JPH07303489A - オーレオバシジウム プルランスの多剤耐性遺伝子 - Google Patents

オーレオバシジウム プルランスの多剤耐性遺伝子

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JPH07303489A
JPH07303489A JP7093674A JP9367495A JPH07303489A JP H07303489 A JPH07303489 A JP H07303489A JP 7093674 A JP7093674 A JP 7093674A JP 9367495 A JP9367495 A JP 9367495A JP H07303489 A JPH07303489 A JP H07303489A
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JP
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mdr
compound
dna
yeast cell
plasmid
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Application number
JP7093674A
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Robert B Peery
ロバート・ブラウン・ペアリー
Paul L Skatrud
ポール・ルーサー・スカートラッド
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Eli Lilly and Co
Original Assignee
Eli Lilly and Co
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/37Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from fungi

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オーレオバシジウム プルランス(Aure
obasidiumpullulans)の多剤耐性タ
ンパク(AP−MDR)をコードする単離された核酸化
合物、及び該遺伝子を含有するベクター並びに宿主細
胞、さらに使用する形質転換宿主細胞の分析法を提供す
る。 【構成】 宿主細胞サッカロミセス セレビシエ(Sa
ccharomyces cerevisiae)をA
P−MDR発現ベクター、プラスミドpPSR3で形質
転換する方法、及び該形質転換宿主細胞を(i)非形質
転換状態の酵母細胞は感受性を示し、形質転換酵母細胞
は耐性を示すような抗真菌剤、及び(ii)真菌MDR
阻害活性を持つとみられる化合物の存在下に培養し、該
酵母細胞の成育を阻害する抗真菌剤の能力を測定し、こ
の化合物の真菌MDR阻害活性を測定することからなる
真菌MDR阻害活性化合物の分析法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は組み換えDNA技術に関
し、特にオーレオバシジウム プルランス(Aureo
basidium pullulans)の多剤耐性タ
ンパクをコードする核酸のクローニングに関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトmdr−1遺伝子産物によって媒介
される多剤耐性(MDR)は、癌の化学療法のための養
生法の開発の中で、始めて確認された(Fojoら,1
987,Journal of Clinical O
ncology 5:1922−1927)。多剤耐性
癌細胞系は、高レベルの様々な細胞毒性化合物に耐性を
示す。しばしば、これらの細胞毒性化合物は共通の構造
上の特徴を持たず、細胞内の共通の標的と相互作用しな
い。細胞毒性物質に対する耐性は、外側に向けられた、
mdr−1遺伝子によってコードされたATP依存ポン
プによって媒介される。この機構は、特定の細胞毒性化
合物を毒性レベルで細胞内に蓄積させない。
【0003】MDR様遺伝子は、多数の細菌種、ショウ
ジョウバエ ドロソフィラ メラノガスター(Dros
ophila melanogaster)、プラスモ
ジウムファルシパルム(Plasmodium fal
ciparum)、酵母 サッカロミセス セレビシエ
(Saccharomyces cerevisia
e)、カエノルハブディティス エレガンス(Caeno
rhabditis elegans)、レイシュマニ
ア ドノバニ(Leishmania donovan
ii)、海綿、植物 アラビドプシス タリアナ(Ara
bidopsis thaliana、ホモ サピエン
ス(Homo sapiens)を含む多数の分岐した生
物において同定されている。広範囲の調査は多剤耐性ヒ
ト癌細胞系の表現型を逆転し、細胞毒性化合物の影響を
受けやすくさせることができる数種の化合物群を示して
いる。これらの化合物は本明細書中で「MDR阻害剤」
と呼び、例えば、カルシウムチャンネル遮断剤、抗不整
脈剤、抗高血圧剤、抗生物質、抗ヒスタミン剤、免疫抑
制剤、ステロイドホルモン、修飾ステロイド、脂肪親和
性カチオン、ジテルペン、洗剤、抗鬱剤、抗精神病薬を
含む(Gottesman及びPastan,199
3,Annual Review of Bioche
mistry(生化学年鑑) 62:385−42
7)。癌の化学療法へのヒトMDR阻害剤の臨床応用
は、研究の焦点の集まる領域になってきている。
【0004】別の最先端分野では、特定の菌種に対する
抗菌化合物の発見及び開発もまた、ある程度の成功をみ
せてきている。カンディダ(Candida)種による菌
感染が大部分であり、新規抗菌化合物のためのスクリー
ンが抗カンディダ化合物の発見のために設計されてき
た。抗菌剤の開発を通じて、活性は通常C.アルビカン
ス(C.albicans)に対する活性,に基づいて
最大限に利用されてきた。結果として、これら抗カンデ
ィダ化合物はしばしば、他の菌種に対しては臨床的に有
意な活性を持たない。しかし、数種の抗カンディダ化合
物は、より高濃度で他の菌種を殺すことができることが
分かったことは興味深い。このことはこれら抗カンディ
ダ化合物の抗菌標的が、これら菌種にも同様に存在して
いることを示唆している。このような結果は数種の菌種
が、抗菌化合物の臨床的に適切な濃度における生存を可
能にする自然の耐性機構を持っていることを示してい
る。このような菌類における抗菌化合物に対する一般的
な耐性機構については、未だ記載がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、菌類オーレ
オバシジウム プルランス(Aureobasidiu
m pullulans)におけるMDR遺伝子の発見
について記述する。この遺伝子によってコードされるタ
ンパク、本明細書中以下の「AP−MDR」はMDR表
現型を提供する。本発明はAP−MDRをコードする単
離核酸配列を提供するものである。これらの核酸配列は
AP−MDRをコードする他の単離核酸化合物と同様、
天然DNA(デオキシリボ核酸)コード配列(配列表の
配列番号:1の一部分として示される)を含む。本発明
にはAP−MDRをコードする核酸配列を含有するベク
ター及び宿主細胞が含まれる。本発明はさらに精製型の
AP−MDRを提供するものである。AP−MDRのア
ミノ酸配列は配列表中、配列番号:2として与えられ
る。
【0006】別の態様では、本発明は次の化合物の菌類
MDR阻害活性の測定法を提供する: a)AP−MDRの発現をもたらすベクターで形質転換
された酵母細胞を(i)非形質転換状態の酵母細胞は感
受性を示し、形質転換酵母細胞は耐性を示すような抗真
菌剤、及び(ii)真菌MDR阻害活性を持つと考えら
れる化合物の存在下に培養し、 b)該酵母細胞の成育を阻害する抗真菌剤の能力を測定
することによりこの化合物の真菌MDR阻害活性を測定
する。
【0007】図1に示す制限酵素の部位及びファンクシ
ョンマップ(機能地図)は、本明細書中で述べるプラス
ミドpPSR3の概要を示すものである。制限酵素部位
の情報は完全ではない。ベクター上のこのタイプの制限
酵素部位は実際にマップに示したよりも多いこともあろ
う。
【0008】本明細書中で使用している「AP−MD
R」なる用語は、オーレオバシジウムプルランスの多剤
耐性タンパクを意味する。「ベクター」なる用語は、自
律的に複製又は組み込みを行う物質を意味し、1又はそ
れ以上の付加DNA分子を加えることのできるデオキシ
リボ核酸(DNA)分子を含むプラスミド、ウイルス
(ファージを含む)を含むが、これらに限定されない。
この定義に「発現ベクター」なる用語も含まれる。ベク
ターはAP−MDRをコードするDNA又はRNAの増
幅及び/又は発現か、あるいはAP−MDRをコードす
るDNA又はRNAと交雑するDNA又はRNAの増幅
のどちらか一方のために用いられる。「発現ベクター」
なる用語は転写プロモーター(以下「プロモーター」)
及びAP−MDRをコードするDNAセグメントの発現
を操縦する位置にある他の調節配列を含むベクターを意
味する。本発明の発現ベクターは複製可能なDNA構成
であり、このDNA構成中においてAP−MDRをコー
ドするDNA配列が適当な宿主中でAP−MDRの発現
をもたらすことのできるような適当な制御配列に操作可
能に連結している。このような制御配列はプロモータ
ー、転写を制御するための任意のオペレーター配列、適
当なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、及
び転写及び翻訳の終結を制御する配列を含む。DNA領
域はお互いが機能的に関係しているときに操作可能に連
結する。例えばプロモーターはそれがDNAコード配列
の転写を制御するとき、この配列に操作可能に連結して
おり、コード配列の翻訳を可能にするような位置にある
とき、リボソーム結合部位はコード配列に操作可能に結
合している。「MDR阻害活性」なる用語は宿主細胞の
MDR活性を阻害する化合物の能力を示し、それによっ
て前記の宿主細胞に対する抗菌化合物の抗菌活性が増加
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明においては、AP
−MDRをコードするDNAの発現をもたらすベクター
で形質転換された宿主細胞によってAP−MDRを合成
してもよい。AP−MDRをコードするDNAは自然配
列又は合成配列又は両者の組み合わせ(「半合成配
列」)でもよい。これらの配列のインビトロ又はインビ
ボの転写及び翻訳は結果としてAP−MDRを生産す
る。AP−MDRをコードする合成及び半合成配列は当
業者には公知の方法によって構築できる。Brown
ら,(1979)Methods in Enzymo
logy,Academic Press,N.Y.,
68:109−151を参照する。AP−MDRコード
DNA又はその一部はApplied Biosyst
ems 380A型又は380B型DNAシンセサイザ
ー(Biosystems,Inc.,850Linc
oln Center Drive,Foster C
ity,CA 94404から商業的に入手可能)のよ
うな慣用のDNA合成装置を用いて合成できる。
【0010】遺伝子コードの自然の縮重のために、かな
り多くではあるが明確な数のAP−MDRをコードする
DNA配列が構築され得ることは当業者には認められよ
う。このようなDNA配列はすべて本発明によって提供
される。AP−MDRをコードする好ましいDNAコー
ド配列はオーレオバシジウム プルランスの自然配列
(配列番号:1)である。このDNA配列はプラスミド
pPSR3から得るのが好ましい。プラスミドpPSR
3は宿主細胞エシェリキア コリ(Escherich
ia coli)XL1−Blue/pPSR3から得
ることができ、このプラスミドはNorthern R
egional Research Laborato
ry(NRRL),米国農務省,North Univ
ersity Street 1815,Peori
a,IL 61604の永久培養コレクションに寄託
(寄託日1994年2月23日)されているもので、受
託番号NRRL B−21202で入手可能である。p
PSR3の制限部位及びファンクションマップは図1に
示す。AP−MDRをコードするDNAはプラスミドp
PSR3から約4.0キロ塩基対のSacI−SphI
制限酵素フラグメント上に得ることができる。
【0011】AP−MDRをコードするDNAの翻訳を
行うために、天然、合成または半合成AP−MDRをコ
ードするDNAを適当な制限エンドヌクレアーゼ及びD
NAリガーゼを用いて多くの適当な発現ベクターの内の
いずれかに挿入する。これらベクターからの分離、及び
ベクターへの組み込みを促進する制限エンドヌクレアー
ゼ切断部位を持つように、合成及び半合成のAP−MD
RをコードするDNA配列は設計することができ、天然
のAP−MDRをコードする核酸は改良することができ
る。使用する特定の制限エンドヌクレアーゼは、用いる
発現ベクターの制限エンドヌクレアーゼ切断パターンに
よって決められる。制限酵素部位はAP−MDR分子の
適切なフレーム内転写及び翻訳を達成するために、制御
配列とAP−MDRをコードするDNAとが適切に配向
するように選択される。AP−MDRをコードするDN
AはAP−MDRを発現する宿主細胞において機能する
発現ベクターのプロモーター及びリボソーム結合部位と
ともに適当な読み取りフレーム内に位置していなければ
ならない。
【0012】サッカロミセス セレビシエなどの酵母細
胞におけるAP−MDRの発現は好ましいものである。
酵母宿主とともに用いられる適当なプロモーター配列は
3−ホスホグリセリン酸キナーゼ(プラスミドpAP1
2BD ATCC 53231上に見いだされ、米国特
許4,935,350号(1990年6月19日)に記
載がある)又はエノラーゼ(プラスミドpAC1 AT
CC 39532上に見いだされる)などの他の糖分解
酵素、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナー
ゼ(プラスミドpHcGAPC1 ATCC 5709
0,57091から誘導される)、ヘキソキナーゼ、ピ
ルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナー
ゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホ
グリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオー
スリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラー
ゼ、及びグルコキナーゼのためのプロモーターを含む。
誘導酵母プロモーターは転写が成育条件によって制御さ
れるというさらなる利点がある。このようなプロモータ
ーはアルコールデヒドロゲナーゼ2、イソサイトクロム
C、酸性ホスホターゼ、窒素代謝と関係がある分解酵
素、メタロチオネイン(プラスミドベクターpCL28
XhoLHBPV ATCC 39475に含まれ、米
国特許4,840,896号に記載)、グリセルアルデ
ヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ及びマルトースとガラ
クトースの消費に関与する酵素(プラスミドpRY12
1 ATCC 37658及びプラスミドpPSR3上
にみられるGAL1)のためのプロモーター領域を含
む。酵母発現に使用される適当なベクター及びプロモー
ターはR.Hitzemanらによって欧州特許公開
No.73,657にさらに記載されている。サッカロ
ミセス セレビシエ由来のUASGalエンハンサー
(プラスミドYEpsec−−hI1beta,ATC
C67024上のCYC1プロモーターと連結してみら
れる)などの酵母エンハンサーもまた酵母プロモーター
とともに使用すると有利である。
【0013】本発明において有用な様々な発現ベクター
が当業者によく知られている。サッカロミセスにおける
発現のために例えばプラスミドYRp7(ATCC 4
0053,Stinchcombら,1979,Nat
ure 282:39;Kingsmanら,197
9,Gene 7:141;Tschemperら,1
980,Gene10:157)はよく使用される。こ
のプラスミドはトリプトファン中での成育能力に欠ける
酵母変異株に対する選択マーカー、例えばATCC 4
4076又はPEP4−1(Jones,1977,G
enetics 85:12)を与えるtrp遺伝子を
含んでいる。
【0014】サッカロミセス セレビシエ宿主細胞にお
けるAP−MDRの発現のために好ましいベクターはプ
ラスミドpPSR3である。プラスミドpPSR3はサ
ッカロミセス セレビシエ プラスミドpYES−2か
ら誘導され、サッカロミセスセレビシエ GALIプロ
モーター領域を含む。プラスミドpYES−2はInv
itrogen Corp.,Sorrento Va
lley Blvd.,San Diego CA 9
2121からカタログ番号825−20で公然と入手で
きる。プラスミドpPSR3は下記の方法で構築する。
オーレオバシジウム プルランスからゲノムDNAを分
離し、次に制限酵素Sau3AIで部分消化する。部分
消化したDNAはコスミドクローニングベクターSup
erCos1(Stratagene,LaJolla
CA 92037)へ連結する。コスミドクローンの
1つであるcR106−20Aはヒトmdr−1遺伝子
と高い配列相同性を持つDNAフラグメントを含む。コ
スミドcR106−20Aは制限エンドヌクレアーゼB
stXI及びSphIで消化する。この消化はすべての
AP−MDR読み取りフレームとAP−MDRプロモー
ターを含む約4,500塩基対のDNAフラグメントを
脱離する。この約4,500塩基対のDNAフラグメン
トは標準的な方法を用いてゲル精製する。プラスミドp
YES−2もまたBstXI及びSphIで消化し、A
P−MDR遺伝子を含む約4,500塩基対のBstX
I−SphI DNAフラグメントをこのベクターに連
結し、中間体プラスミドを形成する。次いで中間体プラ
スミドをEcoRI及びSacIで消化し、オーレオバ
シジウム プルランス AP−MDRプロモーター領域
を除去する。AP−MDR読み取りフレームを含む所望
のベクターフラグメントを制限エンドヌクレアーゼ消化
によって脱離したフラグメントからゲル精製する。欠失
領域をプラスミドpYES−2から生じた中間体プラス
ミドのサッカロミセス セレビシエ GAL1プロモー
ターとAP−MDR読み取りフレームとを並置させた複
製連鎖反応(PCR)DNAフラグメントで置換する。
【0015】PCRフラグメントは下記のプライマーと
ともに鋳型としてコスミドcR106−20Aを用いて
生成する: 5’−ACGCGAGATCTTCTCTCCAGTC
AATCCCCACGCAATTGC−3’(配列番
号:3)及び、 5’−CCTGCGTCATCTTCAAGGGCGA
GCTCATTCGGGTTCAAGAATCTTC−
3’(配列番号:4)。 PCRフラグメントはSacI及びEcoRIで消化し
ゲル精製する。次いでゲル精製したフラグメントを上記
のEcoRI−SacI消化中間体プラスミドへ連結す
る。この工程によりAP−MDR読み取りフレームをサ
ッカロミセスセレビシエのGAL1プロモーターと適切
に1列に並べる。得られたプラスミドはpPSR3と呼
ぶ。プラスミドpPSR3はサッカロミセス セレビシ
エにおけるAP−MDRの発現に有用である。
【0016】プラスミドpPCR3を図1に示す。図に
示した通りこのプラスミドはサッカロミセス セレビシ
エ GAL1プロモーター(Pgal1)に操作可能に
連結したAP−MDRをコードするDNAを含む。プラ
スミドpPSR3はまたAP−MDRをコードするDN
Aの3’位に位置する酵母転写ターミネーターcyc1
(T cyc 1)を含む。さらにプラスミドpPSR3
はエシェリキア コリ宿主細胞における複製を可能にす
るColE1複製起点(ColE1 ori)、及びア
ンピシリンの存在下で増殖した、プラスミドで形質転換
したエシェリキア コリ細胞の選択のためのアンピシリ
ン耐性遺伝子(Amp)を含む。プラスミドpPSR3
はさらに酵母宿主細胞における複製を可能にする酵母2
μ複製起点(2μ ori)、及びウラシル欠乏培地で
増殖した、プラスミドで形質転換したS.セレビシエ細
胞の選択のための酵母URA3遺伝子を含む。
【0017】本発明はまたAP−MDRを発現すること
が可能な組み換え宿主細胞を構築するための方法を含
み、この方法は宿主細胞を、AP−MDRをコードする
単離DNA配列を含む組み換えDNAベクターで形質転
換することからなる。本発明はさらにAP−MDRの発
現をもたらすことのできるベクターで形質転換した組み
換え宿主細胞においてAP−MDRを発現させるための
方法を含むものであり、この方法は発現に適した条件の
もとで前記の形質転換宿主細胞を培養することからな
る。
【0018】本発明の好ましい態様ではサッカロミセス
セレビシエ INVSc1又はINVSc2細胞(I
nvitrogen Corp.,Sorrento
Valley Blvd.,San Diego CA
92121から入手可能)を宿主細胞として用いる
が、多くの他の細胞系も使用できる。形質転換された宿
主細胞は選択圧をかけた適当な培地(ウラシル欠乏最小
培地)に置く。次いでこの培地を使用する宿主細胞系に
適した時間と温度で培養する。
【0019】サッカロミセス セレビシエ細胞などの酵
母細胞の形質転換にかかわる方法は当業者にはよく知ら
れているものであり、Ausubelら,Curren
tProtocols in Molecular B
iology(分子生物学における一般的なプロトコー
ル)(1989),John Wiley & Son
s,New York,NY及び補遺などの参考書にみ
ることができよう。形質転換した酵母細胞を培養する明
確な条件は、使用する宿主細胞系及びベクターの性質に
依存する。
【0020】AP−MDRは当業者によく知られてい
る、膜結合タンパクの単離及び精製の一般的な方法によ
って形質転換した宿主細胞から単離、精製する。単離し
たAP−MDRは構造に基づく薬物設計の研究、インビ
トロ結合分析、ポリクローナル及びモノクローナル抗体
の生産において有用である。
【0021】AP−MDRを生産する組み換えDNAの
別の合成法は固相ペプチド合成によるものである。この
方法は米国特許4.617,149号に記載されてお
り、ここで教示されている内容はすべて本明細書の一部
を構成する。ポリペプチドの固相化学的合成の原理は当
業者にはよく知られており、この領域での一般的な教科
書であるDugas,H.及びPenny,C.,Bi
oorganic Chemistry(生物有機化
学)(1981),Springer−Verlag,
New York,54〜92頁などにみられよう。し
かし、組み換え法が好ましい。
【0022】AP−MDRをコードするRNA又はDN
Aのいずれかの核酸、又はそれらの一部分はAP−MD
R mRNA、AP−MDR cDNA(相補的DN
A)、又はゲノムDNAの検出のための診断分析に有用
な核酸分子の生産において有用でもある。さらにAP−
MDRをコードしないがAP−MDRコードDNA又は
RNAとの交雑が可能なRNA又はDNAのいずれかの
核酸もまた、このような診断分析には有用である。これ
らの核酸分子は蛍光基、放射性原子又は化学発光基など
の検出可能な部分で既知の方法により共有結合で標識で
きる。標識された核酸は次いで、サザン又はノーザン交
雑分析などの慣用の交雑分析又は複製連鎖反応分析(P
CR)に用い、交雑DNA、cDNA、又はRNA分子
を同定する。PCR分析は標識されてない核酸分子を用
いて行ってもよい。このような分析はAP−MDRベク
ター及び形質転換細胞の同定、及び他の生物由来のAP
−MDR様mRNA、cDNA、又はゲノムDNAを検
出するためのインビトロ診断に用いる。
【0023】米国特許出願08/111680号は真菌
感染を処置するために真菌MDR阻害剤とともに、活性
スペクトルの明らかな抗真菌剤を含む併用治療の使用を
記載しており、この内容はすべて本明細書の一部を構成
する。この併用治療法は、それ以前に限られた臨床関連
抗真菌活性が証明されたに過ぎない抗真菌化合物の抗真
菌活性スペクトルを拡張するものである。同様に抗真菌
活性が証明された化合物もまた、これら化合物の抗真菌
活性がそれまでは耐性であった種に拡張せしめるような
真菌MDR阻害剤によって強化される。併用治療などに
有用な化合物の同定のために本発明は、MDR阻害活性
を有する化合物の同定のための分析法を提供する。AP
−MDRを発現する宿主細胞は真菌MDR活性の阻害剤
として有用な化合物の同定のための優れた方法を提供す
る。
【0024】通常、分析はAP−MDRを発現するベク
ターで形質転換された酵母細胞の培養を利用する。宿主
細胞によるAP−MDRの発現により、酵母細胞が形質
転換されていない状態で感受性を示すような抗真菌化合
物の存在下での宿主細胞の成育が可能になる。このよう
に形質転換された培養酵母細胞は、(i)非形質転換状
態の酵母細胞は感受性を示し、形質転換酵母細胞は耐性
を示すような抗真菌剤、及び (ii)真菌MDR阻害
活性を持つと考えられる化合物の存在下に培養する。M
DR阻害剤であると考えられる化合物の効果は、形質転
換された酵母細胞の成育を阻害する抗真菌化合物の能力
を試験することにより測定する。このような阻害はMD
R阻害剤であると考えられる化合物が、酵母細胞に抗真
菌化合物が作用するのを妨げるAP−MDRの能力を阻
害すれば起こる。この分析の例を実施例3に示す。本発
明の操作をより充分に示すために、次の実施例を提供す
るが本発明の範囲を限定するものであると解釈してはな
らない。
【0025】
【実施例】オーレオバシジウム プルランスのMDRをコードする
DNA源 実施例1 プラスミドpPSR3の単離 エシェリキア コリ XL1−Blue/pPSR3の
ライオフィルはNorthern Regional
Reseach Laboratories(NRR
L),Peoria,Illinois 61604,
受託番号NRRLB−21202から得られる。プラス
ミドpPSR3は当業者によく知られている方法を用い
て、NRRL B−21202から単離できる。Sam
brookら,Molecular Cloning:
A Laboratory Manual(モレキュラ
ー クローニング:実験室マニュアル)(1988),
Cold Spring Harbor Labora
tory Press,Cold Spring Ha
rbor,NY、又はAusubelら,Curren
t Protocols in Molecular
Biology(分子生物学における一般的なプロトコ
ール)(1989),John Wiley& Son
s,New York,NY及び補遺を参照する。
【0026】実施例2 AP−MDRタンパクの発現 サッカロミセス セレビシエINVSc1細胞(Inv
itrogen Corp.,San Diego C
A 92191)をJ.D.Beggs,1988,N
ature 275:104−109に記載の方法によ
りプラスミドpPSR3で形質転換する。YNB/CS
M−Ura/raf(4%ラフィノースを加えたYNB
/CSM−Ura[CSM−URA(Bio 101,
Inc.)を添加した酵母ニトロゲンベース(Difc
oLaboratories,Detroit,M
I)])を含むブイヨン培地中、28℃で飽和になるま
で振盪培養して形質転換細胞を増殖させる。AP−MD
Rの発現を誘導するために培養液の一部を単独の炭素源
としてラフィノースよりは、むしろ2%ガラクトースを
加えたYNB/CSM−Ura培地(YNB/CSM−
Ura/gal)を含むフラスコの接種に用いる。接種
したフラスコは28℃で約16時間培養する。
【0027】実施例3 抗真菌強化剤の分析 約1×106個のサッカロミセス セレビシエ INV
Sc1/pPSR3培養細胞をYNB/CSM−Ura
/galを含む数枚の寒天平板にそれぞれ移す。寒天の
表面はバイオハザードフード中で乾燥させる。サッカロ
ミセス セレビシエ INVSc1/pPSR3細胞は
AP−MDR活性を発現する。R106I(米国特許
5,057,493号、この内容は本明細書の一部を構
成する)などの非形質転換酵母細胞が典型的に感受性を
示す抗真菌化合物を100%エタノール中に1又は7m
g/mlの濃度になるよう溶解する。1mg/mlのこ
の溶液20μlを抗生物質感受性検定ディスク(Dif
co Laboratories,Detroit,M
I)に置く。抗真菌剤溶液を加えた後、このディスクを
バイオハザードフード中で風乾させる。乾燥の際、ディ
スクはサッカロミセス セレビシエ INVSc1/p
PSR3細胞を含むペトリ皿の表面に置く。AP−MD
R阻害の能力を検定する化合物をジメチルスルホキシド
(DMSO)中に溶解する。DMSOに加える化合物の
量は検定する各化合物の溶解度に依存する。検定する化
合物を含む懸濁液20μlを抗生物質感受性検定ディス
ク(Difco Laboratories,Detr
oit,MI)に加える。検定化合物を含むこのディス
クをバイオハザードフード中で風乾させる。次いでこの
ディスクを抗真菌化合物を含むディスクから約2cm離
してサッカロミセスセレビシエ INVSc1/pPS
R3細胞を含む乾燥ペトリ皿の表面に置く。2枚のディ
スクを含むペトリ皿は28℃で約16時間インキュベー
トする。
【0028】培養に次いで、ディスク周囲の成育阻害の
ゾーンを調べる。検定プレート上の抗真菌ディスク付近
の成育阻害ゾーンはMDR阻害活性について検定される
化合物がAP−MDRの活性を妨害し、抗真菌化合物に
宿主細胞の成育を阻害させていることを示している。こ
のような化合物はMDR阻害活性を持つと言える。成育
阻害ゾーンの小さい、もしくはない場合は検定化合物が
MDR活性を妨害せず、従ってAP−MDRが抗真菌化
合物に作用し宿主細胞のMDR阻害活性を妨害している
ことを示す。
【0029】
【配列表】
【0030】 配列番号:1 配列の長さ:3909 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【0031】 配列番号:2 配列の長さ:1302 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク 配列
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【0032】 配列番号:3 配列の長さ:39 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列
【化12】
【0033】 配列番号:4 配列の長さ:46 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列
【化13】
【図面の簡単な説明】
【図1】 プラスミドpPSR3の制限酵素部位及びフ
ァンクションマップを示す模式図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 C 9282−4B C12Q 1/18 6807−4B //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:645) (C12P 21/02 C12R 1:865) (C12Q 1/18 C12R 1:865) C12R 1:645) (72)発明者 ポール・ルーサー・スカートラッド アメリカ合衆国46143インディアナ州グリ ーンウッド、ウエスト・ステイト・ロード 144、5579番

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オーレオバシジウム プルランス(Au
    reobasidium pullulans)MDR
    をコードする単離された核酸分子。
  2. 【請求項2】 配列番号:2によってコードされる精製
    タンパク。
  3. 【請求項3】 a)AP−MDRの発現をもたらすベク
    ターで形質転換された酵母細胞を(i)非形質転換状態
    の酵母細胞は感受性を示し、形質転換酵母細胞は耐性を
    示すような抗真菌剤、及び(ii)真菌MDR阻害活性
    を持つと考えられる化合物の存在下に培養し、 b)前記酵母細胞の成育を阻害する抗真菌剤の能力を測
    定することにより前記化合物の真菌MDR阻害活性を決
    定することからなる化合物の真菌性MDR阻害活性の測
    定法。
JP7093674A 1994-04-20 1995-04-19 オーレオバシジウム プルランスの多剤耐性遺伝子 Pending JPH07303489A (ja)

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US08/232,537 US5516655A (en) 1994-04-20 1994-04-20 Multiple drug resistance gene of Aureobasidium pullulans
US232537 1994-04-20

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AU665341B2 (en) * 1990-12-18 1996-01-04 Wellcome Foundation Limited, The Agents for potentiating the effects of antitumor agents and combating multiple drug resistance

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AU1650695A (en) 1995-11-02
IL113405A0 (en) 1995-07-31
EP0678578A2 (en) 1995-10-25
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