVy
IVy /PIIy (すなわち、数式(4)の左辺)の範囲
は、表8に示す通りである。また、この場合、表6及び
表7に示すように、絶縁電線16の外径dは0.96m
m、ユニット12の外径Dui (図4及び数式(4)及
び数式(5)参照)は3.94mm、また、ユニット1
2の撚りピッチPui (図4及び数式(4)及び数式
(5)参照)はタイプIにつき140mm、タイプII
乃至タイプIVにつき160mmとして、PIx、PIy、P
IIx 、PIIy を求め、また、表8の数値を求めた。
【0133】この表8から解るように、表6に示す実施
例1及び表7に示す実施例2は共に、全ての対14の撚
りピッチが、数式(1)及び数式(2)、又は数式
(1)及び数式(3)のいずれか、及び数式(4)の前
提条件に該当する場合には、更に数式(4)を満足する
領域から選択されている。このように、本発明において
は、数式(1)及び数式(2)、又は数式(1)及び数
式(3)のいずれか、及び数式(4)の前提条件に該当
する場合には、更に数式(4)を満足する領域から対1
4の撚りピッチを選択すれば、充分な漏話特性を得るこ
とができるのが解る。
【0134】従って、数式(1)及び数式(2)、又は
数式(1)及び数式(3)、及び数式(4)の前提条件
に該当する場合には、更に数式(4)を満足する領域内
で、適切に対14の撚りピッチを選択すれば、高速デー
タ通信に対応しつつ、良好な漏話特性を得ることができ
る。この場合、特に各ユニット12にシールドを施すこ
となく、良好な漏話特性を得ることができるため、通信
ケーブル10の細径化、軽量化、及び可撓性を充分に確
保することができ、EIA/TIA(米国電子工業会/
米国通信工業会)の標準規格をクリアすることができ
る。
【0135】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、複数の
対の撚りピッチを所定の範囲に数値限定しているため、
あるユニットを構成する対と、このユニットと隣り合う
ユニットを構成する対の撚りピッチが必ず異なり、しか
も各対が実験の結果得られた最適な値で撚り合わされて
いるため、高速データ通信、高周波通信に対応しつつ、
充分な漏話特性を得ることができる実益がある。特に、
各ユニットにシールドを施すことなく充分な漏話特性を
実現しているため、通信ケーブルが細径、軽量となり、
コストを低減することができる上に、また充分な可撓性
を有するので、床下へのフリーアクセスや電線管、トレ
ー等へ配線することが容易となる実益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信ケーブルの断面図である。
【図2】本発明に用いられるユニットの断面図である。
【図3】本発明に用いられる対の断面図である。
【図4】ユニット内における対の撚りピッチのユニット
径方向成分とユニット長手方向成分とを示す撚りピッチ
分解図である。
【図5】本発明に関する実験例に用いられたユニットの
配列状態を示す該略図である。
【図6】本発明に用いられるユニットの配列状態を示す
概略図である。
【図7】表2及び表3に示す実験例1乃至実験例4につ
いて、隣接するユニット間における全ての対の組み合わ
せにつき得られた近端漏話減衰量と、対の撚りピッチの
Iユニット径方向成分とIIユニット径方向成分の積
(PIx×PIIx )との関係を示すプロット図である。
【図8】表2及び表3に示す実験例1乃至実験例4につ
いて、隣接するユニット間における全ての対の組み合わ
せにつき得られた近端漏話減衰量と、対の撚りピッチの
Iユニット長手方向成分とIIユニット長手方向成分の
積(PIy×PIIy )との関係を示すプロット図である。
【図9】表2及び表3に示す実験例1乃至実験例4につ
いて、隣接するユニット間における全ての対の組み合わ
せにつき得られた近端漏話減衰量と、対の撚りピッチの
Iユニット長手方向成分とIIユニット長手方向成分と
の比(PIy/PIIy )との関係を示すプロット図であ
る。
【図10】発信側であるIユニットを構成する対TI
撚りピッチPI を8.5mmに固定した場合(実験例
5)と、対TI の撚りピッチPI と対TIIの撚りピッチ
IIとが共に10.0mm以上の対の組み合わせの場合
(実験例6)において、対の撚りピッチのユニット長手
方向成分の積(PIy×PIIy )を変えていった時の、各
ケースにおいて得られた近端漏話減衰量と、対の撚りピ
ッチのIユニット長手方向成分とIIユニット長手方向
成分との比(PIy/PIIy )との関係を示すプロット図
である。
【図11】表5に示す実験例7についてのタイプIIの
ユニット内における全ての対の組み合わせに関し得られ
た近端漏話減衰量の測定値を示したプロット図である。
【図12】表5に示す実験例7についての隣り合う2つ
のユニット間(タイプIとタイプII間)における対の
組み合わせに関し得られた近端漏話減衰量の測定値を示
したプロット図である。
【図13】表2及び表3に示す実験例1乃至実験例4及
び表5に示す実験例7及び実験例8について得られた、
1ユニットおきの2つのユニット間における同一の撚り
ピッチを有する対の組み合わせの近端漏話減衰量と、対
の撚りピッチのIユニット長手方向成分とIユニット長
手方向成分の積(PIy×PIy)と絶縁電線の外径dの積
(d2 )との比((PIy×PIy)/d2 )、又は対の撚
りピッチのIIユニット長手方向成分とIIユニット長
手方向成分の積(PIIy ×PIIy )と絶縁電線の外径d
の積(d2 )との比との関係を示すプロット図である。
【図14】表6に示す本発明の実施例1についてのタイ
プIIのユニット内における全ての対の組み合わせに関
し得られた近端漏話減衰量の測定値を示したプロット図
である。
【図15】表6に示す本発明の実施例1についての隣り
合う2つのユニット間(タイプIとタイプII間)にお
ける対の組み合わせに関し得られた近端漏話減衰量の測
定値を示したプロット図である。
【図16】表6に示す本発明の実施例1についての1ユ
ニットおきの2つのユニット間(タイプIIとタイプII
I 間)における対の組み合わせに関し得られた近端漏話
減衰量の測定値を示したプロット図である。
【図17】表6に示す本発明の実施例1についての1ユ
ニットおきの2つのユニット間(タイプIII とタイプIV
間)における対の組み合わせに関し得られた近端漏話減
衰量の測定値を示したプロット図である。
【図18】表6に示す本発明の実施例1についての1ユ
ニットおきの2つのユニット間(タイプIIとタイプIV
間)における対の組み合わせに関し得られた近端漏話減
衰量の測定値を示したプロット図である。
【符号の説明】
10 通信ケーブル 12 ユニット 14 対 16 絶縁電線 18 導体 20 絶縁層 34 介在 36 押巻き 38 シース I タイプIのユニット II タイプIIのユニット III タイプIII のユニット IV タイプIVのユニット Pi 任意に選択されたユニットUi を構成する対のう
ち任意に選択された対Ti の撚りピッチ Piy 撚りピッチPi のユニット長手方向成分 Pix 撚りピッチPi のユニット径方向成分 Pj ユニットUi に隣接するユニットUj を構成する
対のうち任意に選択された対Tj の撚りピッチ Pjy 撚りピッチPj のユニット長手方向成分 Pjx 撚りピッチPj のユニット径方向成分 PIy タイプIのユニットUI を構成する対TI の撚り
ピッチPI のユニット長手方向成分 PIx タイプIのユニットUI を構成する対TI の撚り
ピッチPI のユニット径方向成分 PIIy タイプIIのユニットUIIを構成する対TIIの撚
りピッチPIIのユニット長手方向成分 PIIx タイプIIのユニットUIIを構成する対TIIの撚
りピッチPIIのユニット径方向成分 Pui ユニットUi の撚りピッチ Puj ユニットUj の撚りピッチ Dui ユニットUi の外径 Duj ユニットUj の外径
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】ここに、近年、事務所や商用ビルディング
等の構内配線システムにおいても、100Mbps程度
の高速データ伝送の要求が高まってきている。このよう
な高速データ通信に用いる通信ケーブルについては、E
IA/TIA(米国電子工業会/米国通信工業会)−5
68Aにより標準規格が定められており、特に、100
Mbpsまでのデータ伝送に使用できる電線について
は、そのカテゴリー5において複数の対を撚り合わせて
成るユニットを集合撚りした非シールドのユニットタイ
プケーブルの性能仕様で最低限の性能に関する標準規格
が定められている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】しかし、従来技術のような単に隣り合う対
を異なる撚りピッチで撚り合わせて成るユニットを複数
組集合撚りしてユニットタイプの通信ケーブルを製造し
ても、あるユニットを構成する対の撚りピッチと、隣り
合うユニットを構成する対の撚りピッチとが等しくなる
と、充分な漏話特性を得ることができず、EIA/TI
A(米国電子工業会/米国通信工業会)−568Aで定
める標準規格における漏話特性をクリアすることができ
ない。すなわち、ユニットタイプのケーブルにおいて
は、1つのユニット内における対の関係だけではなく、
あるユニットを構成する対と、そのユニットと隣り合う
ユニットを構成する対との間の撚りピッチの関係、ま
た、対の撚りピッチの値によっては、1ユニットおき、
あるいは、2ユニットおきのユニットを構成する対との
間の撚りピッチの関係まで考慮する必要がある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】更に、複数の対を有する通信ケーブルにつ
いては、ISO/IEC(国際標準化機構/国際電気標
準会議)DIS11801により、EIA/TIA(米
国電子工業会/米国通信工業会)−568Aで定める1
00Mbpsの高速データ通信に用いることができる電
線の標準規格(カテゴリー5)における漏話減衰量に対
し、規格値+〔6+10log (n+1):nはあるユニ
ットが隣接するユニットの数を示す〕dB程度のマージ
ンを設けるべき旨が提案されており、同時に発信された
信号からの多重漏話特性に対し、一層厳しい要求がなさ
れている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明
すると、図1は本発明の通信ケーブル10を示し、この
通信ケーブル10は、必要に応じて設けられる介在34
を介して複数のユニット12を集合撚りして押巻き36
により被覆し、この押巻き36の上にシース38を被覆
して形成されている。すなわち、本発明の通信ケーブル
10は、いわゆるユニットタイプの通信ケーブルであ
り、EIA/TIA(米国電子工業会/米国通信工業
会)−568Aで定める100Mbps程度の高速デー
タ通信に使用できる電線の標準規格に対応することがで
きるものである。従って、本発明の通信ケーブル10
は、近年要求が高まっている商用ビルディング等の構内
配線システムにおける高速データ通信に対応することが
できる。なお、図1に示す実施例では、通信ケーブル1
0は、6つのユニット12A乃至12Fから成っている
が、必要に応じて他の適宜な数としてもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】このようにして各実験例につき得られた近
端漏話減衰量を、表4に示すEIA/TIA(米国電子
工業会/米国通信工業会)−568Aの100Mbps
の高速データ通信に用いることができる電線の標準規格
(カテゴリー5)に照らして、評価を行った。評価方法
は、表2に示すタイプIのユニット12を構成する4つ
の対乃至と、タイプIIのユニット12を構成する
4つの対乃至との間の全ての組み合わせ(例えば、
対と対、対と対、対と対、対と対等の
組み合わせ)につき得られた近端漏話減衰量の測定値か
ら、表4に示す規格値+11dBの値を引いた値を算出
し、これを各組み合わせにつき表4に示す標準規格の全
周波数帯域(表4に示す12の周波数)にわたって求め
た。そして、最悪の場合でも表4に示す規格値+11d
Bをクリアすることができるかが問題となるため、対1
4の各組み合わせにつき、全周波数帯域において得られ
た12通りの近端漏話減衰量の中から、最小値をもっ
て、各組み合わせの漏話レベルとした。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】なお、この場合、表4に示す規格値に、+
11dBを加算した値をもって評価の基準としたのは、
多重漏話を考慮した場合のマージンとして適当だからで
ある。すなわち、この+11dBという値は、上述した
ISO/IEC(国際標準化機構/国際電気標準会議)
DIS11801による提案である、規格値+〔6+1
0log (n+1)〕dBに、n=2を代入し、6+10
log (2+1)=10.77≒11より算出したもので
ある。この場合、変数nは、あるユニット12が隣り合
うユニット12の数であるため、表2により特定される
通信ケーブル10においては、図1を例に説明すると、
あるユニット12Aが、隣り合うのは、ユニット12B
とユニット12Fの2つであることから、n=2とな
る。従って、図1と異なり、例えば中心に介在34の代
わりにユニット12を配置した場合には、あるユニット
12が隣り合うユニット12の数は、3つであるからn
=3となる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正内容】
【0070】そこで、更に、規格値+11dBという基
準をクリアすることができる領域を探るため、(1)
イプIIのユニットII を構成する対II の撚りピッチ
II を、II =8.5mmに設定した場合(実験例5)
と、(2)対TI の撚りピッチPI と対TIIの撚りピッ
チPIIとが共に10.0mm以上の対TI と対TIIの組
み合わせの場合(実験例6)とを考え、これらの対TI
と、タイプIIのユニットUIIを構成する対T IIとの
み合わせにおいて、対I の撚りピッチI (そのユニ
ット長手方向成分はIy )を変えて、PIy×PIIy の値
を種々設定し、図10に示すように、各ケースにおける
2つのユニット12間(タイプIのユニットUI と、タ
イプIIのユニットUII間)における対14の撚りピッ
チのユニット長手方向成分の比(PIy/PIIy )を横軸
にとり、対14の各組み合わせ(TI とTIIの組み合わ
せ)につき得られた近端漏話減衰量の測定値から表4に
示す規格値+11dBを引いた値の全周波数帯域の中で
の最小値を縦軸にとって、各ケースにおける対14の撚
りピッチのユニット長手方向成分の比(PIy/PIIy
と、近端漏話減衰量との関係を調べた。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正内容】
【0074】このようにして、『Piy×Pjy/d2 ≦1
44の場合には、Piy>PjyであればPiy/Pjy≧1.
09、Piy<PjyであればPiy/Pjy≦0.92』とい
う数式(3)を導いたのである。また、この場合、Piy
×Pjy/d2 ≦144の範囲内においては、このように
数式(3)の条件に委ねた方が、規格値+11dBとい
う基準をクリアすることができる対14の組み合わせを
広く包括することができるため、数式(2)の前提条件
として導かれた『Piy×Pjy/d2 ≦413』という範
囲内から、『Piy×Pjy/d2 ≦144』という領域を
除いて、『144<Piy×Pjy/d2 ≦413の場合に
は』という数式(2)の前提条件を導いたのである。こ
のことは、図10において、PIy×PIIy /d2 ≦14
4の範囲に限定して着目した場合、II =8.5と比較
的短い撚りピッチを設定しPIy×PIIy がある程度小さ
くなる組み合わせを設定した実験例5(図10の中白点
○で示されるプロット参照)の方が、実験例6(図10
の中黒点●で示されるプロット参照)に比べ、縦軸が0
dB以上で規格値+11dBという基準を満足している
プロットが、多いことからも解る(実験例6について
は、プロットdの1つのみであるのに対して、実験例5
については、プロットg、h、i、jの4つであ
る。)。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0124
【補正方法】変更
【補正内容】
【0124】すなわち、まず、図14は、表6に示す実
施例1についてのタイプIIのユニット12内における
全ての対14の組み合わせに関し得られた近端漏話減衰
量の測定値を示したものである。この図14から解るよ
うに、1つのユニット12内(タイプII内)において
はいずれの対14の組み合わせをとっても、全周波数帯
域にわたって近端漏話減衰量の最悪値がEIA/TIA
(米国電子工業会/米国通信工業会)−568Aで定め
る規格値を充分にクリアすることができた。特に、タイ
プIIのユニット12内における対14の組み合わせの
中で、8.2mmの撚りピッチを有する対14(表6の
実施例1に関する対参照)を含む対14の組み合わせ
については、図14に示すように、EIA/TIA(米
国電子工業会/米国通信工業会)−568Aで定める規
格値に対してほぼ10dB以上のマージンを有してお
り、充分良好な漏話特性を有していることが解る。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0125
【補正方法】変更
【補正内容】
【0125】次いで、図15に、実施例1についての隣
り合う2つのユニット12間(タイプIとタイプII
間)における対14の組み合わせに関し得られた近端漏
話減衰量の測定値を示した。この図15から解るよう
に、隣り合う2つのユニット12間においてもいずれの
対14の組み合わせをとっても、全周波数帯域にわたっ
て近端漏話減衰量の最悪値がEIA/TIA(米国電子
工業会/米国通信工業会)−568Aで定める規格値+
11dBを充分にクリアすることができ、良好な漏話特
性を得ることができた。このように、本発明において
は、最悪の場合でも、充分な漏話特性を得ることができ
る。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0126
【補正方法】変更
【補正内容】
【0126】更に、図16に、実施例1についての1ユ
ニットおきの2つのユニット12間のうちの、まずはタ
イプIIとタイプIII 間における対14の組み合わせに
関し得られた近端漏話減衰量の測定値を示した。この図
16から解るように、1ユニットおきの2つのユニット
12間においてもいずれの対14の組み合わせをとって
も、全周波数帯域にわたって近端漏話減衰量の最悪値が
EIA/TIA(米国電子工業会/米国通信工業会)−
568Aで定める規格値+11dBを充分にクリアする
ことができ、良好な漏話特性を得ることができた。特
に、ユニット長手方向成分と絶縁電線16の外径dとの
比が、16.4を越える撚りピッチを有する対14(表
6に示すタイプIIの対乃至対)の組み合わせの場
合でも、本発明においては、数式(4)を満足している
ことから、充分な漏話特性を得ることができるのが解っ
た。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0134
【補正方法】変更
【補正内容】
【0134】従って、数式(1)及び数式(2)、又は
数式(1)及び数式(3)、及び数式(4)の前提条件
に該当する場合には、更に数式(4)を満足する領域内
で、適切に対14の撚りピッチを選択すれば、高速デー
タ通信に対応しつつ、良好な漏話特性を得ることができ
る。この場合、特に各ユニット12にシールドを施すこ
となく、良好な漏話特性を得ることができるため、通信
ケーブル10の細径化、軽量化、及び可撓性を充分に確
保することができ、ISO/IEC(国際標準化機構/
国際電気標準会議)DIS11801の標準規格をクリ
アすることができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】受信側であるIIユニットを構成する対TII
撚りピッチPIIを8.5mmに固定した場合(実験例
5)と、対TI の撚りピッチPI と対TIIの撚りピッチ
IIとが共に10.0mm以上の対の組み合わせの場合
(実験例6)において、対の撚りピッチのユニット長手
方向成分の積(PIy×PIIy )を変えていった時の、各
ケースにおいて得られた近端漏話減衰量と、対の撚りピ
ッチのIユニット長手方向成分とIIユニット長手方向
成分との比(PIy/PIIy )との関係を示すプロット図
である。
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正内容】
【図15】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正内容】
【図16】
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正内容】
【図17】
【手続補正19】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図18
【補正方法】変更
【補正内容】
【図18】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の対を隣り合う対が異なる撚りピッ
    チとなるように撚り合わせて成る複数のユニットを隣り
    合うユニットが異なる撚りピッチとなるように集合撚り
    して形成されている通信ケーブルにおいて、前記複数の
    ユニットのうち任意に選択された隣り合う2つのユニッ
    トUi 、Uj と、また、任意に選択された1ユニットお
    きの2つのユニットUi 、Uk に着目した場合に、前記
    ユニットUi を構成する複数の対のうち任意に選択され
    た対Ti の撚りピッチPi と、前記ユニットUj を構成
    する複数の対のうち任意に選択された対Tj の撚りピッ
    チPj とが異なり、かつ、前記撚りピッチPi と前記撚
    りピッチPj とが共に、下記の数式(1)及び数式
    (2)、又は数式(1)及び数式(3)を満足する領域
    から選択され、また、前記撚りピッチPi と前記ユニッ
    トUk を構成する複数の対のうち任意に選択された対T
    k の撚りピッチPk が下記の数式(4)に示す前提条件
    に該当する場合には、更に、前記撚りピッチPi と前記
    撚りピッチPkとが共に、下記の数式(4)を満足する
    領域から選択されて撚り合わされていることを特徴とす
    る通信ケーブル。但し、数式(1)乃至数式(4)にお
    いて、Pix、Pjxは、それぞれ前記対Ti の撚りピッチ
    i のユニット径方向成分及び前記対Tj の撚りピッチ
    j のユニット径方向成分であり、Piy、Pjy、P
    kyは、それぞれ、前記対Ti の撚りピッチPi のユニッ
    ト長手方向成分、前記対Tj の撚りピッチPj のユニッ
    ト長手方向成分及び前記対Tk の撚りピッチPk のユニ
    ット長手方向成分であり、また、dは、前記複数の対を
    構成する絶縁電線の外径である。 数式(1) Pix×Pjx/d2 ≦7 数式(2) 144<Piy×Pjy/d2 ≦413の場合
    には、 Piy>PjyであればPiy/Pjy≧1.25 Piy<PjyであればPiy/Pjy≦0.8 数式(3) Piy×Pjy/d2 ≦144の場合には、 Piy>PjyであればPiy/Pjy≧1.09 Piy<PjyであればPiy/Pjy≦0.92 数式(4)前提条件としてPiy/d>16.4、Pky
    d>16.4である場合には、 Piy>PkyであればPiy/Pky≧1.04 Piy<PkyであればPiy/Pky≦0.96
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の通信ケーブルであっ
    て、前記対の撚りピッチが、下記の条件(1)乃至条件
    (4)を満足していることを特徴とする通信ケーブル。 条件(1) 前記ユニットUi を構成する複数の対のう
    ち任意に選択された対Ti の撚りピッチPi は、Piy
    d≦16.4の領域から選択される。 条件(2) 前記条件(1)を満足するユニットUi
    隣り合うユニットUj を構成する複数の対の撚りピッチ
    j については、前記ユニットUj を構成する複数の対
    のうちの1つの対Tjaの撚りピッチPjaは、前記条件
    (1)を満足するユニットUi を構成する複数の対の撚
    りピッチPi のうちの最小値Pi(min)よりも小さくなる
    ように設定され(Pi(min)>Pja)、且つ、前記撚りピ
    ッチPjaと前記撚りピッチPi のうちの最小値Pi(min)
    との関係が、前記数式(3)のPi(min)y /Pjay
    1.09を満足するように設定されている。前記ユニッ
    トUj を構成する複数の対のうちの前記1つの対Tja
    外の対の撚りピッチPjRは、Pi <PjRとし、且つ、前
    記撚りピッチPjRと前記撚りピッチPi との関係が、前
    記数式(2)のPiy/PjRy ≦0.8を満足するように
    設定されている。 条件(3) 前記条件(1)を満足するユニットUi
    ら1ユニットおき毎に配置されるユニットUi1乃至ユニ
    ットUinの各々は、前記ユニットUi を構成する複数の
    対の撚りピッチとそれぞれ同じ撚りピッチを有する複数
    の対から成っている。 条件(4) 前記条件(2)を満足するユニットUj
    ら1ユニットおきの位置にあるユニットUj1を構成する
    複数の対の撚りピッチPj1については、前記ユニットU
    j1を構成する複数の対の撚りピッチPj1のうちの最小値
    j1(min) は、前記撚りピッチPj のうちの最小値P
    j(min)である前記撚りピッチPjaと同一となるように設
    定され(Pj(min)=Pj1(min) )、且つ、前記ユニット
    j1を構成する複数の対の撚りピッチPj1のうちの最小
    値Pj1(min) 以外の撚りピッチPj1R と前記条件(2)
    を満足するユニットUj を構成する複数の対の撚りピッ
    チPj のうちの最小値Pj(min)である前記撚りピッチP
    ja以外の撚りピッチPjRとの関係が、前記数式(4)の
    jRy >PjR1yであればPjRy /PjR1y≧1.04、P
    jRy <Pj1RyであればPjRy /Pj1Ry≦0.96を満足
    するように設定されている。この場合において、前記条
    件(2)を満足するユニットUj から1ユニットおき毎
    に配置されるユニットUj1乃至ユニットUjnのうち任意
    に選択された1ユニットおきの2つのユニットの組み合
    わせにおいても、一方のユニットを構成する複数の対の
    撚りピッチと他方のユニットを構成する複数の対の撚り
    ピッチとの関係が、この条件(4)を満足するように設
    定されている。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の通信ケーブルであっ
    て、前記対の撚りピッチが、下記の条件(5)乃至条件
    (8)を満足していることを特徴とする通信ケーブル。 条件(5) 前記ユニットUi を構成する複数の対のう
    ち任意に選択された対Ti の撚りピッチPi は、Piy
    d≦16.4の領域から選択される。 条件(6) 前記条件(5)を満足するユニットUi
    隣り合うユニットUj を構成する複数の対の撚りピッチ
    j については、前記ユニットUj を構成する複数の対
    のうちの2つの対Tja、Tjbの撚りピッチPja、P
    jbは、前記条件(5)を満足するユニットUi を構成す
    る複数の対の撚りピッチPi のうちの最小値Pi(min)
    りも小さくなるように設定され(Pi(min)>Pja、P
    i(min)>Pjb)、且つ、前記撚りピッチPjaと前記撚り
    ピッチPi のうちの最小値Pi(min)との関係及び前記撚
    りピッチPjbと前記撚りピッチPi のうちの最小値P
    i(min)との関係が、それぞれ、前記数式(3)のP
    i(min)y /Pjay ≧1.09、Pi(mi n)y /Pjby
    1.09を満足するように設定されている。前記ユニッ
    トUj を構成する複数の対のうちの前記2つの対Tja
    び対Tjb以外の対の撚りピッチPjRは、Pi <PjR
    し、且つ、前記撚りピッチPjRと前記撚りピッチPi
    の関係が、前記数式(2)のPiy/PjRy ≦0.8を満
    足するように設定されている。 条件(7) 前記条件(5)を満足するユニットUi
    ら1ユニットおき毎に配置されるユニットUi1乃至ユニ
    ットUinの各々は、前記ユニットUi を構成する複数の
    対の撚りピッチとそれぞれ同じ撚りピッチを有する複数
    の対から成っている。 条件(8) 前記条件(6)を満足するユニットUj
    ら1ユニットおきの位置にあるユニットUj1を構成する
    複数の対の撚りピッチPj1については、前記ユニットU
    j1を構成する複数の対のうちの2つの対Tj1a 、Tj1b
    の撚りピッチPj1a 、Pj1b は、それぞれ、前記条件
    (5)を満足するユニットUi を構成する複数の対の撚
    りピッチPi のうちの最小値Pi(min)よりも小さく設定
    された前記2つの対Tja、Tjbの前記撚りピッチPja
    jbと同一となるように設定され(Pja=Pj1a 、Pjb
    =Pj1b )、且つ、前記ユニットUj1を構成する複数の
    対の撚りピッチPj1のうちの前記撚りピッチPj1a 、P
    j1b 以外の撚りピッチPj1 R と前記条件(6)を満足す
    るユニットUj を構成する複数の対の撚りピッチPj
    うちの前記撚りピッチPja、Pjb以外の撚りピッチPjR
    との関係が、前記数式(4)のPjRy >Pj1Ryであれば
    jRy /Pj1Ry≧1.04、PjRy <Pj1RyであればP
    jRy /Pj1Ry≦0.96を満足するように設定されてい
    る。この場合において、前記条件(6)を満足するユニ
    ットUj から1ユニットおき毎に配置されるユニットU
    j1乃至ユニットUjnのうち任意に選択された1ユニット
    おきの2つのユニットの組み合わせにおいても、一方の
    ユニットを構成する複数の対の撚りピッチと他方のユニ
    ットを構成する複数の対の撚りピッチとの関係が、この
    条件(8)を満足するように設定されている。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015149183A (ja) * 2014-02-06 2015-08-20 冨士電線株式会社 Lan用ツイストペアケーブル

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