JPH07306426A - 非線形光学シリカガラスおよびその製造方法 - Google Patents

非線形光学シリカガラスおよびその製造方法

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JPH07306426A
JPH07306426A JP6123226A JP12322694A JPH07306426A JP H07306426 A JPH07306426 A JP H07306426A JP 6123226 A JP6123226 A JP 6123226A JP 12322694 A JP12322694 A JP 12322694A JP H07306426 A JPH07306426 A JP H07306426A
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  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 第2高調波発生効率が大きく、耐レ−ザ−
損傷性の高い波長変換用非線形光学シリカガラスを提供
すること。 【構成】 遷移金属元素の少なくとも1種類以上を10
〜5,000wt.ppm、アルミニウムまたはリンの
少なくとも1種類を10〜5,000wt.ppm含有
し、かつOH基濃度が10〜5,000wt.ppmで
あるシリカガラスまたはシリカガラスファイバーをポ−
リング処理またはシ−ディング処理してなる非線形光学
シリカガラスおよびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非線形光学効果を有す
る板状、薄片状またはファイバー状シリカガラスおよび
その製造方法に関し、さらに詳しくは入力レーザの高調
波レーザ、特に第2高調波(以下SHGという)を発生
するシリカガラスおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザリソグラフィー、レーザ医
療、レーザ加工等に高出力紫外線レーザが、また光ディ
スク等の光情報処理、光計測等に短波長の可視光から紫
外線域のレーザが使用されるようになってきた。こうし
た用途に加えてレーザは、光化学反応、同位体分離にも
用いられ、そのためのレーザ光の短波長化や波長の自在
制御、すなわちチューナビリティが必要となってきた。
【0003】上記目的のためのレーザとして従来ガスレ
ーザや色素レーザ等が用いられてきたが、発振装置が大
型で高コストのため、固体レーザを非線形光学材料で短
波長レーザへ変換する技術が注目を集め、そのための無
機非線形光学材料が提案された。かかる無機非線形光学
材料として、例えばKTP(KTiOPO4)、KDP
(KH2PO4)、BBO(BaB24)、LN(LiN
bO3)等の光学単結晶やCdSxSe 1ーx粒子ドープガ
ラス、CdS粒子ドープガラス、CuCl粒子ドープガ
ラス等の光学ガラスがある。しかしながら、前記無機非
線形光学材料は、例えば光学単結晶にあっては、高出力
レーザの照射によってもダメージが入りにくく、耐レー
ザ損傷性に優れている利点があるものの、構造欠陥の少
ない高品質の大型単結晶を合成することが困難で、しか
も高価である欠点を有している。また、光学ガラスにあ
っては、低コスト化が達成でき、かつ大型の均質な材料
が得られ易い利点があるものの、SHGの発生効率が小
さく、また変換した波長域での光吸収が大きく、素子長
を大きくできないという欠点があった。このように従来
の非線形光学材料では満足の行く波長変換素子の作成が
困難で、より高性能の非線形光学材料の出現が待たれて
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】こうした現状を踏ま
え、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、シリカガラス中
に特定量の遷移金属元素と、特定量のアルミニウムまた
はリン、特定量のOH基を含有させ、それをポ−リング
処理またはシーディグ処理をすることにより上記欠点の
ない非線形光学シリカガラスが得られることを見出し、
本発明を完成したものである。すなわち
【0005】本発明は、非線形光学効果、特にSHGの
発生効率が大きい非線形光学シリカガラスを提供するこ
とを目的とする。
【0006】本発明は、長時間の使用によっても入力レ
−ザ−や波長変換された出力レ−ザ−によるダメ−ジが
入りにくく、しかもレーザ照射によるカラーセンターの
生成、着色、透過率の低下等の起こりにくい非線形光学
シリカガラスを提供することを目的とする。
【0007】本発明は、大型で、機械加工が容易な波長
変換用非線形光学シリカガラスを提供することを目的と
する。
【0008】本発明は、上記非線形光学シリカガラスを
安価に製造する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、遷移金属元素の少なくとも1種類以上を10〜
5,000wt.ppm、アルミニウムまたはリンの少
なくとも1種類を10〜5,000wt.ppm含有
し、かつOH基濃度が10〜5,000wt.ppmで
あるシリカガラスまたはシリカガラスファイバーをポ−
リング処理あるいはシーディング処理してなる非線形光
学シリカガラスおよびその製造方法に係る。
【0010】上記遷移金属元素としては、原子番号21
〜29(Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、N
i、Cu)、39〜47(Y、Zr、Nb、Mo、T
c、Ru、Rh、Pd、Ag)または57〜71(L
a、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu,Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)を挙げるこ
とができ、その1種以上が選ばれる。特にTi、Cr、
Fe、Cu、Zr、Ce、Nd、Eu、Dy、またはE
rの遷移金属元素が好適に使用される。遷移金属元素の
含有量が10〜5,000wt.ppmであることによ
り非線形光学効果が上がる。該遷移金属元素の含有量が
10wt.ppm未満では非線形光学効果が発生せず、
また5,000wt.ppmを超えると、高透過率を示
す均質なシリカガラスが得られない。
【0011】この遷移金属元素はアルミニウムまたはリ
ンの少なくとも1種類が10〜5,000wt.ppm
の範囲で共存させるとシリカガラス中に均一に分散・溶
解する。アルミニウムまたはリンの含有量が前記範囲を
逸脱すると、遷移金属元素の均一分散・溶解が達成でき
ず透過率の低下が起こる。
【0012】上記各成分に加えてさらにOH基濃度を1
0〜5,000wt.ppmの範囲にすると非線形光学
効果が一段と増加するとともに、耐レーザ損傷性が向上
する。前記OH基濃度が10wt.ppm未満では、非
線形光学効果が弱く、また5,000wt.ppmを超
えるOH基をシリカガラスに含有させることは工業的に
困難がある。
【0013】上記各成分を含有するシリカガラスはポー
リング処理またはシーディング処理を施すことにより非
線形光学効果が発現する。
【0014】ポーリング処理とは、シリカガラスを高温
下で直流電圧をかけ、中心対称性を有する等方的シリカ
ガラスの双極子を再配列し分極させる処理をいう。例え
ば縦20×横20×厚さ(0.5〜5)mmの板状シリ
カガラスにあっては処理温度200〜500℃に保ちつ
つ、直流電圧1〜10KV/mm(ガラス厚)を10〜
60分かけることにより非線形光学効果が発現する。
【0015】また、シーディング処理とは、光ファイバ
ーにシード光を伝送する処理をいう。例えば外径200
μmφ、コア径50μm、長さ1mの光ファイバー状シ
リカガラスに、光波長変換前のポンプ光と同時に別途発
生させたSHGシード光を伝送させると非線形光学効果
が発現する。
【0016】ポーリング処理における処理温度が200
℃未満ではポーリング効果がなく、また500℃を超え
る温度ではポーリング効果が減少していく。さらに直流
電圧が1KV/mm(ガラス厚さ)未満ではポ−リング
効果がなく、直流電圧が10KV/mm(ガラス厚さ)
を超えるとポ−リング効果が減少するとともに絶縁破壊
によりガラスが破壊される。前記ポーリング処理やシー
ディング処理を水素含有雰囲気中で行うとシリカガラス
中に水素が溶存することになり非線形光学効果が飛躍的
に向上する。水素溶存量としては1×1016〜1×10
19分子/cm3が好適であり、この範囲を逸脱すると非
線形光学効果の向上がみられない。
【0017】上記の板状またはファイバー状シリカガラ
スのポーリング処理またはシーディング処理前にγ線を
照射すると非線形光学効果の発現が短時間処理となり容
易となる。γ線照射はコバルト60を線源とし、総照射
線量を1×105〜1×108R(レントゲン)の範囲内
で設定するのが好ましい。
【0018】本発明の非線形光学シリカガラスは以下の
製造方法により製造される。すなわち (i) 板状非線形光学シリカガラスの製造方法 高純度化した水晶粉、四塩化けい素などの珪素化合物を
火炎加水分解法で分解して得た合成シリカガラス粉また
はゾルゲル法で得られたクリストバライト粉をシリカ原
料として採用し、そのOH基濃度を10wt.ppm以
上、好ましくは100wt.ppm以上に調整する。該
OH基濃度の調整は、混合原料粉を乾燥してその含水量
を調整にするか、または混合原料粉の投入量に対して、
酸水素炎の火力を調整する方法(酸水素炎ベルヌイ法)
などで行なわれる。
【0019】上記OH基調整シリカ原料粉に遷移金属元
素化合物を混合する。混合される遷移金属化合物として
は、酸化物、ヨウ化物、塩化物、硝酸塩または炭酸塩が
好適であり、これらの化合物がアルコールや水に可溶性
の場合には、溶液として混合され、またアルコールや水
に不溶性の場合には微粒子として混合される。アルコー
ルや水に可溶性の化合物としては、塩化セリウム(II
I)CeCl3、塩化クロム(II)CrCl2、塩化ア
ルミニウム水和物AlCl3・6H2O等があり、また不
溶性化合物としては、酸化チタン(IV)TiO2、酸
化セリウム(IV)Ce 2、炭酸セリウム(III)
水和物Ce2(CO3)・5H2O等がある。
【0020】上記遷移金属元素化合物の混合に続いてア
ルミニウムまたはリンの化合物を配合する。該化合物と
しては、酸化物、ヨウ化物、塩化物、硝酸塩、または炭
酸塩を挙げることができる。
【0021】遷移金属元素化合物、アルミニウムまたは
リンの化合物を混合した粉体ガラス原料は、次いで酸水
素炎ベルヌイ法、真空電気加熱溶融法、電気加熱帯溶融
法で透明ガラス化される。また揮発性の液体原料であれ
ば酸水素炎加水分解法のス−ト法、ダイレクト法、また
はプラズマ法で透明ガラス化される。得られたシリカガ
ラスを板状体、例えば縦10×横10×厚さ0.1〜1
0mmから縦50×横50×厚さ0.1〜1mmの寸法
の板状体に成形し、その両面を鏡面研磨仕上する。この
研磨板状体のシリカガラスを電気炉内の陰電極と陽電極
に挟み、炉内温度を200〜500℃の範囲内の所定の
温度に昇温させ、この温度に保持した後、シリカガラス
の厚さ当り1〜10KV/mmの直流電圧を10〜10
00分の範囲でかけポーリング処理し、非線形光学効果
を発現させる。前記電気炉として、雰囲気加熱炉が用い
られ、特に水素ガス含有雰囲気にてポーリング処理を行
うとシリカガラス中に水素分子が溶存され非線形光学効
果が向上する。
【0022】(ii) 非線形光学光ファイバーの製造
方法 コア部分に遷移金属元素、アルミニウムまたはリン、O
H基をドープしたファイバープリフォームを作成し、そ
れを線引きして光ファイバーを製造したのち、前記光フ
ァイバーに、例えばポンプ光として、YAGレーザの1
064nm光を伝送させながら、別に発生させたSHG
光(532nm)を同時に伝送させるシーディング処理
を行い非線形光学効果を発現させる。前記シーディング
処理によりSHGの発生効率が格段に上昇する。
【0023】ファイバープリフォームの作成法としては
(i)高純度の四塩化ケイ素SiCl4、クロロトリメ
チルシランSiCl(CH33、トリクロロメチルシラ
ンSiCl3(CH3)等のケイ素化合物を酸水素炎加水
分解法により分解してコア部を形成するスート体を作成
し、それに遷移金属元素、アルミニウムまたはリンの化
合物、好ましくはそれらの塩化物を使用して、遷移金属
元素、アルミニウムまたはリンをドープし、次いでその
外周部にフッ素をドープしたクラッド部を形成し、それ
を真空炉内で透明ガラス化する方法。または(ii)遷
移金属元素とアルミニウムまたはリンを共ドープしたコ
アロッドを作成し、それを別に作成したフッ素をドープ
したクラッドシリンダーとともにロッドインチューブ法
で加熱溶融一体化する方法、等がある。
【0024】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるもので
はない。
【0025】
【実施例】
実施例1〜5 純度99.999wt%の高純度の水晶粉を粒径50〜
200μmに調整し、これと純度99.9wt%、粒径
0.5〜5μmの酸化チタン粉、または酸化チタン粉と
酸化セシウム粉、あるいは酸化チタン粉と酸化ユウロピ
ウム粉とを表1に示す割合で高純度シリカガラス製ボー
ルミル容器に入れ、均一に混合した。この混合物にさら
に所定濃度のアルミニウム化合物の水溶液を混合し、1
00℃で100時間、さらに200℃で10時間の乾燥
を行った。次いで、酸水素炎ベルヌイ法で透明ガラス化
を行い、横20×縦20×厚さ1mmの板状体に加工
し、その両面を鏡面研磨仕上して薄板状サンプルを作成
した。この薄板状サンプルを陰電極と陽電極にはさんだ
後、電気炉内に設置し、5KV/mmの直流電圧をか
け、炉内温度を300℃に昇温させ、300℃にて30
分間保持したのち、電気源を切り冷却した。室温に冷却
するまで、ガラスサンプルの電圧を5KV/mmに保持
し、室温になったところでスイッチを切った。
【0026】電気炉内雰囲気は、実施例5の水素100
%の雰囲気以外は空気中とした。
【0027】上記処理後のサンプルをモードロックQス
イッチNdドープYAGレーザ1064nmを使い変換
光532nmを検出するメ−カフリンジ法で2次の非線
形光学定数d33(pm/V)を測定した。その結果を表
1に示す。YAGレーザの発振周波数は1KHz、1パ
ルスの寿命は約700nsec、パルス寿命半値幅は
2.0nsec、700nsecパルス当りの出力は1
KWであった。
【0028】上記メーカーフリンジ法はP.D.Mak
er、et.al,Physical Review
Letters.、Vol.8、No.1、1962、
pp.21〜22に従い、また、非線形光学定数d
33(pm/V)の測定はJ.Jerphagnon、
S.K.Kurtz(1970)、Journal o
fApplied Physics、Vol.41、N
o.4、1970、pp.1667〜1681に従っ
た。
【0029】比較例1 実施例1〜5の水晶粉に純度99.9wt%、粒径0.
5〜5μmの酸化チタン500wt.ppmおよびアル
ミニウム250wt.ppmを混合し、充分乾燥した後
真空加熱加熱溶融法で透明ガラス化した。OH基濃度は
3wt.ppmであった。得られたシリカガラスについ
て非線形光学定数d33を測定したところ表1のとおりで
あった。
【0030】比較例2 実施例1〜5の水晶粉を酸水素炎ベルヌイ法で透明ガラ
ス化した。OH基濃度は300wt.ppmとした。得
たシリカガラスについて非線形光学定数d33を測定した
ところ表1のとおりであった。
【0031】比較例3 実施例1〜5の水晶粉に純度99.9wt%、粒径0.
5〜5μmの酸化チタン500およびアルミニウム25
0wt.ppmを混合し、酸水素炎ベルヌイ法で透明ガ
ラス化した。OH基濃度は300wt.ppmとした。
得られたシリカガラスについてポーリング処理をするこ
となくその非線形光学定数d33を測定した。その結果を
表1に示す。
【0032】比較例4 実施例1〜5の水晶粉に純度99.9wt%、粒径0.
5〜5μmの酸化チタン500を混合し透明ガラス化し
た。OH基濃度は300wt.ppmとした。得られた
シリカガラスについて実施例1〜4と同様のポーリング
処理を施し、非線形光学定数d33を測定した。その結果
は表1のとおりであった。
【0033】実施例6、7 四塩化ケイ素SiCl4を原料として、酸水素炎加水分
解法で高純度の白色シリカガラススートを作成した。別
に塩化チタン(III)、塩化セシウム(III)、塩
化アルミニウム六水和物(AlCl3・6H2O)または
リン酸を用いて、遷移金属元素、アルミニウムまたはリ
ンの所定濃度の溶液を作成し、これに前記白色スート体
を投入し、前記溶液を含浸させた。前記スート体を乾燥
器に入れ100℃で10時間、さらに200℃で10時
間乾燥した。乾燥したスート体を円筒型グラファイトヒ
ータ電気溶融炉により帯溶融させ透明ガラス化を行っ
た。得られたシリカガラスを実施例1〜5と同様に加工
およびポーリング処理を施し、その物性値を測定した。
その結果を表1に示す。
【0034】実施例8 四塩化ケイ素SiCl4、塩化チタン(IV)TiC
4、塩化ホスホリル(POCl3)を原料とし、酸水素
炎加熱分解法のCVDスート法により白色スート体を作
成し、このスート体を円筒型電気加熱炉の上部から挿入
し、徐々に帯溶融させ、透明コアロッドを作成した。そ
の寸法は直径5×長さ200mmであった。別に外径5
0mm×内径5.5mm×長さ200mmおよび外径1
00×内径51×長さ200mmのフッ素ドープジャケ
ットガラスシリンダーを作成し、このジャケットガラス
シリンダーの中に前記コアロッドを挿入し、真空炉にて
加熱融着させ、光ファイバー用プリフォームを製造し
た。次いで、前記光ファイバー用プリフォームを線引き
してコア径5.0μm、コアとクラッドとの屈折率差Δ
n=0.003のシングルモード光ファイバーを作成し
た。この光ファイバーの一端よりYAGレーザ1064
nmと同時にYAGレーザの高調波レーザ532nmを
投入、伝送させシーディング処理を10分間行った。
【0035】上記シーディング処理は、R.H.Sto
lenn and H.W.K.Tom、 Optic
s Letters、Vol.12、No.8、198
7、pp.585〜257を参考にしておこなった。
【0036】YAGレーザは、モードロックQスイッチ
NdドープYAGレーザであり、発振周波数2KHz、
1パルスの全寿命は約500nsec、パルス寿命半値
幅1.2nsec、500nsecパルス当りの出力は
3KWであった。また、YAG第2高調波レーザの出力
は30Wであった。
【0037】その後上記NdドープYAGレーザ106
4nmのみを伝送させた時の532nm変換光の出力を
測定した。そのSHG変換効率は8%であった。
【0038】比較例5 チタン元素およびリンをドープしない以外実施例8と同
様にして光ファイバを作成した。この光ファイバのOH
基をフリーにし、かつゲルマニウムをドープした。この
光ファイバについて実施例8と同様にSHG変換効率を
測定したところ、0.01%未満であった。
【0039】
【表1】
【0040】上記表1から明らかなように本発明で規定
する範囲の遷移金属元素、アルミニウムまたはリン、お
よびOH基濃度を含有するシリカガラスにポーリング処
理またはシーディング処理をすると非線形光学効果が顕
著に現れる。特に処理雰囲気を水素の存在化で行う場合
に優れている。
【0041】
【発明の効果】本発明の非線形光学シリカガラスは、非
線形光学定数が大きく、SHGの発生強度が高いシリカ
ガラスである。しかも光学的均質性に優れ、かつ耐レー
ザ損傷性も優れているところから波長変換素子材料、特
にレ−ザ−波長変換素子材料として有効である。さら
に、本発明の非線形光学シリカガラスはその製造方法が
簡単で、機械加工性にも優れ、大型の波長変換素子を安
価に製造できる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遷移金属元素の少なくとも1種類以上を1
    0〜5,000wt.ppm、アルミニウムまたはリン
    の少なくとも1種類を10〜5,000wt.ppm含
    有し、かつOH基濃度が10〜5,000wt.ppm
    であるシリカガラスをポ−リング処理してなる非線形光
    学シリカガラス。
  2. 【請求項2】遷移金属元素の少なくとも1種類以上を1
    0〜5,000wt.ppm、アルミニウムまたはリン
    の少なくとも1種類を10〜5,000wt.ppm含
    有し、かつOH基濃度が10〜5,000wt.ppm
    であるシリカガラスファイバーをシ−ディング処理して
    なる非線形光学シリカガラス。
  3. 【請求項3】遷移金属元素の少なくとも1種類以上、ア
    ルミニウムまたはリンの少なくとも1種類を含有し、か
    つOH基濃度が10〜5,000wt.ppmである板
    状のシリカガラスを作成し、それを200〜500℃の
    温度範囲で、1〜10KV/mmの直流電圧でポーリン
    グ処理をすることを特徴とする非線形光学シリカガラス
    の製造方法。
  4. 【請求項4】遷移金属元素の少なくとも1種類以上、ア
    ルミニウムまたはリンの少なくとも1種類を含有し、か
    つOH基濃度が10〜5,000wt.ppmであるシ
    リカガラスコア部を有するファイバー用プリフォームを
    作成し、それを線引きしたのち、シーディング処理をす
    ることを特徴とする非線形光学シリカガラスの製造方
    法。
  5. 【請求項5】ポーリング処理前にシリカガラスにγ線照
    射することを特徴とする請求項3記載の非線形光学シリ
    カガラスの製造方法。
  6. 【請求項6】シーディング処理前にシリカガラスファイ
    バーにγ線照射することを特徴とする請求項4記載の非
    線形光学シリカガラスの製造方法。
  7. 【請求項7】ポーリング処理を水素含有雰囲気中で行う
    ことを特徴とする請求項3記載の非線形光学シリカガラ
    スの製造方法。
  8. 【請求項8】シーディング処理を水素含有雰囲気中で行
    うことを特徴とする請求項4記載の非線形光学シリカガ
    ラスの製造方法。
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EP1433758A1 (en) * 2002-12-25 2004-06-30 Nippon Sheet Glass Co., Ltd. Glass composition for poling and glass functional product containing the same
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